JPH11226589A - スチール空缶を接触濾材とした汚水処理方法とこれを実施した汚水処理装置 - Google Patents

スチール空缶を接触濾材とした汚水処理方法とこれを実施した汚水処理装置

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JPH11226589A
JPH11226589A JP10048933A JP4893398A JPH11226589A JP H11226589 A JPH11226589 A JP H11226589A JP 10048933 A JP10048933 A JP 10048933A JP 4893398 A JP4893398 A JP 4893398A JP H11226589 A JPH11226589 A JP H11226589A
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JP
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sewage
container
steel
soil
water
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Application number
JP10048933A
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English (en)
Inventor
Tadashi Niimi
正 新見
Masanori Niimi
正則 新見
Keiko Nakade
中出経子
Taneo Yamada
山田胤雄
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Chikyu Kankyo Heiwa Center Kk
NIIMI KK
OOJASU KK
Original Assignee
Chikyu Kankyo Heiwa Center Kk
NIIMI KK
OOJASU KK
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Publication date
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    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】スチール空缶の接触濾材作用により、汚水の窒
素,燐,BOD,CODの高度に除去するとともに、ス
チール空缶の新たな利用方法を開発し環境の保護に役立
てる。 【解決手段】スチール空缶CNと発泡樹脂の破砕片SR
を一定の割合でランダムに合成樹脂製の網袋MSに詰め
て、合成樹脂製の網袋の口は不織布紐LOにより結んだ
汚水処理の接触濾材をばっき槽等の汚水処理槽に必要な
数だけ投入することにより汚水の窒素,燐,BOD,C
ODの除去処理を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチール空缶を接
触濾材とした汚水処理方法とこれを実施した汚水処理装
置に関する。本発明のスチール空缶を接触濾材とした汚
水処理方法とこれを実施した汚水処理装置は、スチール
空缶の接触濾材作用により、汚水の窒素,燐,BOD,
CODの高度に除去する処理を行なうようにしたもので
ある。
【0002】
【従来の技術】スチール空缶の再利用の方法は、鉄屑と
して溶鉱炉で溶解し、鉄筋等に再生する方法が一般的で
あり、これ以外に大量に有効活用する方法は現在では見
だされていない。スチール空缶を鉄屑として再利用する
場合にも、種々の異物が含まれているために、新しい材
料を使用した場合に比べて、製品の質が劣り、又、空缶
の収集時にアルミ缶との選別作業が必要であり、選別さ
れたスチール空缶を製鉄工場まで運ばなければならない
等の問題がある。このために、鉄屑としてのスチール空
缶の市場価格は、その運搬費用にも満たないのでその差
額は、空缶を処理する市町村が負担しているのが現状で
ある。日本国内での、飲料用缶の需要は年間約400億
本あり、その内スチール缶が60%、アルミ缶が40%
であるが、缶の生産のためのCO2の発生量では、スチ
ール缶はアルミ缶の1/4であり、環境保護の見地から
はスチール缶がアルミ缶より優れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在、スチール空缶の
利用方法はこれを集積して製鉄の原料として使用するこ
とが行われているだけであり、その処理には多くの手間
とコストを必要としている。このスチール空缶の新たな
活用方法を提案することにより、アルミ缶に替えてスチ
ール缶を多く使用するようにして、環境の保護に貢献す
ることが出来るようにすることが大きな課題である。本
発明は、スチール空缶を汚水処理の接触濾材として使用
する汚水処理方法とこれを実施した汚水処理装置を提案
することにより、スチール空缶の接触濾材作用により、
汚水の窒素,燐,BOD,CODの高度に除去する処理
を行なうとともに、スチール空缶の新たな利用方法を開
発し環境の保護に役立てるようにしたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】汚水浄化のための土壌被
覆型接触炉床法の接触濾材として礫を使用した汚水浄化
装置は、各国において特許が成立しおり、既に公知の技
術である。本発明は、この土壌被覆型接触炉床法の汚水
浄化装置の接触濾材として、スチール空缶を使用するよ
うにしたのである。スチール空缶を汚水浄化装置の接触
濾材として使用する理由は次の通りである。 1.汚水浄化作用を持つ生物膜がスチール空缶の表面と
内部の面との両面に構成されるので、汚水浄化の効率が
約2倍になる。 2.ばっき法の場合には、スチール空缶の表面には好気
性微生物膜が付着し、内部の面には嫌気性微生物膜が付
着するので複雑な微生物膜相が構成され、汚浄化能力が
向上する。
【0005】3.スチール空缶の鉄分はイオンとして溶
出するが、その速度は年に2−5%程度であり、これが
汚水の水溶性の燐イオンと結合し不溶性物質となるの
で、この不溶性物質は汚泥の取り出し作業により系外に
搬出され、汚水の燐が除去される。 4.ばっき槽内の、汚水の窒素成分は、スチール空缶の
表面に付着している好気性微生物の作用により硝酸にな
り、又ばっきの流動現象によりスチール空缶の孔より缶
の内部に流入した汚水の窒素成分は内部の面に付着して
いる嫌気性微生物の作用によりN2に変わり大気中に放
出される。このように一つの接触濾材により、好気性微
生物と嫌気性微生物とを共存させることが出来るのはス
チール空缶独特の機能である。この場合、2時間−3時
間の間隔でばっき槽内に送り込む空気を断続的に変化さ
せることにより、好気性微生物と嫌気性微生物に適した
条件を交互に繰り返して作ることにより、汚水の窒素成
分の除去をより効果的に行なうことが出来る。
【0006】5.通常、スチール空缶はその飲み口に一
つの孔が開いているだけであるが、汚水の缶内への流入
と流出を容易にするために、缶の表面には多くの孔を開
けることにより、上記の浄化作用の効率を上げることが
出来る。 6.汚水処理材としてのスチール空缶は、その運搬を容
易にし現場で直ちに使用出来、又使用後の取り出しを容
易にするために、合成樹脂製の網に適当な数だけ集めて
置くのが良い。 7.浄化槽や汚水の水路に投入して汚水の浄化を行なう
ためには、汚水の表面に浮くように発泡スチロール等の
破さい物を一緒に袋に詰めをくことが良い。国内で破棄
されるスチール空缶の大部分を、汚水処理材として使用
することにより、スチール空缶のの処理に費やしている
多くの費用が節約されると同時に、国内の汚水を大幅に
浄化することが可能になる。この場合のスチール空缶は
なるべく多くの孔が開けられているものが適している。
【0007】
【発明の実施の形態】
【実施例1】図1は、本発明のスチール空缶を接触濾材
とした汚水処理方法とこれを実施した汚水処理装置の、
浮上式接触濾材の一実施例の構成を示す説明図である。
図1において、CNはスチール空缶、SRは発泡樹脂の
破砕片、MSは合成樹脂製の網袋、LOは不織布紐であ
る。スチール空缶CNには多数の穴が開けられている。
スチール空缶CNと発泡樹脂の破砕片SRは一定の割合
でランダムに合成樹脂製の網袋MSに一杯に詰められ、
合成樹脂製の網袋MSの口は不織布紐LOにより結ばれ
ている。合成樹脂製の網袋MSの網目の大きさは1cm
前後で、合成樹脂製の網袋MSの大きさは、スチール空
缶CNと発泡樹脂の破砕片SRを一杯に詰めた状態で、
小規模浄化槽用は約縦25cm、横25cmである。発
泡樹脂の破砕片SRの大きさは、その径が数cm前後の
ものが使用され、その数は、スチール空缶CNを詰めた
合成樹脂製の網袋MSが水面に浮く程度の浮力が生じる
程度に、数個混入される。
【0008】合成樹脂製の網袋MSの口を縛っている不
織布紐LOは、微生物が付着しやすく、又一定の厚さの
微生物の膜になった場合に剥離しやすい出来るだけ薄い
ものが使用される。スチール空缶CNを詰めた合成樹脂
製の網袋MSは、合成樹脂製の網袋MS全体を十文字状
に不織布紐LOにより結束することが望ましい。この目
的は、スチール空缶CNを詰めた合成樹脂製の網袋MS
の表面の形状が凹凸となるような構造にすることによ
り、スチール空缶CNの中にに補足された嫌気性微生物
の生存する汚泥や、不織布紐LOに付着し汚水の汚れ成
分を固定化した微生物膜が、汚水のくみ出し作業時の汚
水レベルの低下により、容易に取り出せる構造とするた
めである。スチール空缶CNを詰めた合成樹脂製の網袋
MSの直径25cm前後にしたのは、ばっき槽や公共下
水道の汚水処理槽のマンホールの蓋から投入したり取り
出したりするのにこの程度の大きさが適当なサイズであ
るからである。
【0009】図2は、図1に示す汚水処理袋を既設のば
っき槽等の汚水処理槽に投入して汚水の処理を行ってい
る状態を示す図である。図2において、BTはばっき槽
等の汚水処理槽、CVは汚水処理槽のマンホールの蓋、
CMは図1に示すような構造のスチール空缶CNを詰め
た合成樹脂製の網袋の汚水処理袋である。汚水処理袋C
Mはばっき槽等の汚水処理槽BTのマンホールの蓋CV
を開けて必要な数だけ、汚水処理槽BTの中に投入され
る。図2に示すように、既設のばっき槽に図1に示すよ
うな構造の汚水処理袋CMを投入するだけで、汚水中の
窒素、燐の除去が出来、土壌被覆構造によりばっき槽か
らの病原菌の飛散防止の効果を得ることが出来る。ばっ
き槽等の汚水処理層に投入する汚水処理袋CMの数は汚
水処理槽の大きさに応じてその数を増すことが必要であ
るが、その数は汚水処理槽の負荷量と浄化水質によって
実験で決定する。スチール空缶CNの穴開けの作業は大
変であるが、当初はボランティア団体や身体傷害者施設
に依頼する事により比較的安い価格で作業を行うことが
出来る。将来、スチール空缶CNの利用が普及した場合
には専用の穴開け機械を導入することがよい。
【0010】
【実施例2】図3は、本発明のスチール空缶を接触濾材
とした汚水処理方法とこれを実施した汚水処理装置の他
の実施例を示す説明図である。図3の実施例は、既設の
ばっき槽等の比較的小型の汚水処理槽に使用する汚水処
理箱である。図3において、PBは多数の穴の開けられ
たプラスチック製の箱である。CNはスチール空缶で、
その表面に多数の穴が開けられている。プラスチック製
の箱PBにはスチール空缶CNがランダムに充填され多
段多列に積層されている。プラスチック製の箱PBに
は、ビール、日本酒等の運搬箱の廃品等を利用する事も
出来る。
【0011】図4は図3に示すスチール空缶CNが充填
されたプラスチック製の箱PBを既設のばっき槽等の汚
水処理槽に投入して汚水の処理を行っている状態を示す
図である。図4において、BTはばっき槽等の汚水処理
槽、CVは汚水処理槽のマンホールの蓋、PBは図3に
示すような構造のスチール空缶CNが充填されたプラス
チック製の箱である。プラスチック製の箱PBはばっき
槽等の汚水処理槽BTのマンホールの蓋CVを開けて必
要な数だけ、汚水処理槽BTの中に設置される。図4に
示すように、既設のばっき槽に図3に示すような構造の
プラスチック製の箱PBを設置するだけで、汚水中の窒
素、燐の除去が出来、これによりばっき槽からの病原菌
の飛散防止の効果を得ることが出来る。小規模の下水処
理施設を新たに建設する場合には、汚水処理槽BTには
簡単なゴム膜構造を使用することもできる。飲料水用か
んがい導水路や公共下水道排水路、河川敷での汚濁水の
浄化槽等でBOD20mdb以下の源水の場合にはばっ
きは必要なく、源水に含まれている溶存酸素だけで充分
である。
【0012】
【実施例3】図5,6,7は本発明のスチール空缶を接
触濾材とした汚水処理方法とこれを実施した汚水処理装
置を、家庭の生ゴミをディスポーザーを使用して自家処
理する装置に実施した実施例を示したものである。図
5,6,7に示す実施例は、ディスポーザーを使用して
生ゴミを粉砕処理しこれを台所流し台排水と共に処理槽
に流すようにして、各家庭で発生する生ゴミを運搬する
ことなく簡単に処理を行なうことを可能にしたものであ
る。現在、家庭で発生する生ゴミは、市町村の自治体が
収集しこれを焼却処理しているが、年々増加する生ゴミ
に対してその処理能力が不足し、又その処理の際には大
きなエネルギーを必要とするので焼却の際発生する二酸
化炭素等の汚染物質が地球的な規模で環境破壊を起こし
ており大きな社会問題になっている。このために、日本
では、生ゴミは可能な限りコンポスターで自家処理する
という行政指導が、ほとんどの市町村で行われている。
コンポスター2基分の設置費用を補助したり、無料で貸
与するケースもある。
【0013】しかし、現在のコンポスター技術は密閉さ
れた底のない合成樹脂箱を、畑や庭などの土壌の上に置
くだけの施設であるため、悪臭が出たり、衛生害虫の発
生源となったりする。さらに、余剰泥土を処理しなけれ
ばならない等の欠点が多く、結局一般に普及する段階に
至っていない。ほとんどの先進国では、ディスポーザー
で生ゴミを破砕し、水洗便所排水等と一緒に公共下水道
管や合併浄化槽に排出させている。この結果、通常、B
OD200mg/l〜B0D250mg/lの排水濃度
は、生ゴミが混入することにより500mg/l前後と
なり、汚水処理場の負荷が増大するという問題がある。
さらに、下水道管内に沈澱した生ゴミ破砕物と糞便か
ら硫化水素が発生し、コンクリート排水管の天井部分を
腐食させて道路が陥没する事故が米国で新たに発生して
いる。日本でも下水管の勾配が小さい大坂市で、施工1
5年後に同様な事故が発生した事例があり、改めてディ
スポーザーの使用を禁止する方向で、日本の下水道政策
が固定しつつあるのが現在までの技術である。
【0014】図5,6,7の実施例の、ディスポーザー
を利用した戸別汚水処理方法とこれを実施した装置は水
を通さない材質により製作されその上面が開放されてい
る容器に、その中間部にディスポーザー処理水及び台所
流し台排水の導入される孔を有し、その下部には複数の
孔があけられている汚水収容部を収納し、汚水収容部の
複数の孔があけられいる部分をスチール空缶によりカバ
ーしてその上をミミズの棲息している土壌で覆い、密閉
蓋の部分だけを地表に出して他の部分を土壌の中に埋設
し、ディスポーザー処理水及び台所流し台排水の水分を
スチール空缶によりにより燐、窒素等を除去してから土
壌を通して浸潤させて浄化処理し、残った生ゴミを汚水
収容部で微生物によって分解腐食させミミズに食べさせ
ることにより処理するようにしたものである。
【0015】図5は、本発明のディスポーザーを利用し
た戸別汚水処理装置の一実施例の構成を示す平面図であ
る。図6は、図6の処理装置のa−a面の構成を示す断
面図である。図7は、図5の処理装置のb−b面の構成
を示す断面図である。図5、6、7において、同一の部
分には同一の符合を付けてある。図5、6、7におい
て、PKは台所からの汚水を流す排水管、CAは戸別汚
水処理装置の容器を構成する止水膜である。戸別汚水処
理装置の止水膜の容器CAは水を通さないプラスチック
の樹脂により製作された容器型形状でその上面が開放さ
れている。DNは戸別汚水処理装置の汚水収容部であ
る。汚水収容部DNは、その上部にプラスチック製の密
閉蓋CAを有し、その中間部に台所からの汚水排水管P
Kの導入孔Hが設けられ、その下部にはプラスチック製
の管PIが結合されている。汚水収容部DNのプラスチ
ック製の管PIに近い部分とプラスチック製の管PIは
複数の孔H1,H2・・・Hnがあけられている。管P
Iの部分は網状のプラスチックを円筒状に構成したもの
でもでも良い。SLは土壌で、その中にみみずが加えら
れている。CNは網袋に詰められたスチール空缶であ
る。
【0016】汚水収容部DNは、汚水処理装置の止水膜
の容器CAの内部に格納され、汚水収容部DNのプラス
チック製の管PIと汚水収容部DNの複数の孔H1,H
2・・・Hnがあけられいる部分は、網袋に詰められた
スチール空缶CNによりカバーされている。更に、CN
の上には土壌SLでカバーされて土の中に、地面の中よ
り汚水収容部DNの密閉蓋CAだけが外部にでている状
態で汚水処理装置全体が地面の中に約60cmの深さに
埋められている。このように構成された戸別汚水処理装
置の動作を説明すると次の通りである。図5,6,7の
実施例の、ディスポーザーを利用した戸別汚水処理方法
とこれを実施した装置は、住宅等の家庭より発生する生
ゴミをディスポーザーを使用して粉砕処理し、これを台
所流し台排水と共に台所からの汚水を流す排水管PKに
流して戸別汚水処理装置の汚水収容部DNに流し込みむ
ことにより、各家庭で発生する生ゴミを運搬することな
く戸別汚水処理装置に送り込みの処理を行なうものであ
る。
【0017】家庭における調理等によりより生ゴミが発
生するとこの生ゴミはディスポーザーにより粉砕され、
台所排水と共に台所からの汚水を流す排水管PKに流し
出され排水管PKを通して戸別汚水処理装置の汚水収容
部DNに流し込まれる。又、ディスポーザーにより処理
出来ないような生ゴミは、処理装置の設置されている場
所まで運び、直接処理装置の汚水収容部DNの密閉蓋C
Pを開けてその生ゴミを汚水収容部DNに投入した後、
密閉蓋CPを閉じる。これにより生ゴミの臭気は汚水収
容部DNの中に密閉される。汚水収容部DNでは、その
中に収容されたディスポーザーにより粉砕された生ゴミ
や台所からの汚水の中の水分や、生ゴミが分解するに従
って発生する水分が、汚水収容部DNのプラスチック製
の管PIに近い部分とプラスチック製の管PIに開けら
れている複数の孔H1,H2・・・Hnを通ってスチー
ル空缶CNにの部分に流れ出す。汚水収容部DNのプラ
スチック製の管PIと汚水収容部DNの複数の孔H1,
H2・・・Hnがあけられいる部分をカバーしている、
スチール空缶CNを通して生ゴミの水分の排出を行な
う。
【0018】この生ゴミの水分により 1.汚水浄化作用を持つ生物膜がスチール空缶CNの表
面と内部の面との両面に構成されるので、汚水浄化の効
率が約2倍になる。 2.スチール空缶CNの表面には好気性微生物膜が付着
し、内部の面には嫌気性微生物膜が付着するので複雑な
微生物膜相が構成され、汚水浄化能力が向上する。 3.スチール空缶CNの鉄分はイオンとして汚水の水分
中に溶出するが、その速度は年に2−5%程度であり、
これが汚水の水溶性の燐イオンと接合し不溶性物質とな
るので、この不溶性物質は汚泥の取り出し作業により系
外に搬出され、 汚水の燐が除去される。 4.汚水の窒素成分は、スチール空缶CNの表面に付着
している好気性微生物の作用により硝酸になり、台所排
水の流入による流動現象によりスチール空缶の孔より缶
の内部に流入した汚水の窒素成分は内部の面に付着して
いる嫌気性微生物の作用によりN2に変わり大気中に放
出される。このように一つの接触濾材により、好気性微
生物と嫌気性微生物とを共存させることが出来るのはス
チール空缶独特の機能である。
【0019】この場合、2時間−3時間の間隔でばっき
槽内に送り込む空気を断続的に変化させることにより、
好気性微生物と嫌気性微生物に適した条件を交互に繰り
返して作ることにより、汚水の窒素成分の除去をより効
果的に行なうことが出来る。スチール空缶CNにより
燐、窒素等の除去去れた汚水の水分は、土壌SL及び地
面の土を通して毛管サイフォン現象により汚水処理装置
の外部に浸潤しして行くので、生ゴミの水分は、土壌微
生物の作用により分解が進行していく状態に保たれる。
毛管サイフォン現象により汚水処理装置の外部に浸潤し
して行った水分は土壌SL及び地面の土の土壌微生物の
作用により浄化された後、地下水に流れ込んだり、地表
面より蒸発して行く。生ゴミの分解が進むと、土壌SL
の中のミミズは、汚水収容部DNのプラスチック製の管
PIに近い部分とプラスチック製の管PIに開けられて
いる複数の孔H1,H2・・・Hnを通って汚水収容部
DNの中に入り、その有機物を食べる。分解された生ゴ
ミの有機物は、ミミズの食料となりミミズにより食べら
れることによりその量を減量する。
【0020】ミミズは、毎日自分の体重と同じ量の有機
物を食べ、必ず土壌表面にまで運搬し排泄するという習
性をもっている。この糞はまったく臭気がないので、単
にミミズの排泄物により表面土壌の厚さが増えると考え
ればよい。土壌微生物が分解しにくい燐、窒素等の無機
分も、ミミズは泥と一緒に食べ、有用土壌として土壌表
面に堆積させる。図5,6,7に示すディスポーザーを
利用した戸別汚水処理装置を設置する場所は台所排水の
出口の近くの場所である。汚水処理装置の大きさは、現
地の面積形状によって、120cm x120cmでも
30cm ×480cmでもよい。汚水処理装置を埋め
込む深さを約60cmとしたのは、日本の平均的な気温
の場所での経験値によるが、温暖地では40cm、寒冷
地では80cmの範囲が標準である。
【0021】1戸当たりの台所流し台の排水量は1日2
50l前後。今までの生活排水用「毛管浸澗トレンチ」
の標準設計値が、30cm x深さ60cmで、長さ
1m当たり1日に100lの交互使用で目詰まりしない
実績が得られている。台所流し台の排水が高濃度汚泥で
ある点を考慮して、おおよそ2分の1で設計されてい
る。この場合も2基設置して、半年間か1年間の交互使
用とすれば、ほば生ゴミ汚泥は取り出す必要がなく、表
面被覆土壌の厚さが増えるだけである。ミミズは陸性動
物なので、絶対に酸素が必要である。毎日の調理ごとに
3回水位が変動するこのような土壌中の汚水処理装置
が、ミミズの棲息量を増大させることに役立つこととな
る。本装置による地下水汚染の心配がないことは、すで
に新見正発明による特許第1085714号「汚染処理
及び装置」により既知のものである。
【0022】図5,6,7に示すディスポーザーを利用
した戸別汚水処理装置に導入される汚水のBOD値が5
00mg/l前後の場合、浸透水の水質は、地面下10
0cmの位置で10mg/l(活性汚泥法の高度処理の
場合はせいぜい20mg/l)以下となる。汚水とは別
に、生ゴミ破砕物は土壌で濾別され、地下水方向には移
行せず、戸別汚水処理装置の空隙内に堆積する。堆積す
る空隙の場所は、 1.汚水収容部DNの内部、2.網袋に詰められたスチ
ール空缶CN、3.汚水収容部DNのプラスチック製の
管PI内と土壌SL内、である。この堆積生ゴミは、先
ず土壌微生物によって一時分解を受け、土壌微生物と生
ゴミ中の微生物では分解されない金属類等が泥土と共に
ミミズに食べられ、地表面の方向に運搬排泄されて、戸
別汚水処理装置内には残留しない。
【0023】図5,6,7に示す装置を使用することに
より、下水処理場の有機物質負荷を2/3以上も低減さ
せることができるので、浄化に要するエネルギーも、余
剰汚泥の発生量も、確実に1/2以下にすることが可能
になるからである。尚、上記の説明のスチール空缶CN
に、スチール空缶を圧縮して板状にしたものを使用する
と、一定の容積に収容されるスチール空缶の量増え、効
率の良い汚水処理を行なうことが出来る。地球温暖化防
止対策として、CO2の総発生量をこの技術ほど共通し
て消滅し得るものは見当たらない。その上、各地域の自
然物、廃棄物の再生有効利用が可能であることがさらに
C02発生量の抑制に役立つこととなる。小型焼却炉で
発生するダイオキシン問題対策としても、ますますこの
装置の価値が高まることになる。又、各自治体は集積場
に集められた生ゴミを処理場に運搬し処理するための多
くの負担が必要なくなるだけでなく、生ゴミの処理場の
建設も不要になり、生ゴミの焼却処理により処理場から
は二酸化炭素等の環境汚染物質が発生し大気汚染や地球
温暖化等の重大な環境問題を発生させることを防止する
ことが出来る。
【0024】
【実施例4】図8,9,10は、現在広く使用されてい
る毛管浸潤トレンチをの処理能力の向上を図った放流式
の毛管浸潤トレンチの実施例を示したものである。図
8,9,10に示す実施例の放流式の毛管浸潤トレンチ
は、従来からニイミ式トレンチとして普及実用化されて
いる毛管浸潤トレンチの下部に排水パイプを設置して、
毛管浸潤トレンチより下部に浸透した処理水を集めてこ
れをスチール空缶により浄化して放流させるようにして
毛管浸潤トレンチをの浄化能力を向上させたものであ
る。従来の毛管浸潤トレンチは、主として単独浄化槽で
処理された汚水の処理に使用されており、放流先の無い
場所での使用が大部分であった。このため、単独浄化槽
で処理された処理水は、毛管浸潤トレンチを通して更に
浄化後土中に流し込まれ地下水に流入されていた。
【0025】1997年9月より、厚生省は地下水の汚
染を防止するために、浄化能力の不充分な浄化槽の処理
水や、風呂,洗濯等の雑排水を地下水に流入させないよ
うな行政指導を開始し、このために浄化槽メーカーに対
して、単独浄化槽の製造の中止を要請している。その理
由は、地下水の汚染を防止するためには地下水に流入さ
れる水のBODの値が20mg/l以下であることが望
ましいが、従来の単独浄化槽を使用した汚水処理のシス
テムではBODの値が100mg/l前後までにしか低
減出来ず、又雑排水もBODの値が150mg/l前後
であり、これらの汚水をそのまま地下に浸透させること
を防止するためである。このような事情で、より浄化能
力の高い汚水浄化システムの開発が求められているのが
現在の状況である。
【0026】図8,9,10の実施例は、このような要
請に応えるために、従来から普及実用化されている毛管
浸潤トレンチの下部に排水パイプを設置して、毛管浸潤
トレンチより土壌を通して浸透した浄化水を集めてさら
にこの水をスチール空缶により浄化して放流させるよう
にた構成により、設置面積を増やすことなく毛管浸潤ト
レンチの浄化能力を大幅に向上させて、処理水のBOD
の値が20mg/l以下になるようにした放流式の毛管
浸潤トレンチを実現したものである。図8は、本発明の
放流式の毛管浸潤トレンチの一実施例の構成を示す面図
である。図9は、図8の処理装置のa−a面の構成を示
す断面図である。
【0027】図8、9において、同一の部分には同一の
符合を付けてある。図8、9において、CA1は水を通
さない材質の塩化ビニール板又はゴム等により製作され
その上面が開放されている第一の容器である。P1は単
独浄化槽の処理水及び台所流し台排水などの汚水が導入
されるプラスチック製の汚水導入処理管で、複数の孔が
あけられている。CA2は水を通さない材質の合成樹脂
膜等により製作されその上面が開放されている第二の容
器、P2は複数の孔があけられているプラスチック製の
集水排水管である。SLは汚水の浄化を行なう土壌、C
Nはスチール空缶、MEは網である。プラスチック製の
管PI、P2には複数の孔があけられている。プラスチ
ック製の管PIの底面側の約1/3の部分には孔があけ
られていない部分を持っている。土壌SLの中にみみず
が棲息している。
【0028】汚水導入処理管P1は第一の容器CA1の
内部に格納されており、又集水排水管SLは第二の容器
CA2の下部に格納されている。第二の容器CA2の下
部には集水排水管SLを覆う状態でスチール空缶CNが
敷き詰められている。第一の容器CA1は第二の容器C
A2の集水排水管P2の上部に収納され、第一の容器C
A1の上部が地表面まで立ち上げた状態で土壌SL中
に、第二の容器CA2の底部が地表より約60cmの深
さに埋設されている。第一の容器CA1の上面のが開放
部の上には、被覆土壌が約20cmの厚さで乗せられて
おり、被覆土壌の中には網MEが入れられている。この
ように構成された図8,9に示す放流式の毛管浸潤トレ
ンチの動作を説明すると次の通りである。
【0029】台所流し台排水か風呂の排水等の雑排水や
単独浄化槽により処理された処理水は排水管を通して第
一の容器CA1の内部に格納された汚水導入処理管P1
に流し込みまれる。第一の容器CA1の内部に格納され
た汚水導入処理管P1の中に流し込まれた汚水の中の水
分や、生ゴミなどのゴミ成分は管PIの底面側の約1/
3の部分には孔があけられていない部分を流れ、プラス
チック製の管PIに開けられている複数の孔を通って土
壌SLにほぼ均等に吸収される。土壌SLにより吸収さ
れた水とゴミ成分は、土壌SL及び地面の土を通して毛
管サイフォン現象により第一の容器CA1の外部に浸潤
して行く。この過程で汚水中のNH4はNO3にまで酸
化される。又、汚水の中の生ゴミ等のゴミ成分は土壌S
Lにより濾過される。
【0030】生ゴミ等の固型成分は土穣SLで濾別さ
れ、汚水とともには移行せず、管PIに開けられている
複数の孔の周囲の土壌SLの空隙内に堆積保持される。
この堆積された生ゴミ等の固型成分は、先ず土壌微生物
によって一時分解を受け、土壌微生物と生ゴミ中の微生
物では分解されない金属類等が泥土と共にミミズに食べ
られ、地表面の方向に運搬排泄される。このようにして
第一の容器CA1の外部に浸潤していく水の汚れの成分
は、土壌微生物の作用により水の浄化が進行していくの
で放流式の毛管浸潤トレンチの土壌SLの中には生ゴミ
等の固型成分は長期間は残留しない。
【0031】毛管サイフォン現象により第一の容器CA
1の外部に浸潤しして行った水分は土壌SL及び地面の
土の土壌微生物の作用により浄化されながら、第二の容
器CA2の内部の土壌SLに浸透してくる。第二の容器
CA2の内部の土壌SLに浸透した処理水の一部は地表
面より蒸発して行く。又、第二の容器CA2の内部の土
壌SLに浸透した処理水の残りは重力により第二の容器
CA2の下部に集まり一時ここに貯留する。土壌SLに
は嫌気性の条件を作る空間が無いので、汚水中のNH4
が酸化されされて出来たNO3はそのままで第二の容器
CA2の下部に集まって来る。第二の容器CA2の下部
での貯留期間に、容器CA2の下部に敷き詰められてい
るスチール空缶CNにより水分中の窒素、燐成分が除去
される。第二の容器CA2の下部での貯留期間が長いほ
ど水分中の窒素、燐成分の除去が良く行われるので、集
水排水管P2の末端を汚水桝等に接続する場合には、1
0cm前後高くするか、スチール空缶CNの層を厚くす
る等の処置を行なうと良い。スチール空缶CNにより水
分中の窒素、燐成分が除去された水分は、第二の容器C
A2に格納された集水排水管P2により集水されて第二
の容器CA2の外部に放出される。第二の容器CA2の
外部に放出されだ処理水は、消毒槽を経て公共水域に排
水されたり、水田や畑の用水として使用いることも可能
である。
【0032】通常は、汚水導入処理管P1に処理能力以
上の汚水が流されると土壌SLに浸透した処理水が重力
により下部に流れてくる水の量が増え、時間の経過とと
もに下部の土壌の水分の密度が大きくなり土壌に浸透し
た処理水の浸透速度が遅くなるために処理能力が下が
る。これに対し、本発明の放流式の毛管浸潤トレンチで
は、第二の容器CA2の下部に集る処理水は、集水排水
管P2により集水されて第二の容器CA2の外部に放出
され、汚水導入処理管P1に流される汚水の量が増えて
も、第二の容器CA2の下部の水分の密度はほぼ一定の
値に保たれるため、処理水の浸透速度は変わらないの
で、処理能力が下がることが無く、第二の容器CA2の
下部に集る処理水はスチール空缶CNにより水分中の窒
素、燐成分が除去されるので、従来の処理装置に比べて
より汚れの少ない処理を行なうことが出来る。尚、上記
の説明のスチール空缶CNに、スチール空缶を圧縮して
板状にしたものを使用すると、一定の容積に収容される
スチール空缶の量が増え、燐除去効率の良い汚水処理を
行なうことが出来る。
【0033】図8,9に示す放流式の毛管浸潤トレンチ
は屋外に設置されるため、雨や雪が降った場合にはその
雨水等が被覆土壌より処理装置中に侵入し、処理能力を
下げることがある。このような事態を避けるために、本
発明では装置の上の被覆土壌の中に網MEが埋め込んで
ある。雨等が降り、被覆土壌の雨水等が侵入してくる
と、侵入した雨水が網MEに達すると雨水の大部分は、
上座毛管水の現象により被覆土壌の中の網MEを伝わっ
て網MEの端方に流れるので網MEの下部に侵入するこ
とはない。このため、網MEの下部に設置した放流式の
毛管浸潤トレンチには雨水等が侵入しないので、雨等に
よってもその処理能力を落とすことが無い。土壌SLの
中に保持された生ゴミ等のゴミの成分は土壌SLの土壌
微生物により分解され、ゴミの分解が進むと、土壌SL
の中のミミズは、分解された有機物食べる。分解された
生ゴミの有機物は、ミミズの食料となりミミズにより食
べられることによりその量を減量するので、土壌SLの
目ずまりが起こらない。
【0034】ミミズは、毎日自分の体重と同じ量の有機
物を食べ、必ず土壌表面にまで運搬し排泄するという習
性をもっている。この糞はまったく臭気がないので、単
にミミズの排泄物により表面土壌の厚さが増えると考え
ればよい。ミミズは陸性動物なので、絶対に酸素が必要
である。毎日の調理ごとに最低3回水位が変動するこの
ような土壌中の汚水処理装置が、ミミズの棲息量を増大
させることに役立つこととなる。本装置による地下水汚
染の心配がないことは、すでに新見正発明による特許第
1085714号「汚染処理及び装置」により既知のも
のである。図8,9に示した実施例は、第二の容器CA
2の上部が地表面まで立ち上げた状態で土壌SL中に埋
設する事例について説明した。このように設置すること
により、放流式の毛管浸潤トレンチで処理された処理水
は、土壌表面より蒸発するものを除いて、100%集中
排水管P2より排水され地下水に流れ込む物は無い処理
を行なうことが出来る。本発明の放流式の毛管浸潤トレ
ンチは処理能力が向上しているために、処理水の汚れは
少ないので処理水の一部を地下に浸潤させることも可能
である。
【0035】図10は処理水の一部を地下に流入させる
ように設置した、放流式の毛管浸潤トレンチの各種の実
施例を示す断面図である。図10の各実施例において、
放流式の毛管浸潤トレンチの構造と形状は図8,9に示
したものと同一であるので同一の符合を付けてその説明
を省略する。図8,9に示し実施例と、図10の(a)
の実施例の相違点は、図10の(a)では第二の容器C
A2の側面の高さが60cmで、容器CA2の上部が地
表面から20cm下の土壌の中に埋設されている点であ
る。又、図8,9に示し実施例と、図10の(b)の実
施例の相違点は、図10の(b)では第二の容器CA2
の側面の高さが30cmで、容器CA2の上部が地表面
から50cm下の土壌の中に埋設されている点である。
又、図8,9に示し実施例と、図10の(c)の実施例
の相違点は、図10の(c)では第二の容器CA2の側
面の高さが15cmで、容器CA2の上部が地表面から
65cm下の土壌の中に埋設されている点である。
【0036】この結果、図10の(a)の実施例では放
流式の毛管浸潤トレンチの内外の被覆土壌の連続した深
さは20cmで、図8,9に示した実施例の盛土をした
場合とほぼ同じであるので、ミミズの棲息条件、蒸発発
散量に僅かの差がが表れるだけである。これに対して、
図10の(b)の実施例では放流式の毛管浸潤トレンチ
の内外の被覆土壌の連続した深さは50cmになるの
で、処理水量の50%程度が被覆土壌の連続部を通して
地下水に浸潤して行く。又、図10の(c)の実施例で
は放流式の毛管浸潤トレンチの内外の被覆土壌の連続し
た深さは65cmになるので、処理水量の90%程度が
被覆土壌の連続部を通して地下水に浸潤しさせることが
出来る。
【0037】上記の各実施例のどの構造の放流式の毛管
浸潤トレンチを採用するかの判断は、水質汚濁法を所管
している市町村が行なうのが適当であるが、どの構造を
使用しても連続した土壌面をし通過する処理水のBOD
は20mg/l以下になり、水分中の窒素、燐成分が除
去されるので厚生省の行政指導の値を満たすものであ
る。現在、未だ全国で700万基以上もの単独浄化槽が
稼働している。この700万基以上の単独浄化槽に対し
て本発明の放流式の毛管浸潤トレンチを適用することに
より、その処理水のBODの値を20mg/l以下に低
減することが出来るので、全国的に地下水の汚染を防止
することが可能になり、その効果は非常に大きなものに
なる。特に、単独浄化槽に対して本発明の放流式の毛管
浸潤トレンチを使用する場合に、単独浄化槽のバッキを
止めて単独浄化槽を沈殿槽として使用した場合にはトレ
ンチ流入水のBODの値が120mg/l程度まで上が
るが、放流式の毛管浸潤トレンチの高い浄化能力によ
り、BODの値が120mg/l程度の汚水を処理して
も処理後の水のBODの値を20mg/l以下に浄化す
ることは十分可能である。このため、本発明の放流式の
毛管浸潤トレンチを単独浄化槽に対して使用する場合に
は、単独浄化槽のバッキを止めた状態での使用が可能に
なるので使用者の負担を軽減させることが出来る。
【0038】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
のスチール空缶を接触濾材とした汚水処理方法とこれを
実施した汚水処理装置は、既に公知の技術である土壌被
覆型接触炉床法の汚水浄化装置の接触濾材として、網袋
に詰めたスチール空缶を使用するようにしたものであ
る。この結果、各種の汚水浄化装置に適用することによ
り、スチール空缶の接触濾材作用により、汚水の窒素,
燐,BOD,CODの高度に除去する処理を行なうこと
が出来るので、以下に示すような従来にはない独特区の
効果を得ることが出来る。
【0039】1.汚水浄化作用を持つ生物膜がスチール
空缶の表面と内部の面との両面に構成されるので、汚水
浄化の効率が約2倍になる。 2.ばっき法の場合には、スチール空缶の表面には好気
性微生物膜が付着し、内部の面には嫌気性微生物膜が付
着するので複雑な微生物膜相が構成され、汚水浄化能力
が向上する。 3.スチール空缶の鉄分はイオンとして溶出するが、そ
の速度は年に2−5%程度であり、これが汚水の水溶性
の燐イオンと接合し不溶性物質となるので、この不溶性
物質は汚泥の取り出し作業により系外に搬出され、汚水
の燐が除去される。 4.ばっき槽内の、汚水の窒素成分は、スチール空缶の
表面に付着している好気性微生物の作用により硝酸にな
り、又ばっきの流動現象によりスチール空缶の孔より缶
の内部に流入した汚水の窒素成分は内部の面に付着して
いる嫌気性微生物の作用によりN2に変わり大気中に放
出される。このように一つの接触濾材により、好気性微
生物と嫌気性微生物とを共存させることが出来るのはス
チール空缶独特の機能である。
【0040】5.汚水処理材としてのスチール空缶は、
その運搬を容易にし現場で直ちに使用出来、又使用後の
取り出しを容易にするために、合成樹脂製の網に適当な
数だけつめて置くことが簡単に出来る。 6.浄化槽や汚水の水路に投入して汚水の浄化を行なう
ためには、汚水の表面に浮くように発泡スチロール等の
破さい物を一緒に袋に詰めるだけで良い。本発明は、ス
チール空缶の新たな活用方法を提案することにより、国
内で破棄されるスチール空缶の大部分を、汚水処理材と
して使用することが出来るので、スチール空缶のの処理
に費やしている多くの費用が節約されると同時に、アル
ミ缶に替えてスチール缶を多く使用するようにして、環
境の保護に貢献することが出来るので国内の汚水が大幅
に浄化されることになり、その相乗的な効果は測り知れ
ないものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスチール空缶を接触濾材とした汚水処
理方法とこれを実施した汚水処理装置の、浮上式接触濾
材の一実施例の構成を示す説明図である。
【図2】図1に示す汚水処理袋を既設のばっき槽等の汚
水処理槽に投入して汚水の処理を行っている状態を示す
図である。
【図3】本発明のスチール空缶を接触濾材とした汚水処
理方法とこれを実施した汚水処理装置の他の実施例を示
す説明図である。
【図4】図3に示すスチール空缶CNが充填されたプラ
スチック性の箱PBを既設のばっき槽等の汚水処理槽に
投入して汚水の処理を行っている状態を示す図である。
【図5】本発明のディスポーザーを利用した戸別汚水処
理装置の一実施例の構成を示す平面図である。
【図6】図5のディスポーザーを利用した戸別汚水処理
装置のa−a面の構成を示す断面図である。
【図7】図5のディスポーザーを利用した戸別汚水処理
装置のb−b面のの構成を示す断面図である。
【図8】本発明の放流式の毛管浸潤トレンチの一実施例
の構成を示す図である。
【図9】図1の放流式の毛管浸潤トレンチのa−a面の
構成を示す断面図である。
【図10】本発明の放流式の毛管浸潤トレンチの他の実
施例の構成を示す図である。
【符号の説明】
CN・・・スチール空缶, SR・・・発砲樹脂の
破砕片, MS・・・合成樹脂製の網袋, L
O・・・不織布紐, BT・・・ばっき槽等の汚水
処理槽, CV・・・汚水処理槽のマンホールの
蓋, CM・・・図1に示すような構造のスチール
空缶CNを詰めた合成樹脂製の網袋の汚水処理袋,
PB・・・多数の穴の開けられたプラスチック性の
箱, PK・・・台所排水管, CA・・・汚
水処理装置の止水膜ょ使用した容器,DN・・・汚水処
理装置の汚水収容部, H・・・台所排水管の導入
孔, CP・・・プラスチック製の密閉蓋,
PI・・・プラスチック製の管, H1,H2〜
Hn・・・複数の孔, SL・・・ミミズが加えら
れている土壌, FB・・・網袋に詰められた段ボ
ール破砕粒等の繊維物質又は礫, CA1・・・塩
化ビニール板又はゴム等により製作されQ第一の容器,
CA2・・・合成樹脂膜等により製作されQ第二
の容器,P1・・・汚水導入処理管, P2・・・
集水排水管, SL・・・汚水の浄化を行なう土
壌, ME・・・網,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新見 正 埼玉県入間市大字仏子603番地1 2−103 号 (72)発明者 新見 正則 滋賀県彦根市広野町153普賢寺内 (72)発明者 中出経子 埼玉県入間市高倉3−5−26 (72)発明者 山田胤雄 熊谷市大字上中条1005−1

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチール空缶を汚水処理の接触濾材として
    使用することにより、汚水の窒素,燐,BOD,COD
    の除去処理を行なうようにしたスチール空缶を接触濾材
    とした汚水処理方法。
  2. 【請求項2】スチール空缶と発砲樹脂の破砕片を一定の
    割合でランダムに合成樹脂製の網袋に詰めて、合成樹脂
    製の網袋の口は不織布紐により結んだ汚水処理の接触濾
    材をばっき槽等の汚水処理槽に必要な数だけ投入するこ
    とにより汚水の窒素,燐,BOD,CODの除去処理を
    行なうようにしたスチール空缶を接触濾材とした汚水処
    理方法。
  3. 【請求項3】多数の穴の開けられたプラスチック製の箱
    に、その表面に多数の穴が開けられている、スチール空
    缶がランダムに充填されている汚水処理用の接触濾材を
    ばっき槽等の汚水処理槽の中に必要な数だけ設置するこ
    とにより汚水の窒素,燐,BOD,CODの除去処理を
    行なうようにしたスチール空缶を接触濾材とした汚水処
    理方法。
  4. 【請求項4】水を通さない材質により製作されその上面
    が開放されている容器と、その上部に密閉蓋を有しその
    中間部にディスポーザー処理水及び台所流し台排水の導
    入される孔を有しその下部には複数の孔があけられてい
    る汚水収容部と、スチール空缶とよりなり、容器に汚水
    収容部を収納し、汚水収容部の複数の孔があけられいる
    部分をスチール空缶によりカバーして密閉蓋の部分だけ
    を地表に出して他の部分を土の中に埋設し、ディスポー
    ザー処理水及び台所流し台排水の水分を土壌を通して浸
    潤させて浄化処理し、残った生ゴミを生ゴミ収容部で腐
    食させるようにしたディスポーザーを利用した戸別汚水
    処理装置。
  5. 【請求項5】水を通さない材質により製作されその上面
    が開放されている第一の容器、第一の容器の内部に格納
    され汚水が導入される複数の孔があけられている汚水導
    入処理管、水を通さない材質により製作されその上面が
    開放されている第二の容器、第二の容器の下部に格納さ
    れ複数の孔があけられている集水排水管、第二の容器の
    下部に格納されたスチール空缶よりなり、第一の容器を
    第二の容器の集水排水管の上部に収納して、第二の容器
    の上面の開放部が土壌の表面に接する状態で土壌中に埋
    設して、第一の容器の内部に格納された汚水導入処理管
    の汚水が土壌を介して浸潤して第二の容器の内部に浸透
    してくる処理水を第二の容器の下部に格納されたスチー
    ル空缶を通して集水排水管により集水して第二の容器の
    外部に放出するようにした放流式の毛管浸潤トレンチ。
  6. 【請求項6】水を通さない材質により製作されその上面
    が開放されている第一の容器、第一の容器の内部に格納
    され汚水が導入される複数の孔があけられている汚水導
    入処理管、水を通さない材質により製作されその上面が
    開放されている第二の容器、第二の容器の下部に格納さ
    れ複数の孔があけられている集水排水管、第二の容器の
    下部に格納されたスチール空缶よりなり、第一の容器を
    第二の容器の集水排水管の上部に収納して、第二の容器
    の上面の開放部が土壌の表面よりも下にある状態で第二
    の容器をカバーする網を配置して土壌中に埋設して、第
    一の容器の内部に格納された汚水導入処理管の汚水が土
    壌を介して浸潤して第二の容器の内部に浸透してくる処
    理水を第二の容器の下部に格納されたスチール空缶を通
    して集水排水管により集水して第二の容器の外部に放出
    するようにした放流式の毛管浸潤トレンチ。
  7. 【請求項7】請求項1から請求項6において、スチール
    空缶はその表面に多数の穴が開けられているスチール空
    缶を接触濾材とした汚水処理方法と汚水処理装置。
  8. 【請求項8】請求項4から請求項6において、スチール
    空缶は圧縮された板状のものを使用するようにした汚水
    処理装置。
JP10048933A 1998-02-12 1998-02-12 スチール空缶を接触濾材とした汚水処理方法とこれを実施した汚水処理装置 Pending JPH11226589A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007014896A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Ns Kankyo Kk 土壌浸透式水質浄化装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007014896A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Ns Kankyo Kk 土壌浸透式水質浄化装置

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