JPH1085006A - 靴 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別な道具や技術を必要とせず、自分で簡単
に踵底部を交換することができると共に、一目見ただけ
で踵底部の交換時期になったことがわかる靴を提供する
こと。 【解決手段】 靴１の踵２を上下に分割して踵本体３及
び踵底部４とし、踵本体３の裏面及び踵底部４の上面に
互いに着脱自在に係合する雌雄の接合具６，７をそれぞ
れ設け、踵本体３と踵底部４の面積をわずかに変えて、
踵本体３の側面と踵底部４の側面との間に段差５を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、靴に関する。

【０００２】

【従来の技術】踵の底板が磨り減ると踵本体が傷んで靴
そのものがはけなくなったり、踵底面が傾斜して歩行し
にくくなるため、靴店や専門の修理店に靴を持っていっ
て、踵の底板を交換してもらうのが一般的であるが、わ
ざわざ修理に出すのが面倒でつい放置することも多い。

【０００３】そこで、踵本体及び踵底板に互いに螺合す
る雌雄のねじをそれぞれ装着し、自分で簡単に踵底板を
交換できるようにした靴が、実開平５−９１４０７号公
報、実開平６−１６７５１２号公報等に開示されてい
る。しかし、これらの靴では、踵本体と踵底板とが同じ
形状、面積に形成されているので、一見しただけでは踵
本体と踵底板との境界がはっきりせず、このため、踵底
板が上端まで磨り減ったことに気付かず、踵底板の交換
が遅れて踵本体まで傷付く虞がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、特別な道具
や技術を必要とせず、自分で簡単に踵底部を交換するこ
とができると共に、一目見ただけで踵底部の交換時期に
なったことがわかる靴を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の靴は、踵を上下
に分割して踵本体及び踵底部とし、前記踵本体の裏面及
び踵底部の上面に互いに着脱自在に係合する雌雄の接合
具をそれぞれ設け、前記踵本体と踵底部の面積をわずか
に変えて、前記踵本体の側面と前記踵底部の側面との間
に段差を形成する。踵本体の裏面及び踵底部の上面に雌
雄の接合具を設けたことによって、踵底部の取り付け及
び取り外しが容易となる。踵本体の側面と踵底部の側面
との間に段差を形成したことにより、踵本体と踵底部と
の境界が明瞭になる。

【０００６】踵底部の上面に弱接着性の接着剤を塗布す
ることは、踵底部が踵本体に接着されて踵底部の回動が
抑制され、しかも、踵底部を交換する際に、古い踵底部
の除去が阻害されないため、望ましい。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の靴１は、男性用ビジネス
シューズあるいは婦人用パンプス等の踵貼り換えが必要
な靴であり、図１に示すように、その踵２が上部の踵本
体３と下部の踵底部４とに分割されている。

【０００８】踵底部４の平面形状は踵本体３の平面形状
と相似形であって、わずかに小さく形成される。従って
踵本体３の側面と踵底部４の側面との間には、段差５が
形成される。また、踵本体３の側面と踵底部４の側面と
は同じ色で仕上げられ、外観上違和感が無いようになっ
ている。

【０００９】踵本体３は中空に形成され、図２に示すよ
うに、その内部の中心軸上に雌のねじ６よりなる一方の
接合具が埋設される。ねじ６の下端は踵本体３の裏面に
開口している。踵底部４は磨耗しにくい材質で中実に構
成され、その上面の中心部に雄のねじ７よりなる他方の
接合具が突設される。ねじ７は踵本体３のねじ６に着脱
自在に螺合され、その下端部は踵底部４の内部に挿入さ
れて強固に固定されている。

【００１０】そして、踵底部４を回動してねじ７をねじ
６に完全に螺合すると、踵底部４は踵本体３に対して正
規の位置に隙間なく装着され、段差５が形成される以外
は一体の踵の如き外観となる。また、ねじ６，７を外す
だけで、簡単に磨り減った踵底部４を除去し、新しい踵
底部４に交換することができる。この時、段差５によっ
て踵本体３と踵底部４との境界がはっきり判るので、踵
底部４の交換時期を見逃す心配がない。

【００１１】なお、好みの厚みを有する踵底部４を取付
けることにより、踵２の高さを調節することが可能であ
る。また、雌雄のねじ６，７の径は踵２の面積に応じて
適宜変えることができる。ねじ７が太い場合は、これを
中空の管状にして、軽量化しても良い。

【００１２】さらに、図３に示すように、踵底部４の上
面に予め弱接着性の接着剤８をごく薄く塗布し、その上
面に剥離紙９を重合しておく。この踵底部４を踵本体３
に取り付ける際には、剥離紙９を除去して先の説明と同
様にねじ６，７を螺合する。すると、踵本体３の裏面と
踵底部４の上面とが接着され、歩行中は常に着用者の体
重によって踵本体３と踵底部４とが圧着されているの
で、不意に踵底部４が回動したり、外れる心配がない。
また、接着剤８は弱接着性であってその接着力は回り止
め程度の弱いものなので、少しの加減で簡単に古い踵底
部４を剥がすことができ、踵底部４の交換が困難になる
ことはない。

【００１３】また、雌のねじ６を踵底部４に、雄のねじ
７を踵本体３に取り付けることも可能で、接合具を互い
に螺合するねじ６，７以外のもの、例えば平滑な穴とこ
れに押圧挿入される雄ねじ等に代えても良い。

【００１４】

【発明の効果】請求項１に記載の構成によれば、特別な
道具や技術を必要とせず、自分で簡単に磨り減った踵底
部を交換することができる。また、一見しただけで踵本
体と踵底部との境界がはっきり判るので、踵底部が磨耗
したことに気付かずに放置し、踵本体まで傷める心配が
ない。さらに、踵底部の厚みを変えることにより、好み
に応じて踵の高さを調節することができる。

【００１５】請求項３に記載の構成によれば、踵本体と
踵底部とが接着されるので、歩行中不意に踵底部が回動
したり、外れる心配がなく、しかも、踵底部を交換する
際に、古い踵底部を除去しにくくなる虞もない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を示す靴の要部側面図

【図２】同上の要部分解斜視図

【図３】本発明の他の実施形態に係る踵底部の斜視図

【符号の説明】

１ 靴 ２ 踵 ３ 踵本体 ４ 踵底部 ５ 段差 ６ 雌のねじ（接合具） ７ 雄のねじ（接合具） ８ 接着剤 ９ 剥離紙

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 踵を上下に分割して踵本体及び踵底部と
   し、前記踵本体の裏面及び踵底部の上面に互いに着脱自
   在に係合する雌雄の接合具をそれぞれ設け、前記踵本体
   と踵底部の面積をわずかに変えて、前記踵本体の側面と
   前記踵底部の側面との間に段差を形成したことを特徴と
   する靴。
2. 【請求項２】 前記接合具がねじである請求項１に記載
   された靴。
3. 【請求項３】 前記踵底部の上面に弱接着性の接着剤を
   塗布したことを特徴とする請求項１又は２に記載された
   靴。