JPH11222787A - パルプ製造の際の溶解固形分の制御方法 - Google Patents

パルプ製造の際の溶解固形分の制御方法

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JPH11222787A
JPH11222787A JP32269198A JP32269198A JPH11222787A JP H11222787 A JPH11222787 A JP H11222787A JP 32269198 A JP32269198 A JP 32269198A JP 32269198 A JP32269198 A JP 32269198A JP H11222787 A JPH11222787 A JP H11222787A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 パルプ製造プロセズにおいて溶解性有機物
(DOM)の悪影響を抑えて高強度のパルプを製造する
こと。 【解決手段】 a)蒸解すべきセルロース材のスラリー
を入口へ導入し、 b)頂部スクリーンアセンブリ138においてセルロー
ス材のスラリーから液を少し抜き出し、 c)抽出スクリーン140から黒液を抽出し、 d)蒸解スクリーン143から液を抽出し、これを少な
くとも第一部分と第二部分に分割し、 e)第一部分を回収に送り、 f)溶解有機物を低濃度に含有する液を第二部分に増分
し、増分された第二部分とし、 g)増分された第二部分を、蒸解スクリーンアセンブリ
143の箇所の概略位置で蒸解カンの内部へ再循環す
る、 諸ステップを含むクラフトパルプ製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラフトパルプ製
造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】セルロースクラフトパ
ルプ製造技術の従来的な知識に従えば、溶解性有機物
(DOM)−−主に溶解ヘミセルロース、およびリグニ
ンから成るものであるが、溶解セルロース、易抽出性物
質、および蒸解プロセスによって木材から抽出される他
の物質などからも成るもの−−の濃度は、液中の活性蒸
解薬剤が木材中に残留または始めから存在しているリグ
ニンと反応し得る前に当該薬剤を消費して、脱リグニン
プロセスを邪魔し、蒸解プロセスの後段において有害な
影響を与えることが知られている。上記の後段を除いて
は、蒸解の他の部分におけるDOM濃度の影響は、従来
的な知識に従えば、顕著ではないと信じられている。
【0003】蒸解の上記後段に際してのDOMの妨害作
用は、最新の連続蒸解プロセス、特にニューヨーク州、
グレンス フォールス(Glens Falls)のカ
ミヤー社(Kamyr,Inc.)の製造販売にかかわ
るEMCC(登録商標)蒸解カンを用いることによって
最小限に抑えられる。この場合、蒸解の終段において液
(白液を含む)が向流に流されるので、「全体的(バル
ク)脱リグニン」段階の最後のところと、いわゆる「最
終的脱リグニン」段階のすべてにおいてDOM濃度が低
下するからである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に従って見出され
たことは、そもそもDOMは蒸解段階の最後のところで
蒸解に悪影響を与えるのみならず、DOMの存在は、蒸
解プロセスのいずれの段階、すなわち全体的脱リグニン
段階の初期、中期、または後期の段階で製造されたパル
プの強度にも悪影響を与えるということである。
【0005】DOMがパルプ繊維に影響を及ぼすメカニ
ズム、ひいてはパルプ強度に悪影響を及ぼすメカニズム
は、明快には解明されてはいないけれども、繊維の細胞
膜を透過するアルカリ抽出可能な有機物の物質移動速度
の低下が当該繊維の回りのDOMによって惹起されるこ
と、また非晶質領域(すなわち、節部)に比して繊維の
結晶質領域は抽出性に差があることによる、との仮説が
立てられている。
【0006】とにかく、本発明によって明らかにされた
ことは、DOMの水準(濃度)を蒸解の全段階において
最小限に抑えると、パルプ強度が顕著に増大するという
ことである。本発明に従って見出されたことは、DOM
の水準をクラフト蒸解の全段階においてゼロに近づける
と、パルプの引裂き強度が大きく増加、すなわち、従来
的に製造されたクラフトパルプに比較して、11km引
張りにて約25%(例えば、27%)も増加するという
ことである。DOMの水準を通常の水準の半分または四
分の一に低下させるだけでも、パルプ強度は顕著に増加
する。
【0007】最新技術のクラフト蒸解カンでは、クラフ
ト蒸解の際の幾つかの箇所ではDOM濃度が130グラ
ム/リットル(g/l)以上、またクラフト蒸解の際の
多くの箇所(例えば、カミヤー社のMCC(登録商標)
連続蒸解カンにおける底部循環部、調整(trim)循環
部、上部ならびに主抽出部およびMC循環部)では10
0g/l以上になることが珍しくはない。DOM水準を
(従来の技術的知恵に従って後段の)洗浄循環部にて約
30〜90g/lに維持するようにしてさえもそうであ
る。
【0008】このような従来的状況では、DOM中のリ
グニン成分が60g/l以上、実際には100g/l以
上になり、DOM中のヘミセルロース成分が20g/l
以上にもなることも珍しくはない。溶解ヘミセルロース
は顕著な影響を与えるのではないかと疑われているけれ
ども、溶解ヘミセルロース成分の方がリグニンより大き
な悪影響をパルプ強度に与える(例えば、繊維から流出
する有機物の物質移動に悪影響することによって)かど
うか、あるいはその逆か、またはその影響は相乗的であ
るかどうかについては未だ知られていない。パルプの漂
白性に有利な影響を及ぼし、薬剤の消費を低減し、そし
ておそらく最も有意義なことであるがパルプ強度を増加
するためには、DOM濃度をクラフト蒸解のすべての段
階において最小限に抑えるべきであるということが本発
明に従って初めて認識された。DOMの水準を最小限に
抑えれば、同じ処理量を得ながらも、より小さな連続蒸
解カンを設計することができる可能性もあり、回分シス
テムを用いても、連続蒸解カンで得られる便益の幾つか
を得ることができる可能性もある。
【0009】これらの便益ある結果の多くは、クラフト
蒸解の実質的全段階(すなわち、全体的脱リグニン工程
の初期、中期、または後期)においてDOM濃度を10
0g/l以下、好ましくは約50g/l以下(DOM濃
度がゼロに近づけば近づくほど好ましい結果が得られ
る)に維持することによって期待することができる。リ
グニン成分を50g/l以下(好ましくは約25g/l
以下)にし、ヘミセルロース水準を15g/l以下(好
ましくは約10g/l以下)に維持するのが特に好まし
い。
【0010】また、本発明に従って見出されたことによ
ると、DOM濃度のパルプ強度に対する悪影響を、少な
くともかなりの程度は、不動態化(無害化)することが
可能である。本発明のこの態様に従って見出されたこと
によると、黒液を抜き出し、米国特許第4,929,3
07号明細書(この特許開示を参考文献として本明細書
中に引用する)に従う圧熱処理を、例えば、温度約17
0〜350℃(好ましくは240℃)で、約5〜90分
間(好ましくは約30〜60分間)行い、その後で再導
入すれば、最高で約15%もの引裂き強度の増加を得る
ことができる。DOMの不動態化が熱処理で起こるメカ
ニズムも、完全に理解されているというわけではない
が、前記の仮説と首尾一貫しており、その結果はパルプ
強度に対して事実であり、しかも劇的である。
【0011】本発明によれば、連続式システムと回分式
システム両者に対し、上記のようなパルプ強度に対する
DOMの悪影響に留意しつつクラフトパルプの強度を増
加させる方法がいろいろ提供される。
【0012】また本発明によれば、強度が増大したクラ
フトパルプが得られ、本発明の所望の結果を達成する装
置も提供される。
【0013】さらに、本発明によれば、Hファクターも
顕著に下げることができ、例えば、所与のカッパー数を
達成するHファクターは少なくとも約5%は低下する。
また、有効アルカリの消費量も顕著に下げることがで
き、例えば、特定のカッパー数を達成するのに原木基準
で少なくとも約0.5%(例えば、約4%)は下げられ
る。さらには、漂白性の向上も達成することができ、例
えば、特定の全シーケンスカッパーファクターにおいて
ISO白色度を少なくとも一単位増加することができ
る。
【0014】本発明の態様の一つによれば、細砕セルロ
ース繊維材の蒸解によってクラフトパルプを製造する方
法が提供される。本方法は、連続的に、パルプを製造す
べき材料をクラフト蒸解する際の複数の異なる段階で、
(a)パルプ強度に悪影響を及ぼすに実質的に十分な水
準のDOMを含有する液を抽出するステップ、および
(b)パルプ強度に好影響を与えるために、抽出された
上記の液よりも有効DOMの水準が実質的に低い液で、
抽出された上記の液の一部または全部を置き換えること
を行うステップを包含する。ステップ(b)は、水、実
質的にDOMを含まない白液、圧熱処理された黒液、洗
浄装置濾過液、コールドブロー濾過液、およびこれらの
混合液から本質的になる群から選択される液で、抜き出
された液を置換することによって通常行われる。例え
ば、蒸解の際の少なくとも一つの段階において黒液を抜
き出し、DOMの悪影響を顕著に不動態化するための圧
熱条件下(例えば、常圧より高い圧力下、170〜35
0℃で約5〜90分間、かつ蒸解温度より少なくとも2
0℃以上高い温度)で当該黒液を処理する。
【0015】本明細書および特許請求の範囲の中で使用
される「有効DOM」という術語は、パルプ強度、Hフ
ァクター、有効アルカリ消費量、および/または漂白性
に影響を与えるDOM部分を意味する。有効DOM濃度
が低い液は、不動態化(ただし、漂白性に対する効果に
ついては別)することや、初めからDOM濃度の低い液
を用いることによって得られる。
【0016】本発明の方法は、連続式直立型蒸解カンで
行うことができ、その際上記ステップ(a)と(b)と
は蒸解カンにおいて高さ位置が異なる少なくとも二つの
箇所で行うことができる。また典型的には、ステップ
(b)からの置換液を加熱し、抜き出された液と実質的
に同じ温度とした後で置換液を蒸解される材料に導入
し、これと接触させる追加的ステップ(c)もある。ス
テップ(a)と(b)とは、浸透の段階、蒸解の初期近
く、蒸解の中期、および蒸解の終期、すなわち、全体的
脱リグニン化工程の実質的に全ての段階で行うことがで
きる。
【0017】本発明の別の態様に従えば、クラフト蒸解
の初期段階近くで、(a)パルプ強度に悪影響を及ぼす
に実質的に十分な水準のDOMを含有する液を抽出する
ステップ、および(b)パルプ強度に好影響を与えるた
めに、抽出された上記の液よりも有効DOMの水準が実
質的に低い液で、抽出された上記の液の一部または全部
を置き換えるステップを含むクラフト蒸解方法が提供さ
れる。
【0018】本発明の別の態様に従えば、セルロース繊
維材の浸透段階で、(a)パルプ強度に悪影響を及ぼす
に実質的に十分な水準のDOMを含有する液を抽出する
ステップ、および(b)パルプ強度に好影響を与えるた
めに、抽出された上記の液よりも有効DOMの水準が実
質的に低い液で、抽出された上記の液の一部または全部
を置き換えるステップを含むクラフト蒸解方法が提供さ
れる。
【0019】本発明のさらに別の態様に従えば、(a)
所与の蒸解段階のパルプと接触している黒液を抽出する
ステップ、(b)その中のDOMがパルプに与える悪影
響を顕著に不動態化するに十分な温度にまで該黒液を圧
熱処理するステップ、および(c)液中のDOMが不動
態化された黒液を再導入して、所与の蒸解段階のパルプ
と再び接触させるステップを含むクラフト蒸解方法が提
供される。
【0020】本発明はまた上記の方法で製造されたクラ
フトパルプを包含する。このクラフトパルプは、従来の
ように製造されたパルプとは以下の点で異なる。すなわ
ち、本発明のDOM維持または除去ステップがないこと
を除けば他は同じ条件で製造されたクラフトパルプに比
較して完全精製パルプに対する特定の引張(例えば、9
km引張、または11km引張)において25%も大き
い引裂き強度、または不動態化された黒液を使用する場
合においては15%も大きい(例えば、少なくとも約1
0%大きい)引裂き強度を有することである。
【0021】また、本発明は黒液を入れた槽とセルロー
ス繊維材を入れた回分式蒸解カンとを用いたセルロース
繊維材の回分クラフト蒸解法にも適用することができ
る。本発明のこのような回分式クラフト蒸解法において
は、(a)黒液中のDOMがパルプに与える悪影響を不
動態化するに十分な温度にまで該黒液を圧熱処理するス
テップ、(b)蒸解カン中のセルロース繊維材と接触さ
せるために黒液を該蒸解カンへ供給するステップの二つ
のステップがある。ステップ(a)は、黒液を、常圧よ
り高い圧力で温度約170〜350℃で約5〜90分間
(典型的には、少なくとも温度約190℃で約30〜6
0分間、かつ蒸解温度より少なくとも約20℃高い温度
にて)で加熱することによって行われ、そしてステップ
(b)は、セルロース繊維材の蒸解を行うために黒液と
白液とを蒸解カンに同時に供給することによって行うこ
とができる。
【0022】本発明のもう一つの態様に従えば、セルロ
ースパルプをクラフト蒸解する装置が提供される。本装
置は以下の構成要素からなる。すなわち、直立の連続蒸
解カン。蒸解カンの、異なる高さの箇所で、異なる蒸解
段階のところに設けられた少なくとも二箇所の抜出/抽
出スクリーン。各スクリーンに付属の循環ラインおよび
抽出ライン。それから、抽出ラインに抽出された液を補
給するために循環ラインに置換液を、各循環ラインに対
して、供給する手段。各循環ループは、通常加熱器を備
え、蒸解カンには分離型の浸透槽を付属させることも差
し支えなく、この浸透槽においても高いDOM濃度の液
を抜き出し、低いDOM濃度の液で置換することが(浸
透槽の頂部と高圧フィーダーとの間を結ぶ戻しラインに
おいても)行われる。
【0023】本発明はまた、パルプを日量少なくとも1
00トンの速度にて、パルプのクラフト蒸解が完結する
まで、実質的にDOMを含まない蒸解液をセルロース材
と連続的に接触させたり、抜き出したりするステップ
(a)を行うことによって細砕セルロース繊維材をクラ
フト蒸解する商業的方法にも関する。この方法において
は、好ましくは少なくとも8(例えば、8〜20)トン
/日の容量を有する回分式蒸解カンを用い、ステップ
(a)の前に、セルロース繊維材を蒸解カンに供給する
ステップ(b)をさらに行い、ステップ(a)の後に
は、さらに蒸解カンからクラフトパルプを排出するステ
ップ(c)を行うことが好ましい。
【0024】本発明はまた本発明のこの態様を実施する
ための回分式蒸解システムにも関し、この場合各回分式
蒸解カンは日量少なくとも8トンの容量(すなわち、実
験室規模とは異なる商業規模)を有する。
【0025】本発明はまた、蒸解の初期段階または中期
段階の少なくとも一つの段階で蒸解液の有効DOMを顕
著に希釈するために、多くの異なる形式の連続蒸解カ
ン、従来型MCC(登録商標)カミヤー社蒸解カンまた
はEMCC(登録商標)カミヤー社蒸解カンを修正、変
形することに関する。抽出スクリーンおよび循環スクリ
ーンを特定的な順序に配列することによって、本発明の
有利な結果が既存の蒸解カンで達成されるわけである
が、それは、単槽型加圧式、二槽型加圧式を含む従来型
の連続蒸解カンすべてにおいて、単に、多くの流体の流
れのルートを再配列し、いろいろな箇所に低濃度DOM
希釈液および/または白液を導入することによって達成
することができる。
【0026】本発明の主な目的は、強度の大きいパルプ
の製造、および/または典型的にはHファクターの低下
と有効アルカリ消費量の減少、および漂白性の向上であ
る。本発明のこの目的と他の目的は、本発明の詳細な説
明をよく読み、添付の特許請求の範囲をみれば明白にな
ろう。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、二槽型加圧式クラフト蒸
解カンのシステム、例えば、ニューヨーク州、グレンフ
ォールのカミヤー社の販売にかかわるシステムで、本発
明の例示的方法を行うように改変されたシステムを示
す。もちろん他のいかなる既存の連続蒸解カンシステム
も本発明を行えるように改変することができる。単槽型
加圧式蒸解カン、単槽型気相蒸解カン、および二槽型気
相蒸解カンもこれらに含まれる。
【0028】図1に示される例示的な態様にて、従来的
な浸透槽(IV)10が従来的直立連続蒸解カン11に
接続されている。水と蒸解液とが同伴された細砕セルロ
ース繊維材は従来的高圧フィーダーからライン12を経
て浸透槽(IV)10の頂部へ輸送され、液の一部は従
来と同じようにライン13から抜き出され、高圧フィー
ダーへ戻される。
【0029】本発明に従えば、DOM(本明細書と特許
請求の範囲に用いられる場合は、溶解有機物、主として
溶解ヘミセルロースとリグニンから成るものであるが、
溶解セルロース、抽出物、およびクラフト蒸解プロセス
によって木材から抽出された他の物質などからも成るも
の)の濃度を下げるために、液をポンプ14でライン1
5に(つまり槽10の頂部から)抜き出し、工程16の
所で処理し、DOMまたはその選択成分を除去するか不
動態化する。工程16としては、沈降工程(例えば、p
Hを9以下に下げることによって)、吸収工程(例え
ば、セルロース繊維塔、または活性炭層)、または濾過
(例えば、限外濾過、マイクロ濾過、ナノ濾過など)、
溶剤抽出、破壊(例えば、放射線による衝撃)、超臨界
抽出、重力分離、または蒸発(その後に凝縮)が挙げる
ことができる。
【0030】置換液(例えば、工程16の後での)がラ
イン17中のポンプ14’でライン13に添加される
か、されないかは、浸透が並流的に行われるか、向流的
に行われるかに依存する。工程16で処理される抽出液
の代わりにライン17に添加される置換液としては、希
釈液、例えば、新しい(すなわち、実質的にDOMを含
まない)白液、水、洗浄装置濾過液(例えば、褐色紙料
(ブラウンストック)洗浄濾過液)、コールドブロー濾
過液、またはこれらの混合液が使用できる。ライン1
2、13に循環されている液の硫化度を上げることが所
望ならば、黒液をライン17に添加することができる
が、以下に記載のように、その中に含まれるDOMを不
動態化するように黒液を処理しなければならない。
【0031】いずれにしろ、15の所で抜き出される液
は比較的高濃度のDOMを含んでいるが、一方17の所
で添加された液の有効DOM水準は、はるかに小さいの
で、パルプ強度には好影響が及ぼされる。
【0032】浸透槽10自体においても、DOMは好ま
しくは従来的スクリーン18、ポンプ19、および再循
環導管20を用いて制御される。導管20に再循環され
る液には、−−ライン21で示されるように−−希釈液
が添加され、DOM濃度が希釈される。また、希釈液に
は少なくともある程度は白液が含まれる。すなわち、導
管20に再導入される液は、スクリーン18から抜き出
された液よりも有効DOM水準が実質的に低くなるとい
うことであり、また少なくともある程度は白液が含まれ
るということになる。処理工程16’−−工程16と同
じような−−も、図1に点線で示されているように導管
20中に設けられる。
【0033】IV槽10の底部からは、細砕セルロース
繊維材のスラリーがライン22経由で蒸解カン11の頂
部へ送られ、既知のように、該スラリーの液の一部がラ
イン23に抜き出され、白液が24の箇所でそれに添加
され、加熱器25(通常は間接加熱器)を通過し、そし
て次いでライン26経由でIV槽10の底部へ再導入さ
れ、及び/又は図1の27の所に示されるように導管2
2の始端近くのところに導入される。
【0034】既存の連続蒸解カンでは、液は普通蒸解カ
ンのいろいろな高さの箇所で抜き出され、加熱され、次
いで抜き出された箇所と同じ高さの箇所に再導入される
が、通常の状況では液は系から抽出されず、新鮮な、D
OM濃度低減液での置換も行われない。既存の連続蒸解
カンでは、黒液は蒸解カンの中央部で抽出されるが、黒
液は再導入されず、むしろフラッシュタンクへ送られ、
次いで最終的には回収ボイラーなどへ送られる。既存の
連続蒸解カンと際立って対照的に、本発明の連続蒸解カ
ン11においては、多くの異なる段階と高さの所で液が
実際に抽出され、抽出された液が低いDOM濃度を有す
る液で置換される。これは、蒸解の始端近く、蒸解の中
間段階、および蒸解の終段近くで行われる。
【0035】図1に示される蒸解カン11を用い、かつ
本発明の方法を実施することによって、ライン28にて
排出されるパルプは、他の点では既存の連続蒸解カン中
と同じ条件で処理された従来的クラフトパルプに比較し
て大きな強度を持つようになった。
【0036】蒸解カン11には、その頂部に隣接して、
蒸解の始点近くのところの抜き出しスクリーン第一セッ
ト30と、蒸解の中間点近くのところの抜き出しスクリ
ーン第二セット31と、蒸解の終段近くのところの抜き
出しスクリーン第三、第四セット、32、33とが備え
られている。スクリーン30〜33はそれぞれポンプ3
4〜37に接続され、それぞれに循環ライン38〜41
が連結され、選択的にはそれぞれ加熱器42〜45が備
えられているが、これら循環ループ自体は従来的であ
る。しかし、本発明では抜き出された液の一部が、ライ
ン46〜49中にそれぞれ抜き出され、これは、図1の
スクリーン第一セット30に関連して示されているよう
に、ライン46を通過して一連のフラッシュタンク50
へ送られる。
【0037】抽出された液、それは比較的高いDOM濃
度を有しているのであるが、それを補給し、DOM水準
を下げるために、置換(希釈)液を添加するが、それぞ
れライン51〜54で示している通りである。ライン5
1〜54に添加された液は、ライン46〜49に抽出さ
れた液よりも顕著に低い濃度のDOMしか有していない
のでパルプ強度に好影響を及ぼす。ライン51〜54に
添加される液は、ライン17に関して上に記載の希釈液
と同じで差し支えない。加熱器42〜45は、置換液、
並びに循環液を加熱し、抜き出された液と実質的に同じ
(普通は少し高い)温度まで上げる。
【0038】スクリーン30〜33は何枚でも蒸解カン
11に設けてよい。
【0039】抽出された液を遠くの場所に運び、これを
置換液で置換する前に、抽出された液と置換液とを互い
に熱交換関係にすることができ、これは図1に参照数字
56で概略的に示されている。さらに、抽出された液を
処理して、その中のDOMを除去したり、不動態化し、
その後置換液として(所望ならそこに添加された他の希
釈液と一緒に)直ちに再導入することができる。これ
は、図1に参照数字57で概略的に示されており、この
図ではライン48中の抽出液は工程57(工程16のよ
うな)で処理され、DOMが除かれ、次に53の箇所に
再導入される。白液も図1に示されるようにそこに添加
するが、実際のところ図1のスクリーン30〜33に関
連の各段階にて白液を(それぞれライン51〜54に)
添加することができる。
【0040】処理ブロック57に対する別の選択的処理
は−−図1には概略示してあるが−−黒液の圧熱処理で
ある。スクリーン32から「黒液」と考えてもよい液を
抜き出し、一部をライン48に抽出する。工程57の圧
力加熱は米国特許第4,929,307号明細書に記載
のように行われる。これを参考文献として本明細書中に
引用する。普通は、工程57では温度約170〜350
℃(好ましくは約190℃以上、例えば、約240℃)
の間に常圧より高い圧力で約5〜90分間(好ましくは
約30〜60分間)、かつ蒸解温度よりも少なくとも約
20℃高い温度にて黒液を加熱する。こうすると、DO
Mの顕著な不動態化が行われるので、ライン53に示さ
れるように黒液を戻すことができる。
【0041】図1の58の箇所に、抜き出し/抽出スク
リーン最後のセット33に関連して、概略示されている
処理工程は、工程16のようなものである。58のよう
な工程は、希釈液を添加する代わりに抽出が行われる蒸
解カン11のどの高さの箇所にも設けてもよく、除外し
てもよい。58の箇所にも白液を添加しても差し支えな
く、そうするといまやDOMが減少した液がライン54
へ戻されることになる。
【0042】処理された抽出液を用いるにせよ、希釈液
を用いるにせよ、本発明ではクラフト蒸解の実質的に全
工程(バルク脱リグニン)の間中、蒸解液の総DOM濃
度を100g/l以下、好ましくは約50g/l以下、
リグニン濃度を50g/l以下(好ましくは約25g/
l以下)、ヘミセルロース濃度を15g/l以下(好ま
しくは約10g/l以下)に維持するのが好ましい。商
業的な最適濃度は正確にはまだ知られておらず、蒸解す
べき樹種に依存して変わるものであろう。
【0043】図2ならびに3は本発明に適切な実際の実
験室試験の結果を示す。図2は、すべて同じ樹種の紙料
から調製された三種の異なるクラフト蒸解に対する引裂
−引張り曲線群を示す。引裂きファクターは固有繊維と
パルプ強度の尺度である。
【0044】図2において曲線Aは蒸解液として従来的
パルプ工場液サンプル(MCC(登録商標)商業的フル
スケールパルププロセスからのもの)を用いて調製され
たパルプである。曲線Bは、液サンプルが蒸解に用いら
れる前に1時間、常圧より高い圧力で、約190℃で加
熱されたことを除いて蒸解液が曲線Aのものと同じ蒸解
から得られたものである。曲線Cは、蒸解液として合成
白液を用いた蒸解で得られたものであり、合成白液は本
質的にDOMが含まれない(すなわち、50g/l未
満)ものであった。曲線Aと曲線Bに対する蒸解は、ア
ルカリ、温度(約160℃)、およびDOM分布とも液
サンプルが得られたフルスケールパルププロセスからの
ものと同一となるように行われた。曲線Cに対してはア
ルカリと温度分布とは曲線Aと曲線Bのものと同じであ
ったが、DOMは含まれていないものであった。
【0045】図2が明白に示すのは、クラフト蒸解の全
段階において低濃度DOM液がチップと接触する結果と
して11km引張りにおいて引裂き強度が約27%増加
するということである。黒液の圧力加熱を用いるDOM
の不動態化は、本発明の曲線Bに適切なものであるが、
これも標準曲線Aに比して相当な強度増大の結果とな
り、この場合11km引張りにおいて引裂き強度が約1
5%増加している。
【0046】図3は、本発明の蒸解と従来的クラフト蒸
解とを比較する実験室試験をさらに示すものである。曲
線D〜Gで示される蒸解は、同じ樹種紙料に対して、同
一アルカリと同一温度分布を用いたが、蒸解の全工程で
異なる濃度のDOMにて行われたものである。曲線Dに
対するDOM濃度は、標準MCC(登録商標)クラフト
蒸解(ミル液)からのものであり、一番高く、曲線Gに
対するDOM濃度は、一番低い(本質的にDOMを含ま
ない)ものであった。曲線Eに対するDOM濃度は曲線
Dに対するDOM濃度より約25%低く、一方曲線Fに
対するDOM濃度は曲線Dに対するDOM濃度より約5
0%低かった。分かるように、蒸解の全段階に存在する
DOMの量に反比例して引裂強度が相当に増加する。
【0047】本発明の蒸解は、他の条件は同一であるが
DOMが特に処理されない場合に較べて、少なくとも約
10%、好ましくは少なくとも約15%のパルプ強度
(例えば、完全精製パルプに対する特定の引張り、例え
ば、9kmまたは11kmにおける引裂き強度)の増大
を達成するために行われるのが好ましい。
【0048】図1に関して本発明は主に連続式のクラフ
ト蒸解に関して記載されているけれども、本発明の原理
は回分式のクラフト蒸解にも適用可能である。
【0049】図4には、ベロイトRDH(商標)回分式
蒸解プロセス、あるいはサンドスーパーバッチ(商標)
プロセスの実施に使用し得る従来的機器が略示されてい
る。図4に略示されているシステムには、抜き出しスク
リーン61を有する回分式蒸解カン60、チップ源6
2、第一、第二、第三蓄液器それぞれ63、64、6
5、白液源66、濾過液タンク67、ブロータンク6
8、および多くのバルブ機構(主バルブ機構は69の所
に略示されている)が備えられている。
【0050】ベロイトRDH(商標)プロセスに対する
典型的な従来的運転サイクルにおいては、チップ源62
から蒸解カン60にチップを充填し、所要のようにスチ
ームを吹き込む。次に蒸解カン60へ温かい黒液を供給
する。この温かい黒液は、硫化度が高く、アルカリ度は
低く、温度は約110〜125℃であるのが通常で、蓄
液器の一つ(例えば、63)から供給される。過剰な温
かい黒液は、液タンクへ流し、最終的には蒸発器へ送
り、次いで化学薬剤の回収の工程に送る。浸透後は、蒸
解カン60中の温かい黒液は蓄液器63へ戻し、次いで
蒸解カン60に熱い黒液と白液を満たす。熱い黒液は蓄
液器65から、熱い白液は蓄液器63から入れてよい
が、白液はもともとは液源66から来るものである。典
型的には白液は温度約155℃、熱い黒液は温度約15
0〜165℃である。蒸解カン60中のチップは、次い
で所定の時間、所望のHファクターを達成する温度で蒸
解され、次いで熱い液が濾過液と置換され、蓄液器65
へ直接送られる。濾過液はタンク67から供給される。
チップは、槽60からブロータンク68へ圧縮空気また
はポンプでコールドブローされる。
【0051】典型的なRDH(商標)プロセスを行う際
には、白液は、熱い黒液蓄液器からの液とともに連続的
に加熱され、次いで熱白液蓄液器64に貯蔵される。黒
液は、温かい弱黒液蓄液器63へ流れ、温かい黒液は熱
交換器を通過し、熱水を作り、常圧タンクに貯えられ、
その後蒸発器へポンプで送られる。
【0052】図4に関して、本発明と上記のプロセスと
の唯一の差は、黒液の加熱であり、それは、蓄液器65
中で直接行われ、黒液中のDOMの顕著な不動態化が行
われるようにすることができる。例えば、これは、黒液
を蒸解温度より少なくとも20℃高く、例えば、常圧よ
り高い圧力下で少なくとも170℃まで約5〜90分
間、好ましくは190℃以上(例えば、240℃)で約
5〜90分間加熱することによって達成される。
【0053】図4にはこの追加的加熱が71の箇所で行
われることが略示されている。熱は所望の熱源から供給
することができる。黒液のこの圧力加熱の際には、有機
硫黄化合物に富んだ排ガスが生成し、72の箇所に示さ
れるように抜き出される。典型的には、それ自体知られ
ているように、ライン72に生成されるDMS(ジメチ
ルサルファイド)はメタンと硫化水素に転化され、メタ
ンは補助燃料として(例えば、ライン71中の熱を供給
するために)使用することができる。一方、硫化水素
は、チップをパルプ化する前に源62の所でチップを予
備浸透するために使用することもでき、単体硫黄に転
化、除去したり、あるいはポリサルファイド生成に使用
することもでき、高硫化度液を生成するために白液に吸
収させたりなどもできる。蓄液器65での熱処理が蒸解
温度よりも約20〜40℃高い温度までならば、黒液を
クラフト蒸解の際の浸透を行うために用いることができ
る。
【0054】別法として、本発明の場合、図4の実施態
様において、バルブ機構69を、図1の工程16のよう
な処理工程に関連させて用い、回分式蒸解の際にスクリ
ーン61から抜き出され蒸解カン60へ循環される蒸解
液からDOMを除去することが可能である。
【0055】図5には、本発明の例示的な商業的(すな
わち、パルプ日量少なくとも8トン、例えば、8〜20
トンを製造する)回分式蒸解カンのシステム74が略示
されている。図5に示されるようなシステム74の実線
表示の態様の実験室規模版を用いて、図2に見られる曲
線Cを得たが、この方法は長年用いられてきたものであ
る。システム74には、回分式蒸解カン75、これに付
いている頂部76と底部77、頂部に付いているチップ
入口78並びに底部に付いている出口79、蒸解の際に
内部に形成されるチップ筒80が包含される。スクリー
ン81は内部のある高さの位置(例えば、底部77の近
く)に設けられ、抜き出しライン82とポンプ83へ接
続され、ポンプは加熱器84へ連なっている。加熱器8
4からは、加熱された液がライン85経由で蒸解カン7
5へ循環され、スクリーン81の高さとは異なる高さの
所(例えば、頂部76の近く)へ導入される。
【0056】加熱器84に入る前に、ライン82に抜き
出されたリグニンの相当な量(例えば、時間当たり液体
が3回転する量)がライン86に抽出される。この比較
的高濃度のDOMを含む液は、実質的にDOMを含まな
い液(ライン86の液に較べてDOM濃度が少なくとも
非常に少なくなった液)で87の所で置換される。87
の所で添加される実質的にDOMを含まない液に所望に
応じて変動するアルカリ濃度を持たせてることも可能で
あり、適当なクラフト蒸解を行わせる。アルカリ濃度を
いろいろ変えて用いると、回分式槽75でも連続クラフ
ト蒸解の模擬(シミュレーション)を行うことが可能で
ある。バルブ88、89を設けることによって、液流れ
を止めたり始めたり、図5の点線で示されるシステムを
用いて所望の処理を代理的または補助的に行うことがで
きる。
【0057】本発明に従えば、抽出と希釈ライン86、
87の代わりに、あるいはこれに補助的に、抽出された
液をDOMについて処理して、例えば、ライン90の高
DOM濃度液を処理工程91−−図1の工程16に同じ
ようなもの−−へ送ることによって、DOMおよびその
成分の所望の水準(例えば、DOM<50g/l、リグ
ニン<25g/l、およびヘミセルロース<10g/
l)を達成することが可能である。この工程ではDOM
またはその選択された成分が除去され、液中の濃度が大
幅に低減される。補給白液(図示せず)も添加すること
が可能で、液は加熱器92で再加熱され、次いで蒸解カ
ン75へライン93経由で戻される。ライン90及び9
3を用いる代わりに、ライン86及びに87を、図5に
点線のライン95、96で概略的に示されているよう
に、処理装置91へ接続させることができる。
【0058】本発明に従って達成することができる有利
な結果を示す他の実験室試験データは、図6〜図15に
示される。この実験室試験データでは、固定容積の木材
チップを含む槽に、加熱されたパルプ化液を順次循環す
ることによって連続蒸解カン操作を模擬する方法が用い
られた。連続蒸解カンの異なる段階の状態は、上記循環
に用いた時間、温度および化学薬剤濃度を変えてシミュ
レーションを行った。上記シミュレーションでは、実験
室蒸解において連続蒸解カンの対応する段階に達した時
には、実際の工場からの液が用いられた。
【0059】図6には、所要パルプ化条件(すなわち、
時間と温度)に対するパルプ化液のDOMを最小限に抑
えることの効果が示されている。図6は、工場からの黒
液と、ほとんどDOMを含まない白液とを用いる実験室
蒸解に対するカッパー数とHファクターとの関係を比較
するものである。図6に示される蒸解用に供された樹種
は、スギ、トウヒ、マツおよびツガが混じった典型的な
米国北西部の針葉樹材である。Hファクターは、蒸解の
時間と温度とを特性化して単一の変数とする標準パラメ
ーターであり、例えば、1965年版リドホルムパルプ
化プロセス618頁に記載がある。
【0060】図6の線98は、ミル液(工場(ミル)で
採取され、次いで実験室回分式蒸解カンで用いられた
液)を用いる実験室蒸解に対するカッパー数とHファク
ターとの関係を示すものである。低い方の線99は、実
験室で製造された、ほとんどDOMを含まない白液を用
いる実験室蒸解に対するカッパー数とHファクターとの
関係を示すものである。
【0061】線98と線99が示すのは、所与のカッパ
ー数に対しては、DOMが低いときにはHファクターが
格段に低いこと、例えば、図6のカッパー数30に対し
てはHファクターでは約100単位の違いがあるという
ことである。これが意味することは、化学薬剤使用量を
同じくする同一の紙料に対して、DOMが低い蒸解液を
用いると、従来的クラフト蒸解よりも苛酷度の小さい蒸
解(すなわち、時間が短く温度が低い)ですむというこ
とである。例えば、Hファクターに悪影響を及ぼす程の
水準のDOMを含む液を抽出し、Hファクターを顕著に
低減させるために、抽出された液の一部または全部を、
抽出された液よりも有効DOM水準が実質的に低い液で
置換することによって、所与のカッパー数を得るのにH
ファクターが少なくとも約5%減少するように諸ステッ
プを行うことが好ましく、またクラフト蒸解の大部分の
段階で有効DOM濃度を約50g/l以下に維持する諸
ステップが行われる。
【0062】図7に示されるように、本発明に従って低
減されたDOM濃度を用いる時、消費される有効アルカ
リ(EA)が低減される。EAは蒸解用の化学薬剤、特
にNaOHとNa2Sの量の尺度である。図7に得られ
た結果は、図6のものと同じ紙料を用いて得られ、グラ
フの二つの線100と101とは同じ条件で得られたも
のである。線100は、蒸解液が従来的なミル液である
時の結果を示し、一方、線101は、蒸解液がほとんど
DOMを含まない白液である時の結果を示す。カッパー
数30においては、従来的ミル液による蒸解に比して、
DOMを含まない液の場合約30%少ないアルカリ(原
木基準では5%少ないEA)が消費された。
【0063】したがって、特定のカッパー数に達するた
めに消費される有効アルカリの量に悪影響を及ぼす程の
水準のDOMを含む液を抽出し、抽出された液の一部ま
たは全部を、有効DOM水準が実質的に低い液で置換す
ることによって、特定のカッパー数に達するために消費
される有効アルカリの量を顕著に低減させることができ
る。例えば、特定のカッパー数に達するに要するアルカ
リ消費量を原木基準で少なくとも約0.5%(例えば、
原木基準で約4%)減少させることができる。
【0064】HファクターとEA消費の両者に関する有
利な結果が図6と図7に示されているが、これは抽出さ
れた比較的高DOM液を、水、実質的にDOMを含まな
い白液、圧熱処理された黒液、濾過液、およびこれらの
混合液で置換することによって達成することができる。
【0065】図8に示すのは、有効アルカリの消費量
が、実質的にDOMを含まない白液に対するミル液の百
分率に比してどう変わるかをさらにグラフ表示したもの
である。プロット曲線101が示すのは、同一の相対カ
ッパー数に対して有効アルカリ消費量は、ミル液の百分
率が減少するにつれて(すなわち、ほとんどDOMを含
まない白液が増加するにつれて)減少する。以下の表1
が示すのは、図8のプロット曲線101を作成するのに
用いられた実際の実験室試験結果である。
【0066】
【表1】
【0067】パルプ化液中のDOMを低減したり、無く
してしまうと、得られるパルプの漂白の際の容易性、す
なわち漂白性も改善される。
【0068】図9は実際の実験室試験結果を表すもの
で、漂白された、スギ−トウヒ−マツ−ツガ混合樹種パ
ルプの白色度が漂白薬剤使用量の増加とともにどのよう
に増加するかを示す。図9のグラフのX軸に示されるパ
ラメーターである「フルシーケンスカッパーファクタ
ー」とは、原料パルプのカッパー数に対する等価塩素使
用量の比である。すなわち、これは、褐色紙料(ブラウ
ンストック)パルプの初期リグニン含有量に対する塩素
使用量のある程度規準化された比である。従って図9は
パルプ白色度が使用漂白薬剤の量にいかに応答するかと
いうことを示す。
【0069】図9の曲線102、103、104および
105は、それぞれ、実質的にDOMを含まない白液
(102)、従来的ミル液(103)、ミル蒸解パルプ
(ミル液を使った実験室パルプではない)(104)、
および熱処理されたミル熱処理黒液(105)に関す
る。これらのグラフ表示が明白に示すのは、最良の漂白
性が達成されるのは、実質的にDOMを含まない白液を
蒸解液に使用する時であるということである。従って、
パルプの漂白性に悪影響を及ぼすに実質的に十分な水準
のDOMを含有している液を抽出し、この液の一部また
は全部を、当該抽出された液よりも有効DOMの水準が
格段に低い液で置換することによって、製造されたパル
プの漂白性を顕著に向上させることができ、例えば、特
定のフルシーケンスカッパーファクターにてISO白色
度を少なくとも一単位増加させることができる。
【0070】別言すれば、このデータの示すところは、
漂白薬剤を少なく用いても、特定のISO白色度が達成
できるということである。しかし、グラフ曲線105の
示すところは、熱処理された黒液によって脱リグニン性
を改良する(図2を参照)ことはできるけれども、残留
リグニンは容易には除去できない恐れがあるということ
である。従って、漂白性が優れることが望まれる場合
は、上記処理黒液を希釈液として使用するのは望ましく
ないかも知れない。この場合はむしろ水、実質的にDO
Mを含まない白液、および濾過液が(もちろんこれらの
混合液も)、希釈液としては、より好適であろう。しか
し、熱処理された液を、漂白を要しないパルプ、つまり
無漂白グレードのパルプに使用するには差し支えない。
【0071】前に議論されたように、パルプ化液中のD
OM濃度を低減すると、パルプ強度には最も劇的な効果
が生まれるように見える。これは、図10〜図14Bに
グラフで示されるデータによってさらに支持される。こ
のデータはすべて図6〜図9に関して上にて議論された
ように同じスギ−トウヒ−マツ−ツガの混合樹種に対す
るもので、このデータは、同じ蒸解条件では引裂き強度
はDOMの量が低下するにつれて顕著に増加するという
ことを示している。例えば、図10の示すところによる
と、ここに示される実験室蒸解に対して11kmにての
引裂き強度は、ミル液の量の減少(従って、実質的にD
OMを含まない白液の量の増加)につれて増加するとい
うことである(線106を参照)。図11中の線107
は、ミル液の百分率と600CSF(Canadian Standar
d Freeness、ろ水度)での引裂き強度との関係を示して
おり、当該図11は上記と同じ基本関係を示している。
【0072】以下の表2は、多くの蒸解液に関して行わ
れた実験室での蒸解に対する2種の引張り強度における
引裂き強度を示すもので、ミル製造のパルプに対する引
裂き強度も比較のために示している。表2の蒸解2と蒸
解3からのデータの示すところによれば、ミル液を用い
た実験室蒸解に比較して、実質的にDOMを含まない白
液を用いた実験室蒸解では、10km引張りで引裂きが
20%の増加であり、11km引張りで引裂きが12%
の増加である。表2の実験室蒸解4,5,6は、蒸解の
特定の部分におけるDOMを含まない液を、対応するミ
ル液で置換した場合の結果を示す。例えば、蒸解4にお
いては、塔底循環(BC)ラインからの液によって実験
室蒸解のBC段階にある実験室製造の液が置換されたも
のである。同様に蒸解5においては、BC蒸解ミル液と
修正蒸解(MC)ミル液とが実験室蒸解のBCおよびM
C段階で用いられ、一方、実質的にDOMを含まない液
は他の段階に用いられた。表2のデータが示すところ
は、DOMを最小限に抑えることが、蒸解の単に後半の
段階でなく、全ての段階において臨界的であり、図2お
よび図3に関して上に記載の分析を完全に支持するとい
うことである。
【0073】
【表2】
【0074】図12〜図14が示すのは、漂白パルプの
強度に対するDOMの影響である。図12のAは無漂白
パルプの引裂き強度と引張り強度を示し、線108は実
質的にDOMを含まない実験室液で製造されたパルプを
示し、線109は圧熱処理された黒液からのもので、線
110は従来的ミル液からのものである。図12のB
は、図12のAにグラフ表示されたパルプを実験室漂白
シーケンスDEoD(nD)を用いて漂白した後の、引
裂き対引張りの関係を示す。線111は、実質的にDO
Mを含まない白液で製造されたパルプを漂白したパルプ
で、線112は圧熱処理されたミル液で製造されたパル
プで、線113は従来的ミル液で製造されたパルプを漂
白したパルプで、一方、比較のために、線114は蒸解
カンから取り出し、漂白した後のパルプの強度を示す。
図12のBが示すのは、実質的にDOMを含まないで蒸
解されたパルプはミル液パルプよりも強度が大きいばか
りでなく、この相対的強度が漂白後も維持されるという
ことである。熱処理された液で蒸解されたパルプも、ミ
ル液で蒸解されたパルプよりも漂白後に高強度を維持す
るが、漂白後の強度差はほんの僅かである。
【0075】図13に示すのは、図12と同じ蒸解/漂
白の試験結果であるが、ここでは引裂きファクターのみ
をカナダ標準ろ水度(CSF)に対して表わしたもので
ある。線115は、実質的にDOMを含まないパルプ
で、線116は圧熱処理されたミル液で製造されたパル
プで、線117はミル液で製造されたパルプで、線11
8は漂白された、実質的にDOMを含まない液で製造さ
れたパルプで、線119は圧熱処理されたミル液で製造
されたパルプを漂白したパルプで、線120はミル液で
製造されたパルプを漂白したパルプで、線121はミル
デッカーから取り出されたものである。
【0076】図14は、図12と同じ蒸解/漂白の結果
であるが、ここでは引張り対ろ水度のみを表わしたもの
である。線122はミル液で製造されたパルプで、線1
23は圧熱処理されたミル液で製造されたパルプで、線
124は、実質的にDOMを含まない液で製造されたパ
ルプで、線125はミル液で製造されたパルプを漂白し
たパルプで、線126は、実質的にDOMを含まない液
で製造されたパルプを漂白したパルプで、線127はデ
ッカーの所のもので、そして線128は圧熱処理された
ミル液で製造されたパルプを漂白したパルプに対するも
のである。図14が示すのは、圧熱処理されたミル液で
製造されたパルプと、実質的にDOMを含まない液で製
造されたパルプとは両者とも引張り強度が減少するとい
うことであるが、図14のBが示すことによると、漂白
を行うと、熱処理されたミル液で製造されたパルプの相
対的引張り強度は、DOMを含まない液で製造されたパ
ルプのそれよりも小さくなるのである。また、上記のよ
うに、熱処理された液によるプロセスは、無漂白のパル
プには適していると考えられる。
【0077】上記の実験室蒸解工程は、カミヤー社MC
C(登録商標)連続蒸解カンのパルプ化シーケンスをす
べて模擬したものであった。各実験室蒸解段階には、対
応する浸透段階、並流蒸解段階、向流MCC(登録商
標)蒸解段階、および向流洗浄段階がある。実際の液分
析に基づいた典型的DOM濃度は、3種の液源を用いる
実験室蒸解について図15に示される。線130はミル
液に対するもので、線131はミル液50%と実質的に
DOMを含まない実験室白液50%に対するもので、×
印の132は、実質的にDOMを含まない実験室白液1
00%に対するものである。
【0078】図15では、時間=0、つまり浸透の始め
では使用実験室液はすべてDOMを含まないものであっ
た。これがなされたのは、工場で蒸解の際のこの段階で
は液を採取する信頼性のある方法が存在しなかったから
である。従って、浸透の終期でのミル液並びに50/5
0液の蒸解の際のDOM濃度は、以上の一組のデータで
期待されるものより低い筈であるので、より代表し得る
濃度を外挿して求めて図15に括弧して示す。図15で
示そうとするのは、蒸解の全段階において各濃度がいか
に首尾一貫した傾向を示すかということで、濃度は抽出
段階に至るまで次第に増加し、次いで向流のMCC(登
録商標)と洗浄段階の間は次第に減少している。もちろ
ん、実質的にDOMを含まない液源を用いても、蒸解が
進むにつれてDOMは液に混じり込むものである。
【0079】図16には、本発明の教示を利用し、増加
した強度を有するパルプを製造する例示的連続蒸解カン
のシステム133が示される。システム133には従来
的な二槽式のカミヤー社連続蒸解カン(MCC(登録商
標)蒸解が行われる)が備えられる。浸透槽は図16に
示されないが、連続蒸解カン134は示されている。図
16は、本発明の低濃度DOM蒸解プロセスを行うため
に従来的MCC(登録商標)蒸解カン134を改装した
ものを示す。
【0080】蒸解カン134にはその頂部に入口13
5、その底部に製造されたパルプ用の出口136が備え
られる。細砕されたセルロース繊維材(砕木チップ)ス
ラリーをライン137中の浸透槽から上記入口135へ
供給する。導入されたスラリーの一部は、頂部スクリー
ンアセンブリ138でライン139中に抜き出され、抜
き出された液はBC加熱器と浸透槽とへ返送される。
【0081】頂部スクリーンアセンブリ138の下には
抽出スクリーンアセンブリ140があり、これにはライ
ン141が備えられ、これは第一フラッシュタンク14
2(典型的には一連の複数のフラッシュタンクからな
る)へ連なっている。抽出スクリーンアセンブリ140
の下には蒸解スクリーンアセンブリ143があり、これ
には二本のラインが延びて備えられ、そのラインの一つ
144は抽出用で(ライン141へ合流する)、他のラ
イン145はポンプ145’に連なる。バルブ146を
ライン144と145との間に設けることができ、各ラ
インを通過する液の量を変化させる。ライン145の液
は、加熱器147とライン148を通過し、蒸解スクリ
ーンアセンブリ143の高さ近くに開口しているパイプ
151を経由して蒸解カン134の内部に戻る。分岐ラ
イン149も、抽出スクリーン140の高さ近くでパイ
プ150中に循環液を導入することができる。
【0082】蒸解スクリーンアセンブリ143の下には
洗浄スクリーンアセンブリ152があり、これにはポン
プ154に連なる抜き出しライン153が付いており、
液を加熱器155経由でライン156へ送り、スクリー
ン152の高さの近くのパイプ157経由で蒸解カン1
34の内部に液を戻す。
【0083】システム133に対し、現在、工場は蒸解
カンの生産速度を設計した速度を超えて増加させたが、
現在のところ生産は抽出できる液の容量によって制限さ
れている。この制限を、図16に具体的に示されている
ように、本発明の技法を用いてうまく回避・解決するこ
とができる。ライン141中の抽出液の量が制限されて
いるので、ライン144からも抽出液を供給することに
よって本発明に従ってこれを増量することにする。
【0084】例えば、抽出液の流量は、本発明を使え
ば、パルプ1トン当たり液約2トンとなろう。つまると
ころ、ライン144に抽出されたパルプ1トン当たり1
トンの液は、液源158からの希釈液(洗浄液)で置き
換えられる。これが図16で達成されるのは、液源15
8からの洗浄液(例えば、濾過水)をポンプ159と、
バルブ160経由で流すことによる。
【0085】洗浄液の大部分(例えば、パルプ1トン当
たり液1.5トン)はライン161に導入され、蒸解カ
ンの底部に送られ、一方、残り(例えば、パルプ1トン
当たり液1トン)はライン162に入り、さらにライン
145に入り、希釈液となる。また、液源163からの
実質的にDOMを含まない白液をライン164へ添加
し、次いで加熱器147の前にライン145へ流し、パ
イプ150および/または151を通して蒸解カンへ再
循環することができる。もちろん、EMCC(登録商
標)蒸解を行うために、ライン153中の洗浄循環に白
液を添加する(ライン165を参照)こともできる。流
れの矢印166は、蒸解カン134中の並流ゾーンを示
す。図16に示される修正の結果として、MCC(登録
商標)蒸解ゾーン167中の向流には、よりきれいな、
DOMが低減された液が含まれることになり、その結果
パルプ強度が改良され、この場合蒸解カン134の生産
速度も増加する。DOM濃度に対する図16に図示の修
正の効果は、カミヤー社の連続蒸解カンのコンピュータ
ダイナミックモデルを用いて検討された。この理論的検
討の予備的結果は図17に概略的に示されている。
【0086】図17は、従来的MCC(登録商標)蒸解
カンのDOM濃度の変化を図16に図示の蒸解カンと比
較するものである。従来的MCC(登録商標)蒸解カン
による結果は線168で示され、図16の蒸解カンによ
る結果は169で示される。図17に見られるように、
スクリーンアセンブリ143におけるDOM濃度は、D
OMが低減された希釈液を添加すると劇的に低下し、ま
た抽出スクリーンアセンブリ140に戻る向流中のDO
M濃度も低減する。さらに、下方に流れる、向流の洗浄
液もDOMを少量しか含まない。パルプと共に同伴され
るDOMが少ないからである。グラフの線170,17
1、および線168,169の一部が示すのは、向流蒸
解ゾーンにおいてはDOMは常に流れの方向に増加す
る。すなわち、向流は、下向きに流れるチップの塊を通
過して流れるにつれてDOMを蒸解し、蓄積していく。
【0087】従って図16と図17とが示すのは、ただ
一つの抽出と希釈でも連続蒸解カンのDOM分布に劇的
なインパクトを与えるということで、このようにしてD
OMが低減されると、これに対応して得られるパルプ強
度に劇的な効果が与えられる。
【0088】図18には、本発明による別のミル変形を
行う技法が示される。これにも、二槽型加圧式蒸解カン
の一部である蒸解カン134が示される。図16と図1
8とに示される構成部品の多くは同じであるので、これ
らは同じ参照数字で示すものとする。一から他への修正
点だけを詳細に説明しよう。
【0089】図18の態様では、より劇的なDOMの低
減が行われることになる。この態様では、スクリーン1
40とスクリーン143とは図16の態様に比較して逆
転された位置になる。そして、別のスクリーンアセンブ
リ173もスクリーンアセンブリ138と143との間
に設けられる。スクリーンアセンブリ173は、調整ス
クリーンアセンブリであり、本発明ではこのアセンブリ
からの抜き出し導管174によってフラッシュタンク1
42への抽出が行われる。図18の態様では、特定的な
運転の一例として、パルプ1トン当たり2トンの液がラ
イン174へ抽出され、パルプ1トン当たり4トンの液
がライン141へ抽出される。希釈液はライン162へ
添加され、実質的にDOMを含まない白液がライン16
4へ添加される。こうすると、図18に示される流れ1
76、177が起こり、従って蒸解カン134は並流、
向流、並流、向流という特徴を示す(これは、交互流連
続蒸解と呼ぶことが可能である)。
【0090】図19は本発明の別の蒸解カンシステム1
79を示す。この二槽システムにおいては浸透槽も示
し、その頂部に入口181、底部に出口182を備えて
いる。183に抜き出された液は従来的高圧フィーダー
に再循環され、一方、白液が184のところに添加され
る。185のところに抜き出された液は第一フラッシュ
タンク186と第二フラッシュタンク187の間にある
導入ポイントに送ることも差し支えない。ライン182
からのスラリーは、「静め井」構造190を有する蒸解
カン189の頂部へ188のところで導入され、液はそ
こから191へ抜き出され、浸透槽180へ再び循環さ
れる。該液は加熱器192で再循環中に加熱される。
【0091】蒸解カン189にも調整スクリーンアセン
ブリ194が備えられており、そこからの抜き出し19
5はこの場合ライン191の循環液に合流する。蒸解ス
クリーンアセンブリ196は調整スクリーンアセンブリ
194の下に備えられ、液はライン197に抜き出さ
れ、バルブ198を経由してライン199へ入り、選択
的ではあるが液の一部はバルブ198から分かれてライ
ン200を通り、フラッシュタンク186へ向かう。ラ
イン199中の液は、より低濃度のDOM液、例えば、
実質的にDOMを含まない白液201や濾過液202で
希釈され、その後加熱器203を通り、スクリーンアセ
ンブリ196の高さ近くの導管204によって蒸解カン
189に再導入される。
【0092】抽出スクリーンアセンブリ206には抜き
出しライン207が備えられ、そこからフラッシュタン
ク186へ連なる。洗浄スクリーンアセンブリ208に
は再循環ライン209が備えられているが、そこには白
液210を添加することが可能で、その後加熱器211
を通り、洗浄スクリーンアセンブリ208の高さ近くの
導管212によって再導入される。濾過液を供給する洗
浄液は213のところで添加され、一方、製造されたパ
ルプはライン193に抜き出される。
【0093】システム179はライン197からバルブ
198を経由して導管200へ抽出する可能性を有して
いることに留意されたい。濾過液の形の希釈液も好まし
くは214のところでライン182へ添加され、一方、
実質的にDOMを含まない白液は214´のところへ添
加される。
【0094】図20は、本発明の教示に従って修正され
る単槽型加圧式蒸解カンを示すが、この修正された蒸解
カンも従来のように二組の蒸解スクリーンを備えてい
る。この配置により、抽出/希釈の導入を二つ以上の箇
所で行う可能性を増している。
【0095】単槽型加圧式蒸解カンのシステム215に
は、チップビン216と,スチーム処理槽217と、高
圧移送装置(フィーダー)218と、セルロース繊維材
スラリーを連続蒸解カン221の頂部220に添加する
ライン219と、蒸解カン221の底部の製造されたパ
ルプ用の抜き出し口222との従来的構成部品が備えら
れている。液の一部はライン223に抜き出され、高圧
フィーダー218に戻されて、再循環される。蒸解スク
リーンはライン223の下に備えられ、例えば、第一蒸
解スクリーンアセンブリ224や第二蒸解スクリーンア
センブリ225である。
【0096】第一蒸解スクリーンアセンブリ224に関
連しているのは、第一蒸解スクリーンアセンブリ224
から蒸解カン221の内部へ液の第一部分を再循環する
第一手段で、これに含まれるのは、ライン226、ポン
プ227、および加熱器228で、再導入導管229は
スクリーンアセンブリ224の高さ近くに位置する。抽
出液がライン231へ入るようにバルブ230を加熱器
228の前に設けることも差し支えなく、一方、希釈
液、例えば、白液(例えば、使用全白液の10%)は、
加熱器228の直前で導管232から加えられる。
【0097】抜き出し液のうちの一部は再循環させ、他
は抽出する第二手段が第二蒸解スクリーンアセンブリ2
25に設けられる。この第二システムには導管235
と、ポンプ236と、加熱器237と、バルブ238
と、再導入導管239とが備えられる。液の一部は導管
242中の希釈液で増量され、一方、白液の形の希釈液
はライン241に添加される。また一方、液の一部はラ
イン240に抽出される。このようにDOM濃度はスク
リーンアセンブリ224、225の近くの蒸解ゾーンで
非常に低減される。
【0098】第二蒸解スクリーンアセンブリ225の下
に位置しているのは抽出スクリーンアセンブリ245で
あり、導管246がついており、この導管はそこからバ
ルブ247まで延びている。バルブ247からは分岐の
一つ248が回収システムの第一フラッシュタンク24
9へ行き、これには普通第二フラッシュタンク250が
その後に控えている。ライン246の液の一部はバルブ
247を回すことによってライン251に再循環するこ
とができる。
【0099】蒸解カン221にはさらに、抽出スクリー
ンアセンブリ245の下に位置している第三スクリーン
アセンブリ253が備えられ、これにはバルブ254が
付いており、抜き出し導管255と抽出導管256とに
分岐している。すなわち、バルブ247、254の状態
次第で、液はライン246からライン255へ、または
ライン256からライン248へと流れることができ
る。
【0100】ライン255は、第三スクリーンアセンブ
リ253の高さの近くのところで、ポンプ257によっ
て加熱器260および戻し導管261に接続されてい
る。希釈液は、加熱器260の前でライン255に添加
され、白液(例えば、蒸解に使用される白液の約15
%)がライン258経由で添加され、そして液源243
からの希釈液、例えば、洗浄濾過液がライン259経由
で添加される。
【0101】蒸解カン221にはまた洗浄スクリーンア
センブリ263が備えられ、これには抜き出し導管26
4が含まれ、そこには液源233からの白液を(例え
ば、プロセス用の全白液の約15%だけ)ライン265
経由で添加することができる。ポンプ266と、加熱器
267と、抜き出された液をスクリーンアセンブリ26
3の高さ近くに再導入するための戻し導管268も設け
られる。洗浄濾過液も、スクリーンアセンブリ263の
下に、洗浄濾過液の源243に接続されている導管26
9によって添加される。
【0102】本発明の例示的運転の一つにおいては、チ
ップが高圧移送装置218で送られ、ライン219へ送
り込まれるが、パルプの処理に使われる白液の55%が
ライン271に添加されて上記のチップに浸透させられ
る。上記白液の5%はライン272経由で高圧フィーダ
ー218へ添加され、ライン232および241に合わ
せて10%(例えば、各々5%ずつ)が添加され、そし
てライン258と265とへはそれぞれ15%が添加さ
れる。図20の単槽型加圧式連続蒸解カンアセンブリ2
15を用いて、DOMの低濃度が維持されるが、さらに
他の運転モードがたくさんある。例えば、各々以下の少
なくとも三つの運転モードがある。
【0103】(A)底部蒸解スクリーンに抽出/希釈手
段が付いている拡張修正連続蒸解法 このモードでは、蒸解カン221はライン246での従
来的抽出と、拡張修正連続蒸解とで操作され、白液は2
32、258、265へ添加される。抽出はライン24
0でも起こり、対応する希釈液は洗浄濾過液243から
242の所に添加される。その結果DOMが低減された
液が、抽出スクリーンアセンブリ245と底部蒸解スク
リーンアセンブリ225(第二スクリーンアセンブリ2
25)との間で向流か並流の状態で流れる。流れが向流
になるか並流になるかは、240、246の所の抽出量
の値に支配される。
【0104】(B)修正連続蒸解循環に抽出/希釈手段
が付いている拡張修正連続蒸解法 このモードでは、丁度(A)に関連して記載の流れはす
べて用いられるが、さらに抽出がライン256で行わ
れ、バルブ247、254が制御され、第三スクリーン
アセンブリ253(修正連続蒸解スクリーンアセンブ
リ)から液の一部をライン248へ送るようにする。こ
の抽出液を補給するための希釈液は、259のところに
添加され、結果としてさらに別のDOM低減液の向流液
流れがスクリーンアセンブリ245、253の間に生ず
る。
【0105】(C)上部蒸解スクリーンにおける置換浸
透並びに抽出・希釈法 このモードは、単独でも用いられるが、従来的修正連続
蒸解プロセスと一緒に、または上記のモード(A)およ
びモード(B)に追加して用いることができる。このモ
ードにはバルブ230の制御下に行われる、ライン23
1で示されるような上部スクリーンアセンブリ224
(第一スクリーンアセンブリ224)での抽出と、ライ
ン232での白液による希釈とが含まれる。追加的な希
釈もライン259から行われる(図20には図示せ
ず)。この結果、置換浸透が行われるが、これは、蒸解
カンへの入口のところでの向流が抽出によって誘起され
るのではなく、入ってくるチップに伴われる液の量によ
って起こるものである。チップに伴われる液の量が少な
いと、加圧満液状態の蒸解カン221において希釈液が
強制的に入口220へ逆流し、その結果として、DOM
が低減された液の向流が生じる。図20に示されるシス
テム215は、上に記載のモードA〜Cに限定されるも
のではなく、これらのモードは、強度が増加したパルプ
を製造するために本発明の低DOM原理をその流れに適
用することができる無数の修正された形の中の数例にす
ぎない。
【0106】図16および図18〜図20の態様はすべ
て既存の工場に後から取り付けられ得るものであること
に注目されたい。多彩な機器の用い方の正確な詳細は、
本技術が採用される特定の工場に依存しよう。すべて
は、低減されたDOMの上記の利点、例えば、強度の向
上、漂白性の向上、有効アルカリの消費量の低減、およ
び/またはHファクターの低減など、を享受する結果と
なろう。これは、図19の構成に対して、図21〜図2
5に最も明らかに証明されている。図19において、1
85は第一抽出、200は第二抽出、207は第三抽
出、214は第一希釈、202は第二希釈、そして21
3は第三希釈と考えられる。
【0107】図21は、標準EMCC(登録商標)蒸解
と、拡張並流蒸解付きの図19のシステムを用いる本発
明の同様な蒸解とに対するDOM分布のコンピュータシ
ミュレーション比較を示す。標準EMCC(登録商標)
蒸解においては、抽出は従来的抽出スクリーンから行わ
れ、白液は従来的蒸解循環と洗浄循環に添加され、蒸解
カンの頂部から従来的抽出スクリーンへの液は並流であ
り、蒸解カンの残部に対する流れは向流である。図19
の拡張並流モードに従えば、第三抽出207が主抽出
で、並流蒸解がずっとスクリーンアセンブリ206まで
起こる。図21は従来的EMCC(登録商標)蒸解をグ
ラフの線275で示し、そして拡張並流蒸解モードによ
る蒸解をグラフの線276で示す。図21をもたらした
コンピュータモデルでは、処理トンは1200ADMT
/Dで、白液の分布は浸透184に60%、BCライン
214’に5%、MCC(登録商標)循環201に15
%、そして洗浄循環210に30%であった。213の
ところで、パルプ1トン当たり1.5トンの洗浄装置濾
過液が向流のための液として添加された。
【0108】図21からよく分かるように、DOMの濃
度は始め蒸解ゾーンで低減されるけれども、当該DOM
濃度は向流段階ではより大きい。したがって、拡張並流
蒸解(276)のこの形ではDOM濃度の改良はほとん
どなされない。コンピュータモデルはある程度は限界が
あるが、図21の示すのは、DOM濃度を蒸解の全期間
にわたって変えることができるということである。図2
2は、図19の201のところで白液を、202のとこ
ろで低濃度DOM液を添加することの理論的効果を示
す。図22にて、パルプ洗浄装置濾過液1トン当たり液
1.0トンを、0.6トン/トンパルプ(t/tp)の
白液とともに202のところに添加する。対応する液の
流れ1.6t/tpは200のところで抽出される。グ
ラフの線277で見られるように、図21中のグラフの
線276に対比して、得られるDOM濃度はスクリーン
196,206の間で劇的に低下する。
【0109】図23は、202および213のところで
希釈のために添加される洗浄装置濾過液の配分を変えた
ときの効果を示す。この場合、洗浄装置濾過液の全量
(1.5+1.0=2.5t/tp)が213のところ
と202のところに分けて添加される。グラフの線27
8は希釈液の1/3を202のところに添加し、線27
9はその1/2を202のところに添加し、線280は
その2/3を202のところに(残りは、いずれの場合
も213のところに)添加した場合のシミュレーション
を示す。したがって、DOMの分布は希釈液の流れが変
化するにつれて顕著に変化することが明白であり、蒸解
ゾーンに添加される希釈液が多ければ多いほどDOMが
そこでは減少する(洗浄ゾーンでは増加するが)。
【0110】図24は、200のところでの抽出量を変
える理論的効果を示す。グラフの線281は、200の
ところでの抽出量が1.35t/tpである場合のDO
M分布を予測するもので、線282は、200のところ
での抽出量が1.85t/tpの場合、そして線283
は、200のところでの抽出量が2.6t/tpの場合
である。各々の場合、全量で2.5t/tpの希釈液が
202と213との間で平均に分割され、さらに0.6
t/tpの白液が201のところに添加される。図24
が明白に示すのは、蒸解ゾーンの理論的DOM濃度は2
00の所の抽出量が増加するにつれて減少し、向流ゾー
ン全体では本質的には変化しないということである。し
たがって、この抽出量を変えて、DOM分布を大幅には
変えないで抽出ースクリーンの圧力降下を許容すること
ができる。
【0111】図25は、希釈付きの拡張並流蒸解を採用
しながら向流浸透のゾーンを作りだすために185のと
ころ(浸透槽180の頂部)から抽出することの効果を
示すものである。この場合、参考並流浸透槽データは図
22に示されるものと同一である。抽出液の流れ185
は1.1t/tpであり、抽出された液は、洗浄装置濾
過液によってではなく、184のところで白液で置換さ
れる。図21〜図24の前のモデルでは、白液の60%
が184のところで、5%が214’のところで添加さ
れたが、図25ではこれらは逆にされた。つまり、5%
が184のところで、60%が214’のところで添加
された。
【0112】グラフの線284は並流浸透槽流に対する
結果を示し、一方、線285は向流(214’のところ
で白液が60%)に対する結果を示す。したがって、こ
れが証明することは、理論的DOM濃度は槽180中と
蒸解ゾーン中との双方で減少し、向流蒸解ゾーン中と同
等である。したがって、DOMを低濃度とすることは、
蒸解カン189中の抽出/希釈操作に加えて槽180中
の抽出によって可能となる。
【0113】したがって、明らかになることは、本発明
に従えば、クラフト蒸解のどの部分においてもDOMを
除去し、最小限化し(例えば、希釈で)、または不動態
化することによってクラフトパルプの強度を向上させ、
および/または他のパルプあるいはプロセスパラメータ
ーを向上させる方法および装置が提供されたことであ
る。本発明については、最も実際的でかつ好ましい態様
であると現在考えられたものを本明細書に示し、かつ説
明したものであるので、多くの部分的改変点が本発明の
範囲内で当業者には明らかになろう。従って、本発明の
特許請求の範囲については、すべての等価の構造、方
法、および製品を含むように最も広く解釈すべきであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の例示的方法を行う、本発明の連続クラ
フト蒸解装置の例示的態様の概略図である。
【図2】本発明に従って製造されたパルプの強度をグラ
フ表示したもので、本発明を用いないことを除いて同じ
条件で製造されたクラフトパルプと比較するものであ
る。
【図3】本発明に従って製造されたパルプの強度をグラ
フ表示したもので、本発明を用いないことを除いて同じ
条件で製造されたクラフトパルプと比較するものであ
る。
【図4】本発明の回分式クラフト蒸解の改良法を実施す
る例示的装置の概略図である。
【図5】本発明の蒸解カンの例示的回分式蒸解カンの別
の態様の概略側面図である。
【図6】本発明に従って製造されたパルプのHファクタ
ーをグラフ表示したもので、本発明を用いないことを除
いて同じ条件で製造されたクラフトパルプと比較するも
のである。
【図7】本発明に従ってパルプを製造する際の有効アル
カリ消費量をグラフ表示したもので、本発明を用いない
ことを除いて同じ条件で製造されたパルプと比較するも
のである。
【図8】有効アルカリ消費量対ミル蒸解液%をグラフ表
示したもので、DOMを含まない液と比較するものであ
る。
【図9】本発明に従って製造されたパルプの白色度応答
を比較するグラフ表示であり、本発明を用いないことを
除いて同じ条件で製造されたクラフトパルプと比較する
ものである。
【図10】本発明に従って製造されたパルプの強度面を
さらにグラフ表示するものである。
【図11】本発明に従って製造されたパルプの強度面を
さらにグラフ表示するものである。
【図12】本発明に従って製造されたパルプの強度面を
さらにグラフ表示するものである。本発明を用いないこ
とを除いて同じ条件で製造されたクラフトパルプとの比
較がなされている。
【図13】本発明に従って製造されたパルプの強度面を
さらにグラフ表示するものである。
【図14】本発明に従って製造されたパルプの強度面を
さらにグラフ表示するものである。
【図15】蒸解の際の各種段階での異なる液源について
の実験室的蒸解に対する実液分析に基づいたDOM濃度
をグラフ表示するものである。
【図16】本発明を実施するための二槽型加圧式蒸解シ
ステムの例示的蒸解カンの概略図である。
【図17】従来型MCC(登録商標)蒸解カン中のDO
M濃度を比較する理論的検討をグラフ表示するもので、
図16の蒸解カンと比較するものである。
【図18】本発明の他の例示的蒸解カンの概略図であ
る。
【図19】本発明の他の例示的蒸解カンの概略図であ
る。
【図20】本発明の他の例示的蒸解カンの概略図であ
る。
【図21】図19の蒸解カンを用いて希釈および抽出パ
ラメーターを変化させる理論的検討をグラフ表示するも
のである。
【図22】図19の蒸解カンを用いて希釈および抽出パ
ラメーターを変化させる理論的検討をグラフ表示するも
のである。
【図23】図19の蒸解カンを用いて希釈および抽出パ
ラメーターを変化させる理論的検討をグラフ表示するも
のである。
【図24】図19の蒸解カンを用いて希釈および抽出パ
ラメーターを変化させる理論的検討をグラフ表示するも
のである。
【図25】図19の蒸解カンを用いて希釈および抽出パ
ラメーターを変化させる理論的検討をグラフ表示するも
のである。
【符号の説明】
10 浸透槽 11 従来的独立連続蒸解カン 14 ポンプ 14’ ポンプ 15 ライン 16 工程 18 従来的スクリーン 19 ポンプ 25 加熱器 30 スクリーン第一セット 31 スクリーン第二セット 32 抜き出しスクリーン第三セット 33 抜き出しスクリーン第四セット 34 ポンプ 35 ポンプ 36 ポンプ 37 ポンプ 42 加熱器 43 加熱器 44 加熱器 45 加熱器 50 フラッシュタンク 57 工程 60 回分式蒸解カン 61 抜き出しスクリーン 62 チップ源 63 第一蓄液器 64 第二蓄液器 65 第三蓄液器 66 白液源 67 濾過液タンク 68 ブロータンク 69 バルブ機構 74 回分式蒸解カンのシステム 75 回分式蒸解カン 76 頂部 77 底部 78 チップ入口 79 出口 80 チップ筒 81 スクリーン 82 抜き出しライン 83 ポンプ 84 加熱器 91 処理工程 101 プロット曲線 133 例示的連続蒸解カンのシステム 134 連続蒸解カン 135 入口 136 出口 138 頂部スクリーンアセンブリ 140 抽出スクリーンアセンブリ 142 第一フラッシュタンク 143 蒸解スクリーンアセンブリ 145’ ポンプ 146 バルブ 147 加熱器 152 洗浄スクリーンアセンブリ 153 抜き出しライン 154 ポンプ 155 加熱器 158 液源 163 液源 166 流れの矢印 167 蒸解ゾーン 173 スクリーンアセンブリ 179 蒸解カンシステム 180 浸透槽 181 入口 182 出口 183 従来的高圧フィーダー 186 第一フラッシュタンク 187 第二フラッシュタンク 189 蒸解カン 192 加熱器 194 調整スクリーンアセンブリ 196 蒸解スクリーンアセンブリ 201 白液 202 濾過液 203 加熱器 206 抽出スクリーンアセンブリ 208 洗浄スクリーンアセンブリ 210 白液 211 加熱器 212 導管 215 単槽型加圧式蒸解カンのシステム 216 チップビン 217 スチーム処理槽 218 高圧移送装置(フィーダー) 220 頂部 221 連続蒸解カン 222 パルプ用の抜き出し口 224 第一蒸解スクリーンアセンブリ 225 第二蒸解スクリーンアセンブリ 227 ポンプ 228 加熱器 229 再導入導管 233 液源 236 ポンプ 237 加熱器 239 再導入導管 243 液源 245 抽出スクリーンアセンブリ 248 分岐部 249 回収システムの第一フラッシュタンク 250 第二フラッシュタンク 253 第三スクリーンアセンブリ 257 ポンプ 260 加熱器 263 洗浄スクリーンアセンブリ 264 抜き出し導管 266 ポンプ 267 加熱器 268 戻し導管 269 導管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェイ ロバート プロウ アメリカ合衆国、12804 ニューヨーク州、 クウィーンズベリー、ヘインリックサーク ル 17番地 (72)発明者 リチャード オウ ラクソ アメリカ合衆国、12804 ニューヨーク州、 クウィーンズベリー、オークウッドドライ ブ 22番地 (72)発明者 ジョセフ アール フィリップス アメリカ合衆国、12804 ニューヨーク州 クウィーンズベリー、バンコート 4番 地 (72)発明者 ロルフ シー リハム アメリカ合衆国、30077 ジョージア州 ロズウェル、マンセルコート 30番地 (72)発明者 ジャン ティー リチャードセン アメリカ合衆国、12801 ニューヨーク州 グレンス フォールス、リッジセンター (番地なし) アールストローム マシー ナリー インコーポレーテッド内 (72)発明者 アール フレッド チャッセ アメリカ合衆国、12804 ニューヨーク州 クウィーンズベリー、ジェントリーレー ン 6番地

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頂部、底部、細砕セルロース繊維材用の
    頂部に設けられた入口、蒸解されたパルプ用の底部に設
    けられた出口、頂部スクリーンアセンブリ、頂部スクリ
    ーンアセンブリの下に設けられた抽出スクリーン、およ
    び抽出スクリーンアセンブリの下に設けられた蒸解スク
    リーンアセンブリを備えた連続式蒸解カンを用いてクラ
    フトパルプを製造する方法において、 a)蒸解すべきセルロース材のスラリーを入口へ導入
    し、 b)頂部スクリーンアセンブリにおいてセルロース材の
    スラリーから液を少し抜き出し、 c)抽出スクリーンから黒液を抽出し、 d)蒸解スクリーンから液を抽出し、これを少なくとも
    第一部分と第二部分に分割し、 e)第一部分を回収に送り、 f)溶解有機物を低濃度に含有する液を第二部分に増分
    し、増分された第二部分とし、 g)増分された第二部分を、蒸解スクリーンアセンブリ
    の箇所の概略位置で蒸解カンの内部へ再循環する、 諸ステップを含むクラフトパルプ製造方法。
  2. 【請求項2】 ステップ(f)が、溶解有機物を低濃度
    に含有する白液を、増分された第二部分へ少なくとも部
    分的に添加することによって行われることを特徴とする
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ステップ(d)が、パルプ単位トン当た
    り約2トンの液を抜き出し、第一部分と第二部分とを実
    質的に等量とするように行われ、ステップ(f)が、パ
    ルプ単位トン当たり約1トンの溶解有機物を低濃度に含
    有する洗浄液を、溶解有機物を低濃度に含有する白液少
    しと一緒に、第二部分に添加するように行われることを
    特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 蒸解が蒸解カンで行われ、ステップ
    (a)〜(g)が蒸解の前または蒸解の初期に行われる
    ことを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 蒸解カンで少なくとも一個のスクリーン
    アセンブリを用いて化学セルロースパルプを連続的に製
    造する方法において、 a)第一方向の溶解有機物を第一濃度に含有する細砕セ
    ルロース繊維材のスラリー液をスクリーンアセンブリの
    方向へ、スクリーンアセンブリを通過して流し、 b)溶解有機物を第一濃度に含有する液の一部をスクリ
    ーンアセンブリの所でスラリーから抜き出し、 c)ステップ(b)において抜き出された液の第一部分
    を回収のためまたは蒸解カンの外で処理するために送
    り、 d)ステップ(b)で抜き出された液の第二部分を、再
    循環ループで、スクリーンアセンブリの概略位置で蒸解
    カンへ戻して再循環し、 e)蒸解液を再循環ループへ導入し、 f)溶解有機物の第一濃度より十分低く、パルプ強度、
    消費される有効アルカリ、H−ファクター、または漂白
    度に有利に影響する第二濃度の溶解有機物を有する希釈
    液を再循環ループへ導入し、 g)溶解有機物の第一濃度より十分低く、パルプ強度、
    消費される有効アルカリ、H−ファクター、または漂白
    度に有利に影響する溶解有機物の第三濃度を有する再循
    環ループの液を、蒸解カンへ戻す前に、加熱し、その後
    で前記再循環ループの液を蒸解カンへ導入する、 諸ステップを含む化学セルロースパルプ連続的製造方
    法。
  6. 【請求項6】 ステップ(f)が、洗浄装置濾過液また
    は水またはこれらの組み合わせ液を導入して行われるこ
    とを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 ステップ(e)と(f)とが、ステップ
    (c)を行う際に除かれた液の量と概略同じ量を再導入
    して行われることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 ステップ(e)と(f)とが、パルプ単
    位トン当たり約1.1〜2.6トンの範囲の液を導入し
    て行われることを特徴とする請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】 液の流れが、スクリーンアセンブリの所
    の細砕セルロース繊維材と並流であることを特徴とする
    請求項6記載の方法。
  10. 【請求項10】 液の流れが、スクリーンアセンブリの
    所の細砕セルロース繊維材と向流であることを特徴とす
    る請求項6記載の方法。
  11. 【請求項11】 液の流れが、スクリーンアセンブリの
    所の細砕セルロース繊維材と並流であることを特徴とす
    る請求項5記載の方法。
  12. 【請求項12】 液の流れが、スクリーンアセンブリの
    所の細砕セルロース繊維材と向流であることを特徴とす
    る請求項5記載の方法。
  13. 【請求項13】 ステップ(a)〜(g)が、溶解有機
    物濃度100g/l未満で常時維持されて行われること
    を特徴とする請求項5記載の方法。
  14. 【請求項14】 蒸解カンで少なくとも一個のスクリー
    ンアセンブリを用いてクラフトパルプを連続的に製造す
    る方法において、 a)第一方向の細砕セルロース繊維材のスラリー液を、
    スクリーンアセンブリの方向へ、スクリーンアセンブリ
    を通過して流し、 b)液の一部をスクリーンアセンブリの所でスラリーか
    ら抜き出し、 c)ステップ(b)において抜き出された液の第一部分
    を回収のためまたは蒸解カンの外で処理するために送
    り、 d)ステップ(b)で抜き出された液の第二部分を、再
    循環ループで、スクリーンアセンブリの概略位置で蒸解
    カンへ戻して再循環し、 e)蒸解液を再循環ループへ導入し、 f)水、洗浄装置濾過液、または水と洗浄装置濾過液と
    の組み合わせから成る希釈液を再循環ループへ導入し、 g)再循環ループの液を、蒸解カンへ戻す前に、加熱す
    る、 諸ステップを含むクラフトパルプ連続的製造方法。
  15. 【請求項15】 ステップ(e)と(f)とが、パルプ
    単位トン当たり約1.1〜2.6トンの範囲の液を導入
    して行われることを特徴とする請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 液の流れが、スクリーンアセンブリの
    所の細砕セルロース繊維材と並流であることを特徴とす
    る請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 液の流れが、スクリーンアセンブリの
    所の細砕セルロース繊維材と向流であることを特徴とす
    る請求項15記載の方法。
  18. 【請求項18】 蒸解カンで互いに第一方向に間隔を置
    いて設置された少なくとも第一スクリーンアセンブリと
    第二スクリーンアセンブリとを用いて化学セルロースパ
    ルプを連続的に製造する方法において、 a)第一方向の溶解有機物を第一濃度に含有する細砕セ
    ルロース繊維材のスラリー液を第一スクリーンアセンブ
    リの方向へ、第一スクリーンアセンブリを通過して流
    し、 b)溶解有機物を第一濃度に含有する液を第一スクリー
    ンアセンブリの所でスラリーから抜き出し、抜き出され
    た液を回収のためまたは蒸解カンの外で処理するために
    送り、 c)ステップ(a)と(b)の後で、第一方向のスラリ
    ーを第二スクリーンアセンブリの方向へ、第二スクリー
    ンアセンブリを通過して流し、 d)第二スクリーンアセンブリの所でスラリー液を抜き
    出し、再循環ループで、第二スクリーンアセンブリの概
    略位置で蒸解カンへ戻して再循環し、 e)蒸解液を再循環ループへ導入し、 f)溶解有機物の第一濃度より十分低く、パルプ強度、
    消費される有効アルカリ、H−ファクター、または漂白
    度に有利に影響する第二濃度の溶解有機物を有する希釈
    液を再循環ループへ導入し、 g)溶解有機物の第一濃度より十分低く、パルプ強度、
    消費される有効アルカリ、H−ファクター、または漂白
    度に有利に影響する溶解有機物の第三濃度を有する再循
    環ループの液を、蒸解カンへ戻す前に、加熱し、その後
    で前記再循環ループの液を蒸解カンへ導入する、 諸ステップを含む化学セルロースパルプ連続的製造方
    法。
  19. 【請求項19】 液が、第一スクリーンアセンブリと第
    二スクリーンアセンブリとの間の細砕セルロース繊維材
    に並流に流れ、上記スクリーンアセンブリの直前および
    直後のセルロース材と向流に流れることを特徴とする請
    求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 ステップ(b)で抜き出される液の第
    一スクリーンアセンブリ部の概略位置で加熱し、再循環
    するステップを更に含むことを特徴とする請求項18記
    載の方法。
  21. 【請求項21】 ステップ(f)が、洗浄装置濾過液ま
    たは水またはこれらの組み合わせ液を導入して行われる
    ことを特徴とする請求項18記載の方法。
  22. 【請求項22】 ステップ(e)と(f)とが、ステッ
    プ(b)を行う際に回収のためまたは蒸解カンの外で他
    の処理を行うために送られた液の量と概略同じ量を再導
    入して行われることを特徴とする請求項21記載の方
    法。
  23. 【請求項23】 ステップ(e)と(f)とが、パルプ
    単位トン当たり約1.1〜2.6トンの範囲の液を導入
    して行われることを特徴とする請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 ステップ(e)と(f)とが、パルプ
    単位トン当たり約1.1〜2.6トンの範囲の液を導入
    して行われることを特徴とする請求項18記載の方法。
  25. 【請求項25】 ステップ(e)と(f)とが、ステッ
    プ(b)を行う際に回収のためまたは蒸解カンの外で他
    の処理を行うために送られた液の量と概略同じ量を再導
    入して行われることを特徴とする請求項18記載の方
    法。
  26. 【請求項26】 蒸解が蒸解カンで行われ、ステップ
    (a)〜(g)が蒸解の前または蒸解の初期に行われる
    ことを特徴とする請求項18記載の方法。
  27. 【請求項27】 ステップ(a)〜(g)が、溶解有機
    物濃度100g/l未満で常時維持されて行われること
    を特徴とする請求項18記載の方法。
  28. 【請求項28】 頂部と底部とを備えた蒸解カンであっ
    て、蒸解される細砕セルロース繊維材用の該蒸解カンの
    頂部に設けられた入口、蒸解されたパルプ用の該蒸解カ
    ンの底部に設けられた出口、該蒸解カンの頂部から液を
    抜き出す頂部スクリーンアセンブリと頂部スクリーンア
    センブリの下に設けられた抽出スクリーン、抽出スクリ
    ーンアセンブリと蒸解カン底部との間に設けられた蒸解
    スクリーンアセンブリ、蒸解スクリーンアセンブリを通
    過する液の第一部分を抜き出し、これを回収に送り、蒸
    解スクリーンアセンブリを通過する液の第二部分は残し
    て置く手段、前記第二部分へ溶解有機物濃度の低い液を
    添加し、増分された第二部分を得る手段、および前記増
    分された第二部分を、前記蒸解スクリーンアセンブリの
    概略位置の所で蒸解カンの内部へ再循環する手段を備え
    た連続式蒸解カン。
  29. 【請求項29】 頂部と底部とを備えた連続式蒸解カン
    であって、蒸解されるセルロース材用の該頂部に設けら
    れた入口、蒸解されたパルプ用の該底部に設けられた出
    口、頂部スクリーンアセンブリ、前記頂部スクリーンア
    センブリの下に設けられたトリム循環スクリーン、前記
    トリム循環スクリーンアセンブリの下に設けられ、第一
    抜き出し導管を備えた第一スクリーンアセンブリ、前記
    第一スクリーンアセンブリの下に設けられ、フラッシュ
    タンクに接続されて運転される第二抜き出し導管を備え
    た第二スクリーンアセンブリ、溶解有機物濃度の低い液
    を前記第一抜き出し導管へ添加する手段、および溶解有
    機物濃度の低い添加された液と一緒に、前記第一抜き出
    し導管中の液を、第一スクリーンアセンブリの概略位置
    の所で蒸解カンの内部へ再循環する手段を備えた連続式
    蒸解カン。
  30. 【請求項30】 前記第一抜き出し導管を前記第二抜き
    出し導管へ選択的に接続し、前記第一抜き第導管中の液
    の一部を、溶解有機物濃度の低い液を前記第一抜き出し
    導管へ添加する前記手段の前にあるフラッシュタンクへ
    送ることができるようにする手段を更に備える連続式蒸
    解カン。
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