JPH1123578A - アルドラーゼアイソザイムの測定方法及びアルドラーゼアイソザイム測定用標準液 - Google Patents

アルドラーゼアイソザイムの測定方法及びアルドラーゼアイソザイム測定用標準液

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JPH1123578A
JPH1123578A JP18018997A JP18018997A JPH1123578A JP H1123578 A JPH1123578 A JP H1123578A JP 18018997 A JP18018997 A JP 18018997A JP 18018997 A JP18018997 A JP 18018997A JP H1123578 A JPH1123578 A JP H1123578A
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aldolase
serum
isozyme
plasma
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JP18018997A
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Takeshi Sawazaki
健 澤崎
Yasuyuki Kuroiwa
保幸 黒岩
Yoshiki Nakao
義喜 中尾
Mitsuo Yamaki
光男 山木
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血清干渉の影響を減少し、正確で信頼性に優
れたアルドラーゼアイソザイムの測定方法、血清干渉の
影響を減少し、正確で信頼性に優れたアルドラーゼアイ
ソザイムの測定を可能にする希釈溶媒及び血清干渉の影
響を減少し、正確で信頼性に優れたアルドラーゼアイソ
ザイムの測定を可能にするアルドラーゼアイソザイムの
標準液を提供する。 【解決手段】 ウマ由来の血清又は血漿の存在下にアル
ドラーゼアイソザイムを検出又は定量することを特徴と
するアルドラーゼアイソザイム測定方法、アルドラーゼ
アイソザイムの測定において、検体の希釈又は標準液の
希釈に用いるウマ由来の血清又は血漿を含む希釈溶媒及
び希釈溶媒としてウマ由来の血清又は血漿を含有してな
るアルドラーゼアイソザイムを測定するための標準液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルドラーゼアイ
ソザイムの測定方法及びアルドラーゼアイソザイム測定
用標準液に関する。
【0002】
【従来の技術】アルドラーゼは、解糖系酵素の一つであ
り、生体の組織、細胞中に広く本酵素活性が見出され、
少なくともアイソザイムとして、A、B、Cの3種類が
知られている。各アルドラーゼアイソザイムの分子量は
それぞれ15万、15.4万、15.6万ダルトンで、
いずれも分子量約4万のサブユニットα、β、γで構成
される4量体であり臓器特異性が高い。アルドラーゼA
は、主に心臓、骨格筋、脳血管内皮細胞に、アルドラー
ゼBは、主に肝臓、腎臓、腸上皮に、アルドラーゼC
は、脳、脊髄に多く存在している。
【0003】アルドラーゼの測定法としては、従来、電
気泳動法やFDP(フルクトース−1,6−二リン酸)
をF1P(フルクトース−1−リン酸)とする分解活性
比FDP/F1Pを測定する活性測定法が知られてい
る。しかし、電気泳動法では、各アルドラーゼアイソザ
イムのバンドの位置が近接しているため判別が困難であ
るうえ、定量性に乏しいという問題点がある。また、従
来の分解活性比FDP/F1Pを測定する活性測定法で
は、アルドラーゼの総酵素活性として測定するため、個
々のアルドラーゼアイソザイムを分別定量することがで
きず疾患特異性が低く信頼性が乏しいという問題点があ
る。
【0004】アルドラーゼアイソザイムを分別定量する
方法として、アルドラーゼA、B、Cの個々のアルドラ
ーゼアイソザイムに対する抗体を用いた測定例が報告さ
れている。アルドラーゼAについては、RIA法を用い
た測定例として、Asakaら(Clinica Chimica Acta,117,
289-296,1981、Cancer,51,1873-1878,1983)の報告や特
開昭54−147097号公報、特開昭56−1256
67号公報等の報告がある。比色系EIA法を用いた測
定例として、特開昭56−48894号公報がある。ま
た、蛍光系EIA法を用いた測定例としては、Okajima
ら(Clinica ChimicaActa,187,265-272,1990)の報告があ
る。
【0005】アルドラーゼBについては、RIA法を用
いた測定例として、Asakaら(Oncodevelopment Biology
and Medicine,4,187-195,1983, Hepatology, 4(3),531-
535,1984、Cancer,62,2554-2557,1988)の報告がある。
蛍光系EIA法を用いた測定例として、Haimotoら(Cli
nica Chimica Acta,154,203-212,1986)の報告がある。
アルドラーゼCについては、蛍光系EIA法を用いた測
定例としてHaimotoら(Clinica Chimica Acta,154,203-2
12,1986)の報告がある。
【0006】上述のようにアルドラーゼアイソザイムの
測定法には、多くの報告例がある。また、生体内におい
て、各アルドラーゼアイソザイムが存在する臓器や組織
が比較的限局されていることから、これらを分別定量す
ることは、各種臓器や細胞等の病変に伴う悪性腫瘍、代
謝異常、内分泌異常の診断において臨床上有用となる。
しかし、従来のこれらの免疫測定法を用いて血清又は血
漿中の微量成分を測定する場合、測定対象の微量成分の
濃度が、標準液から得られる検量線と相関しない血清等
の干渉現象(以下、血清干渉と略す)が存在する。その
ため、血清干渉の影響を減少させることは、測定値の信
頼性を確保する上で極めて重要である。アルドラーゼア
イソザイムの測定では放射性同位体を用いたり、検体を
50倍程度希釈し、さらに蛍光を用いて検出する等の方
法を用いている。しかし、操作が煩雑な上、特別な機器
が必要であること等の問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】請求項1、2、3、
4、5、6及び7記載の発明は、血清干渉の影響を減少
し、正確で信頼性に優れたアルドラーゼアイソザイムの
測定方法を提供するものである。請求項8記載の発明
は、血清干渉の影響を減少し、正確で信頼性に優れたア
ルドラーゼアイソザイムの測定を可能にする希釈溶媒を
提供するものである。請求項9及び10記載の発明は、
血清干渉の影響を減少し、正確で信頼性に優れたアルド
ラーゼアイソザイムの測定を可能にするアルドラーゼア
イソザイムの標準液を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)〜
(9)に関する。 (1)ウマ由来の血清又は血漿の存在下にアルドラーゼ
アイソザイムを検出又は定量することを特徴とするアル
ドラーゼアイソザイム測定方法。 (2)ウマ由来の血清又は血漿を含む標準液を用いる上
記(1)記載のアルドラーゼアイソザイムの測定方法。 (3)検体の希釈液としてウマ由来の血清又は血漿を含
有する希釈溶媒を用いる上記(1)又は(2)記載のア
ルドラーゼアイソザイムの測定方法。 (4)測定原理が固相抗体及び酵素標識抗体を用いる酵
素免疫測定法である上記(1)、(2)又は(3)記載
のアルドラーゼアイソザイムの測定方法。 (5)比色系により酵素を検出する上記(4)記載のア
ルドラーゼアイソザイムの測定方法。
【0009】(6)化学発光系により酵素を検出する上
記(4)記載のアルドラーゼアイソザイムの測定方法。 (7)測定すべきアルドラーゼアイソザイムがアルドラ
ーゼBである上記(1)、(2)、(3)、(4)、
(5)又は(6)記載の測定方法。 (8)アルドラーゼアイソザイムの測定において、検体
の希釈又は標準液の希釈に用いるウマ由来の血清又は血
漿を含む希釈溶媒。 (9)希釈溶媒としてウマ由来の血清又は血漿を含有し
てなるアルドラーゼアイソザイムを測定するための標準
液。 (10)アルドラーゼアイソザイムがアルドラーゼBで
ある上記(9)記載のアルドラーゼBを測定するための
標準液。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、ウマ由来の血清又は血漿としては、ウ
マ胎児、ウマ新生児、仔ウマ、成ウマ等の血液から、通
常の方法により得られる血清又は血漿が使用できる。ウ
マ血清は、通常、ウマ血液を凝固させ、フィブリノーゲ
ンからフィブリン化し、これを除去することにより得ら
れる。例えば、ウマ血液を採血後、好ましくは4〜40
℃、さらに好ましくは25〜37℃の条件下で血液を凝
固させ、遠心分離(500〜5,000×gで5〜60
分間、好ましくは1,000〜3,000×gで10〜
30分間)し、その上清から得ることができる。あるい
は次の血漿の調製で述べるように血液抗凝固剤の作用に
より調製して得た血漿を、トロンビンや蛇毒等の血液凝
固促進剤を作用させ、フィブリノーゲンからフィブリン
化し、これを除去することで血漿を血清化することもで
きる。このようにして調製したウマ血清は、調製後直ち
に使用可能であるが、非動化、例えば56℃で30分間
処理したものも使用できる。
【0011】ウマ血漿は、通常の方法で得られる。例え
ば、ウマ血液を適当な血液抗凝固剤の存在下で採血する
か、又は、血液採血後、血液抗凝固剤を添加し、遠心分
離((500〜5,000×gで5〜60分間、好まし
くは1,000〜3,000×gで10〜30分間)し
その上清から得られる。適当な抗凝固剤としては、ヘパ
リン、EDTA−2Na、クエン酸ナトリウム、フッ化
ナトリウム等が挙げられ使用できるが、これらに限定さ
れることはない。上記で得られるウマ由来の血清又は血
漿は、アルドラーゼアイソザイムを測定するための標準
液(以下、標準液と略す)の調製及び測定すべき検体の
希釈に使用する希釈溶媒として用いる。
【0012】本発明において、標準液は、上記希釈溶媒
とアルドラーゼアイソザイムを混合したものであり、ア
ルドラーゼアイソザイムを適当な濃度に調製したもので
ある。希釈溶媒としては、ウマ由来の血清又は血漿をそ
のまま原液として、又は、これらを適当な緩衝液で希釈
し使用する。標準液中のウマ由来の血清又は血漿の最終
的な含有量は、測定感度、測定系等で異なる。含有量が
少なすぎると血清干渉を減少する効果が期待できなくな
るため好ましくない。しかし、例えば、サンドイッチE
IA法の場合、1〜100(V/V)%が好ましく、よ
り好ましくは10〜100(V/V)%、特に好ましく
は50〜100(V/V)%を含有させる。なお、適当
な緩衝液としては、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、炭酸
緩衝液、トリス塩酸緩衝液等が挙げられる。これら適当
な緩衝液中には、本発明の効果を損なわず、測定系を妨
害しない限り、チロメサールやアジ化ナトリウム等の防
腐剤やウシ血清アルブミン(BSA)等の安定化剤等を
添加補助剤として含有させることができる。
【0013】標準液の調製に使用できるアルドラーゼア
イソザイムとしては、アルドラーゼアイソザイムを含有
する患者血清が使用でき、好ましくは心臓、骨格筋、
脳、肝臓、腎臓等の組織から抽出又は精製したアルドラ
ーゼアイソザイム、あるいは遺伝子組み換え法で作成し
たアルドラーゼアイソザイムも使用することができる。
アルドラーゼアイソザイムとしては、アルドラーゼA、
アルドラーゼB、アルドラーゼC等が挙げられる。これ
ら標準液は、一種類のアルドラーゼアイソザイムを含有
するものとして調製し使用できるし、あるいは複数のア
ルドラーゼアイソザイムを組み合わせ含有するように調
製し使用できる。又、複数のアルドラーゼアイソザイム
としては、粗精製物や各アルドラーゼアイソザイムの精
製物の混合物が使用できる。これら調製した標準液は、
最終的には溶液状態で使用するが、長期保存を目的に凍
結乾燥品とすることもできる。
【0014】調製した標準液は、あらかじめ、測定対象
のアルドラーゼアイソザイムの濃度が明らかな標準品で
検定しておき、較正用の検量線の作成のために使用され
る。通常、既知濃度の標準液の個数は、異なる濃度のも
のが2個以上必要である。異なる濃度の標準液の一つと
して、アルドラーゼアイソザイムを含まない標準液も使
用できる。標準液の個数と濃度は、測定方法とその感
度、測定する濃度範囲内での検量線の形等により較正の
誤差を最小にするよう適宜設定することが好ましい。一
般に、測定の信頼性を向上させるには、標準液の個数を
多くするのが好ましいが、測定の操作性とランニングコ
ストの低減には標準液の個数を少なくすることが好まし
い。
【0015】測定すべき検体としては、血清、血漿、リ
ンパ液、尿等の体液が使用できる。測定すべき検体は、
希釈せずに用いることもできるし、希釈して用いること
もできる。検体を希釈するための希釈溶媒としては、上
記標準液の調製において使用されるのと同様の希釈溶媒
が使用することができる。ウマ由来の血清又は血漿は原
液のまま、あるいは適当な安定化剤、防腐剤等を含む緩
衝液で希釈して使用することができる。一般に、希釈倍
数は低く抑えることが測定感度の観点から、好ましい
が、測定方法、測定感度、測定条件等に応じて適宜選択
できる。
【0016】本発明の測定原理について以下に説明す
る。本発明の測定方法は、アルドラーゼアイソザイムの
測定に際し、ウマ由来の血清又は血漿を含有する希釈溶
媒を用いて調製した標準液の使用又は測定すべき検体を
希釈する工程のいずれか一方又は両方を含むことを特徴
とする。アルドラーゼアイソザイムの測定の原理として
は、測定すべきアルドラーゼアイソザイムを十分測定出
来る感度が得らる検出方法であれば、特に限定されない
が、好ましい方法としては、特異性の点から抗体を使用
する免疫学的測定方法が挙げられる。免疫学的測定方法
としては、酵素標識抗体を用いる酵素免疫測定法(EI
A法)、放射性同位体標識抗体を用いる放射性免疫測定
法(RIA法)、蛍光色素標識抗体を用いる蛍光免疫測
定法(FIA法)、ポリスチレン粒子にこの抗体を感作
したラテックス凝集比濁法(LIA法)等が挙げられ
る。
【0017】本発明において好ましい免疫学的測定法と
しては、放射性物質の廃棄の問題がない点からEIA
法、FIA法、ラテックス凝集法が挙げられ、より好ま
しい免疫学的測定法として測定の自動化が可能な点から
EIA法、ラテックス凝集比濁法が挙げられる。又、比
較的測定感度が良好な点からEIA法、例えば、サンド
イッチEIA法が特に好ましい測定法として挙げられ
る。以下、免疫学的測定法の代表例として、反応原理が
固相抗体及び酵素標識抗体を用いるサンドイッチEIA
法による例で説明する。
【0018】サンドイッチEIA法の測定法の概要は、
まず、固相抗体に、ウマ由来の血清又は血漿を含有する
希釈溶媒を用いて調製した標準液又は測定すべき検体又
は該希釈液溶媒で希釈した測定すべき検体を加え、固相
抗体/アルドラーゼアイソザイムの複合体を形成させ
る。次いで必要に応じて未反応物質を洗浄液で洗浄す
る。その後、酵素標識抗体(標識2次抗体)を加え、固
相抗体/アルドラーゼアイソザイム/酵素標識抗体の複
合体を形成させる。そして、個々の標準液、測定すべき
検体中のアルドラーゼアイソザイムの量を、存在量に応
じ形成したアルドラーゼアイソザイム−標識体(酵素標
識抗体等)複合体中の標識体(酵素標識抗体等)を指標
として検出し測定する。さらに、既知濃度の標準液によ
る標識体の測定結果をもとに未知濃度の検体中のアルド
ラーゼアイソザイム量を定量する。
【0019】標識体としては、一般に、アルカリフォス
ファターゼ、ペルオキシターゼ、グルコースオキシター
ゼ、β−ガラクトシダーゼ等の標識酵素が用いられる。
また、EIA法においては、最終的に測定すべき標識酵
素(標識体)の検出方法としては、吸光度を検出する比
色系、発光強度を検出する化学発光系によるものが利用
できる。
【0020】以下、サンドイッチEIA法の測定法に用
いる測定試薬を説明する。固相抗体及び酵素標識抗体
(標識2次抗体)に用いる抗体としては、抗アルドラー
ゼ抗体、抗アルドラーゼA抗体、抗アルドラーゼB抗
体、抗アルドラーゼC抗体が挙げられ、測定すべき対象
により、これら抗体は、単独で又は組合せて使用され
る。例えば、測定すべき対象がアルドラーゼAの場合
は、固相抗体に抗アルドラーゼA抗体を、アルドラーゼ
Bを測定すべき場合は、固相抗体に抗アルドラーゼB抗
体を、アルドラーゼA、アルドラーゼB、アルドラーゼ
Cをすべて測定すべき場合は、これら全てのアルドラー
ゼアイソザイムに反応する(共通抗原認識部位を認識す
る)抗体である各抗アルドラーゼ抗体、もしくは、抗ア
ルドラーゼA抗体、抗アルドラーゼB抗体、抗アルドラ
ーゼC抗体を含有する混合物を固相抗体に固定化する。
これら抗体の由来としては、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ニ
ワトリ、アヒル等のポリクローナル抗体が挙げられる。
又、ポリクローナル抗体に限らずモノクローナル抗体も
使用できる。
【0021】上記抗体としては、免疫グロブリン画分に
限らず、IgG、IgA、IgM画分等に精製しても使
用できるし、感度、特異性を向上させるためアフィニテ
ィ精製法により精製した特異抗体が使用できる。さら
に、検体中のリウマチ因子、補体成分等による非特異反
応による測定値への影響を避ける目的で、抗体分子をペ
プシンやパパイン等の限定分解酵素でFc部分を切断し
分離除去しF(ab')2、Fab'、Fab画分として使用すること
もできる。固相担体としては、マイクロプレート、ポリ
スチレンビーズ、磁性体を包埋させたポリスチレン粒子
等を利用することができる。固相抗体を作成する際の抗
体は、0.1〜1000μg/mlの濃度で固定化に使用で
きるが、1〜100μg/mlの濃度で使用するのがより好
ましい。
【0022】次いで、非特異的反応を防ぐためにこの固
相を蛋白質含有液で処理(ブロッキング処理)し洗浄し
て、固相とすることができる。ブロッキング処理に用い
る蛋白質としては、ウシ血清アルブミン(以下、BSA
と略す)のほか、各種アルブミン、ミルク、ゼラチン等
の蛋白質があり、これらを単独又は組合せで使用でき
る。これらの蛋白質は、0.1〜10%(w/v)の濃度
で使用するのが好ましく、1〜5%(w/v)の濃度で使
用するのがより好ましい。以上により、固相抗体ができ
る。
【0023】一方の検出用の抗体として酵素を標識した
酵素標識抗体(標識2次抗体)を用意する。酵素標識抗
体に使用できる酵素としては、ペルオキシダーゼ、アル
カリホスファターゼ、グリコシダーゼ、β−カラクトシ
ダーゼ等が挙げられる。測定感度を上げるためには公知
のアビジン−ビオチン法を用いることが好ましい。例え
ば、ビオチン等の反応基を持つ抗アルドラーゼアイソザ
イム抗体と、アビジン等の反応基を持つ酵素(ペルオキ
シダーゼ等)を用いることができる。酵素の検出方法
は、用いる酵素及び基質により異なるが、化学発光、比
色系等が利用できる。
【0024】酵素標識抗体の標識法には公知の各種方法
が適用できる。例えばペルオキシダーゼで標識するに
は、マレイミド・ヒンジ法、サクシンイミド法等により
直接両者を結合させることができる。酵素標識抗体は、
測定時に0.01〜100μg/mlの濃度で使用するのが
好ましく、0.1〜10μg/mlの濃度で使用するのがよ
り好ましい。アビジン−ビオチン法を用いる場合、ビオ
チン等の反応基をもつ抗体は、0.01〜100μg/ml
の濃度で使用するのが好ましく、0.1〜10μg/mlの
濃度で使用するのがより好ましい。また、アビジン等の
反応基をもつ酵素(例えばペルオキシダーゼ)は、0.
01〜100μg/mlの濃度で使用することが好ましく、
0.1〜10μg/mlの濃度で使用するのがより好まし
い。
【0025】アビジン−ビオチン法を用いる場合、あら
かじめビオチン等の反応基を持つ抗体とアビジン等の反
応基を持つ酵素を反応させ、複合体を調製しておき、こ
れを用いてもよい。この複合体は、0.01〜100μ
g/mlの濃度で使用できるが、0.1〜10μg/mlの濃度
が好ましい。測定試薬には、その他、反応用緩衝液、洗
浄液、基質等が組み合わされる。比色系の場合の基質と
しては、例えば、テトラメチルベンジジン(TMB;3,
3',5,5'-Tetramethylbenzidine)、ABTS(2,2'-Azi
no-bis(3-ethylbenzothiazoline-6-sulfonic acid))、
p−ニトロフェニルリン酸(p−NPP; p-Nitrophen
ylphosphate)、OPD(o-Phenylenediamine Dihydroc
hloride),ONPG(o-Nitrophenyl-β-D-Galactopyr
anoside)等が挙げられる。停止液には、酸、アルカリ
の他各種有機溶剤が挙げられる。
【0026】比色系による吸光度の検出のほか、化学発
光を用いて検出してもよい。例えば、化学発光系の場合
には、ルミノール類と過酸化水素の組合せが発光基質と
して用いられる。発光基質を含む発光試薬に含まれる脱
脂粉乳又は卵白アルブミンは、最終濃度で0.001〜
1%(w/v)の濃度で使用するのが好ましいが、0.0
1〜0.2%(w/v)の濃度で使用するのがより好まし
い。また、過酸化水素は、最終濃度で0.4〜5.0m
Mの濃度で使用するのが好ましい。また、ルミノール類
としてはルミノールのほか、イソルミノール等も使用で
きる。ルミノール類は最終濃度で0.1〜100mMの
濃度で使用するのが好ましいが、1〜10mMの濃度で
使用するのがより好ましい。
【0027】また、必要に応じてさらに増感剤が用いら
れるがこれは、ルミノールの一電子酸化を助けて増感作
用を有するもので、4−ヨードフェノール、4−ブロモ
フェノール、4−フェニルフェノール、2−クロロ−4
−フェニルフェノール、4−(2′−チエニル)フェノ
ール、6−ヒドロキシベンゾチアゾール、4−[4′−
(2′−メチル)チアゾリル]フェノール、4−[2′
−(4′−メチル)チアゾリル]フェノール、4−
(2′−ベンゾチアゾリル)フェノール、3−(10−
フェノチアジル)−n−プロピル−スルホン酸塩等が使
用できる。増感剤は最終濃度で0.001〜10mMの
濃度で使用するのが好ましいが、0.01〜1mMの濃
度で使用するのがより好ましい。発光試薬中には、安定
性等の性能を上げるために、グリセリン、マンニトー
ル、ソルビトール等の糖アルコールや界面活性剤を添加
してもよい。
【0028】以上、本発明の特に好ましい測定方法及び
測定試薬として、サンドイッチEIA法を例に説明した
が、その他の免疫学的測定法においても、標識体とその
検出方法の違いはあるが、標準液、検体の希釈液として
ウマ由来の血清又は血漿を含有させることにより適用で
き、血清干渉の影響を減少できる。標識体として、サン
ドイッチEIA法での標識酵素の代わりに、RIA法の
場合は、ヨウ素125、ヨウ素131等の放射性同位体
(アイソトープ)が、FIA法の場合は、FITC (fl
uorescein isothiocyanate)やAMCA(7-amino-4-meth
ylcoumarin)等の標識蛍光色素が、LIA法の場合は、
ポリスチレン等のラテックスやリポソーム等の粒子がそ
れぞれ用いられる。また、検出法としては、RIA法の
場合には放射線強度が、FIA法の場合には蛍光強度又
は蛍光偏向解消度が、LIA法の場合には吸光度又は散
乱強度がそれぞれ用いられる。
【0029】
【実施例】本発明を実施例により詳細に説明する。以
下、アルドラーゼBを特異的に測定する比色サンドイッ
チEIA測定法を例に説明する。 1.アルドラーゼBの精製 ヒト肝パウダー1容量に50mM トリス塩酸緩衝液
(5mM EDTA及び4mM 2−メルカプトエタノ
ール、5μg/mlアプロチニン、5μg/mlペプスタチンを
含む、pH7.5)4容量を加え、ミキサーでホモジナイ
ズした。これを遠心分離(3500×g、1時間)し、
上清に硫安を加え45%(W/V)飽和液とした。これを
再び遠心分離(3500×g、1時間)し、上清に硫安
を加え60%(W/V)飽和液とした。遠心分離後、生じ
た沈澱を少量の10mM トリス塩酸緩衝液(1mM
EDTA及び150mM NaClを含む、pH7.5)
に溶解し、セファデックス(Sephadex)G−25(ファ
ルマシア バイオテク株式会社商品名)を用いて脱塩し
た。
【0030】20mM トリス塩酸緩衝液(1mM E
DTAを含む、pH7.5)で平衡化したホスフォセルロ
ースカラム P11(ワットマン株式会社商品名)に、
前記脱塩した溶液を加え、カラム容積の3倍量の20m
Mトリス塩酸緩衝液(1mMEDTAを含む、pH7.
5)で洗浄した。次いで、2.5mM FDP(フルク
トース−1,6−二リン酸)を含む50mM トリス塩
酸緩衝液(1mM EDTAを含む、pH7.5)で溶出
し、アルドラーゼ活性画分を分取した。これを、20m
M トリス塩酸緩衝液(1mMEDTAを含む、pH7.
5)に透析し、精製アルドラーゼBを得た(濃度:10
00ng/ml)。
【0031】2.アルドラーゼBの免疫と抗血清の調製 1mg/mlのアルドラーゼB 1mlを等容量のフロイント
完全アジュバントと混和し、ウサギ(ニュージランドホ
ワイト種)に3週間に1回の割合で計4回皮下免疫し、
最終免疫日より1週間後に採血し、アルドラーゼBを認
識する抗体を含有する抗アルドラーゼB抗血清(以下、
抗血清と略す)を得た。
【0032】3.抗血清からIgG抗体の精製 上記2.で得た抗血清をプロテインA固定化カラムに加
え、カラム容積の5倍量のリン酸緩衝液(1.5mM
KH2PO4、8.1mM Na2HPO4、2.7mM
KCl、136.9mM NaClを含む:pH7.2)
(以下、PBSと略す)で洗浄後、100mM クエン
酸緩衝液(150mM NaClを含む、pH4.0)で
溶出し、アルドラーゼBを認識するIgG画分抗体(以
下、IgG抗体と略す)を得た。
【0033】4.抗アルドラーゼB IgG抗体の精製 2gのCNBr活性化セファロース4B(ファルマシア
バイオテク株式会社商品名)を100mM 重炭酸緩
衝液(500mM NaClを含む、pH8.3)で平衡
化した後、8mgの精製アルドラーゼBを加え、4℃で一
晩ゆっくり振とうした。得られたアルドラーゼB結合セ
ファロース4Bゲルを100mM トリス塩酸緩衝液
(500mM NaClを含む、pH8.5)で洗浄した
後、上記3.のプロテインAで精製したIgG抗体を加
え、室温で1時間ゆっくり振とうした。次に、このゲル
をカラムに充填し、100mM トリス塩酸緩衝液(5
00mM NaClを含む、pH8.5)で洗浄した。次
いで、カラムに200mMグリシン塩酸緩衝液(pH2.
3)を流し、抗アルドラーゼB IgG抗体を溶出、分
取した。速やかにPBSに透析し、アフィニティ精製−
抗アルドラーゼBIgG抗体(以下、抗アルドラーゼB
IgG抗体と略す)を得た。
【0034】5.抗アルドラーゼB F(ab′)2抗体
の調製 アガロースビーズに固定化されたペプシン(含量3mg/m
l):Immobilized Pepsin(PIERCE商品名)を200m
M 酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)で洗浄した。上
記4.で得た抗アルドラーゼB IgG抗体を200m
M 酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)に透析し、これ
をアガロースビーズに固定化されたペプシンと混合し、
37℃で一晩振とう後、PBSに透析した。次に、これ
をプロテインA固定化カラムに加え、未消化のIgG画
分やFc画分を吸着させた。次いで、上記カラムにPB
Sを加え、プロテインA未吸着画分を分取した。次に、
これを分子量50,000透析膜を用いてPBSに透析
し、抗アルドラーゼB F(ab′)2抗体を得た。
【0035】6.比色系サンドイッチEIA法用測定試
薬及び装置の準備 (1)アルドラーゼB標準液 上記1.で得た精製アルドラーゼBを20mM トリス
塩酸緩衝液(1mMEDTA、チロメサールを含む、pH
7.5)でアルドラーゼBの濃度が10、20、60、
200、600、2000ng/mlになるように希釈し、
この等量(10.0ml)とウマ血清(コスモ・バイオ株
式会社)の等量(10.0ml)を混合しアルドラーゼB
標準液(血清)とした。予め調製(凍結保存、−80
℃)し表示してある社内のアルドラーゼB標準品(4.
9、9.8、29.4、98.0、294.0、98
0.0ng/ml)をもとに、下記の測定試薬(比色系サン
ドイッチEIA法)を用いて検定した結果、それぞれア
ルドラーゼB標準液の濃度は、4.9、9.9、29.
6、98.6、295.8、986.0ng/mlであっ
た。ウシ血清をウシ血漿(コスモ・バイオ株式会社)に
変え、上記と同様に調製し、検定したアルドラーゼB標
準液の濃度は、5.1、10.2、30.6、102.
0、306.0、1020.0ng/mlであった。
【0036】(2)抗アルドラーゼB F(ab′)2
体固定化プレート 抗アルドラーゼB F(ab′)2抗体を10μg/ml含有
するPBS(pH7.2)を、ポリスチレン製96穴イム
ノプレート(日本インターメッド株式会社)の各ウェル
に100μl加え、37℃で1時間静置した。この液を
除去し、1%(w/v)BSA含有PBSを各ウェルに4
00μl加え、37℃で1時間静置し、固相担体上の未
反応部分をブロックした。各ウェルを0.1%(v/v)
Tween20(和光純薬工業株式会社)含有PBS
(以下PBS−Tと略す)で3回洗浄し抗アルドラーゼ
B F(ab′)2抗体固定化プレートを得た。
【0037】(3)希釈溶媒 ウマ、ヤギ、ウサギ、ブタ、ウシ、ヒツジの血清または
血漿をそのまま用いた。 (4)抗体希釈液 0.6%(w/v)BSAを含有するPBS(pH7.
2)。 (5)洗浄液 1%(v/v)Tween20(和光純薬工業株式会社商
品名)を含有するPBS。
【0038】(6)ビオチン化抗アルドラーゼB F
(ab′)2抗体 抗アルドラーゼB F(ab′)2抗体0.1mgにpH8〜
9になるように1mMNaHCO3を加えpHを調製した
後、これにビオチン(Sulfosuccinimidyl-6-(Biotinamid
o)Hexanoate Sodium Salt)0.01mgを加え混和し、室
温で3時間振とうし反応させた。反応終了後、これをP
BSで平衡化したSephadexG−25(ファルマ
シア バイオテク株式会社商品名)に加え、未反応のビ
オチンを除去し、ビオチン化抗アルドラーゼB F(a
b′)2抗体を得た。抗体希釈液を用いて最終濃度を1μ
g/mlに調製した。
【0039】(7)アビジン化ペルオキシダーゼ 抗体希釈液を用いて最終濃度を0.5μg/mlに調製し
た。 (8)基質液 測定の用時に、0.02%(v/v)過酸化水素と0.0
4%(w/v)TMB(3,3',5,5'-Tetramethylbenzidin
e)を等量混合し調製した。 (9)反応停止液 1M H3PO4。 (10)マイクロプレートリーダー(東ソー株式会社、
MPR A4i)
【0040】7.比色系サンドイッチEIA法による標
準曲線 抗アルドラーゼB F(ab′)2抗体固定化プレート
に、ウマ血清又はウマ血漿を希釈溶媒としてそれぞれに
作成した濃度の異なるアルドラーゼB標準液を各ウェル
に100μl加え、4℃で一晩静置した。各ウェルを洗
浄液400μlで5回洗浄し、ビオチン化抗アルドラー
ゼB F(ab′)2抗体を各ウェルに100μl加え室
温で1時間静置した。各ウェルを洗浄液400μlで5
回洗浄し、アビジン化ペルオキシダーゼを各ウェルに1
00μl加え、室温で1時間静置した。各ウェルを洗浄
液400μlで5回洗浄し、基質液を各ウェルに100
μl加えた。発色が見られたところで、各ウェルに反応
停止液を100μl加えた。マイクロプレートリーダー
(東ソー株式会社、MPR A4i)で450nm(対照
600nm)の吸光度を測定した。横軸にアルドラーゼB
の濃度をとり、縦軸の450nm(対照600nm)の吸光
度をとり、グラフにプロットしてアルドラーゼBの標準
曲線とした。図1は、本発明の測定方法(比色法)にお
いて、ウマ血清を希釈溶媒として使用し作製したアルド
ラーゼB標準液を用いた場合の標準曲線を示すグラフで
ある。横軸にアルドラーゼBの濃度(ng/ml)をとり、縦
軸に吸光度(450nm)をとる。図2は、本発明の測定
方法(比色法)において、ウマ血漿を希釈溶媒として使
用し作製したアルドラーゼB標準液を用いた場合の標準
曲線を示すグラフである。横軸にアルドラーゼBの濃度
(ng/ml)をとり、縦軸に吸光度(450nm)をとる。
【0041】8.比色系サンドイッチEIA法による希
釈直線性試験(希釈溶媒に血清を使用) 抗アルドラーゼB F(ab′)2抗体固定化プレート
に、測定すべき検体としてヒト血清をPBS並びに各種
動物血清で倍々に希釈した希釈系列を用いて、これらの
100μlを各ウェルに添加し、4℃で一晩静置した。
各ウェルを洗浄液400μlで5回洗浄し、ビオチン化
抗アルドラーゼB F(ab′)2抗体を各ウェルに10
0μl加え室温で1時間静置した。各ウェルを洗浄液4
00μlで5回洗浄し、アビジン化ペルオキシダーゼを
各ウェルに100μl加え、室温で1時間静置した。各
ウェルを洗浄液400μlで5回洗浄し、基質液を各ウ
ェルに100μl加えた。発色が見られたところで、各
ウェルに反応停止液を100μl加えた。反応停止後各
ウェルをマイクロプレートリーダー(東ソー製、MPR
A4i)を用いて450nm(対照600nm)の吸光度
を測定した。図3〜9は、本発明の測定方法(比色法)
において、各種動物血清〔ウマ(図3)、ヤギ(図
4)、ウサギ(図5)、ブタ(図6)、ウシ(図7)、
ヒツジ(図8)〕及びPBS(図9)を希釈溶媒として
ヒトアルドラーゼB含有血清を使用した場合の希釈直線
性試験を示すグラフである。横軸に各種動物血清による
ヒトアルドラーゼB含有血清の希釈度をとり、縦軸にア
ルドラーゼBの測定値をとる。
【0042】以上のように、ウマ以外の各種動物血清を
希釈溶媒として用いた場合には、本希釈直線性試験での
直線関係が得られず、血清干渉の問題が認められた。本
発明によるウマ由来の血清を希釈溶媒とした場合にの
み、良好な直線関係が得られ、血清干渉の問題を解消で
きた。
【0043】9.比色系サンドイッチEIA法による希
釈直線性試験(希釈溶媒に血漿を使用) 抗アルドラーゼB F(ab′)2抗体固定化プレート
に、測定すべき検体としてヒト血漿をPBS並びに各種
動物血漿で倍々に希釈した希釈系列を用いて、これらの
100μlを各ウェルに添加し、4℃で一晩静置した。
各ウェルを洗浄液400μlで5回洗浄し、ビオチン化
抗アルドラーゼB F(ab′)2抗体を各ウェルに10
0μl加え室温で1時間静置した。各ウェルを洗浄液4
00μlで5回洗浄し、アビジン化ペルオキシダーゼを
各ウェルに100μl加え、室温で1時間静置した。各
ウェルを洗浄液400μlで5回洗浄し、基質液を各ウ
ェルに100μl加えた。発色が見られたところで、各
ウェルに反応停止液を100μl加えた。反応停止後各
ウェルをマイクロプレートリーダー(東ソー株式会社、
MPR A4i)で450nm(対照600nm)の吸光度
を測定した。図10〜16は、本発明の測定方法(比色
法)において、各種動物血漿〔ウマ(図10)、ヤギ
(図11)、ウサギ(図12)、ブタ(図13)、ウシ
(図14)、ヒツジ(図15)〕及びPBS(図16)
を希釈溶媒としてヒトアルドラーゼB含有血清を使用し
た場合の希釈直線性試験を示すグラフである。横軸に各
種動物血漿によるヒトアルドラーゼB含有血清の希釈度
をとり、縦軸にアルドラーゼBの測定値をとる。以上の
ように、血漿についても上記11.での結果と同様に、
各種動物血漿のうち唯一ウマ由来のみが血清干渉の問題
を解決できた。
【0044】10.比色系サンドイッチEIA法による
血清中のアルドラーゼB濃度の測定 抗アルドラーゼB F(ab′)2抗体固定化プレート
に、測定すべき検体として健常人及び肝疾患患者からの
ヒト血清を各ウェルに100μl加え、4℃で一晩静置
した。各ウェルを洗浄液400μlで5回洗浄し、ビオ
チン化抗アルドラーゼB F(ab′)2抗体を各ウェル
に100μl加え室温で1時間静置した。各ウェルを洗
浄液400μlで5回洗浄し、アビジン化ペルオキシダ
ーゼを各ウェルに100μl加え、室温で1時間静置し
た。各ウェルを洗浄液400μlで5回洗浄し、基質液
を各ウェルに100μl加えた。発色が見られたところ
で、各ウェルに反応停止液を100μl加えた。反応停
止後各ウェルをマイクロプレートリーダー(東ソー株式
会社、MPR A4i)で450nm(対照600nm)の
吸光度を測定した。
【0045】ヒト血清中のアルドラーゼBの濃度はアル
ドラーゼBの標準曲線から算出した。図17は、本発明
の測定方法(比色法)における血清中のアルドラーゼB
の濃度測定の一例を示すグラフである。横軸に健常人及
び肝疾患患者の血清検体番号をとり、縦軸に血清中のア
ルドラーゼB測定値(ng/ml)をとる。なお、図17にお
いて、血清検体番号の1から5は健常人、また血清検体
番号の6から15は肝疾患患者の測定結果を示す。以上
のように、健常人の血清中のアルドラーゼBの濃度は、
全て100ng/mlであるのに対し、肝疾患患者の濃度は
100ng/ml以上であり、本発明の適用することによ
り、健常人と肝疾患患者を区別することができた。
【0046】
【発明の効果】請求項1、2、3、4、5、6及び7記
載のアルドラーゼアイソザイムの測定方法は、血清干渉
の影響の少なく正確で信頼性が優れる。請求項8記載の
希釈溶媒は、血清干渉の影響が少なく正確で信頼性に優
れた測定を可能にする。請求項9、10記載のアルドラ
ーゼアイソザイム標準品は、血清干渉の影響が少なく正
確で信頼性に優れた測定を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定方法(比色法)において、ウマ血
清を希釈溶媒として使用し作製したアルドラーゼB標準
液を用いた場合の標準曲線を示すグラフである。横軸に
アルドラーゼBの濃度をとり、縦軸に吸光度をとる。
【図2】本発明の測定方法(比色法)において、ウマ血
漿を希釈溶媒として使用し作製したアルドラーゼB標準
液を用いた場合の標準曲線を示すグラフである。横軸に
アルドラーゼBの濃度をとり、縦軸に吸光度をとる。
【図3】本発明の測定方法(比色法)において、ウシ血
清を希釈溶媒としてヒトアルドラーゼB含有血清の希釈
に使用した場合の希釈直線性試験を示すグラフである。
横軸にウシ血清によるヒトアルドラーゼB含有血清の希
釈度をとり、縦軸にアルドラーゼBの測定値をとる。
【図4】本発明の測定方法(比色法)において、ヤギ血
清を希釈溶媒としてヒトアルドラーゼB含有血清の希釈
に使用した場合の希釈直線性試験を示すグラフである。
横軸にヤギ血清によるヒトアルドラーゼB含有血清の希
釈度をとり、縦軸にアルドラーゼBの測定値をとる。
【図5】本発明の測定方法(比色法)において、ウサギ
血清を希釈溶媒としてヒトアルドラーゼB含有血清の希
釈に使用した場合の希釈直線性試験を示すグラフであ
る。横軸にウサギ血清によるヒトアルドラーゼB含有血
清の希釈度をとり、縦軸にアルドラーゼBの測定値をと
る。
【図6】本発明の測定方法(比色法)において、ブタ血
清を希釈溶媒としてヒトアルドラーゼB含有血清使の希
釈に用した場合の希釈直線性試験を示すグラフである。
横軸にブタ血清によるヒトアルドラーゼB含有血清の希
釈度をとり、縦軸にアルドラーゼBの測定値をとる。
【図7】本発明の測定方法(比色法)において、ウシ血
清を希釈溶媒としてヒトアルドラーゼB含有血清の希釈
に使用した場合の希釈直線性試験を示すグラフである。
横軸にウシ血清によるヒトアルドラーゼB含有血清の希
釈度をとり、縦軸にアルドラーゼBの測定値をとる。
【図8】本発明の測定方法(比色法)において、ヒツジ
血清を希釈溶媒としてヒトアルドラーゼB含有血清の希
釈に使用した場合の希釈直線性試験を示すグラフであ
る。横軸にヒツジ血清によるヒトアルドラーゼB含有血
清の希釈度をとり、縦軸にアルドラーゼBの測定値をと
る。
【図9】本発明の測定方法(比色法)において、PBS
(pH7.2)を希釈溶媒としてヒトアルドラーゼB含有
血清の希釈に使用した場合の希釈直線性試験を示すグラ
フである。横軸にPBSによるヒトアルドラーゼB含有
血清の希釈度をとり、縦軸にアルドラーゼBの測定値を
とる。
【図10】本発明の測定方法(比色法)において、ウシ
血漿を希釈溶媒としてヒトアルドラーゼB含有血漿の希
釈に使用した場合の希釈直線性試験を示すグラフであ
る。横軸にウシ血漿によるヒトアルドラーゼB含有血漿
の希釈度をとり、縦軸にアルドラーゼBの測定値をと
る。
【図11】本発明の測定方法(比色法)において、ヤギ
血漿を希釈溶媒としてヒトアルドラーゼB含有血漿の希
釈に使用した場合の希釈直線性試験を示すグラフであ
る。横軸にヤギ血漿によるヒトアルドラーゼB含有血漿
の希釈度をとり、縦軸にアルドラーゼBの測定値をと
る。
【図12】本発明の測定方法(比色法)において、ウサ
ギ血漿を希釈溶媒としてヒトアルドラーゼB含有血漿の
希釈に使用した場合の希釈直線性試験を示すグラフであ
る。横軸にウサギ血漿によるヒトアルドラーゼB含有血
漿の希釈度をとり、縦軸にアルドラーゼBの測定値をと
る。
【図13】本発明の測定方法(比色法)において、ブタ
血漿を希釈溶媒としてヒトアルドラーゼB含有血漿の希
釈に使用した場合の希釈直線性試験を示すグラフであ
る。横軸にブタ血漿によるヒトアルドラーゼB含有血漿
の希釈度をとり、縦軸にアルドラーゼBの測定値をと
る。
【図14】本発明の測定方法(比色法)において、ウシ
血漿を希釈溶媒としてヒトアルドラーゼB含有血漿の希
釈に使用した場合の希釈直線性試験を示すグラフであ
る。横軸にウシ血漿によるヒトアルドラーゼB含有血漿
の希釈度をとり、縦軸にアルドラーゼBの測定値をと
る。
【図15】本発明の測定方法(比色法)において、ヒツ
ジ血漿を希釈溶媒としてヒトアルドラーゼB含有血漿の
希釈に使用した場合の希釈直線性試験を示すグラフであ
る。横軸にヒツジ血漿によるヒトアルドラーゼB含有血
漿の希釈度をとり、縦軸にアルドラーゼBの測定値をと
る。
【図16】本発明の測定方法(比色法)において、PB
S(pH7.2)を希釈溶媒としてヒトアルドラーゼB含
有血漿の希釈に使用した場合の希釈直線性試験を示すグ
ラフである。横軸にPBSによるヒトアルドラーゼB含
有血漿の希釈度をとり、縦軸にアルドラーゼBの測定値
をとる。
【図17】本発明の測定方法(比色法)における血清中
のアルドラーゼBの濃度測定の一例を示すグラフであ
る。横軸に健常人(No.1〜5)及び肝疾患患者(No.6〜
15)の血清検体番号をとり、縦軸に血清中のアルドラ
ーゼB測定値(ng/ml)をとる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山木 光男 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社医薬品研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウマ由来の血清又は血漿の存在下にアル
    ドラーゼアイソザイムを検出又は定量することを特徴と
    するアルドラーゼアイソザイム測定方法。
  2. 【請求項2】 ウマ由来の血清又は血漿を含む標準液を
    用いる請求項1記載のアルドラーゼアイソザイムの測定
    方法。
  3. 【請求項3】 検体の希釈液としてウマ由来の血清又は
    血漿を含有する希釈溶媒を用いる請求項1又は2記載の
    アルドラーゼアイソザイムの測定方法。
  4. 【請求項4】 測定原理が固相抗体及び酵素標識抗体を
    用いる酵素免疫測定法である請求項1、2又は3記載の
    アルドラーゼアイソザイムの測定方法。
  5. 【請求項5】 比色系により酵素を検出する請求項4記
    載のアルドラーゼアイソザイムの測定方法。
  6. 【請求項6】 化学発光系により酵素を検出する請求項
    4記載のアルドラーゼアイソザイムの測定方法。
  7. 【請求項7】 測定すべきアルドラーゼアイソザイムが
    アルドラーゼBである請求項1、2、3、4、5又は6
    記載の測定方法。
  8. 【請求項8】 アルドラーゼアイソザイムの測定におい
    て、検体の希釈又は標準液の希釈に用いるウマ由来の血
    清又は血漿を含む希釈溶媒。
  9. 【請求項9】 希釈溶媒としてウマ由来の血清又は血漿
    を含有してなるアルドラーゼアイソザイムを測定するた
    めの標準液。
  10. 【請求項10】 アルドラーゼアイソザイムがアルドラ
    ーゼBである請求項9記載のアルドラーゼBを測定する
    ための標準液。
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