JPH11101405A

JPH11101405A - 低灰分固形燃料燃焼装置

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Publication number: JPH11101405A
Application number: JP26601697A
Authority: JP
Inventors: Daihachiro Murase; 大八郎村瀬
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1997-09-30
Filing date: 1997-09-30
Publication date: 1999-04-13
Anticipated expiration: 2017-09-30
Also published as: JP2998015B2

Abstract

(57)【要約】【課題】残渣処理が不要なように、投入された燃料が完
全に燃え尽きるようにした従来の低灰分固形燃料燃焼装
置は、燃焼途中で消火することができなかったり、消火
に手間を要して煩わしかったという点を改善する。【解決手段】低灰分固形燃料燃焼装置を、低灰分固形燃
料を支承する燃焼炉１と、この燃焼炉１を収納する上面
開放容器状の外套体２とで構成した。燃焼炉１は、本体
３の周囲にスリット状の吸気間隙３ｄ，３ｅが設けられ
たものとした。また、外套体２は、内側に断熱保温層１
１が設けられ、収納された燃焼炉１の周囲に空気が流入
可能な間隙を形成し、かつ上面に蓋体１２が気密に嵌合
することにより、この空気の流入が遮断できるものとし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、低灰分固形燃料を
安全かつ効率的に燃焼させ、かつ消火も容易かつ確実に
なされるようにした低灰分固形燃料燃焼装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の低灰分固形燃料燃焼装置
としては、特公昭６２−４６７６１号、特公平１−５０
８０１号、特公平１−５１７４２号などに示されるもの
があった。これらはいずれも必要な量だけ、内部に低灰
分固形燃料を投入して使用されるようになっており、燃
焼途中で消火するということは、全く想定されていなか
った。つまり、低灰分固形燃料燃焼装置は、残渣処理が
不要な点に特徴を有しており、このことから投入された
燃料をいかに完全に燃え尽きさせるかという点が第一義
的に考えられていた。従って、燃焼未燃物が生じるとい
うことは、全く想定されておらず、燃焼を途中で中断し
たり、消火するための設備や構造も有していなかった。

【０００３】従って、従来、この種の低灰分固形燃料燃
焼装置において、燃焼途中で消火するためには、別途、
火消し壺などを用意し、ここに燃焼中の固形燃料を移し
かえるようにしていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の低灰分固形燃料燃焼装置は、残渣を生じないように、
投入された低灰分固形燃料を完全に燃焼させ尽くすよう
になっており、そのため使用に際して、予め必要な燃焼
時間を想定し、投入する燃料の量を調節しなくてはなら
なかった。しかしながらこのように投入する燃料の量を
調節しても外気温などの使用条件の相違により、必ずし
も設定した時間で燃焼が完了するとは限らず、消火を確
認するまでは現場を離れ難いという問題点があった。ま
た、強制的に燃焼を終了させるためには、別途、火消し
壺などを用意する必要があると共に、燃焼中の燃料をこ
の火消し壺に移しかえる作業も必要であり、煩わしいと
いう問題点があった。

【０００５】本発明は、上記従来の低灰分固形燃料燃焼
装置が有していた問題点の解決を課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明のうち、請求項１記載の発明は、低灰分固
形燃料を支承する燃焼炉を、上面が開放された容器状の
外套体に収納することとし、燃焼炉を、本体の周囲にス
リット状の吸気間隙が設けられたものとし、外套体を、
内側に断熱保温層が設けられ、収納された燃焼炉の周囲
に空気が流入可能な所定の間隙を形成し、かつ上面に蓋
体が気密に嵌合することにより、この空気の流入を遮断
し得るものとした。

【０００７】請求項２記載の発明は、上記請求項１記載
の発明の構成に、燃焼炉の底に吸気孔が設けられ、この
燃焼炉が下方に所定の間隙を有して外套体に収納される
構成を加えたことを特徴とする。

【０００８】請求項３記載の発明は、上記請求項１記載
または請求項２記載の発明の構成に、燃焼炉の内部に耐
熱耐火材製の保持錘体を設けた構成を加えたことを特徴
とする。

【０００９】請求項４記載の発明は、上記請求項１記載
の発明の構成に、燃焼炉の内側が、アルミナファイバー
やセラミックファイバーなどの無機繊維断熱材で被われ
た構成を加えたことを特徴とする。

【００１０】請求項５記載の発明は、上記請求項１記載
の発明の構成に、外套体の断熱保温層の周囲に空気層が
形成される構成を加えたことを特徴とする。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図示した実施の形
態に基づき詳細に説明する。

【００１２】図１は、本発明に係る低灰分固形燃料燃焼
装置の分解斜視図である。図示したように、この低灰分
固形燃料燃焼装置は、有底円筒形の燃焼炉１と、この燃
焼炉１を収納するようにした上面開放容器状の外套体２
とで構成されている。

【００１３】燃焼炉１は、図４の平面図並びに図５の断
面図に示すように、内側に断熱材５（または６）が設け
られた複数の金属製筒体３ａ，３ｂ，３ｃを、この断熱
材５，６を縦方向に貫通した複数の杆体９で連結し、筒
状の本体３を形成したものである。この時、上下の各金
属製筒体３ａ，３ｂ，３ｃの間でスリット状の吸気間隙
３ｄ，３ｅが形成されるように、それぞれの金属製筒体
３ａ，３ｂ，３ｃは、杆体９の所定の個所に位置決め固
定されるようになっている。

【００１４】なお、断熱材５は、本体３の内部が下側に
向かって漸縮形状となるように、本体３の内側にテーパ
状に設けられている。また、断熱材６は、筒状の本体３
の底を構成しており、その中心には、吸気孔６ａが設け
られている。この吸気孔６ａには、円錐形の保持錘体４
の下端に突設された支持軸４ａが貫通しており、この支
持軸４ａを固定金具７，８で断熱材６に固定することに
より、上記保持錘体４を本体３の内部において吸気孔６
ａを塞がないように取り付けている。

【００１５】なお、上記保持錘体４は、キャスタブルな
どの耐熱耐火材で形成されている。また、本体３の内側
や底に設けられる断熱材５，６としては、支承した低灰
分固形燃料の燃焼により、損傷を受けないものであれば
どのようなものであっても良いが、アルミナファイバー
やセラミックファイバーなどの無機繊維断熱材を用いれ
ば、従来には見られない優れた耐熱、耐火、耐久性が得
られることとなり、望ましい。

【００１６】外套体２は、図６に示すように、金属板で
形成された有底円筒形の外部材１０の内周面並びに底面
に断熱保温材を添設し、断熱保温層１１を形成したもの
である。この外套体２は、内部の深さが燃焼炉１の高さ
と同等か、あるいはそれよりも大きく、またその内径
は、燃焼炉１の外径よりも大きな寸法に形成されてい
る。よって、図２に示すように、その内部に燃焼炉１
を、周囲に間隙を有して収納できるようになっている。

【００１７】またこの外套体２の上面には、裏面に断熱
保温材１３が添設された蓋体１２が気密に嵌合し得るよ
うになっている。

【００１８】なお、上記断熱保温層１１を形成する断熱
材としては、例えば、ロックウールや珪酸カルシウム系
の保温材などが例示できる。また、図６に示したよう
に、この断熱保温層１１と金属製の外部材１０との間に
間隙を設け、空気層１４を形成するようにしても良く、
このようにすれば、一層良好な断熱保温効果が得られ
る。

【００１９】上記部材で構成される本発明の低灰分固形
燃料燃焼装置は、図２に示すように燃焼炉１を外套体２
の内部に収納し、外套体２をあたかも火鉢のようにして
使用したり、あるいはその上側に図３に示すように、煙
突１６に連続した金属製の感熱体１５を被せてストーブ
のようにして使用される。なお、この時、外套体２内に
収納された燃焼炉１は、図２に示すように下方に突出し
た杆体９で支持されることにより、外套体２の底面との
間に所定の間隙が形成されるようになっている。また、
燃焼炉１と、その周囲の断熱保温層１１との間にも間隙
が形成され、ここから燃焼に必要な空気が流入できるよ
うになっている。

【００２０】従って、この状態で燃焼炉１の内部に低灰
分固形燃料（図示せず）を入れ、着火すると、燃焼炉１
内に投入された低灰分固形燃料は、燃焼炉１の内部に設
けられた保持錘体４と、その周囲のテーパ状の断熱材５
との間でせりあって、下方に空気流入間隙が形成される
ように支承され、また、この燃焼炉内には、周囲に設け
られたスリット状の吸気間隙３ｄ，３ｅと保持錘体４の
下側に位置した吸気孔６ａとから順次空気が供給される
ので、立ち消えすることなく燃焼する。

【００２１】なお、ここにおいて使用される低灰分固形
燃料は、灰分含有量が５％以下の褐炭、オガライトある
いは灰分含有量１％未満の石油コークスその他これらと
同程度の石炭ピッチコークス、成型コークス、ブリケッ
ト、カルサイナコークスなどである。従って、燃焼炉１
内に投入された低灰分固形燃料は、燃えかすを生じるこ
となく、殆ど完全に燃え尽きる。よって、灰落としや灰
捨てなどの残渣処理は、不要である。

【００２２】このように本発明の低灰分固形燃料燃焼装
置では、残渣処理が不要なように燃料が完全に燃え尽き
る点に特徴を有しており、このことから灰落としなどの
燃えかすの処理機構は有していない。従って、内部が断
熱保温層１１で覆われた容器状の外套体２内に燃焼炉１
を収納し、安全に燃焼をさせることができる。しかしな
がら燃焼炉１の上側は、開放され、あるいはかなり高温
（約６００°）になる感熱体１５で覆われているので、
万一の場合のことを考えると、燃焼途中であっても確実
に消火できることが望ましい。このような場合、本発明
の低灰分固形燃料燃焼装置では、外套体２に気密に嵌合
する蓋体１２を用いて消火することができる。その消火
手順は次の通りである。

【００２３】まず、感熱体１５を使用している場合は、
この感熱体１５を図示しない昇降手段などを用いて上方
に引き上げるか、あるいは、手作業により燃焼装置上か
ら取り外し、燃焼炉１と外套体２の上面を開放する。次
いで、燃焼炉１の上側を覆うように蓋体１２を外套体２
の上面に嵌合させる。蓋体１２の裏面には、断熱材１３
が添設されており、この断熱材１３が、外套体２の内側
の断熱保温層１１を構成した断熱保温材と密着すること
により、外套体２の内部を気密に密閉する。よって、燃
焼炉１への空気の供給が遮断され、やがて燃焼炉１内の
低灰分固形燃料は消火する。

【００２４】このように本発明の低灰分固形燃料燃焼装
置では、蓋体１２を被せることにより、燃焼途中の任意
の時に消火し、中断することが可能である。この時、燃
焼炉１の上側を被った蓋体１２は、その裏面に断熱保温
材１３が添設されているので、例え、炎が上がるほど激
しい燃焼中であっても、蓋体１２の外側が危険なほど高
温になることは無い。

【００２５】そして、このようにして燃焼途中で消火
し、燃え残った固形燃料は、再度着火することにより、
通常の低灰分固形燃料と全く同様に完全に燃え尽きる。
よって、通常の低灰分固形燃料燃焼装置と、何ら変わる
こと無く、その使用を再開することができる。

【００２６】以上のようにして本発明の低灰分固形燃料
燃焼装置は、作動し、使用されるものである。

【００２７】なお、図示した実施の形態では、燃焼炉１
と外套体２として共に円筒形のものを示したが、両者は
共に上面が開放された容器状のものであれば良く、その
形状は、例示したものに限定されない。

【００２８】また、燃焼炉１内に設けられる保持錘体４
として円錐形のものを示したが、これも三角錐や四角錐
などの多角錐状やあるいは燃焼炉１の形状に応じた他の
形状であっても良く、また、燃焼炉１の形状によっては
必ずしも設けなくとも良い。

【００２９】さらに図示した実施の形態では、燃焼効率
を向上させるために、燃焼炉１の底にも吸気用の給気孔
６ａを設けた例を示したが、本発明の低灰分固形燃料燃
焼装置は、外套体２内に収納された燃焼炉１の周囲から
燃焼用の空気が供給されれば良く、底の給気孔６ａは必
ずしも必要ではない。なお、このように底に給気孔６ａ
を設けていない場合は、外套体２内に設置される燃焼炉
１の下側にも間隙を設ける必要はない。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち、請
求項１記載の発明は、低灰分固形燃料を支承する燃焼炉
をその周囲から空気を取り入れ、燃焼できるようにし、
これを断熱保温層が設けられた外套体内に収納するよう
にしたので、安全かつ効率良く、低灰分固形燃料を燃焼
させることができ、また、この外套体に蓋体を気密に嵌
合させることにより、燃焼を中断させることもできる。
よって、この種の低灰分固形燃料燃焼装置における安全
性が向上すると共に、その利便性も向上するという効果
が得られる。

【００３１】請求項２記載の発明は、燃焼炉の底に給気
孔を設け、ここからも吸気が行えるようにすることによ
り、上記請求項１記載の発明の効果に加え、燃焼炉内の
固形燃料の燃焼がより確実、かつ安定してなされるとい
う効果がある。

【００３２】請求項３記載の発明は、燃焼炉の内部に保
持錘体を設けることにより、固形燃料をその下側に空気
流入するように保持でき、上記請求項１または請求項２
記載の発明の効果に加え、さらに一層確実な燃焼が図ら
れるという効果がある。

【００３３】請求項４記載の発明は、燃焼炉の内側を、
耐熱耐火性に優れた特性を有する無機繊維断熱材で被う
ことにより、燃焼炉の耐久性が向上し、燃焼炉の破損な
ど不慮の事故が防止されると共に、周囲への熱の逃げが
防止され、上記請求項１記載の発明の効果の効果に加
え、熱の利用効率の向上並びに信頼性の向上が図られる
という効果がある。

【００３４】請求項５記載の発明は、外套体の断熱保温
層の周囲に空気層を設け、この空気層を断熱保温層とし
て作用させることにより、断熱保温材が削減され、外套
体の重量も軽減されるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態による低灰分固形燃料燃焼装
置の分解斜視図である。

【図２】本発明に係る低灰分固形燃料燃焼装置の使用例
を示した側面透視図である。

【図３】本発明に係る低灰分固形燃料燃焼装置の他の使
用例を示した斜視図である。

【図４】本発明に係る低灰分固形燃料燃焼装置に用いら
れる燃焼炉の平面図である。

【図５】図４に示した燃焼炉の断面図である。

【図６】本発明に係る低灰分固形燃料燃焼装置に用いら
れる外套体の断面図である。

【符号の説明】

１燃焼炉２外套体３本体３ａ，３ｂ，３ｃ金属製筒体３ｄ，３ｅ吸気間隙４保持錘体４ａ支持軸５，６断熱材７，８固定金具９杆体１０外部材１１断熱保温層１２蓋体１３断熱保温材１４空気層

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】低灰分固形燃料を支承する燃焼炉が、上
面が開放された容器状の外套体に収納されてなり、上記燃焼炉は、本体の周囲にスリット状の吸気間隙が設
けられたものであり、上記外套体は、内側に断熱保温層が設けられ、収納され
た燃焼炉の周囲に空気が流入可能な所定の間隙を形成
し、かつ上面に蓋体が気密に嵌合することにより、この
空気の流入を遮断し得るようになされたものであること
を特徴とする低灰分固形燃料燃焼装置。
【請求項２】燃焼炉の底に吸気孔が設けられ、この燃
焼炉が下方に所定の間隙を有して外套体に収納されたこ
とを特徴とする請求項１記載の低灰分固形燃料燃焼装
置。
【請求項３】燃焼炉の内部に耐熱耐火材製の保持錘体
が設けられたことを特徴とする請求項１または請求項２
記載の低灰分固形燃料燃焼装置。
【請求項４】燃焼炉の内側が、アルミナファイバーや
セラミックファイバーなどの無機繊維断熱材で被われて
いることを特徴とする請求項１記載の低灰分固形燃料燃
焼装置。
【請求項５】外套体の断熱保温層の周囲に空気層が形
成されたことを特徴とする請求項１記載の低灰分固形燃
料燃焼装置。