JPH112550A - コリオリ力を利用した流量計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧での使用に適し、十分細いチューブなが
ら変位の測定が可能なコリオリ力を利用した流量計を提
供する。 【解決手段】 流量が測定される流体が流れるチューブ
（４）と、このチューブを励振する振動発生器（７）
と、チューブに沿った異なる位置に配置される２つの変
位センサ（８、９）とを有する流量計において、チュー
ブ（４）を流れる流体とほぼ同じ圧力の流体で満たさ
れ、かつ前記チューブが収容されるジャケット（５）を
備える。このジャケット（５）を設けることにより、高
圧の流体を細い、柔軟なチューブに流すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コリオリ力を利用
する流量計に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の質量流量をコリオリ力として検
出する流量計のチューブは、広範な種類の形状を有して
おり、このチューブを流量を測定する流体が流れる。振
動発生器は、チューブを振動させ共振状態にし、異なっ
た二点（通常、振動発生器の両側）でその変位をセンサ
により測定する。センサによって測定される変位は、質
量流量に比例する変化と一致することがわかっている。

【０００３】このような流量計は、構造が簡単なため、
掘削現場などの過酷な条件のもとでの使用に向いてい
る。他の流量測定法とは異なり、質量流量を測定するの
で、不純物が懸濁した溶液や、ガスの泡、正確な圧力の
知れない圧縮性の流体の流量測定に有利である。さら
に、チューブの共振周波数は、チューブおよびその内容
物の全体質量の平方根に反比例し、この共振周波数によ
り流体の密度を測定できる。

【０００４】この種のコリオリ力を利用する流量計は、
低圧から中程度の圧力の流体の流量測定に広く利用され
ているとともに、高圧流体、特に、インジェクションポ
ンプの出力流体の流量、比重の測定に有利である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
流量計では、チューブの変位を測定するためには、チュ
ーブがあまり剛性が高くてはならず、その制約から、高
圧向けの用途には適合性が良くなかった。さらに、チュ
ーブの剛性は、直径の４乗に比例することから、チュー
ブの直径は小さくなければならなかった。

【０００６】このような制約のため、コリオリ力を利用
した流量計は、利用できない場合があり、また、チタニ
ウムのような高価な金属材料を用いなければならない場
合があった。さらに、コリオリ力流量計を用いられない
場合に、放射線の吸収を利用する比重計を用いることも
あり、これは、危険を伴うとともに流量を測定すること
ができない。

【０００７】そこで、本発明の目的は、前記従来技術の
有する問題点を解消し、高圧での使用に適し、十分細い
チューブながら変位の測定が可能なコリオリ力を利用し
た流量計を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、流量が測定される流体が流れるチュー
ブと、このチューブを励振する振動発生器と、チューブ
に沿った異なる位置に配置される２つの変位センサとを
有する流量計において、前記チューブを流れる流体とほ
ぼ同じ圧力の流体で満たされ、かつ前記チューブが収容
されるジャケットを備えることを特徴とするものであ
る。

【０００９】同じ圧力を確保するための簡易な手段は、
ジャケットを低圧縮性の流体で満たすことである。チュ
ーブを流れる流体は、チューブを膨張させる。この膨張
は、ジャケット内の流体を直接圧縮せしめるために少し
の膨張量にとどまる。このジャケットを設けることによ
り、高圧の流体を細い、柔軟なチューブに流すことがで
きる。このため、チューブの剛性がなくても高圧向けの
用途に適合性が向上する。

【００１０】チューブが直管であることの有利な点は、
ジャケットの寸法を合理的にすることができる点にあ
る。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明による流量計の一実
施形態について、添付の図面を参照して説明する。この
流量計は、ケース１に収容される。このケース１は、同
軸上に入口部２と出口部３とが形成されており、この入
口部２と出口部３のをつなぐように細いチューブ４が延
びている。なお、このケース１は、流量計に必須の構成
要素ではかならずしもなく、用途によっては、例えば、
坑井に降ろして使用するような場合は、省くことも可能
であり、それにより装置の幅を小さくできる利点があ
る。

【００１２】ケース１の内部には、ジャケット５が設け
られている。このジャケット５は、入口部２と出口部３
を連結するとともに、内部にチャンバー６を形成する。
また、前記チューブ４は、ジャケット５の内部でその軸
線上に配置するようになっている。チャンバー６には、
非圧縮性の流体、例えば、オイルで満たされている。こ
のチャンバー６には、振動発生器７が設けられている。
この振動発生器７は、チューブ４に対し、その中間点で
半径方向に振幅する振動を与える。そして、チューブの
変位を検出する変位センサ８、９が、前記振動発生器７
の両側で対称的な位置に設けられている。振動発生器７
および変位センサ８、９は、高圧下での使用に耐えうる
ように設計されているものである。チューブ４は、弾性
を有する材料、例えば、ステンレス鋼から作られる。但
し、流れる流体の性質によっては、ステンレス以外の材
料でもよい。

【００１３】ところで、チューブ４の一部分、特に、入
口部２、出口部３の少なくとも一方に近い部分は、さら
に柔軟なメンブランス１０あるいはベローズに代替され
る。このメンブランス１０あるいはベローズは、変形自
在であり、チューブ４を流れる流体の圧力をチャンバー
内のオイルに即座に伝達することができる。なお、メン
ブランス１０は、オプションとして使用するもので、用
いなくてもよい。チューブ４それ自体が圧力を受けて変
形するからである。

【００１４】次に、以上のように構成される流量計の作
用について説明する。ケース１は、入口パイプ１２、出
口パイプ１３に接続されて、流体はチューブ４を流れ
る。流量の測定は、コントローラ１４により振動発生器
７を制御し、チューブを励振させて、その共振周波数を
検出することにより行う。これは、通常のコリオリ力流
量計と同じようにして行う。そしてチューブ４の変位を
変位センサ８、９により検出し、その出力信号の差から
流体の流量を求める。その際、チャンバー６内で振動す
る流体の影響を考慮に入れる。

【００１５】この実施形態では、チューブ４の直径は、
３インチ（７．５センチメートル）であり、長さは８０
センチメートル以下である。このチューブ４の寸法によ
り、粘性の高い、油井戸掘削流体やセメントスラリーの
流すことが可能である。しかし、単一のチューブ４を、
従来のこの種の流量計のように、より小径の複数本の平
行なチューブに替えるようにしてもよい。

【００１６】本発明による流量計の用いられる分野は、
特に、油井の掘削分野である。井戸の中に投入される種
々の流体のコントロールにある。本発明の流量計を用い
ることにより、ポンプから吐出される高圧流体の流量を
測定することができるとともに、従来のようにポンプに
吸い込まれる低圧側の流体の流量測定にも利用できる。

【００１７】本発明は、また、低圧または中程度の圧力
の流体の流量測定にも利用することができる。この場合
は、より細いチューブを用いることができる。また、フ
ローメータ全体の外径を大きくし、撓まない高価でない
材料を用いることができる。また、フローメータの長さ
を短くして取り扱い易くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による流量計の一実施形態を示す縦断面
図。

【符号の説明】

１ ケース ２ 入口部 ３ 出口部 ４ チューブ ５ ジャケット ６ チャンバー ７ 振動発生器 ８ 変位センサ ９ 変位センサ １２ 入口管 １３ 出口管 １４ コントローラ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】流量が測定される流体が流れるチューブ
   （４）と、このチューブ（４）を励振する振動発生器
   （７）と、チューブ（４）に沿った異なる位置に配置さ
   れる２つの変位センサ（８、９）とを有する流量計にお
   いて、前記チューブ（４）を流れる流体とほぼ同じ圧力
   の流体で満たされ、かつ前記チューブ（４）が収容され
   るジャケット（５）を備えることを特徴とする流量計。
2. 【請求項２】前記ジャケット（５）は密封され、封入さ
   れる流体は液体であることを特徴とする請求項１に記載
   の流量計。
3. 【請求項３】前記チューブ（４）は、直管であることを
   特徴とする請求項１または２に記載の流量計。
4. 【請求項４】前記チューブ（４）は、ジャケット（５）
   の流体に浸たされる柔軟部（１０）を含むことを特徴と
   する請求項１乃至３のいずれかの項に記載の流量計。