JPH11237898A - 雑音低減方法および雑音低減装置 - Google Patents

雑音低減方法および雑音低減装置

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JPH11237898A
JPH11237898A JP10055796A JP5579698A JPH11237898A JP H11237898 A JPH11237898 A JP H11237898A JP 10055796 A JP10055796 A JP 10055796A JP 5579698 A JP5579698 A JP 5579698A JP H11237898 A JPH11237898 A JP H11237898A
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JP
Japan
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signal
input
voice
output
noise reduction
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JP10055796A
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English (en)
Inventor
Takayuki Araki
孝幸 荒木
Masayuki Kuroiwa
昌之 黒岩
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Japan Radio Co Ltd
Nagano Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
Nagano Japan Radio Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 呼吸音などの雑音を確実に除去して円滑な会
話の実現を図ることが可能な雑音低減方法および雑音低
減装置を提供する。 【解決手段】 閉鎖空間22内に配設されると共に発声
源21の方向とは異なる方向に指向性を有する第1音声
入力手段2を介して入力した第1入力信号SI1(n)に
含まれている周期性信号Y1(n)を抽出し、抽出した
周期性信号Y1(n)に基づいて発声源21の出力信号
が音声であると判定したときに、閉鎖空間22内に配設
されると共に発声源21の方向に指向性を有する第2音
声入力手段3を介して入力している第2入力信号SI2
(n)を音声信号として出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交話器のマイクロ
ホンなどの音声入力手段に入力された呼吸音などの雑音
を低減するための雑音低減方法および雑音低減装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ジェット機のパイロットなど
が酸素マスクを装着した状態で酸素を吸入しながら酸素
マスク内部に取り付けたマイクロホンを介して会話する
際には、呼吸音などの耳障りな雑音が音声と共にマイク
ロホンに入力する。このような状況下では、その呼吸音
などが会話相手に送信される結果、円滑な会話が妨げら
れる。このため、骨伝導マイクロホンなどを使用するこ
とによって対処していたが、十分な効果が得られないの
が実状である。
【0003】一方、マイクロホンの出力信号から呼吸音
などの雑音信号を除去することができれば、上記した不
都合点が解消される。この種の、マイクロホンの出力信
号から雑音信号を除去する方法としてマイクロホンの出
力信号の零交差数をカウントする方法が従来から知られ
ている。この方法では、音声信号の周波数よりも呼吸音
などの雑音信号の周波数の方が高いことを前提として雑
音信号を除去する。具体的には、まず、マイクロホンの
出力信号から直流成分を除去する。次いで、交流成分の
みとなったマイクロホンの出力信号の所定時間内におけ
る零交差数をカウントする。この場合、雑音信号は一般
的には音声信号よりも高周波数であると考えられるた
め、零交差数が予め設定した回数(例えばN回)以下で
あれば、音声が発声源から出力されていると判定し、マ
イクロホンの出力信号をそのまま音声信号として出力す
る。逆に、零交差数がN回を超えていれば、発声源から
呼吸音が出力されていると判定し、マイクロホンの出力
信号を出力するのを遮断する。これにより、呼吸音を除
去することによって円滑な会話を実現しようとしてい
る。
【0004】ところが、従来の零交差数に基づいて雑音
を低減する方法には、以下の問題点がある。すなわち、
この方法では、音声よりも呼吸音などの雑音信号の方が
常に高い周波数であることを前提として音声信号である
か否かを判定している。しかし、実際には、呼吸音の中
には音声と同程度の低周波数成分が含まれている。した
がって、このような呼吸音がマイクロホンに入力された
場合、零交差数が少ないために、発声源から呼吸音が出
力されているにも拘わらず、音声信号が出力されている
と誤判定してしまうことがある。また、音声と共に吐息
がマイクロホンに直接吹きかけられたときには、マイク
ロホンの出力信号が飽和することに起因して雑音が出力
されていると誤判定することもある。加えて、外部雑音
がマイクロホンに混入したときには、そのマイクロホン
の出力信号の零交差数が大きくなるため、発声源から音
声が出力されているにも拘わらず雑音と誤判定してしま
うこともある。このような場合には、音声信号が途切れ
たり、音声信号が全く出力されないという不都合が生じ
る。このように、従来の零交差数に基づく雑音低減方法
には、マイクロホンから出力されている信号が音声信号
であるか否かの判定精度が低いため実用化が困難である
という問題点がある。
【0005】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、呼吸音などの雑音を確実に除去して円滑な
会話の実現を図ることが可能な雑音低減方法および雑音
低減装置を提供することを主目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請
求項1記載の雑音低減方法は、閉鎖空間内に配設される
と共に発声源の方向とは異なる方向に指向性を有する第
1音声入力手段を介して入力した第1入力信号に含まれ
ている周期性信号を抽出し、抽出した周期性信号に基づ
いて発声源の出力信号が音声であると判定したときに、
閉鎖空間内に配設されると共に発声源の方向に指向性を
有する第2音声入力手段を介して入力している第2入力
信号を音声信号として出力することを特徴とする。な
お、本発明において閉鎖空間とは、完全に閉鎖された空
間のみならず、擬似的に閉鎖された疑似閉鎖空間も含む
概念である。
【0007】この雑音低減方法では、閉鎖空間内の第1
音声入力手段から第1入力信号が出力されると、その第
1入力信号内に含まれている周期性信号を抽出する。次
いで、抽出した周期性信号に基づいて、第2音声入力手
段の出力信号が音声であるか否かを判定する。この場
合、発声源から出力される音声は、ある程度の周期性を
有している。このため、第1入力信号に周期性信号が含
まれていれば発声源から音声が出力されていると判定
し、周期性信号が含まれていなければ発声源から音声が
出力されていないと判定する。したがって、第1入力信
号が低周波数の呼吸音であるときには、呼吸音は、周期
性を有していないため、音声とは判定されない。一方、
発声源から音声と共に吐息が発せられたときには、第1
音声入力手段は、発声源の方向とは異なる方向に指向性
を有しているため、その吐息によって飽和されることな
く音声を装置から出力する。したがって、吐息と音声が
同時に発せられた場合においても、第2入力信号に音声
が含まれていると判定する。次いで、第2入力信号内に
音声信号が含まれていると判定したときには、第2音声
入力手段を介して入力している第2入力信号を出力す
る。このため、呼吸音などの雑音を確実に除去しつつ音
声信号を確実に出力することが可能となる。
【0008】請求項2記載の雑音低減方法は、請求項1
記載の雑音低減方法において、第1入力信号を遅延させ
て遅延入力信号を生成し、遅延入力信号を適応フィルタ
に入力し、第1入力信号および適応フィルタにおける出
力信号の差分信号を生成し、差分信号に基づいて適応フ
ィルタのフィルタ係数を設定すると共に適応フィルタの
出力信号を周期性信号として抽出することを特徴とす
る。
【0009】例えば、音声信号の周波数が既知であれ
ば、バンドパスフィルタなどを用いることにより、第1
入力信号に含まれる音声信号を抽出することもできる。
しかし、この方法では、話者が変わることにより音声信
号の周波数帯域が変動した場合には、音声信号を抽出す
ることができないことがあるし、音声信号の周波数帯域
と比較してバンドパスフィルタの周波数帯域が広い場合
には、音声信号だけでなく雑音までも抽出してしまうこ
とがあり、誤判定するおそれもある。
【0010】一方、この雑音低減方法では、まず、第1
入力信号を遅延させて遅延入力信号を生成し、この遅延
入力信号を適応フィルタに入力する。次いで、第1入力
信号と適応フィルタの出力信号との差分信号に基づい
て、適応フィルタのフィルタ係数を設定する。この場
合、遅延入力信号に含まれている呼吸音などの雑音信号
が遅延させられているため、その雑音信号と第1入力信
号に含まれている雑音信号との間では、相関関係が極め
て低い。一方、音声信号には周期性信号であるピッチ周
波数が含まれているため、遅延入力信号に含まれている
音声信号と第1入力信号に含まれている音声信号との間
には、高い相関関係がある。このため、適応フィルタ
は、そのフィルタ係数を逐次修正することにより、第1
入力信号に含まれている周期性信号の成分に適応させつ
つ、その周期性信号を出力する。したがって、適応フィ
ルタから周期性信号が出力されているか否かを判別する
ことにより、第2入力信号が音声であるか否かを正確に
判定することが可能となる。
【0011】請求項3記載の雑音低減方法は、請求項1
または2記載の雑音低減方法において、抽出した周期性
信号の二乗値または絶対値を所定期間に亘って積算し、
積算値が予め設定した所定値を超えたときに発声源の出
力信号を音声であると判定することを特徴とする。
【0012】発声源から出力されている呼吸音にも周期
性信号が若干含まれていることがある。したがって、周
期性信号を抽出したと同時に音声が出力されたと判定す
ると、呼吸音を誤って音声信号として出力してしまうこ
とになる。一方、この方法では、抽出した周期性信号の
二乗値または絶対値を所定の期間に亘って積算する。こ
の場合、積算値は、音声のパワーに相当するため、第1
入力信号が音声である場合には、ある程度以上の値とな
り、逆に呼吸音である場合には、僅かな値となる。した
がって、この積算値が予め設定した所定値を超えたか否
かを判別することにより、第2入力信号が音声であるか
否かを確実に判定することが可能となる。
【0013】請求項4記載の雑音低減方法は、請求項3
記載の雑音低減方法において、積算値が所定値を下回っ
てから所定時間を経過するまで第2入力信号を音声信号
として出力することを特徴とする。
【0014】発声源から音声が出力されていないと判定
した場合に、出力を直ちに遮断してもよいが、音声の語
尾が欠落したり、連続発声している最中に出力が途切れ
たりするおそれがある。一方、この方法では、積算値が
一定値を下回ってから所定時間を経過するまで第2入力
信号を音声として出力する。このため、音声の語尾や、
連続発声中の音声部分の欠落を防止することが可能とな
る。
【0015】請求項5記載の雑音低減装置は、閉鎖空間
内に配設されると共に発声源の方向とは異なる方向に指
向性を有する第1音声入力手段を介して入力した第1入
力信号に含まれている周期性信号を抽出する周期性信号
抽出手段と、抽出した周期性信号に基づいて発声源の出
力信号が音声であるか否かを判定する判定手段と、発声
源の出力信号が音声であると判定されたときに、閉鎖空
間内に配設されると共に発声源の方向に指向性を有する
第2音声入力手段を介して入力している第2入力信号を
音声信号として出力するスイッチ手段とを備えているこ
とを特徴とする。
【0016】請求項6記載の雑音低減装置は、請求項5
記載の雑音低減装置において、周期性信号抽出手段は、
第1入力信号を遅延させることにより遅延入力信号を生
成する遅延回路と、遅延入力信号を入力する適応フィル
タと、第1入力信号および適応フィルタにおける出力信
号の差分信号を生成する差分回路とを備え、差分信号に
基づいて適応フィルタのフィルタ係数を設定すると共に
適応フィルタの出力信号を周期性信号として抽出するこ
とを特徴とする。
【0017】請求項7記載の雑音低減装置は、請求項5
または6記載の雑音低減装置において、判定手段は、抽
出された周期性信号の二乗値または絶対値を所定期間に
亘って積算し、積算値が予め設定した所定値を超えたと
きに発声源の出力信号を音声であると判定することを特
徴とする。
【0018】請求項8記載の雑音低減装置は、請求項7
記載の雑音低減装置において、判定手段は、積算値が所
定値を下回ってから所定時間を経過するまでスイッチ手
段に対して第2入力信号を音声信号として出力させるこ
とを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る雑音低減方法および雑音低減装置の好適な実施
の形態について説明する。
【0020】図1は、雑音低減装置1のブロック図を示
している。同図に示すように、雑音低減装置1は、マイ
クロホン2,3、A/D変換器4,5、遅延回路6,
7、適応フィルタ8、差分回路9、積算器10、判定器
11、スイッチ12およびD/A変換器13を備えてい
る。
【0021】マイクロホン2は、A/D変換器4と相俟
って本発明における第1音声入力手段に相当し、発声源
21の方向とは反対の向きに指向性を有するように閉鎖
空間である酸素マスク22内に配設されている。マイク
ロホン3は、A/D変換器5と相俟って本発明における
第2音声入力手段に相当し、マイクロホン2とは背中合
わせに固着されると共に、発声源21の方向に指向性を
有するように酸素マスク22内に配設されている。A/
D変換器4は、マイクロホン2の出力信号である電圧信
号VI1をサンプリング時間TS毎にアナログ−デジタル
変換することにより、本発明における第1入力信号に相
当する信号SI1(n)を出力する。A/D変換器5は、
マイクロホン3の出力信号である電圧信号VI2をサンプ
リング時間TS毎にアナログ−デジタル変換することに
より、本発明における第2入力信号に相当する信号SI2
(n)を出力する。
【0022】遅延回路6は、適応フィルタ8および差分
回路9と相俟って本発明における周期性信号抽出手段に
相当し、信号SI1(n)を所定時間(サンプリング時間
TS×L1時間)だけ遅延させた遅延入力信号X1
(n)を生成すると共に生成した遅延入力信号X1
(n)を適応フィルタ8に出力する。適応フィルタ8
は、例えば、タップ数が固定で内部フィルタ係数が可変
のデジタルフィルタで構成されている。この場合、適応
フィルタ8は、LMS法に従い、差分信号E1(n)の
二乗平均値が最小になるように、サンプリング時間TS
毎に、内部フィルタ係数を逐次修正しつつ遅延入力信号
X1(n)をフィルタリングすることにより、信号SI1
(n)に含まれる周期性信号である信号Y1(n)を抽
出する。差分回路9は、信号SI1(n)から信号Y1
(n)を減算することによって生成した差分信号E1
(n)を適応フィルタ8に出力する。積算器10は、信
号Y1(n)の二乗値を時間T1(サンプリング時間T
S×m時間)の間に亘って積算し、積算値に相当する信
号Y2(n)をA/D変換器4のサンプリングに同期し
て出力する。判定器11は、信号Y2(n)の電圧値と
予め設定されたしきい値VTHとを比較し、信号Y2
(n)の電圧値がしきい値VTHを超えたときにハイレベ
ルの制御信号SSを出力する。遅延回路7は、信号SI2
(n)を所定時間(サンプリング時間TS×L2時間)
だけ遅延させることにより信号X2(n)を出力する。
スイッチ12は、ハイレベルの制御信号SSが出力され
たときに信号X2(n)をD/A変換器13に出力す
る。D/A変換器13は、スイッチ12を介して出力さ
れた信号X2(n)をサンプリング時間TS毎にデジタ
ル−アナログ変換し、変換したアナログ信号を出力信号
として外部装置に出力する。
【0023】次に、雑音低減装置1における雑音低減方
法について、図2,3を参照して説明する。
【0024】話者が酸素マスク22を顔面に装着するこ
とにより、酸素マスク22内に閉鎖空間が形成される。
この状態で、発声源21としての話者の口から音声およ
び呼吸音を含む音波が発せられると、マイクロホン2
は、酸素マスク22の内面によって反射された音波を入
力し、図2に示す電圧信号VI1を出力する。この場合、
電圧信号VI1は、音声領域においては、母音に基づくピ
ッチ周波数を基本波とした周期的な信号波形となるのに
対し、呼吸音領域においては、ランダム雑音成分を主と
した非周期的な信号波形となる。一方、マイクロホン3
は、発声源21から出力される音波を直接入力し、電圧
信号VI2を出力する。この場合、電圧信号VI2は、電圧
信号VI1に対して信号レベルが大きく、かつ位相が若干
進んだ電圧波形となる。両マイクロホン2,3に音波が
入力されると、A/D変換器4,5が、電圧信号VI1,
VI2をサンプリング時間TS毎にアナログ−デジタル変
換することにより、信号SI1(n),SI2(n)をそれ
ぞれ出力する。次いで、遅延回路6,7が、信号SI1
(n),SI2(n)をL1サンプル分およびL2サンプ
ル分それぞれ遅延させた遅延入力信号X1(n)および
信号X2(n)を出力する。
【0025】次いで、差分回路9が、信号SI1(n)か
ら信号Y1(n)を減算することにより生成した差分信
号E1(n)を適応フィルタ8に出力する。これによ
り、適応フィルタ8は、差分信号E1(n)の二乗平均
値が最小になるように内部フィルタ係数を修正する。こ
の場合、信号SI1(n)がピッチ周波数を主体とした周
期性信号であるときには、遅延入力信号X1(n)にも
周期性があるため、遅延入力信号X1(n)と信号SI1
(n)との間には、高い相関関係がある。したがって、
適応フィルタ8は、サンプリング時間TS毎に、内部フ
ィルタ係数を逐次修正することにより、信号SI1(n)
に含まれるピッチ周波数と互いに位相および信号レベル
が近似する成分の信号Y1(n)を出力する。このとき
における信号Y1(n)の波形を図3(a)に示す。一
方、信号SI1(n)が呼吸音であるときには、信号SI1
(n)に周期性がないため、遅延入力信号X1(n)と
信号SI1(n)との間では、相関関係が極めて低い。し
たがって、適応フィルタ8は、差分信号E1の二乗平均
値を最小にするように作動する結果、呼吸音信号を出力
しない。
【0026】次いで、積算器10は、各サンプリング時
点における信号Y1(n)の二乗値を、連続するmサン
プル分に亘って積算することにより、同図(b)に示す
信号Y2(n)を生成する。なお、同図(b)は、信号
SI1(n)が周期性信号であるときの信号Y2(n)の
波形を示す。この場合、信号Y2(n)の演算式は、下
記の式で表される。
【0027】
【数1】
【0028】積算器10は、具体的には、例えば、サン
プリング時点t1からサンプリング時点tmまでのm個
の信号Y1(n)の二乗値(S1)2 ,(S2)2 ・・
・(Sm)2 を加算することにより、サンプリング時点
tmの時に積算値に相当する信号Y2(m)を出力す
る。継続して、積算器10は、サンプリング時点t2か
らサンプリング時点tm+1までのm個の信号Y1
(n)の二乗値(S2)2 ,(S3)2 ・・・(Sm+
1)2 を加算することにより、サンプリング時点tm+
1の時に信号Y2(m+1)を出力し、以後、この処理
を繰り返す。
【0029】この場合、判定器11は、信号Y2(n)
の電圧値としきい値VTHとを比較する。この例では、サ
ンプリング時点tmの時における信号Y2(m)の電圧
値がしきい値VTHを超えているため、判定器11は、発
声源21から音声が出力されていると判定する。この結
果、判定器11は、ハイレベルの制御信号SSを出力す
ることにより、スイッチ12をオン状態に制御する。こ
の場合、遅延回路6,7の各々の遅延時間は、サンプリ
ング時点tmの時を基準とすれば、判定器11がサンプ
リング時点tmの時までの信号Y2(n)に基づいて制
御信号SSを出力した時に、遅延回路7からサンプリン
グ時点t1に対応する信号X2(n)が出力されるよう
に予め規定されている。つまり、判定器11は、サンプ
リング時点tmの時における信号Y2(m)の電圧値に
基づき、サンプリング時間TS×mに相当する時間以前
の信号Y1(n)に対応する信号SI2(n)を、スイ
ッチ12を介してD/A変換器13に出力させる。これ
により、音声の先頭部分の欠落が防止されている。次い
で、D/A変換器13は、信号X2(n)をディジタル
−アナログ変換し、変換したアナログ電圧をサンプリン
グ時間TSの間、保持して出力する。続いて、判定器1
1が、信号Y2(n)の電圧値としきい値VTHとをサン
プリング時間TS毎に順次比較すると共にその比較結果
に基づいてスイッチ12のオン/オフを制御し、かつ、
D/A変換器13が、スイッチ12を介して出力された
信号X2(n)をアナログ−ディジタル変換することに
より、発声源21から発せられた音声信号が出力信号と
して出力される。
【0030】一方、発声源21から発せられた音声の出
力レベルが低下すると、同図(b)に示すように、サン
プリング時点tn+mの時における信号Y2(n+m)
の電圧値がしきい値VTHを下回る。このため、判定器1
1は、発声源21から音声が出力されなくなったと判定
する。この場合、判定器11は、ロウレベルの制御信号
SSを直ちに出力することなく、所定時間(例えば、時
間(サンプリング時間TS×L3))分、ハイレベルの
制御信号SSを出力する。これにより、音声の語尾の欠
落が防止される。次いで、判定器11は、発声源21か
ら音声が出力されなくなったと判定した時から所定時間
を経過した時にスイッチ12をオフ状態に制御する。
【0031】なお、信号SI1(n)が呼吸音であるとき
には、適応フィルタ8が呼吸音信号を出力しないため、
積算器10による積算値は、殆どゼロボルトとなる。し
たがって、判定器11は、信号Y2(n)の電圧値がし
きい値VTHを超えないため、ロウレベルの制御信号SS
を出力することによって、スイッチ12をオフ状態に制
御する。この結果、呼吸音の出力が遮断されるため、音
声信号のみが出力信号として出力される。
【0032】このように、この雑音低減装置1では、適
応フィルタ8がマイクロホン2およびA/D変換器4を
介して入力した信号SI1(n)に含まれている周期性信
号を信号Y1(n)として抽出し、積算器10によって
信号Y1(n)が積算されて生成された信号Y2(n)
の電圧値としきい値VTHとに基づき、判定器11が発声
源21から出力されている信号が音声であるか否かを判
定する。このため、この雑音低減装置1によれば、音声
のみを出力信号として出力し、呼吸音などの雑音の出力
を阻止することができる結果、円滑な会話を実現するこ
とができる。また、判定器11が、音声でないと判定し
てから所定時間を経過するまでスイッチ12をオン状態
に制御することにより、音声語尾の欠落を確実に防止す
ることができる。さらに、この雑音低減装置1によれ
ば、話者の音声に含まれるピッチ周波数が変動したとし
ても、適応フィルタ8が、その周波数変動に適応して内
部フィルタ係数を逐次修正するため、ピッチ周波数成分
のみを確実に出力することができる。また、適応フィル
タ8がLMS法に従って内部フィルタ係数を修正するこ
とにより、少ない計算量で処理することができるため、
ピッチ周波数成分を確実かつ迅速に抽出することができ
る。
【0033】なお、本発明は、上記した発明の実施の形
態に限定されず、その構成を適宜変更することができ
る。例えば、本発明の実施の形態では、適応フィルタ8
は、LMS法に従って内部フィルタ係数を修正している
が、最急降下法などの他の方法に従って内部フィルタ係
数を修正してもよい。また、適応フィルタ8の内部フィ
ルタのタップ数を可変可能に構成してもよい。さらに、
積算器10が信号Y1(n)の二乗値を積算している
が、信号Y1(n)の絶対値を積算してもよい。また、
本発明のアルゴリズムは、ハードウェアによる処理およ
びソフトウェアによる処理のいずれでも実施することが
できる。さらに、本発明の実施の形態では、遅延回路6
と適応フィルタ8とを別個独立に設けているが、これに
限定されず、遅延回路6と適応フィルタ8とを一体のハ
ードウェア構成にしてもよい。なお、本発明は、周期的
な信号と非周期的な信号とを分離する信号分離方法およ
び信号分離装置や、音声認識方法および音声認識装置な
どにも適用することができる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の雑音低減
方法および請求項5記載の雑音低減装置によれば、発声
源とは異なる方向に指向性を有する第1音声入力手段を
介して入力した第1入力信号に含まれている周期性信号
を抽出し、抽出した周期性信号に基づいて発声源の出力
信号が音声であるか否かを判定することにより、誤った
判定を回避しつつ、呼吸音などの雑音を確実に除去する
ことができる結果、円滑な会話を実現することができ
る。
【0035】また、請求項2記載の雑音低減方法および
請求項6記載の雑音低減装置によれば、遅延入力信号を
適応フィルタに入力すると共に第1入力信号および適応
フィルタにおける出力信号の差分信号に基づいて適応フ
ィルタのフィルタ係数を設定することにより、第2音声
入力手段に入力される音声信号の周波数帯域が変わった
りした場合であっても、発声源の出力信号が音声である
か否かを確実に判定することができ、これにより、円滑
な会話を実現することができる。
【0036】また、請求項3記載の雑音低減方法および
請求項7記載の雑音低減装置によれば、周期性信号の二
乗値または絶対値を積算した積算値に基づいて発声源の
出力信号が音声であるか否かを確実に判定することがで
きる。
【0037】また、請求項4記載の雑音低減方法および
請求項8記載の雑音低減装置によれば、積算値が所定値
を下回ってから所定時間経過するまで第2入力信号を音
声信号として出力することにより、音声の語尾や、連続
発声中の音声部分の欠落を確実に防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る雑音低減装置のブロ
ック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る雑音低減装置のA/
D変換器4に入力された電圧信号VI1の電圧波形図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態に係る雑音低減方法を説明
するための図であって、(a)は、信号Y1(n)の電
圧波形図、(b)は、信号Y2(n)の電圧波形図であ
る。
【符号の説明】
1 雑音低減装置 2 マイクロホン 3 マイクロホン 4 A/D変換器 5 A/D変換器 6 遅延回路 7 遅延回路 8 適応フィルタ 9 差分回路 10 積算器 11 判定器 12 スイッチ 21 発声源 22 酸素マスク E1 差分信号 SI1(n),SI2(n) 信号 X1(n) 遅延入力信号 Y1(n),Y2(n) 信号

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉鎖空間内に配設されると共に発声源の
    方向とは異なる方向に指向性を有する第1音声入力手段
    を介して入力した第1入力信号に含まれている周期性信
    号を抽出し、当該抽出した周期性信号に基づいて前記発
    声源の出力信号が音声であると判定したときに、前記閉
    鎖空間内に配設されると共に前記発声源の方向に指向性
    を有する第2音声入力手段を介して入力している第2入
    力信号を音声信号として出力することを特徴とする雑音
    低減方法。
  2. 【請求項2】 前記第1入力信号を遅延させて遅延入力
    信号を生成し、当該遅延入力信号を適応フィルタに入力
    し、前記第1入力信号および前記適応フィルタにおける
    出力信号の差分信号を生成し、当該差分信号に基づいて
    前記適応フィルタのフィルタ係数を設定すると共に当該
    適応フィルタの出力信号を前記周期性信号として抽出す
    ることを特徴とする請求項1記載の雑音低減方法。
  3. 【請求項3】 前記抽出した周期性信号の二乗値または
    絶対値を所定期間に亘って積算し、当該積算値が予め設
    定した所定値を超えたときに前記発声源の出力信号を音
    声であると判定することを特徴とする請求項1または2
    記載の雑音低減方法。
  4. 【請求項4】 前記積算値が前記所定値を下回ってから
    所定時間を経過するまで前記第2入力信号を前記音声信
    号として出力することを特徴とする請求項3記載の雑音
    低減方法。
  5. 【請求項5】 閉鎖空間内に配設されると共に発声源の
    方向とは異なる方向に指向性を有する第1音声入力手段
    を介して入力した第1入力信号に含まれている周期性信
    号を抽出する周期性信号抽出手段と、当該抽出した周期
    性信号に基づいて前記発声源の出力信号が音声であるか
    否かを判定する判定手段と、前記発声源の出力信号が音
    声であると判定されたときに、前記閉鎖空間内に配設さ
    れると共に前記発声源の方向に指向性を有する第2音声
    入力手段を介して入力している第2入力信号を音声信号
    として出力するスイッチ手段とを備えていることを特徴
    とする雑音低減装置。
  6. 【請求項6】 前記周期性信号抽出手段は、前記第1入
    力信号を遅延させることにより遅延入力信号を生成する
    遅延回路と、当該遅延入力信号を入力する適応フィルタ
    と、前記第1入力信号および前記適応フィルタにおける
    出力信号の差分信号を生成する差分回路とを備え、当該
    差分信号に基づいて前記適応フィルタのフィルタ係数を
    設定すると共に当該適応フィルタの出力信号を前記周期
    性信号として抽出することを特徴とする請求項5記載の
    雑音低減装置。
  7. 【請求項7】 前記判定手段は、前記抽出された周期性
    信号の二乗値または絶対値を所定期間に亘って積算し、
    当該積算値が予め設定した所定値を超えたときに前記発
    声源の出力信号を音声であると判定することを特徴とす
    る請求項5または6記載の雑音低減装置。
  8. 【請求項8】 前記判定手段は、前記積算値が前記所定
    値を下回ってから所定時間を経過するまで前記スイッチ
    手段に対して前記第2入力信号を音声信号として出力さ
    せることを特徴とする請求項7記載の雑音低減装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005224882A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Fuji Seisakusho:Kk ブラスト加工装置における異常検知方法及び異常検知システム
FR3088766A1 (fr) * 2018-11-20 2020-05-22 Airbus Operations Procede et systeme de traitement de signaux audio pour microphone de masque a oxygene d’un aeronef
WO2022009008A1 (en) * 2020-07-10 2022-01-13 3M Innovative Properties Company Breathing apparatus and method of communicating using breathing apparatus

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