JPH11223697A - 電子機器 - Google Patents
電子機器Info
- Publication number
- JPH11223697A JPH11223697A JP10024535A JP2453598A JPH11223697A JP H11223697 A JPH11223697 A JP H11223697A JP 10024535 A JP10024535 A JP 10024535A JP 2453598 A JP2453598 A JP 2453598A JP H11223697 A JPH11223697 A JP H11223697A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic field
- coil
- magnetic
- sun
- charged particle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 筐体を厚くすることなく高エネルギー電子の
しゃへい効果を増強させる。 【解決手段】 人工衛星筐体外部の電子機器が、電流が
流れることにより磁場を生成するコイルと、コイル内部
に存在し、コイルが生成した磁場で磁化することによっ
てさらに磁場を生成する磁性体と、コイルと磁性体に所
望の磁場を生成させるために、コイルに流す電流を制御
する電流制御装置を備え、コイルに電流を流して、コイ
ルおよび磁性体に電子機器の周囲に双極子磁場を生成さ
せることにより、高エネルギー電子の電子回路への入射
を低減させる。
しゃへい効果を増強させる。 【解決手段】 人工衛星筐体外部の電子機器が、電流が
流れることにより磁場を生成するコイルと、コイル内部
に存在し、コイルが生成した磁場で磁化することによっ
てさらに磁場を生成する磁性体と、コイルと磁性体に所
望の磁場を生成させるために、コイルに流す電流を制御
する電流制御装置を備え、コイルに電流を流して、コイ
ルおよび磁性体に電子機器の周囲に双極子磁場を生成さ
せることにより、高エネルギー電子の電子回路への入射
を低減させる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、太陽から放出さ
れる高エネルギー電子をしゃへいする手段を有する電子
機器に関するものである。
れる高エネルギー電子をしゃへいする手段を有する電子
機器に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】図５は、従来の人工衛星の高エネルギー
電子に対するしゃへい対策の一実施例を示す構成図であ
る。
電子に対するしゃへい対策の一実施例を示す構成図であ
る。
【０００３】図５において、１は太陽から放出される高
エネルギー電子、２は人工衛星の構体、３は人工衛星構
体外部の電子機器の筐体、４は電子回路、５は電子部品
である。
エネルギー電子、２は人工衛星の構体、３は人工衛星構
体外部の電子機器の筐体、４は電子回路、５は電子部品
である。
【０００４】高エネルギー電子１が人工衛星を照射する
場合、人工衛星構体外部の電子機器の筐体３がシールド
板の役割を果たし、電子回路４に到達する電子数を減少
させる。電子回路４に人工衛星構体外部の電子機器の筐
体３を貫通した電子が到達した場合でも、電子部品５は
高エネルギー電子対策がとられた部品であるため、電子
部品５に対し、あるエネルギーレベル以上の高エネルギ
ー電子が照射されるまでは正常な回路動作が可能とな
る。
場合、人工衛星構体外部の電子機器の筐体３がシールド
板の役割を果たし、電子回路４に到達する電子数を減少
させる。電子回路４に人工衛星構体外部の電子機器の筐
体３を貫通した電子が到達した場合でも、電子部品５は
高エネルギー電子対策がとられた部品であるため、電子
部品５に対し、あるエネルギーレベル以上の高エネルギ
ー電子が照射されるまでは正常な回路動作が可能とな
る。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】従来の人工衛星の高エ
ネルギー電子対策は以上のようにとられており、しゃへ
い効果は筐体の厚みに依存していた。しかし、筐体の厚
さは人工衛星の軽量化のためにすべての高エネルギー電
子をしゃへいする程厚くできないので、あるエネルギー
レベル以上の高エネルギー電子が衛星を照射すると、電
子は筐体を貫通し電子回路に到達してしまい、その結果
として回路の誤動作、破壊を引き起こすという問題点が
あった。
ネルギー電子対策は以上のようにとられており、しゃへ
い効果は筐体の厚みに依存していた。しかし、筐体の厚
さは人工衛星の軽量化のためにすべての高エネルギー電
子をしゃへいする程厚くできないので、あるエネルギー
レベル以上の高エネルギー電子が衛星を照射すると、電
子は筐体を貫通し電子回路に到達してしまい、その結果
として回路の誤動作、破壊を引き起こすという問題点が
あった。
【０００６】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたものであり、従来の筐体によるしゃへ
い効果に加え、磁場を生成することによりさらにしゃへ
い効果を増強させることを目的とする。
るためになされたものであり、従来の筐体によるしゃへ
い効果に加え、磁場を生成することによりさらにしゃへ
い効果を増強させることを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】第１の発明による電子機
器は、近似的に双極子磁場を生成する生成手段を設ける
ことにより、太陽から放出される高エネルギー電子をし
ゃへいする効果を増強することを可能にする。
器は、近似的に双極子磁場を生成する生成手段を設ける
ことにより、太陽から放出される高エネルギー電子をし
ゃへいする効果を増強することを可能にする。
【０００８】第２の発明による電子機器は、生成手段を
電流が流れることにより磁場を生成するコイルと、この
コイルで生成された磁場により磁化される磁性体と、前
記コイルに流す電流を制御する制御手段とにより構成す
る。
電流が流れることにより磁場を生成するコイルと、この
コイルで生成された磁場により磁化される磁性体と、前
記コイルに流す電流を制御する制御手段とにより構成す
る。
【０００９】
【発明の実施の形態】実施の形態１．図１はこの発明の
実施の形態１を示す構成図であり、１から５は従来の構
成と同様である。６は電流が流れることにより磁場を生
成するコイル、７はコイル内部に存在し、コイルが生成
した磁場で磁化することによってさらに磁場を生成する
磁性体、８はコイルと磁性体に所望の磁場を生成するた
めに、コイルに流す電流を制御する電流制御装置、９は
コイルと磁性体が生成する磁力線である。
実施の形態１を示す構成図であり、１から５は従来の構
成と同様である。６は電流が流れることにより磁場を生
成するコイル、７はコイル内部に存在し、コイルが生成
した磁場で磁化することによってさらに磁場を生成する
磁性体、８はコイルと磁性体に所望の磁場を生成するた
めに、コイルに流す電流を制御する電流制御装置、９は
コイルと磁性体が生成する磁力線である。
【００１０】図２はプラスとマイナスの極性を持ち、大
きさが等しい磁荷が一個ずつ存在した時に、磁荷の周囲
に生成される磁場を示した図である。１０はプラスの磁
荷、１１はマイナスの磁荷、１２は磁力線である。
きさが等しい磁荷が一個ずつ存在した時に、磁荷の周囲
に生成される磁場を示した図である。１０はプラスの磁
荷、１１はマイナスの磁荷、１２は磁力線である。
【００１１】図３は双極子磁場において太陽から放出さ
れた荷電粒子が直接的に入り込むことができない領域を
示した図である。１３は荷電粒子直接到達禁止領域で、
１４は１３の領域内に存在する荷電粒子の軌跡、１５は
地球である。
れた荷電粒子が直接的に入り込むことができない領域を
示した図である。１３は荷電粒子直接到達禁止領域で、
１４は１３の領域内に存在する荷電粒子の軌跡、１５は
地球である。
【００１２】図４は地球の放射線帯を示した図で、毎秒
１立方センチメートル当たりに存在する０．５ＭｅＶ以
上のエネルギーを持つ電子の数の分布を等高線表示して
いる。１６，１７，１８はそれぞれ内帯、スロット、外
帯と呼ばれる領域、１９は地球である。
１立方センチメートル当たりに存在する０．５ＭｅＶ以
上のエネルギーを持つ電子の数の分布を等高線表示して
いる。１６，１７，１８はそれぞれ内帯、スロット、外
帯と呼ばれる領域、１９は地球である。
【００１３】次に動作について説明する。図１におい
て、電流制御装置８によりコイル６に電流が流れると、
コイル６は磁石になり磁場を生成する。コイル６が磁場
を生成すると、磁性体７は磁化され、コイル６が生成し
た磁場を強めるように磁場を生成する。コイルと磁性体
が生成する磁力線９が示すように、コイル６と磁性体７
が生成した磁場は近似的に双極子磁場を構成する。
て、電流制御装置８によりコイル６に電流が流れると、
コイル６は磁石になり磁場を生成する。コイル６が磁場
を生成すると、磁性体７は磁化され、コイル６が生成し
た磁場を強めるように磁場を生成する。コイルと磁性体
が生成する磁力線９が示すように、コイル６と磁性体７
が生成した磁場は近似的に双極子磁場を構成する。
【００１４】ここで双極子磁場を生成することによっ
て、高エネルギー電子が人工衛星構体外部の電子回路に
到達しにくくなる根拠を説明する。はじめに磁気双極子
および双極子磁場について説明する。図２において、プ
ラスの磁荷１０とマイナスの磁荷１１のペアを磁気双極
子と呼び、磁気双極子が生成する磁場を双極子磁場と呼
ぶ。
て、高エネルギー電子が人工衛星構体外部の電子回路に
到達しにくくなる根拠を説明する。はじめに磁気双極子
および双極子磁場について説明する。図２において、プ
ラスの磁荷１０とマイナスの磁荷１１のペアを磁気双極
子と呼び、磁気双極子が生成する磁場を双極子磁場と呼
ぶ。
【００１５】図３において、双極子磁場が存在する場
合、一般に太陽から放出された荷電粒子は磁場による跳
ね返りの現象のために荷電粒子直接到達禁止領域１３に
到達することはできない。しかし、太陽から見て地球の
背後に存在する荷電粒子は到達することが可能である。
荷電粒子の軌跡１４で示した荷電粒子は太陽から放出さ
れた後、地球１５の背後に回った荷電粒子の中で地球磁
場内部に取り込まれ、１３の領域に到達したものであ
る。
合、一般に太陽から放出された荷電粒子は磁場による跳
ね返りの現象のために荷電粒子直接到達禁止領域１３に
到達することはできない。しかし、太陽から見て地球の
背後に存在する荷電粒子は到達することが可能である。
荷電粒子の軌跡１４で示した荷電粒子は太陽から放出さ
れた後、地球１５の背後に回った荷電粒子の中で地球磁
場内部に取り込まれ、１３の領域に到達したものであ
る。
【００１６】荷電粒子の軌跡１４で示した荷電粒子は荷
電粒子直接到達禁止領域１３を浮遊するが、極付近の磁
力線が密な領域に向かって移動する時、進行方向とは反
対の向きに力を受けるために赤道方向に戻され、極に到
達することはできない。
電粒子直接到達禁止領域１３を浮遊するが、極付近の磁
力線が密な領域に向かって移動する時、進行方向とは反
対の向きに力を受けるために赤道方向に戻され、極に到
達することはできない。
【００１７】図４において、スロット１７は図３の荷電
粒子直接到達禁止領域１３に相当する。外帯１８におけ
る電子数は太陽活動により劇的に変化するが、内帯１６
における電子数は安定していることが観測によりわかっ
ている。地球１９において地上付近では電子数は少な
い。
粒子直接到達禁止領域１３に相当する。外帯１８におけ
る電子数は太陽活動により劇的に変化するが、内帯１６
における電子数は安定していることが観測によりわかっ
ている。地球１９において地上付近では電子数は少な
い。
【００１８】図３および図４から、双極子磁場は、太陽
から放出された高エネルギー電子を跳ね返すことが可能
である。また双極子磁場中にトラップされた高エネルギ
ー電子に対し、磁極に近づくこと、つまり地上に到達す
るのを回避させることが可能である。したがって人工衛
星において双極子磁場を生成させれば、しゃへい効果に
より、電子機器内部まで貫通する高エネルギー電子数を
減少させることが可能となる。
から放出された高エネルギー電子を跳ね返すことが可能
である。また双極子磁場中にトラップされた高エネルギ
ー電子に対し、磁極に近づくこと、つまり地上に到達す
るのを回避させることが可能である。したがって人工衛
星において双極子磁場を生成させれば、しゃへい効果に
より、電子機器内部まで貫通する高エネルギー電子数を
減少させることが可能となる。
【００１９】
【発明の効果】この発明によれば、電子機器筐体の周囲
に双極子磁場を生成させることにより、従来の筐体の厚
みを利用したしゃへい効果を増強させることが可能とな
る。
に双極子磁場を生成させることにより、従来の筐体の厚
みを利用したしゃへい効果を増強させることが可能とな
る。
【図１】 この発明による高エネルギー電子しゃへい対
策の実施の形態の構成を示す図である。
策の実施の形態の構成を示す図である。
【図２】 磁気双極子が生成する双極子磁場を示す図で
ある。
ある。
【図３】 双極子磁場において太陽から放出された荷電
粒子が直接的に入り込むことができない領域を示した図
である。
粒子が直接的に入り込むことができない領域を示した図
である。
【図４】 地球磁場内において０．５ＭｅＶ以上のエネ
ルギーを持つ電子の数の分布を等高線表示した図であ
る。
ルギーを持つ電子の数の分布を等高線表示した図であ
る。
【図５】 従来の人工衛星の高エネルギー電子しゃへい
対策の一実施例を示す構成図である。
対策の一実施例を示す構成図である。
１ 太陽から放出される高エネルギー電子、２ 人工衛
星の構体、３ 人工衛星構体外部の電子機器の筐体、４
電子回路、５ 電子部品、６ コイル、７磁性体、８
電流制御装置、９ コイルと磁性体が生成する磁力
線、１０ プラスの磁荷、１１ マイナスの磁荷、１２
磁力線、１３ 荷電粒子直接到達禁止領域、１４ 荷
電粒子の軌跡、１５ 地球、１６ 内帯、１７ スロッ
ト、１８外帯、１９ 地球。
星の構体、３ 人工衛星構体外部の電子機器の筐体、４
電子回路、５ 電子部品、６ コイル、７磁性体、８
電流制御装置、９ コイルと磁性体が生成する磁力
線、１０ プラスの磁荷、１１ マイナスの磁荷、１２
磁力線、１３ 荷電粒子直接到達禁止領域、１４ 荷
電粒子の軌跡、１５ 地球、１６ 内帯、１７ スロッ
ト、１８外帯、１９ 地球。
Claims (2)
- 【請求項１】 電子機器筐体の周囲に、太陽から放出さ
れるエネルギー電子をしゃへいするための双極子磁場を
生成する生成手段を備えたことを特徴とする電子機器。 - 【請求項２】 前記生成手段は、電流が流れることによ
り磁場を生成するコイルと、前記コイル内部に設けら
れ、前記コイルが生成した磁場で磁化される磁性体と、
所望の磁場を生成するように前記コイルに流す電流を制
御する制御手段とで構成したことを特徴とする請求項１
記載の電子機器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10024535A JPH11223697A (ja) | 1998-02-05 | 1998-02-05 | 電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10024535A JPH11223697A (ja) | 1998-02-05 | 1998-02-05 | 電子機器 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11223697A true JPH11223697A (ja) | 1999-08-17 |
Family
ID=12140856
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10024535A Pending JPH11223697A (ja) | 1998-02-05 | 1998-02-05 | 電子機器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11223697A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103298304A (zh) * | 2013-05-10 | 2013-09-11 | 中国航天时代电子公司 | 一种具有对空间带电粒子辐照防护功能的电子设备机箱 |
| US8740154B2 (en) | 2009-03-26 | 2014-06-03 | The Science And Technology Facilities Council | Spacecraft shield |
| WO2022201626A1 (ja) * | 2021-03-22 | 2022-09-29 | 株式会社オータマ | 磁気シールド装置および磁気シールド方法 |
-
1998
- 1998-02-05 JP JP10024535A patent/JPH11223697A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8740154B2 (en) | 2009-03-26 | 2014-06-03 | The Science And Technology Facilities Council | Spacecraft shield |
| CN103298304A (zh) * | 2013-05-10 | 2013-09-11 | 中国航天时代电子公司 | 一种具有对空间带电粒子辐照防护功能的电子设备机箱 |
| CN103298304B (zh) * | 2013-05-10 | 2016-08-10 | 中国航天时代电子公司 | 一种具有对空间带电粒子辐照防护功能的电子设备机箱 |
| WO2022201626A1 (ja) * | 2021-03-22 | 2022-09-29 | 株式会社オータマ | 磁気シールド装置および磁気シールド方法 |
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