JPH11266722A - 茶園用スプリンクラーの散水器とこれによるスプリンクラー、及び茶園の散布方法 - Google Patents

茶園用スプリンクラーの散水器とこれによるスプリンクラー、及び茶園の散布方法

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JPH11266722A
JPH11266722A JP7786698A JP7786698A JPH11266722A JP H11266722 A JPH11266722 A JP H11266722A JP 7786698 A JP7786698 A JP 7786698A JP 7786698 A JP7786698 A JP 7786698A JP H11266722 A JPH11266722 A JP H11266722A
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water
spraying
tea
sprinklers
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JP7786698A
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Kunio Aoki
邦夫 青木
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Nagata Seisakusho Co Ltd
Tokai Bussan Co Ltd
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Nagata Seisakusho Co Ltd
Tokai Bussan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 茶園の散水、防除、施肥などを固定配管によ
る一般的なスプリンクラーと同様に行うことができなが
らも、その際、摘採時には容易に待避させることにより
摘採作業の邪魔にならない散水器を簡易な構造で提供す
ること。 【解決手段】 支柱材3の上端に散水頭部4を設けて成
り、茶の樹冠部Aの上端高さHより低く立設された杭部
材105に取り付けられる散水器1であって、散布時に
は、杭部材105に着脱自在に取り付けることにより、
散水頭部4が樹冠部の上端高さHより高く設置され、摘
採時には、杭部材105から取り外すことにより、杭部
材105のみが茶園に残存する様に用いられる茶園用ス
プリンクラーの散水器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、茶園において散
水、防霧、施肥、防除をする際に用いる散水器と、この
散水器を用いたスプリンクラー、及びこれらを用いた茶
園の散布方法に関し、詳しくは、摘採の邪魔にならない
散水器と、小型動力噴霧器で多数の散水器をまかなえる
スプリンクラーと、このスプリンクラーを用いた茶園の
散布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】茶園での散水、防除などは、現在、人力
で行うのが大半であり、人手でノズルの付いたホースを
持ち、茶園を移動しながら順次、薬液などの散布を行っ
ている。ただ、手作業による散水や農薬散布は効率が悪
いため、労働負担が大であり、また適期散布が困難であ
ったり、農薬被爆の問題がある。最近では、スプリンク
ラーなどの散布設備を茶園に布設して、これにより行う
ものが一部にあるが、茶園は傾斜地であることも多く、
固定配管が難しいなどの問題がある。
【0003】また、スプリンクラーは茶の摘採作業の障
害となる問題がある。茶の摘採は、現在、一部の高級品
を除いて大半が機械化されており、摘採機による摘採が
行われている。この際、スプリンクラーは散水器の立上
り部分が樹冠部Aの上端高さHから頭を出した状態とな
っており、これが摘採作業の邪魔となるからである。
【0004】そのため最近では、図12に示す散水機2
01のように、立上り部分201’が伸縮する様に設け
られ、未使用時は樹冠部の上端高さHより低く縮み、散
布時にのみ伸びて樹冠部Aの上端面より頭を出し散布す
るものが一部で提供されている。これは、散布時の高圧
ホースからの圧送圧力を応用したもので、この圧力で頭
部を上昇させ、所定高さで散布するものであり、散布が
終わると減圧するので、頭部が所定低さに戻って、摘採
の障害になることがない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ただ、この様に使用/
未使用により自動的に高さ調整がされるような設備は、
設備コストが割高になる傾向にある。また、農業、園芸
業においては収穫量が作物の生育に依存する関係上、耕
地の単位面積当たりの収穫量に限度があり、そのため投
入できる設備コストにも収穫量に対応した上限がある。
従って、これを上回るコストの設備は、設備の技術的効
果にもかかわらず現実には使用されない傾向になる。
【0006】以上の問題を鑑み、本発明の目的とすると
ころは、茶園の散水、防除、施肥などを固定配管による
一般的なスプリンクラーと同様に行うことができながら
も、その際、摘採時には容易に待避させることにより摘
採作業の邪魔にならない散水器を簡易な構造で提供し、
又この散水器を用いたスプリンクラーであって小型動力
噴霧器によってもその処理能力以上の散水器総数をまか
なうスプリンクラーを提供し、更に、これらを用いた散
布方法をも提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の問題を解決するた
め、茶園に設置するスプリンクラーの立上り部分1’
を、杭部材105とこれに連結する支柱材3とから成す
ことを前提としており(図1参照)、請求項1記載の発
明では、支柱材3の上端に散水頭部4を設けて成る散水
器1を発明の要旨とした。これは杭部材105を地面に
立設させておき、散水器1をこの杭部材105に着脱自
在に取り付けるようにしたものである。散水器1は、散
水頭部4が茶の樹冠部Aの上端高さHより高い散水位置
となる様に設置されるが、この際、杭部材105は立設
時にあっても樹冠部の上端高さより低くなるように設け
られている。そのため、摘採時には杭部材から取り外す
ことにより杭部材のみが茶園に残存するので(図7参
照)、摘採作業の邪魔になることはない。しかも、非常
に簡易な構成であり、設備負担の軽減が大いに図れる。
【0008】請求項2記載の散水器の発明では、立上り
部分1’を、杭部材5とこれに取り付ける支柱材3とか
ら成す点は請求項1と同様である。ただ、支柱材3と支
柱材3の上端に設けた散水頭部4とのほか、杭部材5を
も散水器の構成範囲とした(図8参照)。また取り付け
方法が異なっており、支柱材と杭部材を成す2つの管材
を入れ子状態に連結して取り付けるものである(図9参
照)。また、この入れ子の出し入れにより立上り部分は
伸縮する様になっている。更に、この伸縮位置の固定
は、前記2つの管材に透設された多段階なピン孔へのピ
ン止めにより成すことにより、散水頭部が高さ調整可能
な様に設けられている。そして、散布時には、高さ調整
を高位置に調整することにより、散水頭部が樹冠部の上
端より高く散布可能な位置となる様に設置され、一方、
摘採時には、高さ調整を低位置に調整することにより、
散水頭部の高さが樹冠部の上端高さより低くなる様に用
いるものである。管材は、円筒管に限らず、入れ子にな
るものなら各パイプ、C管、U管でもよく、L字アング
ル材であってもよい。
【0009】請求項3記載の発明は、動力噴霧器と、請
求項1又は2記載の散水器の多数とが、分岐口に制水弁
を有した分水盤及びこの分水盤から引き出される送水管
を介して配管接続されたスプリンクラーである(図2〜
図3参照)。請求項4記載の発明は、このスプリンクラ
ーを用いた散布方法である。用いられる動力噴霧器は、
1の前記散水器をまかなうこと処理能力限度とし、制水
弁の1のみを順次開放させて対応する1の散水器から順
次散布させることにより、全ての前記散水器からの散布
を完了する様に用いられる。ノズル(による散水器)を
付けたホースを手にして、手作業で防除していた今まで
農家であれば、この様な散水をまかなうこと(即ち1の
散水器をまかなうこと)を処理能力限度とした小型動力
噴霧器しか持っていないことも多い。しかしこの発明の
よれば、この様な小型の動力噴霧器を用いて、多数の散
水器を有したスプリンクラーを稼働させることができ
る。
【0010】請求項5記載の発明は、茶園に所望数の杭
部材を立設配置しておき、この杭部材に請求項1又は2
記載の支柱材の取り付けと、ホースなどの可撓性のある
送水管を用いた請求項4記載の散布方法による散布と、
の繰り返しを、前記散水器の再配置移動をさせながら行
うことにより、散水器総数に対応した合計散布面積より
も広い茶園を散布することを要旨としている。
【0011】
【発明の実施の形態】次ぎに、本願発明の実施例を説明
する。
【0012】(実施例1)図1〜図7は請求項1記載の
発明の実施例としての散水器1と、これを用いた請求項
3記載の発明の実施例としてのスプリンクラー2とを説
明するものであり、併せて、これを用いた請求項4記載
の発明の実施例としての散布方法を説明する。
【0013】スプリンクラー2は、図2〜図3に示す様
に動力噴霧器10の送出口11から高圧ホースによる幹
管20が送水管として引き出され、複数の分水盤21、
21が適当な間隔を隔てて直列接続してある。分水盤2
1には手動による制水弁を有した分岐口22が複数個設
けられて、各分岐口からは高圧ホースによる枝管23が
送水管として引き出されている。枝管23の末端には散
水器1が接続されており、ホースにより可撓性のある送
水管を用いてあるので、散水器1 の移設が容易であ
る。
【0014】動力噴霧器10は、1の散水器1をまかな
うこと処理能力限度とするものを用いてあり、吸水口1
2と余水口13とがホース14により薬剤タンク15に
配管してある。
【0015】散水器1は、鉄パイプで成る支柱材3の上
端に、散水頭部4を設けて成り、茶の樹冠部Aの上端高
さHより低く立設された杭部材105に取り付けられる
様になっている。詳しくは、散水頭部4が継ぎ手5を介
して枝管23と接続されているが、この継ぎ手23は支
柱材3の上端に取り付けられる様になっていて、散水頭
部4を支柱材3上端に設けるための取付部材を兼ねてい
る。また枝管23は継ぎ手6との接続が着脱容易に行え
るようになっいる。支柱材3は、地面に立設された鉄パ
イプの杭部材105に、束ね材100で連結して取り付
けるようになっている。束ね材100には、図4に示す
様にスチィールバンド101を(支柱材3と杭部材10
5を成す)パイプ2本を束ねた際に形作られる輪状に形
成したものを用い、輪状の一箇所となる切り欠き端部1
01aに、締め付け部材102をはめて締め付けること
により、束ねることができるようになっている。なお、
束ね材100はこれに限らず図5に示すように、スティ
ールバンド103でパイプを束ねて、バンド両端をボル
トとナットで締めたものでもよく、或いは、図6に示す
様に束ね状態にした2本のパイプに直接ボルトを貫通さ
せナット示したものでもよく、要するに、束ね状態に取
り付けられるものであればどの様なものであってもよ
く、バンド形状、ワイヤ形状の部材に限らない。
【0016】以上の散水器であれば、散布時には、支柱
材3を杭部材105に束ね材100で連結して取り付け
ることにより、散布頭部4が散布可能な高さに設置さ
れ、摘採時には、杭部材105から取り外すことによ
り、杭部材のみが茶園に残存するが、茶の樹冠部の上端
高さより低くいので、摘採の邪魔にはならない。
【0017】このスプリンクラーを用いて行う散布操作
は次のようになる。
【0018】まず、初期準備として、茶園に必要数の杭
部材を立設しておく。杭部材を茶畝の内方、即ち茶の根
本の近くに立設し、この様な立設を茶畝に沿って順次行
う。その際、杭部材の上端が、樹冠部の上端高さHより
低く摘採機の邪魔にならない程度に立設しておく。茶園
は傾斜地が多く、スタンド式に地面に平置きする散水器
や、立上り部分の支えを周囲3方から三脚状に取り付け
る散水器であれば傾斜地での設置が困難であるが、杭打
ちにより立設するので容易である。
【0019】次ぎに、散水器1を(枝管23をまだ接続
しない状態で)束ね材100を用いて杭部材105に取
り付けてゆく。取り付けたら、動力噴霧器10から幹管
20、分水盤21を経て配管されている枝管23の末端
を、散水器1の継ぎ手6に順次接続してゆく。幹管20
も枝管23の可撓製のあるホースなため、ホース(の枝
管)を手繰り寄せながらの接続は容易に行える。
【0020】接続し終わったら、動力噴霧器10を始動
すると共に、分水盤21の図示しない制水弁を1のみを
開放させ、他の制水弁を止水状態にして、開放させた制
水弁に対応する散水器1から散布させる。所定時間の散
布の後、散布していた散水器1の制水弁を止水させ、次
の制水弁を開放させる。具体的には、散布作業中に作業
員は分水盤21の位置に控えていて、1つの分水盤21
に設けられている多数の制水弁の開放/止水操作を順次
行うことにより、当該分水盤21配下の多数の散水器
1、1、…からの散布を、順次、行ってゆくのである。
そして当該分水盤21配下の散水器1、1、…が全て散
布し終わったら、作業員は次の分水盤21に移動し、上
記と同じ事を順次繰り返して行うこととなる。全ての分
水盤21、21、…の操作を終えることにより、全ての
散水器からの散布が終了する。
【0021】一方、摘採時には束ね材100を解くこと
により、杭部材105から散水器1を外して撤去する
か、その場に寝かせて茶畝間の通路の邪魔にならない様
にしておけばよい。杭部材105は、図7に示す様に立
設した状態で残存するが、樹冠部の上端高さHより低い
ので摘採作業の邪魔になることはない。摘採後に、再
度、散布の時期が到来したら、散水器1を杭部材105
に取り付け、上述した散布作業を行えばよい。尚、分水
盤21は直列接続でも、並列接続でも、或いは直列と並
列を混合させて接続してもよく、或いは1の分水盤のみ
であってもよい。
【0022】(実施例2)次ぎに、請求項5記載の散布
方法の実施例を説明する。これは、実施例1と殆ど同じ
であるが、違いは、杭部材105をスプリンクラー2の
散水器1総数より多く立設しておくことである。そし
て、杭部材105に取り付けた全ての散水器1から実施
例1に示した方法で散布を行い、これを終えたら、散水
器1をまだ散布の成されていない他の杭部材105に移
動をさせて取り付け、再度、実施例1の散布方法により
散布する。これも終えたら、更に「散水器の移動」と
「散布」を行い、この様なことを繰り返すことにより、
散水器総数に対応した合計散布面積よりも広い茶園を散
布することができる。例えばスプリンクラー2が、1の
分水盤21とその配下に5機の散水器1を取り付けた小
型なものであり、散水器1機で2アールに散布できると
すれば、スプリンクラー2の散布面積は10アールとな
る。仮に、このスプリンクラー2を50アールの茶園に
用いれば、散水器1の再配置移動を4回行うことによ
り、5回(1回10アール)の散布作業を行うこととな
り、これにより茶園全ての散布を終えることができる。
従来の手作業に較べれば遥かに効率が良く、農薬被爆も
回避できる。また通常のスプリンクラー設備を設置する
のであれば、50アールの茶園全体に固定配管して、散
水器も例えば25機(50a÷2a/1散水器)程度用
意し、大型の動力噴霧器を新たに設置しなければならな
い。しかし、動力噴霧器は手作業時に用いていた(散水
器1機の処理能力の)小型動力噴霧器をそのまま用いれ
ばよく、散水器は僅かな台数でよく、また固定配管設備
も不要なので、設備負担の面でも優れる他、特にコスト
パフォーマンスに優れる。
【0023】なお、以上は薬剤散布による防除を例に挙
げたが、タンクに灌漑用水をいれて散水散布するなり、
養液をいれて施肥をするなり、防霜なり、本願において
用途は自由であり、動力噴霧器の圧力調整によって散布
する液体の粒子の大きさを用途に応じたものにすればよ
い。
【0024】(実施例3)図8〜図11は、請求項2記
載の散水器1の実施例を示している。支柱材3と杭部材
5はそれぞれが鉄パイプによる管材でなり、支柱材3は
杭部材5の内径よりやや細いものを用いてある。この支
柱材3は、図9に示す様に立設した杭部材5の上端開口
からから差し込んで入れ子状態に連結するものである
が、この入れ子の出し入れによる伸縮位置の固定を、前
記2つの管材に透設された多段階なピン孔3’、3’、
…;5’5’へのピン止で成す様になっている。この散
水器1では、散布時に、支柱材3の下方部分を杭部材5
の上方位置に差し止めておき、図10に示す様にピン7
で位置固定することにより、散水頭部4を高位置に高さ
調整することができ、この時、散水頭部4は散布可能な
高さに設置しておくこととなる。また摘採時には、図1
1に示す様に支柱材3を杭部材5の奥深く差し入れて、
散水器1の上部付近だけが杭部材5から出ている程度の
低位置に高さ調整し、これにより散水頭部4の高さが樹
冠部の上端高さHより低くすることができる。その他、
動力噴霧器、分水盤、送水管、タンクなどは実施例と同
様でよい。また、散布方法も同様でよい。尚、この散水
器を、摘採時に支柱部を杭部材から取り外すことによ
り、前記杭部材のみが茶園に残存する様に用いるのであ
れば請求項1記載の散水器に該当する。
【0025】尚、本願発明以外の発明として、以下のも
のがある。まず、請求項3の発明において、動力噴霧器
の処理能力を、少数の前記散水器をまかなうこと処理能
力限度に変更し、前記制水弁の前記少数のみを順次開放
させて対応する散水器から順次散布させることにより、
全ての前記散水器からの散布を完了する様に用いられる
スプリンクラーがある。ここで「少数」とは、配管接続
された散水器総数の数分の1程度の数(例えば、1/2
〜1/10、また或いは、1/20、1/30、また或
いはそれ以上であってもよい)を云い、制水弁の開放の
切り替え作業を順次数回行うことにより、全ての前記散
水器からの散布を完了する様なものを云う。例えば、1
0台の散水器に2台の散水器をまかなうこと処理能力限
度とするものを用い、制水弁の2つづつの開放切り替え
作業を順次4回行う場合がある。或いは、15台の散水
器に3台の散水器をまかなうこと処理能力限度とするも
のを用い、制水弁の3つづつの開放切り替え作業を順次
4回行う場合がある。また、請求項3〜4の散布方法に
おいても同様に、動力噴霧器の処理能力を、前記少数の
前記散水器をまかなうこと処理能力限度に変更すること
ができる。
【0026】また、1のみの散水器を、分水盤を介さず
に1本の高圧ホースで動力噴霧器に直結し、茶園に立設
配置しておいた所望数の杭部材に散水器の取り付け移動
させながら、散布してもよい。例えば、前記高圧ホース
の中途に制水弁を設けておき、動力噴霧器を稼働させた
まま制水弁で止水して、散水器を隣の杭部材に移動さ
せ、制水弁を開放して散布を再開することとなる。これ
によりこれによれば、設備は人力散布に近い作業となり
ながらも、農薬被爆の回避と、作業員への労働負担の軽
減という面で効果がある。
【0027】
【発明の効果】以上、本願請求項1及び2記載の発明の
散水器によれば、従来、大半が手作業であった茶園の散
水、防除、施肥などをスプリンクラーによる設備作業と
して行うことを可能としながらも、一方では、摘採時に
散水頭部を容易に待避させることにより摘採作業の邪魔
にならず、しかも、非常に簡易な構成で、設備負担の軽
減を伴って実施することができる。
【0028】請求項3記載の発明のスプリンクラーは、
請求項1及び2記載の発明の散水器を用いるほか、1の
散水器しかまかなえない小型の動力噴霧器を用いて、多
数の散水器からの散布を可能とするスプリンクラーなの
で、既存の小型動力噴霧器の転用、或いは新規購入の場
合も設備の負担を軽減化することができる。
【0029】請求項4記載の発明の散布方法によれば、
手作業よりはるかに高い作業効率で作業ができる一方
で、これに必要な設備が手作業時に要したものに対し
て、僅かな設備増加に止めることができる。
【0030】請求項5記載の発明の散布方法によれば、
手作業よりはるかに高い作業効率で作業ができる一方
で、単位面積当たりの設備負担がより少なくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この図は、実施例1で示した請求項1記載の
散水器の説明図である。
【図2】 この図は、実施例1で示した請求項3記載の
スプリンクラーの配管概要の説明図である。
【図3】 この図は、図2に示したスプリンクラーの、
茶園での設置の説明図である。
【図4】 この図は、図1に示した散水器を杭部材に取
り付ける際の、取り付け方の説明図である。
【図5】 この図は、散水器の杭部材への別の取り付け
方の説明図である。
【図6】 この図は、散水器の杭部材への別の取り付け
方の説明図である。
【図7】 この図は、摘採時に杭部材から散水器を外す
ことにより、杭部材のみが茶園に残存するも、摘採作業
の邪魔にならないことの説明図である。
【図8】 この図は、実施例3で示した請求項2記載の
散水器の説明図である。
【図9】 この図は、図8に示した散水器において、支
柱材を杭部材に取り付ける際の、取り付け方の説明図で
ある。
【図10】 この図は、図9に示した取り付け方におけ
る、取り付け後の説明図である。
【図11】 この図は、摘採時に、支柱材を杭部材の奥
深く差し入れて低位置に高さ調整することにより、散水
頭部の高さを樹冠部の上端高さより低くした様子の説明
図である。
【図12】 この図は、従来のスプリンクラーの一例に
おける、その散水器の立上り部分の説明図であり、立上
り部分が伸縮する様に設けられ、スプリンクラーの未使
用時は樹冠部の上端面より低く縮み、散布時にのみ伸び
て樹冠部の上端面より頭を出して散布可能となる様子を
説明している。
【符号の説明】
1 散水機 2 スプリンクラー 3 支柱材 4 散水頭部 5、105 杭部材 6 継ぎ手 10 動力噴霧器 20 送水管としての幹管 21 分水盤 22 分岐口 23 送水管としての枝管 A 樹冠部 H 樹冠部の上端高さ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支柱材の上端に散水頭部を設けて成り、
    茶の樹冠部の上端高さより低く立設された杭部材に取り
    付けられる散水器であって、 散布時には、前記杭部材に着脱自在に取り付けることに
    より、前記散水頭部が前記樹冠部の上端高さより高く設
    置され、 摘採時には、前記杭部材から取り外すことにより、前記
    杭部材のみが茶園に残存する様に用いられることを特徴
    とする茶園用スプリンクラーの散水器。
  2. 【請求項2】 支柱材と杭部材を成す2つの管材が入れ
    子状態に連結され、 この入れ子の出し入れによる伸縮位置の固定を、前記2
    つの管材に透設された多段階なピン孔へのピン止で成す
    ことにより、前記支柱材の上端に設けられた散水頭部が
    高さ調整可能に設けられた散水器であって、 散布時には、前記高さ調整を高位置に調整することによ
    り、前記散水頭部が茶の樹冠部の上端高さより高く設置
    され、 摘採時には、前記高さ調整を低位置に調整することによ
    り、前記散水頭部が前記樹冠部の上端高さより低くなる
    ことを特徴とする茶園用スプリンクラーの散水器。
  3. 【請求項3】 動力噴霧器と、請求項1又は2記載の散
    水器の多数とが、分岐口に制水弁を有した分水盤及びこ
    の分水盤から引き出される送水管を介して配管接続され
    たスプリンクラーであって、 前記動力噴霧器は1の前記散水器をまかなうこと処理能
    力限度とし、前記制水弁の1のみを順次開放させて対応
    する1の散水器から順次散布させることにより、全ての
    前記散水器からの散布を完了する様に用いられることを
    特徴とするスプリンクラー。
  4. 【請求項4】 動力噴霧器と、請求項1又は2記載の散
    水器の多数とが、分岐口に制水弁を有した分水盤及びこ
    の分水盤から引き出される送水管を介して配管接続され
    たスプリンクラーを用い、この際、前記動力噴霧器に
    は、1の前記散水器をまかなうこと処理能力限度とする
    ものを用い、 散布時には前記制水弁の1のみを順次開放させて対応す
    る1の散水器から順次散布させることにより全ての前記
    散水器からの散布を成し、 摘採時には、前記散水器を取り外し又は散水頭部の高さ
    調整により樹冠部の上端高さから待避させることを特徴
    とする茶園の散布方法。
  5. 【請求項5】 茶園に所望数の杭部材を立設配置してお
    き、 この杭部材に請求項1又は2記載の散水器の取り付け
    と、ホースなどの可撓性のある送水管と前記散水器とを
    用いた請求項4記載の散布方法による散布と、の繰り返
    しを、 前記散水器の再配置移動をさせながら行うことにより、
    前記散水器総数に対応した合計散布面積よりも広い茶園
    を散布することを特徴とする茶園の散布方法。
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