JPH11164926A - パターコース練習機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 変化に富む起伏コースを自在に形成して多様
なバリエーションをもたせることのできるパターコース
練習機を提供する。 【解決手段】 シート状の収納袋１ａに排水口１２ａを
設け且つ該収納袋１ａ内に液体注入パイプ１４を配設す
ると共に多数の粒状物１８を充填して形成されるパター
コースマット１と、該パターコースマット１上に形成さ
れるカップ穴２と、該カップ穴２を除いたパターコース
マット１表面に取着される人工芝３と、を備えるマット
台Ａと、該マット台Ａに隣接して取付けられる打席台Ｂ
とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はゴルフのパターコー
ス練習機に関する。

【０００２】

【従来の技術】ゴルフのパターコース練習機は、ゴルフ
人気に支えられていろんな施設に設けられるようになっ
てきた。この種のパターコース練習機は、通常、所定の
起伏をつけて人工芝が貼られたパターコースで、その一
端寄りにカップ穴を形成する一方、他端側に打席台を設
けている。そして、打席台に立ってカップ穴を目がけて
パターの練習ができる構成になっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来のパタ
ーコース練習機は、パターコースに起伏をつけても起伏
そのものが変化しないため、少しの練習で習熟して厭き
てしまう傾向にあった。いくつか違うパターコースを設
けることも考えられるが、スペース確保の関係で難し
く、また、たとえ起伏の違うコースがいくつかできたと
しても、その数しかバリエーションがなかった。様々な
起伏あるパターコースの練習をするのには不適であっ
た。

【０００４】本発明は上記問題点を解決するもので、変
化に富む起伏コースを自在に形成して多様なバリエーシ
ョンをもたせることのできるパターコース練習機を提供
することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
請求項１記載の発明の要旨は、シート状の収納袋に排水
口を設け且つ該収納袋内に液体注入パイプを配設すると
共に多数の粒状物を充填して形成されるパターコースマ
ット（１）と、該パターコースマット上に形成されるカ
ップ穴（２）と、該カップ穴を除いたパターコースマッ
ト表面に取着される人工芝（３）と、を備えるマット台
（Ａ）と、該マット台に隣接して取付けられる打席台
（Ｂ）とを具備することを特徴とするパターコース練習
機にある。請求項２記載の発明のパターコース練習機
は、請求項１で、パターコースマットを支持板で受け、
且つ、該支持板を複数箇所で高さ調整具により支持して
支持板が上下動且つ傾斜調整可能になるようにすると共
に、前記打席台も複数箇所で高さ調整具により支持して
打席台が上下動且つ傾斜調整可能になるようにしたこと
を特徴とする。

【０００６】請求項１の発明のごとく、シート状の収納
袋に排水口を設け且つ該収納袋内に液体注入パイプを配
設すると共に多数の粒状物を充填してパターコースマッ
トを形成すると、収納袋内に水を含ませることによって
粒状物が動き易くなるので、パターコースマットに所望
の起伏変化を施すことが可能になる。請求項２の発明の
ごとく、パターコースマットを支持板で受け、且つ、該
支持板を複数箇所で高さ調整具により支持して支持板が
上下動且つ傾斜調整可能なるようにすると共に、打席台
も複数箇所で高さ調整具により支持して打席台が上下動
且つ傾斜調整可能になるようにすると、パターコースマ
ットと打席台について、高さ調整具により全体に亘って
傾斜変化をつけることができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係るパターコース
練習機について詳述する。図１〜図５は本発明のパター
コース練習機の一実施形態で、図１はその平面図、図２
は図１の縦断面図、図３は図１の部分拡大断面図、図
４，図５はパターコースの起伏形状を変える作業工程を
表した要部説明断面図である。尚、図１，図２では人工
芝の図示を省略している。

【０００８】パターコース練習機はマット台Ａと打席台
Ｂとを具備する。マット台Ａは、パターコースマット１
とカップ穴２と人工芝３と支持板４と高さ調整具５とを
備える。

【０００９】パターコースマット１は、パターの練習に
十分な広さ（例えば、長さ１０〜２０ｍ×幅約１ｍ）を
もつシート状の収納袋１ａに粒状物１８を充填したもの
で、その全体形状は、図１のごとく、平面視で前方後円
墳のような形状になっている。そして、後円部分の先端
寄りにカップ穴用の円孔１１を設けている。パターコー
スマット１は塩化ビニル樹脂等の合成樹脂で造られた防
水シート製である。パターコースマット１には、底面の
四方の隅近くの四箇所に排水口１２ａとなるノズル１２
が設けられ、該ノズル１２に開閉コック１３を取付けて
いる（図３）。そして、パターコースマット１内に液体
注入パイプ１４を配設している。本実施形態での液体注
入パイプ１４は、円孔１１を取り巻いたヘアピン形のパ
イプで、二本張り巡らしている。各液体注入パイプ１４
の基端部がヘッダー１５に連結し、該ヘッダー１５から
の配管はパターコースマット外へ出て供給配管１６とな
り、バルブ１７を介して加圧水供給源（図示せず）につ
ながっている。液体注入パイプ１４にはその下面に所定
間隔で透孔１４１が設けられており、加圧水供給源から
水Ｌ（液体）が供給されると、透孔１４１から水Ｌが吹
き出すしかけになっている。液体注入パイプ１４は収納
袋１ａの底面近くに位置しており（図２）、透孔１４１
から水Ｌが吹き出すと、水Ｌの流力で粒状物１８（後
述）を持ち上げることができる。そして、水Ｌに浸かっ
た粒状物１８は互いの動きを規制する抵抗が減り、動き
易くなる構成にある。

【００１０】粒状物１８は、パターコースマット１中に
入る充填材で、ここでは球状のセラミックボールを採用
している。粒状物１８を球状としたのは、収納袋１ａに
水Ｌが供給された際、セラミックボール１８が動き易く
なり、マット台Ａの起伏形状を変えるのにより好都合に
なるからである。セラミックボール１８は、パターコー
スマット１上でのゴルフボールの転がり状況に近づける
ために、大中小の三種類の大きさのものが使われてい
る。具体的には、直径が５ｍｍφ，３ｍｍφ，２ｍｍφ
程度のものを用意して、小径，中径のセラミックボール
１８が大径のセラミックボール間の隙間に入り込んでな
だらかな起伏Ｋのある本物に近いパターコースに仕上が
るようにしている。符号１９は空気抜きノズルで、パタ
ーコースマット１の上面近くに形成される。該空気抜き
ノズル１９は、液体注入パイプ１４を使ってパターコー
スマット１内に水Ｌを供給する際、ベントの役割を担
い、マット１内にある空気を効率良く系外へ逃がす。ノ
ズル１９は、通常、コック１９１によって閉じられてい
る。

【００１１】カップ穴２は、前記円孔１１を利用してパ
ターコースマット１上に形成される。カップ穴２は、有
底筒状のカップ２１と、該カップ２１の底面を支えてカ
ップ２１を上下動させ得る調整具２２と、を備える（図
２）。カップ穴周囲のパターコースマット１の起伏状況
にあわせて、調整具２２を作動してカップ２１のレベル
が調整される。ここでは、調整具２２として螺子ジャッ
キ式を用いているが、調整具２２の構造は勿論これに限
定されない。

【００１２】人工芝３は、市販品で、基布（或いは合成
樹脂シートやゴム製シート）に芝の葉に相当する芝状繊
維が植毛されたものである。基布の裏面からバックコー
ティングが施されている。芝状繊維としてナイロン，ポ
リプロピレン等のモノフィラメントが用いられる。この
人工芝３はカップ穴２を除いたパターコースマット表面
に取着される。人工芝３にはパイルカット織物のほか、
人工芝３に似るように短繊維を静電植毛加工によってパ
ターコースマット１上へ直立且つ均一に植え付けること
もできる。

【００１３】支持板４は、パターコースマット１の平面
の大きさに略等しくして、人工芝３が取着されたパター
コースマット１を支えることのできる板体である。本実
施形態ではアルミニウム製のパネル板が用いられてい
る。ノズル１２が突き出す部分は支持板４に孔が設けら
れる（図３）。尚、図示を省略したが、支持板４にはパ
ターコースマット外周縁を囲うフレームが形成されてい
る。

【００１４】高さ調整具５は、前記支持板４を複数箇所
（ここでは周囲四箇所）で支持して、該支持板４が上下
動且つ傾斜調整可能になるようにするものである。高さ
調整具５として本実施形態は電動ジャッキを採用する
が、これに限らず、例えばエアシリンダ，油圧シリンダ
等のアクチュエータを用いることもできる。

【００１５】打席台Ｂは、プレーヤーがここに立ってパ
ターを振る所で、マット台Ａに隣接して取付けられる。
この打席台Ｂはカップ穴２と離れた他端側に設けられる
（図１）。打席台Ｂは踏板６と高さ調整具７とからな
る。踏板６を複数箇所（ここでは周囲四箇所）で高さ調
整具７により支持して、打席台Ｂが上下動且つ傾斜調整
可能なるようにしている。踏板６は、人がプレーし得る
ほどの略方形の板体（例えば、約３ｍ×約１ｍ）で、そ
の一側縁をマット台Ａの周縁に沿わせている。高さ調整
具７は、電動ジャッキからなり、これらを上下動させる
ことにより踏板６の底面を支えて、該踏板を上下動且つ
傾斜調整できるようにしている。

【００１６】次に、上記構成のパターコース練習機につ
いて、パターコースの起伏Ｋを変える一作業方法を述べ
る。まず、コック１９１を開にして空気抜きノズル１９
を大気と導通させる。次いで、バルブ１７を開け、加圧
水供給源から収納袋１ａ内の液体注入パイプ１４へ水Ｌ
を送る。水Ｌは透孔１４１から吹き出し、収納袋内で敷
き詰められていた粒状物１８の間に入り込み、収納袋全
体が膨らんでいく。このとき、収納袋１ａ内に空気が在
る場合は、空気抜きノズル１９から追い出されていく。
粒状物１８が水Ｌの浮力でその分軽くなり、且つ粒状物
１８同士が遊離し、粒状物間の動きを規制していた抵抗
が減って互いの位置関係を変え易くなる。

【００１７】しかる後、バルブ１７，コック１９１を閉
めて、マット台Ａの上面をローラＲ等で起伏Ｋをつける
ようにしてならしていく（図４）。この時、必要に応じ
て開閉コック１３を開にする。ローラＲに加える力加減
で、マット台Ａの上面すなわち人工芝面に起伏Ｋが按配
よく形成されていく。ローラＲに力を加えると、粒状物
同士が遊離して動き易くなったセラミックボール１８は
その力に応じて凹んでいく。ローラＲの操作により、人
工芝３へ凹凸や傾斜角に関し、思い思いの条件を付与す
ることができる（図５）。開閉コック１３を開にするこ
とにより、ローラＲに押されて収納袋１ａ内に充満して
いた水Ｌは排水口１２ａから流し出されていく。ローラ
Ｒで所望の起伏Ｋをつけ終わったら、後は収納袋１ａ内
の水Ｌを排水口１２ａからきれいに流し切る。こうし
て、水Ｌが収納袋内からなくなると、ふたたび粒状物１
８が収納袋内に敷き詰められた状態となり、その動きが
規制されて新たな起伏形状のパターコースが安定固定し
た状態で提供される。次いで、高さ調整具５でマット台
全体の左右前後のレベル調整をして、全体の傾斜を変化
させていく。高さ調整具５の使用により、マット台Ａの
起伏形状が全体に亘って大きく変えられていく。

【００１８】その後、マット台Ａの起伏形状に合わせる
ように、調整具２２でカップのレベル調節を行う。図５
ではカップ２１を図４の位置から少し持ち上げて、マッ
ト台Ａとの調和を図っている。一方、打席台Ｂについて
も、踏板６の左右前後のレベル調整を行うべく、各高さ
調整具７で角度，高さ等に変化をつけていく。かくのご
とくして、パターコースの起伏Ｋを変える作業が完了す
る。そして、この新たなパターコースに習熟してきた
ら、上述の作業手順を再度実施することにより、また、
新規で起伏Ｋの違うパターコースに仕上げることができ
る。

【００１９】このように構成したパターコース練習機
は、人工芝面に起伏変化をつけられなかった従来品と異
なり、人工芝面に多様な傾斜角や凹凸を付与することが
できる。そのため、一つのコースに習熟してきた時点
で、新たな起伏コースに作り変えることによって、再
度、変化に富む未知のコースに挑戦できる。人工芝面の
傾斜角や凹凸条件を変え、様々な起伏Ｋの違うコースが
出来ることによって、プレーヤは状況が違った場面での
判断力を養うことができ、ゴルフプレーの技術向上が図
られる。人工芝面の局地的な凹凸変化は収納袋１ａ内の
粒状物１８を移動させることによって、また、全体的な
大きな傾斜角等の変化は高さ調整具５によって簡単に実
現できる。しかも、収納袋１ａ内の粒状物１８を移動さ
せて人工芝３の起伏形状を変化させるにあっては、収納
袋内に水Ｌが供給されているので、粒状物１８が動き易
くなっており、ローラＲ等を使って人工芝３の起伏形状
を楽に変えることができる。すなわち、水Ｌを介在させ
て人工芝面に起伏変化をつけやすくし、その後は、該水
Ｌを収納袋１ａから抜くことによって人工芝面の起伏を
安定したリジッドな敷き詰めた状態にすることが可能と
なり、簡易にして人工芝面に思い通りの凹凸変化をつけ
ることができる。かくして、本パターコース練習機は、
起伏コースを変幻自在に形成して無限に近いバリエーシ
ョンをもたせることでき、厭きがこず、またゴルフの技
術レベルのアップに最適なパターコース練習機になって
いる。さらに、一台のパターコース練習機でもって変化
に対応できるので、スペースをとらず屋内設置が可能
で、且つ複数のパターコースを造るのに比べコスト的に
も安くなるなど優れた効果を発揮する。

【００２０】尚、本発明においては、前記実施例に示す
ものに限られず、目的，用途に応じて本発明の範囲で種
々変更できる。パターコースマット１，カップ穴２，人
工芝３，支持板４，調整具５，打席台Ｂ等の形状，大き
さ，材質，個数等は用途に合わせて適宜選択できる。粒
状物１８は実施形態で使用したセラミックボールに限ら
ず、木製或いはプラスチックボール等の種々の材質のも
のを使用でき、また球形以外の形状にしてもよい。液体
注入パイプ１４の配設もマット台の形状に合わせて変更
できる。水Ｌについては、単なる水以外に防腐，防錆処
理等を施した液体を使うことができる。調整具２２，
５，７についても、ジャッキ式に限定されず、油圧，空
圧シリンダーや電磁弁等のアクチュエータを採用でき
る。また、調整具の個数もパターコース練習機の大きさ
に応じて適宜増減できる。

【００２１】

【発明の効果】以上のごとく、本発明のパターコース練
習機は、変化に富む起伏コースを簡易にして自在形成で
きるので、様々な状況下でのパター練習が一台の機械で
可能になり極めて有益となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るパターコース練習機の一実施形態
で、その平面図である。

【図２】図１の縦断面図である。

【図３】図１の部分拡大断面図である。

【図４】パターコースの起伏形状を変える作業工程を表
した要部説明断面図である。

【図５】パターコースの起伏形状を変える作業工程を表
した要部説明断面図である。

【符号の説明】

１ パターコースマット １ａ 収納袋 １２ａ 排水口 １４ 液体注入パイプ １８ セラミックボール（粒状物） ２ カップ穴 ３ 人工芝 ４ 支持板 ５ 高さ調整具 ７ 高さ調整具 Ａ マット台 Ｂ 打席台 Ｋ 起伏

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート状の収納袋に排水口を設け且つ該
   収納袋内に液体注入パイプを配設すると共に多数の粒状
   物を充填して形成されるパターコースマット（１）と、
   該パターコースマット上に形成されるカップ穴（２）
   と、該カップ穴を除いたパターコースマット表面に取着
   される人工芝（３）と、を備えるマット台（Ａ）と、該
   マット台に隣接して取付けられる打席台（Ｂ）と、を具
   備することを特徴とするパターコース練習機。
2. 【請求項２】 前記パターコースマットを支持板で受
   け、且つ、該支持板を複数箇所で高さ調整具により支持
   して支持板が上下動且つ傾斜調整可能になるようにする
   と共に、前記打席台も複数箇所で高さ調整具により支持
   して打席台が上下動且つ傾斜調整可能になるようにした
   請求項１記載のパターコース練習機。