JPH1118787A - 骨形成促進剤の新規なスクリーニング方法 - Google Patents

骨形成促進剤の新規なスクリーニング方法

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JPH1118787A
JPH1118787A JP10129650A JP12965098A JPH1118787A JP H1118787 A JPH1118787 A JP H1118787A JP 10129650 A JP10129650 A JP 10129650A JP 12965098 A JP12965098 A JP 12965098A JP H1118787 A JPH1118787 A JP H1118787A
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Japan
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screening
pebp2α
cells
pebp2αa
psg5
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JP10129650A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Harada
秀幸 原田
Akizo Tagashira
秋三 田頭
Masanori Fujiwara
正範 藤原
Takashi Katsumata
隆 勝又
Masashi Nakatsuka
正志 中塚
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Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】骨芽細胞に分化し得る未分化間葉系細胞あ
るいは前脂肪細胞にPEBP2αあるいはその活性部分ペプ
チドをコードするcDNAを導入して得られた形質転換細胞
を用いることを特徴とする、骨形成促進剤の新規なスク
リーニング方法、該スクリーニングのための形質転換細
胞、該スクリーニング用キット、並びに該スクリーニン
グ方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる
骨形成促進剤、あるいはPEBP2αの作用促進剤。 【効果】本発明の新規なスクリーニング方法は、骨形成
に必須の因子であるPEBP2αあるいはその活性部分ペプ
チドの作用を促進する物質が選択され易く、かつ従来法
と比較して迅速にスクリーニングすることができるとい
う利点を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、骨形成促進剤の新
規なスクリーニング方法に関する。さらに詳しくは、骨
芽細胞に分化し得る未分化間葉系細胞あるいは前脂肪細
胞に対してPEBP2αあるいはその活性部分ペプチドをコ
ードするcDNAを導入して得られた形質転換細胞を用いる
ことを特徴とする、骨形成促進剤の新規なスクリーニン
グ方法、該スクリーニングのための形質転換細胞、該ス
クリーニング用キット、並びに該スクリーニング方法ま
たはスクリーニング用キットを用いて得られる骨形成促
進剤、あるいはPEBP2αの作用促進剤に関する。
【0002】
【従来の技術】骨粗鬆症は骨量の減少と骨の微細構造の
破壊により特徴づけられる疾患であり、該疾患により骨
格の脆弱性が増し、骨折の危険が増大する。骨粗鬆症は
高齢者の多くが罹患する疾患であるが、今後、平均寿命
の延長とともにその頻度が高くなっていくものと予想さ
れている。骨粗鬆症の治療剤は、作用の面から以下の2
つに分類される。すなわち骨量の減少抑制を目的とする
骨吸収抑制剤と、骨量の増加を目的とする骨形成促進剤
である。現在、骨粗鬆症の治療は、臨床的には骨吸収抑
制剤による治療が主流となっている。しかし、この骨吸
収抑制剤は骨量の減少を防止する効果は示すが、一度減
ってしまった骨量を元の量に回復することはできないと
いう根本的な問題があり、そのため治療効果も頭打ちと
なっているのが現状である。
【0003】一方、骨形成促進剤として臨床的に使用可
能な治療薬としては、現在、フッ素のみが知られてい
る。しかし投与安全域が比較的狭く、長期間使用した際
の骨の脆弱性が懸念されている(OSTEOPOROSIS: etiolo
gy, diagnosis, and management 2nd ed., Lippincott-
Raven PUBLISHERS p80(1995))。また現在、臨床研究の
段階にあるものとして副甲状腺ホルモン(PTH)が知ら
れているが、1)PTHは、注射剤等の非経口的投与経路
として開発されていること、2)投与用量によっては骨
吸収促進作用がみられること、3)他剤を併用しない単
独投与のヒトのデータでは、海綿骨の増加作用が皮質骨
の減少を伴う例があること等が明らかにされており、実
用上使用しにくい治療剤と考えられる(OSTEOPOROSIS:
etiology, diagnosis, and management 2nd ed., Lippi
ncott-Raven PUBLISHERS p83(1995))。
【0004】これら以外にも、基礎研究段階にある骨形
成促進剤の候補として、骨誘導因子(BMP)、インシュ
リン様成長因子(IGF)あるいは線維芽細胞増殖因子(F
GF)などの成長因子が挙げられるが、その実用化には至
っていない。例えば骨誘導因子(BMP)は、骨芽細胞の
幹細胞である未分化間葉系細胞を骨芽細胞へ分化誘導す
る唯一の物質として知られており、医薬への応用が期待
されているが、動物種が高等になるほど効果が弱くな
る、あるいは高齢になるほど効果が弱くなる(Endocrino
logy Vol.137, No.11:4605-4610(1996))等の思わしくな
い知見が得られており、治療薬としての目処はたってい
ない。また、これら成長因子の作用である細胞増殖促進
作用は、骨組織の細胞に対する特異的な作用ではないた
め、実用化のためには骨組織以外への副作用が懸念され
ている。以上のように、骨吸収抑制剤の問題点を解決す
るであろう骨形成促進剤の開発が進められてはいるもの
の、減少してしまった骨量を単独で効果的に回復できる
骨形成促進剤は未だ見出されておらず、従って、新たな
骨形成因子ならびに骨形成促進作用を有する低分子化合
物の出現が強く望まれている状況にある。
【0005】このような新しい骨形成因子及び骨形成促
進作用を有する低分子化合物の探索(スクリーニング)
のためには、例えば細胞や微生物の抽出液、あるいは低
分子化合物のライブラリー等の試料を、一度に大量かつ
迅速にスクリーニングする方法が有効である。例えば現
在、in vivoで直接骨形成能を測定するのは非効率的で
あることから、骨芽細胞を用い、この細胞に被験物質を
添加し、骨芽細胞の表現形質の一つであるアルカリホス
ファターゼ(ALP)活性を指標にスクリーニングする系
が利用されている(蛋白質・核酸・酵素 Vol.38,No.11:
37-49(1993))。しかしながらこの系では骨芽細胞を使
用するため、この細胞の分化の段階よりも後期において
作用する物質しか探索することができず、従って分化の
より前段階あるいは初期段階に作用して骨芽細胞の分化
を促進する物質は、この系では選択することができな
い。
【0006】このような背景からか、未分化な間葉系細
胞を用いた同様の試み、すなわち未分化間葉系細胞であ
るC3H10T1/2を用いてALP発現誘導活性を指標に骨形成促
進物質をスクリーニングする試みもなされている(蛋白
質・核酸・酵素 Vol.38,No.11:37-49(1993))。骨芽細
胞は、軟骨細胞、脂肪細胞、筋細胞との共通の幹細胞で
ある未分化間葉系細胞より分化・成熟するものであるこ
とから、このスクリーニング系を用いれば、未分化間葉
系細胞が骨芽細胞系列へコミットされる段階、すなわち
骨芽細胞の分化の初期の段階に作用する物質が選択され
てくる可能性がある。しかし実際に、未分化間葉系細胞
を骨芽細胞へ分化誘導する唯一の物質として知られてい
るBMPを未分化間葉系細胞に添加し、ALP発現誘導活
性を調べたところ、3〜6日間置かないと活性を検出す
ることはできなかった(BiochemBiophys Res Commun 17
2 295-299 1990, Biochem Biophys Res Commun 220 366
-371 1996 )。従ってこの未分化間葉系細胞そのものを
用いたスクリーニング系は、大量かつ迅速なスクリーニ
ングには適していない。
【0007】ところで最近になって、ポリオーマエンハ
ンサー結合蛋白質PEBP2αAのノックアウトマウスにおい
て、全く骨化の起こっていないことが明らかにされた
(医学のあゆみ Vol.180, No.13, 859-862(1997))。PE
BP2αAはコア結合因子CBFA1とも呼ばれるタン
パク性因子であり、runt領域を有する遺伝子ファミリー
に属する転写因子である。PEBP2αAは従来、Tリ
ンパ球特異的な遺伝子転写制御においての作用しか示唆
されていなかった因子であるが(Mol.Cell.Biol.15,166
2-1670(1995))、上記のように最近になって、骨形成に
必須の因子であることが明らかにされた。
【0008】従って、該PEBP2αAの作用を促進す
ることのできる物質は、有用な骨形成促進剤となること
が考えられる。しかし、該PEBP2αAの作用を促進
する物質を探索するためのスクリーニング系を構築した
という報告は、未だなされていない。そして、前記従来
のスクリーニング系は、骨芽細胞あるいは未分化間葉系
細胞そのものに被験物質を添加する系であるが、それに
対し、例えば骨芽細胞あるいは未分化間葉系細胞にPEBP
2αAのcDNAを導入し、発現させた場合に細胞内でどのよ
うな反応が起こるのか、そしてその反応をもとに骨形成
促進剤の有用なスクリーニング系が構築できるのか否か
といったような具体的詳細についても、何ら知られてい
ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、骨形成促進剤の従来にない有用なスクリー
ニング方法を提供することである。すなわち本発明の目
的は、骨芽細胞に分化し得る未分化間葉系細胞、あるい
は前脂肪細胞に対し、骨形成に必須の因子であるPEBP2
αあるいはその活性部分ペプチドをコードするcDNAを導
入して得られた細胞を用いることを特徴とする、骨形成
促進剤の新規なスクリーニング方法を提供することにあ
る。さらに本発明は、前記スクリーニングのための形質
転換細胞、前記スクリーニング用キット、並びに前記ス
クリーニング方法またはスクリーニング用キットを用い
て得られる骨形成促進剤、あるいはPEBP2αの作用
促進剤を提供することをも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは骨形成に必
須の因子であるPEBP2αAを用いて、骨形成促進剤の新規
なスクリーニング系を構築することを考えた。まず本発
明者らは、未分化間葉系細胞であるC3H10T1/2細胞にPEB
P2αAのcDNAを導入・発現させた結果、骨芽細胞の初期
の分化マーカーであるALPの発現が誘導されてくること
を見出した。このように、PEBP2αAのcDNAを未分化間葉
系細胞に導入することにより骨芽細胞の初期の分化マー
カーであるALPの発現が誘導されたという知見は、本発
明において初めて得られたものであり、また本データ
は、PEBP2αAが骨芽細胞の分化成熟を誘導する因子であ
る可能性を示唆するものである。
【0011】次に、前記PEBP2αAcDNAが導入された未分
化間葉系細胞(形質転換細胞)に対し、骨形成因子であ
るBMPの添加あるいはBMPcDNAの導入を行った結果、ALP
発現誘導活性に対するPEBP2αAとBMPとの相乗効果が見
出された。このように、BMPがPEBP2αAの作用を促進す
ること、また逆にPEBP2αAがBMPの作用を促進すること
も、本発明において初めて見出されたことである。
【0012】以上の結果より、PEBP2αAのcDNAを導入し
た未分化間葉系細胞に対して被験物質を添加し、ALP発
現誘導活性の上昇の有無を測定することにより、BMPの
如きPEBP2αAの作用を促進する物質をスクリーニングす
ることができる。本スクリーニング系は、従来のスクリ
ーニング系と異なりあらかじめPEBP2αAを過剰発現して
いるので、従来の系と比較して、PEBP2αAの作用を促進
する物質を見出し易いスクリーニング系である。そして
PEBP2αAは骨形成に必須の因子、さらには骨芽細胞の分
化成熟に必須の因子であると考えられるため、該PEBP2
αAの作用を促進する物質は、骨形成促進剤になり得る
ものと考えられる。さらに、前記PEBP2αAを未分化間葉
系細胞に導入して得られたステーブルな形質転換体に対
してBMPを添加した場合に、わずか2日間で顕著なALP活
性の上昇が検出できることも明らかとなった。従って、
この形質転換体を用いた骨形成促進剤のスクリーニング
系は、従来のスクリーニング系と異なり、大量かつ迅速
なスクリーニングが可能である。
【0013】上述のようにBMPは、ALP発現誘導活性を指
標とした場合、PEBP2αAの作用を促進する効果を有して
いることが明らかとなった。従ってBMPのみならず、BMP
受容体に作用するアゴニスト様因子又は低分子化合物、
あるいはBMPの情報伝達系に作用する因子又は低分子化
合物も、本発明のスクリーニング方法により選択するこ
とができる。またBMPとは無関係であっても、PEBP2αA
の作用を促進する因子又は低分子化合物であれば、本ス
クリーニング系により選択される。
【0014】さらに、骨髄ストローマ細胞様の前脂肪細
胞株であるMC3T3-G2/PA6についても上記と同様にPEBP2
αAcDNAを導入し、発現させたところ、ALPの発現誘導活
性が見出された。この知見は、前脂肪細胞においてPEBP
2αAcDNAを発現させることにより、前脂肪細胞は脂肪細
胞へ分化せずに骨芽細胞系へトランス分化したことを示
唆するものである。これまで脂肪細胞及び骨芽細胞と起
源を同じくする筋肉細胞の分化に必須の因子であるMyoD
ファミリーを種々の細胞で強制発現させることで、筋肉
細胞の分化マーカーを発現する細胞にトランス分化する
こと等が報告されているが(Proc.Natl.Acad.Sci.USA V
ol.86:5434-5438(1989))、上記のように、脂肪細胞が
骨芽細胞系へトランス分化したことを示したのは本発明
が初めてである。
【0015】加えて、BMP単独では前脂肪細胞におけるA
LPの発現は誘導されないのに対し、PEBP2αAcDNAが導入
された前脂肪細胞に、BMPの添加あるいはBMPのcDNAの導
入を行ったところ、前記PEBP2αAによるALP発現誘導活
性のさらなる上昇が見られた。従って、このようなスク
リーニング系を用いることで、PEBP2αAの作用を促進す
ることにより前脂肪細胞から骨芽細胞へのトランス分化
を促進する因子又は低分子化合物を、スクリーニングす
ることができる。具体的には、上記C3H10T1/2細胞の場
合と同様に、BMP受容体に作用するアゴニスト様因子又
は低分子化合物、あるいはBMPの情報伝達系に作用する
因子または低分子化合物を、本発明のスクリーニング方
法により選択することができる。またBMPとは無関係で
あっても、PEBP2αAの作用を促進する因子又は低分子化
合物であれば、本スクリーニング系により選択される。
【0016】このような、前脂肪細胞中でのPEBP2αAの
作用を促進する物質、すなわち前脂肪細胞から骨芽細胞
へのトランス分化を促進する物質は、以下の理由から有
用な治療剤になることが考えられる。すなわち、人間あ
るいは動物においては老齢化に伴い、骨髄組織の脂肪髄
化が進み、骨髄機能が低下することが知られている。そ
して骨代謝においても、そのような脂肪髄化に伴い骨形
成能が低下することが知られている(Bone Vol.19, No.
5:421-428(1996))。また、閉経期骨粗鬆症の原因であ
る女性ホルモン(エストロジェン)の急激な減少の際に
も脂肪髄化が進み、骨形成能が低下することが知られて
いる( Bone Vol.19, No.5:421-428 (1996))。従っ
て、このように老齢化あるいはホルモンバランスの不均
衡において増加してくる骨髄中の脂肪細胞を減少させ、
骨芽細胞を増やすことが可能であれば、老齢によりある
いはホルモンバランスの不均衡により生じる骨粗鬆症等
の有用な治療薬となることが考えられる。上記のように
前脂肪細胞中でのPEBP2αAの作用を促進する物質、すな
わち前脂肪細胞から脂肪細胞への分化を抑制して骨芽細
胞へのトランス分化を起こさせるPEBP2αAの作用を促進
する物質は、骨髄中の脂肪細胞の増加をストップし、骨
芽細胞を増やす作用を有することが考えられるため、上
記疾患に対する有用な治療薬となることが考えられる。
【0017】本発明の、より好ましいスクリーニング系
は、PEBP2αAタンパクを過剰に発現するステーブルな形
質転換細胞を用いた系である。このステーブルな形質転
換細胞は、常にPEBP2αAを過剰に発現している細胞であ
り、遺伝子導入の手間及び時間が省け、しかも前述のよ
うに迅速なスクリーニングが可能である。本発明は、以
上のような知見に基き完成するに到ったものである。
【0018】すなわち本発明の要旨は、(1) 骨芽細
胞に分化し得る未分化間葉系細胞にPEBP2αあるい
はその活性部分ペプチドをコードするcDNAを導入し
て得られた形質転換細胞を用いることを特徴とする、骨
形成促進剤のスクリーニング方法、(2) 未分化間葉
系細胞がC3H10T1/2である、前記(1)記載の
スクリーニング方法、(3) 前脂肪細胞にPEBP2
αあるいはその活性部分ペプチドをコードするcDNA
を導入して得られた形質転換細胞を用いることを特徴と
する、骨形成促進剤のスクリーニング方法、(4) 前
脂肪細胞がMC3T3−G2/PA6である、前記
(3)記載のスクリーニング方法、(5) BMP受容
体に作用するアゴニスト様因子又は低分子化合物、ある
いはBMPの情報伝達系に作用する因子又は低分子化合
物をスクリーニングするための、前記(1)〜(4)い
ずれか記載のスクリーニング方法、(6) PEBP2
αがPEBP2αAである、前記(1)〜(5)いずれ
か記載のスクリーニング方法、(7) アルカリホスフ
ァターゼ発現誘導活性を指標とする、前記(1)〜
(6)いずれか記載のスクリーニング方法、(8) 骨
芽細胞に分化し得る未分化間葉系細胞にPEBP2αあ
るいはその活性部分ペプチドをコードするcDNAを導
入して得られる、骨形成促進剤のスクリーニングのため
の形質転換細胞、(9) 前脂肪細胞にPEBP2αあ
るいはその活性部分ペプチドをコードするcDNAを導
入して得られる、骨形成促進剤のスクリーニングのため
の形質転換細胞、(10) 前記(8)または(9)記
載の形質転換細胞を含有することを特徴とする、骨形成
促進剤のスクリーニング用キット、(11) 前記
(1)〜(7)いずれか記載のスクリーニング方法、あ
るいは前記(10)記載のスクリーニング用キットを用
いて得られる骨形成促進剤、並びに(12) 前記
(1)〜(7)いずれか記載のスクリーニング方法、あ
るいは前記(10)記載のスクリーニング用キットを用
いて得られるPEBP2αの作用促進剤、に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のスクリーニング方法は、
骨芽細胞に分化し得る未分化間葉系細胞、あるいは前脂
肪細胞に対し、PEBP2αあるいはその活性部分ペプチド
をコードするcDNAを導入して得られた形質転換細胞を用
いることを特徴とする、骨形成促進剤のスクリーニング
方法である。
【0020】本発明において用いられる未分化間葉系細
胞としては、例えば筋細胞、脂肪細胞、軟骨細胞及び骨
芽細胞に共通の非常に未分化な幹細胞であるC3H10T1/2
細胞が挙げられる。該細胞以外にも、ATDC5が使用され
得る。同様に、本発明において用いられる前脂肪細胞と
しては、例えば前脂肪細胞様の性質を有するMC3T3-G2/P
A6細胞が挙げられる。該細胞以外にも、3T3-L1、3T3-F4
42、ST2、BMS2、OP9あるいはOb1771等が使用され得る。
【0021】本発明においてPEBP2αとは、いわゆる「r
unt領域」と呼ばれるDNA結合領域を有する転写因子のフ
ァミリーであり、具体的にはPEBP2αA、PEBP2αB、PEBP
2αCの3つの因子を指す。脊椎動物全ての種のこれらの
因子が、本発明の範疇に含まれる。
【0022】本発明においてPEBP2αAとは、例えば以下
の3種類のPEBP2αAが挙げられる。すなわち、1)Genba
nk Accession Number: D14636として登録されており、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6859-6863 (1993)にも記載
されているPEBP2αA(ヒト型はGenbank Accession Numb
er:L40992として登録されており、Oncogene 15,367-371
(1997)にも記載されているPEBP2αA)、2)Cell 89,74
7-754(1997)に記載されたPEBP2αA(Osf2/Cbfa1)(ヒト
型はMamm Genome 9, 54-57(1998)に記載されたPEBP2α
A)、3)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,94,8646-8651(1997)
に記載されたPEBP2αA(ヒト型はGenbank Accession N
o.AF001443-AF001450として登録されているPEBP2αA)
が、具体的に挙げられる。
【0023】PEBP2αAは、前述のように骨形成に必須の
因子であり、しかも骨芽細胞の分化成熟に必須の因子で
あることが示唆されている。また、PEBP2α全般に関
し、骨芽細胞の分化マーカーであるオステオカルシン(O
SC)、及びオステオポンチン(OSP)遺伝子のプロモータ
ー上にPEBP2の結合配列が存在しており、実際に、PEBP2
αB(AML-1)がOSCのプロモーターに結合して転写を促進
することが知られている(J.Biol.Chem.270:30973-3097
9 1995)。加えて、骨芽細胞と起源を同じ未分化間葉系
細胞とする筋芽細胞及び脂肪細胞の分化マーカー遺伝子
のプロモーター上には、MyoDファミリー及びキャット/
エンハンサー結合蛋白質(C/EBP)、Peroxisome prolifer
ator activated receptor(PPAR)といった転写因子に対
する結合配列が存在しており、実際、これら転写因子は
筋細胞系列及び脂肪細胞系列への分化を決定付けるのに
重要な役割を果たしていることが知られている。従って
PEBP2αAのみならず、PEBP2αB及びPEBP2αCも骨芽細胞
の分化に必須の因子であると考えられるため、これらPE
BP2αB及びPEBP2αCも、本発明のスクリーニング方法に
おいて使用できると考えられる。
【0024】本発明におけるPEBP2αとはまた、PEBP2α
と同様の作用を有するものであればよく、例えば該PEBP
2αのアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が
欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列を有する
ようなPEBP2αであっても良い。本発明においてPEBP2α
の活性部分ペプチドとは、PEBP2αAと同様の作用を有す
るPEBP2αの部分ペプチドを指す。該ペプチドの一例と
して、DNA結合およびβサブユニットとのヘテロ2量体
形成に重要であるrunt領域部分(Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 90: 6859-6863(1993))が挙げられる。
【0025】本発明のスクリーニング方法においては、
骨芽細胞の分化の初期マーカーであるALPの活性を検出
する方法が最も簡便であるが、その他の分化マーカー、
すなわちオステオネクチン(OSN)、OSP、OSC、あるい
はPTH受容体の発現を検出するようなスクリーニング方
法も用いることができる。ALPの活性は、例えばBCIP/NB
Tなどの酵素基質による発色反応で検出可能であり、ま
た、p-nitrophenyl phosphateを酵素基質にすることで
吸光度計により定量的に測定することができる。またOS
N、OSP及びOSCの発現は、例えばEIA、RIAによりタンパ
クレベルの定量が可能であるし、RT-PCR、ノーザンブロ
ット法(実施例5)によりmRNA発現量を測定することも
できる。
【0026】本発明のスクリーニング方法は、上記未分
化間葉系細胞あるいは前脂肪細胞に、PEBP2αあるいは
その活性部分ペプチドをコードするcDNAを導入して
得られた形質転換細胞を使用するものである。該形質転
換細胞は、外因性のPEBP2αあるいはその活性部分ペプ
チドをコードするcDNAを一過的に有するものであっ
ても良いし、安定に有するものであっても良い。該cD
NAを安定に有するステーブルな形質転換体は、常にPE
BP2αを過剰に発現している細胞であり、遺伝子導入の
手間及び時間が省け、スクリーニングがより簡便にかつ
短時間で行えるという観点から非常に有用な細胞であ
る。これら形質転換細胞は、実施例に記載の如く通常の
技術に基き、例えばリン酸カルシウム法(遺伝子導入と
発現・解析法 羊土社1994)により遺伝子を導入す
ることによって容易に作製することができる。ステーブ
ルな形質転換体は、PEBP2αAのcDNAを有するプラスミド
と共にpSV2neoを導入して培養後、抗生物質であるG418
にてセレクションを行う等の手法により、容易に作製す
ることができる。さらに、本発明で用いるステーブルな
細胞として、ステロイドホルモンの一種であるエクダイ
ソンによりPEBP2αの発現誘導がかけられるような細胞
も、有効に利用できる(インビトロジェン社)(Proc.N
atl.Acad.Aci.USA Vol.93: 3346-3351 (1996))。この
系においては添加するエクダイソンの濃度依存的にPEBP
2α遺伝子の転写効率が上昇するため、PEBP2αによるAL
P活性の上昇が調節できるというメリットがある。上記
エクダイソン誘導発現系以外にも、重金属イオンで発現
誘導がかけられるメタロチオネインプロモーターを用い
た発現系、グルココルチコイドで発現誘導がかけられる
MMTV-LTRプロモーターを用いた発現系(ファルマシア社
・クロンテック社)、熱で発現誘導がかけられる熱ショ
ックタンパク質プロモーターを用いた発現系(ストレス
ジェン社)、IPTGで発現誘導がかけられるLacSwitch を
用いた発現系(ストラタジーン社)、あるいはテトラサ
イクリンで発現誘導がかけられるTet-Regulated Expres
sion Systemを用いた発現系(ギブコBRL社)などが
誘導発現に利用できる。本発明におけるこれら形質転換
細胞はまた、キットの有効成分とすることもできる。
【0027】上記形質転換細胞を用い、ALP発現誘導活
性を指標にして、骨形成促進剤を具体的にスクリーニン
グする方法としては、例えば以下に述べるハイスループ
ット・スクリーニングが挙げられる。 すなわち、前記ス
テーブルな形質転換細胞を96ウエル培養皿に1×104
/well/100μlになるようにまき、培養を行う。その際
の培地としては、DMEM(ギブコ社製)にウシ胎児血清(F
BS)を10%添加したものを使用する。3〜4時間後、培養
上清を吸引除去した後、各ウエルに、被験物質を添加し
た10%FBS含有DMEMを添加し、48時間培養を続ける。培養
終了後に上清を吸引除去し、PBS(−)で洗浄し、基
質溶液(0.05mM 4-メチルウンベリフェリル−リン酸(B
oehringer mannheim社製), 2mM MgCl2, 0.2mMZnCl2,0.
75% Triton X-100 , 0.1M diethanolamine(pH9.5)) を
100μl/wellとなるように添加した後、室温で60〜120分
反応を行う。反応終了後、蛍光プレートリーダー(ex;
355nm, em;460nm) にて測定を行うことにより、目的
とする骨形成促進剤をスクリーニングすることができ
る。
【0028】本実施例においては、PEBP2αAによるALP
発現誘導活性の、BMPによる促進効果が示された。従っ
てBMPと同様に、BMP受容体に作用するアゴニスト様因子
又は低分子化合物、あるいはBMPの情報伝達系に作用す
る因子又は低分子化合物を、本スクリーニング系を用い
てスクリーニングすることができる。ここで因子とはタ
ンパク性の因子を指し、低分子化合物とは有機低分子化
合物やペプチド断片を指す。ここで「BMP受容体に作
用するアゴニスト様因子又は低分子化合物」とは、BM
Pの受容体(Principles of Bone Biology p661-671 Ac
ademic Press 1996、Bone Vol.19,No.6, p569-574, 199
6))にリガンドとして結合するタンパク性の因子又は
低分子化合物であり、BMPの代わりにBMP受容体に
結合することによりBMPと同様のシグナル伝達を行
い、最終的にPEBP2αAの作用を促進するような物
質を指す。またここで「BMPの情報伝達系に作用する
因子又は低分子化合物」とは、BMPのシグナル伝達経
路の途中に位置する、いわゆる「シグナル伝達因子」で
あるSmads、あるいはBRAMといった因子に作用するタン
パク性の因子又は低分子化合物である。すなわちSmads
あるいはBRAMの遺伝子発現を制御したりリン酸化などの
修飾を行うことにより、BMPのシグナル伝達経路の途
中からBMPと同様の作用を示して、最終的にPEBP
2αAの作用を促進するようなタンパク性の因子又は低
分子化合物を表す。またSmadsやBRAMなどの仲介因子、
あるいはBMP受容体の細胞内領域に結合する因子又は低
分子化合物や、該因子又は低分子化合物の結合を増強す
ることのできる因子又は低分子化合物も、最終的にPE
BP2αAの作用促進作用を有するものは、前記「BM
Pの情報伝達系に作用する因子又は低分子化合物」の範
疇に含まれる。
【0029】本発明のスクリーニング方法を用いること
によって、PEBP2αの作用を促進する物質、すなわち骨
形成促進物質が選択される。より詳細には、未分化間葉
系細胞におけるPEBP2αの作用をさらに促進することで
骨芽細胞の分化成熟を促進する物質、あるいは前脂肪細
胞におけるPEBP2αの作用をさらに促進することで前脂
肪細胞から脂肪細胞への分化を抑制し骨芽細胞へのトラ
ンス分化を促進する物質が選択される。すなわち本発明
において「骨形成促進剤」とは、このような、骨芽細胞
の分化成熟を促進する物質、あるいは前脂肪細胞から脂
肪細胞への分化を抑制し骨芽細胞への分化を促進する物
質を指すものである。本実施例においては、PEBP2αAに
よるALP発現誘導活性の、BMPによる促進効果が示され
た。従って、PEBP2αの作用を促進する物質の具体例と
して、BMPそのものの他に、BMP受容体に作用するアゴニ
スト様因子または低分子化合物、あるいはBMPの情報伝
達系に作用する因子又は低分子化合物が挙げられる。
【0030】なお、本発明のスクリーニング系は、PEBP
2αの作用の抑制剤も、同様にスクリーニングすること
ができる。PEBP2αの作用抑制剤は、以下の理由から、
例えば異所性骨化、あるいは異所性石灰化の予防あるい
は治療のための薬剤となり得る。すなわち、血管石灰化
部位で骨基質タンパクであるオステオポンチンが発現し
ているとの報告(細胞工学Vol.13 No.12 p28-37 1994)
があり、該オステオポンチンのような骨基質タンパクの
発現を調節する機能を有すると思われるPEBP2αA
の発現が強く示唆されることから、これら異所性骨化、
異所性石灰化においてPEBP2αAが作用しているこ
とが推測される。従って、これら細胞(血管石灰化の場
合は血管平滑筋細胞が挙げられ、異所性骨化の場合は発
現部位により、靭帯、筋肉の細胞が挙げられる)におい
てPEBP2αAの作用を抑制する抑制剤は、前記異所
性骨化、あるいは異所性石灰化の予防あるいは治療剤と
なることが考えられる。さらに、本発明のスクリーニン
グ系において見出される物質はPEBP2αの作用を促進す
る物質であるが、PEBP2αの遺伝子発現を促進する物質
も有用な骨形成促進剤になると考えられるため、これら
PEBP2αの発現促進物質をスクリーニングする系も、有
用な系となる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の一例として実施例により本発
明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例
によりなんら限定されるものではなく、本発明の技術分
野における通常の変更ができることは言うまでもない。
【0032】実施例1発現ベクターの構築 1)pSG5/mPEBP2αAの構築 Genbank Accession Number: D14636として登録されてい
るPEBP2αAのcDNAを有する発現ベクターの構築を行っ
た。すなわち、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6859-6863
(1993)に記載のマウスPEBP2αAcDNAの配列情
報をもとに、該cDNAのコード領域をPCR法にて増
幅した。5末の開始コドン(ATG)の直前に翻訳効率を上
げるためのコザック配列(CCACC)を付加し、さらにそ
の5末にBamHIサイトを付加した5末側のプライマーと、3
末の終止コドンの直後にBamHIサイトを付加した3末側の
プライマーで増幅したDNA断片をTAクローニング法
の利用できるpGEM-Tベクター(プロメガ社製)に挿入し
た。シークエンスにより正しい塩基配列であることを確
認した後、PEBP2αAコード領域を含むBamHIフラ
グメント部分を切り出し、pSG5ベクター(ストラタジー
ン社製)のBamHIサイトに挿入した。このようにして作
製したプラスミドをpSG5/mPEBP2αAと命名した。シーク
エンスにて正しい向きに挿入されていることを確認した
後、塩化セシウム密度勾配法で超遠心して該プラスミド
を大量調製した。
【0033】2)pSG5/KL及びpSG5/KSの構築 Cell 89,747-754(1997)において報告されたPEBP2αA(Os
f2/Cbfa1)のcDNA領域を有する発現ベクターpSG5/KLと、
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,94,8646-8651(1997)において
報告されたPEBP2αAのcDNA領域を有する発現ベクターpS
G5/KSの構築を行った。K-MLH:5-GGA TCC ACC ATG CTT C
AT TCG CCT CAC AAA CAA CC-3(配列番号:1) AA:5-T
GG TGC GGT TGT CGT GCG GC-3(配列番号:2)をプラ
イマーに用いて、常法により調製したマウス骨cDNAを用
いてPCRを行なった。反応は、0.2 mMdNTP Mix, 0.4
μM 各プライマー, 1X Klen Taq PCR reaction buffer,
1μl マウス骨 cDNA, 1μl Advantage Klen Taq Polym
erase mixの反応溶液組成で94℃1minの後、94℃ 30sec,
64℃ 30secのサイクルを5回、94℃ 30sec, 58℃ 30se
c, 68℃ 30secを30回行い、72℃ 45minを行った。反
応液をポリアクリルアミド電気泳動に供して分離、精製
したフラグメントをpGEM-T easy vector(Promega)にサ
ブクローンした。塩基配列を決定、確認し、正しい配列
のクローンをBglMet1:5-AGG TCA AGA TCT CCA CCA TGC
TTC ATT CGC CTC ACA AAC AAC C-3(配列番号:3) S
1:5'-TGA AGC GCG GGC TGG TGC TC-3(配列番号:4)
プライマーを用い、0.2 mM dNTP Mix, 0.4μM 各プライ
マー, 1X Klen Taq PCR reaction buffer, 1μl 上記プ
ラスミド DNA (約0.1μg), 1μl Advantage Klen Taq
Polymerase mixの反応溶液組成で、94℃ 1minの後、94
℃ 30sec, 64℃ 30secのサイクルを15回、72℃ 10minの
反応条件で増幅を行った。増幅断片をQIAquick PCR pur
ification kit(QIAGEN社製)で精製し、この精製断片
と、先にアガロースゲル電気泳動後精製しておいたpSG5
/mPEBP2aA のNaeI/BamHI断片とを、Bgl Met1:5- AGG T
CA AGA TCT CCA CCA TGC TTC ATT CGC CTC ACA AAC AAC
C-3(配列番号:3),End Bgl:5- AGG TCA AGA TCT CA
A TAT GGC CGC CAA ACA GAC TC-3(配列番号:5)の各
プライマーを用いて増幅した。反応組成は1×XL buffe
r II, 0.2mMeach dNTPs, 1.2 mM Mg(OAc)2, 0.2μM各
プライマー, 1μl pSG5/mPEBP2aAのNaeI/BamHI断片,
1μl前記の精製断片, 2 unit rTth DNA polymerase XL
の組成で94℃ 1minの後、94℃ 20sec, 64℃ 2 minのサ
イクルを20回繰り返し、その反応液をQIAquick PCR p
urification kitで精製した。pGEM-T easy vectorにサ
ブクローニングして塩基配列を決定し、pSG5 Bgl IIサ
イトに挿入した後、塩基配列を確認し、これをpSG5/KL
と命名した。
【0034】pSG5/KSは、Bgl II Met2:AGG TCA AGA TCT
CCA CCA TGG CGT CAA ACA GCC TCTTCA GC-3(配列番
号:6)、End Bglプライマー、pSG5/KLを用い、上記と
同じ反応液で15サイクルのPCRにて増幅を行い、pG
EM-T easy vectorにサブクローンして塩基配列を決定の
後、pSG5 Bgl IIサイトに挿入して塩基配列を確認し
た。以上のようにして配列・方向性を確認した上記プラ
スミドpSG5/KL, pSG5/KSは大量培養し、塩化セシウム超
遠心法にて大量調製した。
【0035】3)pSG5/xBMP4の構築 BMP-4の発現ベクターの構築を行った。すなわち、Bioch
em.Biophys.Res.Comm.186:1487-1495(1992) に記載のア
フリカツメガエルBMP4cDNAの配列情報をもと
に、該cDNAのコード領域をPCR法にて増幅した。
すなわち、5末の開始コドン(ATG)の直前に翻訳効率を
上げるためのコザック配列(CCACC)を付加し、さらに
その5末にEcoRIサイトを付加した5末側のプライマー
と、3末の終止コドンの直後にEcoRIサイトを付加した3
末側のプライマーで増幅したDNA断片をpGEM-Tベクタ
ー(プロメガ社製)に挿入した。その後、BMP4コー
ド領域を含むEcoRIフラグメント部分を切り出し、pSG5
ベクター(ストラタジーン社製)のEcoRIサイトに挿入
した。このようにして作製したプラスミドをpSG5/xBMP4
と命名した。なお上記と同様にシークエンスにより配列
決定を行った後、プラスミドの大量調製を行った。
【0036】実施例2細胞への遺伝子導入及びスクリーニング系の構築 1)方法 マウス胎児由来C3H10T1/2(理研細胞開発銀行、RCB024
7)、NIH3T3(大日本製薬、CRL-1658)、及びマウス新
生児由来MC3T3-G2/PA6(理研細胞開発銀行、RCB1127)
を、12ウエルプレートに40-70%コンフルエントになる
ようにまきこんだ。一日後、実施例1で作製したpSG5/m
PEBP2αA、pSG5/xBMP4、あるいはpSG5/mPEBP2αAとpSG5
/xBMP4の両方を、それぞれリン酸カルシウム法(遺伝子
導入と発現・解析法 羊土社1994)にて上記各細胞
に導入した。なお各ウエル当たりの導入DNA量は、上
記各プラスミドにpBluescribeM13(ストラタジーン社
製)を混合することにより一定量(1μg/well)とし
た。導入の際には、ネガティブコントロールとして何も
導入しないウエル、及びpBluescreibeM13のみ導入した
ウエルも調製した。遺伝子導入一日後の培地交換の際
に、ポジティブコントロールとして、何も導入していな
いウエルにオールトランスレチノイン酸を終濃度1μMに
なるように添加したウエルも調製した。3日後に再度培
地交換し、さらに3日後(すなわち遺伝子導入後7日
後)に培地を吸引除去し、0.1M Tris-Cl(pH.9.5)でウ
エルを一回洗浄後、70%エタノールで細胞を固定した。
風乾後、BCIT/NBTを基質とするアルカリホスファターゼ
染色キット(ベクター社製)を用いて染色を行い、各ウ
エルの発色の程度を比較した。以上の実験は、各群n=2
で行った。さらに、実施例1で作製したpSG5/KSを前記
と同様の方法にてC3H10T1/2に導入し、発色の程度を検
討した。
【0037】2)結果 C3H10T1/2ではpSG5/mPEBP2αA導入群(図1:C-1,C-
2)、あるいはpSG5/xBMP4導入群(図1:B-1,B-2)におい
て、弱い発色が示された。なお、この発色は、プラスミ
ド導入3日後より検出された。さらに、 pSG5/mPEBP2αA
及びpSG5/xBMP4の共導入群において、強い発色が観察さ
れた(図1:A-3,A-4)。この共導入において示された発
色の程度は、 pSG5/mPEBP2αA単独導入における発色とp
SG5/xBMP4単独導入における発色との相加の発色の程度
を大幅に上回る強い発色であった。これらの結果から、
未分化間葉系細胞であるC3H10T1/2においてはPEBP2αA
とBMP4が相乗的に作用し、ALP活性が上昇したものと推
察された。なお、ポジティブコントロール(オールトラ
ンスレチノイン酸添加群)では強い発色が観察され(図
1:C-3,C-4)、ネガティブコントロール(何も導入しな
い群およびpBluescribeM13導入群)では発色は観察され
なかった(図1:A-1,A-2及びB-3,B-4)。また、pSG5/KS
をC3H10T1/2に導入した場合も、先のpSG5/mPEBP2αA導
入群と同様の発色が観察された。
【0038】MC3T3-G2/PA6では、pSG5/xBMP4導入群にお
いては従来の報告通り発色は観察されなかったが( Bio
chem.Biophys.Res.Comm.220:366-371 1996)(図2:A-3,
A-4)、 pSG5/mPEBP2αA導入群において弱い発色が示さ
れ(図2:C-1,C-2)、さらにpSG5/mPEBP2αA及びpSG5/xB
MP4の共導入群において強い発色が観察された(図2:B-
3,B-4)。従って前脂肪細胞であるMC3T3-G2/PA6におい
ても、C3H10T1/2と同様、PEBP2αAとBMP4が相乗的に作
用し、ALP活性が上昇したものと推察された。一方、NIH
3T3においてはいずれのウエルでもほとんど発色は観察
されなかった。以上の結果より、PEBP2αA遺伝子を導入
したC3H10T1/2あるいはMC3T3-G2/PA6を用いたスクリー
ニング系は、PEBP2αAの作用を促進する物質のスクリー
ニング系になることが分かった。
【0039】実施例3ステーブル系の作製 マウス胎児由来C3H10T1/2細胞及びマウス新生児由来MC3
T3-G2/PA6を、100mm直径の培養皿に40-70%コンフルエン
トになるようにまきこんだ。一日後、リン酸カルシウム
法にてpSV2neo(BRL社製) 1μg及びpSG5/mPEBP2αA 24
μgの計25μgを導入した。遺伝子導入2日後、1/10
0の細胞密度で100mm直径の培養皿3枚にまき直すと同
時に、抗生物質であるG418(C3H10T1/2:500μg/ml, MC3T
3-G2/PA6:150μg/ml)によるセレクションを開始した。
増殖してきたコロニーはもう一度1/100の細胞密度
でまき直し、再度コロニーを形成したものに対してコロ
ニーリングでトリプシン処理にてコロニーを24ウエル培
養皿に移した。
【0040】各細胞株におけるPEBP2αA発現の確認は、
上記ALP活性染色で検討した。すなわち、24ウエル培養
皿に移したコロニーを96ウエル培養皿にまき込み、一日
後、0.1M Tris-Cl(pH.9.5)でウエルを一回洗浄後、70
%エタノールで細胞を固定した。風乾後、BCIT/NBTを基
質とするALP染色キット(ベクター社製)を用いて染色
を行い、各ウエルの発色の程度を比較した。ALP活性染
色で染色されたコロニーはPEBP2αAの発現量が多いと判
断し、培養スケールを大きくして細胞培養後、本スクリ
ーニング系のステーブル細胞としてストックを作製し
た。
【0041】実施例4PEBP2αAの作用促進物質のスクリーニング 10%FBSを添加したDMEM(GIBCO社製)に、pSG5/mPEBP2
αAを導入して得られた前記ステーブルな細胞を1×104
個/well/100μlとなるように浮遊させ、96 wellplate
(ファルコン社製) へまき、培養を行った。3〜4時間
後、培養上清を吸引除去した後、被験物質を添加した10
%FBS含有DMEM、あるいはポジティブコントロールとし
てあらかじめCOS細胞にpSG5/xBMP4を導入・発現させて得
られたBMP-4を含む培養上清を、それぞれ添加した。培
養48時間後、上清を吸引除去した後、PBS(-)で2回洗
浄を行い、基質溶液 (0.05mM 4-メチルウンベリフェリ
ル−リン酸(Boehringer mannheim社製), 2mM MgCl2,
0.2mMZnCl2,0.75% Triton X-100 , 0.1M diethanolami
ne(pH9.5)) を100μl/wellとなるように添加した
後、室温で60〜120分反応を行った。反応終了後、
蛍光プレートリーダー(ex;355nm, em;460nm) にて
測定を行った。
【0042】C3H10T1/2にpSG5/mPEBP2αAを導入して得
られた2種類のステーブルな細胞(クローン9とクローン
33)を用いてポジティブコントロールであるBMPの反
応性を検討した結果を、表1に示す。表1は、 BMP
の添加によるALP活性の上昇を示している。いずれも
BMP4上清を添加しない時のALP活性を1として相
対倍率で示してある。表に示すように、BMPによるA
LP活性誘導倍率が高いクローン9がスクリーニングに
適した細胞であると考えられる。
【0043】
【表1】
【0044】実施例5ノーザンハイブリダイゼーション 実施例3に記載の方法にて作製した3種類のステーブル
な細胞、すなわちpSG5/mPEBP2αA、pSG5/KL及びpSG5/KS
をそれぞれC3H10T1/2に導入して得られたステーブル細
胞のうち、各々2種類ずつを同じ選択培地を用いて拡大
培養し、AGPC法により全RNAを抽出した。20μgの全
RNAを1.1Mホルムアルデヒド-1%アガロースゲルに
て電気泳動後、Hybond N+ (Amersham社製)に20XSSCによ
るキャピラリー法にてトランスファーした。トランスフ
ァーした膜はUVクロスリンク後、ハイブリダイゼーショ
ンを行った。 プローブとしては、PEBP2αAに対
してはGenbank D14636に記載のマウスPEBP2αAの
第1293位−第1688位のヌクレオチドに相当する
NcoI/HindIII断片を、アルカリホスファターゼに対して
はラットアルカリホスファターゼcDNA断片(Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 85319-323 1988に記載)を、オステ
オカルシンに対してはマウスオステオカルシンcDNA
断片(EMBO J 5 1885-1890 1986)を、オステオポンチ
ンに対してはマウスオステオポンチンcDNA断片(J
Biol Chem 264 9682-9689 1989)を、1型コラーゲンに
対してはラット1型コラーゲンcDNA断片(Biochemi
stry 236210-6216 1984)を、またヒトβアクチンcD
NA断片は市販のMTNブロット(クロンテック社製)
に添付されているコントロールプローブを、それぞれ用
いた。これらのプローブは、いずれもBcaBEST Labeling
kit (TAKARA)により32P -dCTPを用いて標識した。50%
formamide, 5XSSPE, 5XDenhart's solution, 1mg/ml sa
lmon sperm DNA, 0.1% SDS の液中で42℃、4時間以上
プレハイブリダイゼーションを行った後、50% formamid
e, 5XSSPE, 1XDenhart's solution, 0.2mg/ml salmon s
perm DNA, 1X106cpm/ml の32Pで標識されたプローブで4
2℃、20時間ハイブリダイゼーションを行った。洗い
は、2XSSPE, 0.03% NaPPi, 0.1% SDS液中室温で10分
間行い、さらに1XSSPE, 0.03% NaPPi, 0.1% SDS 液中で
60℃、20分間、0.1XSSPE, 0.03% NaPPi, 0.1% SDS 液中
で60℃、20分間行った。洗い後、BAS2000 Image Analyz
erにてオートラジオグラフィーを行った。
【0045】結果を図3に示す。pSG5/mPEBP2αA及びpS
G5/KSを導入した細胞においては、調べた全ての遺伝子
の発現が認められ、pSG5/KLを導入した細胞において
は、アルカリフォスファターゼ以外の遺伝子の発現が認
められた。
【0046】
【発明の効果】本発明により、骨芽細胞に分化し得る未
分化間葉系細胞あるいは前脂肪細胞にPEBP2αあるいは
その活性部分ペプチドをコードするcDNAを導入して得ら
れる形質転換細胞、該形質転換細胞を用いた骨形成促進
剤の新規なスクリーニング方法及びスクリーニング用キ
ット、並びに該スクリーニング方法又はスクリーニング
用キットを用いて得られる骨形成促進剤、あるいはPE
BP2αの作用促進剤が提供される。本発明のスクリー
ニング方法は、骨形成に必須の因子であるPEBP2αある
いはその活性部分ペプチドの作用を促進する物質が選択
され易く、かつ従来法と比較して迅速にスクリーニング
することができるという利点を有する。
【0047】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GGATCCACCA TGCTTCATTC GCCTCACAAA CAACC 35
【0048】配列番号:2 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TGGTGCGGTT GTCGTGCGGC 20
【0049】配列番号:3 配列の長さ:43 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AGGTCAAGAT CTCCACCATG CTTCATTCGC CTCACAAACA ACC 43
【0050】配列番号:4 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TGAAGCGCGG GCTGGTGCTC 20
【0051】配列番号:5 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AGGTCAAGAT CTCAATATGG CCGCCAAACA GACTC 35
【0052】配列番号:6 配列の長さ:41 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AGGTCAAGAT CTCCACCATG GCGTCAAACA GCCTCTTCAG C 41
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、C3H10T1/2細胞に対してpSG5/mPEBP2α
A、pSG5/xBMP4、あるいはpSG5/mPEBP2αAとpSG5/xBMP4
の両方を導入し、培養した後に、ALP染色キットにより
染色を行った結果を示す生物の形態の写真である。図
中、A-1及びA-2は何も導入しない群を、A-3及びA-4はp
SG5/mPEBP2αA及びpSG5/xBMP4の共導入群を、B-1及びB-
2はpSG5/xBMP4導入群を、B-3及びB-4はpBluescribeM13
導入群を、C-1及びC-2はpSG5/mPEBP2αA導入群を、そし
てC-3及びC-4はオールトランスレチノイン酸添加群を、
それぞれ示す。
【図2】図2は、MC3T3-G2/PA6細胞に対して pSG5/mPEB
P2αA、pSG5/xBMP4、あるいはpSG5/mPEBP2αAとpSG5/xB
MP4の両方を導入し、培養した後に、ALP染色キットによ
り染色を行った結果を示す生物の形態の写真である。図
中、A-1及びA-2は何も導入しない群を、A-3及びA-4はpS
G5/xBMP4導入群を、B-1及びB-2はpBluescribeM13導入群
を、B-3及びB-4はpSG5/mPEBP2αA及びpSG5/xBMP4の共導
入群を、C-1及びC-2はpSG5/mPEBP2αA導入群を、そして
C-3及びC-4はオールトランスレチノイン酸添加群を、そ
れぞれ示す。
【図3】図3は、 pSG5/mPEBP2αA, pSG5/KS, pSG5/KL
の過剰発現細胞における骨基質タンパク遺伝子のノーザ
ンブロットの結果を示す電気泳動の写真である。図中NT
は遺伝子導入していないノーマル細胞を示し、MOは空ベ
クターであるpSG5を導入したクローン、ITはpSG5/mPEBP
2αA を導入したクローン、KSはpSG5/KSを導入したクロ
ーン、KLはpSG5/KLを導入したクローンを示す。各々独
立した2クローンを解析した。遺伝子の略号は、ColI
(1型コラーゲン)、OSC (オステオカルシン)、ALP
(アルカリホスファターゼ)、 OPN (オステオポンチ
ン)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝又 隆 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友製薬株式会社内 (72)発明者 中塚 正志 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友製薬株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨芽細胞に分化し得る未分化間葉系細胞
    にPEBP2αあるいはその活性部分ペプチドをコード
    するcDNAを導入して得られた形質転換細胞を用いる
    ことを特徴とする、骨形成促進剤のスクリーニング方
    法。
  2. 【請求項2】 未分化間葉系細胞がC3H10T1/2
    である、請求項1記載のスクリーニング方法。
  3. 【請求項3】 前脂肪細胞にPEBP2αあるいはその
    活性部分ペプチドをコードするcDNAを導入して得ら
    れた形質転換細胞を用いることを特徴とする、骨形成促
    進剤のスクリーニング方法。
  4. 【請求項4】 前脂肪細胞がMC3T3−G2/PA6
    である、請求項3記載のスクリーニング方法。
  5. 【請求項5】 BMP受容体に作用するアゴニスト様因
    子又は低分子化合物、あるいはBMPの情報伝達系に作
    用する因子又は低分子化合物をスクリーニングするため
    の、請求項1〜4いずれか記載のスクリーニング方法。
  6. 【請求項6】 PEBP2αがPEBP2αAである、
    請求項1〜5いずれか記載のスクリーニング方法。
  7. 【請求項7】 アルカリホスファターゼ発現誘導活性を
    指標とする、請求項1〜6いずれか記載のスクリーニン
    グ方法。
  8. 【請求項8】 骨芽細胞に分化し得る未分化間葉系細胞
    にPEBP2αあるいはその活性部分ペプチドをコード
    するcDNAを導入して得られる、骨形成促進剤のスク
    リーニングのための形質転換細胞。
  9. 【請求項9】 前脂肪細胞にPEBP2αあるいはその
    活性部分ペプチドをコードするcDNAを導入して得ら
    れる、骨形成促進剤のスクリーニングのための形質転換
    細胞。
  10. 【請求項10】 請求項8または9記載の形質転換細胞
    を含有することを特徴とする、骨形成促進剤のスクリー
    ニング用キット。
  11. 【請求項11】 請求項1〜7いずれか記載のスクリー
    ニング方法、あるいは請求項10記載のスクリーニング
    用キットを用いて得られる骨形成促進剤。
  12. 【請求項12】 請求項1〜7いずれか記載のスクリー
    ニング方法、あるいは請求項10記載のスクリーニング
    用キットを用いて得られるPEBP2αの作用促進剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003008966A1 (fr) * 2001-07-17 2003-01-30 Takeda Chemical Industries, Ltd. Agents de prevention/de traitement du cancer et agents de diagnostic
US6518063B1 (en) 1997-05-29 2003-02-11 Board Of Regents, The University Of Texas System Osf2/Cbfa1 nucleic acids and methods of use therefor
WO2004074489A1 (ja) * 2003-02-18 2004-09-02 Japan Science And Technology Agency 脂肪細胞を利用した骨・軟骨組織の作製方法
US7795023B2 (en) 1999-07-20 2010-09-14 The University Of Southern California Identification of a pluripotent pre-mesenchymal, pre-hematopoietic progenitor cell

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