JPH107642A - カルバミン酸エステル類の貯蔵及び輸送方法 - Google Patents
カルバミン酸エステル類の貯蔵及び輸送方法Info
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- JPH107642A JPH107642A JP15994096A JP15994096A JPH107642A JP H107642 A JPH107642 A JP H107642A JP 15994096 A JP15994096 A JP 15994096A JP 15994096 A JP15994096 A JP 15994096A JP H107642 A JPH107642 A JP H107642A
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- acid esters
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Abstract
(57)【要約】
【課題】溶融又は溶液状態においてカルバミン酸エステ
ル類の変質を抑制し、安定に貯蔵及び輸送する方法を提
供する。 【解決手段】溶融又は溶液状態のカルバミン酸エステル
類に、芳香族スルホン化合物、スルフィド類または亜リ
ン酸トリエステル類を添加する。
ル類の変質を抑制し、安定に貯蔵及び輸送する方法を提
供する。 【解決手段】溶融又は溶液状態のカルバミン酸エステル
類に、芳香族スルホン化合物、スルフィド類または亜リ
ン酸トリエステル類を添加する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融及び溶液状態
におけるカルバミン酸エステル類の貯蔵及び輸送する方
法に関する。
におけるカルバミン酸エステル類の貯蔵及び輸送する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】カルバミン酸エステルは、熱分解反応に
より対応するイソシアネートが得られるのでイソシアネ
ート類を製造する中間原料として有用である。この熱分
解法での流通反応操作として、例えば特開平7-258194号
では、カルバミン酸エステル類、不活性溶媒及び触媒等
からなる原料溶液を反応槽へ供給し、 150〜350 ℃の温
度で熱分解させ生成してくるイソシアネート類とアルコ
ール類との蒸気を系外で分縮させる方法が開示されてい
る。カルバミン酸エステル類は常温では通常固体状態で
あるので、工業的に貯槽に貯蔵及び貯槽から反応槽へ連
続供給するためには、溶融又は溶液状態で取り扱われ
る。
より対応するイソシアネートが得られるのでイソシアネ
ート類を製造する中間原料として有用である。この熱分
解法での流通反応操作として、例えば特開平7-258194号
では、カルバミン酸エステル類、不活性溶媒及び触媒等
からなる原料溶液を反応槽へ供給し、 150〜350 ℃の温
度で熱分解させ生成してくるイソシアネート類とアルコ
ール類との蒸気を系外で分縮させる方法が開示されてい
る。カルバミン酸エステル類は常温では通常固体状態で
あるので、工業的に貯槽に貯蔵及び貯槽から反応槽へ連
続供給するためには、溶融又は溶液状態で取り扱われ
る。
【0003】カルバミン酸エステル類は、溶融又は溶液
状態で貯槽等で加熱保持した場合、経時的に変質が進行
する。また変質したカルバミン酸エステル類を反応槽へ
供給し熱分解反応を行った場合、イソシアネート類の収
率を低下させるだけでなく、高沸点副生物の生成が多く
なるため反応槽及び配管に重合物が析出又は付着し、結
果的には閉塞等により、長期間の運転は困難になる。こ
のようなカルバミン酸エステル類の変質を抑制する方法
としては、例えば、特開昭59-62561号では芳香族カルバ
ミン酸エステル類に水酸基を有する有機化合物を添加す
る方法が提案されている。
状態で貯槽等で加熱保持した場合、経時的に変質が進行
する。また変質したカルバミン酸エステル類を反応槽へ
供給し熱分解反応を行った場合、イソシアネート類の収
率を低下させるだけでなく、高沸点副生物の生成が多く
なるため反応槽及び配管に重合物が析出又は付着し、結
果的には閉塞等により、長期間の運転は困難になる。こ
のようなカルバミン酸エステル類の変質を抑制する方法
としては、例えば、特開昭59-62561号では芳香族カルバ
ミン酸エステル類に水酸基を有する有機化合物を添加す
る方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭59-62561号では
水酸基を有する有機化合物として、エタノール、メタノ
ール、フェノールなどが用いられているが、構造不明物
が相当量生成しており、カルバミン酸エステル類の変質
を抑制する効果が十分ではなく必ずしも満足するもので
はない。本発明の目的は、溶融又は溶液状態においてカ
ルバミン酸エステル類の変質を抑制し、安定に貯蔵及び
輸送する方法を提供することにある。
水酸基を有する有機化合物として、エタノール、メタノ
ール、フェノールなどが用いられているが、構造不明物
が相当量生成しており、カルバミン酸エステル類の変質
を抑制する効果が十分ではなく必ずしも満足するもので
はない。本発明の目的は、溶融又は溶液状態においてカ
ルバミン酸エステル類の変質を抑制し、安定に貯蔵及び
輸送する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、溶融又は
溶液状態におけるカルバミン酸エステル類の変質を抑制
する方法について鋭意研究を重ねた結果、安定剤として
芳香族スルホン化合物、スルフィド類及び亜リン酸トリ
エステル等の化合物を添加することにより、溶融又は溶
液状態のカルバミン酸エステル類の変質が抑制され、安
定に貯蔵及び輸送できることを見い出し本発明に到達し
た。
溶液状態におけるカルバミン酸エステル類の変質を抑制
する方法について鋭意研究を重ねた結果、安定剤として
芳香族スルホン化合物、スルフィド類及び亜リン酸トリ
エステル等の化合物を添加することにより、溶融又は溶
液状態のカルバミン酸エステル類の変質が抑制され、安
定に貯蔵及び輸送できることを見い出し本発明に到達し
た。
【0006】即ち本発明は、溶融又は溶液状態のカルバ
ミン酸エステル類に、一般式(I) で示される芳香族スル
ホン化合物、スルフィド類及び亜リン酸トリエステル類
から選ばれた一種以上の安定剤を添加することを特徴と
するカルバミン酸エステル類の貯蔵及び輸送方法であ
る。 Xn −Ar−SO2 −Y (I) 〔式中、Arはベンゼン、ナフタレン等の芳香核であ
り、Xは低級アルキル基またはアミノ基、Yは水酸基ま
たはアミノ基等であり、nは 0〜3 の整数を表す。nが
2以上の時、Xは同一でも各々異なっていてもよい。〕
ミン酸エステル類に、一般式(I) で示される芳香族スル
ホン化合物、スルフィド類及び亜リン酸トリエステル類
から選ばれた一種以上の安定剤を添加することを特徴と
するカルバミン酸エステル類の貯蔵及び輸送方法であ
る。 Xn −Ar−SO2 −Y (I) 〔式中、Arはベンゼン、ナフタレン等の芳香核であ
り、Xは低級アルキル基またはアミノ基、Yは水酸基ま
たはアミノ基等であり、nは 0〜3 の整数を表す。nが
2以上の時、Xは同一でも各々異なっていてもよい。〕
【0007】
【0008】カルバミン酸エステル類の具体例として
は、例えば、1,4-ビス (メトキシカルボニルアミノ) ブ
タン、1,6-ビス (メトキシカルボニルアミノ) ヘキサ
ン、1,8-(メトキシカルボニルアミノ) オクタン等の脂
肪族カルバミン酸エステル類;1,3-又は1,4-ビス (メト
キシカルボニルアミノ) シクロヘキサン、1,3-又は1,4-
ビス (メトキシカルボニルアミノメチル) シクロヘキサ
ン、3-メトキシカルボニルアミノメチル-3,5,5- トリメ
チル-1- メトキシカルボニルアミノシクロヘキサン、ビ
ス (4-メトキシカルボニルアミノシクロヘキシル) メタ
ン、1-メチル-2,4- ビス (メトキシカルボニルアミノ)
シクロヘキサン等の脂環族カルバミン酸エステル類;
1,3-又は1,4-ビス (メトキシカルボニルアミノ) ベンゼ
ン、1-メチル-2,4- ビス (メトキシカルボニルアミノ)
ベンゼン、1-メチル-2,6- ビス (メトキシカルボニルア
ミノ) ベンゼン、 2,4'-又は4,4'- ビス (メトキシカル
ボニルアミノ) ジフェニルメタン、 4,4'-ビス (メトキ
シカルボニルアミノ) ビフェニル、1,5-又は2,6-ビス
(メトキシカルボニルアミノ) ナフタレン等の芳香族カ
ルバミン酸エステル類; 1,3-又は1,4-ビス (メトキシ
カルボニルアミノメチル) ベンゼン、1,5-又は2,6-ビス
(メトキシカルボニルアミノメチル) ナフタレン等のア
ラルキルカルバミン酸エステル類、及び各化合物のメト
キシカルボニルアミノ置換基に代えてエトキシカルボニ
ルアミノ置換基又はフェノキシカルボニルアミノ置換基
を有するカルバミン酸エステル類等が挙げられる。
は、例えば、1,4-ビス (メトキシカルボニルアミノ) ブ
タン、1,6-ビス (メトキシカルボニルアミノ) ヘキサ
ン、1,8-(メトキシカルボニルアミノ) オクタン等の脂
肪族カルバミン酸エステル類;1,3-又は1,4-ビス (メト
キシカルボニルアミノ) シクロヘキサン、1,3-又は1,4-
ビス (メトキシカルボニルアミノメチル) シクロヘキサ
ン、3-メトキシカルボニルアミノメチル-3,5,5- トリメ
チル-1- メトキシカルボニルアミノシクロヘキサン、ビ
ス (4-メトキシカルボニルアミノシクロヘキシル) メタ
ン、1-メチル-2,4- ビス (メトキシカルボニルアミノ)
シクロヘキサン等の脂環族カルバミン酸エステル類;
1,3-又は1,4-ビス (メトキシカルボニルアミノ) ベンゼ
ン、1-メチル-2,4- ビス (メトキシカルボニルアミノ)
ベンゼン、1-メチル-2,6- ビス (メトキシカルボニルア
ミノ) ベンゼン、 2,4'-又は4,4'- ビス (メトキシカル
ボニルアミノ) ジフェニルメタン、 4,4'-ビス (メトキ
シカルボニルアミノ) ビフェニル、1,5-又は2,6-ビス
(メトキシカルボニルアミノ) ナフタレン等の芳香族カ
ルバミン酸エステル類; 1,3-又は1,4-ビス (メトキシ
カルボニルアミノメチル) ベンゼン、1,5-又は2,6-ビス
(メトキシカルボニルアミノメチル) ナフタレン等のア
ラルキルカルバミン酸エステル類、及び各化合物のメト
キシカルボニルアミノ置換基に代えてエトキシカルボニ
ルアミノ置換基又はフェノキシカルボニルアミノ置換基
を有するカルバミン酸エステル類等が挙げられる。
【0009】本発明において安定剤に用いられる一般式
(I) で示される芳香族スルホン化合物の具体例として
は、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、エチル
ベンゼンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、キシレン
スルホン酸、スルファニル酸、アミノトルエンスルホン
酸、β- ナフタレンスルホン酸、アミノナフタレンスル
ホン酸、ベンゼンスルホンアミド、トルエンスルホンア
ミド、N-エチルトルエンスルホンアミド、スルファニル
アミド等が挙げられる。これらの一般式(I) で示される
芳香族スルホン化合物の中、特にYがアミノ基であるア
ミド化合物が好適に用いられる。また本発明において用
いられるスルフィド類の具体例としては、エチルスルフ
ィド、フェニルスルフィド、チオアニソール、ジラウリ
ル 3,3'-チオジプロピオネート、ジミリスチル 3,3'-チ
オプロピオネート、ジステアリル 3,3'-チオジプロピオ
ネート等が挙げられる。亜リン酸トリエステル類の具体
例として、トリエチルホスファイト、トリブチルホスフ
ァイト、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデ
シルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイ
ト、トリトリルホスファイト、トリス(2-エチルヘキシ
ル) ホスファイト、トリス (ノニルフェニル) ホスファ
イト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、トリス (2,4-ジ-tert-ブチルフェニル) ホスファイ
ト、サイクリックネオペンタンテトライルビス (2,4-ジ
-tert-ブチルフェニル) ホスファイト、2,2-メチレンビ
ス (4,6-ジ-tert-ブチルフェニル) オクチルホスファイ
ト等が挙げられる。
(I) で示される芳香族スルホン化合物の具体例として
は、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、エチル
ベンゼンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、キシレン
スルホン酸、スルファニル酸、アミノトルエンスルホン
酸、β- ナフタレンスルホン酸、アミノナフタレンスル
ホン酸、ベンゼンスルホンアミド、トルエンスルホンア
ミド、N-エチルトルエンスルホンアミド、スルファニル
アミド等が挙げられる。これらの一般式(I) で示される
芳香族スルホン化合物の中、特にYがアミノ基であるア
ミド化合物が好適に用いられる。また本発明において用
いられるスルフィド類の具体例としては、エチルスルフ
ィド、フェニルスルフィド、チオアニソール、ジラウリ
ル 3,3'-チオジプロピオネート、ジミリスチル 3,3'-チ
オプロピオネート、ジステアリル 3,3'-チオジプロピオ
ネート等が挙げられる。亜リン酸トリエステル類の具体
例として、トリエチルホスファイト、トリブチルホスフ
ァイト、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデ
シルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイ
ト、トリトリルホスファイト、トリス(2-エチルヘキシ
ル) ホスファイト、トリス (ノニルフェニル) ホスファ
イト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、トリス (2,4-ジ-tert-ブチルフェニル) ホスファイ
ト、サイクリックネオペンタンテトライルビス (2,4-ジ
-tert-ブチルフェニル) ホスファイト、2,2-メチレンビ
ス (4,6-ジ-tert-ブチルフェニル) オクチルホスファイ
ト等が挙げられる。
【0010】安定剤の添加量は、カルバミン酸エステル
類に対して0.0001〜10重量%、好ましくは 0.001〜1 重
量%の範囲である。この範囲より少なすぎるとカルバミ
ン酸エステル類の変質を抑制する効果が十分ではなく、
多すぎると不経済であり、また熱分解反応においてイソ
シアネート類の生成を阻害することがある。安定剤とし
て上記の化合物の1種又は2種以上の混合物が使用で
き、また必要ならばカルバミン酸エステル類熱分解触媒
との混合系で用いることもできる。
類に対して0.0001〜10重量%、好ましくは 0.001〜1 重
量%の範囲である。この範囲より少なすぎるとカルバミ
ン酸エステル類の変質を抑制する効果が十分ではなく、
多すぎると不経済であり、また熱分解反応においてイソ
シアネート類の生成を阻害することがある。安定剤とし
て上記の化合物の1種又は2種以上の混合物が使用で
き、また必要ならばカルバミン酸エステル類熱分解触媒
との混合系で用いることもできる。
【0011】本発明において溶液状態で貯蔵及び輸送す
る際に用いられる溶媒は、カルバミン酸エステル類に対
して不活性であることが必要である。また溶液状態のカ
ルバミン酸エステル類を反応槽に供給して熱分解反応を
行う場合には、イソシアネート類に対しても不活性であ
ることが必要である。このような条件を満足する溶媒と
して、脂肪族、脂環族及び芳香族の置換又は非置換の炭
化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類等が挙げ
られる。具体例として、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、
デカン等のアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ビフェニル、ナフタレン、ベンジルトルエン、ピレ
ン、トリフェニルメタン、フェニルナフタレン、ベンジ
ルナフタレン等の芳香族炭化水素類、フタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジドデシル等のエス
テル類、メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケト
ン類、アニソール、ジフェニルエーテル等のエーテル類
が挙げられる。
る際に用いられる溶媒は、カルバミン酸エステル類に対
して不活性であることが必要である。また溶液状態のカ
ルバミン酸エステル類を反応槽に供給して熱分解反応を
行う場合には、イソシアネート類に対しても不活性であ
ることが必要である。このような条件を満足する溶媒と
して、脂肪族、脂環族及び芳香族の置換又は非置換の炭
化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類等が挙げ
られる。具体例として、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、
デカン等のアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ビフェニル、ナフタレン、ベンジルトルエン、ピレ
ン、トリフェニルメタン、フェニルナフタレン、ベンジ
ルナフタレン等の芳香族炭化水素類、フタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジドデシル等のエス
テル類、メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケト
ン類、アニソール、ジフェニルエーテル等のエーテル類
が挙げられる。
【0012】
【実施例】次に実施例及び比較例により本発明を更に具
体的に説明する。但し本発明は、これらの実施例に限定
されるものではない。
体的に説明する。但し本発明は、これらの実施例に限定
されるものではない。
【0013】実施例1 耐圧密閉容器 (SUS316製、100ml)に1,3-ビス (メトキシ
カルボニルアミノメチル) シクロヘキサン (以下、1,3-
BUCと称する) を5g仕込み、これにスルファニルアミ
ドを1,3-BUCに対して500ppm添加し容器内を窒素置換
後、密閉した。140℃に昇温したオイルバスにこの耐圧
密閉容器を浸し、同温度で72時間振盪することにより熱
安定性試験を行った。72時間経過後、耐圧密閉容器中の
内容物を液体クロマトグラフを用いて組成分析し、デー
タを解析した結果、1,3-BUCの変質率は0.5%であっ
た。なお変質率は、[(初期カルバミン酸エステルの重量
%−熱安定性試験後のカルバミン酸エステルの重量%)
/ (初期カルバミン酸エステルの重量%)]×100 の値で
ある。
カルボニルアミノメチル) シクロヘキサン (以下、1,3-
BUCと称する) を5g仕込み、これにスルファニルアミ
ドを1,3-BUCに対して500ppm添加し容器内を窒素置換
後、密閉した。140℃に昇温したオイルバスにこの耐圧
密閉容器を浸し、同温度で72時間振盪することにより熱
安定性試験を行った。72時間経過後、耐圧密閉容器中の
内容物を液体クロマトグラフを用いて組成分析し、デー
タを解析した結果、1,3-BUCの変質率は0.5%であっ
た。なお変質率は、[(初期カルバミン酸エステルの重量
%−熱安定性試験後のカルバミン酸エステルの重量%)
/ (初期カルバミン酸エステルの重量%)]×100 の値で
ある。
【0014】比較例1 安定剤を加えない以外は実施例1と同様にして熱安定性
試験を行った。データを解析した結果、1,3-BUCの変
質率は5.2%であった。
試験を行った。データを解析した結果、1,3-BUCの変
質率は5.2%であった。
【0015】比較例2 実施例1と同様な方法において、安定剤としてメタノー
ルを用い、1,3-BUCに対して 5モル比添加して72時間
1,3-BUCの熱安定性試験を行った。データを解析した
結果、1,3-BUCの変質率は2.2%であった。
ルを用い、1,3-BUCに対して 5モル比添加して72時間
1,3-BUCの熱安定性試験を行った。データを解析した
結果、1,3-BUCの変質率は2.2%であった。
【0016】実施例2〜6 実施例1と同様な方法において、安定剤としてp-トルエ
ンスルホン酸、スルファニル酸、β- ナフタレンスルホ
ン酸、p-トルエンスルホン酸メチル、p-トルエンスルホ
ンアミドを用いて熱安定性試験を行った。
ンスルホン酸、スルファニル酸、β- ナフタレンスルホ
ン酸、p-トルエンスルホン酸メチル、p-トルエンスルホ
ンアミドを用いて熱安定性試験を行った。
【0017】実施例7 実施例1と同様な方法において、溶媒としてバーレルサ
ーム400 を5g添加し熱安定性試験を行った。以上の実施
例および比較例で得られた結果を表1に示す。
ーム400 を5g添加し熱安定性試験を行った。以上の実施
例および比較例で得られた結果を表1に示す。
【0018】
【表1】 安定剤の種類 1、3ーBUCの変質率(%) 実施例1 スルファニルアミド 0.5 実施例2 p-トルエンスルホン酸 0.7 実施例3 スルファニル酸 1.1 実施例4 β- ナフタレンスルホン酸 0.7 実施例5 p-トルエンスルホン酸メチル 0.8 実施例6 p-トルエンスルホンアミド 0.3 実施例7 スルファニルアミド 0.4 比較例1 − 5.2 比較例2 メタノール 2.2
【0019】実施例8 カルバミン酸エステルとして1,3-ビス(メトキシカルボ
ニルアミノメチル)ベンゼン(以下、MXDUと称す
る)を用いた以外は実施例1と同様な条件で熱安定性試
験を行った。データを解析し、結果を表2に示す。
ニルアミノメチル)ベンゼン(以下、MXDUと称す
る)を用いた以外は実施例1と同様な条件で熱安定性試
験を行った。データを解析し、結果を表2に示す。
【0020】実施例9〜12 実施例8と同様な方法において、安定剤として、β- ナ
フタレンスルホン酸、N-エチルトルエンスルホンアミ
ド、ジラウリル 3,3'-チオジプロピオネート、トリス
(2-エチルヘキシル) ホスファイトを用いて熱安定性試
験を行った。データを解析し、結果を表2に示す。
フタレンスルホン酸、N-エチルトルエンスルホンアミ
ド、ジラウリル 3,3'-チオジプロピオネート、トリス
(2-エチルヘキシル) ホスファイトを用いて熱安定性試
験を行った。データを解析し、結果を表2に示す。
【0021】比較例3 実施例8と同様な方法において、安定剤を添加せずにM
XDUの熱安定性試験を行った。データを解析した結
果、MXDUの変質率は 10.4%であった。
XDUの熱安定性試験を行った。データを解析した結
果、MXDUの変質率は 10.4%であった。
【0022】
【表2】 安定剤の種類 MXDUの変質率(%) 実施例8 スルファニルアミド 0.1 実施例9 β- ナフタレンスルホン酸 1.1 実施例10 N-エチルトルエンスルホンアミド 0.6 実施例11 ジラウリル 3,3'-チオジプロピオネート 1.5 実施例12 トリス (2-エチルヘキシル) ホスファイト 0.7 比較例3 − 10.4
【0023】
【発明の効果】本発明の方法によれば、溶融及び溶液状
態のカルバミン酸エステル類の変質が抑制され、安定に
貯蔵及び輸送することができる。またカルバミン酸エス
テル類の変質が抑制されるので、熱分解反応によりイソ
シアネートを製造する時も収率が向上し、副反応生成物
が少なくなる。
態のカルバミン酸エステル類の変質が抑制され、安定に
貯蔵及び輸送することができる。またカルバミン酸エス
テル類の変質が抑制されるので、熱分解反応によりイソ
シアネートを製造する時も収率が向上し、副反応生成物
が少なくなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 修一 新潟県新潟市太夫浜字新割182番地 三菱 瓦斯化学株式会社新潟研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 溶融又は溶液状態のカルバミン酸エステ
ル類に、一般式(I)で示される芳香族スルホン化合物、
スルフィド類及び亜リン酸トリエステル類から選ばれた
一種以上の安定剤を添加することを特徴とするカルバミ
ン酸エステル類の貯蔵及び輸送方法。 Xn −Ar−SO2 −Y (I) 〔式中、Arはベンゼン、ナフタレン等の芳香核であ
り、Xは低級アルキル基またはアミノ基、Yは水酸基ま
たはアミノ基等であり、nは 0〜3 の整数を表す。nが
2以上の時、Xは同一でも各々異なっていてもよい。〕
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15994096A JPH107642A (ja) | 1996-06-20 | 1996-06-20 | カルバミン酸エステル類の貯蔵及び輸送方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15994096A JPH107642A (ja) | 1996-06-20 | 1996-06-20 | カルバミン酸エステル類の貯蔵及び輸送方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH107642A true JPH107642A (ja) | 1998-01-13 |
Family
ID=15704490
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15994096A Pending JPH107642A (ja) | 1996-06-20 | 1996-06-20 | カルバミン酸エステル類の貯蔵及び輸送方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH107642A (ja) |
-
1996
- 1996-06-20 JP JP15994096A patent/JPH107642A/ja active Pending
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