JPH107186A - 折り畳み式のコンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 第１に、取付け構造や展開，組み立て，折り
畳み操作が簡単容易化され、第２に、ガタ等が発生する
懸念がなく剛性・強度に優れ、第３に、防水性にも優
れ、第４に、メインテナンスも容易な、折り畳み式のコ
ンテナを提案する。 【解決手段】 このコンテナは、フロント板１，両サイ
ド板３，その前板１５や後板１６，バック板２，ルーフ
板５間が、それぞれ、縦ヒンジ６，７，８や横ヒンジ９
にて取付けられている。そして、バック板２とフロア板
４とが、左右１対のピンヒンジ１７とガイド部１８にて
取付けられており、ピンヒンジ１７は、バック板２の下
端部両側に突設され、ガイド部１８は、フロア板４の後
端部両側から立設され、ピンヒンジ１７を移動可能に組
み付けるガイド溝１９が形成されている。そしてガイド
溝１９は、下端部が、展開，組み立て時用の第１ピン受
部２３となり、上端部の横部２２が、折り畳み時用の第
２ピン受部２４となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、折り畳み式のコン
テナに関する。すなわち、内部に物品を収納して保管，
運搬，輸送する折り畳み式のコンテナに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】製品その他の物品を保管，運搬，輸送す
る場合、一般的には、通い箱と称される固定的に箱状を
なすコンテナが使用されている。しかしながら、この通
い箱と称されるコンテナは、物品の取り出し後等の不使
用時、つまり空箱状態において場所を取り、スペース面
に問題が生じる。そこで、不使用時に保管場所を取ら
ず、省スペース面に優れた折り畳み式のコンテナが開
発，使用されており、この折り畳み式のコンテナは、使
用時には箱状に展開，組み立てられ、非使用時には折り
畳まれるようになっている。そして、そのような折り畳
み式のコンテナの素材として、ダンボールやプラスチッ
クシートが用いられたものは、折曲方式により、展開，
組み立て，折り畳まれるようになっているが、剛性・強
度や耐水性に難点があった。そこで、素材として木製
板，鋼板，アルミ板等を用いた折り畳み式のコンテナを
用いると共に、ヒンジ方式により、展開，組み立て，折
り畳むようにしたものが、開発，使用されている。

【０００３】図４，図５，図６は、この種従来例に係る
折り畳み式のコンテナの説明に供し、図４の（１）図
は、展開，組み立て状態の斜視図、図４の（２）図は、
同展開，組み立て状態の側面図である。図５の（１）図
は、展開，組み立て状態と折り畳み状態間の途中の状態
の斜視図、図５の（２）図は、同途中の状態の側面図で
ある。図６の（１）図は、折り畳んだ状態の側面図、図
６の（２）図は、（１）図のＢ−Ｂ線に沿った矢視断面
図であり、図６の（３）図は、（２）図の要部拡大図で
ある。

【０００４】これらの図面にも示したように、この種の
折り畳み式のコンテナは、素材として木製板，鋼板，ア
ルミ板等が用いられると共に、ヒンジを用いて、展開，
組み立て，折り畳むようになっている。そしてまず、そ
れぞれ対をなし見合った大きさよりなる、フロント板１
およびバック板２と、左右の両サイド板３と、フロア板
４およびルーフ板５と、を備えてなる。そしてフロント
板１は、左右端がそれぞれ左右のサイド板３の前端に縦
ヒンジ６にて取付けられ、左右のサイド板３は、それぞ
れ中央の縦ヒンジ７を介し前後に区画され、面一状態と
内側に折り込まれた当接状態とに変位可能であり、後端
がそれぞれバック板２の左右端に縦ヒンジ８にて取付け
られ、ルーフ板５は、後端がバック板２の上端に横ヒン
ジ９にて取付けられている。そして、この種従来例の折
り畳み式のコンテナにおいて、バック板２は、下端部が
フロア板４の後端部に、２段ヒンジ１０を使用して取り
つけられていた。

【０００５】この２段ヒンジ１０は、介装板１１の上下
縁に上位の第１ヒンジ１２と下位の第２ヒンジ１３を設
けてなり、第１ヒンジ１２が、バック板２の下端部後端
縁に取付けられると共に、第２ヒンジ１３が、フロア板
４の後端部上にライン状に取付けられていた。この種従
来例の折り畳み式のコンテナでは、このような２段ヒン
ジ１０が、必須的に使用されていた。

【０００６】そして、この種従来例のコンテナは、図４
に示した展開，組み立て状態から折り畳む際は、まず
、図４の（２）図中に想像線にて示したように、ルー
フ板５を、横ヒンジ９を中心に２７０°回動させて、バ
ック板２の背面に沿うように倒し込む。それから、図
５に示したように２段ヒンジ１０を用いて、フロント板
１，両サイド板３，バック板２，ルーフ板５等を、全体
的にフロア板４上に持ち上げ保持する。つまり２段ヒン
ジ１０について、第２ヒンジ１３を中心に介装板１１
を、フロア板４上に横に寝た姿勢から縦に立った姿勢へ
と９０°回動させることにより、フロント板１，両サイ
ド板３，バック板２，ルーフ板５等を、全体的に、介装
板１１の高さ分だけ持ち上げる。これと共に、図５に
示したように、このように持ち上げ保持した状態のま
ま、フロント板１をバック板２側に押し込むことによ
り、両サイド板３を、面一状態から内側に折り込まれた
当接状態に変位させる。しかる後、図６に示したよう
に、このように持ち上げ保持されると共に折り畳まれた
フロント板１，両サイド板３，バック板２，ルーフ板５
等を、全体的に、２段ヒンジ１０を用いてフロア板４上
に倒し込む。つまり、２段ヒンジ１０の第１ヒンジ１２
を中心に９０°回動させることにより、このコンテナ
は、フロア板４上にて全体が折り畳まれた状態にて位置
決めされる。なお、折り畳み状態から展開，組み立て状
態とする際は、上述したステップ，，，を、逆
に辿ることになる。図中１４はキャッチである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。まず第
１に、この種従来例の折り畳み式のコンテナにあって
は、２段ヒンジ１０が必須的に使用されていたので、そ
の分、取付け構造や展開，組み立て，折り畳み操作等が
複雑化する、という問題が指摘されていた。すなわち前
述したように、２段ヒンジ１０は、介装板１１に第１ヒ
ンジ１２と第２ヒンジ１３を設けてなり、バック板２の
下端部後端縁とフロア板４の後端部上との間に取付けら
れており、もって、構造が複雑であった。又、展開，組
み立て時や折り畳み時において、全体的に持ち上げ，回
動，位置決めする操作を、フロント板１，両サイド板
３，バック板２，ルーフ板５等が、２段ヒンジ１０上で
２重にぐらつかないように手で保持しつつ実施しなけれ
ばならず、非常に面倒であった。

【０００８】第２に、更にこの種従来例の折り畳み式の
コンテナは、２段ヒンジ１０を用いたことに起因して、
剛性・強度面にも問題が指摘されていた。すなわち製作
時に、第１ヒンジ１２や第２ヒンジ１３について、それ
ぞれ雄雌の軸を完全に一致させることが容易でなく、更
に、展開，組み立て時や折り畳み時に、荷重がこのよう
な第１ヒンジ１２や第２ヒンジ１３に直接作用するの
で、使用していると、第１ヒンジ１２や第２ヒンジ１３
にガタが発生しやすかった。

【０００９】第３に、防水性にも問題があった。すなわ
ち、この種従来例の折り畳み式のコンテナは、回動支点
や位置決め点となる２段ヒンジ１０の第１ヒンジ１２や
第２ヒンジ１３について、それぞれ構成単位部材間に隙
間が存し、もって、外部の雨水等が内部に浸入し、収納
された物品を濡らしてしまうことがある、という指摘も
あった。

【００１０】第４に、メインテナンス性にも問題があっ
た。すなわち、この種従来例の折り畳み式のコンテナで
は、その２段ヒンジ１０が、バック板２の下端部後端縁
とフロア板４の後端部上との間に、全体的に介在位置
し，介装されていたので、その保守点検が容易でなかっ
た。特に、２段ヒンジ１０に故障が発生した場合には、
全体的に分解して、バック板２とフロア板４間から２段
ヒンジ１０を取り外すことを要する等、２段ヒンジ１０
の交換が非常に面倒である、という指摘もあった。

【００１１】本発明は、このような実情に鑑み、上記従
来例の課題を解決すべくなされたものであって、バック
板下端部の左右両側にピンヒンジを突設すると共に、フ
ロア板後端部の左右両側からガイド部を立設し、もって
ピンヒンジをガイド部のガイド溝に、第１ピン受部と第
２ピン受部間で移動可能に組み付けてなることにより、
第１に、構造や操作が簡単容易化し、第２に、剛性・強
度面に優れ、第３に、防水性も向上し、第４に、メイン
テナンスも容易である、折り畳み式のコンテナを提案す
ることを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
る本発明の技術的手段は、次のとおりである。すなわ
ち、この折り畳み式のコンテナは、内部に物品を収納し
て保管，運搬，輸送する。そして、それぞれ対をなし見
合った大きさよりなる、フロント板およびバック板と、
左右の両サイド板と、フロア板およびルーフ板とを備え
てなり、使用時には箱状に展開，組み立てられ、非使用
時には折り畳まれるようになっている。該フロント板
は、左右端がそれぞれ左右の該サイド板の前端に縦ヒン
ジにて取付けられ、左右の該サイド板は、それぞれ中央
の縦ヒンジを介し前後に区画され、面一状態と内側に折
り込まれた当接状態とに変位可能であり、後端がそれぞ
れ該バック板の左右端に縦ヒンジにて取付けられてい
る。該ルーフ板は、後端が該バック板の上端に横ヒンジ
にて取付けられ、該バック板は、下端部が該フロア板の
後端部に、左右１対のピンヒンジとガイド部にて取付け
られている。

【００１３】該ピンヒンジは、該バック板の下端部の左
右両側にそれぞれ突設され、該ガイド部は、板状をなし
該フロア板の後端部の左右両側からそれぞれ立設固定さ
れ、該ピンヒンジを移動可能に組み付けるガイド溝が形
成されており、該ガイド溝は、縦長部と該縦長部の上端
部に連設された横部とを備えてなり、該縦長部の下端部
が、展開，組み立て状態において該ピンヒンジが位置決
めされる第１ピン受部となり、又、該横部が、折り畳み
状態において該ピンヒンジが回動，位置決めされる第２
ピン受部となること、を特徴とする。

【００１４】このコンテナは、使用時には箱状に展開，
組み立てられ、物品を収納して保管，運搬，輸送し、非
使用時には折り畳まれる。そして、展開，組み立て状態
から折り畳む際は、まず、ルーフ板を回動させて、バ
ック板の背面に沿うように倒し込む。それから、フロ
ント板，両サイド板，バック板，ルーフ板等を、全体的
にフロア板上に持ち上げる。つまりピンヒンジを、ガイ
ド部のガイド溝の第１ピン受部から上昇させ、第２ピン
受部へと移動させつつ、フロント板，両サイド板，バッ
ク板，ルーフ板等を全体的に持ち上げ、もって第２ピン
受部に位置決めされたピンヒンジを支点としつつ保持す
る。

【００１５】これと共に、フロント板をバック板側に
押し込むことにより、両サイド板を、面一状態から内側
に折り込まれた当接状態に変位させる。しかる後、フ
ロント板，両サイド板，バック板，ルーフ板等を、全体
的にフロア板上に倒し込む。つまり、第２ピン受部に位
置決めされたピンヒンジを支点としつつ、回動させるこ
とにより、このコンテナは、フロア板上に全体的に折り
畳まれた状態にて、位置決めされる。なお、折り畳まれ
た状態から展開，組み立て状態とする際は、上述したス
テップ，，，を逆に辿ることになる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下本発明を、図面に示す発明の
実施の形態に基づいて、詳細に説明する。図１，図２，
図３は、本発明の実施の形態の説明に供し、図１の
（１）図は、展開，組み立て状態の斜視図、図１の
（２）図は、同展開，組み立て状態の側面図である。図
２の（１）図は、展開，組み立て状態と折り畳み状態間
の途中の状態の斜視図、図２の（２）図は、同途中の状
態の側面図である。図３の（１）図は、折り畳んだ状態
の側面図、図３の（２）図は、（１）図のＡ−Ａ線に沿
った矢視断面図であり、図３の（３）図は、（２）図の
要部拡大図である。

【００１７】この折り畳み式のコンテナは、内部に物品
を収納して保管，運搬，輸送する。そして、それぞれ対
をなし見合った大きさよりなる、フロント板１およびバ
ック板２と、左右の両サイド板３と、フロア板４および
ルーフ板５とを備えてなり、使用時には箱状に展開，組
み立てられ、非使用時には折り畳まれる。

【００１８】これらについて更に詳述する。まず、この
折り畳み式のコンテナは、図１に示したように、使用時
には箱状に展開，組み立てられ、内部に製品，荷物，そ
の他の物品が収納されて、その保管，運搬，輸送に供さ
れる。そして、木製板，鋼板，アルミ板，その他の各種
パネル板よりなる、フロント板１，バック板２，両サイ
ド板３，フロア板４，ルーフ板５、等を備えてなる。正
面板たるフロント板１と背面板たるバック板２とは、対
をなし見合った寸法よりなり、図示例では略正方形状を
なす。又、床板たるフロア板４と、天井板たるルーフ板
５も、対をなし見合った寸法よりなり、図示例では、フ
ロント板１やバック板２と略同一の略正方形状をなす。
更に、左右側板たる両サイド板３も、対をなし見合った
寸法よりなり、図示例では、フロント板１，バック板
２，フロア板４，ルーフ板５等と略同一の略正方形状を
なす。もって、図示例の折り畳み式のコンテナは、展
開，組み立て状態において、略正方形の箱状をなす。

【００１９】次に、このようなフロント板１，バック板
２，両サイド板３，フロア板４，ルーフ板５間の取付け
構造、等について述べる。まず、フロント板１は、左右
端がそれぞれ左右のサイド板３の前端に、縦ヒンジ６に
て取付けられている。すなわち図２等に示したように、
フロント板１は、その縦の左右端縁が、それぞれ９０°
ヒンジよりなる縦ヒンジ６を介し、サイド板３の前板１
５の縦の前端縁に取付けられている。

【００２０】次に、左右のサイド板３は、それぞれ中央
の縦ヒンジ７を介し前後に区画され、面一状態と内側に
折り込まれた当接状態とに変位可能であり、後端がそれ
ぞれバック板２の左右端に、縦ヒンジ８にて取付けられ
ている。すなわち、左右のサイド板３は、それぞれ前板
１５と後板１６とからなり、前板１５の縦の後端縁と後
板１６の縦の前端縁とが、１８０°ヒンジよりなる縦ヒ
ンジ７を介して取付けられ、もって前板１５と後板１６
間が、図１に示した面一状態と、図２の（２）図や図３
に示したように面接触する当接状態とに、変位可能とな
っている。又、サイド板３の後板１６の縦の後端縁が、
図２等に示したように、それぞれ９０°ヒンジよりなる
縦ヒンジ８を介し、バック板２の縦の左右端縁に取付け
られている。

【００２１】次に、ルーフ板５は、後端がバック板２の
上端に、横ヒンジ９にて取付けられている。すなわち、
図１の（２）図や図２等に示したように、ルーフ板５
は、その後端縁が、２７０°ヒンジよりなる横ヒンジ９
を介し、バック板２の上端縁に取付けられている。

【００２２】そしてバック板２は、下端部がフロア板４
の後端部に、左右１対のピンヒンジ１７とガイド部１８
にて、取付けられている。このピンヒンジ１７は、バッ
ク板２の下端部の左右両側にそれぞれ突設され、ガイド
部１８は板状をなし、フロア板４の後端部の左右両側か
らそれぞれ立設固定され、ピンヒンジ１７を移動可能に
組み付けるガイド溝１９が形成されている。

【００２３】このようなピンヒンジ１７やガイド部１８
について、更に詳述する。まず両ピンヒンジ１７は、各
図に示したように、バック板２の下端部の左右両側か
ら、それぞれ左右方向に植設，固定されている。又、両
ガイド部１８は、それぞれ縦長板状をなし、その下端部
が、フロア板４の後端部の左右両側に、それぞれボルト
２０にて取付け固定されると共に、中央部や上端部が自
由端となってフロア板４より上位に立設されている。そ
して、このような両ガイド部１８の中央部や上端部に、
それぞれガイド溝１９が形成されており、このようなフ
ロア板４側のガイド溝１９に、前述したバック板２側の
ピンヒンジ１７が、それぞれ移動可能に組み付けられて
いる。ガイド溝１９は、略逆Ｌ字状・逆Ｊ字状をなし、
縦長部２１と縦長部２１の上端部に連設された横部２２
と、を備えてなる。もって縦長部２１の下端部が、図１
に示したようにコンテナの展開，組み立て状態におい
て、ピンヒンジ１７が位置決めされる第１ピン受部２３
となり、又、横部２２が、図２や図３に示したようにコ
ンテナの折り畳み状態において、ピンヒンジ１７が回
動，位置決めされる第２ピン受部２４となる。

【００２４】なお、図１中に示したキャッチ１４は、フ
ロント板１の下端とフロア板４の前端間、およびフロン
ト板１の上端とルーフ板５の前端間に、それぞれ対をな
して設けられている。そして、コンテナの展開，組み立
て状態において、キャッチ１４の対をなす構成部材間が
係止されることにより、フロント板１とフロア板４間、
およびフロント板１とルーフ板５間を、分離不能に不動
にロックする。勿論、コンテナの折り畳み状態において
は、このようなロックは解除されており、各キャッチ１
４は、その構成部材間が係止解除され、分離された状態
となっている。又、このようなキャッチ１４は、図示し
ないが、フロア板４の後端とバック板２の下端間にも配
設されている。なお、このようなキャッチ１４として
は、公知の公種係止具が用いられる。

【００２５】本発明は、以上説明したように構成されて
いる。そこで以下のようになる。この折り畳み式のコン
テナは、使用時には、図１に示したように箱状に展開，
組み立てられ、内部に物品を収納して保管，運搬，輸送
し、非使用時には、図３に示したように折り畳まれる。

【００２６】まず、図１の展開，組み立て状態について
は、次の通り。すなわち、この折り畳み式のコンテナ
は、展開，組み立て状態では、フロア板４の前端縁上に
フロント板１が立設されると共に、フロア板４の左右端
縁上にそれぞれサイド板３が、その前板１５と後板１６
とが面一状態で立設され、又、フロア板４の後端縁上に
バック板２が立設され、かつ、このようなフロント板
１，両サイド板３，バック板２上に、ルーフ板５が被せ
られている。そしてキャッチ１４にて、このようなフロ
ント板１とフロア板４間、フロント板１とルーフ板５
間、フロア板４とバック板２間等が、それぞれロックさ
れている。ピンヒンジ１７は、ガイド部１８のガイド溝
１９の縦長部２１下端部の第１ピン受部２３に、位置決
めされている。なお物品は、このように展開，組み立て
状態とされたコンテナの内部に、ルーフ板５をキャッチ
１４のロックを解除することにより開閉するか、又はフ
ロント板１に設けられたドア（図示せず）を開閉するこ
とにより、出し入れされる。

【００２７】そして、このような図１の展開，組み立て
状態から、図３のように折り畳む際は、次の，，
，のステップを辿る。まず、各キャッチ１４によ
るロックを解除すると共に、図１の（２）図中に想像線
にて示したように、ルーフ板５を横ヒンジ９を中心に後
側に２７０°回動させて、バック板２の背面に沿うよう
に倒し込む。それから、図２に示したように、ピンヒ
ンジ１７をガイド部１８のガイド溝１９に沿って移動さ
せつつ、フロント板１，両サイド板３，バック板２，ル
ーフ板５等を、縦状態のまま全体的にフロア板４上に持
ち上げる。つまりピンヒンジ１７を、ガイド部１８のガ
イド溝１９の縦長部２１下端部の第１ピン受部２３か
ら、縦長部２１に沿って上昇させ、縦長部２１上端部を
経由し横部２２の第２ピン受部２４へと移動させること
により（図２中の想像線にて示した軌跡を参照）、フロ
ント板１，両サイド板３，バック板２，ルーフ板５等
を、全体的に、第１ピン受部２３と第２ピン受部２４の
高さ分だけ持ち上げ、もって、第２ピン受部２４に位置
決めされたピンヒンジ１７を支点としつつ、水平の片持
ち状態で、そのまま持ち上げ保持する。

【００２８】これと共に、図２に示したように、この
ように持ち上げ保持した状態のまま、フロント板１をバ
ック板２側に押し込むことにより、両サイド板３を各縦
ヒンジ６，７，８を中心に左右方向に回動させる。もっ
て両サイド板３について、その前板１５および後板１６
を、面一状態から内側に折り込まれた当接状態に変位さ
せると共に、左右の前板１５をフロント板１に当接さ
せ、左右の後板１６をバック板２に当接させる。

【００２９】しかる後、図３に示したように、このよ
うに持ち上げ保持されると共に、横に折り畳まれ相互間
が当接されたフロント板１，両サイド板３，バック板
２，ルーフ板５等を、全体的に、ピンヒンジ１７を中心
に前側に９０°回動させて、フロア板４上に倒し込む。
つまり、第２ピン受部２４に位置決めされたピンヒンジ
１７を、支点たる回動中心としつつ、フロント板１，両
サイド板３，バック板２，ルーフ板５等を、全体的に９
０°回動させることにより、この折り畳み式のコンテナ
は、フロア板４上に下から上へ、フロント板１，両サイ
ド板３の前板１５そして後板１６，バック板２，ルーフ
板５等の順に重ねられ、全体的に折り畳まれた状態にて
位置決めされる。

【００３０】なお、この折り畳み式のコンテナを、この
ような折り畳まれた状態から、元の展開，組み立て状態
とする際は、上述したステップ，，，を逆に辿
ることになる。さてそこで、この折り畳み式のコンテナ
にあっては、次の第１，第２，第３，第４のようにな
る。

【００３１】第１に、この折り畳み式のコンテナでは、
フロント板１とサイド板３間、両サイド板３の前板１５
と後板１６間、サイド板３とバック板２間、ルーフ板５
とバック板２間等の取付け構造に、通常の一般的な縦ヒ
ンジ６，７，８や横ヒンジ９が用いられるのは勿論のこ
と、バック板２とフロア板４間も、簡単な取付け構造よ
りなる。つまり、バック板２にピンヒンジ１７を突設す
ると共に、フロア板４にガイド溝１９付のガイド部１８
を立設した、簡単な取付け構造よりなる。このように、
この折り畳み式のコンテナは、簡単な取付け構造よりな
る。

【００３２】これと共に、展開，組み立て時や折り畳み
時においては、ピンヒンジ１７をガイド部１８のガイド
溝１９に案内させつつ移動させて、第１ピン受部２３や
第２ピン受部２４に位置決めする。これにより、フロン
ト板１，両サイド板３，バック板２，ルーフ板５等が、
２段ヒンジ１０（図５，図６を参照）を用いた場合のよ
うに２重にぐらつく懸念もなく、容易に手で保持しつ
つ、全体的に持ち上げ，回動，位置決め等することがで
きる。このように、この折り畳み式のコンテナは、展
開，組み立て操作や折り畳み操作が容易である。

【００３３】第２に、この折り畳み式のコンテナは、上
述したような取付構造よりなり、製作時においては、バ
ック板２側のピンヒンジ１７を、フロア板４側のガイド
部１８のガイド溝１９に、移動可能に組み付ければよ
く、面倒な軸合わせの必要もない。もって事後の使用
時、つまり展開，組み立て状態としたり折り畳み状態と
して使用する際に、回動支点や位置決め点となって荷重
が直接作用するピンヒンジ１７やガイド溝１９（その第
１ピン受部２３や第２ピン受部２４）について、ガタが
発生するおそれもない。もってこの面から、この折り畳
み式のコンテナは、剛性・強度面にも優れている。

【００３４】第３に、この折り畳み式のコンテナでは、
回動支点や位置決め点となるピンヒンジ１７やガイド部
１８のガイド溝１９（その第１ピン受部２３や第２ピン
受部２４）が、バック板２やフロア板４の左右両側に設
けられている。従って、展開，組み立て状態において、
バック板２とフロア板４間を容易に密閉でき、外部の雨
水等が内部に浸入することは、確実に防止可能である。

【００３５】第４に、この折り畳み式のコンテナでは、
このように、ピンヒンジ１７やガイド部１８のガイド溝
１９等が、バック板２やフロア板４の左右両側に設けら
れている。従って、これらの日常の保守点検や故障発生
時の交換も、バック板２やフロア板４を分解することな
く、バック板２やフロア板４はそのままとしつつ、ピン
ヒンジ１７やガイド溝１９付のガイド部１８のみを対象
に、外側から容易に実施可能である。このように、この
折り畳み式のコンテナは、保守点検や交換も容易であ
る。

【００３６】

【発明の効果】本発明に係る折り畳み式のコンテナは、
以上説明したように、バック板下端部の左右両側にピン
ヒンジを突設すると共に、フロア板後端部の左右両側か
らガイド部を立設し、もってピンヒンジをガイド部のガ
イド溝に、第１ピン受部と第２ピン受部間で移動可能に
組み付けてなることにより、次の効果を発揮する。

【００３７】第１に、構造や操作が簡単容易化する。す
なわち、この折り畳み式のコンテナは、通常の縦ヒンジ
や横ヒンジが用いられると共に、バック板にピンヒンジ
を突設すると共に、フロア板にガイド溝付のガイド部を
立設した、簡単な取付け構造よりなる。そして、展開，
組み立て時や折り畳み時において、ピンヒンジをガイド
溝中で移動させて、第１ピン受部や第２ピン受部に位置
決めすることにより、全体的な持ち上げ，回動，位置決
め等の操作が、容易化される。つまり、２段ヒンジを使
用した前述したこの種従来例に比し、取付け構造や展
開，組み立て，折り畳み等の操作が、大きく簡単容易化
される。

【００３８】第２に、剛性・強度面に優れている。すな
わち、この折り畳み式のコンテナは、製作時において、
バック板側のピンヒンジを、フロア板側のガイド部のガ
イド溝に組み付ければよく、２段ヒンジを使用した前述
したこの種従来例のように、そのヒンジの雄雌の軸が完
全に一致するように配慮する必要もなく、使用中にその
ヒンジにガタが発生する懸念もない等、剛性・強度面に
優れている。

【００３９】第３に、防水性も向上する。すなわち、こ
の折り畳み式のコンテナは、回動支点や位置決め点とな
るピンヒンジやガイド溝の第１ピン受部や第２ピン受部
が、バック板やフロア板の左右両側に設けられており、
２段ヒンジを使用したこの種従来例のように、バック板
の下端部後端縁とフロア板の後端部上との間に、全体的
に介在位置すべく介装されている訳ではない。もって、
展開，組み立て状態において、ピンヒンジやガイド溝の
箇所から外部の雨水等が内部に浸入することはなく、ピ
ンヒンジやガイド溝の起因して、収納された製品等を濡
らしてしまうおそれはない。

【００４０】第４に、メインテナンスも容易である。す
なわち、この折り畳み式のコンテナでは、このように、
ピンヒンジやガイド溝付のガイド部が、バック板やフロ
ア板の左右両側に設けられているので、これらの保守点
検や故障発生時の交換も容易である。

【００４１】つまり、ピンヒンジやガイド部は、２段ヒ
ンジを使用した前述したこの種従来例のように、バック
板の下端部後端縁とフロア板の後端部上間に、全体的に
介在位置すべく介装されている訳ではない。そこで、ピ
ンヒンジやガイド部の日常の保守点検は、外側から容易
に実施でき、又、故障発生時の交換も、全体的に分解す
ることなくバック板やフロア板はそのままでも、外側か
ら容易に実施可能である。このように、この種従来例に
存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効
果は、顕著にして大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る折り畳み式のコンテナについて、
発明の実施の形態の説明に供し、（１）図は、展開，組
み立て状態の斜視図、（２）図は、同展開，組み立て状
態の側面図である。

【図２】同発明の実施の形態の説明に供し、（１）図
は、展開，組み立て状態と折り畳み状態間の途中の状態
の斜視図、（２）図は、同途中の状態の側面図である。

【図３】同発明の実施の形態の説明に供し、（１）図
は、折り畳んだ状態の側面図、（２）図は、（１）図の
Ａ−Ａ線に沿った矢視断面図であり、（３）図は、
（２）図の要部拡大図である。

【図４】この種従来例に係る折り畳み式のコンテナの説
明に供し、（１）図は、展開，組み立て状態の斜視図、
（２）図は、同展開，組み立て状態の側面図である。

【図５】同この種従来例の説明に供し、（１）図は、展
開，組み立て状態と折り畳み状態間の途中の状態の斜視
図、（２）図は、同途中の状態の側面図である。

【図６】同この種従来例の形態の説明に供し、（１）図
は、折り畳んだ状態の側面図、（２）図は、（１）図の
Ｂ−Ｂ線に沿った矢視断面図であり、（３）図は、
（２）図の要部拡大図である。

【符号の説明】

１ フロント板 ２ バック板 ３ サイド板 ４ フロア板 ５ ルーフ板 ６ 縦ヒンジ ７ 縦ヒンジ ８ 縦ヒンジ ９ 横ヒンジ １０ ２段ヒンジ １１ 介装板 １７ ピンヒンジ １８ ガイド部 １９ ガイド溝 ２３ 第１ピン受部 ２４ 第２ピン受部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に物品を収納して保管，運搬，輸送
   する折り畳み式のコンテナであって、それぞれ対をなし
   見合った大きさよりなる、フロント板およびバック板
   と、左右の両サイド板と、フロア板およびルーフ板とを
   備えてなり、使用時には箱状に展開，組み立てられ、非
   使用時には折り畳まれるようになっており、 該フロント板は、左右端がそれぞれ左右の該サイド板の
   前端に縦ヒンジにて取付けられ、左右の該サイド板は、
   それぞれ中央の縦ヒンジを介し前後に区画され、面一状
   態と内側に折り込まれた当接状態とに変位可能であり、
   後端がそれぞれ該バック板の左右端に縦ヒンジにて取付
   けられており、 該ルーフ板は、後端が該バック板の上端に横ヒンジにて
   取付けられ、該バック板は、下端部が該フロア板の後端
   部に、左右１対のピンヒンジとガイド部にて取付けられ
   ており、 該ピンヒンジは、該バック板の下端部の左右両側にそれ
   ぞれ突設され、該ガイド部は、板状をなし該フロア板の
   後端部の左右両側からそれぞれ立設固定され、該ピンヒ
   ンジを移動可能に組み付けるガイド溝が形成されてお
   り、 該ガイド溝は、縦長部と該縦長部の上端部に連設された
   横部とを備えてなり、該縦長部の下端部が、展開，組み
   立て状態において該ピンヒンジが位置決めされる第１ピ
   ン受部となり、又、該横部が、折り畳み状態において該
   ピンヒンジが回動，位置決めされる第２ピン受部となる
   こと、を特徴とする折り畳み式のコンテナ。