JPH11171773A - ジヒドロ葉酸還元酵素の阻害剤 - Google Patents

ジヒドロ葉酸還元酵素の阻害剤

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JPH11171773A
JPH11171773A JP9341433A JP34143397A JPH11171773A JP H11171773 A JPH11171773 A JP H11171773A JP 9341433 A JP9341433 A JP 9341433A JP 34143397 A JP34143397 A JP 34143397A JP H11171773 A JPH11171773 A JP H11171773A
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falciparum
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Tetsuo Toyoda
哲郎 豊田
Akiko Itai
昭子 板井
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IYAKU BUNSHI SEKKEI KENKYUSHO
Institute of Medicinal Molecular Design Inc IMMD
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 16位アラニン及び108 位セリンがそれぞれバ
リン及びスレオニンに変異したシクログアニル耐性熱帯
熱マラリア原虫由来のジヒドロ葉酸還元酵素に対して高
い阻害作用を発揮できる阻害剤を提供する。 【解決手段】 耐性の熱帯熱マラリア原虫由来のジヒド
ロ葉酸還元酵素の阻害剤であって、式(I) (R1及びR3
水素原子、C1-4アルキル基、又はC1-4アルコキシ置換C
1-4アルキル基を示し、R2及びR4はC1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ置換C1-4アルキル基、又はアリール基を
示し、X は-(CH2)n - (nは1ないし4の整数を示す)
などを示す)で表わされる化合物(例えば2,4-ジアミノ
-6,6,9,9- テトラメチル-6,7,8,9- テトラヒドロ-1,3,
5,10-テトラアザアントラセン)又はその塩を含む阻害
剤。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱帯熱マラリア感
染症の治療剤として有用なジヒドロ葉酸還元酵素の阻害
剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ジヒドロ葉酸還元酵素(本明細書中で
「DHFR」と略す場合がある) はDNA を構成する4種類の
核酸塩基の1つであるチミンの生合成に関わる酵素であ
り、ジヒドロ葉酸を還元してテトラヒドロ葉酸に変換す
る作用を有している。この酵素は、動物、植物、微生物
などあらゆる生物の生存・増殖に必須な酵素であり、医
薬のターゲットとして最も研究されている酵素の1つで
ある。ジヒドロ葉酸還元酵素の阻害剤としては、メトト
レキサート(methotrexate: 制癌剤)、トリメトプリム
(抗菌剤)、シクログアニルおよびピリメタミン(マラ
リア治療剤)などが知られている。例えば、トリメトプ
リムはバクテリアの DHFR を、シクログアニルとピリメ
タミンはマラリア原虫の DHFR をそれぞれ阻害すること
によって微生物の増殖を阻害し、メトトレキサートは正
常細胞よりもDNA 合成が盛んなガン細胞に対して選択毒
性を発揮する。例えば、2-アミノプテリジン誘導体であ
るジヒドロ葉酸還元酵素阻害剤については構造活性相関
に関する詳細な研究論文がある(Blaney, et al., Chemi
cal Reviews, 84, pp.333-407, 1984)。
【0003】一方、新規な医薬の開発には、所望の作用
を有することが知られている化合物(リード化合物)の
構造を修飾して多数のアナログ化合物を合成し、種々の
スクリーニングを行って、生物活性や毒性、及び物理化
学的性質などの観点からの最良の化合物を選択するプロ
セスが必須である。従来、リード化合物は偶然の発見や
ランダムスクリーニングなど非創造的な手法によって見
出されてきたが、近年では、コンピュータを用いた論理
的な手法によって分子構造を創製することが可能になっ
ている。この手法は、特に、標的酵素などのタンパク質
(受容体)の立体構造が解明されている場合に信頼性が
高く、新規なリード化合物を創製するとともに、所望の
生物活性を向上させる過程も効率化するための手法とし
て極めて有用である。
【0004】コンピュータを用いた論理的な手法の根本
的な原理は、標的となるタンパク質の特定の部位(一般
的に「リガンド結合部位」などと呼ばれる)に対して安
定に結合できる化合物(一般的に「リガンド分子」や
「受容体基質」などと呼ばれる)だけが、酵素基質や酵
素阻害剤などとして所望の生物活性を発現できるという
ことである。そして、リガンド分子が標的のタンパク質
に安定に結合するためには、タンパク質に存在する結合
部位にリガンド分子ができるだけフィットし、それぞれ
の分子間にイオン結合や水素結合が多数形成できること
が重要である。
【0005】ヒト、ニワトリ、大腸菌、乳酸菌などのジ
ヒドロ葉酸還元酵素の結晶構造がすでに解析されており
(Davies, J.F., et al., Biochemistry, 29, pp.9467-
9479, 1990; Volz, K.W., et al., J. Biol. Chem., 25
7, pp.2528-2536, 1982; Filman, D.J., J. Biol. Che
m., 257, pp.13663-13672, 1982) 、天然のジヒドロ葉
酸還元酵素のアミノ酸配列に変異を加えた組替えタンパ
ク質も多数報告され、それらの立体構造が明らかにされ
ている。天然由来の上記酵素では、それぞれのタンパク
質のアミノ酸配列全体の相同性が高くはないものの(ヒ
トとニワトリの DHFR 間を除くと25〜33% 程度であ
る)、酵素反応に関わる活性部位の主鎖の立体構造が非
常に類似しており、生物種を超えて立体構造が保持され
ている部分が多いことが明らかにされている。
【0006】DHFR 阻害剤が結合した種々のジヒドロ葉
酸還元酵素(酵素−阻害剤の複合体)の結晶構造が解析
されており、補酵素 NADPHとジヒドロ葉酸還元酵素、及
びその阻害剤とが相互作用して安定に結合するための条
件や、酵素阻害発現のメカニズムが原子レベルで解明さ
れている。特に、結晶構造を基にして阻害剤が結合した
複合体モデルを構築することにより、多数の阻害剤のデ
ータから得られた構造活性相関のデータを原子レベルで
解釈する試みがなされている (Hansch, C., etal., J.
Med. Chem., 25, pp.777-784, 1982)。
【0007】熱帯熱マラリア原虫のジヒドロ葉酸還元酵
素はチミジル酸合成酵素と連結しており、これらのうち
ジヒドロ葉酸還元酵素ドメイン(以下、本明細書におい
て単に「ジヒドロ葉酸還元酵素」と呼ぶ場合がある。)
のモデリングに基づいて新規な選択的リガンドを設計す
る方法(Toyoda, T., et al., 日本薬学会主催:第22回
構造活性相関シンポジウム、演題番号17S15 、1994
年)、Candida albicans DHFR の阻害剤を酵素の立体構
造を基にデザインした例 (Lee, F., et al., J. Med. C
hem., 39, pp.892-903, 1996) が知られている。
【0008】熱帯熱マラリア原虫のジヒドロ葉酸還元酵
素の立体構造モデルは、ヒト、ニワトリ、大腸菌、乳酸
菌のX線結晶解析構造をベースにしてホモロジーモデリ
ングの手法によりすでに構築されている。この構造にコ
ンピューター上で安定にドッキングできる構造を持つ化
合物群は実際にこの酵素を阻害することから、実験的に
もこのモデル構造が正しいことが確認されている(Toyo
da, T. et al., Biochem. Biophys. Res. Comm., 235,
pp.515-519, 1997) 。また、熱帯熱マラリア原虫の耐性
獲得メカニズムとして、例えば、野生型酵素の108 位セ
リンがアスパラギンに変異するもの(Peterson, D., et
al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85, pp.9114-911
8, 1988) 、及び野生型酵素の16位アラニン及び108 位
セリンがそれぞれバリン及びスレオニンに変異するもの
(Foote, S.J., et al., Proc. Natl., Acad. Sci. US
A, 87, pp.3014-3017, 1990)などが知られている。フ
ートらの論文に示されているように、熱帯熱マラリア原
虫のジヒドロ葉酸還元酵素ドメインのうち、16位アラニ
ン及び108 位セリンがそれぞれバリン及びスレオニンに
変異したものはピリメタミンに対しても耐性を示すが、
特にシクログアニルへの耐性が顕著であるため「シクロ
グアニル耐性型」として知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ジヒ
ドロ葉酸還元酵素の阻害剤を提供することにある。より
具体的には、ジヒドロ葉酸還元酵素に対する阻害作用を
有し、特にシクログアニルへの耐性を示す熱帯熱マラリ
ア原虫由来のジヒドロ葉酸還元酵素に対して特に高い阻
害作用を発揮できる化合物を提供することにある。ま
た、シクログアニル耐性の熱帯熱マラリア原虫に対して
優れた選択毒性を発揮することができるシクログアニル
耐性熱帯熱マラリア原虫の感染症の治療剤として有用な
化合物を提供することが本発明の課題である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意努力した結果、下記の構造式で表され
る化合物がジヒドロ葉酸還元酵素のリガンド結合部位に
対して高い親和性を有しており、リガンド分子として強
固に結合することができること、並びに、これらの化合
物が熱耐熱マラリア由来のジヒドロ葉酸還元酵素に対し
て阻害作用を有しており、特にシクログアニル耐性を示
す熱帯熱マラリア原虫由来のジヒドロ葉酸還元酵素(野
生型酵素の16位アラニン及び108 位セリンがそれぞれバ
リン及びスレオニンに変異したもの)を強く阻害するこ
とを見出した。さらに、本発明者らは、この化合物が耐
性を示す熱帯熱マラリア原虫に対して極めて優れた選択
毒性を発揮することができ、耐性の熱帯熱マラリア原虫
の感染症の治療剤として有用であることを見出した。本
発明はこれらの知見を基にして完成されたものである。
【0011】すなわち本発明は、耐性熱帯熱マラリア原
虫由来のジヒドロ葉酸還元酵素の阻害剤であって、下記
の式(I) :
【化2】 (式中、R1及びR3はそれぞれ独立に水素原子、C1-4アル
キル基、又はC1-4アルコキシ置換C1-4アルキル基を示
し、R2及びR4はそれぞれ独立にC1-4アルキル基、C1-4
ルコキシ置換C1-4アルキル基、又はアリール基を示し、
X は-(CH2)n - (式中、nは1ないし4の整数を示す)
又は-(CH2)i -(Y)j -(CH2)k -(Z)1 -(CH2)m- (式中、
j又はlはそれぞれ独立に0又は1を示し、i+j+k+l+m
は1ないし4の整数を示し、Y 及びZ はそれぞれ独立に
酸素原子、硫黄原子、又はC1-4アルキル基で置換された
三級窒素原子を示す)で表わされる化合物又はその塩を
含む阻害剤を提供するものである。この発明の好ましい
態様によれば、野生型熱帯熱マラリア原虫由来のジヒド
ロ葉酸還元酵素における16位アラニン及び108 位セリン
がそれぞれバリン及びスレオニンに変異したジヒドロ葉
酸還元酵素の阻害剤である上記阻害剤が提供される。
【0012】別の観点からは、上記の化合物又は生理学
的に許容されるその塩を有効成分として含む耐性熱帯熱
マラリア原虫の感染症の治療剤が提供され、その好まし
い態様によれば、耐性熱帯熱マラリア原虫が、野生型熱
帯熱マラリア原虫由来のジヒドロ葉酸還元酵素における
16位アラニン及び108 位セリンがそれぞれバリン及びス
レオニンに変異したジヒドロ葉酸還元酵素を含むシクロ
グアニル耐性原虫である上記治療剤が提供される。
【0013】さらに別の観点からは、上記治療剤の製造
のための上記式で表わされる化合物の使用;並びに、熱
帯熱マラリア原虫の感染症、好ましくはシクログアニル
耐性の熱帯熱マラリア原虫(特に好ましくは野生型熱帯
熱マラリア原虫由来のジヒドロ葉酸還元酵素における16
位アラニン及び108 位セリンがそれぞれバリン及びスレ
オニンに変異したジヒドロ葉酸還元酵素を含む原虫)の
感染症の治療方法であって、上記の式で表わされる化合
物又は生理学的に許容されるその塩の有効量をヒトを含
む哺乳類動物に投与する工程を含む方法が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】上記式(I) において、R1、R2
R3、及びR4が示すC1-4アルキル基は直鎖又は分枝鎖のい
ずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピ
ル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、te
rt- ブチル基などを用いることができるが、これらのう
ちメチル基が好ましい。C1-4アルコキシ置換C1-4アルキ
ル基としては、1個又は2個以上、好ましくは1個の直
鎖又は分枝鎖状のアルコキシ基で置換された上記のアル
キル基を用いることができる。例えば、メトキシメチル
基、エトキシメチル基、メトキシエチル基などを用いる
ことができる。R2及びR4が示すアリール基としては、フ
ェニル基を好適に用いることができる。
【0015】R2及びR4が示すアリール基の環上には1個
又は2個以上の置換基が存在していてもよい。置換基と
しては、例えばC1-4アルキル、C1-4アルコキシ基(直鎖
又は分枝鎖のいずれでもよく、例えば、メトキシ基、エ
トキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブト
キシ基、sec-ブトキシ基、tert- ブトキシ基などを用い
ることができる)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、若しくはヨウ素原子のいずれでもよ
い)、アミノ基、置換アミノ基(モノC1-4アルキルアミ
ノ基、ジC1-4アルキルアミノ基、アルカノイルアミノ基
など)、カルボキシル基、C1-4アルキルカルボニル基、
C1-4アルコキシカルボニル基、チオール基、又はC1-4
ルキルチオ基などを挙げることができる。
【0016】X が-(CH2)i -(Y)j -(CH2)k -(Z)1 -(CH2)
m - を示す場合、j又はlはそれぞれ独立に0又は1を
示し、i+j+k+l+m は1ないし4の整数を示し、Y 及びZ
はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、又はC1-4アルキ
ル基で置換された三級窒素原子を示す。三級窒素原子状
のC1-4アルキル基としてはメチル基が好ましい。X で表
される上記の基において、例えば、i が1であり、Y が
酸素原子であり、j 及びK が1であり、l 及びm が0で
ある場合が好ましい。n は1ないし4の整数を示すが、
n が2であることが好ましい。
【0017】上記の一般式(I) で表わされる化合物とし
て、例えば、R1、R2、R3、及びR4がいずれもメチル基で
あり、nが2である化合物が好ましい。一般式(I) で表
される化合物の一部はそれ自体公知の化合物であり、公
知の製造方法に従って容易に製造することが可能であ
る。また、他の新規化合物については、一般式(I) に包
含される代表的な公知化合物の製造方法を参照しつつ、
原料化合物や反応条件などを適宜修飾ないし改変するこ
とにより、いずれも当業者に製造可能である。
【0018】例えば、本明細書の実施例で用いた化合物
(2,4-ジアミノ-6,6,9,9- テトラメチル-6,7,8,9- テト
ラヒドロ-1,3,5,10-テトラアザアントラセン)は、アル
ドリッチ社から市販されている2,4,5,6-テトラアミノピ
リミジンと3,3,6,6-テトラメチル-1,2- シクロヘキサン
ジオンとから、マレットらの文献(Mallette, M.F.,et
al, J. Am. Chem. Soc., 69, pp.1814-1816, 1947) の
方法に従って製造することができる。3,3,6,6-テトラメ
チル-1,2- シクロヘキサンジオンはアルドリッチ社から
市販されている2,2,5,5-テトラメチルヘキサンジオイッ
クアシッドからレオナルドらの文献(Leonard, N.J., e
t al., J. Am. Chem. Soc., 72, pp.5388-5397, 1950)
に従って製造することができる。なお、上記式(I) の化
合物は互変異性体として存在することができるが、便宜
上、本明細書においては互変異性体のうちの1つを記載
した。本発明の医薬には互変異性体のいずれを用いても
よい。
【0019】上記一般式(I) で表わされる化合物はジヒ
ドロ葉酸還元酵素のリガンド結合部位に親和性を示し、
ジヒドロ葉酸還元酵素の阻害作用を有している。上記一
般式(I) の化合物とジヒドロ葉酸還元酵素との親和性を
確認する方法として、ドッキングスタディとよばれるシ
ミュレーションを利用することができる。この方法は、
一般的にはコンピュータグラフィックス画面上に構造既
知の蛋白質のリガンド結合部位を表示し、結合すべき分
子を回転並進させて安定に結合しそうな位置関係を探す
工程を含んでおり、通常はこの工程は対話的に行われ
る。回転可能な結合をもつ配座がフレキシブルな分子に
ついては配座を変化させながら安定位置を探す工程を含
めることが好ましい。安定な結合を与えそうな位置関係
がいくつか求め、適宜エネルギー計算や最適化計算を行
って最も安定な複合体構造を推定することが可能であ
る。
【0020】ドッキングスタディのためのプログラムと
しては、例えば、富岡らが開発したプログラム(GREEN)
を好適に用いることができる (Tomioka, N. and Itai,
A.,J. Comput.-Aided Mol. Design, 8, pp.347-366, 19
94)。また、分子の回転並進に関する自由度と配座の自
由度はカップルしているために、組み合わせ的にすべて
の可能性を網羅して最も安定な構造を推定するために
は、上記の対話的方法では不十分な場合があるが、この
ような問題を解決しつつ最安定な複合体構造を先入観な
しに探索する方法として、ドッキングを自動的に行う水
谷らのプログラ(ADAM)を好適に用いることができる (Ya
mada Mizutani, M., et al., J. Mol. Biol., 243, pp.
310-326, 1994)。
【0021】ジヒドロ葉酸還元酵素の立体構造について
は、すでに4つの生物種由来の酵素について結晶構造解
析のデータを入手することができる(Davies, J.F., et
al., Biochemistry, 29, pp.9467-9479, 1990; Volz,
K.W., et al., J. Biol. Chem., 257, pp.2528-2536, 1
982; Filman, D.J., J. Biol. Chem., 257, pp.13663-1
3672, 1982)。また、熱帯熱マラリア原虫のジヒドロ葉
酸還元酵素については結晶構造解析されていないもの
の、コンピュータグラフィックス画面上で他の生物種の
解析データを鋳型にしてモデリングを行い、精度の高い
立体構造情報を得ることができる(Toyoda, T., et a
l., 日本薬学会主催:第22回構造活性相関シンポジウ
ム、演題番号17S15 、1994年)。さらに、ジヒドロ葉酸
還元酵素と各種阻害剤との複合体についての立体構造情
報を用いてもよい (例えば、Hansch, C., et al., J. M
ed. Chem., 25, pp.777-784, 1982; Lee, F., et al.,
J. Med.Chem., 39, pp.892-903, 1996; Snosom, C.E.,
Biochimica et Biophysica Acta, 995, pp.21-27, 1989
など) 。ある程度の信頼性と精度が保証されるのであ
ればnmr解析からの構造情報を利用することも可能で
ある。
【0022】上記式(I) の化合物を有効成分として含む
本発明の医薬は、抗菌剤及び抗原虫剤などの用途に使用
できるが、好ましくは熱帯熱マラリア原虫の感染症治療
剤として有用であり、とりわけシクログアニル耐性の熱
帯熱マラリア原虫の感染症治療剤として有用である。本
発明の治療剤は、熱帯熱マラリア原虫のうち、シクログ
アニル耐性の熱帯熱マラリア原虫(野生型のジヒドロ葉
酸還元酵素における16位アラニン及び108 位セリンがそ
れぞれバリン及びスレオニンに変異したジヒドロ葉酸還
元酵素を有する熱帯熱マラリア原虫)に対して優れた選
択毒性を発揮できるという特徴がある。また、天然型と
してはいまだ存在が知られていないが、108 位セリンが
スレオニンに変異しており、16位には変異が生じていな
いジヒドロ葉酸還元酵素を有する熱帯熱マラリア原虫に
対しても優れた選択毒性を発揮できる。
【0023】野生型のジヒドロ葉酸還元酵素における16
位アラニン及び108 位セリンがそれぞれバリン及びスレ
オニンに変異したジヒドロ葉酸還元酵素を有する熱帯熱
マラリア原虫としては、フートらの文献(Foote, S.J.,
et al., Proc. Natl., Acad. Sci. USA, 87, pp.3014-
3017, 1990)にシクログアニル耐性として記載されたFC
R3株を挙げることができる(本明細書において、「シク
ログアニル耐性」という用語は、シクログアニルに対す
る単剤耐性のほか、ピリメタミンなどに対しても耐性を
示す多剤耐性を含む概念として用いる)。また、フート
らにより示された知見を酵素レベルの実験で確認した報
告により、熱帯熱マラリア原虫のジヒドロ葉酸還元酵素
−チミジル酸合成酵素のジヒドロ葉酸還元酵素ドメイン
(N末端231 アミノ酸残基)に上記のアミノ酸変異を導
入した酵素が、ピリメタミンやシクログアニルに対して
耐性を示すことが知られている (Sirawaraporn, W., et
al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94, pp.1124-112
9, 1997) 。これらのジヒドロ葉酸還元酵素ドメインを
本明細書の実施例に示した薬剤の評価試験に採用しても
よい。
【0024】図1には、2,4-ジアミノ-6,6,9,9- テトラ
メチル-6,7,8,9- テトラヒドロ-1,3,5,10-テトラアザア
ントラセンをプログラムGREEN により16位がバリンであ
り、かつ108 位がスレオニンである熱帯熱マラリア原虫
由来のジヒドロ葉酸還元酵素の立体構造にドッキングさ
せた結果を模式図で示した。図1の曲がった窪みはジヒ
ドロ葉酸還元酵素の基質及び各種阻害剤が結合する部位
(リガンド結合部位)の形状を表している。この窪みは
X線結晶解析により構造が解析されているあらゆる生物
種のジヒドロ葉酸還元酵素に見られる典型的な構造であ
る。この窪みを形成しているアミノ酸のほとんどは生物
種において保存されており、熱帯熱マラリア原虫由来の
ジヒドロ葉酸還元酵素の場合でもほとんど保存されてい
る。
【0025】図1の楕円Aで示した空間は長さが約18
Å、幅が約8Åの主として疎水的なアミノ酸に囲まれた
空間であり、式(I) の化合物における置換基R1、R2
R3、R4、及びX はこの空間内に存在することができる。
この空間の広さを示す例として、メトトレキサートをド
ッキングさせた結果の模式図を図2に示す。この図に示
したメトトレキサートの結合様式は、メトトレキサート
とジヒドロ葉酸還元酵素の複合体の結晶構造が大腸菌
(4dfr, Protein Data Bank)や乳酸菌(3dfr)で解析さ
れているものに見られる結合様式と全く同じである。
【0026】図1においてAの空間の一部を形成してい
る熱帯熱マラリア原虫由来のジヒドロ葉酸還元酵素の10
8 位スレオニンは、その側鎖のメチル基により疎水的な
環境を形成しているため、疎水的な置換基R3及びR4を有
する式(I) の化合物が強く結合するのを助けている。ま
た、図1の54位のアスパラギン酸は阻害剤と強固なイオ
ン性の水素結合を2本形成することによって、同様に式
(I) の化合物が強く結合するのを助けている。これらの
スレオニンとアスパラギン酸は大腸菌や黄色ブドウ球菌
のジヒドロ葉酸還元酵素にも散在するため、式(I) で表
される化合物はこれらのジヒドロ葉酸還元酵素にも強く
結合することができ、これらのバクテリアに対して優れ
た抗菌作用を発揮できる。一方、ヒト由来のジヒドロ葉
酸還元酵素では、上記の位置にスレオニンが存在するも
のの、上記アスパラギン酸のかわりにグルタミン酸が存
在するために式(I) で表される化合物の結合様式が変化
しており、R1及びR2の立体的な嵩高さが邪魔になって実
質的に結合性が悪くなっている。なお、上記に示したド
ッキングスタディの具体的手法については特願平9-1191
60号明細書の実施例に詳細に説明されている。
【0027】本発明の医薬の有効成分としては、遊離形
態の上記化合物及びその任意の塩、並びにそれらの任意
の水和物及び溶媒和物からなる群から選ばれる物質を用
いることができる。本発明の医薬としては上記物質自体
を投与してもよいが、好ましくは、当業者に周知の方法
によって、有効成分である該化合物と製剤用添加物とを
含む経口用又は非経口用の医薬組成物として投与するこ
とができる。
【0028】塩の種類は特に限定されず、置換基の種類
に応じて酸付加塩又は塩基付加塩のいずれを用いてもよ
い。例えば、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩な
どの無機又は有機酸塩のほか、酸性基が存在する場合に
はナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などを用
いてもよい。経口投与に適する医薬用組成物としては、
例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液
剤、及びシロップ剤等を挙げることができ、非経口投与
に適する医薬組成物としては、例えば、注射剤、点滴
剤、坐剤、吸入剤、点眼剤、点鼻剤、経皮吸収剤、軟膏
剤、クリーム剤、及び貼付剤等を挙げることができる。
【0029】製剤用添加物としては、例えば、賦形剤、
崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティン
グ剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤ないし溶解補助剤、
等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射剤、及び粘着剤
等を用いることができ、医薬組成物の形態に応じて適宜
のものを選択して使用することが可能である。本発明の
医薬の投与量は特に限定されず、有効成分である化合物
の種類、予防又は治療の目的、適用すべき疾患の種類、
患者の年齢や症状、投与経路などの条件に応じて適宜の
投与量を選択することが可能である。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定され
ることはない。以下の実施例において本発明の阻害剤と
して下記の式で表される2,4-ジアミノ-6,6,9,9- テトラ
メチル-6,7,8,9- テトラヒドロ-1,3,5,10-テトラアザア
ントラセンを用いた。
【0031】
【化3】
【0032】例1:本発明の阻害剤の作用(DHFR阻害作
用) 既知の方法 (Hillcoat, B.L., et al., Anal. Bioche
m., 21, pp.178-189, 1967) に従って、ヒトの DHFR 、
マラリア原虫のリコンビナント DHFR ドメイン(野生型
及び耐性型)、及び大腸菌の DHFR に対する本発明の阻
害剤の作用を検討した(Sano, G., et al., Molecular a
nd Biochemical Parasitology, 63, pp.265-273, 199
4)。 DHFR の活性は、50 mM Tris-HCl(pH 7.6)/ 1 mM E
DTA/ 100 mMβ-mercaptoetanol/ 100μM NADPH/ 100μM
DHF/ 100μg ml-1 BSAと指示量の酵素を含む反応液(20
0μl)を用いて、340 nmの吸収を37℃で測定することに
より行った。
【0033】DHF 以外のすべての成分を含む 196μl の
反応液を予め37℃で2分間インキュベートしておき、こ
の混合物に5 mM DHFを4μl 加えて反応を開始した。酵
素の比活性は、340 nmにおけるNADPH とDHF による分子
吸光係数の合計を12,300 M-1cm-1として、その減少の度
合いから計算した。酵素阻害活性は、数種類の濃度の被
検化合物の存在下で種々のDHF 濃度に対する DHFR 活性
を測定して求めた。この結果、本発明の阻害剤は熱帯熱
マラリア原虫由来の DHFR 活性を強く阻害していたが、
ヒト由来のDHFRに対する阻害作用は極めて弱かった。熱
帯熱マラリア原虫由来のDHFRについては、野生型(16位
がアラニン、108 位がセリン)よりも、シクログアニル
耐性型(16位がバリン、108 位がスレオニン)の方をよ
り強く阻害していた。
【0034】また、本発明の阻害剤は、大腸菌由来の D
HFR を強く阻害していた。この理由は、熱帯熱マラリア
原虫のDHFRの108 位は大腸菌DHFRでは46位に相当してい
るが、耐性原虫由来のDHFRの108 位スレオニンと大腸菌
由来のDHFRの46位のスレオニンがリガンド結合部位にお
いて実質的に同一の部位に存在していることに加えて、
熱帯熱マラリア原虫由来のDHFRの54位アスパラギン酸に
相当する大腸菌由来のDHFRの27位にも同じくアスパラギ
ン酸が存在しているので、本発明の阻害剤が熱帯熱マラ
リア原虫のDHFRの場合と同様に大腸菌由来のDHFRに対し
ても強力な阻害作用を発揮できるためである。
【0035】
【表1】 ────────────────── 生物種 阻害濃度(IC50, μM ) ────────────────── ヒト 16 マラリア原虫(野生型) 0.050 マラリア原虫(耐性型* ) 0.048 大腸菌(野生型) 0.0013 ──────────────────* 16位バリン、108 位スレオニン 例2:本発明の阻害剤の作用(ヒト赤血球を用いた原虫
培養系における原虫の増殖阻害作用) 培養熱帯熱マラリア原虫[FCR-3(ATCC30932)]を用いて、
イン・ビボで本発明の阻害剤に対する感受性試験を行っ
た。培地としてはRPMI1640培地にヒト血清(A型)を10%
となるように加えたもの、又はGIT 培地を用い、原虫
の培養をO2濃度5.0%、CO2 濃度5.0%、N2濃度90% として
36.5℃で行った。前培養した熱帯熱マラリア原虫を初期
感染率が0.5%となるように非感染赤血球で希釈し、24穴
プレートに分注し、サンプル溶液を添加してピペッティ
ングにより溶液を混和した。72時間培養した後、それぞ
れのウェルについて薄層塗抹標本を作成し、光学顕微鏡
下で感染率を測定した。
【0036】原虫増殖阻害活性は薬剤を添加したものの
感染率及びコントロールの感染率から算出した。この結
果、本発明の阻害剤は、シクログアニル耐性の熱帯熱マ
ラリア原虫(FCR3株)の発育を 10 nMの濃度で阻害する
ことが確認された。
【0037】
【発明の効果】本発明のジヒドロ葉酸還元酵素阻害剤は
生化学研究用の試薬などに利用可能である。また、本発
明の医薬は、耐性の熱帯熱マラリア原虫、特に16位アラ
ニン及び108 位セリンがそれぞれバリン及びスレオニン
に変異したDHFRを有する耐性の原虫による感染症に有効
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ジヒドロ葉酸還元酵素のリガンド結合部位の
ポケットの構造と、該ポケット内で安定に結合した本発
明の阻害剤とを模式的に示した図である。
【図2】 ジヒドロ葉酸還元酵素のリガンド結合部位の
ポケットの構造と、該ポケット内で安定に結合したメト
トレキサートとを模式的に示した図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐性の熱帯熱マラリア原虫由来のジヒド
    ロ葉酸還元酵素の阻害剤であって、下記の式(I) : 【化1】 (式中、R1及びR3はそれぞれ独立に水素原子、C1-4アル
    キル基、又はC1-4アルコキシ置換C1-4アルキル基を示
    し、R2及びR4はそれぞれ独立にC1-4アルキル基、C1-4
    ルコキシ置換C1-4アルキル基、又はアリール基を示し、
    X は-(CH2)n - (式中、nは1ないし4の整数を示す)
    又は-(CH2)i -(Y)j -(CH2)k -(Z)1 -(CH2)m- (式中、
    j又はlはそれぞれ独立に0又は1を示し、i+j+k+l+m
    は1ないし4の整数を示し、Y 及びZ はそれぞれ独立に
    酸素原子、硫黄原子、又はC1-4アルキル基で置換された
    三級窒素原子を示す)で表わされる化合物又はその塩を
    含む阻害剤。
  2. 【請求項2】 野生型熱帯熱マラリア原虫由来のジヒド
    ロ葉酸還元酵素における16位アラニン及び108 位セリン
    がそれぞれバリン及びスレオニンに変異したシクログア
    ニル耐性型ジヒドロ葉酸還元酵素の阻害剤である請求項
    1に記載の阻害剤。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の化合物又は生理学的に
    許容されるその塩を有効成分として含むシクログアニル
    耐性熱帯熱マラリア原虫の感染症の治療剤。
  4. 【請求項4】 シクログアニル耐性熱帯熱マラリア原虫
    が、野生型熱帯熱マラリア原虫由来のジヒドロ葉酸還元
    酵素において16位アラニン及び108 位セリンがそれぞれ
    バリン及びスレオニンに変異したジヒドロ葉酸還元酵素
    を含む原虫である、請求項3に記載の治療剤。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の化合物又は生理学的に
    許容されるその塩を有効成分として含むバクテリア感染
    症の治療剤。
  6. 【請求項6】 バクテリアが大腸菌である請求項5に記
    載の知慮剤。
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