JPH11197401A - 液体の気化促進法 - Google Patents

液体の気化促進法

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JPH11197401A
JPH11197401A JP3349098A JP3349098A JPH11197401A JP H11197401 A JPH11197401 A JP H11197401A JP 3349098 A JP3349098 A JP 3349098A JP 3349098 A JP3349098 A JP 3349098A JP H11197401 A JPH11197401 A JP H11197401A
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JP
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liquid
gas
vaporization
vibration
low frequency
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JP3349098A
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Hiroshi Morizaki
弘志 森崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濃縮装置や冷却装置においてもメンテナンス
を行うことなく利用可能で、気化効率が経時的に安定し
て良好な、あるいは、液だまりが点在するような状況下
にある場合にも、より短時間で液体の気化を終了させる
ことを可能にする液体の気化促進法。 【解決手段】 振動発生器を用いて液体と接する物体に
低周波振動を与えて、あるいは液体の周囲の気体に低周
波音を伝ぱさせて、液体を多数の液滴として周囲の気体
中に飛散させ、液体の表面積を増大させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、液体の気化を促
進する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 現在、液体に超音波振動を与えたり、
電磁波を放射するといった手段は、液体の気化促進法と
して一般的に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 上記周知の気化促進
法においては、液体分子同士の振動摩擦によって必然的
に液体自体の温度上昇が生じる。これは、気化促進とい
う点から見れば有利な現象といえる。
【0004】しかし、液体に溶け込んでいるあるいは混
入している物質の液中濃度を上げるといった濃縮を目的
とする装置において、溶解物質あるいは混入物質が、温
度上昇に対して非常に敏感で直ちに変質したり、例えば
それが食品で、味に悪影響を与えるといった場合や、液
体より気化熱が奪われることを利用して液体の温度を下
げたり、それにより気体を冷却するといった装置に対し
ては、上記現象が逆に障害となるため、上記気化促進法
は有効な手段とならない。
【0005】更に、毛細管現象を利用して液体の表面積
を増大させる気化促進法においては、液体吸着材への不
純物の析出や浮遊物の付着により、気化効率の低下を招
いてしまったり、これを防止するために液体吸着材の掃
除あるいは交換を実施せざるを得ないといった問題が発
生する。
【0006】また、特定の位置に必ず存在するとは限ら
ず、それぞれの体積にばらつきのある液だまりが、何ら
かの物体に付着した状態で、ある空間内に三次元的に点
在している、といった状況下で周知の液体の気化促進法
を見てみると、電磁波においては、空間内に物体が存在
すると、指向性が良いという性質上、液体が気化し難い
場所が出来てしまうことが問題となり、超音波振動にお
いては、振動子の取付け方法が問題となるため、どちら
の手段も利用することが非常に難しい。
【0007】そこで、超音波を液だまりの周囲の気体に
発し、気体を介して液だまりに振動を与えるといった発
想も生まれて来るが、この場合、液体に直接的に振動を
与える場合と比べ、非常に大きな波動エネルギーが必要
となる。波動の強度は振幅の2乗に比例するが、周波数
が高いほど振幅を大きく取ることが現実的には難しいた
めに波動の強度を高め難いことと、気体から液中へは波
動が伝わり難いといった現在までに知られている事象と
照合すれば、この発想も実現性が低いことが分かる。
【0008】更に、液体の周囲の気体に対して代表的に
は温度を高める、減圧するといったような周知の気化促
進法においても、体積が大きく、気体との接触面積小さ
い液だまり程、気化終了までに時間が掛かり易いという
事象は、通常の気化に比べて何ら改善される訳ではない
ため、全ての液だまりの液体の気化終了時間は、このよ
うな液だまりの液体の気化終了に引っ張られる形で決定
付けられてしまっているのが現状である。
【0009】本発明は、上記のような濃縮装置や冷却装
置においてもメンテナンスを行うことなく利用可能で、
気化効率が経時的に安定して良好な、あるいは、液だま
りが上記のような状況下にある場合にも、より短時間で
液体の気化を終了させることが可能な液体の気化促進法
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するた
めに本発明の気化促進法においては、低周波を利用す
る。振動発生器を用いて液体と接する物体に低周波振動
を与えて、あるいは液体の周囲の気体に低周波音を伝ぱ
させて、液体を多数の液滴として周囲の気体中に飛散さ
せる。
【0011】
【作用】 本発明において低周波振動は、液体分子同士
の振動摩擦をほとんど生じさせることなく、図1のよう
に液体1を液滴3として分割し、液滴3を気体4中に飛
散させる。つまり低周波振動は、液体にほとんど運動エ
ネルギーを与えるためだけに作用する。
【0012】この時、液体の表面積は、液体が多数の液
滴へと分割されることによって、振動を与える前と比べ
て飛躍的に増大する。このことは、点在する液だまりで
見た場合、液滴の体積を一つの単位として、それぞれの
液だまりの異なる体積を細分化し、均一化するといった
働きをしている。また、液滴はある速度を持って気体中
を移動するため、気体を強制対流させた場合と同様な効
果も得られる。
【0013】そして、飛散した液滴がある物体に付着
し、あるいは液体が物体上を移動し、液体と物体との間
に温度差がある場合には熱伝達が行われ、特に、物体の
温度が液体の温度よりも高い場合、熱伝達は液体の温度
を上昇させる方向に働くため、更に気化が促進されて行
くことになる。
【0014】また、気体に低周波音を伝ぱさせる場合に
おいては、気体自身が振動子の役割を果たし、液体また
は液体と接する物体の少なくとも何れか一方が低周波音
によって振動すると、上記作用が生じることになる。
【0015】本発明は、液体の周囲の気体に対して用い
られる周知の気化促進法の妨げとなったり、それらに取
って代わるものではなく、それらと同時にあるいは交互
に併用することにより、それらによって促進された液体
の気化を更に促進させようとする性質を持ち合わせてい
る。
【0016】
【発明の実施の形態】 発明の実施の形態を図面を参照
して説明する。図2に示す装置においては、ハウジング
5内に振動板6と振動板6を低周波振動させるための振
動発生器7および液体の漏れを防止するための仕切り板
8が、図示の如くそれぞれ固着設置されている。仕切り
板8は低周波振動に耐え得る様、比較的柔らかい素材で
出来ており、振動板6の上面は液体1で満たされてい
る。ハウジング5には気体の流入口9と流出口10がそ
れぞれ設けられており、ハウジング5と振動板6と仕切
り板8とで囲まれた空間11に、流入口9から気体が強
制的に送り込まれる様になっている。
【0017】この状態で、振動発生器7を作動させ、振
動板6が低周波振動すると、液体1が空間11に液滴と
なって飛散する。
【0018】また、液だまりが点在する上記状況の一例
を表わした図3においては、それぞれの物体2および液
だまり12は、隔壁13により周囲と遮断された空間1
1内に存在し、隔壁13には、隔壁13の一部を切り欠
いたその部分を密閉する形で、空間11内の気体に低周
波音を伝ぱさせるための代表的にはスピーカーといった
音波発生器14が固着設置されている。
【0019】但し、図中には、空間11内の気体や隔壁
13に対して利用可能な周知の気化促進法を実施するた
めの装置および構造を示してはいないが、それらの方法
は全てが実施可能な状態にあるものとして説明して行
く。
【0020】この状態で、音波発生器14を作動させ、
空間11内の気体に低周波音を伝ぱさせると、それぞれ
液だまり12または液だまり12に接する物体2の少な
くとも何れか一方が振動することで、液だまり12の液
体が空間11に液滴となって飛散する。
【0021】音波発生器14は、低周波領域のある周波
数で気体に疎密波を伝ぱさせることが可能なものであれ
ば良く、例えば、気体を空間11へ強制流入させるとき
あるいは逆に空間11から強制排出させるときに流入バ
ルブあるいは排出バルブは開状態となるが、このとき、
閉または閉に近い状態を断続的に作り出すこととが可能
であれば、バルブが音波発生器となり得る。
【0022】また、周波数が低い低周波音は回折性が良
いため、音波発生器14は空間11内の気体に接してい
れば良く、その取付け位置は、気化効率の面からの制約
をほとんど受けることがない。例えば、空間11への気
体の流入出のための導管に気体と接する様に音波発生器
14を取り付けるといったことも可能である。
【0023】音波発生器14から発する低周波音につい
ては、その周波数、振幅などを変化させてもよい。本発
明は、低周波音を発生させる時間や連続発生か断続発生
かを限定するものではないが、液滴が液滴より温度の高
い物質へ付着する場合には、熱伝達により気化が促進さ
れることから、音波を断続発生させる方が連続発生させ
るよりも良好な結果が得られることがあることや、音波
を発して液滴が最初に飛散するのに要する時間は、1秒
前後といった一瞬であることがわかっている。
【0024】尚、ここでは、空間11が周囲と遮断され
た状態にあるとして説明したが、これは実施される状況
の一つに過ぎず、本発明の利用範囲が、こうした空間に
限定されているということを示すものではない。
【0025】とは言え、隔壁等によって有限容積を持っ
た空間を作り出した方が、波動エネルギーを効率的に利
用できることと、前述のように液体に直接的に振動を与
える場合と比べ、気体を介して振動を与える場合には、
非常に大きな波動エネルギーが必要となるため、請求項
1、2、3に記載の発明における低周波振動の周波数に
比べ、請求項4に記載の発明における低周波音の周波数
は低く設定せざるを得ず、低周波音の周波数が、0を超
え、おおよそ100Hz程度までの範囲においては、強
度の大きい音を長時間聞き続けた場合に、人体に何らか
の悪影響を及ぼすことが知られていることなどを考慮す
ると、空間を取り巻く環境によっては、また音波発生時
間が短い場合には、問題とならないこともあり得るもの
の、低周波音は、概ね隔壁等によって囲まれた空間にお
いて、利用することが好ましい。
【0026】また、音波発生器についても、その空間の
周囲へは低周波音を発しない様な構造のもが好ましく、
そういった構造でない音波発生器については、その周辺
を遮音カバー等で覆った方がよい。
【0027】幸い、本発明の利用度が最も高いと考えら
れる、液体の気化あるいは物体の乾燥を行う装置におい
ては、気化室あるいは乾燥室と呼ばれるような部屋また
は容器を持っているものがほとんどである。
【0028】
【発明の効果】 本発明の低周波振動を用いた液体の気
化促進法は、液体の温度上昇をほとんど引き起こすこと
なく、直接的に液体の表面積を増大させることが出来る
ために、液体の温度上昇が問題となる様な濃縮装置や冷
却装置にも利用可能で、それらの装置の液体の気化効率
を高めることができると共に、メンテナンスを行なわず
ともその効率を維持できる。
【0029】また、液体の周囲の気体に対して用いられ
る周知の気化促進法との併用が可能で、それらによって
促進された液体の気化を更に促進させることができる。
【0030】そして、本発明を実施するために必要な部
品の数は少なく、使用する機器も広く一般に流通してい
るものであり、更にその構成が簡素であるため、本発明
の実施部分の部品コストおよび組立コストを抑えて、ま
た、装置を大型化させることもなく、本発明を利用した
装置を製作できる。
【0031】また、装置内の本発明の実施部分において
は、メンテナンスを行う必要もなく、液体の気化空間の
利用効率が良くなる。
【0032】更に、請求項4に記載の発明においては、
気体自身が自由度の高い低周波振動子の役割を果たすこ
とで、液体と接する物体を直接振動させることが困難で
あったり、気化すべき液体が比較的広範囲に存在する場
合でも、容易に液体の気化を促進させることができる。
【0033】そして、点在する液だまりに対しても、そ
れぞれの液だまりの液体の体積を細分化、均一化できる
ため、それらの位置や体積のばらつきに左右されること
なく、より短時間で液体の気化を終了させることができ
る。
【0034】尚、低周波音によって液体が液滴となって
飛散して行く過程で、何れの物体にも付着せずに隔壁等
に付着する液滴が必然的に出て来るが、特に、物体の乾
燥を目的としている場合には、乾燥させようとする物体
に付着していない液滴まで、完全に気化させる必要が無
いため、結果として、本発明によって短縮できた液体の
気化終了時間よりも更に短い時間で物体の乾燥を終了さ
せることが可能となるという効果も派生して来る。
【0035】また、これまでに使用していた液体の気化
あるいは物体の乾燥を行う装置に対しても、本発明を実
施するための音波発生器を、簡単な構造であることと低
周波音の回折性が良いということから容易に取り付ける
ことができ、直ちに上記の効果を得られる様になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の作用の様子を表わした概要図であ
る。
【図2】 本発明を利用した装置の概略的な断面図であ
る。
【図3】 本発明が有用となる状況を有する装置の概略
図である。
【符号の説明】
1 液体 2 物体 3 液滴 4 気体 5
ハウジング 6 振動板 7 振動発生器 8 仕切り板 9
流入口 10 流出口 11 空間 12 液だまり 13 隔壁 14
音波発生器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体と接する物体に低周波振動を与え
    て、液滴を飛散させると共に液体の表面積を増大させる
    ことを特徴とする液体の気化促進法。
  2. 【請求項2】 濃縮装置における請求項1記載の液体の
    気化促進法。
  3. 【請求項3】 冷却装置における請求項1記載の液体の
    気化促進法。
  4. 【請求項4】 液体の周囲の気体に低周波音を伝ぱさせ
    て、液滴を飛散させると共に液体の表面積を増大させる
    ことを特徴とする液体の気化促進法。
JP3349098A 1998-01-07 1998-01-07 液体の気化促進法 Pending JPH11197401A (ja)

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JP3349098A JPH11197401A (ja) 1998-01-07 1998-01-07 液体の気化促進法

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JP (1) JPH11197401A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103920297A (zh) * 2014-04-15 2014-07-16 上海交通大学 一种基于震荡辅助加热蒸发的纳米颗粒浓缩方法
CN112630105A (zh) * 2020-12-09 2021-04-09 中山赛特奥日用科技有限公司 一种模拟电加热香氛产品实际挥发的蒸发方法

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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