JPH11235323A - 磁気共鳴撮影装置 - Google Patents

磁気共鳴撮影装置

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JPH11235323A
JPH11235323A JP10041478A JP4147898A JPH11235323A JP H11235323 A JPH11235323 A JP H11235323A JP 10041478 A JP10041478 A JP 10041478A JP 4147898 A JP4147898 A JP 4147898A JP H11235323 A JPH11235323 A JP H11235323A
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magnetic resonance
resonance imaging
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Hiroyuki Itagaki
博幸 板垣
Keiji Tsukada
啓二 塚田
Tetsuhiko Takahashi
哲彦 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被験者が刺激を印加されたと感じる主観的な
刺激印加期間と実際の刺激印加期間との間にミスマッチ
が生じた場合であっても、活性化領域を確実かつ正確に
抽出できる磁気共鳴撮影装置を提供する。 【解決手段】 まず、脳機能を計測した時系列画像デー
タを時間軸方向にフーリエ変換して信号変化の周波数ス
ペクトルを計算し(処理1〜6)、周波数0近傍のスペ
クトル幅および位相差を座標軸とする2次元グラフに計
算結果を配置する(処理7〜8)。次に、刺激印加/停
止を表す関数に対して同様の処理を実行する(処理9〜
13)。最後に、2次元グラフ上における時系列画像の
データ点と刺激印加/停止を表す関数のデータ点との位
置関係を判断し、ノイズとなるデータ点を除去し、活性
化領域を抽出する(処理14〜15)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴撮影装置
に係り、特に、磁気共鳴撮影(MRI)を用いた脳機能計
測(fMRI)において、所定の刺激に反応した脳の活性
化領域の抽出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】脳機能計測(fMRI)は、光や音などの
刺激印加に伴う大脳皮質における反応をMR信号の変化
として捕らえ、画像化する計測技術である。被験者に刺
激を所定期間印加しつつ、所定の時間間隔で時系列画像
を撮影し、被験者に刺激を印加して撮影した画像と刺激
を印加せず撮影した画像との間で信号変化を評価する。
信号変化の大きい領域を刺激に反応した領域すなわち活
性化領域とみなし、各種刺激に対する活性化領域を抽出
し、脳の機能領野を同定している。機能領野を正確に同
定するには、活性化領域の抽出方法が特に重要になる。
【0003】さまざまな抽出方法を比較した報告として
は、公知例1:Book of Abstract,12th Annual Meeting
of Society of Magnetic Resonance in Medicine, vo
l.1,449 (1993)が知られている。
【0004】この報告では、活性化領域の抽出方法を、
刺激印加前の信号強度を基準とし刺激の印加に伴う信号
変化率を評価して抽出する方法と、刺激印加と信号変化
との同期性を評価して抽出する方法とに分類している。
一般には、次の3種類の抽出方法が用いられている。
【0005】第1の方法は、信号変化率を用いる抽出方
法である。第2の方法は、t検定などの統計処理を用い
る抽出方法である。第2の方法は、ノイズの大きさに対
する信号変化率の有意性を統計上の指標を用いて評価で
きる特徴を持っている。これらの方法は、公知例1にお
ける信号変化率を評価する抽出方法に該当する。第3の
方法は、相関関数を用いる抽出方法である。第3の方法
は、公知例1における刺激印加と信号変化との同期性を
評価する抽出方法に該当する。
【0006】第2の方法と第3の方法とは、第1の方法
と比較して、静脈の誤抽出が少ない特徴がある。そのた
め、活性化領域の抽出には、第2の方法または第3の方
法が用いられる場合が多い。
【0007】これらの抽出方法以外にも、例えばフーリ
エ変換を用いる方法が、公知例2:Book of Abstract,2
nd Annual Meeting of International Society of Magn
eticResonance, vol.2, 636 (1994)および公知例3:第
22回日本磁気共鳴医学会大会 講演抄録集、103 (199
4)に報告されている。
【0008】この抽出方法では、刺激印加/停止を複数
回繰り返して計測した時系列画像データを時間軸方向に
フーリエ変換し、信号変化の周波数成分が刺激印加/停
止の周期と等しい画素を活性化領域として抽出する。刺
激の印加/停止は、通常、サイン波で表されるため、刺
激印加期間と刺激停止期間とが等しい場合に用いられ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これまで述べた抽出方
法は、刺激印加期間と信号変化が生じる期間とがほぼ等
しいことを前提としている。
【0010】しかし、例えば暗闇で光を数秒間照射した
場合に、被験者は、実際には光を消したにも拘わらず、
光を照射され続けているように感じる。すなわち、被験
者が光を照射されていると感じる主観的な刺激印加期間
と実際に光を照射している刺激印加期間との間に、ミス
マッチが生じている。このようなミスマッチが生じた場
合、上記抽出方法では対応できない。信号変化は主観的
な刺激印加期間に等しいが、その主観的な刺激印加期間
を特定できないためである。そこで、上記ミスマッチに
対応可能な抽出方法の開発が待たれていた。
【0011】本発明の目的は、被験者が刺激を印加され
たと感じる主観的な刺激印加期間と実際の刺激印加期間
との間にミスマッチが生じた場合であっても、活性化領
域を確実かつ正確に抽出する手段を備えた磁気共鳴撮影
装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、空間的に強度が均一な静磁場を発生する静
磁場発生手段と、スライス厚さ方向,位相エンコード方
向,信号読み出し方向の互いに直交する三方向のそれぞ
れに強度勾配を有する磁場を発生する傾斜磁場発生手段
と、被験者の核磁化を励起する高周波磁場発生手段と、
被験者からの共鳴信号を検出する信号検出手段と、信号
検出手段により検出された共鳴信号に対して所定の信号
処理を実行する計算機と、計算機による処理結果を出力
する出力手段とを有し、所定時間間隔でかつ所定期間だ
け被験者に光・音などの刺激を印加して時系列画像を撮
影し、時系列画像から刺激に同期して信号強度が変化し
た領域を抽出し、脳機能の活性化領域として抽出する磁
気共鳴撮影装置において、前記計算機が、(1)実際の刺
激印加/停止を表す関数g0(t)(ただしtは時間)をフ
ーリエ変換して周波数スペクトルG0(ω)を導出し、G
0(ω)の振幅スペクトルの周波数0またはその近傍の振
幅値を用いて閾値を指定しバンド幅ΔB0を求めるとと
もに、位相差Δθ0を計算する処理手段と、(2)実際よ
りも刺激印加期間が長くなるよう定義した関数gd(t)
をフーリエ変換して周波数スペクトルGd(ω)を導出
し、G0(ω)の振幅スペクトルの周波数0またはその近
傍の振幅値を用いて閾値を指定しバンド幅ΔBdを求め
るとともに、位相差Δθdを計算する処理手段と、(3)
位相差Δθを横軸としバンド幅ΔBを縦軸とする2次元
グラフ上に、G0(ω)に対応するデータ点P0(Δθ
0,ΔW0)とGd(ω)に対応するデータ点Pd(Δθ
d,ΔWd)をプロットし、データ点から基準線Lを作
成する処理手段と、(4)時系列画像データの信号変化を
表す関数をf(x,y,t)(ただしx,yは空間座標,
tは時間)にフーリエ変換して周波数スペクトルF(x,
y,ω)を導出し、F(x,y,ω)の振幅スペクトルの
周波数0またはその近傍の振幅値を用いて閾値を指定し
バンド幅ΔBxyを求めるとともに、位相差Δθxyを
計算する処理手段と、(5)2次元グラフ上に各F(x,
y,ω)のデータ点を配置し、基準線Lと配置されたデ
ータ点との位置関係で記述される閾値条件を満足するデ
ータ点を抽出する処理手段と、(6)(5)で抽出されたデ
ータ点に対応する画素を抽出し、脳機能の活性化領域を
同定するする処理手段とを備えた磁気共鳴撮影装置を提
案する。
【0013】前記(2)の処理手段は、定義した刺激時間
が異なる複数のgd(t)のそれぞれから、バンド幅ΔB
dを求めるとともに、位相差Δθdを計算する処理手段
とすることができる。
【0014】前記(3)に記載の基準線Lの作成手段は、
データ点を用いた近似直線を導出するか、データ点を用
いた近似曲線を導出する処理手段とする。
【0015】前記(5)に記載の処理手段は、具体的に
は、F(x,y,ω)の二次元グラフ上のデータ点(Δθ
xy,ΔBxy)のΔB座標値ΔBxyが、基準線Lの
ΔθxyにおけるΔB座標値以下であることを閾値条件
とし、閾値条件を満足するデータ点を抽出する処理手段
である。
【0016】前記(5)に記載の処理手段は、また、F
(x,y,ω)の二次元グラフ上のデータ点(Δθxy,
ΔBxy)のΔB座標値ΔBxyが、基準線LのΔθx
yにおけるΔB座標値とユーザが任意に定める値d1と
の加算値以下であることを閾値条件とし、閾値条件を満
足するデータ点を抽出する処理手段とすることができ
る。
【0017】前記(5)に記載の処理手段は、さらに、F
(x,y,ω)の二次元グラフ上のデータ点(Δθxy,
ΔBxy)のΔB座標値ΔBxyが、 a)基準線LのΔθxyにおけるΔB座標値以下である
こと、 b)基準線LのΔθxyにおけるΔB座標値より大き
く、かつ、基準線Lとデータ点との距離がユーザが任意
に定める値d2より小さいこと のいずれか一方を満足することを閾値条件とし、閾値条
件を満足するデータ点を抽出する処理手段とすることも
可能である。
【0018】ことを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
【0019】いずれの磁気共鳴撮影装置においても、前
記出力手段が、脳の磁気共鳴断層像を表示する表示装置
と、F(x,y,ω)の二次元グラフ上のデータ点(Δθ
xy,ΔBxy),基準線L,閾値条件を表示する表示
装置とを含み、前記計算機が、少なくとも基準線L,閾
値条件を任意に設定変更するための入力手段を含むこと
が、操作効率上、望ましい。
【0020】本発明においては、脳機能を計測した時系
列画像データを時間軸方向にフーリエ変換して信号変化
の周波数スペクトルを計算し、周波数0近傍のスペクト
ル幅と位相差を座標軸とする2次元グラフに計算結果を
配置する。次いで、刺激印加/停止を表す関数に対し同
様の処理を実行する。最後に、2次元グラフ上における
時系列画像のデータ点と刺激印加/停止を表す関数のデ
ータ点との位置関係を判断し、活性化領域を抽出するの
で、脳の活性/非活性とは関係がない静脈の影響などに
よるノイズが除去され、被験者が刺激を印加されたと感
じる主観的な刺激印加期間に対応した脳の活性化領域の
磁気共鳴断層像が、確実かつ正確に得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、図1〜図11を参照して、
本発明による磁気共鳴撮影装置の実施例を説明する。
【0022】まず、信号変化のモデルデータ数種類を時
間軸方向にフーリエ変換し、信号変化の差異がフーリエ
変換後のデータに及ぼす影響を説明する。上記公知例2
および公知例3に代表されるように、フーリエ変換を用
いた抽出方法は、刺激印加/停止を繰り返して計測した
場合に用いられる。
【0023】図2は、その場合のフーリエ変換適用結果
を示すグラフである。(a)は信号強度の時間変化を示す
グラフであり、縦軸は信号変化率,横軸は時系列画像の
番号である。なお、計測開始からの時間は、[時系列画
像の番号]×[画像撮影の時間間隔TR]で計算される。
(b)は、(a)をフーリエ変換して周波数スペクトルを導
出し、その振幅スペクトルをグラフ表示したものであ
り、縦軸は振幅,横軸は周波数成分である。(c)は、
(a)をフーリエ変換して周波数スペクトルを導出し、そ
の位相スペクトルをグラフ表示したものであり、縦軸は
位相値,横軸は周波数成分である。なお、データ点が6
4点の場合は、振幅スペクトルおよび位相スペクトルと
もに64スペクトルで構成されるが、それぞれ、振幅座
標軸および原点に関して対象となるため、図面では、3
2のスペクトルのみを表示してある。
【0024】グラフ(b)によれば、刺激印加/停止を一
定周期で繰り返す従来の計測では、その周波数および倍
数成分に対応した線スペクトルが出現することがわか
る。
【0025】一方、刺激印加期間のミスマッチが問題と
なる計測では、信号変化に対応する主観的な刺激印加期
間が不明である。したがって、刺激印加を複数回繰り返
す計測すなわち主観的な刺激印加期間と静止期間とを一
致させて刺激印加を繰り返す計測はできない。そこで、
刺激印加1回の場合の計測に対応して抽出方法を検討す
ることが必要になる。
【0026】図3は、刺激印加1回の場合の信号変化モ
デルとその周波数スペクトルとを示すグラフである。
(a)から(c)の示す内容は、図2の(a)から(c)にそれ
ぞれ対応している。図2と図3との比較から分かるよう
に、刺激印加が1回の場合は、周波数スペクトルが複雑
な連続スペクトルになる。したがって、刺激印加/停止
を一定周期で繰り返した場合の抽出方法、すなわち、刺
激印加/停止の周波数成分を参照し、信号変化の周波数
成分が等しい画素を活性化領域として抽出する方法で
は、刺激印加が1回の場合に対応できない。
【0027】図4から図7は、刺激印加1回の場合の信
号変化モデルおよびその周波数スペクトルを示すグラフ
である。図4は、信号変化が生じた期間が図3より4T
R長い場合を示し、図5は、信号変化が生じた期間が図
3より8TR長い場合を示している。図6は、信号変化
の始まりが図3より4TR遅く、しかも、信号変化が生
じた期間が図3より4TR長い場合を示し、図7は、信
号変化の始まりが図3より4TR遅く、しかも、信号変
化が生じた期間が図3より8TR長い場合を示してい
る。それぞれの図において、(a)から(c)のグラフが表
す内容は、図2と同様である。
【0028】これらの図から、第1の特徴として、信号
変化の継続期間が長い場合、振幅スペクトルにおいて、
周波数0付近の振幅が大きくなること、第2の特徴とし
て、周波数0における振幅の例えば半分を閾値とし、閾
値以上の値を有する周波数幅(バンド幅とし記号ΔBで
表す)を比較すると、信号変化が生じた期間が長いほ
ど、バンド幅ΔBが狭くなることが分かる。
【0029】図8は、(c)の位相スペクトルにおいて、
i番目とi+1番目の周波数成分の位相差を計算して作
成した位相差スペクトルのグラフである。ただし、図示
した位相差の値は、上記差分による位相差の値に180
×n倍(n:整数)の値を加算または減算し、位相値を0
度から180度にしている。図8の(a)〜(e)のグラフ
は、それぞれ、図3から図7の位相差スペクトルに対応
している。
【0030】図8から、第3の特徴として、信号変化の
継続時間が長い場合や信号変化の開始が遅れた場合は、
位相差Δθが大きくなることが分かる。
【0031】次に、刺激印加期間にミスマッチが生じた
場合の活性化領域抽出方法について説明する。ここで、
抽出したい活性化領域とは、 a.刺激印加開始と同期して信号が上昇し、刺激停止と
同時に信号が低下する b.刺激印加開始と同期して信号が上昇し、刺激停止後
も信号変化が継続する領域である。したがって、活性化
領域抽出方法には、上記3つの特徴を利用し、図3から
7のうちで、図3から図5の信号変化を示す領域を抽出
することが求められる。
【0032】図1は、本発明による磁気共鳴撮影装置の
実施例の計算機における所定の刺激に反応した脳の活性
化領域の抽出手段の処理手順を示すフローチャートであ
る。なお、刺激印加/停止を表す関数をg(t)(ただし
tは時間)、時系列画像データの信号変化を表す関数を
f(x,y,t)(ただしx,yは空間座標,tは時間)と
する。ユーザは、g(t)を任意に定めることが可能であ
り、例えば刺激を印加していない期間の値は0、刺激を
印加している期間の値は1である。
【0033】まず、g(t)に対する処理を説明する。 処理1:実際の刺激印加/停止期間に一致するようにg
(t)の値を決定し、(g0(t)),g0(t)をフーリエ変
換して、周波数スペクトルG0(ω)を導出する。 処理2:振幅スペクトルにおいて、周波数0またはその
近傍の振幅値を用いて閾値を指定しバンド幅ΔB0を求
める。 処理3:それとともに、位相差Δθ0を計算する。 処理4:次いで、実際よりも刺激印加期間が長くなるよ
うにg(t)の値を決定し(gd(t))、gd(t)をフーリ
エ変換して周波数スペクトルGd(ω)を導出する。 処理5:その後、G0(ω)と同様に、バンド幅ΔBdを
求める。 処理6:それとともに、位相差Δθdを求める。 なお、gd(t)を用いたバンド幅ΔBdと位相差Δθd
の計算は、刺激印加期間を変更して複数回実行すること
が望ましい。 処理7:その後、バンド幅ΔBと位相差Δθを座標軸と
する2次元グラフ上に、G0(ω)に対応するデータ点P
0(Δθ0,ΔW0)とGd(ω)に対応するデータ点Pd
(Δθd,ΔWd)をプロットする。図9(a)は、点P0
および点Pdを2次元グラフ上にプロットした図であ
る。 処理8:これらのデータ点を用いて近似直線または近似
曲線を作成し、活性化領域抽出の際の基準線とする。
【0034】次に、f(x,y,t)に関する処理を説明
する。 処理9:時系列画像データf(x,y,t)に前処理をす
る。なお、処理9に関しては、詳細を後述する。 処理10:f(x,y,t)を時間軸方向にフーリエ変換
して周波数スペクトルF(x,y,ω)を導出する。 処理11:振幅スペクトルにおいて、周波数0またはそ
の近傍の振幅値を用いて閾値を指定し、バンド幅ΔBx
yを求める。 処理12:位相差Δθxyを計算する。 処理13:その後、図9(b)に示すように、基準線Lを
設定した2次元グラフ上に各座標のデータ点を配置す
る。ここで、活性化領域は、基準線Lと各データ点との
位置関係を判断し、抽出する。ノイズが極めて小さい理
想的な状態を仮定すると、図3から7による検討結果か
ら、先に示した活性化領域の条件に反するデータ点は、
図10に示したように、基準線Lの上側に配置される。 処理14:そこで、基準線Lの上側に配置されたデータ
点を除去する。 処理15:残りのデータ点に対応する画素を活性化領域
として抽出する。
【0035】実際の時系列画像には、装置自身のゆらぎ
や被験者の呼吸によるゆらぎなどに起因するノイズが混
入しているので、データ点の位置は、理想的な状態の位
置からシフトする。この場合、処理13が終了した段階
において、図11(a)に示すように、基準線Lをシフト
して新たな基準線Ldを設定し、基準線Ldの上側に配
置されたデータ点を除去したり、図11(b)に示すよう
に、基準線Lの上側にあるデータ点に関しては、基準線
Lとのデータ点との距離dを計算し、距離dが所定値よ
り大きいデータ点を除去するなどのわずかな変更で、対
応できる。
【0036】なお、処理9における時系列画像データの
前処理として、時系列画像の信号強度の低い領域を背景
部分とみなし、フーリエ変換をする領域から除外する処
理が挙げられる。その結果、信号処理の対象となる画素
数が少なくなり、計算時間を短縮できる。
【0037】また、刺激印加前の時系列画像における信
号強度を基準にとり、時系列画像の信号強度を規格化ま
たはオフセット成分を除去する処理を加えてもよい。こ
れらの処理により、信号変化が長時間に及ぶことや信号
変化の始まりが遅いことの影響が周波数スペクトル上に
顕著に現れるので、抽出精度を上げることができる。
【0038】実際の磁気共鳴撮影装置においては、脳の
磁気共鳴断層像を表示するCRTなどの表示装置の他
に、図9〜図11の前記F(x,y,ω)の二次元グラフ
上のデータ点(Δθxy,ΔBxy),基準線L,前記閾
値条件を表示するコントローラ用のワークステーション
やパソコンのCRTなどの表示装置とを併設し、計算機
部分には、図9〜図11の少なくとも基準線L,閾値条
件dなどを任意に設定変更する入力手段を備えて、ユー
ザの撮影効率を高めることが望ましい。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、脳機能を計測した時系
列画像データを時間軸方向にフーリエ変換して信号変化
の周波数スペクトルを計算し、周波数0近傍のスペクト
ル幅と位相差を座標軸とする2次元グラフに計算結果を
配置し、次いで、刺激印加/停止を表す関数に対し同様
の処理を実行し、2次元グラフ上における時系列画像の
データ点と刺激印加/停止を表す関数のデータ点との位
置関係を判断し、ノイズとなるデータ点を除去し、活性
化領域を抽出するので、脳の活性/非活性とは関係がな
い静脈の影響などによるノイズが除去され、被験者が刺
激を印加されたと感じる主観的な刺激印加期間と実際の
刺激印加期間との間にミスマッチが生じた場合であって
も、活性化領域を確実かつ正確に抽出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気共鳴撮影装置の実施例の計算
機における所定の刺激に反応した脳の活性化領域の抽出
手段の処理手順を示すフローチャートである。
【図2】刺激印加/停止を周期的に繰り返した場合の
(a)信号変化モデル,その(b)振幅スペクトル,(c)位
相スペクトルを示す図である。
【図3】刺激印加が1回の場合の(a)信号変化モデル,
その(b)振幅スペクトル,(c)位相スペクトルを示す図
である。
【図4】図3よりも信号変化が4TR長い場合の(a)信
号変化モデル,その(b)振幅スペクトル,(c)位相スペ
クトルを示す図である。
【図5】図3よりも信号変化が8TR長い場合の(a)信
号変化モデル,その(b)振幅スペクトル,(c)位相スペ
クトルを示す図である。
【図6】図3よりも信号変化が4TR長く、かつ、信号
変化の開始が4TR遅い場合の(a)信号変化モデル,そ
の(b)振幅スペクトル,(c)位相スペクトルを示す図で
ある。
【図7】図3よりも信号変化が8TR長く、かつ、信号
変化の開始が4TR遅い場合の(a)信号変化モデル,そ
の(b)振幅スペクトル,(c)位相スペクトルを示す図で
ある。
【図8】(a)図3の位相スペクトルから導出した位相
差,(b)図4の位相スペクトルから導出した位相差,
(c)図5の位相スペクトルから導出した位相差,(d)図
6の位相スペクトルから導出した位相差,(e)図7の位
相スペクトルから導出した位相差である。
【図9】位相差とバンド幅とを座標軸とする2次元グラ
フにおいて、(a)信号変化モデルから算出されるデータ
点を配置した図、および(b)データ点を用いて基準線を
設定した図である。
【図10】ノイズが小さい好条件における活性化領域の
抽出方法を示す図である。
【図11】ノイズを考慮して活性化領域を抽出する場合
に、(a)基準線をシフトして抽出する方法、(b)基準線
とデータ点との距離を判断して抽出する方法を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 周波数スペクトルG0(ω)を導出する処理 2 G0(ω)のバンド幅ΔB0を導出する処理 3 G0(ω)の位相差Δθ0を導出する処理 4 周波数スペクトルGd(ω)を導出する処理 5 Gd(ω)のバンド幅ΔBdを導出する処理 6 Gd(ω)の位相差Δθdを導出する処理 7 G0(ω)とGd(ω)のデータ点をプロットする処理 8 基準線を作成する処理 9 時系列画像データF(x,y,t)に対する前処理 10 周波数スペクトルF(x,y,ω)を導出する処理 11 F(x,y,ω)のバンド幅ΔBxyを導出する処
理 12 F(x,y,ω)の位相差Δθxyを導出する処理 13 F(x,y,ω)のデータ点をプロットする処理 14 条件に反するF(x,y,ω)のデータ点を除去す
る処理 15 残ったF(x,y,ω)のデータ点を画素と対応付
け、活性化領域を抽出する処理

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空間的に強度が均一な静磁場を発生する
    静磁場発生手段と、スライス厚さ方向,位相エンコード
    方向,信号読み出し方向の互いに直交する三方向のそれ
    ぞれに強度勾配を有する磁場を発生する傾斜磁場発生手
    段と、被験者の核磁化を励起する高周波磁場発生手段
    と、被験者からの共鳴信号を検出する信号検出手段と、
    前記信号検出手段により検出された共鳴信号に対して所
    定の信号処理を実行する計算機と、前記計算機による処
    理結果を出力する出力手段とを有し、所定時間間隔でか
    つ所定期間だけ被験者に光・音などの刺激を印加して時
    系列画像を撮影し、前記時系列画像から前記刺激に同期
    して信号強度が変化した領域を抽出し、脳機能の活性化
    領域として抽出する磁気共鳴撮影装置において、前記計
    算機が、 (1)実際の刺激印加/停止を表す関数g0(t)(ただし
    tは時間)をフーリエ変換して周波数スペクトルG0
    (ω)を導出し、前記G0(ω)の振幅スペクトルの周波数
    0またはその近傍の振幅値を用いて閾値を指定しバンド
    幅ΔB0を求めるとともに、位相差Δθ0を計算する処
    理手段と、 (2)実際よりも刺激印加期間が長くなるよう定義した関
    数gd(t)をフーリエ変換して周波数スペクトルGd
    (ω)を導出し、前記G0(ω)の振幅スペクトルの周波数
    0またはその近傍の振幅値を用いて閾値を指定しバンド
    幅ΔBdを求めるとともに、位相差Δθdを計算する処
    理手段と、 (3)位相差Δθを横軸としバンド幅ΔBを縦軸とする2
    次元グラフ上に、G0(ω)に対応するデータ点P0(Δ
    θ0,ΔW0)とGd(ω)に対応するデータ点Pd(Δθ
    d,ΔWd)をプロットし、前記データ点から基準線L
    を作成する処理手段と、 (4)時系列画像データの信号変化を表す関数をf(x,
    y,t)(ただしx,yは空間座標,tは時間)にフーリ
    エ変換して周波数スペクトルF(x,y,ω)を導出し、
    前記F(x,y,ω)の振幅スペクトルの周波数0または
    その近傍の振幅値を用いて閾値を指定しバンド幅ΔBx
    yを求めるとともに、位相差Δθxyを計算する処理手
    段と、 (5)前記2次元グラフ上に各F(x,y,ω)のデータ点
    を配置し、基準線Lと配置されたデータ点との位置関係
    で記述される閾値条件を満足するデータ点を抽出する処
    理手段と、 (6)(5)で抽出されたデータ点に対応する画素を抽出
    し、脳機能の活性化領域を同定するする処理手段とを備
    えたことを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気共鳴撮影装置にお
    いて、 前記(2)に記載の処理手段が、定義した刺激時間が異な
    る複数のgd(t)のそれぞれから、バンド幅ΔBdを求
    めるとともに、位相差Δθdを計算する処理手段である
    ことを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の磁気共鳴撮影
    装置において、 前記(3)に記載の基準線Lの作成手段が、データ点を用
    いた近似直線を導出する処理手段であることを特徴とす
    る磁気共鳴撮影装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の磁気共鳴撮影
    装置において、 前記(3)に記載の基準線Lの作成手段が、データ点を用
    いた近似曲線を導出する処理手段であることを特徴とす
    る磁気共鳴撮影装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか一項に記載
    の磁気共鳴撮影装置において、 前記(5)に記載の処理手段は、F(x,y,ω)の二次元
    グラフ上のデータ点(Δθxy,ΔBxy)のΔB座標値
    ΔBxyが、基準線LのΔθxyにおけるΔB座標値以
    下であることを閾値条件とし、前記閾値条件を満足する
    データ点を抽出する処理手段であることを特徴とする磁
    気共鳴撮影装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれか一項に記載
    の磁気共鳴撮影装置において、 前記(5)に記載の処理手段は、F(x,y,ω)の二次元
    グラフ上のデータ点(Δθxy,ΔBxy)のΔB座標値
    ΔBxyが、基準線LのΔθxyにおけるΔB座標値と
    ユーザが任意に定める値d1との加算値以下であること
    を閾値条件とし、前記閾値条件を満足するデータ点を抽
    出する処理手段であることを特徴とする磁気共鳴撮影装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし4のいずれか一項に記載
    の磁気共鳴撮影装置において、 前記(5)に記載の処理手段は、 F(x,y,ω)の二次元グラフ上のデータ点(Δθx
    y,ΔBxy)のΔB座標値ΔBxyが、 a)基準線LのΔθxyにおけるΔB座標値以下である
    こと、 b)基準線LのΔθxyにおけるΔB座標値より大き
    く、かつ、基準線Lと前記データ点との距離がユーザが
    任意に定める値d2より小さいことのいずれか一方を満
    足することを閾値条件とし、前記閾値条件を満足するデ
    ータ点を抽出する処理手段であることを特徴とする磁気
    共鳴撮影装置。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし7のいずれか一項に記載
    の磁気共鳴撮影装置において、 前記出力手段が、前記脳の磁気共鳴断層像を表示する表
    示装置と、前記F(x,y,ω)の二次元グラフ上のデー
    タ点(Δθxy,ΔBxy),基準線L,前記閾値条件を
    表示する表示装置とを含み、 前記計算機が、少なくとも前記基準線L,前記閾値条件
    を任意に設定変更するための入力手段を含むことを特徴
    とする磁気共鳴撮影装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006263282A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Hiroshima Industrial Promotion Organization 子宮の蠕動運動を可視化するための画像処理装置、画像処理方法および画像診断支援システム、ならびにそのためのコンピュータプログラムおよびそれを記録した記録媒体
JP2009005839A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 Hitachi Medical Corp 医用画像処理装置
JP2011031025A (ja) * 2009-07-10 2011-02-17 Toshiba Corp 磁気共鳴イメージング装置、画像処理装置および画像処理方法

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