JPH11166855A - 液体相−気体相相互作用コラムの動作状況を判定する方法 - Google Patents

液体相−気体相相互作用コラムの動作状況を判定する方法

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JPH11166855A
JPH11166855A JP10273351A JP27335198A JPH11166855A JP H11166855 A JPH11166855 A JP H11166855A JP 10273351 A JP10273351 A JP 10273351A JP 27335198 A JP27335198 A JP 27335198A JP H11166855 A JPH11166855 A JP H11166855A
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power spectrum
flow
wall
liquid
range
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JP10273351A
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English (en)
Inventor
George Dewey Cody
ジョージ・デューウェイ・コディ
David Raymond Johnsrud
デビッド・レイモンド・ジョンズラッド
Uri Sela
ウーリ・セラ
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ExxonMobil Technology and Engineering Co
Original Assignee
Exxon Research and Engineering Co
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D3/00Distillation or related exchange processes in which liquids are contacted with gaseous media, e.g. stripping
    • B01D3/42Regulation; Control
    • B01D3/4211Regulation; Control of columns

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、気体相を液体相と相互作用させる
装置内の流動状態または気孔を判定するための非侵入方
法である。 【解決手段】 構造体内の液体相と相互作用する気体相
の流動状態の非侵入的判定をおこなう方法であって、
(a) 垂直方向に前記構造体の壁に沿った1つ以上の位置
で前記壁の振動を測定し、次に周波数の関数としてのパ
ワースペクトルを決定するステップと、(b) 前記位置の
それぞれに共振ピークを含む前記パワースペクトルの範
囲を決定するステップと、(c) 前記パワースペクトルを
前記構造体が効率的に動作していたときの状態のパワー
スペクトルと比較することによって前記垂直方向の前記
パワースペクトルの前記範囲の変化を前記流動状態と相
関するステップと、を含む方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接触トレイを包含
するコラム内での分別蒸留、蒸発、曝気、およびオリフ
ィスを貫流することにより混合、およびバブルコラム反
応器への注入などの、液相との気相の相互作用、例え
ば、気体−液体接触、を含むプロセスの動作に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸留は、化学的化合物を効率的に分離す
るための石油化学工業では通常のプロセスである。これ
は蒸気および液体の残留物の分離回収を伴う混合物の部
分的蒸発による液体混合物の組成の分離として定義され
ても良い。パイプスチルなど、蒸留塔は、垂直配置され
た「トレイ」を含む。蒸気の分離がそれから行われる液
体は、重力により駆動されるこれらのトレイ上を流れ
る。これらのトレイは、最終的に蒸留塔の頂部において
出てくる蒸気流に分離されるように解放された蒸気がそ
の中を貫流できる孔を含む。あるトレイの場合、気体
は、「孔」ではなくて、「バブルキャップ」または「フ
ロートバルブ」を通ってトレイ内の液体内を貫流する。
【0003】気体と液体との間の相互作用を含む、ある
石油化学操作では、トレイが液体流から気体流を分離す
るためにも使用される。バブルコラム反応器などの他の
操作では、気体または蒸気と液体との間の接触面積を最
大にすることが重要である。これらの全ての例におい
て、所望の操作を達成するために温度、圧力、および流
量などの流れおよび状態の変数の微妙な平衡がある。あ
る場合には、多孔分散管またはトレイなどの機械的構成
要素が正しく動作できない。これらの全ての場合におい
て、この操作の重要な成分は、「泡状媒体」と呼ばれる
気体と液体とがきめ細かく分散された混合物である。
【0004】以下の説明では、蒸留が好適実施態様とし
て扱われるが、本発明は、所望の操作状態がバブルコラ
ムなどの「泡状媒体」のものである重要な領域をユニッ
トが包含する任意の操作に関する。
【0005】理想的な条件下での、パイプスチルでは、
トレイ上を流れるもの(液体プラス上昇蒸気泡から成る
泡状媒体);トレイ間を上向きに流れるもの(蒸気また
は気体)と「降下管」を通って下向きに流れるもの(
)との間に明白な相分離がある。図1は、塔の概略図
であり、トレイ構造を示す。これらのトレイは段状に配
置される。図1は、各段に多数のトレイを備えた3つの
段を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そのような所望の流動
を維持することは、蒸気または気体がトレイ内の孔を通
って上向きに流れ、液体が下向きに流れないように各ト
レイ毎に差圧を設定することを含むので困難である。同
様に、「降下管」では、液体が「下向き」に流れ、気体
または蒸気が「上向き」に流れないことが重要である。
起こり得る他の問題は、「泡」の発生、すなわち乱流と
なる泡立ちである。さらに、トレイ上の液体レベルは、
不適当な設計、過度な流量、または不十分な蒸気/液体
分離のため、最適レベルよりも高い、または低いことも
ある。図2は、蒸留コラム内の流動状態の概略図を示
し、Aは正常な流動状態、Bは不安定な流動状態であ
る。
【0007】50以上のトレイを含む100フィートの
高さにもなり得る塔内での所望流動条件を維持するべく
正しい差圧を設定する問題に加えて、機械的不調が運転
中に起こり得る。トレイ内の孔が、付着物により目詰ま
りした状態になり得る。トレイは、サージ圧のために物
理的に移動され、他のトレイ上に落下することもあり、
トレイ内の孔がバブルキャップなどの可動部分を含む場
合には、これらの部分が動かなくなることもある。
【0008】蒸留または分別の運転時の不調は、圧力ま
たは温度などの流動変数から直接的に確認することは非
常に難しい。分離操作での効率の損失は、長期的には高
価となり得る。さらに、ユニットの動作を制御する変数
から修理箇所を発見することも難しい。
【0009】各トレイにおいてユニットの動作状態を監
視し、上述の相の理想的な空間的分離からのその状態の
変化をオペレータに警告できる技術があれば、最適化さ
れた「泡状媒体」での蒸留操作に依存する蒸留ユニット
または任意の他の処理ユニットでの操作が非常に行い易
くなろう。この技術が「非侵入性」であり、故に容器壁
のいかなる侵入も不要となれば、特に有利となり、ユニ
ットのいかなる操作とも干渉することもなくなろう。最
後に、監視が連続的であれば、不調の疑いとその確認と
の間の時間が、かなりの経済的利点を持って、最小限に
低減され得る。次に、調整的な行動がとられ、それらの
成功(または失敗)が監視される。ある場合には、この
ユニットは、例えば蒸留ユニットの場合には「トレイの
付着物による汚れ」またはバブルコラムでは多孔分散管
の詰まりの問題を改善するためにサービスから外されな
ければならないが、その修理は最小限の損失時間で計画
立てることができる。但し、連続的監視が受け入れられ
ないところでは携帯型モニタも有用となろうことに留意
することが重要である。
【0010】目下、蒸留塔の内部要素の位置および状態
と、蒸留塔が動作中の液体レベルとについての情報は、
ガンマ線技術によって供給できる。これらの技術を用い
て、ガンマ線源は、蒸留塔の上下を垂直に移動され、反
対側にある検出器が、ビーム経路内の材料の「密度」に
正比例する信号を生成する。故に、これらのトレイが正
しい場所にあるかどうかを判定するのは比較的容易であ
り、液レベルも同様に判定できる。この技術は、精油所
や化学プラントなどで通常使用されるものであるが、決
定的な欠点がある。第1に、これらの技術は外部の専門
の有資格者によって提供されるので、調査を行うのに費
やされる時間だけではなく、「走査」の予定を立てるの
に費やされる時間もかかることである。数千ドルもの負
担となり、高価である。故に、蒸留または分別塔が期待
通りに機能していないという極めて強い疑いがある場合
にしかこの技術が利用されないことが通常の慣例となっ
ている。
【0011】「ガンマ走査」のより微妙な欠点は、蒸留
塔の性能に変化の形跡がある場合にしか利用されない。
故に、起動条件下で起こる蒸留塔の不調は、「正常動
作」の一部として看過され得る。
【0012】最後に、容器に厚い壁が必要となる化学物
質または圧力を扱う処理操作がある。そのような条件
下、またはその処理操作を含む容器が非常に大きな直径
のものである場合、ガンマ走査は、ユニット内での流動
不調を検出するには感度が不十分となる。
【0013】精油所員によって適用および解釈できる分
別または蒸留塔の流動状態を監視するために「ガンマ走
査」よりも侵入性の少ない操作に対する要請がある。精
油制御室への連係によってリアルタイムでそのような情
報を供給することは必ずしも必要ではない。重要なの
は、いかに所与のユニットがその過去の性能や、他の精
油所の同種のユニットの性能と異なるかをオンデマンド
(必要なときに)で知ることができることである。但
し、ここで説明される発明は、いずれのモードでも容易
に機能できる。上述のようにガンマ走査は、「バッチモ
ード」での情報しか供給できない。
【0014】本発明では、常圧パイプスチルまたはバブ
ルコラムの外部壁に取り付けられた振動加速度計からの
信号の大きさ、または気泡を含む任意の乱流液体が、ユ
ニットの流動状態の検出指示体として使用される。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、パイプスチ
ル、または他の分別、分離システムの外壁に、またはバ
ブルコラム処理ユニットの外壁上に取り付けられた振動
加速度計を用いて、現在測定値と、そのシステムが正常
に動作しているときに測定された値との間で行われた比
較によってそのシステムの動作状態を判定できる非侵入
的方法である。
【0016】この方法は、垂直方向に構造物の壁に沿っ
た数カ所の位置で構造物の壁の振動を測定し、次に振動
数の関数としてパワースペクトルを決定し、各位置の共
振ピークを含むパワースペクトルの範囲を決定し、その
パワースペクトルをこの構造物が効率的に動作していた
ときの状態でのパワースペクトルと比較することによっ
て垂直方向のパワースペクトルの範囲の変化を流動状態
と相関するステップを含む。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、蒸留塔またはパイプス
チル内の流動状態を監視するための受動音響法である。
この方法は、製品歩留まりを増す、または熱効率を増
す、または長期間にわたって性能を維持する条件の下で
パイプスチルが動作できるようにするものである。
【0018】本発明を利用するために、振動加速度計は
パイプスチルの壁に取り付けられる。これらの振動加速
度計は、垂直方向にパイプスチル壁に沿って数カ所に設
置される。図1は、トレイおよび振動加速度計の配置を
示すパイプスチルの概略図である。壁の正常振動加速度
に正比例する振動加速度計からの電気信号は、電圧に変
換され、ケーブル、光学、または無線のいずれかの伝達
手段によって制御室に伝送される。適切な電子機器を備
えたこの制御室では、そのパワースペクトルが図1に示
されるように決定される。パワースペクトルの一定ピー
クの範囲が、次に決定され、パイプスチルの流動状態と
関連付けられる。
【0019】図1は、いかに壁の振動加速度が測定され
るかについての概略を示す。磁気的に(または他の手段
で)取り付けられた振動加速度計(BやK4384など)
は、壁の瞬間的振動加速度に正比例する電荷出力を生成
する。この電荷は、電荷増幅器(BやK2635など)によ
って、再び壁の正常振動加速度に正比例する電圧出力に
変換される。この電圧は、信号プロセッサ(BやK2032
または均等なもの)によって処理されて振動加速度のパ
ワースペクトルを生成する。壁の振動加速度のパワース
ペクトルは、壁の共振に相当する振動数に位置するピー
クを示す。このピークの振動数とその範囲との両方が適
切なコンピュータアルゴリズムによって決定できる。
【0020】図2Aおよび図2Bは、パイプスチル内で
の正常な流れと不安定な流れとの流動状態を示す。
【0021】2つの図を比較すると、正常な流れ(図2
A)では液流は降下管を辿るが、不安定な流れ(図2
B)では液体は蒸気流孔を通ってどっと流れ落ちること
が分かる。
【0022】図3A、図3B、および図3Cは、蒸留コ
ラムと接触する振動加速度計によって生成された経時変
動電気信号と、動作時のノズルによって発生された振動
エネルギーの周波数分布との間の関係を示す。それは、
時間と周波数との関数としてその信号の二乗をも示し、
パワースペクトルでの範囲と振動センサーによって生成
された平均二乗信号(変換器が正しく較正されている場
合には平均二乗振動加速度、または平均二乗圧力変動)
との間の周知の関係を示す。時間Tのランダム関数であ
る振動加速度A(T)と周波数(f)の関数である振動加速
度のパワースペクトルS(f)との間には数理的関係がある
ので、周波数範囲0〜fmaxでの平均二乗振動加速度<A
2(T)>は、
【数1】 で得られる。RMS振動加速度は、平均二乗振動加速度<A2
(T)>の平方根である。
【0023】パワースペクトルは、パイプスチルの動作
条件に関連づけられても良い。ターンアラウンド前D1
(定常運転の終了)とターンアラウンド直後D2(定常運
転の開始)とのパイプスチル動作条件の変化は、次の表
1で要約されているとおりである。
【0024】
【表1】
【0025】図4〜図5は、3つの指定位置における工
業用信号プロセッサ(B&K2032)内の振動加速度信号を
分析することによって得られたパワースペクトルを示
す。これらは全データを表す。各図の縦座標は、各周波
数におけるM/S2の単位でのRMS振動加速度である。横座
標は、0〜12,800Hzの範囲の周波数である。
【0026】これらの図の主な特徴は、約5,000HZと約
7,000HZとの間の周波数に集中させた広い共振である。
表1に示されるように、D1とD2との間のこのピーク位置
に大きな変化はない。
【0027】より重要なことは、2つの測定間でパワー
スペクトルの範囲内の第6と第2の段付近のトレイに対
する、または周波数範囲0〜12,800Hz(12,800Hzより上
のパワースペクトルではほとんどパワーがない)でのTO
TAL RMS(総RMS)振動加速度の急激な変動である。同様
に、共振ピークΔTOTALの範囲も急激な変動である。第
10段付近のトレイに対しては、ほとんど変動が無く、
常に限界動作であることを示唆する。表2はこのデータ
を要約する。
【0028】
【表2】
【0029】表1および表2内のデータは、RMS振動加
速度が気体−液体反応コラム内の流動状態に関連づけら
れることを示す。
【0030】1.表1から、D1でのトレイ1〜5に対す
る動作条件は、蒸留塔に注入された蒸気を除けばこれら
トレイ上に落流するのは液体しかないようなものであ
ったことが分かる。表2から、この日時とD2との間に、
共振ピーク内または0〜12,800Hzの範囲のいずれの場合
でも、RMS振動加速度においてかなりの変動(RMSの大き
さの230倍またはパワーの5×104[47dB])があるこ
とが分かる。故に、その変動をD2での「正規のトレイ
動作」への変化と、すなわち蒸気、液体、およびその液
体を通過する蒸気バブルの分離された領域および主要流
動ノイズ源と接触する明確な泡状媒体と関連付けせざる
を得ない。
【0031】2.表1から、D1でのトレイ13〜17に
対する動作条件は、正常ではあるが、限界動作(図2の
概略図のトレイの2つの状態を比較)となるようなもの
であったことが分かる。表2から、この日時と11/1
7/87との間に、共振ピーク内または0〜12,800Hzの範
囲のいずれの場合でも、RMS振動加速度において大きな
変動(RMSの大きさの14倍またはパワーが228[2
3dB])があることが分かる。故に、RMSの大きさの変
動をD2での「限界」から「正常」動作への移行(図2
の概略図のトレイの2つの状態を比較)と、すなわち図
に示されるように望ましい流動分布から望ましくない流
動分布までの間の変化と関連付けせざるを得ない。
【0032】3.表1から、D1でのトレイ45〜49に
対する動作条件は、蒸気以外液体が存在しないようなも
のであったことが分かる。表2から、この日時とD2との
間に、共振ピーク内または0〜12,800Hzの範囲のいずれ
の場合でも、RMS振動加速度が不変であることが分か
る。故に、D2でのパイプスチルのこの領域内(トレイ4
5〜49)で得られたRMS振動加速度の大きさと、トレ
イ13〜17の付近にD1で得られたRMS振動加速度の大
きさとの比較によって、パイプスチルのこの領域内で
の、この流動状態が「限界」と説明できるのではなかろ
うかと示唆される。この仮説は、この領域内のこれらの
トレイがユニットの運転中に一貫して「詰まる」という
観察と合致する。この段階では、この仮説は、この領域
内のガンマ走査によってしか評価できない。
【0033】4.ユニットを貫流する総流が、D1とD2
(100,000b/Dから130,000b/Dまで)の間で約30%だけ
しか変化しないという事実は信号の変化が液体、蒸気、
および泡状相の空間的分離の変動と関連付けられるとい
う仮説と一致している。
【0034】5.トレイ1〜5の付近の信号の振幅は、
トレイ13〜17の付近の信号の振幅の約10倍である
という事実が、より下流のトレイを貫流するより多くの
蒸気(スチームまたは炭化水素?)を関連付ける場合の
説明となり得る。図7は、D1、D2、およびD2プラス6ヶ
月におけるRMS振動加速度の立体棒グラフによる比較を
示す。
【0035】パイプスチールのスチール外壁上で行われ
た単純な非侵入測定が、位置や動作特性である情報を与
えることができるということは驚くべきことである。但
し、そのデータを説明できる様々な物理的機構がある。
共振ピークそれ自体は、表2に示されるように全条件下
の全レベルで存在するので、明らかに流動に関連するも
のである。図1で示されたように、蒸留塔の直径が第2
段と第6段との間で50%だけ増すが、共振の平均周波
数には大きな変化がないので、蒸留塔の直径とは関連し
ない。この共振は、降下管の内外を経る乱流に関連し得
る。表2で与えられた平均周波数から固有長を通常の音
響学的公式から得ることができる。
【0036】
【数2】fλ=c (1)
【0037】等式(1)において、数量「f」は音の振
動数であり、「λ」は音の波長であり、数量「c」は媒
体内での音の速度である。波長と同程度または幾分それ
よりも大きい構造的要素で共振源またはパワースペクト
ル内のピークのエネルギー集中を識別することは音響学
では通常行われている実作業である。
【0038】炭化水素内での音速が約1,000M/sec.であ
ることに注目すれば、6,400Hzの共振周波数に対して6
インチ程度の波長を導き出すことができる。この波長
は、同程度であるが、降下管の固有寸法よりも小さいも
のである。問題のパイプスチルでは、第2段位置でのト
レイ離隔は27”であり、第6段位置では24”、およ
び第10段位置では27”である。
【0039】気体相内での音速が約500M/sec.であるこ
とに注目すれば、その波長は、トレイ内の孔径の約3倍
となる。
【0040】一方、「渦の離脱」と呼ばれるプロセスの
ために乱流が固有共振を生成することは音響学的資料に
よりよく知られている(ドナルドロス(Donald Ross)
のMechanics of Underwater Noise, Pergamon Press、
ニューヨーク1976年、9章と比較)。再び、流速V
と共振ピークの周波数Fとの比によって得られる固有距
離「L」を導き出すことができる。一般に
【0041】
【数3】L≒V/F (2)
【0042】1ft/secの流速(=V)に対して、L≒3
ミルのF≒5,000Hzの固有長を得る。問題について少な
くとも最小長程度のLの大きさを明瞭に得るために(ト
レイの厚み約1/8インチ)、少なくとも約50ft/sec
程度の速度が必要である。これは、トレイの堰の流れに
対して予期していたものよりも若干大きいように思われ
るが、並外れているわけではない。
【0043】図2〜図5のパワースペクトル内の振動
は、気体流または液体流、または降下管との音響学的共
振のいずれかによる乱流から起こる。D1(液体のない迂
回した蒸気のみ)とD2(液体と蒸気)との全く異なる動
作条件間で蒸留塔の第10段(トレイ47〜49)内の
共振周波数間に大きな差が無いという事実は、共振がト
レイ内の孔を通る蒸気流から、または上からトレイに流
入する液体スチームの乱流を通じて起こることを示唆す
る。
【0044】2つの日時の間での振動加速度の激烈な変
化を物理的に説明することはより容易である。D2(トレ
イ45〜49以外の全て)での正規の動作条件への移行
と共に大きく増した信号の大きさに対する1つの説明
は、トレイ内に包含された「泡状液体」によって蒸気空
間への音響放射の効率を促進したものであっても良い
(液体および気体状媒体内の音響間の弱い結合について
議論されている、ロス(Ross)の2章を参照)。他の説
明は、流れの中にバブルが存在するために乱流ノイズと
音との間の結合が促進したものである(CrightonとFfow
cs WilliamsのJ. Fluid Mech 36 pp 585-603(1968
年)参照)。いずれの場合も、表2に示されるように約
200ばかりのRMS振幅の増加を説明するのは容易であ
る。
【0045】バブルコラムについての先導プラントの研
究は、液体内の気体の分散が流動ノイズの促進と流動ノ
イズの低減との両方を導き得るとする見解を支持する。
図8は、硫酸を含むパイプのパワースペクトル内の流動
ノイズへの「泡状」媒体の影響を示す。
【0046】多孔分散管を用いて水流に空気を加えるこ
とによるバブルコラムの流動ノイズパワースペクトルへ
の影響が、表3に要約される。全ての場合で、ハイドロ
ホンによって測定されたRMS圧力は、3,232Hz(すなわ
ち、ポンプノイズと関連する低周波ピークの直ぐ上)か
ら開始する9,088Hzの帯域であり、「泡状流れ」では最
大となる。
【0047】
【表3】
【0048】表3は、ハイドロホンによって測定された
RMS圧力とバブルコラム内の気泡との間の関係を示す。
【0049】気泡は、バブルコラム内の気孔率に関連
し、液体内のハイドロホンによってではなく、容器の壁
に設置された振動加速度計によって測定されても良い。
多孔分散管は、バブルコラム内に気体バブルを注入し
た。RMS振動加速度は、気体注入の終了後に多孔分散管
の上10ft.のところで測定された(図9参照)。気孔
率は、気体注入の終了後の圧力降下から評価された(図
10参照)。これらの結果は組み合わされて、気孔率と
RMS振動加速度との間の直接関係を示す(図11参
照)。
【0050】これらの結果から、正常動作条件に戻る主
な振動的効果は、蒸留壁の振動加速度の測定によって、
流体の外部から測定された振動信号の振幅を増加させる
ことは明白である。
【0051】新規で意外なことは、この効果が、ユニッ
トの外壁に搭載された振動加速度計によってそのように
簡単に且つ非侵入的に観察できることである。表2のデ
ータは、トレイ離隔(第10段で27”離れた、第6段
で24”離れた、第2段で27”離れた)の半分に匹敵
する距離の間隔を空けて磁気的に取り付けられた振動加
速度計によって得られた。表2に示されたデータの振幅
は位置により変動することも意外である。
【0052】故に、本発明は、パイプスチルまたは他の
分別、分離システムの外壁、またはバブルコラム処理ユ
ニットの外壁に取り付けられた振動加速度計を介して、
現在の測定値とこのシステムが正常に動作していたとき
に行われた測定値との間でなされた比較によって、この
システムの動作状態を判定できる非侵入法である。
【0053】1つの使用例は、その出力がユニットの基
礎部における接続箱まで送られる永久的に取り付けられ
た振動加速度計であろう。週単位で、振動加速度信号が
記録され、現在のユニットからのデータ、または他の同
種処理ユニットのパワースペクトルがデータベースで利
用できる中央位置に送られよう。正常信号レベルからの
逸脱は、過去の経験から解釈され、ユニットの状態につ
いてのアドバイスがオペレータに与えられよう。
【0054】ある場合には、例えばトレイが詰まってい
るまたは損傷している場合、これは、その故障が発生し
たところを正確に評価するためにガンマ線走査の利用を
示唆しても良い。他の場合では、条件が正常状態に戻せ
るかどうかを確認するために動作条件の変更が行われて
も良い。全ての場合で、不必要なガンマ線走査を無くす
だけでなくユニットの運転エネルギーコストをかなり節
約できよう。振動技術およびその非侵入性が本質的に低
コストであれば、そのようのシステムの設置も非常に高
い費用−便益比率となろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】典型的な蒸留塔のスチール外壁上への振動加速
度計の設置と、増幅器および信号プロセッサへのその接
続とを概略的に示す。
【図2】蒸留コラム内の流動状態を概略的に示し、
(A)は正常流動状態、(B)は不安定流動状態であ
る。
【図3】(A)は時間の関数として振動加速度計によっ
て生成された信号を概略的に示し、(B)は時間の関数
として振動加速度計によって生成された信号の二乗、お
よび平均二乗振動加速度とパワースペクトルでの範囲と
の関係を示し、(C)は周波数の関数としてのパワース
ペクトルを示す。
【図4】測定時間D1とD2との間での蒸留塔の第2段から
の典型的なパワースペクトルの変化を示し、ピーク周波
数の位置とピーク範囲とを例示する。
【図5】測定時間D1とD2との間での蒸留塔の第6段から
の典型的なパワースペクトルの変化を示し、ピーク周波
数の位置とピーク範囲とを例示する。
【図6】測定時間D1とD2との間での蒸留塔の第10段か
らの典型的なパワースペクトルの変化を示し、ピーク周
波数の位置とピーク範囲とを例示する。
【図7】測定時間D1、D2、およびD2プラス6ヶ月の間で
のRMS振動加速度についての立体棒グラフの比較を示
す。
【図8】硫酸を含むパイプのパワースペクトル内の流動
ノイズへの「泡状」媒体(プロピレン注入)の影響を示
す。
【図9】気体注入が終了したときのバブルコラム内での
RMS振動加速度と時間との間の関係を示す。
【図10】気体注入が終了したときのバブルコラム内で
の気孔率と時間との間の関係を示す。
【図11】気体注入が終了したときのバブルコラム内で
の気孔率とRMS振動加速度との間の線形関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デビッド・レイモンド・ジョンズラッド アメリカ合衆国ルイジアナ州70710、ベイ トン・ルージ、ラスティック・オーク 10337 (72)発明者 ウーリ・セラ アメリカ合衆国カリフォルニア州94598、 ウォールナット・クリーク、セコーム・コ ート2122

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造体内の液体相と相互作用する気体相
    の流動状態の非侵入的判定をおこなう方法であって、垂
    直方向に前記構造体の壁に沿った1つ以上の位置で前記
    壁の振動を測定し、次に周波数の関数としてのパワース
    ペクトルを決定するステップと、前記位置のそれぞれに
    共振ピークを含む前記パワースペクトルの範囲を決定す
    るステップと、 (c) 前記パワースペクトルを前記構造体が効率的に動作
    していたときの状態のパワースペクトルと比較すること
    によって前記垂直方向の前記パワースペクトルの前記範
    囲の変化を前記流動状態と相関するステップと、を含む
    方法。
  2. 【請求項2】 バブルコラム内の気孔の非侵入的判定を
    おこなう方法であって、 (a) 垂直方向に前記構造体の壁に沿った数カ所の位置で
    前記壁の振動を測定し、次に周波数の関数としてのパワ
    ースペクトルを決定するステップと、前記位置のそれぞ
    れに共振ピークを含む前記パワースペクトルの範囲を決
    定するステップと、 (c) 前記垂直方向の前記パワースペクトルの前記範囲の
    変化を前記バブル塔内の前記気孔と前記流動状態と相関
    するステップと、を含む方法。
JP10273351A 1997-09-26 1998-09-28 液体相−気体相相互作用コラムの動作状況を判定する方法 Pending JPH11166855A (ja)

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