JPH109730A - 熱搬送装置 - Google Patents

熱搬送装置

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JPH109730A
JPH109730A JP16287996A JP16287996A JPH109730A JP H109730 A JPH109730 A JP H109730A JP 16287996 A JP16287996 A JP 16287996A JP 16287996 A JP16287996 A JP 16287996A JP H109730 A JPH109730 A JP H109730A
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JP
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refrigerant
heat exchanger
heat
liquid
pipe
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JP16287996A
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Inventor
Yasushi Hori
靖史 堀
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷媒循環回路中における潤滑油と添加物とに
よる不純物の生成を回避し、装置の信頼性を高く維持し
ながら冷媒の漏洩を容易に認識可能とする。 【解決手段】 圧縮機(11)を備えた1次側冷媒回路(A)
と、該1次側冷媒回路(A) との間で熱の授受が可能であ
って、この熱量を利用して冷媒を循環させる2次側冷媒
回路(B) とを備えた熱搬送装置に対し、1次側冷媒及び
2次側冷媒のうち2次側冷媒にのみ、冷媒の漏洩を人が
認識可能とする添加物として強臭化合物を混入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空気調和機
の冷媒回路等として利用可能な熱搬送装置に係り、特
に、回路からの冷媒の漏洩を容易に認識可能とするもの
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、空気調和装置などに適用され
る冷媒回路は、圧縮機、室外熱交換器、電動膨張弁及び
室内熱交換器が冷媒配管によって順に接続されて構成さ
れている。また、この冷媒回路には、一般にフッ素化ハ
ロゲン化炭化水素系の冷媒が充填されている。そして、
例えば、室内の冷房運転時には、圧縮機から吐出したガ
ス冷媒が、室外熱交換器で外気との間で熱交換を行って
凝縮し、電動膨張弁で減圧した後、室内熱交換器で室内
空気との間で熱交換を行って蒸発して室内空気を冷却
し、その後、圧縮機に戻るといった循環動作を行う。
【0003】ところで、この種の冷媒は、無色、無臭で
あるために、回路を構成する配管の破損等によって冷媒
の漏洩が生じている場合であっても、これを人間の五感
で認識することはできなかった。
【0004】この不具合を解消するものとして、例えば
特開昭53−83148号公報や特開昭58−1368
7号公報に開示されているように、冷媒に香料や強臭化
合物を混入し、冷媒が漏洩した際には、その臭いによっ
て人が容易に漏洩を認識できるようにすることが提案さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな冷媒を上述したような冷媒回路に適用した場合、以
下に述べるような不具合がある。つまり、この冷媒回路
には、冷媒の他に、圧縮機から吐出された潤滑油も循環
している。即ち、冷媒回路内では、冷媒と潤滑油とが混
合された状態で循環している。ところが、このような状
況にあっては、上記香料や強臭化合物の添加物が潤滑油
との反応によって不純物としての他の物質を生成する可
能性がある。そして、このような不純物が多量に生成さ
れると、冷媒回路内において特に流路の狭い部分(例え
ば膨張弁内部)において、この不純物が流路を塞いでし
まう虞れがあり、装置の信頼性を低下させることになっ
てしまう。
【0006】本発明は、この点に鑑みてなされたもので
あって、このような冷媒を適用する冷媒回路を特定する
ことによって不純物の発生を回避し、装置の信頼性を高
く維持しながら冷媒の漏洩を容易に認識可能とすること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、添加物を混入した冷媒を適用する冷媒
回路を所謂2次冷媒システムに特定し、更に、この2次
冷媒システムの2次側冷媒回路のみに、添加物を混入し
た冷媒を充填するようにした。
【0008】具体的に、請求項1記載の発明は、1次側
手段(A) と、該1次側手段(A) との間で熱を授受する2
次側冷媒が循環する2次側冷媒回路(B) とを備えた熱搬
送装置を前提としている。そして、上記2次側冷媒に、
該冷媒の漏洩を人が認識可能とする添加物を混入させた
構成としている。
【0009】この構成により、例えば1次側手段(A) に
圧縮式冷凍機を採用しているような場合、この1次側手
段(A) には添加物が混入されていないので、添加物と潤
滑油とにより不純物が生成されてしまうといった状況が
回避される。一方、2次側冷媒回路(B) にあっては、2
次側冷媒に添加物が混入されているが、この2次側冷媒
回路(B) は、特に圧縮機を必要とするものではない。つ
まり、ポンプを備えさせ、その駆動力により冷媒を循環
させたり、1次側手段(A) から与えられる熱量を利用し
て冷媒を循環させるようにすることが可能であるので、
この2次側冷媒回路(B) には潤滑油の循環がなく、この
ため不純物が生成されることはない。
【0010】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の熱搬送装置において、添加物を強臭化合物或いは香料
とした構成としている。
【0011】このため、2次側冷媒回路(B) から冷媒が
漏洩した場合には、この漏洩冷媒に混じって添加物も漏
洩することになり、その臭気によって容易に冷媒の漏洩
が認識可能となる。
【0012】請求項3記載の発明は、上記請求項1記載
の熱搬送装置において、添加物を有色の塗料とした構成
としている。
【0013】このため、2次側冷媒回路(B) から冷媒が
漏洩した場合には、この漏洩冷媒に混じって添加物も漏
洩することになり、その色によって容易に冷媒の漏洩が
認識可能となる。
【0014】請求項4記載の発明は、2次側冷媒回路に
特別な駆動源を必要とすることなしに2次側冷媒の循環
を可能とするものである。具体的には、上記請求項1記
載の熱搬送装置において、図1に示すように、1次側手
段(A) を、圧縮機(11)と、該圧縮機(11)の吐出ガス冷媒
が導入する加熱用熱交換器(12)と、この加熱用熱交換器
(12)で凝縮した液冷媒が導入する冷却用熱交換器(15)と
を冷媒配管(16)によって1次側冷媒の循環が可能に接続
して成す。また、2次側冷媒回路(B) に、上記加熱用熱
交換器(12)との間で熱交換を行って2次側液冷媒が蒸発
する温熱源熱交換器(1) と、該温熱源熱交換器(1) にガ
ス流通管(4) 及び液流通管(5) によって接続され、冷却
用熱交換器(15)との間で熱交換を行って2次側ガス冷媒
が凝縮する冷熱源熱交換器(2) と、ガス配管(6) を介し
て上記ガス流通管(4) に、また液配管(7) を介して液流
通管(5) に夫々接続された利用側熱交換器(3) とを備え
させる。そして、利用側熱交換器(3) の運転状態に応じ
て、上記ガス流通管(4) とガス配管(6) との間のガス冷
媒の流通状態及び液流通管(5) と液配管(7) との間の液
冷媒の流通状態を切換えて、利用側熱交換器(3) に対す
る冷媒の流通状態を調整する構成としている。
【0015】このような構成により、利用側熱交換器
(3) の運転状態に応じて、該利用側熱交換器(3) に対す
る冷媒の流通状態が調整される。つまり、冷媒の循環動
作は、温熱源熱交換器(1) に与えられた熱量によって発
生する冷媒の圧力上昇や、冷熱源熱交換器(2) における
冷媒の凝縮に伴う圧力低下を利用して行うことができる
ので冷媒循環用のポンプ等の駆動源を必要としない。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。また、本実施形態では、1次側冷媒回
路から2次側冷媒回路に与えられた熱量を利用して該2
次側冷媒回路において冷媒を循環させながら室内の空気
調和を行うようにした空気調和機の冷媒回路に本発明を
適用した場合について説明する。
【0017】(第1実施形態)先ず、暖房専用の空気調
和装置として上記1次側冷媒回路及び2次側冷媒回路を
構成した第1実施形態について説明する。図1は、本形
態に係る熱搬送装置全体の冷媒回路を示している。この
図1に示すように、本冷媒回路は上述した熱源側冷媒回
路としての1次側冷媒回路(A) の冷媒と2次側冷媒回路
(B) の冷媒との間で熱交換が可能となっている。以下、
各回路(A,B) について説明する。
【0018】先ず、室内の空気との間で熱交換を行って
室内の暖房を行う2次側冷媒回路(B) について説明す
る。この回路(B) は、温熱源熱交換器(1) と冷熱源熱交
換器(2) とが、ガス流通管(4) 及び液流通管(5) によっ
て接続されて、この温熱源熱交換器(1) と冷熱源熱交換
器(2) との間で冷媒の循環が可能とされた閉回路を備え
ている。また、これら温熱源熱交換器(1) と冷熱源熱交
換器(2) との設置状態は、冷熱源熱交換器(2) が温熱源
熱交換器(1) よりも上方に配置されている。
【0019】更に、この2次側冷媒回路(B) は、空気調
和を行うための室内に設置された利用側熱交換器として
の室内熱交換器(3) が、ガス配管(6) を介してガス流通
管(4) に、液配管(7) を介して液流通管(5) に夫々接続
されている。
【0020】また、上記ガス流通管(4) におけるガス配
管(6) の接続位置と冷熱源熱交換器(2) との間には開閉
自在な電磁弁(EV1) が備えられている。そして、この電
磁弁(EV1) は、コントローラ(C) によって、その開閉状
態が切換え制御される。また、液流通管(5) における液
配管(7) の接続位置と温熱源熱交換器(1) との間には、
冷熱源熱交換器(2) から温熱源熱交換器(1) への液冷媒
の流通のみを許容する第1逆止弁(CV1) が、液配管(7)
には、室内熱交換器(3) から冷熱源熱交換器(2) への液
冷媒の流通のみを許容する第2逆止弁(CV2) が夫々備え
られている。
【0021】次に、2次側冷媒回路(B) に対して熱量を
与える1次側冷媒回路(A) について説明する。この回路
(A) は、圧縮機(11)、上記温熱源熱交換器(1) との間で
熱交換が可能とされた加熱用熱交換器(12)、膨張機構と
しての膨張弁(13)、熱量調整熱交換器(14)及び上記冷熱
源熱交換器(2) との間で熱交換が可能とされた冷却用熱
交換器(15)が冷媒配管(16)により冷媒の循環が可能に順
に接続されている。
【0022】そして、上記膨張弁(13)及び熱量調整熱交
換器(14)の間と、熱量調整熱交換器(14)及び冷却用熱交
換器(15)の間とを接続するバイパス路(17)が備えられ、
該バイパス路(17)には、熱量調整熱交換器(14)に流れる
冷媒の流量を調整するように開度が変更される流量調整
用電動弁(18)が設けられている。また、この流量調整用
電動弁(18)は、上記コントローラ(C) によって開度が調
整される。
【0023】そして、本形態の特徴は、各冷媒回路(A,
B) に充填された冷媒にある。先ず、1次側冷媒回路(A)
に充填されている1次側冷媒は、従来より一般的に使
用されているフッ素化ハロゲン化炭化水素系のものであ
って、例えば、HFC−134a(1,1,1,2- テトラフル
オロエタン)等が採用されている。
【0024】これに対し、2次側冷媒回路(B) に充填さ
れている2次側冷媒は、上述した1次側冷媒に強臭化合
物或いは香料が混入されたものである。以下、この強臭
化合物及び香料の具体例について示す。
【0025】−強臭化合物− (メルカプタン類)メチルメルカプタン、エチルメルカ
プタン、n−プロピルメルカプタン、iso−プロピル
メルカプタン、n−ブチルメルカプタン、iso−ブチ
ルメルカプタン、sec−ブチルメルカプタン、ter
t−ブチルメルカプタン、アミルメルカプタン
【0026】(チオエーテル類)ジメチルチオエーテ
ル、メチルエチルチオエーテル、ジエチルチオエーテ
ル、メチル−iso−プロピルチオエーテル、
【0027】(アミン類)ピリジン、α−ピコリン、β
−ピコリン、γ−ピコリン
【0028】−香料− (脂肪族及び環式脂肪族エーテル類)シオネール、イソ
アミルヘブチルエーテル、シトロネラルジメチルアセタ
ール、ゲラニルメチルエーテル、α−セドレンエポキシ
ド、セドロールメチルエーテル
【0029】(芳香族エーテル類)ジフェニルオキシ
ド、ジヒドロアネトール、1−フェニル−2(1´−エ
トキシ)エトキシルエタン、イソブチルベンジルエーテ
ル、プロピルフェニルエチルエーテル、メチルカビュー
ル、パラ−クレジルベンジルエーテル、1,3,4,
6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−
ヘキサメチル−シクロペンタ−γ−2−ベンゾピラン
【0030】(脂肪族及び環式脂肪族アルコール類)ジ
イソブチルカルビノール、ジヒドロ−α−テルピネオー
ル、リナロール、テトラヒドロリナロール、ノルマルヘ
キサノール、シス−3−ヘキサノール−1、フエンコー
ル、3,7−ジメチル−オクタノール−1、α−テルピ
ネオール、ボルネオール
【0031】(芳香族アルコール類)フェニルジメチル
カルビノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルア
ルコール、シンナミルアルコール、パラ−ヒドロキシメ
チルクメン
【0032】(アルキルサルファイド類)ジメチルサル
ファイド、ジプロピルサルファイド、
【0033】(脂肪族及び芳香族ニトリル類)ジメチル
シクロヘキセンニトリル、2,3−ジメチル−2−ノネ
ンニトリル、デカンニトリル、ゲラニロニトリル、2,
4,5−トリメチルベンゾニトリル、4−フェニルブチ
ロニトリル、3−フェニルプロピオニトリル、パラ−メ
トキシベンゾニトリル
【0034】(テルペン炭化水素類)α−ピネン、ジペ
ンテン、β−カリオフィルン、ロンジフォレン、セドレ
ン、カンフエン、Δ3 −カレン
【0035】(ベンゼン式炭化水素類)パラ−シメン、
1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、クメン
【0036】(ケトン類)2−オクタノン、アミルフェ
ニルケトン、ジフェニルケトン、ベンジルアセトン、メ
ントン、カルボン、パラ−タ−シャリイブチルシクロヘ
キサノン、メチルヘプタノン
【0037】(エステル類)ジエチルフタレート、ヘキ
シルヘキサノエート、メチル−2−オクチノエート、ベ
ンジルプロピネネート、イソボルニルアセテート、パラ
−タ−シャリイブチルシクロヘキシルアセテート
【0038】(フェノール類)チモール、キアイアコー
ル、オイゲノール、パラ−エチルフェノール、メチルサ
ルチレート、カビコール、クレオゾール
【0039】(ラクトーン類)3−ノルマル−ブチリデ
ンフタリード、3−ノルマル−ブチルフタリード、15
−ヒドロキシペンタデカノイック酸ラクトン、δ−デカ
ラクトン、γ−ヘキサラクトン
【0040】(ジケトン類)5−エチル−3−ヒドロキ
シ−4−メチル−2(5H−フラノン)、3−メチル−
1,2−シクロヘキサンジオン、3−エチルシクロペン
タンジオン
【0041】次に、上述の如く構成された本冷媒回路に
おける室内の暖房運転時について説明する。尚、この運
転状態の説明に用いる図2では、2次側冷媒回路(B) に
おける各熱交換器(1,2,3) においてガス冷媒と液冷媒と
の貯留量の割合を示している。
【0042】この暖房運転時には、先ず、コントローラ
(C) によって、2次側冷媒回路(B)にあっては、電磁弁
(EV1) が閉鎖される一方、1次側冷媒回路(A) にあって
は、加熱用熱交換器(12)と温熱源熱交換器(1) との間で
の熱交換量と、冷却用熱交換器(15)と冷熱源熱交換器
(2) との間での熱交換量との差に応じて熱量調整熱交換
器(14)に流れる冷媒の流量を調整するように流量調整用
電動弁(18)が開度調整される。
【0043】具体的に各回路(A,B) における冷媒循環動
作について説明すると、1次側冷媒回路(A) において
は、圧縮機(11)から吐出された冷媒は、加熱用熱交換器
(12)において温熱源熱交換器(1) との間で熱交換を行っ
て凝縮し、膨張弁(13)において減圧され、その一部は熱
量調整用熱交換器(14)において例えば外気との間で熱交
換を行って蒸発する一方、他はバイパス路(17)を流れ、
上記蒸発した冷媒と合流して冷却用熱交換器(15)におい
て冷熱源熱交換器(2) との間で熱交換を行って蒸発し、
これら蒸発したガス冷媒が圧縮機(11)に吸入されるとい
った循環動作を繰り返す。
【0044】一方、2次側冷媒回路(B) にあっては、温
熱源熱交換器(1) が加熱用熱交換器(12)から所定の熱量
を受け、この温熱源熱交換器(1) では冷媒が蒸発して、
該温熱源熱交換器(1) から高圧のガス冷媒が、図2(a)
に示すように、ガス流通管(4) 及びガス配管(6) を介し
て室内熱交換器(3) に供給される。そして、この室内熱
交換器(3) においてガス冷媒が室内空気との間で熱交換
して凝縮され室内空気を加温して室内を暖房する。ま
た、この室内熱交換器(3) では冷媒が室温で凝縮される
のに対し、冷熱源熱交換器(2) では冷媒が冷却用熱交換
器(15)の冷媒によって凝縮される。このため、室内熱交
換器(3) の内圧は冷熱源熱交換器(2) よりも高くなって
おり、この圧力差によって、図2(b) に示すように室内
熱交換器(3) の液冷媒は冷熱源熱交換器(2) に供給され
ることになる。つまり、この暖房運転に伴って冷熱源熱
交換器(2) には液冷媒が貯留されていくことになる。ま
た、この冷熱源熱交換器(2) にガス冷媒が導入された場
合であっても、該冷熱源熱交換器(2) は冷却用熱交換器
(15)により熱量が奪われているので、このガス冷媒は比
較的低い温度で凝縮されることになる。
【0045】そして、このような暖房運転が所定時間行
われて、上記冷熱源熱交換器(2) における液冷媒の貯留
量が所定量以上に達した時には、暖房運転が停止され
て、液冷媒回収運転に切換えられる。この冷媒回収運転
では、コントローラ(C) により、電磁弁(EV1) が開放さ
れる。これにより、図2(c) に示すように、ガス流通管
(4) の高圧のガス冷媒が冷熱源熱交換器(2) に導入され
ることになり、これによって温熱源熱交換器(1) と冷熱
源熱交換器(2) とが均圧される。そして、上述したよう
に冷熱源熱交換器(2) は温熱源熱交換器(1) よりも上方
に配置されているので、この高低差により冷熱源熱交換
器(2) の液冷媒は温熱源熱交換器(1) に回収される。
尚、液配管(7) には第2逆止弁(CV2) が設けられている
ので、この液冷媒回収運転時に、冷熱源熱交換器(2) の
液冷媒が室内熱交換器(3) に流れ込むことはない。ま
た、この液冷媒回収運転にあっては冷熱源熱交換器(2)
では冷却用熱交換器(15)との間での熱交換を行わないよ
うにしている。また、この際、温熱源熱交換器(1) での
冷媒の加熱を行わないようにすれば、冷熱源熱交換器
(2)との間で均圧される時間が短縮できるので、この液
冷媒回収運転を迅速に完了できることになり、運転時間
の短縮化を図ることができる。以上のような暖房運転と
液冷媒回収運転とが交互に行われて、室内が暖房される
ことになる。
【0046】そして、このような2次側冷媒回路(B) に
おける暖房運転が行われている状態では、室内熱交換器
(3) において冷媒が凝縮することから、加熱用熱交換器
(12)から温熱源熱交換器(1) に与えられる熱量は、冷却
用熱交換器(15)により冷熱源熱交換器(2) から奪われる
熱量よりも大きくなっている。このため、1次側冷媒回
路(A) 全体としての放熱量と吸熱量とを等しくして該1
次側冷媒回路(A) での冷媒の循環を良好に行わせるため
に、熱量調整熱交換器(14)における吸熱量を、上記の熱
交換量の差分と等しくなるように、流量調整電動弁(18)
の開度を設定して、熱量調整熱交換器(14)における冷媒
流量を調整している。つまり、冷却用熱交換器(15)の吸
熱量と熱量調整熱交換器(14)の吸熱量との和が、加熱用
熱交換器(12)の放熱量に等しくなるように、流量調整電
動弁(18)の開度が設定される。これにより、1次側冷媒
回路(A) での冷媒の循環状態を良好に得ながら、2次側
冷媒回路(B) での暖房運転が可能とされる。
【0047】このように、本形態の熱搬送装置では、温
熱源熱交換器(1) に与えられた熱量によって発生する冷
媒の圧力上昇を利用して冷媒の循環動作を行わせるよう
にしているので、2次側冷媒回路(B) にポンプ等の駆動
源を必要とせず、このため、消費電力の低減、故障発生
要因箇所の削減、装置全体としての信頼性の確保を図る
ことができる。
【0048】そして、本形態の特徴とする動作は、2次
側冷媒回路(B) から冷媒が漏洩した際の認識動作にあ
る。つまり、2次側冷媒回路(B) の配管(4〜7)の一部や
各機器(1,2,3) が破損した場合、或いは配管(4〜7)の各
機器(1,2,3) に対する接続部分に接続不良が生じた場合
には、この2次側冷媒回路(B) から冷媒が漏洩すること
になる。この際、この漏洩冷媒に混じって上述した添加
物も漏洩する。そして、例えば、この冷媒が室内に漏洩
している場合には、室内にいる人がその臭気によって冷
媒の漏洩を認識することになる。このように、本形態に
よれば、圧縮機が設けられていないために潤滑油が循環
することのない2次側冷媒回路(B) にのみ添加物を混入
したことで、添加物が潤滑油との反応によって不純物を
生成するといった状況を回避しながらも、2次側冷媒回
路(B) での冷媒の漏洩を認識可能とすることができる。
従って、不純物の発生の回避による装置の信頼性を高く
維持しながら冷媒の漏洩を容易に認識可能とすることが
できる。
【0049】尚、本形態にあっては、2次側冷媒に混入
される添加物として強臭化合物及び香料を採用したが、
これらに代えて、有色の塗料を添加物として2次側冷媒
に混入した場合にも同様の効果が得られる。つまり、2
次側冷媒回路(B) から冷媒が漏洩した場合には、この漏
洩冷媒に混じって添加物も漏洩することになり、その色
によって容易に冷媒の漏洩が認識可能となる。
【0050】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態として、冷房専用の空気調和装置として2次側冷媒
回路を構成した場合について説明する。また、本形態で
は、回路構成に関し、上述した第1実施形態との相違点
についてのみ説明する。
【0051】図3に示すように、ガス流通管(4) におけ
るガス配管(6) の接続位置と温熱源熱交換器(1) との間
にはガス冷媒用電磁弁(EV1) が設けられ、ガス配管(6)
には、室内熱交換器(3) から冷熱源熱交換器(2) へのガ
ス冷媒の流通のみを許容するガス冷媒用逆止弁(CVG) が
設けられている。
【0052】また、液流通管(5) における液配管(7) の
接続位置と温熱源熱交換器(1) との間には、上述した第
1実施形態と同様の第1逆止弁(CV1) の他に液冷媒用電
磁弁(EV4) が備えられている。また、液配管(7) には、
冷熱源熱交換器(2) から室内熱交換器(3) への液冷媒の
流通のみを許容する第3逆止弁(CV3) が備えられてい
る。そして、上記各電磁弁(EV1,EV4) がコントローラ
(C) によって開閉制御されるようになっている。
【0053】そして、本形態にあっても、2次側冷媒に
は、強臭化合物、香料または有色の塗料が添加物として
混入されている。
【0054】次に、上述の如く構成された本冷媒回路
(B) における室内の冷房運転時について説明する。この
冷房運転開始前には、予め冷熱源熱交換器(2) に液冷媒
が貯留されている。この状態から冷房運転が開始される
と、先ず、コントローラ(C) によってガス冷媒用電磁弁
(EV1) が開放され且つ液冷媒用電磁弁(EV4) が閉鎖され
る。この状態で、図4(a) に示すように、温熱源熱交換
器(1) からの高圧のガス冷媒がガス流通管(4) を介して
冷熱源熱交換器(2) に供給される。すると、この圧力の
作用により、予め冷熱源熱交換器(2) に貯留されていた
液冷媒は、図4(b) に示すように、液流通管(5) 及び液
配管(7) を介して室内熱交換器(3) に向って押出され
る。また、この図4(a),(b) に示す状態では冷熱源熱交
換器(2) における放熱は行われない。
【0055】そして、このような状態が所定時間継続し
て行われた後、コントローラ(C) によってガス冷媒用電
磁弁(EV1) が閉鎖される。この状態では、温熱源熱交換
器(1) から冷熱源熱交換器(2) へのガス冷媒の供給は停
止される。そして、冷熱源熱交換器(2) にガス冷媒が室
内熱交換器(3) に液冷媒が夫々導入された状態におい
て、冷熱源熱交換器(2) においてガス冷媒が凝縮され、
この凝縮に伴う圧力降下により該冷熱源熱交換器(2) の
内圧が室内熱交換器(3) よりも低くなり、この圧力差に
よって図4(c) に示すように室内熱交換器(3) で蒸発す
る冷媒は冷熱源熱交換器(2) に導入されることになる。
つまり、室内熱交換器(3) では冷媒と室内空気との間で
熱交換が行われて室内空気が冷却される。
【0056】このような冷房運転が所定時間行われて、
温熱源熱交換器(1) の液冷媒の貯留量が所定量以下に達
した時には、冷房運転が停止されて、液冷媒回収運転に
切換えられる。この冷媒回収運転では、コントローラ
(C) により、各電磁弁(EV1,EV4) が共に開放される。こ
れにより、上述した第1実施形態の場合と同様に、温熱
源熱交換器(1) と冷熱源熱交換器(2) とが均圧され、冷
熱源熱交換器(2) の液冷媒が温熱源熱交換器(1) に回収
される。尚、ガス配管(6) にはガス冷媒用逆止弁(CVG)
が設けられていることにより、この液冷媒回収運転時
に、温熱源熱交換器(2) からのガス冷媒が室内熱交換器
(3) に流れ込むことはない。また、この液冷媒回収運転
にあっては冷熱源熱交換器(2) では冷却用熱交換器(15)
との間での熱交換を行わないようにしている。以上のよ
うな冷房運転と液冷媒回収運転とが交互に行われて、室
内が冷房されることになる。
【0057】そして、本形態にあっても、2次側冷媒回
路(B) から冷媒が漏洩した場合には、その臭気或いは色
によって容易に漏洩の認識が可能となる。
【0058】尚、上述した各実施形態では、2次側冷媒
回路(B) にポンプ等の駆動源を必要としないものに本発
明を適用した場合について説明したが、本発明は、これ
に限らず、ポンプによって2次側冷媒を循環させるよう
にしたもの等のように、回路中に油が含まれず、圧縮機
の吐出側のような高温となる部分がない(これは添加物
の変質を回避するために必要である)システムであれば
適用可能である。
【0059】また、1次側冷媒回路(A) としては圧縮式
冷凍機を適用したが、本発明は、これに限らず、吸収式
冷凍機や、チラーとボイラとを組合わせたシステム等、
2次側冷媒との間で熱の授受が行える手段であれば如何
なるシステムも適用可能である。
【0060】また、本発明は、暖房専用機及び冷房専用
機に限らず、冷暖房の切換えが可能な空気調和機や、室
内熱交換器を複数台備えた所謂マルチタイプの空気調和
機に対しても適用可能である。
【0061】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば以下に述べるような効果が発揮される。請求項1記載
の発明によれば、所謂2次冷媒システムに対し、圧縮機
を必要とすることのない2次側冷媒回路に充填されてい
る2次側冷媒に、冷媒の漏洩を人が認識可能とする添加
物を混入させたために、添加物が潤滑油との反応によっ
て不純物を生成するといった状況を回避しながらも、2
次側冷媒回路での冷媒の漏洩を容易に認識可能とするこ
とができる。従って、不純物の発生の回避による装置の
信頼性を高く維持しながら冷媒の漏洩を容易に認識可能
とすることができる。
【0062】請求項2記載の発明では、添加物を強臭化
合物或いは香料とし、請求項3記載の発明では、添加物
を有色の塗料としたことで、2次側冷媒に混入する添加
物を具体的に得ることができ、また、人の嗅覚又は視覚
によって冷媒の漏洩を確実に認識することができる。
【0063】請求項4記載の発明によれば、1次側冷媒
回路から2次側冷媒回路に与えられる熱量を利用するこ
とで、2次側冷媒回路に特別な駆動源を必要とすること
なしに2次側冷媒の循環を可能とするようにしたため
に、消費電力の削減、故障発生要因箇所の削減を図るこ
とができる熱搬送装置に対して、上述した請求項1記載
の発明に係る効果の如く、不純物の発生の回避による装
置の信頼性を高く維持しながら冷媒の漏洩を容易に認識
可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における冷媒回路の全体構成を示
す図である。
【図2】第1実施形態における冷媒循環動作を示す図で
ある。
【図3】第2実施形態における2次側冷媒回路を示す図
である。
【図4】第2実施形態における図2相当図である。
【符号の説明】
(1) 温熱源熱交換器 (2) 冷熱源熱交換器 (3) 室内熱交換器(利用側熱交換器) (4) ガス流通管 (5) 液流通管 (6) ガス配管 (7) 液配管 (11) 圧縮機 (12) 加熱用熱交換器 (15) 冷却用熱交換器 (16) 冷媒配管 (A) 1次側冷媒回路 (B) 2次側冷媒回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1次側手段(A) と、 該1次側手段(A) との間で熱を授受する2次側冷媒が循
    環する2次側冷媒回路(B) とを備えた熱搬送装置におい
    て、 上記2次側冷媒には、該冷媒の漏洩を人が認識可能とす
    る添加物が混入されていることを特徴とする熱搬送装
    置。
  2. 【請求項2】 添加物は強臭化合物或いは香料であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の熱搬送装置。
  3. 【請求項3】 添加物は有色の塗料であることを特徴と
    する請求項1記載の熱搬送装置。
  4. 【請求項4】 1次側手段(A) は、圧縮機(11)と、該圧
    縮機(11)の吐出ガス冷媒が導入する加熱用熱交換器(12)
    と、この加熱用熱交換器(12)で凝縮した液冷媒が導入す
    る冷却用熱交換器(15)とが冷媒配管(16)によって1次側
    冷媒の循環が可能に接続されて成っており、 2次側冷媒回路(B) は、上記加熱用熱交換器(12)との間
    で熱交換を行って2次側液冷媒が蒸発する温熱源熱交換
    器(1) と、該温熱源熱交換器(1) にガス流通管(4) 及び
    液流通管(5) によって接続され、冷却用熱交換器(15)と
    の間で熱交換を行って2次側ガス冷媒が凝縮する冷熱源
    熱交換器(2) と、ガス配管(6) を介して上記ガス流通管
    (4) に、また液配管(7) を介して液流通管(5) に夫々接
    続された利用側熱交換器(3) とを備えており、 利用側熱交換器(3) の運転状態に応じて、上記ガス流通
    管(4) とガス配管(6)との間のガス冷媒の流通状態及び
    液流通管(5) と液配管(7) との間の液冷媒の流通状態を
    切換えて、利用側熱交換器(3) に対する冷媒の流通状態
    を調整することを特徴とする請求項1記載の熱搬送装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0936417A3 (en) * 1998-02-13 2002-07-10 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Refrigerant leakage warning device
KR100509153B1 (ko) * 1997-04-17 2005-10-24 산요덴키가부시키가이샤 공기조화기

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100509153B1 (ko) * 1997-04-17 2005-10-24 산요덴키가부시키가이샤 공기조화기
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