JPH11170534A - 画像形成方法及び平版印刷版の作製方法 - Google Patents

画像形成方法及び平版印刷版の作製方法

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JPH11170534A
JPH11170534A JP34647097A JP34647097A JPH11170534A JP H11170534 A JPH11170534 A JP H11170534A JP 34647097 A JP34647097 A JP 34647097A JP 34647097 A JP34647097 A JP 34647097A JP H11170534 A JPH11170534 A JP H11170534A
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JP
Japan
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ink
image
laser light
printing plate
thin tube
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JP34647097A
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Toshiyoshi Urano
年由 浦野
Etsuko Hino
悦子 檜野
Hirobumi Nakayama
博文 中山
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高解像度の画像を高速で形成することがで
き、また、ランニングコスト及び装置コストの低減が可
能なレーザーダイレクト画像形成方法及びレーザーダイ
レクト平版印刷版の作製方法を提供する。 【解決手段】 光熱変換物質を含有するインクを入れた
レーザー光透過性のキャピラリーの側面にレーザー光を
照射してキャピラリーの先からインクを飛散させ、イン
クを受像体又は印刷版支持体に転写させることにより、
受像体又は印刷版支持体上にインク画像を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザーを用いる新
規な画像形成方法及び平版印刷板の作製方法(以下、レ
ーザーダイレクト画像形成方法及びレーザーダイレクト
平版印刷版の作製方法ということがある。)に関する。
特に、本発明は、印刷校正用カラープルーフ、平版印刷
版、カラーフィルター、カラーハードコピー等の製造に
好適なレーザーダイレクト画像形成方法及びこの方法を
利用したレーザーダイレクト平版印刷版の作製方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】コンピューター画像処理技術の進歩に伴
い、デジタル画像情報から、色材画像を形成する方法が
種々開発され、レーザー光、サーマルヘッド等により色
材シートから受像体表面上に色材を昇華或いは熱溶融転
写させて色材画像を形成する方法や、キャピラリー中に
入れたインクに電気的に熱又は圧力を加えキャピラリー
から受像体表面上にインクを飛散させて色材画像を形成
するインクジェット法が公知である。
【0003】また、特開平7−108769号公報及び
特開平7−68802号公報には、毛細管現象により液
化染料を注入して満したガラスビーズ等の微小粒子の集
合体素子中に、該集合体素子の液化染料を転写する方向
とは反対方向から集光したレーザー光を照射することに
より、該液化染料を気化して受像体上に飛散させる方法
が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の色材画像形
成法のうち、前記の昇華或いは熱溶融転写法では色材シ
ートが必要であるため、色材画像の形成コストが高くつ
くという欠点がある。
【0005】また、インクジェット法は、画像形成速度
及び解像性を高めるため、高精細なキャピラリーと、高
価な電子部品が必要となり、装置の値段が高くなるとい
う欠点がある。
【0006】また、特開平7−108769号公報及び
特開平7−68802号公報に記載される方法では、微
小粒子集合体中の液化染料が広範囲に気化し易いため
に、小点の形成が困難で連続階調のカラー画像形成には
利用可能であるが、面積階調の印刷版の作製には適用困
難であった。
【0007】本発明は、上記従来の問題点を解決し、高
解像度の画像を高速で形成することができ、また、ラン
ニングコスト及び装置コストの低減が可能なレーザーダ
イレクト画像形成方法及びレーザーダイレクト平版印刷
版の作製方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のレーザーダイレ
クト画像形成方法は、光熱変換物質を含有するインクを
入れたレーザー光透過性の細管の側面にレーザー光を照
射して該細管の先から前記インクを飛散させ、該インク
を受像体上に転写させることにより、該受像体上にイン
ク画像を形成することを特徴とする。
【0009】本発明のレーザーダイレクト平版印刷版の
作製方法は、光熱変換物質を含有するインクを入れたレ
ーザー光透過性の細管の側面にレーザー光を照射して該
細管の先から前記インクを飛散させ、該インクを親水化
処理を施した印刷版支持体上に転写させることにより、
該印刷版支持体上にインク画像を形成することを特徴と
する。
【0010】本発明においては、レーザー光を吸収する
インクをレーザー光透過性の細管(キヤピラリー)の中
に入れ、該インクに集光したレーザー光を照射すること
により該インクを気化ないし熱膨張させ、それに伴うイ
ンク圧力の上昇を利用してインクを受像体又は印刷版支
持体上に向けて飛散、転写してインク画像を形成する。
【0011】このような本発明のレーザーダイレクト画
像形成方法及びレーザーダイレクト平版印刷版の作製方
法では、次のような作用効果が得られる。
【0012】 キャピラリーを複数並べ、複数のキャ
ピラリーの側面をレーザー光のビームスポットで走査露
光してそれぞれのキャピラリー中のインクを飛散させる
ことにより、容易に受像体又は印刷版支持体上にインク
画像を高速転写させることができる。
【0013】 レーザー光はビームスポットを20μ
m以下に集光することが容易であり、またキャピラリー
の内径も20μm以下にすることが可能であることか
ら、高解像のシステムを構築することが容易である。
【0014】 キャピラリーの材質の屈折率が空気の
屈折率より大きいため、キャピラリーの側壁を、円柱に
近い形状とした場合には、該側壁が入射してくるレーザ
ー光に対して凸レンズ効果を示し、効率良くレーザー光
をキャピラリー内のインク中に集光することができるよ
うになる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0016】まず、本発明で用いるインクについて説明
する。
【0017】本発明で使用されるインク中に含まれる光
熱変換物質とは、レーザー光を吸収し、吸収した光エネ
ルギーを熱エネルギーに変換し、その熱エネルギーによ
りインクの一部を著しく熱膨張させるか、或いは、気化
させることによりキャピラリー内のインクに圧力を発生
させ、この圧力上昇の作用によりインクをキャピラリー
から飛散させる機能を有するものである。
【0018】本発明に用いられる光熱変換物質は、レー
ザー光の照射により熱を発生する物質であれば特に限定
されないが、具体的には、波長域650〜1300nm
の一部又は全部に吸収帯を有する有機又は無機の顔料、
有機色素、金属などが挙げられる。より具体的には、カ
ーボンブラック;黒鉛;チタン、クロム等の金属;酸化
チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化バナジウム、酸化タ
ングステン等の金属酸化物;チタンカーバイド等の金属
炭化物;金属ホウ化物;特開平4−322219号公報
に記載されている無機黒色顔料、アゾ系のブラック顔
料、「リオノールグリーン2YS」、「緑色顔料7」等
の黒又は緑の有機顔料が挙げられる。そして、上記のカ
ーボンブラックとしては、三菱化学(株)の商品である
「MA−7」、「MA−100」、「MA−220」、
「#5」、「#10」、「#40」、デグッサ社の商品
である「カラーブラックFW2」、「FW20」、「プ
リンテックスV」等が挙げられる。
【0019】また、「特殊機能色素」(池森・柱谷編
集、1986年、(株)シーエムシー発行)、「機能性
色素の化学」(檜垣編集、1981年、(株)シーエム
シー発行)、「色素ハンドブック」(大河・平嶋・松岡
・北尾編集、講談社発行)、日本感光色素研究所が19
95年に発行したカタログ、Exciton Inc.
が1989年に発行したレーザー色素カタログ等に記載
の近赤外領域に吸収を有する色素が挙げられる。
【0020】更には、特開平2−2074号、同207
5号、同2076号、特開平3−97590号、同97
591号、同63185号、同26593号、同975
89号の各公報に記載された有機色素や日本化薬社の商
品「IR820B」等が挙げられる。
【0021】光熱変換物質として、近赤外領域に吸収を
有する色素及び顔料の代表例を下記に示す(以下におい
て、Phはフェニル基を示し、Buはブチル基を示
す。)。
【0022】
【化1】
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】
【化12】
【0034】
【化13】
【0035】
【化14】
【0036】
【化15】
【0037】
【化16】
【0038】
【化17】
【0039】 S−60 ポリメチン色素:IR−820B(日本化薬社製) S−61 ニグロシン色素:Colour Index Solvent Black 5 S−62 ニグロシン色素:Colour Index Solvent Black 7 S−63 ニグロシン色素:Colour Index Acid Black 2 S−64 カーボンブラック:MA−100(三菱化学(株)社製) S−65 一酸化チタン;チタンブラック13M(三菱マテリアル社製) S−66 一酸化チタン;チタンブラック12S(三菱マテリアル社製) このような光熱変換物質の配合割合は、インクの固形成
分の総重量に対して2〜100重量%特に5〜98重量
%、とりわけ10〜90重量%とするのが好ましい。
【0040】また、本発明に係るインク中には、必要に
応じて光熱変換物質以外の着色材料を含有させることが
できる。着色材料としては、顔料又は染料が使用され、
例えば、ビクトリアピュアブルー(42595)、オー
ラミンO(41000)、カチロンブリリアントフラビ
ン(ベーシック13)、ローダミン6GCP(4516
0)、ローダミンB(45170)、サフラニンOK7
0:100(50240)、エリオグラウシンX(42
080)、ファーストブラックHB(26150)、N
o.120/リオノールイエロー(21090)、リオ
ノールイエローGRO(21090)、シムラーファー
ストイエロー8GF(21105)、ベンジジンイエロ
ー4T−564D(21095)、シムラーファースト
レッド4015(12355)、リオノールレッドB4
401(15850)、ファーストゲンブルーTGR−
L(74160)、リオノールブルーSM(2615
0)等が挙げられる。なお、上記の( )内の数字はカ
ラーインデックス(C.I.)を意味する。
【0041】上記着色材料を含む場合、その配合割合は
インクの固形成分の総重量に対して1〜50重量%、特
に2〜30重量%とするのが好ましい。
【0042】更に、本発明で用いるインクには、光熱変
換物質との相溶性、インク画像の膜強度、及びアブレー
ション効果の向上の目的で、有機高分子物質を添加する
ことができる。
【0043】この有機高分子物質としては、例えば、
(メタ)アクリル酸やイタコン酸等の不飽和酸と、(メ
タ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸フェニ
ル、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレン、α−メチ
ルスチレン等との共重合体;ポリメチルメタクリレート
に代表されるメタクリル酸アルキルやアクリル酸アルキ
ルの重合体;(メタ)アクリル酸アルキルとアクリロニ
トリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン等との
共重合体;アクリロニトリルと塩化ビニルや塩化ビニリ
デンとの共重合体;側鎖にカルボキシル基を有するセル
ロース変性物;ポリエチレンオキシド;ポリビニルピロ
リドン;フェノール、o−,m−,p−クレゾール、及
び/又はキシレゾールとアルデヒド、アセトン等との縮
合反応で得られるノボラック樹脂;エピクロロヒドリン
とビスフェノールAとのポリエーテル;可溶性ナイロ
ン;ポリ塩化ビニリデン;塩化ポリオレフィン;塩化ビ
ニルと酢酸ビニルとの共重合体;酢酸ビニルの重合体;
アクリロニトリルとスチレンとの共重合体;アクリロニ
トリルとブタジエン及びスチレンとの共重合体;ポリビ
ニルアルキルエーテル;ポリビニルアルキルケトン;ポ
リスチレン;ポリウレタン;ポリエチレンテレフタレー
トイソフタレート;アセチルセルロース;アセチルプロ
ピオキシセルロース;アセチルブトキシセルロース;セ
ルロイド;ポリビニルブチラール等が用いられる(な
お、上記において、「(メタ)アクリル」は「アクリル
又はメタクリル」を示す。)。
【0044】上記有機高分子物質のインク中の配合割合
は、インクの固形成分の総重量に対して0〜95重量
%、特に2〜90重量%、とりわけ5〜80重量%とす
るのが好ましい。
【0045】本発明においては、必要に応じてインクの
気化又は熱膨張効果を高める目的で、次のようなニトロ
セルロースをインクに配合しても良い。
【0046】このニトロセルロースは、レーザー光を光
熱変換物質が吸収することで発生した熱によりそれ自体
が分解し、効率的に、低分子のガスを発生することによ
り、キャピラリー中のインクの圧力の上昇を促進する。
【0047】このニトロセルロースは、常法に従って精
製した天然のセルロースを混酸で硝酸エステル化し、セ
ルロースの構成単位であるグルコピラノース環に存在す
る3個の水酸基の一部又は全部にニトロ基を導入するこ
とによって得られるものである。
【0048】このニトロセルロースの硝化度は2〜13
であり、好ましくは10〜12.5であり、更に好まし
くは11〜12.5である。ここで、硝化度とは、ニト
ロセルロース中の窒素原子の重量%を表す。硝化度が著
しく高いと、インクの気化或いは熱膨張の促進効果は高
められるものの、室温安定性が低下する傾向にあり、ま
た、ニトロセルロースが爆発性となり、インクを作製す
る際のニトロセルロースの取り扱いに危険が伴う。硝化
度が著しく低いと、インクの気化或いは熱膨張の効果が
十分に得られない。
【0049】また、このニトロセルロースの重合度は2
0〜200であり、好ましくは25〜150である。
【0050】このようなニトロセルロースの配合割合
は、インクの固形成分の総重量に対して5〜80重量
%、特に10〜70重量%、とりわけ30〜70重量%
とするのが好ましい。
【0051】更に、本発明で用いるインクには、受像体
上に形成させたインク転写画像の耐久性を向上させる目
的で、該インク画像を光照射又は加熱処理により硬化さ
せるための光又は熱硬化組成物を配合させることができ
る。
【0052】この光又は熱硬化組成物としては、種々の
ものが提案されているが例えば、特開平7−20629
号公報記載のレゾール化合物、特願平8−324025
号記載の架橋性アミノ化合物誘導体、特開平8−272
094号公報記載のエポキシ化合物、特開平8−262
714号公報記載のアクリレートモノマー、特開平8−
272099号公報記載のビニルエーテルを含有するも
のなどが挙げられる。
【0053】これらの光又は熱硬化組成物の配合割合
は、インクの固形成分の総重量に対して0〜80重量
%、特に0〜70重量%とするのが好ましい。
【0054】本発明で用いるインクには、その性能を損
なわない範囲で更に種々の添加剤、例えばインク保存安
定剤、密着性改良剤等を配合することも可能である。
【0055】本発明で用いるインクは、通常、上記各成
分を適当な溶媒に溶解して用いられる。溶媒としては、
使用成分に対して十分な溶解度を持つものであれば特に
制限はないが、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、
メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテ
ートなどのセロソルブ系溶媒;プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プ
ロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジ
プロピレングリコールジメチルエーテルなどのプロピレ
ングリコール系溶媒;酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エ
チル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸
エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルア
セトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、2−メトキ
シプロピオン酸メチルなどのエステル系溶媒;ヘプタノ
ール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリ
ルアルコールなどのアルコール系溶媒;シクロヘキサノ
ン、メチルアミルケトンなどのケトン系溶媒;ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドンなどの高極性溶媒;或いはこれらの混合溶媒、更
にはこれらに芳香族炭化水素を添加したものなどが挙げ
られる。
【0056】また、本発明に係るインクは、水を溶媒と
して用いることもできる。溶媒として水を用いる場合、
上記各配合成分のうち、水不溶性の物質については、粒
径0.1〜500μm程度の微粒子として分散させれば
良い。
【0057】本発明において、これら溶媒の使用割合
は、上述したインクの各配合成分の総重量に対して通常
1〜20重量倍程度とするのが好ましい。
【0058】なお、本発明において、特殊なインク形態
として、室温では固体で加熱して高温にすると液体にな
る熱溶融性の化合物を溶媒として用いたものを挙げるこ
とができる。本インクは、レーザー光照射によるインク
転写時には加熱処理によりインクを液化させ、転写後は
受像体又は印刷版支持体上で冷却固化することで、イン
ク画像のにじみを防ぐことができるという利点を有す
る。このような機能を有する化合物としては、パラフィ
ン、室温で結晶性のアクリレートモノマー等が挙げられ
る。
【0059】一方、本発明に使用される受像体又は印刷
版支持体としては、アルミニウム、亜鉛、鋼、銅等の金
属板、並びにクロム、亜鉛、銅、ニッケル、アルミニウ
ム、鉄等がメッキ又は蒸着された金属板、紙、プラスチ
ックフィルム及びガラス板、樹脂が塗布された紙、アル
ミニウム等の金属箔が張られた紙、親水化処理したプラ
スチックフィルム等のシート等が挙げられる。
【0060】これらのうち、特に、平版印刷用の支持体
としては、塩酸又は硝酸溶液中での電解エッチング又は
ブラシ研磨による砂目立て処理、硫酸溶媒中での陽極酸
化処理及び必要に応じて封孔処理等の表面処理を施して
親水化処理したアルミニウム板を用いることがより好ま
しい。
【0061】支持体表面の粗面度は、一般的に、表面粗
さRaの値で示される。これは表面粗度計を用いて測定
することができる。本発明において用いられる支持体と
してはその表面の平均粗さRaとして0.3〜1.0μ
mのアルミニウム板が好ましく、更に、0.1〜0.8
μmのものがより好ましい。本支持体は、必要に応じ、
更に有機酸化合物による表面処理を施して用いても良
い。
【0062】本発明で用いるレーザー光透過性のキャピ
ラリーとしては、キャピラリー内径が1〜500μm、
特に2〜100μmのものが好ましい。この内径が著し
く小さいと、インクの転写性が低下し、反対に著しく大
きいと転写したインクのスポット径が大きくなり、高品
質の画像が得られなくなる。また、キャピラリーの外径
には特に制限はないが、10μm〜1cm、特に50μ
m〜1mmであることが好ましい。キャピラリーの長さ
は、使用目的によっても異なるが、通常の場合100μ
m〜10mm程度である。
【0063】また、キャピラリーの構成材料は、レーザ
ー光を透過するものであれば良く、特に制限はないが、
例えば各種ガラス、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リエチレンテレフタレート、テフロン等のプラスチック
等を挙げることができる。
【0064】なお、キャピラリーの形状は、円筒又は円
筒に近似した形状であることが好ましく、このような形
状とすることにより、前述の如く、キャピラリー側壁部
の凸レンズ効果でレーザー光の集光効果を高めることが
できる。
【0065】本発明に用いるレーザー光源としては、H
eNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレー
ザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレー
ザー等のレーザー光源が挙げられる。特に、光を吸収
し、発生した熱により画像形成させる場合には、650
〜1300nmの近赤外レーザー等の光線を発生する光
源が好ましく、例えばルビーレーザー、YAGレーザ
ー、半導体レーザー、LBD、その他の固体レーザー等
を挙げることができる。これらのうち、特に小型で長寿
命な半導体レーザーやYAGレーザーが好ましい。
【0066】レーザー光源は、通常、レンズにより集光
された高強度の光線(ビーム)として照射するが、集光
されたレーザービームの光強度は2.0×106 mJ/
s・cm2 以上であることが好ましく、1.0×107
mJ/s・cm2 以上であることが更に好ましい。光強
度が上記の範囲であれば、インク転写特性が向上し、イ
ンクを転写させる露光時間を短くすることができ実用的
に大きな利点が得られる。なお、レーザービームの光強
度(mJ/s・cm2 )は、キャピラリー上でのレーザ
ービームの単位時間当たりのエネルギー量(mJ/s)
を光パワーメーターにより測定し、単位時間当たりのエ
ネルギー量を照射面積で除することにより求めることが
できる。レーザービームの照射面積は、通常、レーザー
ピーク強度の1/e2 強度を超える部分の面積で定義さ
れる。
【0067】また、集光されたレーザービームのスポッ
ト径はキャピラリーの内径以下であることが好ましく、
特に1〜100μm、とりわけ2〜50μmであること
が好ましい。
【0068】本発明では、前述の光熱変換物質を含有す
るインクを前記キャピラリーの基端側の開口から供給
し、キャピラリーの側面に、好ましくは該側面に対して
30〜90℃(垂直)の交叉角度で上記レーザー光を照
射して、キャピラリーの先端の開口からインクを飛散さ
せて受像体又は印刷版支持体上にインク画像を形成す
る。
【0069】ここで、レーザー光は、デジタル画像デー
タに応じて断続的に照射されるが、レーザー光の断続的
な照射は、レーザー光の電源のスイッチング又は音響光
学素子等により行うことができる。
【0070】また、本発明においては、固定した受像体
又は印刷版支持体上をキャピラリーを走査させてインク
転写するようにしても良く、ドラム等に装着し、回転す
る受像体又は印刷版支持体に対してキャピラリーを走査
させることにより受像体又は印刷版支持体上にインク転
写するようにしても良い。
【0071】また、1本のキャピラリーを用いてインク
画像を形成することもできるが、画像形成速度を高める
ために、通常は、複数のキャピラリーを平行に並べ、こ
れらのキャピラリーの側面をレーザー光のビームスポッ
トを走査させるか、或いは、複数のキャピラリーに対し
て複数に分岐させたレーザービームを照射するのが好ま
しい。
【0072】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの
実施例に限定されるものではない。
【0073】なお、以下の実施例及び比較例で用いたイ
ンク組成物の配合及び受像体又は印刷版支持体は下記の
通りである。
【0074】
【表1】
【0075】[受像体又は印刷版支持体] H−1:三菱製紙社製アート紙「特菱アート」 H−2:次のようにして親水化処理を施したアルミニウ
ム板。 厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調
質H16)を、5重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で
60℃で1分間脱脂処理を行った後、0.5モル/リッ
トルの濃度の塩酸水溶液中において、温度28℃、電流
密度60A/dm2 、処理時間40秒の条件で電解エッ
チング処理を行った。次いで4重量%水酸化ナトリウム
水溶液中で60℃、12秒間のデスマット処理を施した
後、20重量%硫酸溶液中で、温度20℃、電流密度
3.5A/dm2 、処理時間1分の条件で陽極酸化処理
を行った。更に、80℃の熱水で20秒間熱水封孔処理
を行い、平版印刷版用支持体のアルミニウム板を作製し
た。この板の平均粗さRaの値は0.60μmであっ
た。なお、このRa値は、表面粗度計「SE−3DH」
(小坂研究所社製)を用い、スキャン長さ4mm、高域
カットオフ無し、低域カットオフ0.8mmの条件下で
測定した値である。
【0076】また、レーザー光源としては830nm、
30mWの半導体レーザー(日立製作所製「HL825
G」)を用いた。
【0077】実施例1〜4,比較例1 内径20μm、外径500μm、長さ30mmのガラス
製キャピラリーに、表2に示すインク組成物を入れた。
【0078】一方、受像体又は印刷版支持体としては、
表2に示すものを用い、直径7cmの回転ドラム上に固
定させ、毎分10回転で回転させた。そしてこの回転す
る受像体又は印刷版支持体から0.5mmの距離に上記
キャピラリーを固定させた。また、レーザー光は、キャ
ピラリーのインク飛散口から0.5mmの側面に、20
μm径のスポットとなるように集光させて照射した。
【0079】この状態で、半導体レーザーの電源をスイ
ッチングし、レーザー光を1kHzで500μ秒点灯さ
せては500μ秒で消灯させる繰返しの断続的照射を行
い、キャピラリー内のインクを飛散させて受像体又は印
刷版支持体上へ転写させた。その時の画像形成性を下記
基準で評価して、結果を表2に示した。
【0080】[評価基準] A:インクが受像体又は印刷版支持体上に転写され、点
線状のインク画像が形成された。 B:インクが受像体又は印刷版支持体上に転写されなか
った。
【0081】
【表2】
【0082】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のレーザーダ
イレクト画像形成方法及びレーザーダイレクト平版印刷
版の作製方法によれば、低コストにて、高解像度のイン
ク画像を高速形成することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光熱変換物質を含有するインクを入れた
    レーザー光透過性の細管の側面にレーザー光を照射して
    該細管の先から前記インクを飛散させ、該インクを受像
    体上に転写させることにより、該受像体上にインク画像
    を形成することを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 該レーザー光のスポット径が該細管の内
    径以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形
    成方法。
  3. 【請求項3】 該細管の内径が1〜100μmであるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 光熱変換物質を含有するインクを入れた
    レーザー光透過性の細管の側面にレーザー光を照射して
    該細管の先から前記インクを飛散させ、該インクを親水
    化処理を施した印刷版支持体上に転写させることによ
    り、該印刷版支持体上にインク画像を形成することを特
    徴とする平版印刷版の作製方法。
JP34647097A 1997-12-16 1997-12-16 画像形成方法及び平版印刷版の作製方法 Pending JPH11170534A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007168198A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Seiko Epson Corp パターン形成方法及び液滴吐出装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007168198A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Seiko Epson Corp パターン形成方法及び液滴吐出装置

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