JPH11262538A - 放射線配分演算方法、放射線配分計画装置および放射線治療装置 - Google Patents

放射線配分演算方法、放射線配分計画装置および放射線治療装置

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JPH11262538A
JPH11262538A JP6834298A JP6834298A JPH11262538A JP H11262538 A JPH11262538 A JP H11262538A JP 6834298 A JP6834298 A JP 6834298A JP 6834298 A JP6834298 A JP 6834298A JP H11262538 A JPH11262538 A JP H11262538A
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radiation
matrix
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irradiation
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JP6834298A
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Susumu Nishihara
進 西原
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 患部の形に合わせた治療を行う場合、患部の
形に合うようにレンジシフタの厚さ、多葉コリメータの
位置を試行錯誤で決める必要があり、時間がかかり問題
であった。 【解決手段】 患部4に設けられた複数の計算点におけ
る放射線の吸収係数を行列要素とした吸収係数マトリッ
クス、および各計算点における放射線の照射線量を行列
要素とした照射線量マトリックスを記憶する記憶手段1
1と、吸収係数マトリックスの逆行列に照射線量マトリ
ックスを乗じて、各方向ごとの照射線量の配分を求める
演算手段12とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、癌などの患部に対
して放射線治療を行う際の放射線量の配分を求める放射
線量配分演算方法、放射線量配分計画装置および放射線
量の配分に基づいて放射線治療を行う放射線治療装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
特公平6−96048号公報のものが知られている。こ
の公報に記載された従来の放射線治療装置の構成を図9
に示す。同図において、101は荷電粒子線、102は
荷電粒子線101の径を拡げるワブラー電磁石、103
は荷電粒子線101の通過を制限する多葉コリメータ、
104は患者105を固定する治療台、106は荷電粒
子線101を照射する深さを調整するレンジシフタ、1
07はレンジシフタ106を通過した荷電粒子線101
の線量を測定する線量計である。
【0003】次に、動作について説明する。荷電粒子線
101は非常に細い線束であるため、このままでは治療
に使えない。そこで、2対のワブラー電磁石102に位
相の異なった高周波磁場を発生させることにより、治療
中心(以下、アイソセンタという)上で拡がったビーム
にすることができる。また、荷電粒子線101の吸収線
量は深さ方向に図10に示すようなブラックピークを持
っており、荷電粒子線101のエネルギーが定まると、
このブラックピークの深さが確定し、特定の深さの癌細
胞に集中して治療することが可能である。
【0004】さらに、荷電粒子線101のエネルギーが
一定の場合、レンジシフタ106を用いることによって
治療する深さを変えることができる。これは、荷電粒子
線101を通過させるレンジシフタ106の厚さを変え
ることによって、レンジシフタ106を通過する荷電粒
子線101のエネルギーを連続的に変化させることがで
きるからである。
【0005】線量計107は、患者105に照射する荷
電粒子線101の線量を監視するために配置されてお
り、荷電粒子線101の線量が設定値になったら荷電粒
子線101を止めて照射を中止する。多葉コリメータ1
03は、ワブラー電磁石102によって拡がったビーム
を患部の形に合わせて照射するために用いられる。患者
105の患部は深さ方向に形状が異なるので、図11に
示すようにレンジシフタ106と多葉コリメータ103
を同期して動かすことによって、患部の形状に合わせた
立体的な照射野を形成することができる。
【0006】また、図12に示すリッジフィルタ108
をワブラー電磁石102と多葉コリメータ103との間
に配置することにより、図13に示すように、荷電粒子
線101のピークの幅を拡げることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
放射線治療装置は、患部の形に合わせた治療を行う場
合、患部における深さ方向の照射量の配分を試行錯誤で
決める必要があり、時間がかかり問題であった。
【0008】本発明は、このような問題を解決し、患部
における深さ方向の照射量の配分を短時間で形成するこ
とのできる放射線量配分演算方法、放射線量配分計画装
置および放射線治療装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の放射線配分演
算方法は、患部における複数のターゲット領域に対して
各々放射線を照射して放射線治療を行う際に、ターゲッ
ト領域ごとの照射線量の配分を求める方法であって、タ
ーゲット領域に設けられた複数の計算点における放射線
の(単位照射線量当りの)吸収係数を行列要素とした吸
収係数マトリックスの逆行列に、各計算点における放射
線の照射線量を行列要素とした照射線量マトリックスを
乗じて、ターゲット領域ごとの照射線量の配分を求める
ことを特徴とする。
【0010】請求項2の放射線配分演算方法は、患部に
対して複数の方向から放射線を照射して放射線治療を行
う際に、各方向ごとの照射線量の配分を求める方法であ
って、患部に設けられた複数の計算点における放射線の
(単位照射線量当りの)吸収係数を行列要素とした吸収
係数マトリックスの逆行列に、各計算点における放射線
の照射線量を行列要素とした照射線量マトリックスを乗
じて、各方向ごとの照射線量の配分を求めることを特徴
とする。
【0011】請求項3において、照射線量マトリックス
は、各行列要素が1の単位マトリックスであることを特
徴とする。
【0012】請求項4の放射線配分計画装置は、患部に
おける複数のターゲット領域に対して各々放射線を照射
して放射線治療を行う放射線治療装置に用いられ、ター
ゲット領域ごとの照射線量の配分を求める装置であっ
て、ターゲット領域に設けられた複数の計算点における
放射線の(単位照射線量当りの)吸収係数を行列要素と
した吸収係数マトリックス、および各計算点における放
射線の照射線量を行列要素とした照射線量マトリックス
を記憶する記憶手段と、吸収係数マトリックスの逆行列
に照射線量マトリックスを乗じて、ターゲット領域ごと
の照射線量の配分を求める演算手段とを備えることを特
徴とする。
【0013】請求項5において、各計算点は、ターゲッ
ト領域の周縁部の点またはターゲット領域の内部の点で
あることを特徴とする。
【0014】請求項6の放射線配分計画装置は、患部に
対して複数の方向から放射線を照射して放射線治療を行
う放射線治療装置に用いられ、各方向ごとの照射線量の
配分を求める装置であって、患部に設けられた複数の計
算点における放射線の(単位照射線量当りの)吸収係数
を行列要素とした吸収係数マトリックス、および各計算
点における放射線の照射線量を行列要素とした照射線量
マトリックスを記憶する記憶手段と、吸収係数マトリッ
クスの逆行列に照射線量マトリックスを乗じて、各方向
ごとの照射線量の配分を求める演算手段とを備えること
を特徴とする。
【0015】請求項7において、各計算点は、患部の周
縁部の点または患部の内部の点であることを特徴とす
る。
【0016】請求項8において、照射線量マトリックス
は、各要素が1の単位マトリックスであることを特徴と
する。
【0017】請求項9の放射線治療装置は、患部におけ
る複数のターゲット領域に対して各々放射線を照射して
放射線治療を行う装置であって、放射線を出射させる線
源と、ターゲット領域に設けられた複数の計算点におけ
る放射線の(単位照射線量当りの)吸収係数を行列要素
とした吸収係数マトリックス、および各計算点における
放射線の照射線量を行列要素とした照射線量マトリック
スを記憶する記憶手段と、吸収係数マトリックスの逆行
列に照射線量マトリックスを乗じて、ターゲット領域ご
との照射線量の配分を求める演算手段と、演算手段で得
られた配分値に基づいて患部に照射される照射線量を制
御する線量制御手段とを備えることを特徴とする。
【0018】請求項10において、線源を出射した放射
線を異なる方向から患部に照射させる照射方向変更手段
を更に備えることを特徴とする。
【0019】請求項11において、各計算点は、ターゲ
ット領域の周縁部の点またはターゲット領域の内部の点
であることを特徴とする。
【0020】請求項12の放射線治療装置は、患部に対
して複数の方向から放射線を照射して放射線治療を行う
放射線治療装置であって、放射線を出射させる線源と、
線源を出射した放射線を異なる方向から前記患部に照射
させる照射方向変更手段と、患部に設けられた複数の計
算点における放射線の(単位照射線量当りの)吸収係数
を行列要素とした吸収係数マトリックス、および各計算
点における放射線の照射線量を行列要素とした照射線量
マトリックスを記憶する記憶手段と、吸収係数マトリッ
クスの逆行列に照射線量マトリックスを乗じて、各方向
ごとの照射線量の配分を求める演算手段と、演算手段で
得られた配分値に基づいて患部に照射される照射線量を
制御する線量制御手段とを備えることを特徴とする。
【0021】請求項13において、各計算点は、患部の
周縁部の点または患部の内部の点であることを特徴とす
る。
【0022】請求項14において、照射線量マトリック
スは、各要素が1の単位マトリックスであることを特徴
とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について添付図面を参照して説明する。 実施の形態1.図1は、実施の形態1に係る放射線治療
装置1を示す図である。図1において、2は荷電粒子線
(放射線)3を出射させる粒子線出射器(線源)、4は
患部の一例としての癌患部、5は粒子線出射器2を出射
した荷電粒子線3の径を拡げるワブラー電磁石、6は荷
電粒子線3の通過を制限する多葉コリメータ、7は患者
8を固定する治療台、9は荷電粒子線3を癌患部4に照
射する深さを調整するレンジシフタである。
【0024】また、10は荷電粒子線3の(単位照射線
量当りの)吸収係数dij(i=1〜N,j=1〜M:
M,Nは自然数)を行列要素としたM行N列の吸収係数
マトリックスA、および荷電粒子線3の照射線量Rj
行列要素とした1行M列の照射線量マトリックスBを入
力させる入力手段、11は吸収係数マトリックスAおよ
び照射線量マトリックスBを記憶する記憶手段、12は
荷電粒子線3の線量配分Diを行列要素とした1行N列
の線量配分マトリックスCを求める演算手段、13は演
算手段12で求めた線量配分マトリックスCに基づいて
癌患部4に照射される照射線量を制御する線源制御手段
である。なお、記憶手段11と演算手段12とで、照射
線量の配分を求める放射線配分計画装置14が構成され
る。
【0025】図2に示すように、放射線治療装置1は、
荷電粒子線3の照射方向と垂直にスライスされた癌患部
4の各断面をターゲット領域4aとして、これらのター
ゲット領域4aの各々に対して荷電粒子線3を照射する
装置である。そして、荷電粒子線3を照射するエネルギ
ーを段階的に変えることによって、深さの異なる各ター
ゲット領域4aに荷電粒子線3を集中させることができ
る。
【0026】放射線治療装置1は、操作者によって入力
手段10に入力された吸収係数マトリックスAおよび照
射線量マトリックスBに基づいて、各ターゲット領域4
aに照射する荷電粒子線3の照射線量を調整する。ここ
で、吸収係数マトリックスAは、操作者によって事前に
測定又は計算されたデータに基づいて作成される。ま
た、照射線量マトリックスBは、各行列要素が1の単位
マトリックスが用いられる。なお、照射線量マトリック
スBは、各行列要素が1の単位マトリックスに限定され
ることなく、例えば、両端の行列要素を0.9に中央の
行列要素を1.1にするなど、癌患部4の中心部と周縁
部とで行列要素の比重を変えてもよい。
【0027】次に、吸収係数マトリックスAの作成方法
について説明する。まず、癌患部4の形状を治療計画時
にCT装置で特定する。そして、特定された癌患部4の
形状に基づいて、Mヶ所のターゲット領域4aを決め
る。さらに、ターゲット領域4aの間隔に応じて、荷電
粒子線3のエネルギーやリッジフィルタ(図示せず)の
厚さなどを決める。
【0028】各ターゲット領域4aの形状に合わせた荷
電粒子線3の照射野は、多葉コリメータ9によって形成
される。そして、ターゲット領域4aごとに異なる照射
野の荷電粒子線3を癌患部4に照射させれば、癌患部4
の形状に合わせた立体的な照射野を形成することができ
る。次に、各ターゲット領域4aに対してN個の計算点
iを定めて、これらの計算点における荷電粒子線3の
吸収係数dijを各々求める。吸収係数dijは、各ポート
から単位線量の荷電粒子線3が照射されるとしたときの
各計算点での吸収係数をいい、水ファントムなどで測定
して求めてもよく、また計算によって求めてもよい。な
お、計算によって吸収係数dijを求める方法は、「放射
線基礎医学III P46〜 尾内能夫著 日本出版サー
ビス」に詳細に説明されている。
【0029】以上のようにして求めた吸収係数dijを行
列要素として吸収係数マトリックスAが作成される。こ
こで、吸収係数マトリックスAの行方向には各ターゲッ
ト領域4aが割り当てられ、吸収係数マトリックスAの
列方向には各計算点が割り当てられている。
【0030】次に、放射線治療装置1の動作について説
明する。まず、操作者によって吸収係数マトリックスA
および照射線量マトリックスBが入力手段10に入力さ
れると、これらのマトリックスA,Bが記憶手段11に
記憶される。そして、記憶手段11に記憶された吸収係
数マトリックスAおよび照射線量マトリックスBは演算
手段12に与えられる。
【0031】ここで、計算点T1に照射される荷電粒子
線3の照射線量R1は、 R1=d111+d212+…+dk1k+…+dN1N で与えられる(kは、1<k<Nを満たす自然数)。同
様にして、計算点Thに照射される荷電粒子線3の照射
線量Rhは、 Rh=d1h1+d2h2+…+dkhk+…+dNhN で与えられる(lは、1<l<Nを満たす自然数)。
【0032】従って、全計算点T1〜TNに照射される荷
電粒子線3の照射線量R1〜RNは、
【数1】 となる。この式において、左辺は照射線量マトリックス
B、右辺は吸収係数マトリックスAおよび線量配分マト
リックスCである。これらのマトリックスを以下に示
す。
【数2】
【0033】さらに、上式の両辺に吸収係数マトリック
スAの逆行列を掛けることによって、線量配分マトリッ
クスCを求める次式が得られる。
【数3】
【0034】演算手段12では、この式に基づいて線量
配分マトリックスCを求めている。そして、演算手段1
2で求めた線量配分マトリックスCは線源制御手段13
に与えられ、癌患部4に照射される荷電粒子線3の照射
線量を制御する。その結果、癌患部4の各部位に対して
均一な荷電粒子線3の照射を行うことができる。
【0035】このように極めて簡単に、ターゲット領域
4aごとの照射線量の配分が求められるので、治療計画
から放射線治療までの処理を効率良くスムーズに行うこ
とができる。また、演算手段12で求められた配分に従
って、各ターゲット領域4aに照射する荷電粒子線3を
調整することにより、無駄な荷電粒子線3の照射が抑制
され、患者8の被爆量を必要最小限に抑えることができ
る。
【0036】実施の形態2.次に、実施の形態2に係る
放射線治療装置について説明する。図3は、実施の形態
2に係る放射線治療装置20を示す図である。この実施
の形態2が図1に示す実施の形態1と異なるのは、粒子
線出射器2の代わりにX線(放射線)21を出射させる
電子線加速器(線源)22を備えている点と、電子線加
速器22を出射したX線21を異なる方向から癌患部4
に照射させる照射方向変更部(照射方向変更手段)23
を備えている点と、ワブラー電磁石5の代わりにX線平
坦化装置5aを備えている点とである。その他の構成に
ついては実施の形態1と同一又は同等である。従って、
実施の形態1と同一又は同等な構成部分については同一
符号を付し、その説明は省略する。なお、電子線加速器
22は、電子線を照射することも可能である。
【0037】図4(a)(b)に示すように、X線21
および電子線の線量分布は、荷電粒子線に比べて(図1
0参照)ピークの幅が広い。このため、患者8の癌患部
4以外の部位に照射されるX線21或いは電子線(以
下、電子線についての説明は省略する)の線量が多くな
り、癌細胞以外の正常な細胞にもダメージを与えること
になる。
【0038】そこで、図5に示すように、電子線加速器
22を癌患部4の周りを周回させて、X線21の照射位
置を変えている。その結果、癌患部4にのみX線21を
集中させることができ、癌細胞以外の正常な細胞へのダ
メージを最小限に抑えることができる。なお、このよう
な放射線治療では、電子線加速器22の回転角度、多葉
コリメータ9の2次元照射野、照射線量、照射回数、照
射時間がパラメータとなり、癌患部4の形と一致するよ
うにX線21が照射される。
【0039】図6は、放射線治療装置20の外観を示す
図である。電子線加速器22は、ガントリー24に組み
込まれており、固定台7の上部に位置するアイソセンタ
25を中心にガントリー24が回転する。この回転によ
って、電子線加速器22はアイソセンタ25の周りを周
回し、電子線加速器22を出射したX線21を、複数の
方向から癌患部4に照射させることができる。なお、ガ
ントリー24を回転させて複数の方向からX線21を照
射させることを多門照射という。
【0040】次に、放射線治療装置20の動作について
説明する。まず、操作者によって吸収係数マトリックス
Aおよび照射線量マトリックスBが入力手段10に入力
されると、これらのマトリックスA,Bが記憶手段11
に記憶される。そして、記憶手段11に記憶された吸収
係数マトリックスAおよび照射線量マトリックスBが演
算手段12に与えられる。
【0041】演算手段12では、電子線加速器22から
照射されるX線21の各方向ごとの照射線量の配分を、
以下のようにして求める。まず、電子線加速器22が癌
患部4の周りを一回転する間にX線21を照射する回数
をM回とし、癌患部4における計算点の数をN個とす
る。
【0042】ここで、電子線加速器22からi番目にX
線21が照射された場合の、計算点Tjにおける吸収線
量をdijとする。また、このときの電子線加速器22か
ら放射される線量をDiとする。さらに、計算点T1に照
射されるX線21の照射線量R1は、 R1=d111+d212+…+dk1k+…+dN1N で与えられる(kは、1<k<Nを満たす自然数)。同
様にして、計算点Thに照射されるX線21の照射線量
hは、 Rh=d1h1+d2h2+…+dkhk+…+dNhN で与えられる。
【0043】従って、全計算点T1〜TNに照射されるX
線21の照射線量R1〜RNは、
【数4】 となる。この式において、左辺は照射線量マトリックス
B、右辺は吸収係数マトリックスAおよび線量配分マト
リックスCである。これらのマトリックスを以下に示
す。
【数5】
【0044】さらに、上式の両辺に吸収係数マトリック
スAの逆行列を掛けることによって、線量配分マトリッ
クスCを求める次式が得られる。
【数6】
【0045】演算手段12では、この式に基づいて線量
配分マトリックスCを求めている。そして、演算手段1
2で求めた線量配分マトリックスCは線源制御手段13
に与えられ、癌患部4に照射されるX線21の照射線量
を制御する。その結果、癌患部4の各部位に対して均一
なX線21の照射を行うことができる。
【0046】このように極めて簡単に、電子線加速器2
2から複数回照射されるX線21の各回ごとの照射線量
の配分が求められるので、治療計画から放射線治療まで
の処理を効率良くスムーズに行うことができる。また、
演算手段12で求められた配分に従って、癌患部4に照
射するX線21の照射線量を調整することにより、無駄
なX線21の照射が抑制され、患者8の被爆量を必要最
小限に抑えることができる。
【0047】上述したように、X線および電子線はいず
れもピークの幅が広いので、癌患部4周辺の正常細胞に
対して所定の照射線量以上にならないように、注意が必
要である。そこで、癌患部4周辺の正常細胞への影響を
どの程度考慮するかによって、各計算点の配置が異なっ
てくる。例えば、癌患部4周辺の正常細胞への影響を重
視する場合には、図7(a)に示すように、各計算点を
癌患部4の周縁部に設けて、癌患部4周辺の照射線量を
調整するのが好ましい。
【0048】また、癌患部4周辺の正常細胞への影響を
あまり重視せずに、癌患部4内部への十分な照射量を重
視する場合には、図7(b)に示すように、各計算点を
癌患部4の内部に設けて、癌患部4の内部の照射線量を
調整するのが好ましい。さらに、癌患部4周辺の正常細
胞への影響と、癌患部4内部への十分な照射量とを共に
重視する場合には、図7(c)に示すように、各計算点
を癌患部4の周縁部と内部とに設けて、癌患部4の周縁
部及び内部の照射線量を調整するのが好ましい。
【0049】図8は、図1に示した放射線治療装置1に
対して照射方向変更部(照射方向変更手段)23を追加
した例を示す外観図である。照射方向変更部23は、ガ
ントリー24を回転させて、荷電粒子出射器2を出射し
た荷電粒子線3の照射方向を、患者8を中心に360度
変更させる機器である。この照射方向変更部23の駆動
によって、患者8の癌患部4には複数の方向からの荷電
粒子線3が照射される。この際、癌患部4の中心部に荷
電粒子線3が集中するように、荷電粒子線3の照射エネ
ルギーが調整される。
【0050】また、演算手段12で求められた配分に従
って、癌患部4に照射されるX線21の照射線量が調整
されるので、無駄なX線21の照射が抑制され、患者8
の被爆量を必要最小限に抑えることができる。なお、本
発明は上記実施の形態に限定されることなく、本発明の
趣旨から逸脱しない範囲内において各種の変更が可能で
ある。
【0051】また、本実施の形態では、X線又は電子線
について回転による多門照射の例を述べたが、図8のよ
うに荷電粒子線を回転させる場合でも同様の効果が得ら
れる。
【0052】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明の
放射線配分演算方法、放射線配分計画装置および放射線
治療装置によれば、患部に複数回放射線を照射する際の
各回ごとの照射線量の配分を、行列の演算に基づいて極
めて簡単に求めることができ、治療計画から放射線治療
までの処理を効率良くスムーズに行うことができる。ま
た、この照射線量の配分に従って患部に照射する放射線
量を調整することにより、無駄な放射線の照射が抑制さ
れ、患者の被爆量を必要最小限に抑えることができる。
その結果、放射線治療計画の精度が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る放射線治療装置の構成を示
す概略図である。
【図2】癌患部におけるターゲット領域を示す図であ
る。
【図3】実施の形態2に係る放射線治療装置の構成を示
す概略図である。
【図4】(a)は、X線の吸収線量と吸収深さとの関係
を示す図である。(b)は、電子線の吸収線量と吸収深
さとの関係を示す図である。
【図5】癌患部に対する多方向からのX線の照射を示す
図である。
【図6】実施の形態2に係る放射線治療装置の外観を示
す図である。
【図7】(a)は、癌患部の周縁部に計算点を配置した
例を示す図である。(b)は、癌患部の内部に計算点を
配置した例を示す図である。(c)は、癌患部の周縁部
および内部に計算点を配置した例を示す図である。
【図8】実施の形態1に係る放射線治療装置の変形例の
外観を示す図である。
【図9】従来の放射線治療装置の構成を示す図である。
【図10】荷電粒子線の吸収線量と吸収深さとの関係を
示す図である。
【図11】レンジシフタおよび多葉コリメータの働きを
示す図である。
【図12】リッジフィルタの形状を示す側面図である。
【図13】リッジフィルタを通過した荷電粒子線の吸収
線量と吸収深さとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1,20…放射線治療装置、2…粒子線出射器(線
源)、3…荷電粒子線(放射線)、4…癌患部(患
部)、4a…ターゲット領域、11…記憶手段、12…
演算手段、13…線量制御手段、14…放射線配分計画
装置、21…X線(放射線)、22…電子線加速器(線
源)、23…照射方向変更部(照射方向変更手段)。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患部における複数のターゲット領域に対
    して各々放射線を照射して放射線治療を行う際に、前記
    ターゲット領域ごとの照射線量の配分を求める放射線配
    分演算方法であって、 前記ターゲット領域に設けられた複数の計算点における
    前記放射線の吸収係数を行列要素とした吸収係数マトリ
    ックスの逆行列に、前記各計算点における前記放射線の
    照射線量を行列要素とした照射線量マトリックスを乗じ
    て、前記ターゲット領域ごとの照射線量の配分を求める
    ことを特徴とする放射線配分演算方法。
  2. 【請求項2】 患部に対して複数の方向から放射線を照
    射して放射線治療を行う際に、各方向ごとの照射線量の
    配分を求める放射線配分演算方法であって、 前記患部に設けられた複数の計算点における前記放射線
    の吸収係数を行列要素とした吸収係数マトリックスの逆
    行列に、前記各計算点における前記放射線の照射線量を
    行列要素とした照射線量マトリックスを乗じて、各方向
    ごとの照射線量の配分を求めることを特徴とする放射線
    配分演算方法。
  3. 【請求項3】 前記照射線量マトリックスは、各行列要
    素が1の単位マトリックスであることを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載の放射線配分演算方法。
  4. 【請求項4】 患部における複数のターゲット領域に対
    して各々放射線を照射して放射線治療を行う放射線治療
    装置に用いられ、前記ターゲット領域ごとの照射線量の
    配分を求める放射線配分計画装置であって、 前記ターゲット領域に設けられた複数の計算点における
    前記放射線の吸収係数を行列要素とした吸収係数マトリ
    ックス、および前記各計算点における前記放射線の照射
    線量を行列要素とした照射線量マトリックスを記憶する
    記憶手段と、 前記吸収係数マトリックスの逆行列に前記照射線量マト
    リックスを乗じて、前記ターゲット領域ごとの照射線量
    の配分を求める演算手段とを備えることを特徴とする放
    射線配分計画装置。
  5. 【請求項5】 前記各計算点は、前記ターゲット領域の
    周縁部の点または前記ターゲット領域の内部の点である
    ことを特徴とする請求項4に記載の放射線配分計画装
    置。
  6. 【請求項6】 患部に対して複数の方向から放射線を照
    射して放射線治療を行う放射線治療装置に用いられ、各
    方向ごとの照射線量の配分を求める放射線配分計画装置
    であって、 前記患部に設けられた複数の計算点における前記放射線
    の吸収係数を行列要素とした吸収係数マトリックス、お
    よび前記各計算点における前記放射線の照射線量を行列
    要素とした照射線量マトリックスを記憶する記憶手段
    と、 前記吸収係数マトリックスの逆行列に前記照射線量マト
    リックスを乗じて、各方向ごとの照射線量の配分を求め
    る演算手段とを備えることを特徴とする放射線配分計画
    装置。
  7. 【請求項7】 前記各計算点は、前記患部の周縁部の点
    または前記患部の内部の点であることを特徴とする請求
    項6に記載の放射線配分計画装置。
  8. 【請求項8】 前記照射線量マトリックスは、各要素が
    1の単位マトリックスであることを特徴とする請求項4
    から請求項7のいずれか一項に記載の放射線配分計画装
    置。
  9. 【請求項9】 患部における複数のターゲット領域に対
    して各々放射線を照射して放射線治療を行う放射線治療
    装置であって、 前記放射線を出射させる線源と、 前記ターゲット領域に設けられた複数の計算点における
    前記放射線の吸収係数を行列要素とした吸収係数マトリ
    ックス、および前記各計算点における前記放射線の照射
    線量を行列要素とした照射線量マトリックスを記憶する
    記憶手段と、 前記吸収係数マトリックスの逆行列に前記照射線量マト
    リックスを乗じて、前記ターゲット領域ごとの照射線量
    の配分を求める演算手段と、 前記演算手段で得られた配分値に基づいて前記患部に照
    射される照射線量を制御する線量制御手段とを備えるこ
    とを特徴とする放射線治療装置。
  10. 【請求項10】 前記線源を出射した放射線を異なる方
    向から前記患部に照射させる照射方向変更手段を更に備
    えることを特徴とする請求項9記載の放射線治療装置。
  11. 【請求項11】 前記各計算点は、前記ターゲット領域
    の周縁部の点または前記ターゲット領域の内部の点であ
    ることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の
    放射線配分計画装置。
  12. 【請求項12】 患部に対して複数の方向から放射線を
    照射して放射線治療を行う放射線治療装置であって、 前記放射線を出射させる線源と、 前記線源を出射した放射線を異なる方向から前記患部に
    照射させる照射方向変更手段と、 前記患部に設けられた複数の計算点における前記放射線
    の吸収係数を行列要素とした吸収係数マトリックス、お
    よび前記各計算点における前記放射線の照射線量を行列
    要素とした照射線量マトリックスを記憶する記憶手段
    と、 前記吸収係数マトリックスの逆行列に前記照射線量マト
    リックスを乗じて、各方向ごとの照射線量の配分を求め
    る演算手段と、 前記演算手段で得られた配分値に基づいて前記患部に照
    射される照射線量を制御する線量制御手段とを備えるこ
    とを特徴とする放射線治療装置。
  13. 【請求項13】 前記各計算点は、前記患部の周縁部の
    点または前記患部の内部の点であることを特徴とする請
    求項12に記載の放射線配分計画装置。
  14. 【請求項14】 前記照射線量マトリックスは、各要素
    が1の単位マトリックスであることを特徴とする請求項
    9から請求項13のいずれか一項に記載の放射線治療装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006280457A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Hitachi Ltd 荷電粒子ビーム出射装置及び荷電粒子ビーム出射方法
US9180313B2 (en) 2012-02-22 2015-11-10 Mitsubishi Electric Corporation Range shifter and particle radiotherapy device

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