JPH10709A - シングルフェーサにおけるベルトの交換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルトを短時間に交換することができるシン
グルフェーサにおけるベルト交換装置を提供する。 【解決手段】 左右一対のサイドフレーム５ａ、５ｂの
一方に窓６を形成する。窓６内に組込まれたローラ支持
部材７と他方のサイドフレーム５ｂとをステー９で連結
する。ローラ支持部材７と他方のサイドフレーム５ｂで
ベルト４の移動を案内する複数のローラ１０、１１を支
持する。ローラ支持部材７の外側面に取付けた支持盤２
２と一方のサイドフレーム５ａに取付けた支持盤２３間
にスペーサ２４を挿入してローラ支持部材７を支持す
る。シリンダ２９によってローラ支持部材７を持ち上
げ、スペーサ２４の抜き取り後、ローラ支持部材７とシ
リンダ２９の連結を解除して、ローラ支持部材７の持ち
上げを解除し、ローラ支持部材７の外周囲に形成される
間隙８からベルト４を抜き差ししてベルトを交換する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、一対のサイドフ
レーム間に設けられたエンドレスのベルトを一方のサイ
ドフレームの側方から交換可能とするシングルフェーサ
におけるベルトの交換装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、片面段ボールを形成するシング
ルフェーサは、互に噛合する一対の段ロール間に中しん
紙を挿通して波状に段繰りし、その段頂に糊を付けたの
ち、走行されるライナーを押し付けて貼り合させるよう
にしている。

【０００３】段繰り、糊付け後の中しん紙にライナーを
貼合させる方法の一つとして、例えば、実開昭５７−５
３３２７号公報に記載されているように、エンドレスの
ベルトを用いる方法が知られている。

【０００４】ベルトを用いる押し付け方法においては、
一対の段ロールを支持するサイドフレーム間に複数のロ
ーラを回転自在に支持し、そのローラ間にかけ渡された
エンドレスのベルトの一部を段繰り後の中しん紙を保持
して周方向に搬送する段ロールに圧接し、そのベルトで
ライナーを案内して段繰り後、糊付けされた中しん紙に
押し付け、接着するようにしている。

【０００５】ここで、ベルトを用いた上記シングルフェ
ーサにおいては、ベルトと段ロールの接触圧が強く、ベ
ルトは段ロールとの接触によって回転移動されるため、
ベルトが摩耗および損傷し易い。また、傷が生じること
により、その傷から引き裂かれて部分的に切断し易い。
このため、上記ベルトは、比較的頻繁に取り替える必要
がある。

【０００６】図９は、ベルト交換装置の従来例を示す。
このベルト交換装置は、一対のサイドフレーム４０、４
１の一方に窓４２を形成し、その窓４２内にローラ支持
部材４３を組込み、その周囲に形成されたベルト抜き差
し用の間隙４４にスペーサ４５を挿入してローラ支持部
材４３を支持し、上記ローラ支持部材４３と他方のサイ
ドフレーム４１とでベルト４６の移動を案内する複数の
ローラ４７、４８を回転自在に支持し、一本のローラ４
７を他方のローラ４８に対して移動自在に支持してい
る。

【０００７】ベルト４６の交換に際しては、移動自在に
支持されたローラ４７のローラ４８方向への移動によっ
てベルト４６を弛め、スペーサ４５の引き抜きによって
ローラ支持部材４３の周囲に形成された間隙４４からベ
ルト４６を抜き差ししてベルトを交換している。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ベルト交換装置においては、ローラ支持部材４３にバー
材４９を着脱自在に連結し、そのバー材４９の先端をフ
ォークリフト等で持ち上げてスペーサ４５を抜き取り、
バー材４９を保持する状態でベルト４６の取り替えを行
なうようにしているため、下記に示す問題点がある。

【０００９】すなわち、バー材４９は、ベルト交換時、
その先端部が支持された状態であるため、交換用のベル
ト５０をバー材４９の外側に予め掛け吊しておく必要が
あり、間隙４４から抜き出した古いベルト４６はその新
しいベルト５０の内又は外を通過させてから、新しいベ
ルト５０を間隙４４からサイドフレーム４０、４１間に
差し込む必要がある。このため、バー材４９はきわめて
幅が広く重い２枚のベルト４６、５０を支持することが
できる長さと強度を必要とし、ベルト交換のために一方
のサイドフレーム４０の外側にきわめて広いスペースと
フォークリフトとを必要とする。

【００１０】また、バー材４９は複数のローラ４７、４
８およびローラ支持部材４３を支持することができる剛
性の高い重量物で形成する必要があり、その重量物であ
るバー材４９をベルト交換の都度、ローラ支持部材４３
に対して着脱し、そのバー材４９上において古いベルト
４６と新しいベルト５０の位置を交換する必要があるた
め、ベルト４６の交換に際して数時間程度の長い交換時
間を必要とする。

【００１１】この発明の課題は、ベルトを数分程度の短
時間で交換することができる簡単な構成のベルト交換装
置を提供することである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明においては、左右一対のサイドフレーム
間に中しん紙を波状に段繰りする一対の段ロールを設
け、段繰り後の中しん紙を保持して周方向に搬送する一
方の段ロールにエンドレスのベルトの一部を圧接し、そ
のベルトによって段繰り後、糊付けされた中しん紙にラ
イナーを貼合させるようにしたシングルフェーサにおけ
るベルトの交換装置において、前記左右一対のサイドフ
レームの一方に窓を形成し、その窓内に配置されたロー
ラ支持部材と他方のサイドフレームとをステーで連結し
て、ローラ支持部材の外周と窓の内周間にベルト抜き差
し用の間隙を形成し、上記ローラ支持部材と他方のサイ
ドフレームによって前記ベルトの移動を案内する複数の
ローラを回転自在に支持し、そのローラの一本をベルト
の張力を変更可能とする方向に移動自在に支持し、前記
ローラ支持部材と一方のサイドフレームの外側面には、
ローラ支持部材の下方に位置するベルト抜き差し用の下
方の間隙を挾む上下に一対の支持盤を固定し、その支持
盤間にスペーサを挿入し、前記一方のサイドフレーム
に、上記ローラ支持部材を上下させる昇降手段を設け、
その昇降手段とローラ支持部材との連結部を係脱自在と
した構成としたのである。

【００１３】

【作用】上記の構成から成るベルト交換装置において
は、昇降手段によりローラ支持部材を持ち上げ、一対の
支持盤間からスペーサを抜き取って、ローラ支持部材を
ステーで片持ち支持状態とし、さらに、昇降手段とロー
ラ支持部材との連結を解除した状態で、ローラ支持部材
の周囲に形成された間隙から古いベルトを抜き取ると共
に、新しいベルトを差し込んでベルトを交換する。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
１乃至図８に基づいて説明する。

【００１５】図１は、この発明に係るベルト交換装置を
採用したシングルフェーサを示す。図３はそのシングル
フェーサの詳細を示し、上段ロール１と下段ロール２と
の間に中しん紙ａを挿通して波状に段繰りし、段繰り後
の中しん紙ａの段頂に糊付装置３によって糊をつけるよ
うにしている。

【００１６】また、下段ロール２に中しん紙ａを介して
一部を圧接させたエンドレスのベルト４によってライナ
ーｂを案内し、糊付けされた中しん紙ａにライナーｂを
貼り合わせ、片面段ボールＡを形成している。

【００１７】上段ロール１、下段ロール２、糊付装置３
およびベルト４は、図１および図２に示す左右一対のサ
イドフレーム５ａ、５ｂ間に配置されている。

【００１８】一対のサイドフレーム５ａ、５ｂのうち、
一方のサイドフレーム５ａには窓６が形成され、その窓
６内にローラ支持部材７が配置され、このローラ支持部
材７と窓６の内周間にベルト４を抜き差し可能とする間
隙８が設けられている。

【００１９】他方のサイドフレーム５ｂの内面にはステ
ー９の一端が固定され、そのステー９の他端に上記ロー
ラ支持部材７が固定されている。

【００２０】ローラ支持部材７と他方のサイドフレーム
５ｂ間には張力調整用ローラ１０と、複数のガイドロー
ラ１１とが設けられ、これらのローラ１０、１１間に前
記ベルト４がかけ渡されている。

【００２１】張力調整用ローラ１０の両端部には図示省
略した調心軸受を介してローラ軸１２が取付けられ、各
ローラ軸１２に取付けた軸受ブロック１３がローラ支持
部材７および他方のサイドフレーム５ｂに形成されたガ
イド溝１４に沿ってスライド自在に支持されている。

【００２２】軸受ブロック１３は、ローラ支持部材７と
他方のサイドフレーム５ｂに支持されたシリンダ１５の
作動によって移動され、その軸受ブロック１３の移動に
よってベルト４の張力が調整される。

【００２３】ガイドローラ１１のそれぞれは、他方のサ
イドフレーム５ｂとローラ支持部材７とに図示省略した
調心軸受を介して回転自在に支持されている。

【００２４】図４および図５は、上記ローラ支持部材７
を支持する支持装置２０と、ローラ支持部材７を上下さ
せる昇降装置２１とを示す。支持装置２０は、ローラ支
持部材７と一方のサイドフレーム５ａの外側面に支持盤
２２、２３を上下に対向して取付け、その上部支持盤２
２と下部支持盤２３間にスペーサ２４を抜き差し自在に
挿入している。

【００２５】ここで、スペーサ２４は、Ｖ形の案内溝２
５を上面に有し、上部支持盤２２の下面に設けたＶ形の
突条２６が上記案内溝２５に挿入されている。また、ス
ペーサ２４の下面にはＶ形の突条２７が形成され、その
突条２７は下部支持盤２３の上面に設けられたＶ形の案
内溝２８に挿入され、上記案内溝２５、２８と突条２
６、２７によってスペーサ２４は抜き差し時の移動が案
内される。

【００２６】昇降装置２１は下部支持盤２３の下面にシ
リンダ２９を取付け、そのシリンダ２９のロッド３０の
上端部に下部支持盤２３に形成されたロッド案内溝２３
ａおよびスペーサ２４の後端部に設けた案内溝３１内で
昇降動される二股片３２を形成し、前記ロッド３０の上
方への前進時に二股片３２で上部支持盤２２を押し上げ
るようにしている。

【００２７】また、二股片３２に支持されたピン３３を
中心として係合ロッド３４の下方の一端部を揺動自在に
支持し、その係合ロッド３４を上方に揺動させて先端の
他端部を上部支持盤２２の前部に形成されたロッド挿入
溝３５内に挿入し、係合ロッド３４の先端に設けた係合
突部３６を上部支持盤２２の中間の段差部２２ａに位置
させた状態でロッド３０を下降させ、係合突部３６によ
り上部支持盤２２を引き下げるようにしている。

【００２８】上記の構成から成るシングルフェーサにお
いては、図１に示すように、シリンダ１５の作動によ
り、張力調整用ローラ１０を外方向に移動させてベルト
４に張力を与えてその一部を下段ロール２の外周部に圧
接させ、そのベルト４によりライナーｂを案内し、下段
ロール２に保持されて周方向に移送される段繰り、糊付
け後の中しん紙ａに貼合わせて片面段ボールＡを形成す
る。

【００２９】片面段ボールＡの形成時、スペーサ２４
は、図４および図５に示すように、上下一対の支持盤２
２、２３間に挿入されてローラ支持部材７を支持してい
る。

【００３０】また、係合ロッド３４の係合突部３６は上
部支持盤２２の中間の段差部２２ａ上に係合してローラ
支持部材７の上方への移動を阻止している。

【００３１】ベルト４の摩耗、損傷等による取り替えに
際しては、図１に示すシリンダ１５の作動により、張力
調整用ローラ１０を内方向に移動させてベルト４を弛め
る。

【００３２】次に、図４および図５に示すシリンダ２９
を作動させてロッド３０を上方へ前進させ、ロッド先端
の二股片３２により上部支持盤２２の下面を押圧してロ
ーラ支持部材７を上方に押し上げる。

【００３３】図６は、ローラ支持部材７の押し上げ状態
を示し、その状態において、スペーサ２４を引き抜き、
係合ロッド３４を伏倒させたのち、ロッド３０を下方へ
後退させる。

【００３４】図７は、ロッド３０の後退状態を示し、そ
の後退によって、ローラ支持部材７はステー９によって
片持ち支持され、そのローラ支持部材７の外周に間隙８
が形成される。

【００３５】そこで、図８に示すように、上記間隙８か
ら古いベルト４を引き抜くと共に、新しいベルト４を上
記間隙８に差し込み、その新しいベルト４を一対のサイ
ドフレーム５ａ、５ｂ間に位置させた状態でシリンダ２
９のロッド３０を上方へ前進させ、二股部３２がローラ
支持部材７を押し上げる状態で、上下一対の支持盤２
２、２３間にスペーサ２４を挿入する。

【００３６】スペーサ２４の挿入後、係合ロッド３４を
起立させ、上部支持盤２２に形成されたロッド挿入溝３
５に係合ロッド３４を挿入させた状態でシリンダ２９の
ロッド３０を下方へ後退させ、係合突部３６によって上
部支持盤２２を引き下げ、一対の支持盤２２、２３によ
り挟持されるスペーサ２４により、ローラ支持部材７を
支持する。

【００３７】また、図２に示すシリンダ１５の作動によ
り、張力調整用ローラ１０を外方向に移動させ、新しい
ベルト４に張力を与えてその一部を下段ロール２に圧接
させる。

【００３８】このように、ベルトの交換に際しては、ス
ペーサ２４の引き抜きによってローラ支持部材７の外周
に形成された間隙８からベルト４を抜き差しすることに
よってベルトの交換を行なうため、一方のサイドフレー
ム５ａの外側方には一枚のベルト４を載置し得るだけの
スペースがあればよく、従来のように、広いスペースを
確保する必要がない。

【００３９】発明の実施の形態においては、単一のシリ
ンダ２９によってローラ支持部材７を上下動させるよう
にしたが、押し上げ用のシリンダと引き下げ用のシリン
ダの２本のシリンダを用いるようにしてもよい。

【００４０】２本のシリンダを用いる場合は、一方のサ
イドフレーム５ａの外側面下部に押し上げ用と引き下げ
用の２本のシリンダを取付け、その引き下げ用シリンダ
のロッドの先端部に図４に示す係合ロッド３４を揺動自
在に連結する。一方、ローラ支持部材の外側面には押し
上げ用シリンダに対向して押し上げ用突出部を取付ける
と共に、引き下げ用シリンダに対向して引き下げ用突出
部を取付け、その引き下げ用突出部に上記係合ロッド３
４が挿入可能なロッド挿入溝を形成し、上記押し上げシ
リンダのロッドの上方への移動により押し上げ用突出部
を押し上げてローラ支持部材を上方に移動させる。ま
た、係合ロッド３４がロッド挿入溝に挿入された状態で
引き下げ用シリンダのロッドを下方に移動させて引き下
げ用突出部とローラ支持部材を引き下げる。

【００４１】

【発明の効果】以上のように、この発明においては、ロ
ーラ支持部材の押し上げによってスペーサを引き抜き、
ローラ支持部材の周囲に形成された間隙からベルトを抜
き差しすることによってベルトを交換することができる
ため、フォークリフト等を必要とすることなく数分程度
の短時間でもってベルトを交換することができると共
に、一方のサイドフレームの側方には一枚のベルトを載
置し得るだけの交換スペースを確保するだけでよく、敷
地の有効利用を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係るベルト交換装置を用いたシング
ルフェーサの正面図

【図２】図１のII−II線に沿った断面図

【図３】同上シングルフェーサの概略図

【図４】同上のローラ支持部材の支持部を示す正面図

【図５】図４のＶ−Ｖ線に沿った断面図

【図６】同上のスペーサの引き抜き状態を示す断面図

【図７】同上のローラ支持部材の片持ち状態を示す断面
図

【図８】同上のベルトの引き抜き状態を示す断面図

【図９】従来のベルト交換装置を示す断面図

【符号の説明】

５ａ、５ｂ サイドフレーム ６ 窓 ７ ローラ支持部材 ８ 間隙 ９ ステー １０ 張力調整用ローラ １１ ガイドローラ ２１ 昇降装置 ２２、２３ 支持盤 ２４ スペーサ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右一対のサイドフレーム間に中しん紙
   を波状に段繰りする一対の段ロールを設け、段繰り後の
   中しん紙を保持して周方向に搬送する一方の段ロールに
   エンドレスのベルトの一部を圧接し、そのベルトによっ
   て段繰り後、糊付けされた中しん紙にライナーを貼合さ
   せるようにしたシングルフェーサにおけるベルトの交換
   装置において、前記左右一対のサイドフレームの一方に
   窓を形成し、その窓内に配置されたローラ支持部材と他
   方のサイドフレームとをステーで連結して、ローラ支持
   部材の外周と窓の内周間にベルト抜き差し用の間隙を形
   成し、上記ローラ支持部材と他方のサイドフレームによ
   って前記ベルトの移動を案内する複数のローラを回転自
   在に支持し、そのローラの一本をベルトの張力を変更可
   能とする方向に移動自在に支持し、前記ローラ支持部材
   と一方のサイドフレームの外側面には、ローラ支持部材
   の下方に位置するベルト抜き差し用の下方の間隙を挾む
   上下に一対の支持盤を固定し、その支持盤間にスペーサ
   を挿入し、前記一方のサイドフレームに、上記ローラ支
   持部材を上下させる昇降手段を設け、その昇降手段とロ
   ーラ支持部材との連結部を係脱自在としたことを特徴と
   するシングルフェーサにおけるベルトの交換装置。