JPH11101130A - 天然ガス焚きコンバインドサイクル発電設備用気化システム - Google Patents

天然ガス焚きコンバインドサイクル発電設備用気化システム

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JPH11101130A
JPH11101130A JP9261270A JP26127097A JPH11101130A JP H11101130 A JPH11101130 A JP H11101130A JP 9261270 A JP9261270 A JP 9261270A JP 26127097 A JP26127097 A JP 26127097A JP H11101130 A JPH11101130 A JP H11101130A
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JP
Japan
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medium
heat transfer
transfer tube
tube
natural gas
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Application number
JP9261270A
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English (en)
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Tatsuo Yoshida
龍生 吉田
Yutaka Ito
裕 伊藤
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 LNG冷熱利用によるガスタービン吸気冷却
用の設備の稼働率の向上と、ガスタービン吸気冷却用の
設備の有効利用を図ることができるLNG焚きコンバイ
ンドサイクル発電設備用気化システムを提供する。 【解決手段】 胴9内をほぼ上下に直進する媒体用管路
8と、該媒体用管路8の下方に設けられた排水弁94を
有するLNG気化器7と、媒体用管路8とガスタービン
に吸引される空気を冷却する吸気冷却器3の媒体用管路
8を第1媒体が循環するように構成されてなる第1媒体
循環回路4と、LNG気化器7の媒体用管路8の入口側
水室7aへ注入され出口側水室7bへ排出される第2媒
体注入・排出路5と、媒体を第1媒体から第2媒体へま
たはその逆に変更しうる媒体変更手段6a、6b、6
c、6dを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然ガス焚きコン
バインドサイクル発電設備用気化システムに関する。さ
らに詳しくは、液化天然ガス(以下、LNGという)を
LNG気化器で気化して発電所に燃料として供給するL
NG気化系統に対し、ガスタービンの圧縮器の吸気を冷
却するガスタービン吸気冷却系統が並設された天然ガス
焚きコンバインドサイクル発電設備において、吸気冷却
系統を使用する場合と使用しない場合とで媒体の変換を
行いうるLNG気化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】LNGはその貯蔵、輸送の際には一般に
−160℃前後の低温に維持されている。これを発電用
燃料として利用する場合には、通常、水または海水を熱
媒体として加温、気化し、天然ガス(NG)としてガス
タービンに供給している。
【0003】ところで、我が国における電力の需要は、
夏期の午後1時を中心とした昼間の時間帯がピークとな
る。一方で、大量の空気を必要とするガスタービンで
は、外気温度が上昇すると空気の比体積が大きくなり、
吸入空気の単位体積当たりの重量が減少することによ
り、その出力が減少する。つまり、最も電力を必要とす
る夏期の昼間の時間帯において、ガスタービンの出力が
最も小さくなってしまうことになる。通常ガスタービン
の出力は、圧縮機に吸入される外気の温度が15℃で1
00%となるように設計されており、30℃になると約
12%低下する。したがって、夏の昼間の時間帯の消費
電力のピークを、他の発電設備の建設などにより補償す
る必要を生じている。
【0004】そこで、外気温度が高くなったばあい、ガ
スタービンに吸入される空気を冷却し、ガスタービンの
出力低下を防ぐ方法および装置が種々考案されている
が、なかでも、LNG気化器に利用される温熱媒体を、
吸気冷却器の冷熱媒体として利用する方法および装置
が、簡単な設備で効率よく吸気を冷却できるという観点
から提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガスタ
ービン吸気冷却用の設備は、我が国では、夏場のみ必要
であり、外気温度が15℃以下となる冬場は必要でな
い。したがって、冬期には、遊休設備となって、経済的
に問題があった。
【0006】本発明は、前述の問題に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、LNG冷熱利用に
よるガスタービン吸気冷却用の設備の稼働率の向上と、
ガスタービン吸気冷却用の設備の有効利用を図ることが
できるLNG焚きコンバインドサイクル発電設備用気化
システムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる発明
は、(a)胴内をほぼ上下に直進する媒体用管路と、該
媒体用管路の下方に設けられた排水弁を有する液化天然
ガス気化器と、(b)前記液化天然ガス気化器の媒体用
管路に連結可能な複数の媒体通路と、(c)前記複数の
媒体通路から1つを選択して前記液化天然ガス気化器の
媒体用管路に選択された媒体を送る媒体変更手段を備え
てなることを特徴とするものである。LNG気化器内を
媒体用管路が上下に直進しているので、LNG気化器内
から媒体を抜きやすく、媒体の変更が容易である。ま
た、媒体用管路が直進しているので、媒体の一部が凝固
しても押し流し易く、凍結による閉塞のおそれが少な
い。このようなLNG気化器は、上下に長い縦置きであ
り、敷地面積が少なくてすむ。
【0008】請求項2にかかる発明は、請求項1に記載
の発明に加えて、前記液化天然ガス気化器の媒体用管路
の上方に洗浄用液体を注入しうる注入口を設けてなるも
のである。媒体の変更時に、LNG気化器内の媒体用管
路を洗浄することができるので媒体に不純物が混入しな
い。
【0009】請求項3にかかる発明は、請求項2に記載
の発明に加えて、前記注入口が洗浄用液体を接線方向に
噴出させるノズルを有してなるものである。LNG気化
器内の媒体用管路の管壁を速く確実に洗浄できる。
【0010】請求項4にかかる発明は、請求項1、2ま
たは3に記載の発明に加えて、前記複数の媒体通路の内
の1つが、前記液化天然ガス気化器の媒体用管路と、ガ
スタービンに吸引される空気を冷却する吸気冷却器の媒
体用管路を第1媒体が循環するように構成されてなる第
1媒体循環回路である。第1媒体循環回路は、LNG気
化器の冷熱を利用して吸気を冷却するものである。吸気
冷却器を使用しないときは、第1媒体以外の媒体が流れ
る通路を利用する。したがって、この吸気冷却器を他の
目的で普通の熱交換器として使用することができる。ま
た、LNG気化器として使用してもよい。
【0011】請求項5にかかる発明は、請求項4に記載
の発明に加えて、前記第1媒体が2価までのアルコール
の中から選択された1または2以上のアルコールと水と
の混合物である。第1媒体循環回路に用いられる媒体と
しては、アルコール水が好ましい。冷却器とLNG気化
器内の媒体用管路は上下に真っ直ぐ延びており、アルコ
ール水のように凝固点近くでシャーベット状になる媒体
を用いても管路が塞がるおそれがないものを用いること
が好ましい。媒体の流量を多くしなくても凝固物を押し
流すことができるからである。したがって、LNGのト
ン当たりの媒体の利用量が少なくてすむ。1価のアルコ
ールには、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、プロパノール、ブタノール、・・・・・などがあ
り、2価のアルコールには、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、・・・・などがある。このようなア
ルコールと水との混合物は、粘性が小さいので、管内で
の圧力損失が小さいことも設計上の利点となる。
【0012】請求項6にかかる発明は、請求項5に記載
の発明に加えて、前記アルコール水が、メタノール、エ
タノール、プロパノールの中から選択された1または2
以上のアルコールと水との混合物である。メタノール、
エタノールおよびプロパノール(イソプロパノールを含
む)と水との混合物であるメタノール水、エタノール水
およびプロパノール水(とくにイソプロパノール水)
は、不燃性または難燃性を有するので取り扱いが容易で
ある。なかでも、アルコール濃度が60重量%未満のメ
タノール水、エタノール水およびイソプロパノール水
は、消防法上の規定を受けず、防火・消化設備を要しな
いという観点から好ましい。
【0013】請求項7にかかる発明は、請求項1乃至6
のいずれかに記載の発明に加えて、前記複数の媒体通路
の内の1つが、前記液化天然ガス気化器の媒体用管路の
入口側水室へ注入され、出口側水室へ排出される第2媒
体注入・排出路である。吸気冷却器を用いないときは、
液化天然ガス気化器の冷熱を放出してもかまわないの
で、第2媒体を循環させなくてもよい。第2媒体として
は、LNG気化器の入口側水室に、2℃以上で導入する
ことのできる液体であれば適宜利用することができる。
【0014】請求項8にかかる発明は、請求項7に記載
の発明に加えて、前記第2媒体が海水である。冬場など
は、空気の温度が低い(15℃以下)のでガスタービン
に吸入させる空気の温度を吸気冷却器で下げる必要はな
い。したがって、媒体を循環使用する必要がないので、
LNG気化器の温媒体として海水を用いることができ
る。
【0015】請求項9にかかる発明は、請求項1乃至8
に記載の発明に加えて、前記液化天然ガス気化器が、上
下方向に延びる胴と、該胴の内部を上下方向に入口側水
室から出口側水室まで媒体が流れるように配された内伝
熱管と、該内伝熱管を外囲んで、当該内伝熱管と前記胴
の間を2重管とする外伝熱管を備えており、外伝熱管と
胴の間に供給された液化天然ガスが外伝熱管と内伝熱管
の間に至り、外伝熱管と内伝熱管の間を媒体の流れの向
きと対向して流れ、さらに外伝熱管が設けられていない
1重管部分の胴と内伝熱管の間を入口側水室近辺に設け
られたガス出口まで流れるよう構成されており、外伝熱
管を挟んで、低温のガスと高温のガスが熱交換を行うと
ともに、内伝熱管を挟んで、高温のガスと媒体が熱交換
を行うものである。低温のガスと高温のガスが熱交換を
行う、一方で、高温のガスと媒体が熱交換を行う。すな
わち、高温の天然ガスが中間媒体の役目を果たし、媒体
が、低温のLNGに直に触れて凍結することのないよう
になっている。このような機能を有する中間媒体を必要
とする装置に比べると、中間媒体がいらないのでメンテ
ナンスが少なくなる。また、中間媒体との熱交換部がな
くなり建設費が少なくなる。低温のガスとは、気化器に
供給されたばかりの−160℃〜−100℃前後のLN
Gである。高温ガスとは、気化した−100℃〜0℃前
後の天然ガスである。高温ガスは、まず2重管部分で−
70℃前後まで上がり、さらに1重管部分で0℃まで昇
温される。
【0016】請求項10にかかる発明は、請求項9に記
載の発明に加えて、前記液化天然ガス気化器が、上下に
延びる胴と、胴の下部に入口側水室を形成する第1管板
と、胴の上部に出口側水室を形成する第2管板と、第1
管板と第2管板との間で上下に間隔をあけてそれぞれ配
置される第3および第4管板と、第1および第2管板間
に延び、入口側水室と出口側水室とを連通する内伝熱管
と、第3および第4管板間に延び、内伝熱管を半径方向
に間隔をあけて外囲する外伝熱管とを含み、第3および
第4管板間の空間の上部と、第2および第3管板管の空
間とを連通する流路を形成し、第3および第4管板間の
空間の下部に、液体の低温液化ガスの入口を設け、第1
および第4管板間の空間の下部にガス出口と設けたもの
である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図示例とと
もに説明する。図1は、本発明の気化システムの一実施
例を示すフローシートであり、図2乃至図4は、それぞ
れ図1の気化システムのLNG気化器の実施態様例を示
す縦断面図であり、図5および図6は、さらに他の実施
態様例を示す要部説明図であり、図7は、第2媒体から
第1媒体への変更の手順の説明図である。
【0018】図1において、本発明の気化システムは、
LNGをLNG気化器7で気化してガスタービン1に供
給するLNG気化系統に対し、空気(air)を吸気冷
却器3で冷却して空気圧縮機2に供給する吸気冷却系統
を備えており、吸気の冷却を行わない第2媒体の注入・
排出路5と、吸気の冷却を行う第1媒体循環回路4と第
2媒体注入・排出路5と第1媒体循環回路4を切り換え
るバルブ(媒体変更手段)6a〜6dを備えている。ま
た、LNG気化器7内の媒体用管路(内伝熱管)8は、
胴9内の下方にある入口側水室7aから上方にある出口
側水室7bに向けて上下に直進している。
【0019】第1媒体循環回路4は、第1媒体を、ポン
プ4aによって循環させる回路であり、LNG気化器7
内の媒体用管路8と吸気冷却器3内の媒体用管路を通っ
ている。また、第2媒体注入・排出路5との交差点であ
る11、12から吸気冷却器3の有る側の手前にはバル
ブ6a、6cが設けられており、LNG気化器7の媒体
用管路8に送られる媒体を第1媒体から第2媒体に変更
するときにはこのバルブ6a、6cを閉じる。
【0020】第2媒体注入・排出路5は、第2媒体をポ
ンプ5aによって注入し、排出する通路であり、LNG
気化器7の入口側水室7aに注入し、媒体用管路8から
出口側水室7bを経て排出される。第1媒体循環回路4
との交差点11から注入方向近傍にはバルブ6bが、交
差点12から排出方向近傍にはバルブ6dが設けられて
おり、LNG気化器7の媒体用管路8に送られる媒体を
第2媒体から第1媒体に変更する時には、バルブ6b、
6dを閉めてバルブ6a、6cを開ける。
【0021】LNG気化器7は、上下方向に真っ直ぐ延
びた媒体用管路を有しており、下方に媒体の取入口に直
結する入口側水室7aが、上方に媒体の排出口に直結す
る出口側水室7bがそれぞれ形成されている。また、入
口側水室7aの最下端には、媒体を抜くための排水弁9
4が設けられており、出口側水室7bには、注入口93
が設けられて、媒体を抜く時には空気が注入され、媒体
を抜き終わったら、必要に応じて洗浄用液体が注入され
る。
【0022】LNG気化器7は、LNGおよびNG通路
が一部二重となっている2重管式であり、熱交換用の媒
体が1つだけでよい、いわゆる中間媒体を必要としない
タイプの熱交換器である。胴9内に供給された−160
℃前後のLNGは、外伝熱管10の外周を通るので、内
伝熱管(媒体用管路)8内を通る媒体と直に熱交換する
ことはなく、媒体が凍結するおそれがないからである。
LNGの気化する温度、−100℃以上になってから天
然ガスは外伝熱管10の内側に至り、内伝熱管8内の媒
体と熱交換を行う。
【0023】また、このLNG気化器7は、縦置きであ
り、敷地面積を小さくすることができる。例えば、LN
G150t/hを気化する気化器の敷地面積は約28m
2 で、図5に示される横置きの中間媒体式LNG気化器
11の104m2 に比べて1/4に小さくなる。
【0024】次に、図1に示される気化システムに用い
られるLNG気化器7の実施態様例を図2乃至図4に基
づいて説明する。
【0025】図2において、このLNG気化器(図1の
気化器7に相当する)は、上下に延びる胴65(図1の
胴9に相当する)と、その胴65の内部を上下方向に入
口側水室67から出口側水室69まで媒体が流れるよう
に配された内伝熱管77(図1の管路8に相当する)
と、内伝熱管77を外囲んで内伝熱管77と胴65の間
を2重管とする外伝熱管78、79(図1の外伝熱管1
0に相当する)を備えてなるものである。LNGは、管
路85から外伝熱管79と胴65の間に供給され、連絡
管84によって、外伝熱管78と胴65に至り、さら
に、連絡管80と空間82を経由して外伝熱管78と内
伝熱管77の間に至る。ここからガス出口の管路87ま
では媒体の流れの向きと対向しており、外伝熱管78と
内伝熱管77の間、外伝熱管79と内伝熱管77の間、
さらに、外伝熱管の設けられていない1重管部分であ
る、胴65と内伝熱管77との間を、気化した天然ガス
が流れるよう構成されている。媒体は、内伝熱管77内
を流れ、内伝熱管77を挟んで気化した−100℃〜0
℃の天然ガスと熱交換を行う。一方で、−160℃から
−100℃前後のLNGは、外伝熱管78、79を挟ん
で、天然ガスと熱交換を行う。天然ガスは、外伝熱管7
8、79内で中間媒体の役目を果たす。
【0026】以下に、図2に示されるLNG気化器を詳
細に説明する。上下に延びる鉛直軸線を有する大略的に
直円筒状の胴65の下部には、第1管板66によって入
口側水室67が形成され、胴65の上部には、第2管板
68によって出口側水室69が形成される。入口側水室
67には管路70から媒体が圧送され、出口側水室69
から管路71を介して、その媒体が排出される。なお、
媒体として海水など異物が混入しているおそれのあるも
のを用いる場合には、入口側水室67には管路70から
ゴミを除去するストレーナ70aが設けられていること
が好ましい。
【0027】第1管板66と第2管板68との間で、上
下に間隔をあけて第3および第4管板72、73がそれ
ぞれ配置される。第3および第4管板72、73間に、
上下に間隔をあけて、第5および第6管板74、75が
設けられる。これらの管板66、68、72、73、7
4、75は、胴65に溶接などによって気密に固定され
る。
【0028】第1および第2管板66、68間には、複
数本の内伝熱管77が設けられ、この内伝熱管77によ
って入口側水室68と出口側水室69とが連通される。
第3および第4管板72、73間には、内伝熱管77を
半径方向に間隔をあけて外囲する外伝熱管78、79が
設けられ、この外伝熱管78、79は、上下に分断され
ており、第5および第6管板74、75に気密に固定さ
れる。第3および第5管板72、74間の空間の上部
は、連絡管80によって第2および第3管板管の空間8
2に連通される。第4および第6管板73、75の空間
83の上部は、前記空間81の下部に、もう1つの連絡
管84によって連通される。空間83の下部には管路8
5を介して気化されるべきLNGが圧送され、気化した
常温程度のLNGは第1および第4管板66、73の空
間86の下部から管路87を介して外部に取り出され
る。
【0029】空間81、83、86には、邪魔板88、
89、90が形成されて、液体または気体のジグザグ経
路を形成して、熱交換率の向上を図っている。
【0030】気化されるべきLNGは、約−160℃で
あり、管路85から空間83に入る。この空間83にお
いて外伝熱管79と内伝熱管77との間の空間91に
は、例えば−25℃の昇温された天然ガスが導かれてお
り、ここで熱交換して、管路84からは、約−74℃の
気化したLNGが空間81に導かれる。この内伝熱管7
7、79間の空間91を流れる天然ガスは、内伝熱管7
7を通る媒体から貰う熱以上に、LNGに熱を奪われ
て、約−40℃まで下がって空間86に導かれる。この
空間91を流れる天然ガスは、このように急に温度が下
がるけれども、内伝熱管77を流れる媒体とは対向流で
熱交換するので、外伝熱管79の下端部付近では、たと
えば、約0〜4℃の媒体と熱交換することになり、した
がって、伝熱特性上、内伝熱管77の管壁温度が海水の
凝固温度である約−20℃以上となり、内伝熱管77内
に着氷を生じることはない。
【0031】空間81に入った低温の気化した天然ガス
は、外伝熱管78の外周面に接触し、内伝熱管77と外
伝熱管78との間の空間92を流れる天然ガスによって
徐々に昇温され、約−20℃となって連絡管80から空
間82に入る。空間82からの天然ガスは、内外の伝熱
管77、78間の空間92に流れ込み、外伝熱管78を
介して低温の天然ガスと熱交換し、また内伝熱管77を
介して媒体と熱交換し、こうして徐々に温度が下がり、
空間92内の天然ガスは、約−25℃前後まで下がる。
この空間92内に流れる天然ガスは、内伝熱管77と媒
体と対向流で熱交換するので、その内伝熱管77内に着
氷を生じることはない。
【0032】さらにまた、停電などの理由によって、媒
体の供給が途絶えたときには、管路85からのLNGの
供給を遮断し、入口側水室69に設けた注入口93から
空気を取り入れ、内伝熱管77内の媒体は、入口側水室
67の下部に設けられた排水弁94を介して排出され
る。こうして内伝熱管77内の媒体は凍結しない。
【0033】空間81において、内外伝熱管77、78
間の空間92からの天然ガスは、管板74、75間の空
間194から、空間83における内外の伝熱管77、7
9間の空間91に入り、さらに、空間86で昇温され、
管路87から常温程度の天然ガスが排出される。空間8
3、81では、低温の液体または気体のLNGに胴65
が接触して昇温するけれども、管板74、75間の空間
194では、気化したLNGに胴65が接触して、伸長
し、こうして胴65の熱応力を緩和するための伸縮管を
必要としない。また、このLNG気化器では、内外の伝
熱管77、78の本数を少なくして、構成を簡略化する
ことができるとともに、小形化が可能であり、しかも保
守が容易となる。
【0034】なお、媒体として海水などを用いる場合に
は、出口側水室69の上部に紫外線の光源96を設けて
おくことが好ましく、これによって、海生生物などの繁
殖、付着を抑制することができる。しかも、運転停止中
の待機時には、注入口93から空気が流入し、内伝熱管
77内の海水は入口側水室67から排水弁94を経て排
出されるので、光源からの紫外線が内伝熱管77の下部
まで行き渡り、これによって、湿潤状態の内伝熱管77
の内面への海生生物の付着成長を抑制することができ
る。光源96に反射板を取り付けて紫外線が、さらに行
き渡るようにしてもよい。また、入口側水室67にスト
レーナ70aを設けて海水に含まれているゴミなどの異
物の流入を防止することができる。紫外線の光源96に
変えて、電子栓などを放射する手段を設けてもよい。
【0035】次に、図3に基づいて、LNG気化器の他
の実施態様例を説明する。図3において、このLNG気
化器は、図2に示される気化器に類似し、対応する部分
には同一の参照符を付す。注目すべきは、図2に示され
る第5および第6管板74、75が省略され、外伝熱管
78、79が分断されずに、直管状に延びていることで
ある。
【0036】さらに、図4に基づいて、LNG気化器の
さらに他の実施態様例を説明する。図4において、この
LNG気化器では、上下に延びる胴101の上部に入口
側水室102が第1管板103によって形成され、胴1
01の下部には出口側水室104が第2管板105によ
って形成される。第1管板103と第2管板105の間
には、上下に間隔をあけて上から下に順に第3管板10
6、第4管板107および第5管板108がそれぞれ配
置されて胴101に気密に固定されている。内伝熱管1
09は第1および第2管板103、105間に延び、入
口側水室102と出口側水室104とを連通する。
【0037】第3および第4管板106、107間に
は、第1外伝熱管110が設けられる。この第1外伝熱
管110は、内伝熱管109を半径方向に間隔を開けて
外囲する。第5管板108には下方に延びる第2外伝熱
管111が内伝熱管109を半径方向に間隔をあけて外
囲して取り付けられる。この第2外伝熱管111の下端
部は、第2管板105との間に間隔dを有している。第
3および第4管板106、107間の空間112の上部
と、第2および第5管板105、108間の空間113
の上部とは、連絡管114によって接続される。第3お
よび第4管板106、107間の空間112の下部に
は、管路116から液体のLNGが供給される入口が形
成され、また第1および第3管板103、106間の空
間117の上部には気化した常温程度のLNGが管11
8を経て排出される出口が形成される。
【0038】入口側水室102には管路119から熱源
となる媒体が圧送され、出口側水室104からは管路1
20を介して媒体が排出される。
【0039】管路116から供給されるLNGは、空間
112において外伝熱管110に接触する。内伝熱管1
09と外伝熱管110との間の空間121には、気化し
たLNGが流れており、ここで熱交換される。これによ
って管路114には、たとえば、約−180℃の気化し
たLNGが導かれる。管路114からの気化したLNG
は、空間113において昇温され、気体のLNGは間隔
dを経て内伝熱管109と外伝熱管111との間の空間
122から上昇して、約−15℃のガスとなって、第4
および第5管板107、108間の空気123に導かれ
る。この空間123では、気化したLNGが約−5℃ま
で昇温され、前述の空間121を通り、ここで、液体の
LNGに熱を奪われて、空間121内のガスは空間10
7に−55℃で入る。空間117では気化したLNGが
昇温され、管路118からは0℃前後の常温程度で昇温
された気化したLNGが排出される。このような構成に
おいても、内伝熱管109内における媒体の着氷を防ぐ
ことができ、また、上述のように常温程度の気化したL
NGを得ることができる。
【0040】なお、図示しないが、二重管式LNG気化
器と、LNG供給源との間には、管路の途中にLNGの
液面がくるように制御される立上がり管を設け、LNG
供給を中断している間には、立上がり管内で気化したL
NGが気化器に導かれ、気化器を低温度に冷却されるよ
う構成されていることが好ましい。これにより、運転を
再開したときに、LNG気化器に供給されたLNGが気
化器内において、激しく沸騰することを防ぐことがで
き、円滑な運転を再開することができる。
【0041】以上説明したLNG気化器7の上方に設け
られる注入口93は、図示されない開閉機構のほかに、
図5および図6に示されるように、ノズル93aを有す
るものであることが好ましい。このノズル93aは、出
口側水室7b内に挿入されて、内側から側面に向けて接
線方向に洗浄水が吹き出されるように先端が曲げられて
いる。したがって、吹き出されて洗浄水は、管壁の内側
面に沿ってらせん状に流れるので、洗浄し残す部分がな
く、完全に洗浄される。
【0042】第1媒体は、吸気冷却器3にも媒体として
用いられるものであり、アルコール水であることが好ま
しい。アルコール水は、凝固点近辺で水のように一気に
凍って急激な体積増加をすることがないもの、つまり、
凝固温度でも数パーセントしか凝固せず、凝固温度より
も低くなるに連れて徐々に流動性が失われるが体積は増
加しない性質のものである。そのような性質のものを用
いることにより、媒体の凝固点以下の温度のLNGまた
は天然ガスと、媒体の流路である管路とが触れても、媒
体の凍結により管路を傷めることがない。また、媒体
は、−100℃前後の天然ガスと熱交換して0℃以上に
するものであるので、その凝固温度は、−30℃を超え
ないことが、管壁との温度差により管壁で凝固し易くな
らないようにするという観点より好ましい。また、アル
コール水は粘性が小さく、管内での圧力損失が小さい。
【0043】さらに、アルコール水の中でも、エタノー
ル水(60重量%)の引火点および燃焼点より高い引火
点および燃焼点を有するアルコール水(2種以上のアル
コールと水との混合物でも可)であることが取り扱いが
容易であるという観点から好ましい。とくに我が国にお
いては消防法上の適用を受けないので消化・防火設備な
どの設備費を省くこともできる。そのようなものの例と
して、アルコール濃度が60重量%未満のエタノール
水、メタノール水およびイソプロパノール水、83重量
%未満のエチレングリコール水を挙げることができる。
そのほかのものでも、実際にテストを行うことにより、
凝固温度が−30℃以下のものから、60重量%のエタ
ノール水と比較して消防法の適用を受けないものを適宜
選択して媒体とすることができる。以上、アルコール濃
度が60重量%未満40重量%以上のエタノール水、お
よび60重量%未満35重量%以上のメタノール水を最
も好ましいものの一例として挙げることができる。
【0044】第2媒体は、吸気冷却器3を必要としな
い、冬期などに用いられる。第1媒体循環回路4が、L
NG気化器7の冷熱を利用してガスタービンの吸気を冷
却する吸気冷却系統に用いられるものであるのに対し
て、第2媒体注入・排出路5は、吸気を冷却する必要の
ない大気温度が15℃以下の場合に使用されるものであ
り、LNG気化器7の冷熱を放出しても構わないような
海水などを媒体に利用することが好ましい。そのばあい
に、吸気冷却器3は、他の目的の熱交換器をして使用す
ることができる。このほか、LNG気化器の入口側水室
に、2℃以上で導入することのできる液体であれば適宜
利用することができる。
【0045】次に、図7に基づいて、媒体の変更の手順
を説明する。図7の(a)では、第2媒体注入・排出路
5を通して海水をLNG気化器7の媒体として用いてい
る。媒体を変更する時期になると、バルブ6b、6dを
閉じ、図7の(b)に示されるように、排水弁94と注
入口93を開く。このとき、LNG気化器7内の媒体用
管路8は上下方向に真っ直ぐ延びており、排水弁94か
ら媒体を簡単に抜くことができる。次に、図7の(c)
に示されるように、注入口93から洗浄水(淡水など)
を注入して出口側水室7b、媒体用管路8、入口側水室
7aを洗浄する。図5および図6に示されるようにノズ
ル93aを有するものであれば、洗浄水は側壁に沿って
流れ、効率よく素早く洗浄できる。次に、排水弁94と
注入口93を閉じてから、図7の(d)に示されるよう
に、バルブ6a、6cを開き、第1媒体であるアルコー
ル水をLNG気化器7内に供給する。媒体用管路8など
は洗浄されており、アルコール水に不純物が混合するお
それはない。
【0046】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明で
は、縦置きのLNG気化器を用いて、LNG気化器に用
いられる媒体を変更しうるようにしたものであり、LN
G気化器内を媒体用管路が上下にほぼ直進しているの
で、媒体を抜き易く、媒体の変更が容易である。
【0047】請求項2および3に記載の発明では、洗浄
用液体でLNG気化器内の媒体用管路を洗浄することが
できるので、媒体の変更によって、第1媒体と第2媒体
が混じることがない。
【0048】請求項4に記載の発明では、吸気冷却器に
使用される媒体と、吸気冷却器に使用されない媒体とで
交換するので、吸気冷却器が吸気を冷却する目的に使用
されないときには他の目的の熱交換器として使用するこ
とができる。したがって、設備が遊休となることなく、
有効利用を図ることができる。また、夏場など吸気冷却
器を使用するときは、ガスタービンの出力低下を防いで
稼働率を向上させることができる。
【0049】請求項5および6に記載の発明では、第1
媒体としてアルコール水を用いており、媒体の流量を多
くしなくても真っ直ぐな管路が凍結するおそれがない。
60重量%未満のエタノール水では消防法上の規定を受
けない。
【0050】請求項7および8に記載の発明では、第2
媒体は冷熱を放出可能なものであり、海水を用いること
ができる。
【0051】請求項9および10に記載の発明では、L
NG気化器が縦置きで設備面積が少なくてすむ上に、中
間媒体を必要としないものであり、メンテナンスが少な
くなる。また、中間媒体との熱交換部がなくなり建設費
が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気化システムの一実施例を示すフロー
シートである。
【図2】図1のLNG気化器の一実施態様例を示す縦断
面図である。
【図3】図1のLNG気化器の他の実施態様例を示す縦
断面図である。
【図4】図1のLNG気化器のさらに他の実施態様例を
示す縦断面図である。
【図5】図1のLNG気化器の他の実施態様例の説明図
である。
【図6】図5のLNG気化器の説明図である。
【図7】本発明の気化システムの媒体変更手順の説明図
である。
【符号の説明】
1 ガスタービン 2 空気圧縮器 3 吸気冷却器 7 LNG気化器 8、77、109 LNG気化器内の媒体用管路(内伝
熱管) 9、65、101 胴 10、78、79、110、111 外伝熱管 7a、67、102 入口側水室 7b、69、104 出口側水室 93 注入口 94 排水弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 21/02 F17D 1/02 F17D 1/02 C10L 3/00 700

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)胴内をほぼ上下に直進する媒体用
    管路と、該媒体用管路の下方に設けられた排水弁を有す
    る液化天然ガス気化器と、(b)前記液化天然ガス気化
    器の媒体用管路に連結可能な複数の媒体通路と、(c)
    前記複数の媒体通路から1つを選択して前記液化天然ガ
    ス気化器の媒体用管路に選択された媒体を送る媒体変更
    手段を備えてなることを特徴とする気化システム。
  2. 【請求項2】 前記液化天然ガス気化器の媒体用管路の
    上方に洗浄用液体を注入しうる注入口を設けてなる請求
    項1記載の気化システム。
  3. 【請求項3】 前記注入口が洗浄用液体を接線方向に噴
    出させるノズルを有してなる請求項2記載の気化システ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記複数の媒体通路の内の1つが、前記
    液化天然ガス気化器の媒体用管路と、ガスタービンに吸
    引される空気を冷却する吸気冷却器の媒体用管路を第1
    媒体が循環するように構成されてなる第1媒体循環回路
    である請求項1、2または3記載の気化システム。
  5. 【請求項5】 前記第1媒体が2価までのアルコールの
    中から選択された1または2以上のアルコールと水との
    混合物である請求項4のいずれかに記載のシステム。
  6. 【請求項6】 前記アルコール水が、メタノール、エタ
    ノール、プロパノールの中から選択された1または2以
    上のアルコールと水との混合物である請求項5記載のシ
    ステム。
  7. 【請求項7】 前記複数の媒体通路の内の1つが、前記
    液化天然ガス気化器の媒体用管路の入口側水室へ注入さ
    れ、出口側水室へ排出される第2媒体注入・排出路であ
    る請求項1乃至6のいずれかに記載の気化システム。
  8. 【請求項8】 前記第2媒体が海水である請求項7記載
    の気化システム。
  9. 【請求項9】 前記液化天然ガス気化器が、上下方向に
    延びる胴と、該胴の内部を上下方向に入口側水室から出
    口側水室まで媒体が流れるように配された内伝熱管と、
    該内伝熱管を外囲んで、当該内伝熱管と前記胴の間を2
    重管とする外伝熱管を備えており、外伝熱管と胴の間に
    供給された液化天然ガスが外伝熱管と内伝熱管の間に至
    り、外伝熱管と内伝熱管の間を媒体の流れの向きと対向
    して流れ、さらに外伝熱管が設けられていない1重管部
    分の胴と内伝熱管の間を入口側水室近辺に設けられたガ
    ス出口まで流れるよう構成されており、外伝熱管を挟ん
    で、低温のガスと高温のガスが熱交換を行うとともに、
    内伝熱管を挟んで、高温のガスと媒体が熱交換を行うも
    のである請求項1乃至8のいずれかに記載の気化システ
    ム。
  10. 【請求項10】 前記液化天然ガス気化器が、上下に延
    びる胴と、胴の下部に入口側水室を形成する第1管板
    と、胴の上部に出口側水室を形成する第2管板と、第1
    管板と第2管板との間で上下に間隔をあけてそれぞれ配
    置される第3および第4管板と、第1および第2管板間
    に延び、入口側水室と出口側水室とを連通する内伝熱管
    と、第3および第4管板間に延び、内伝熱管を半径方向
    に間隔をあけて外囲する外伝熱管とを含み、第3および
    第4管板間の空間の上部と、第2および第3管板管の空
    間とを連通する流路を形成し、第3および第4管板間の
    空間の下部に、液体の低温液化ガスの入口を設け、第1
    および第4管板間の空間の下部にガス出口と設けたもの
    である請求項9記載の気化システム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101487287B1 (ko) * 2013-02-08 2015-01-28 삼성중공업 주식회사 발전장치
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