JPH11255038A - 車載用温水器 - Google Patents

車載用温水器

Info

Publication number
JPH11255038A
JPH11255038A JP10075067A JP7506798A JPH11255038A JP H11255038 A JPH11255038 A JP H11255038A JP 10075067 A JP10075067 A JP 10075067A JP 7506798 A JP7506798 A JP 7506798A JP H11255038 A JPH11255038 A JP H11255038A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
tank body
vehicle
communication hole
air chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10075067A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidemichi Kazama
秀通 風間
Nobuaki Sano
信彰 佐野
Naomi Kurihara
尚美 栗原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unipres Corp
Original Assignee
Unipres Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unipres Corp filed Critical Unipres Corp
Priority to JP10075067A priority Critical patent/JPH11255038A/ja
Publication of JPH11255038A publication Critical patent/JPH11255038A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/40Solar thermal energy, e.g. solar towers
    • Y02E10/44Heat exchange systems

Abstract

(57)【要約】 【課題】 利便性、快適性を備えて省エネルギー対策に
寄与し価格の安い車載用温水器を提供する。 【解決手段】 車体屋根部に設置するようにしたタンク
本体1を備え、タンク本体1の底壁部1aに前側取水口
4と後側取水口6とを設けて、これらの前、後側取水口
4、6を、給水、シャワー放水及びヒーター装置30の
加熱管路32にそれぞれ連通する循環水送出口32A及
び循環水導入口32Bとして使用するようにし、タンク
本体1の膨出空気室2に設けた空気抜き装置3を、膨出
空気室2内に第1の連通孔22を介して連通する一次室
20と、この一次室20に第2の連通孔23を介して連
通すると共に、外気に第3の連通孔24を介して連通す
る二次室21とを有するブレスボックス15を、膨出空
気室2の傾斜面部2aに貫通状態で装着して構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車体屋
根部に取付けたキャリア等に設置するようにした車載用
温水器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ウインドサーフィン、スキューバ
ダイビング、ジェットスキー等のマリンスポーツなどの
アウトドアスポーツが盛んになっている。このようなス
ポーツをした後に身体に付着した塩水や汗を流すのに、
従来は、一般に市販されている20リットル入りポリタ
ンクやペットボトルに水を入れて海岸や現地に持ち込み
身体を洗っていた。
【0003】また、自動車の屋根部に水を貯蔵するタン
クを搭載し、太陽熱を利用してタンク内の水を温水とす
る場合、或いは当該タンクを車室内やエンジンルームに
搭載して、自動車の排気熱やラジェーターの熱水或いは
バッテリーの電源等を利用して、温水として、身体を洗
うためのシャワーとしたり、手洗いや洗車、冬期の車窓
の霜取り等に使用する車載用温水器が知られている(例
えば、特開昭62−34839号公報、特開平7−15
6724号公報、特開平7−285397号公報、特開
平8−86508号公報、特開平8−58490号公
報、実開昭62−97856号公報、実開平2−143
244号公報等がある。)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
温水器のうち、ポリタンク等に利用する温水器はポンプ
を使わない場合、タンクを手で持ち上げて水をかぶる
か、車の屋根や樹木の枝につり下げるなど高い場所にタ
ンクを予めおき、その落差を利用してホース及びノズル
からシャワー水を出して身体に浴びていた。しかしこれ
らの方法では、非力な大人や子供の場合は使用するのが
困難であった。また、水量の調節ができず、片手を使う
ので自分の思い通りにシャワー水を浴びることができ
ず、或いは一人が水を浴びていている間もう一人が水を
かける等の人手がいるなどの不便さがあった。
【0005】また、積極的に太陽熱を用いない一般的な
20リットル入りポリタンクでも、真夏の太陽の下で砂
浜に放置すれば、25度Cの水は35度Cくらいまでは
上昇するが、日射量が少ないと28度Cくらいしか上が
らずシャワーを浴びるには冷たすぎる。この場合、50
%の人に震えがくる水温は、男性が31.1度C、女性
が29.9度Cといわれていることから(中央新書「人
間と気候」(S.K.Hong1963 水温と震えの出現率)よ
り、冷たさをこらえながらシャワーを浴びるという状況
にあった。
【0006】また、太陽熱を利用して温水とする場合
は、真夏の強い日差しの時は温度が50度C以上に上が
り、別に冷水タンクの水でうめて使うという手間や、温
度が上がり過ぎないように頃合を見計らってタンクを日
陰に移すなどの手間が掛かった。しかも、水でうめる場
合、うめる水を入れる容器を別に用意したり水を運んだ
り、海岸で水を調達しなければならなかったりし、また
うめ過ぎると冷たくなり、水が足りないと熱すぎるな
ど、適温を得ようとすると大変な作業となり、また、タ
ンクを日陰に移して温度の上がり過ぎを防止して適温を
得るにもかなりの困難さがある。
【0007】また、タンク内の温度は、太陽の日射量、
外気温とタンク内水温の差、経過時間、タンク構造(太
陽熱の取り入れ易さ、断熱性、タンク内の水深等)の4
つの因子に支配されるが、タンクを何時日陰に移し、何
時使用するかを決めるのは実質的に困難である。また、
昼を過ぎ日差しが弱くなると急速に冷え始め、シャワー
を使う時になると冷たすぎることも起きる。更に、曇り
の時や春、秋の日差しが少ない時は水が暖まらないとい
うこともある。
【0008】一方、現在の技術をもってすれば、車の排
気熱やラジェータの熱水を使って利便性、快適性を追及
して従来のニーズを満足させる商品を世の中に出すこと
も考えられるが、価格は高くなるし、重量は重くなり、
またエンジンをかけておかなければ、温水を得ることが
できず、省エネの要求にも反することとなる。
【0009】本発明は、上記の事情に鑑みなされたもの
であって、その目的とするところは、利便性、快適性を
備えて省エネルギー対策に寄与し価格の安い車載用温水
器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明に係る車載用温水器は、水を蓄え
て、この蓄えた水をヒーター装置によって温水とすると
共に、車体屋根部に設置するようにしたタンク本体を備
え、前記タンク本体の底壁部に、このタンク本体の長手
方向の両端側に位置させてそれぞれ開閉可能な取水口を
設けて、これらの取水口を、給水、シャワー放水及び前
記ヒーター装置の循環管路にそれぞれ連通する循環水送
出口及び循環水導入口として使用するようにしたことを
特徴とする。
【0011】かかる構成により、タンク本体内に蓄えた
水を取水口よりシャワー装置等を介して身体にかけれ
ば、簡単に身体を洗うことができ、また、ヒータ装置に
よりタンク本体の水の熱交換を行うので、使用時の時間
帯や季節に関係なく、常時快適にシャワーとして使分け
することができ、又、省エネも達成し得ることになる。
【0012】特に、タンク本体の底壁部の、このタンク
本体の長手方向の両端側に位置する取水口のどちらか一
方に水道ホースを接続して給水を行うことができるし、
また、シャワー放水は、駐車時の車体の傾斜によりタン
ク本体が傾いた側の取水口を利用して行うことができる
し、また、ヒーター装置の循環管路にそれぞれ連通する
循環水送出口及び循環水導入口に取水口を用いることが
できるために、車載用温水器の構成が簡素化し、コスト
をより安価にすることができる。
【0013】また、上記の目的を達成するために、請求
項2の発明に係る車載用温水器は、請求項1に記載の車
載用温水器において、前記取水口よりタンク本体内に、
このタンク本体の上層部に達する冷水/温水混合パイプ
を配設した。
【0014】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用効果と同じ作用効果を奏し得るばかりか、ヒー
ター装置によってタンク本体内の水を熱交換して温水と
した場合、タンク本体の上層部より下層部に亘って、温
水の高温層、中温層及び低温層ができてしまうが、タン
ク本体の水の取出口からタンク本体の上層部に達する冷
水/温水混合用パイプを設けてあるので、この冷水/温
水混合用パイプにタンク本体内の水の温度分布に対応す
るように、例えば、上層部、中層部及び低層部にそれぞ
れ連通する複数個の連通孔を形成することにより、前記
冷水/温水混合用パイプから高温、中温又は低温の温水
が取水口に導かれて混合し、この取水口の先に取付けら
れたシャワー具より適温の温水が排出されて、使用者は
快適使用が可能となり、また、ヒーター装置は、例えば
市販の山登り用等の化石燃料を燃焼させるガスコンロを
使用して、熱交換作用でタンク本体内の水を循環させな
がら、温水にしていくものであるから、エンジン等の動
力を使用しなくて済み、また、持ち運びが簡単であるこ
とから、利便性でしかも省エネに寄与し価格の安いもの
となる。
【0015】また、上記の目的を達成するために、請求
項3の発明に係る車載用温水器は、請求項1又は請求項
2に記載の車載用温水器において、前記タンク本体は、
全体として細長形状の容器体であって、その底壁部が略
平坦状をなすと共に、上壁部がその長手方向一端部を最
も高く、他端部を最も低く形成して、これらの両端部を
結ぶ流線形状となし、且つ、前記上壁部の一端部側略中
央部に他端部側に向かって上方傾斜する膨出空気室を形
成し、この膨出空気室上面の下方傾斜部に空気抜き手段
を設けて前記膨出空気室内部と大気とを連通させた。
【0016】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用効果と同じ作用効果を奏し得るばかりか、自動
車が例えば通常の坂道に駐車して、タンク本体において
膨出空気室側が低くなった場合には、他端側に膨出空気
室内の空気の一部が移動して小さな空気室を形成するこ
とになるが、膨出空気室内は空気抜き手段を介して大気
に開放している結果、正圧となっているのに対し、他端
側に形成された空気室が負圧となって、両者の空気圧差
と水圧が釣り合って、給水口より外部に水が漏出するこ
とを防止できる。
【0017】また、上記の目的を達成するために、請求
項4の発明に係る車載用温水器は、請求項3に記載の車
載用温水器において、前記空気抜き手段を、前記膨出空
気室内に第1の連通孔を介して連通する一次室と、この
一次室に第2の連通孔を介して連通すると共に、外気に
第3の連通孔を介して連通する二次室とを有するブレス
ボックスを、前記膨出空気室の下方傾斜部に貫通状態で
装着して構成した。
【0018】かかる構成により、上記した請求項1又は
請求項3の発明の作用効果と同じ作用効果を奏し得るば
かりか、第1、第2、第3の連通孔では、空気は素早く
通過するが、水はその粘性抵抗が高いために、通過速度
が遅くなる。この性質を応用して水漏れを防止すること
ができる。また、自動車の走行時に水面が変動し短時間
にブレスボックスが水没しても、一次室と二次室へ多少
の水が浸入して蓄えることになるが、水面が下がった時
に第1、第2の連通孔から除々に水が抜けるようにな
る。
【0019】また、上記の目的を達成するために、請求
項5の発明に係る車載用温水器は、請求項3に記載の車
載用温水器において、前記空気抜き手段を、前記膨出空
気室の下方傾斜部に凹陥部を形成して、この凹陥部の底
面部に第1の連通孔を設け、内部に二次室となる空間部
を有し且つ下面部に第2の連通孔を、上面部に第3の連
通孔をそれぞれ有するボックスを、前記凹陥部に嵌合す
ることで、前記ボックスと前記凹陥部とで、前記第1の
連通孔により前記膨出空気室内に連通する一次室を形成
して構成した。
【0020】かかる構成により、上記した請求項1又は
請求項3の発明の作用効果と同じ作用効果を奏し得るば
かりか、第1、第2、第3の連通孔では、空気は素早く
通過するが、水はその粘性抵抗が高いために、通過速度
が遅くなる。この性質を応用して水漏れを防止すること
ができる。しかも、空気抜き手段を、膨出空気室の下方
傾斜部に形成した凹陥部にボックスを嵌合することで構
成することができて、膨出空気室に孔加工をする手間を
省くことができる。
【0021】また、上記の目的を達成するために、請求
項6の発明に係る車載用温水器は、請求項1又は請求項
2又は請求項3又は請求項4又は請求項5に記載の車載
用温水器において、前記タンク本体内に、所定の温度以
上で溶融し所定の温度以下の温度で凝固する蓄熱材が構
成する蓄熱手段を内蔵した。
【0022】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用効果と同じ作用効果を奏し得るばかりか、タン
ク本体内の水をヒーター装置により一旦暖めて所定温度
以上の温水にしておけば、蓄熱材が溶融し、所定温度以
下で凝固するので、蓄熱材の投入量や蓄熱材の種類を適
宜選定することにより、水温を所定の温度範囲に長時間
保持することができる。これによって、ヒーター装置自
体の省エネルギーとなって、地球環境保全や石油資源枯
渇問題の解決にも寄与する。又、溶融温度が異なる種類
の蓄熱材を使用すると、たとえば互いに太陽熱量の異な
る真夏と春秋とに合理的に蓄熱作用を行える。
【0023】また、上記の目的を達成するために、請求
項7の発明に係る車載用温水器は、請求項6に記載の車
載用温水器において、前記蓄熱材は、溶融温度が互いに
異なる2種以上を使用するようにした。
【0024】かかる構成により、上記した請求項6の発
明の作用効果と同じ作用効果を奏し得る。
【0025】また、上記の目的を達成するために、請求
項8の発明に係る車載用温水器は、請求項1又は請求項
2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6
又は請求項7に記載の車載用温水器において、前記タン
ク本体内の水を太陽熱を利用して温水とするようにし
た。
【0026】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用効果と同じ作用効果を奏し得るばかりか、タン
ク本体内の水を太陽熱を利用して温水とするように、例
えば黒色の超高密度ポリエチレン等のプラスチックスに
より構成すれば、前記ヒーター装置の使用時間を少なく
して、この点からの省エネルギーを期待できる。
【0027】また、上記の目的を達成するために、請求
項9の発明に係る車載用温水器は、請求項1又は請求項
2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6
又は請求項7又は請求項8に記載の車載用温水器におい
て、前記タンク本体の前記取水口近傍外側壁に、このタ
ンク本体内の水温を検知するサーモラベルを貼付した。
【0028】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用効果と同じ作用効果を奏し得るばかりか、タン
ク本体内は上層部、中層部及び下層部で相当の温度差を
示すが、タンク本体がプラスチックスにより作製されて
いる場合等では、タンク本体は、その内部の水に比べて
熱伝導度及び密度が低く比熱が小さいために、結果的
に、温度伝導率(λ/P(比熱)・C(温度))は高
く、タンク本体の側壁中央部に設けたサーモラベルが検
知する温度は、タンク本体内の水温全体の平均温度近く
を検知することができ、温水の使用タイミングを計るこ
とができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳述する。
【0030】図1は本発明の実施の形態による車載用温
水器を搭載した自動車の側面図、図2は同車載用温水器
の上面から見た斜視図、図3は同車載用温水器の正面
図、図4は同車載用温水器の一部省略した平面図、図5
は同後面図、図6は図2のX−X線に沿う断面図であ
る。
【0031】本発明に係る車載用温水器Aはタンク本体
1を備えており、このタンク本体1は水深50〜150
mm位の細長形状を呈した例えば樹脂製の容器体であっ
て、その底壁部1aが略平坦状になっており、又、上壁
部1bは、その長手方向の後端部(一端部)1bが最
も高く、前端部(他端部)1bが最も低く形成してあ
って、これら前、後端部1b、1b間を略流線形状
にして結んだような形状を呈している。また、前記タン
ク本体1の後端部1b側の上壁部1bはその略中央部
に、前端部1b側に向かって上方に傾斜する膨出空気
室2が形成してある。この膨出空気室2の傾斜面部(下
方傾斜部)2aには、後述する空気抜き手段である空気
抜き装置3が装着してある。そして、タンク本体1の材
質としては、車載性を考えると剛性、強度、コスト等か
ら黒色の超高密度ポリエチレンのブロー成形品が好まし
い。
【0032】前記タンク本体1の底壁部1aの前部には
前側取水口4が、また、後部には、前記膨出空気室2に
対向する位置に後側取水口6がそれぞれ設けてある。そ
して、前側取水口4は前側コック4Aを、後側取水口6
は後側コック6Aをそれぞれ備えている。これらの前、
後側コック4A、6Aには、先端にシャワーノズル7を
備えたホース8が接続できるものである。
【0033】前記前、後側取水口4、6には、図7に示
すようにタンク本体1内にこのタンク本体1の上層部に
まで延在する冷水/温水混合用パイプ9が嵌入配設され
ている。すなわち、タンク本体1の下面には、タンク本
体1内に突出する環状膨出部10が形成してあり、この
環状膨出部10にはパイプコネクタ11が螺着してあ
り、パイプコネクタ11の中央部に形成した円形の鍔部
12とタンク本体1の下面との間にはシールリング13
が介装してある。
【0034】そして、パイプコネクタ11の一端側に
は、冷水/温水混合用パイプ9が嵌入している。この冷
水/温水混合パイプ9は、上端側が閉塞し、他端側が開
口した円筒形状を呈しており、その側壁9aには、図8
に示すように、タンク本体1内の水の温度分布に対応す
る上層部、中層部及び低層部にそれぞれ連通する複数個
の連通孔14A、14B、14Cが形成してある。
【0035】即ち、図8に示す冷水/温水混合パイプ9
は、タンク本体1の上層部、中層部及び低層部に連通す
るように、3つの連通孔14A、14B、14Cが形成
してあり、図9に示す冷水/温水混合パイプ9は、図8
に示す3つの連通孔14A、14B、14Cの他に、上
壁9bに半円形状の連通孔14Dを有して構成してあ
る。また、図10に示す冷水/温水混合パイプ9は、図
9における中層部の連通孔14Bを無くしたものとして
構成してある。
【0036】前記空気抜き装置3は、図6に示すように
ブレスボックス15を備えており、このブレスボックス
15は円筒状の周壁体16を有しており、この周壁体1
6の上端部16aは、この周壁体16の軸線イに対して
直角を成しており、また、周壁体16の下端部16b
は、この周壁体16の軸線イに対して所定の角度αに傾
斜している。そして、周壁体16の上端部16aは上面
壁17で、周壁体16の下端部16bは下面壁18でそ
れぞれ閉塞してあり、また、周壁体16内には、この周
壁体16の軸線イに対して、下面壁18の傾斜角度αよ
り大きい傾斜角度βに傾斜した隔壁19が配置してあっ
て、この隔壁19により周壁体16内は一次室20と二
次室21とに区画してある。
【0037】そして、下面壁18には一次室20に開口
する小孔である第1の連通孔22が、隔壁19には一次
室20と二次室21と連通する小孔である第2の連通孔
23が、上面壁17には二次室21を外気に連通する小
孔である第3の連通孔24がそれぞれ設けてある。これ
らの第1、第2、第3の連通孔22、23、24は互い
違いに配置してある。
【0038】このように構成されたブレスボックス15
は、タンク本体1の膨出空気室2の傾斜面部2aの上位
に設けてある。すなわち、この空気抜き装置3は、傾斜
面部2aの上位に形成した取付用孔部2−1に、その周
壁体16の軸線イが傾斜面部2aに対して直角になるよ
うにして水密に挿入固着してある。この場合、下面壁1
8は後方に向かって下側に傾斜していて、下面壁18に
形成した第1の連通孔22は最下位に位置しているし、
隔壁19は前方に向かって下側に傾斜していて、この隔
壁19に形成した第2の連通孔23は最下位に位置して
いる。
【0039】車載用温水器Aは車載してある。この場
合、自動車40のルーフ41上に、すのこ状のキャリア
ー43を設け、このキャリア43上に車載用温水器Aを
設置する。即ち、図11及び図12に詳細に示すよう
に、タンク本体1の底壁部1aにおける後端部1b
に、フランジ部1cが垂下形成してあり、このフランジ
部1cは、タンク本体1の幅方向全長に渡って延在して
いる。そして、このフランジ部1cにおける前端部1b
側の面には、平板状のブラケット25の先端に形成し
た鈎状折曲部25aが当接配置してあって、ボルト26
によって固着してある。この時、ブラケット25の基部
25bが、タンク本体1の底壁部1aに面接触すること
になる。
【0040】また、ブラケット25の基部25bには、
タンク本体1の長手方向に互いに離間する一対のボルト
27a、27bが、タンク本体1の短手方向に複数組溶
接等により立設してある。
【0041】そして、このボルト27a、27bの間
に、キャリア43の横桁43aを位置させて、板状座金
42に設けたボルト孔にボルト27a、27bを挿通さ
せて、板状座金42を横桁43aにあてがい、ボルト2
7a、27bに蝶ナット28を螺着することにより、ブ
ラケット25の基部25bと板状座金42との間で、横
桁43aを挟着する。また、タンク本体1の前端部1b
側は、横桁43bに対向する位置にベルト60を捲回
して、横桁43bと共に締め付けて、タンク本体1を固
定している。従って、タンク本体1は、ブラケット25
等とベルト60とによって2か所が固定されて、車体屋
根部であるルーフ41に載置されることになる。
【0042】30はタンク本体1内の水を温水とするヒ
ーター装置であり、持ち運び可能な化石燃料等を用いる
市販のガスコンロ等で構成してある。そして、このヒー
ター装置30は、図13で詳細に示すように、石油等の
化石燃料を使用する市販のガスコンロ等の加熱器31
と、この加熱器31によって加熱される被加熱部32a
を有する循環管路である加熱管路32とを有して構成し
ており、被加熱部32aは、加熱管路32の中途部を螺
旋状に折曲して形成してある。
【0043】ヒーター装置30が車載用温水器Aに接続
される場合には、加熱管路32の低温側32Aが配管3
3を介して前側取水口4の前側コック4Aに接続される
し、また、加熱管路32の高温側32Bが配管34を介
して後側取水口6の後側コック6Aに接続される。この
場合、前側取水口4が循環水導入口になり、後側取水口
6が循環水送出口になる。
【0044】その理由は、ヒーター装置30で水を加熱
すると溶存空気が気体になり、タンク本体1内に抜けて
いくが、タンク本体1の壁面に付着せずに直接に空気抜
き装置3から外気に逃がすためである。加熱されて高温
になった熱水が戻る口を前側にすると、傾斜が滑らかな
タンク本体1の上壁面に加熱管路32から抜けてきた気
体が付着し、流動せずにだんだんたまって断熱層を形成
し、タンク本体1の表面から吸収した太陽熱の水への伝
導を妨げるためである。
【0045】前記タンク本体1内には、図14に示すよ
うに、水中で50°Cで溶融し、潜熱を奪う蓄熱材50
が適量入れてある。この蓄熱材50は透湿性が少ない包
装材料で防湿包装したもので、タンク本体1内に水を入
れた時は、浮揚性によりタンク本体1の上層部に位置し
ており、効果的にタンク本体1内の水温低下を防止して
いる。そして、蓄熱材50は、50°C付近で多くの溶
融潜熱を奪う物質として、無機水和塩類、有機パラフィ
ン類、脂肪酸類、その他の有機物である。
【0046】次に、以上のように構成する本発明の実施
の形態について、動作を説明する。
【0047】まず、タンク本体1内に水を入れるには、
前、後側取水口4、6のいずれか一方に水道ホースを接
続して、この水道ホースを接続した側のコック(前、後
側コック4A、6Aのいずれか一方)を開らき、タンク
本体1内に給水する。
【0048】この給水の過程において、タンク本体1内
の空気は、前記空気抜き装置3の連通孔22、一次室2
0、隔壁19の連通孔23、二次室21及び連通孔24
を介して外気に排出され、水道ホースからの水を受け入
れる。尚、上記給水の過程において、水道ホースを透明
のホースにして、この水道ホースをタンク本体1の上に
掛けて垂れ下げれば、タンク本体1内の水量がどのくら
いは入ったかを検知できる。そして、タンク本体1内の
水量が増して給水水位ロに達すると給水を止める。この
場合、膨出空気室2内は空間部となる。
【0049】この状態では、膨出空気室2内は、前記ブ
レスボックス15の第1の連通孔22、一次室20、隔
壁19の第2の連通孔23、二次室21及び第3の連通
孔24を経て、大気に開口している。
【0050】このようにタンク本体1内に水が入った状
態で、車の急発進、急停車、急カーブ等で、タンク本体
1内の水面が揺動した場合、前記空気抜き装置3によっ
て水漏れを防止する構造となっている。
【0051】すなわち、空気抜き装置3のブレスボック
ス15には、一次室20と二次室21とが形成してあ
り、このブレスボックス15が膨出空気室2の傾斜面部
2aの上位に設けられた状態では、ブレスボックス15
の下面壁18は後方に向かって下側に傾斜していて、こ
の下面壁18に形成した第1の連通孔22はこの下面壁
18の最下位に位置しているし、隔壁19は前方に向か
って下側に傾斜していて、この隔壁19に形成した第2
の連通孔23はこの隔壁19の最下位に位置している。
しかも、第1、第2、第3の連通孔22、23、24は
いずれも小孔である。
【0052】したがって、第1、第2、第3の連通孔2
2、23、24では、空気は素早く通過するが、水はそ
の粘性抵抗が高いために、通過速度が遅くなる。この性
質を応用して水漏れを防止している。また、自動車の走
行時に水面が変動し短時間にブレスボックス15が水没
しても、一次室20と二次室21へ多少の水が浸入して
蓄えることになるが、水面が下がった時に第1、第2の
連通孔22、23から除々に水が抜けるようになる。
【0053】また、膨出空気室2は、第1の連通孔2
2、一次室20、隔壁19の第2の連通孔23、二次室
21及び第3の連通孔24を経て大気に開口することに
なるので、図15に示すように、例えば、車両の水平状
態(一点鎖線示状態)より、タンク本体1の後端側1b
側が下方に傾斜した場合、膨出空気室2内の空気の一
部が前端側1b側に移動して、空気室2が形成さ
れ、この空気室2は密閉空間として負圧になる。この
場合、大気圧をP、膨出空気室2の空気圧をP1、空気
室2の空気圧をP2とすると、P=P1>P2にな
る。
【0054】このため、この空気室2と大気に開口し
て正圧となっている膨出空気室2との間で、空気圧差と
水圧がバランスして、タンク本体1内の水が空気抜き装
置3から外部に漏れることがない。
【0055】次に、給水後のタンク本体1内の水を温水
にする場合を説明する。水を温水にする場合、もちろん
日中自動車40を太陽光の下に放置しておけば、タンク
本体1が黒色であることから、特に太陽光の日射量を吸
収して温水にすることができるが、本実施の形態では、
特に日射量が少い冬期や春秋期等では、ヒーター装置3
0の加熱器31を燃焼させて、加熱管路32の被加熱部
32aを熱して、この被加熱部32a内の水とタンク本
体1内の水との間で熱交換作用を起こさせて、タンク本
体1内の水を温水にしていく。
【0056】このように、ヒーター装置30によりタン
ク本体1内の水を温水にしていくと、温水になるのが短
時間でタンク本体1内の水温が上昇してしまうが、この
ために、タンク本体1の上層部が高温となり、下層部が
低温で、これらの間に温度の中間層ができてしまう。冬
期における実験によると、上層部が50°Cであるのに
対し、下層部は30°Cと、20°Cの温度差が出てし
まう。
【0057】この温度差のまま、タンク本体1の下部に
設置した後側取水口6、これに接続されたホース8を介
して、シャワノズル7から、温水を噴出させた場合、最
初はタンク本体1の下層部に位置する30°Cの温水が
噴出され、身体にかけるには低すぎてしまい、徐々に使
用する間に徐々に温水の温度は上昇するも、上層部に到
達すると、今度は50°Cとなって熱すぎて、シャワを
浴びることもできなくなってしまう。
【0058】そこで、本実施の形態では、後側取水口6
にタンク本体1内の上層部にまで延在する冷水/温水混
合用パイプ9を配設し、タンク本体1の上層部、下層部
或いは中層部に位置する連通孔14A、14B、14C
を形成してあり、水の重力により、連通孔14A、14
B、14C外側に対して内側が負圧となって、冷水/温
水混合用パイプ9には、タンク本体1の上層部、中層部
及び下層部から温水が流入して、混合され、シャワーノ
ズル7に、この冷水/温水混合用パイプ9によって混合
された適度な温度となった温水が噴出されることとな
り、快適なシャワー水を浴びることができる。
【0059】なお、前記連通孔14A、14B、14C
の径を、タンク本体1の下層部において大径とし、上層
部に至るまで順次小径としていくと、タンク本体1内の
水位が下がっても、下層部における冷水/温水混合用パ
イプ9への温水の流入量を充分確保できる。
【0060】また、上記したように、ヒーター装置30
によって、タンク本体1内の水を温水にする場合、蒸発
した蒸気を膨出空気室2より外部に逃がす必要がある。
【0061】即ち、ヒーター装置30によって、タンク
本体1内の水を温水にしていく過程で、一部蒸気となっ
て、膨出空気室2内に溜ることになる。しかし、この膨
出空気室2は、第1の連通孔22、一次室20、隔壁1
9の第2の連通孔23、二次室21及び第3の連通孔2
4を経て大気に開口していることから、膨出空気室2内
の蒸気は大気に放出されて、タンク本体1の膨張を防止
している。
【0062】また、タンク本体1に太陽熱を照射する
と、タンク本体1の外表面が暖められ、熱伝導によって
タンク本体1の内表面に熱が伝導して、この内表面に接
触している水が暖められる。この為に、タンク本体1の
内表面に空気層を作ると、この空気層が断熱層となり、
水への熱移動が減少する。そこで、本実施の形態では、
タンク本体1に膨出空気室2を形成して、タンク本体1
内が満水の場合には、この膨出空気室2内のみを空気層
として、タンク本体1の上壁部1bには直接水が接する
ようにして、タンク本体1の内表面に空気層ができない
ように工夫されている。
【0063】実験によれば、タンク本体1内の給水温度
が10°Cの時、タンク本体1内の水温を上昇させて、
上・中・下層部で平均40°Cにすると、20リットル
の温水は約200cc膨張する。そして、膨出空気室2
の空気温が10°Cから40°Cになったとすると、5
00ccの空気は53cc膨張して、タンク本体1の内
圧を1.5気圧上昇させることになる。そこで、この膨
張した膨出空気室2の空気を、第1の連通孔22、一次
室20、隔壁19の第2の連通孔23、二次室21及び
第3の連通孔24を経て大気に逃がしてやり、タンク本
体1が膨張による破損を防止している。
【0064】また、タンク本体1の水の後側取水口6近
傍外側壁部には、タンク本体1内の水温を検知するサー
モラベル35が貼付されている。このサーモラベル35
は、指示温度スパンが少いものがよいが、この為には液
晶タイプを用いる。しかし、この液晶タイプは極度に耐
光性が劣り、太陽熱利用には使用できないので、この場
合には、銅板カバー等の遮光カバー38を用いてカバー
して、通常時は太陽光を遮っておき、温度を検知する場
合のみ、カバーを外して検知することが考えられる。こ
れにより、サーモラベル35の寿命がアップし、カバー
によりサーモラベル35自体の空中への放熱が防止さ
れ、タンク本体1内の水温の検知が正確に行われ、ま
た、遮光カバー38は銘板等としてにも利用でき、この
遮光カバー38は上部がヒンジ結合され、常時はサーモ
ラベル35の表面を覆うように構成されている。
【0065】上記実施の形態においては、タンク本体1
内に水中で50°Cで溶融し、密封袋等に収容される潜
熱を奪う蓄熱材50が入っている。
【0066】従って、ヒーター装置30或いは、太陽熱
によって、タンク本体1内の水を温水にした後、ヒータ
ー装置30を停止して、タンク本体1を放置した場合、
蓄熱材50は、水温が50°C以上になった後、溶融
し、水の潜熱を奪い、熱量を蓄えることとなる。例え
ば、タンク本体1内の水を約500Kcal加熱させる
と、水温は60°Cまで上昇することが推定される。こ
の場合20リットル0.5m2 のタンク本体1の水温を
50°C以上に上げないように、200Kcalの熱量
を蓄熱材50に蓄えてやれば、蓄熱材50は溶融し始
め、200Kcalの熱を吸収して全量溶融し、50°
Cの水温を保つことになる。
【0067】また、蓄熱材50としては、約50°Cで
溶融するものを一種類使用してもよいが、太陽熱が多い
真夏と、少ない春秋に合せて、夫々35°C付近と50
°C付近の二種類を用意し、タンク本体1内に内蔵して
おくと合理的である。従って、蓄熱材50は三種類以上
の場合も考えられる。
【0068】また、上記のような効果を発揮するには、
蓄熱材50の溶融温度、熱伝導率が蓄熱材50の種類に
より異なるため、投入蓄熱材重量と熱交換のための表面
積は蓄熱材の種類によって適宜選択される。
【0069】また、上記した前記空気抜き装置3を図1
6に示す構成にしてもよい。すなわち、タンク本体1の
膨出空気室2の傾斜面部2aには平坦な頂部2a−1が
形成してあり、この頂部2a−1には凹陥部52が形成
してあり、この凹陥部52の周壁部53には段部54が
形成してあって、この段部54より上側が嵌合部55に
してある。そして、凹陥部52の底面部56は前方に向
かって下側に傾斜しており、この底面部56の前寄りに
第1の連通孔57が形成してある。
【0070】ボックスである二次室形成体58は、周壁
部59と上面部60と下面部61とで構成された中空密
閉体であって、内部が二次室64にしてある。そして、
下面部61は後方に向かって下側に傾斜していて、この
下面部61の後寄りに第2の連通孔62が形成してあ
る。また、上面部60の前寄りに第3の連通孔63が形
成してある。
【0071】そして、凹陥部52の嵌合部55に二次室
形成体58が嵌合してあって、この二次室形成体58の
下面部61と、凹陥部52と、この凹陥部52の底面部
56とで一次室65が形成してある。この場合、膨出空
気室2内は、第1の連通孔57、一次室65、第2の連
通孔62、二次室64及び第3の連通孔63を介して大
気に通じている。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る車載
用温水器によれば、タンク本体内に蓄えた水を取水口よ
りシャワー装置等を介して身体にかければ、簡単に身体
を洗うことができ、また、ヒータ装置によりタンク本体
の水の熱交換を行うので、使用時の時間帯や季節に関係
なく、常時快適にシャワーとして使分けすることがで
き、又、省エネも達成し得ることになる。
【0073】特に、タンク本体の底壁部の、このタンク
本体の長手方向の両端側に位置する取水口のどちらか一
方に水道ホースを接続して給水を行うことができるし、
また、シャワー放水は、駐車時の車体の傾斜によりタン
ク本体が傾いた側の取水口を利用して行うことができる
し、また、ヒーター装置の循環管路にそれぞれ連通する
循環水送出口及び循環水導入口に取水口を用いることが
できるために、車載用温水器の構成が簡素化し、コスト
をより安価にすることができる。
【0074】また、本発明に係る車載用温水器によれ
ば、ヒーター装置によってタンク本体内の水を熱交換し
て温水とした場合、タンク本体上層部より下層部に亘っ
て、温水の高温層、中温層及び低温層ができてしまう
が、タンク本体の水の取り出し口からタンク本体の上層
部に達する冷水/温水混合用パイプを設けてあるので、
この冷水/温水混合用パイプに上記タンク本体内の水の
温度分布に対応するように例えば上層部、中層部及び低
層部にそれぞれ連通する複数個の連通孔を形成すること
により、前記冷水/温水混合用パイプから高温、中温又
は低温の温水が取水口に導かれて混合し、この取水口の
先に取付けられたシャワー具より適温の温水が排出され
て、使用者は快適使用が可能となり、また、ヒーター装
置は、例えば市販の山登り用等の化石燃料を燃焼させる
ガスコンロを使用して、熱交換作用でタンク本体内の水
を循環させながら、温水にしていくものであるから、エ
ンジン等の動力を使用しなくて済み、また、持ち運びが
簡単であることから、利便性でしかも省エネに寄与し価
格の安いものとなる。
【0075】また、本発明に係る車載用温水器によれ
ば、自動車が例えば通常の坂道に駐車して、タンク本体
において膨出空気室側が低くなった場合には、他端側に
膨出空気室内の空気の一部が移動して小さな空気室を形
成することになるが、膨出空気室内は空気抜き手段を介
して大気に開放している結果、正圧となっているのに対
し、他端側に形成された空気室が負圧となって、両者の
空気圧差と水圧が釣り合って、給水口より外部に水が漏
出することを防止できる。
【0076】また、空気抜き手段において、第1、第
2、第3の連通孔では、空気は素早く通過するが、水は
その粘性抵抗が高いために、通過速度が遅くなる。この
性質を応用して水漏れを防止することができる。また、
自動車の走行時に水面が変動し短時間にブレスボックス
が水没しても、一次室と二次室へ多少の水が浸入して蓄
えることになるが、水面が下がった時に第1、第2の連
通孔から除々に水が抜けるようになる。また、空気抜き
手段を、膨出空気室の下方傾斜部に形成した凹陥部にボ
ックスを嵌合することで構成することができて、膨出空
気室に孔加工をする手間を省くことができる。
【0077】また、本発明に係る車載用温水器によれ
ば、タンク本体内の水をヒーター装置により一旦暖めて
所定温度以上の温水にしておけば、蓄熱材が溶融し、所
定温度以下で凝固するので、蓄熱材の投入量や蓄熱材の
種類を適宜選定することにより、水温を所定の温度範囲
に長時間保持することができる。これによって、ヒータ
ー装置自体の省エネとなって、地球環境保全や石油資源
枯渇問題の解決にも寄与する。又、溶融温度が異なる種
類の蓄熱材を使用すると、たとえば互いに太陽熱量の異
なる真夏と春秋とに合理的に蓄熱作用を行える。
【0078】また、本発明に係る車載用温水器によれ
ば、タンク本体内の水を太陽熱を利用して温水とするよ
うに、例えば黒色の超高密度ポリエチレン等のプラスチ
ックスにより構成している結果、前記ヒーター装置の使
用時間を少なくして、この点からの省エネを期待でき
る。
【0079】また、本発明に係る車載用温水器によれ
ば、タンク本体内は上層部、中層部及び下層部で相当の
温度差を示すが、タンク本体がプラスチックスにより作
製されている場合等では、タンク本体は、その内部の水
に比べて熱伝導度及び密度が低く比熱が小さいために、
結果的に、温度伝導率(λ/P(比熱)・C(温度))
は高く、タンク本体の側壁中央部に設けたサーモラベル
が検知する温度は、タンク本体内の水温全体の平均温度
近くを検知することができ、温水の使用タイミングを計
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車載用温水器(実施の形態例)を
搭載した自動車の側面図である。
【図2】同車載用温水器の後端側から見た斜視図であ
る。
【図3】同車載用温水器の正面図である。
【図4】同車載用温水器の一部省略した平面図である。
【図5】同車載用温水器の後面図である。
【図6】図2のX−X線に沿う断面図である。
【図7】冷水/温水混合用パイプの付近を拡大して示す
断面図である。
【図8】冷水/温水混合用パイプの第1の実施の形態を
示す斜視図である。
【図9】冷水/温水混合用パイプの第2の実施の形態を
示す斜視図である。
【図10】冷水/温水混合用パイプの第3の実施の形態
を示す斜視図である。
【図11】車載用温水器取付装置の構成説明図である。
【図12】図11のY方向からの矢視図である。
【図13】ヒーター装置の側面図である。
【図14】タンク本体の内部に蓄熱材を収納した状態の
車載用温水器の断面図である。
【図15】タンク本体が傾いた場合の状態を説明するた
めの説明図である。
【図16】空気抜き装置の他の実施例を備えた車載用温
水器の一部省略した断面図である。
【符号の説明】
1 タンク本体 1a 底壁部 1b 上壁部 1b 後端部(一端部) 1b 前端部(他端部) 2 膨出空気室 2a 傾斜面部(下方傾斜部) 3 空気抜き装置(空気抜き手段) 4 前側取水口 4A 前側コック 6 後側取水口 6A 後側コック 9 冷水/温水混合パイプ 20 一次室 21 二次室 22 第1の連通孔 23 第2の連通孔 24 第3の連通孔 30 ヒーター装置 32 加熱管路(循環管路) 33 循環水送出口 34 循環水導入口 35 サーモラベル 41 ルーフ(車体屋根部) 50 蓄熱材

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を蓄えて、この蓄えた水をヒーター装
    置によって温水とすると共に、車体屋根部に設置するよ
    うにしたタンク本体を備え、 前記タンク本体の底壁部に、このタンク本体の長手方向
    の両端側に位置させてそれぞれ開閉可能な取水口を設け
    て、これらの取水口を、給水、シャワー放水及び前記ヒ
    ーター装置の循環管路にそれぞれ連通する循環水送出口
    及び循環水導入口として使用するようにしたことを特徴
    とする車載用温水器。
  2. 【請求項2】 前記取水口よりタンク本体内に、このタ
    ンク本体の上層部に達する冷水/温水混合パイプを配設
    した請求項1に記載の車載用温水器。
  3. 【請求項3】 前記タンク本体は、全体として細長形状
    の容器体であって、 その底壁部が略平坦状をなすと共に、上壁部がその長手
    方向一端部を最も高く、他端部を最も低く形成して、こ
    れらの両端部を結ぶ流線形状となし、 且つ、前記上壁部の一端部側略中央部に他端部側に向か
    って上方傾斜する膨出空気室を形成し、この膨出空気室
    上面の下方傾斜部に空気抜き手段を設けて前記膨出空気
    室内部と大気とを連通させた請求項1又は請求項2に記
    載の車載用温水器。
  4. 【請求項4】 前記空気抜き手段を、前記膨出空気室内
    に第1の連通孔を介して連通する一次室と、この一次室
    に第2の連通孔を介して連通すると共に、外気に第3の
    連通孔を介して連通する二次室とを有するブレスボック
    スを、前記膨出空気室の下方傾斜部に貫通状態で装着し
    て構成した請求項3に記載の車載用温水器。
  5. 【請求項5】 前記空気抜き手段を、前記膨出空気室の
    下方傾斜部に凹陥部を形成して、この凹陥部の底面部に
    第1の連通孔を設け、内部に二次室となる空間部を有し
    且つ下面部に第2の連通孔を上面部に第3の連通孔をそ
    れぞれ有するボックスを、前記凹陥部に嵌合すること
    で、前記ボックスと前記凹陥部とで、前記第1の連通孔
    により前記膨出空気室内に連通する一次室を形成して構
    成した請求項3に記載の車載用温水器。
  6. 【請求項6】 前記タンク本体内に、所定の温度以上で
    溶融し所定の温度以下の温度で凝固する蓄熱材が構成す
    る蓄熱手段を内蔵した請求項1又は請求項2又は請求項
    3又は請求項4又は請求項5に記載の車載用温水器。
  7. 【請求項7】 前記蓄熱材は、溶融温度が互いに異なる
    2種以上を使用するようにした請求項6に記載の車載用
    温水器。
  8. 【請求項8】 前記タンク本体内の水を太陽熱を利用し
    て温水とするようにした請求項1又は請求項2又は請求
    項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項
    7に記載の車載用温水器。
  9. 【請求項9】 前記タンク本体の前記取水口近傍外側壁
    に、このタンク本体内の水温を検知するサーモラベルを
    貼付した請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項
    4又は請求項5又は請求項6又は請求項7又は請求項8
    に記載の車載用温水器。
JP10075067A 1998-03-10 1998-03-10 車載用温水器 Pending JPH11255038A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10075067A JPH11255038A (ja) 1998-03-10 1998-03-10 車載用温水器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10075067A JPH11255038A (ja) 1998-03-10 1998-03-10 車載用温水器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11255038A true JPH11255038A (ja) 1999-09-21

Family

ID=13565495

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10075067A Pending JPH11255038A (ja) 1998-03-10 1998-03-10 車載用温水器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11255038A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4503695B1 (ja) * 2009-10-07 2010-07-14 三和石産株式会社 水タンクを備えた貨物自動車
KR100984917B1 (ko) 2008-12-31 2010-10-01 서일화 무동력으로 급수하는 차량용 냉온수기

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100984917B1 (ko) 2008-12-31 2010-10-01 서일화 무동력으로 급수하는 차량용 냉온수기
JP4503695B1 (ja) * 2009-10-07 2010-07-14 三和石産株式会社 水タンクを備えた貨物自動車
JP2011098576A (ja) * 2009-10-07 2011-05-19 Sanwa Sekisan Kk 水タンクを備えた貨物自動車

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4146087A (en) Device for accumulation tanks for fluid
US7793652B1 (en) Solar operated water heater
CN106587237B (zh) 一种便携式太阳能海水淡化装置
US4744112A (en) Collapsible solar-heated hot tub
US4132221A (en) Pyramidal solar heating system
CN104367236B (zh) 一种虹吸式可折叠超薄型淋浴废热回收装置
FR2468077A1 (fr) Capteur solaire utilisable comme chauffe-eau
JPH11255038A (ja) 車載用温水器
JPH1144457A (ja) 車載用温水器
US4893611A (en) Solar energy collection and storage apparatus
JPH1178725A (ja) 車載用温水器
CN201357775Y (zh) 车载太阳能饮水设备
KR101781951B1 (ko) 음용수기용 복합형 온수통 구조
JPH11255039A (ja) 車載用温水器
GB2144035A (en) Improvements relating to swimming pool covers and the like
KR101814717B1 (ko) 휴대용 샤워장치
CN204987520U (zh) 一种单胆双腔式家用太阳能热水器
CN201170663Y (zh) 自动控止上水和管道排空的快开式太阳能热水器
GB2085573A (en) Warm Water Store for a Solar Collector
CN2884025Y (zh) 车船搭载式节能自动烧水保温饮水器
CN201837111U (zh) 一种采用排空阀的管道排空水箱
KR101053027B1 (ko) 자동 개폐부재를 구비한 온수공급장치
CN215253173U (zh) 一种自来水防冻泄压装置
CN207734036U (zh) 一种隐藏式车载饮水装置
CN103057674A (zh) 救生筏用太阳能海水淡化保温顶棚