JPH11183640A - 多チャンネル放射計データ処理方法および装置 - Google Patents

多チャンネル放射計データ処理方法および装置

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JPH11183640A
JPH11183640A JP9353425A JP35342597A JPH11183640A JP H11183640 A JPH11183640 A JP H11183640A JP 9353425 A JP9353425 A JP 9353425A JP 35342597 A JP35342597 A JP 35342597A JP H11183640 A JPH11183640 A JP H11183640A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分実用的な速度で多チャンネル放射計の観
測データから算出処理を行うことができ、大気鉛直分布
をリアルタイムで算出することのできる多チャンネル放
射計データ処理方法および装置を実現することを目的と
する。 【解決手段】 人工衛星または航空機等に搭載された多
チャンネル放射計からの観測データを受信し、観測点に
おける大気鉛直分布を算出する多チャンネル放射計デー
タ処理方法において、受信したデータについて事前に作
成した大気鉛直分布算出用データベースに基づいて観測
点の大気鉛直分布を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多チャンネル放射
計データ処理方法および装置に関し、特に、観測の事前
に作成した大気鉛直分布算出用データベースを基に、観
測点の大気鉛直分布を、高速、高精度に算出可能とする
多チャンネル放射計データ処理方法および装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の多チャンネル放射計デー
タ処理装置は、人工衛星または航空機等に搭載された多
チャンネル放射計の観測データを受信し、観測点の大気
鉛直分布を算出するために用いられている。
【0003】図2は多チャンネル放射計データ処理装置
の一例の構成を示すブロック図である。
【0004】人工衛星101には多チャンネル放射計1
02が搭載される。多チャンネル放射計102は、赤外
線またはマイクロ波の大気の吸収帯を利用し、衛星軌道
上から複数波長を測定するセンサ103を使用して、地
球大気104からの放射量(放射エネルギー密度)を観
測する。観測された放射量のデータは、デジタル化され
て地上に送信される。
【0005】地上に置かれる多チャンネル放射計データ
処理装置105では、衛星から送信されたデータを受信
部106で受信し、処理部107で大気鉛直分布の算出
処理が行われる。処理部107で算出された結果は、温
度、湿度、オゾン量等の大気鉛直分布データとして記憶
装置108に保存されるとともに、通信回線109を通
して利用者端末110に送られる。
【0006】多チャンネル放射計データ処理装置にて行
われる処理の従来例について説明する。
【0007】図3は、例えば「1983年3月、 気象
衛星センター技術報告 特別号、67〜104頁」に示
されるように、Regression(回帰)法と呼ばれる、従来
の技術における多チャンネル放射計データ処理装置の処
理部の構成および動作を示すブロック図である。
【0008】衛星軌道等の充分高い高度から、地球大気
をある波長で観測した際に得られる観測放射量は、近似
的に以下の式1(大気の放射伝達方程式)で与えられ
る。また、観測点の鉛直方向の大気物理量を高度毎に示
したものをX0-n、複数波長での観測放射量をR0-mとす
ると、XとRの関係は以下の式2で与えられる。
【0009】
【数7】
【0010】回帰係数算出処理201では、観測放射量
データ202と、同時刻・同地点でラジオゾンデ観測等
で観測した大気鉛直分布測定データ203との多数の組
から、上記の式2におけるC及びC0の行列の係数を回
帰分析等の統計的な手法により求め、回帰係数データベ
ース204として、予め処理部の記憶装置(不図示)に
格納しておく。
【0011】受信部205から送られた多チャンネル放
射計の観測データは、輝度校正処理回路206によりデ
ジタルカウント値から物理量である多チャンネルの観測
放射量207に変換される。
【0012】また、幾何補正処理回路208では、衛星
の軌道位置、衛星の姿勢、観測視野方向角度等と地球表
面の幾何的な関係から、観測点位置が求められる。
【0013】鉛直分布算出処理回路209においては、
輝度校正処理回路206で算出された観測放射量20
7、回帰係数データベース204および式2を用いて大
気鉛直温度分布算出値210を求める。
【0014】鉛直分布算出処理回路209にて求められ
た大気鉛直分布算出値210は、幾何補正処理回路20
8にて算出された観測点位置とともに、大気鉛直分布デ
ータ211として、処理部の記憶装置に格納される。
【0015】次に、多チャンネル放射計データ処理装置
にて行われる処理の他の従来例について説明する。
【0016】図4は、例えば、「1991年11月、
気象衛星センター技術報告 23号、 37−69頁」
に示されるような物理法と呼ばれる従来の技術におけ
る、多チャンネル放射計データ処理装置の処理部の構成
および動作を示すブロック図である。
【0017】本従来例では、受信部301から送られた
多チャンネル放射計の観測データは、処理部の輝度校正
処理回路302によってデジタルカウント値から、物理
量である多チャンネルの観測放射量303に変換され
る。
【0018】また、幾何補正処理回路304において
は、衛星の軌道位置、衛星の姿勢、観測視野方向角度等
と地球表面の幾何的な関係から観測点位置が求められ
る。
【0019】初期値算出処理回路305においては、数
値解析予報の予報値等306を基にして、幾何補正処理
回路304で求められた観測点位置の大気鉛直分布推定
値307を求める。ここで求められた大気鉛直分布推定
値307は、大気を複数高度に分割し、各高度毎の物理
量(温度、水蒸気量、オゾン密度等)の推定値を示す大
気モデルである。
【0020】放射計算処理回路308においては、大気
鉛直分布推定値307に示される大気モデルについて、
式1に示される大気の放射伝達方程式に従った前進計算
(シミュレーション計算)を行い、観測放射量推定値3
09が求められる。また、大気鉛直分布推定値307を
微小量変化させて、再度前進計算を行い、観測放射量推
定値309の変化量を計算し、以下の式3に従って感度
行列310が求められる。
【0021】
【数8】
【0022】修正量算出処理回路311では、最初に観
測データから求められた観測放射量303と大気鉛直分
布推定値から求められた観測放射量推定値309との差
分を求め、差分と感度行列310から、例えば以下の式
4に示す計算式により、大気鉛直分布の各高度の修正量
を求める。
【0023】
【数9】
【0024】上記の修正量と大気鉛直分布推定値307
を加算して大気鉛直分布算出値312が得られる。ここ
で修正量の絶対値が所定値よりも大きく、十分な精度が
得られない場合には、求められた大気鉛直分布算出値3
12を大気鉛直分布推定値307に置き換え、以上のサ
イクルを再度繰返し、得られた結果を大気鉛直分布算出
値とする。求められた大気鉛直分布算出値は幾何補正処
理304で算出した観測点位置とともに、大気鉛直分布
データ313として処理部の記憶装置に格納する。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の技術の
うち、図3に示した回帰法による多チャンネル放射計デ
ータ処理装置においては、統計的な手法により回帰係数
を算出する。回帰係数の信頼性を向上するためには多数
のサンプルが必要となり、また、回帰係数は、季節、観
測地域等の観測条件毎に異なるために各季節、各観測地
点毎にサンプルを収集する必要があり、さらに多くのサ
ンプルが必要となる。さらには、実観測には高層大気の
観測が必要であり、このような観測を行う際にラジオゾ
ンデ等を利用して観測するとしても、衛星位置に合せて
多地点での観測が必要となる。このため、実観測の大気
鉛直分布データを収集するために多大な手間と費用が必
要となるという問題点がある。
【0026】また、回帰係数を算出するために使用する
実観測の大気鉛直分布データに含まれる誤差が、算出さ
れた大気鉛直分布データに誤差として現れやすいために
品質のよい実観測データを選別することが必要となり、
この点においても多大な手間がかかり、また選別が困難
であるという問題点がある。
【0027】図4に示した物理法による多チャンネル放
射計データ処理装置においては、大気の放射伝達方程式
に従った前進計算のためには、多量の数値積分計算を行
うことが必要であるが、観測点の1点1点毎に計算を行
うため、計算量が膨大となり、小型計算機では計算速度
や記憶容量の制約から処理が難しいという問題点があ
る。また、計算処理に時間がかかることから、迅速に大
気鉛直分布を算出して利用することが難しく、速報性が
要求される現業的な気象予報業務等に組入れることが難
しい。
【0028】また、リアルタイムな処理として大気伝達
方程式に従った前進計算を行うため、精密な大気モデル
を考慮することが難しく、各種のパラメータを近似化す
る際に発生する計算誤差により、大気鉛直分布算出値の
精度が悪化しやすいという問題点がある。
【0029】本発明は上述したような従来の技術が有す
る問題点に鑑みてなされたものであって、計算速度や記
憶容量の制限のある小型計算機でも、十分実用的な速度
で多チャンネル放射計の観測データから算出処理を行う
ことができ、大気鉛直分布をリアルタイムで算出するこ
とのできる多チャンネル放射計データ処理方法および装
置を実現することを目的とする。
【0030】本発明の他の目的は、多数の実観測データ
を用意することなく大気鉛直分布の算出を行うことので
きる多チャンネル放射計データ処理方法および装置を実
現することである。
【0031】本発明のさらに他の目的は、多チャンネル
放射計の観測データの処理において、精密な大気モデル
を考慮し、高精度の大気鉛直分布算出処理が行うことの
できる多チャンネル放射計データ処理方法および装置を
実現することである。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明の多チャンネル放
射計データ処理方法は、人工衛星または航空機等に搭載
された多チャンネル放射計からの観測データを受信し、
観測点における大気鉛直分布を算出する多チャンネル放
射計データ処理方法において、受信したデータについて
事前に作成した大気鉛直分布算出用データベースに基づ
いて観測点の大気鉛直分布を算出することを特徴とす
る。
【0033】この場合、大気鉛直分布算出用データベー
スとして、標準大気モデル等の標準的な大気鉛直分布を
基に実際の大気鉛直分布を模擬する大気モデル初期値を
複数作成し、複数の大気モデル初期値について以下の式
に従った前進計算を行って観測放射量推定値を求め、
【0034】
【数10】 大気モデル初期値からその鉛直分布を抽出した大気鉛直
分布初期値を作成し、さらに、大気モデル初期値を、そ
の各高度の物理量を微小量プラス方向、マイナス方向に
変化させて作成した感度行列計算用大気モデルを基に再
度前進計算を行って新たな観測放射量推定値を求め、そ
の求めた値と既に求めた観測放射量推定値との差分から
以下の式により感度行列を求めることを大気モデル初期
値の複数の大気モデルについてそれぞれ実行し、観測放
射量推定値、大気鉛直分布初期値、感度行列のデータの
複数の組として作成することとしてもよい。
【0035】
【数11】
【0036】また、観測データに示される観測放射量の
値とデータベースに格納された観測放射量推定値とを比
較し、最も合致する観測放射量推定値を検索し、検索さ
れた観測放射量推定値と同じ組の大気鉛直分布初期値を
大気鉛直分布一次推定値とし、前記観測放射量と検索さ
れた観測放射量推定値との差分を求め、求めた差分と検
索された観測放射量推定値と同じ組の感度行列と、以下
の式により、大気鉛直分布の修正量を求め、
【0037】
【数12】 求めた修正量と前記大気鉛直分布一次推定値を加算して
大気鉛直分布算出値を得ることとしてもよい。
【0038】さらに、観測データから多チャンネル放射
計の軌道位置、姿勢、観測視野方向角度等と地球表面の
幾何的な関係から観測点位置を求め、大気鉛直分布算出
値とともに組として観測データベースに格納することと
してもよい。
【0039】本発明の多チャンネル放射計データ処理装
置は、人工衛星または航空機等に搭載された多チャンネ
ル放射計からの観測データを受信し、観測点における大
気鉛直分布を算出する多チャンネル放射計データ処理装
置において、受信したデータについて事前に作成した大
気鉛直分布算出用データベースに基づいて観測点の大気
鉛直分布を算出することを特徴とする。
【0040】この場合、標準大気モデル等の標準的な大
気鉛直分布を基に実際の大気鉛直分布を模擬する大気モ
デル初期値を複数作成し、複数の大気モデル初期値につ
いて以下の式に従った前進計算を行って観測放射量推定
値を求め、
【0041】
【数13】 大気モデル初期値からその鉛直分布を抽出した大気鉛直
分布初期値を作成し、さらに、大気モデル初期値を、そ
の各高度の物理量を微小量プラス方向、マイナス方向に
変化させて作成した感度行列計算用大気モデルを基に再
度前進計算を行って新たな観測放射量推定値を求め、そ
の求めた値と既に求めた観測放射量推定値との差分から
以下の式により感度行列を求めることを大気モデル初期
値の複数の大気モデルについてそれぞれ実行し、観測放
射量推定値、大気鉛直分布初期値、感度行列のデータの
複数の組として大気鉛直分布算出用データベースとして
作成する放射計算処理回路を有することとしてもよい。
【0042】
【数14】
【0043】また、観測データに示される観測放射量の
値とデータベースに格納された観測放射量推定値とを比
較し、最も合致する観測放射量推定値を検索し、検索さ
れた観測放射量推定値と同じ組の大気鉛直分布初期値を
大気鉛直分布一次推定値とする大気鉛直分布一次推定値
検索処理回路と、前記観測放射量と検索された観測放射
量推定値との差分を求め、求めた差分と検索された観測
放射量推定値と同じ組の感度行列と、以下の式により、
大気鉛直分布の修正量を求め、
【0044】
【数15】 求めた修正量と前記大気鉛直分布一次推定値を加算して
大気鉛直分布算出値を得る修正量算出処理回路とを有す
ることとしてもよい。
【0045】さらに、観測データから多チャンネル放射
計の軌道位置、姿勢、観測視野方向角度等と地球表面の
幾何的な関係から観測点位置を求める修正量算出処理回
路をさらに備え、修正量算出処理回路は前記修正量算出
処理回路にて求められた観測点位置を大気鉛直分布算出
値とともに組として観測データベースに格納することと
してもよい。
【0046】「作用」上記のように構成される本発明に
おいては、観測の事前に作成された大気鉛直分布算出用
データベースに基づいて観測点の大気鉛直分布を算出す
るので、実際の測定により観測されたデータの数および
計算量は少ないものとなり、迅速に大気鉛直分布を算出
することができるものとなっている。
【0047】大気鉛直分布算出用データベースとして、
上記の観測放射量推定値、大気鉛直分布初期値、感度行
列を用いることにより、実際の状態をシミュレートする
に十分なものとすることができ、これを用いて実際の間
即データを修正することにより精度の高い大気鉛直分布
を算出することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例の構
成を示すブロック図である。
【0049】図1には、大気モデル初期値401、放射
計算処理回路402、観測放射量推定値403、大気鉛
直分布初期値404、感度行列405、受信部406、
輝度校正処理回路407、幾何補正処理回路408、観
測放射量409、大気鉛直分布一次推定値検索処理回路
410、大気鉛直分布一次推定値411、修正量算出処
理回路412、大気鉛直分布算出値413および大気鉛
直分布データ414(観測データベース)が示され、受
信部406および各回路により本実施例が構成されてい
る。また、観測放射量409、大気鉛直分布一次推定値
411、大気鉛直分布算出値413および大気鉛直分布
データ414は不図示の記憶装置に格納されるものであ
るが、図1では説明を分かりやすくするために図形化し
て示している。
【0050】放射計算処理回路402は、オフライン処
理を行う回路であり、後で説明するオンライン処理で使
用する大気鉛直分布算出用するデータベースを生成す
る。
【0051】輝度校正処理回路407、幾何補正処理回
路408、大気鉛直分布一次推定値検索処理回路41
0、修正量算出処理回路412はオンライン処理を行う
回路であり、受信部406で受信した観測データから、
放射計算処理行う回路402が生成した大気鉛直分布生
成用データベースを参照して、大気鉛直分布データ41
4を算出する。
【0052】次に、本実施例の動作について説明する。
【0053】大気モデル初期値401は、例えば、標準
大気モデル等の標準的な大気鉛直分布を基に実際の大気
鉛直分布を模擬するようなモデル、換言すると、大気高
度を分割して各高度毎の物理量を設定した大気鉛直分布
モデルであり、予め複数作成されて記憶装置(不図示)
に格納されている。
【0054】放射計算処理回路402は、複数の大気モ
デル初期値401のうちの1つについて上述した式1の
大気放射伝達方程式に従った前進計算を行い、観測放射
量推定値403を求める。この前進計算においては精密
な大気モデルを使用し、大気組成、大気吸収スペクトラ
ム、大気散乱、太陽放射、スキャン角特性等のパラメー
タを実際の大気に近づけてシミュレーション計算を行
う。この前進計算そのものは、汎用的な大気放射シミュ
レーションプログラムを使用して実行することも可能で
ある。
【0055】放射計算処理回路402では、大気モデル
初期値401からその鉛直分布を抽出した大気鉛直分布
初期値404を作成して記憶装置に格納し、さらに、大
気モデル初期値401を、その各高度の物理量を微小量
プラス方向、マイナス方向に変化させて作成した感度行
列計算用大気モデルを基に再度前進計算を行って新たな
観測放射量推定値403’を求め、その算出値と既に求
めた観測放射量推定値403との差分から上述した式3
により感度行列405を求める。
【0056】放射計算処理回路402では、以上の算出
処理を大気モデル初期値401の複数の大気モデルにつ
いてそれぞれ実行し、複数の観測放射量推定値403、
大気鉛直分布初期値404、感度行列405のデータの
組として大気鉛直分布算出用データベースとして記憶装
置に格納する。放射計算処理回路402は以上の処理を
実際の測定を行う測定処理の事前に実行し、各データベ
ースを生成しておく。
【0057】以上で生成した大気鉛直分布算出用データ
ベースを使用して、多チャンネル放射計の観測データか
ら測定処理の際に大気鉛直分布データを算出する。以下
にその動作について説明する。
【0058】輝度校正処理回路407は、受信部406
で受信した多チャンネル放射計のデジタルカウント値の
観測データを物理量である多チャンネルの観測放射量4
09に変換する。また、幾何補正処理回路408におい
ては、衛星の軌道位置、衛星の姿勢、観測視野方向角度
等と地球表面の幾何的な関係から、観測点位置を求め
る。
【0059】大気鉛直分布一次推定値検索処理回路41
0では、観測放射量409の値とデータベースに格納さ
れた観測放射量推定値403とを比較し、最も合致する
観測放射量推定値を検索する。ここで、合致性の判定と
しては、例えば正規化した観測放射量推定値と観測放射
量の差の自乗和が最小となるものを選ぶ最小二乗法を用
いることが挙げられる。
【0060】次に、最も合致する検索結果の観測放射量
を与える、大気鉛直分布初期値404をデータベースか
ら取出し、大気鉛直分布一次推定値411とする。
【0061】修正量算出処理回路412では、最初に観
測データから求めた観測放射量409と大気鉛直分布一
次推定値411を与える観測放射量推定値403との差
分を求め、求めた差分と感度行列405から、例えば式
4に示す計算式により、大気鉛直分布の修正量を求め
る。続いて、求めた修正量と大気鉛直分布一次推定値4
11を加算して大気鉛直分布算出値413を得る。得ら
れた大気鉛直分布算出値413は幾何補正処理回路40
8で算出された観測点位置と共に、大気鉛直分布データ
414として記憶装置に格納される。
【0062】一般に、多チャンネル放射計の観測データ
には多数の地点の観測データが含まれているため、一地
点一地点の観測データについて、各々、以上の大気鉛直
分布データの算出処理を実行し、多地点の大気鉛直分布
データ414を得る。
【0063】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような効果を奏する。
【0064】実際の観測の事前に作成したデータベース
を参照して観測時の処理を実施することにより、算出処
理に必要となる計算量が低減され、処理性能、記憶容量
に制限のある計算機でも、多チャンネル放射計の観測デ
ータを処理し大気鉛直分布を算出するデータ処理装置を
構成することができる。このため、小型計算機でも装置
が構成可能となり、コストを低減することができる効果
がある。
【0065】また、大気放射伝達方程式による前進計算
のみから理論的な観測放射量を計算し、原理的に実観測
データを必要としないため、観測放射量データ、大気鉛
直分布測定データ等の実観測データを多数収集する必要
がなく、観測を迅速に行うことができる効果がある。
【0066】さらに、大気放射伝達方程式による前進計
算を観測の事前に行い、実際の大気のパラメータを多数
考慮した精密な大気モデルを使用することができるた
め、大気鉛直分布データを高精度に算出することができ
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すブロック図である。
【図2】多チャンネル放射計データ処理装置の一例を示
すブロック図である。
【図3】従来の技術(回帰法)を使用した多チャンネル
放射計データ処理装置の一例を示すブロック図である。
【図4】従来の技術(物理法)を使用した多チャンネル
放射計データ処理装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
401 大気モデル初期値 402 放射計算処理回路 403 観測放射量推定値 404 大気鉛直分布初期値 405 感度行列 406 受信部 407 輝度校正処理回路 408 幾何補正処理回路 409 観測放射量 410 大気鉛直分布一次推定値検索処理回路 411 大気鉛直分布一次推定値 412 修正量算出処理回路 413 大気鉛直分布算出値 414 大気鉛直分布データ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人工衛星または航空機等に搭載された多
    チャンネル放射計からの観測データを受信し、観測点に
    おける大気鉛直分布を算出する多チャンネル放射計デー
    タ処理方法において、 受信したデータについて事前に作成した大気鉛直分布算
    出用データベースに基づいて観測点の大気鉛直分布を算
    出することを特徴とする多チャンネル放射計データ処理
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多チャンネル放射計デー
    タ処理方法において、 大気鉛直分布算出用データベースとして、 標準大気モデル等の標準的な大気鉛直分布を基に実際の
    大気鉛直分布を模擬する大気モデル初期値を複数作成
    し、 複数の大気モデル初期値について以下の式に従った前進
    計算を行って観測放射量推定値を求め、 【数1】 大気モデル初期値からその鉛直分布を抽出した大気鉛直
    分布初期値を作成し、さらに、大気モデル初期値を、そ
    の各高度の物理量を微小量プラス方向、マイナス方向に
    変化させて作成した感度行列計算用大気モデルを基に再
    度前進計算を行って新たな観測放射量推定値を求め、そ
    の求めた値と既に求めた観測放射量推定値との差分から
    以下の式により感度行列を求めることを大気モデル初期
    値の複数の大気モデルについてそれぞれ実行し、観測放
    射量推定値、大気鉛直分布初期値、感度行列のデータの
    複数の組として作成することを特徴とする多チャンネル
    放射計データ処理方法。 【数2】
  3. 【請求項3】 請求項2記載の多チャンネル放射計デー
    タ処理方法において、 観測データに示される観測放射量の値とデータベースに
    格納された観測放射量推定値とを比較し、最も合致する
    観測放射量推定値を検索し、 検索された観測放射量推定値と同じ組の大気鉛直分布初
    期値を大気鉛直分布一次推定値とし、 前記観測放射量と検索された観測放射量推定値との差分
    を求め、求めた差分と検索された観測放射量推定値と同
    じ組の感度行列と、以下の式により、大気鉛直分布の修
    正量を求め、 【数3】 求めた修正量と前記大気鉛直分布一次推定値を加算して
    大気鉛直分布算出値を得ることを特徴とする多チャンネ
    ル放射計データ処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の多チャンネル放射計デー
    タ処理方法において、 観測データから多チャンネル放射計の軌道位置、姿勢、
    観測視野方向角度等と地球表面の幾何的な関係から観測
    点位置を求め、大気鉛直分布算出値とともに組として観
    測データベースに格納することを特徴とする多チャンネ
    ル放射計データ処理方法。
  5. 【請求項5】 人工衛星または航空機等に搭載された多
    チャンネル放射計からの観測データを受信し、観測点に
    おける大気鉛直分布を算出する多チャンネル放射計デー
    タ処理装置において、 受信したデータについて事前に作成した大気鉛直分布算
    出用データベースに基づいて観測点の大気鉛直分布を算
    出することを特徴とする多チャンネル放射計データ処理
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の多チャンネル放射計デー
    タ処理装置において、 標準大気モデル等の標準的な大気鉛直分布を基に実際の
    大気鉛直分布を模擬する大気モデル初期値を複数作成
    し、 複数の大気モデル初期値について以下の式に従った前進
    計算を行って観測放射量推定値を求め、 【数4】 大気モデル初期値からその鉛直分布を抽出した大気鉛直
    分布初期値を作成し、さらに、大気モデル初期値を、そ
    の各高度の物理量を微小量プラス方向、マイナス方向に
    変化させて作成した感度行列計算用大気モデルを基に再
    度前進計算を行って新たな観測放射量推定値を求め、そ
    の求めた値と既に求めた観測放射量推定値との差分から
    以下の式により感度行列を求めることを大気モデル初期
    値の複数の大気モデルについてそれぞれ実行し、観測放
    射量推定値、大気鉛直分布初期値、感度行列のデータの
    複数の組として大気鉛直分布算出用データベースとして
    作成する放射計算処理回路を有することを特徴とする多
    チャンネル放射計データ処理装置。 【数5】
  7. 【請求項7】 請求項6記載の多チャンネル放射計デー
    タ処理装置において、 観測データに示される観測放射量の値とデータベースに
    格納された観測放射量推定値とを比較し、最も合致する
    観測放射量推定値を検索し、検索された観測放射量推定
    値と同じ組の大気鉛直分布初期値を大気鉛直分布一次推
    定値とする大気鉛直分布一次推定値検索処理回路と、 前記観測放射量と検索された観測放射量推定値との差分
    を求め、求めた差分と検索された観測放射量推定値と同
    じ組の感度行列と、以下の式により、大気鉛直分布の修
    正量を求め、 【数6】 求めた修正量と前記大気鉛直分布一次推定値を加算して
    大気鉛直分布算出値を得る修正量算出処理回路とを有す
    ることを特徴とする多チャンネル放射計データ処理装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の多チャンネル放射計デー
    タ処理装置において、 観測データから多チャンネル放射計の軌道位置、姿勢、
    観測視野方向角度等と地球表面の幾何的な関係から観測
    点位置を求める修正量算出処理回路をさらに備え、 修正量算出処理回路は前記修正量算出処理回路にて求め
    られた観測点位置を大気鉛直分布算出値とともに組とし
    て観測データベースに格納することを特徴とする多チャ
    ンネル放射計データ処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102243304A (zh) * 2010-05-14 2011-11-16 中国科学院空间科学与应用研究中心 一种基于地基的大气廓线微波探测仪
KR101693705B1 (ko) * 2015-08-31 2017-01-18 건국대학교 산학협력단 다중 회귀식에 의한 중해상도 모의 위성 영상 제작 방법 및 시스템
JP2018128262A (ja) * 2017-02-06 2018-08-16 日本ユニシス株式会社 太陽放射強度算出装置および太陽放射強度算出方法

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