JPH1066082A - 映像データ圧縮装置およびその方法 - Google Patents

映像データ圧縮装置およびその方法

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JPH1066082A
JPH1066082A JP21648196A JP21648196A JPH1066082A JP H1066082 A JPH1066082 A JP H1066082A JP 21648196 A JP21648196 A JP 21648196A JP 21648196 A JP21648196 A JP 21648196A JP H1066082 A JPH1066082 A JP H1066082A
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JP21648196A
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Takuya Kitamura
卓也 北村
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】見積もった圧縮映像データのデータ量に基づい
て圧縮率を調整して非圧縮映像データを圧縮符号化す
る。 【解決手段】量子化値生成部24は、エンコーダ18が
非圧縮映像データVINのn番目のピクチャーを圧縮符
号する間に、量子化制御回路180の量子化値Rn の平
均値を算出して量子化値Rn ’を生成し、エンコーダ1
62が非圧縮映像データVINの第n+L+1番目(L
はFIFOメモリ160が遅延するピクチャーの数)の
ピクチャーを圧縮符号化する際の量子化値Rn+L+1 ’と
して、エンコーダ162の量子化回路168に設定す
る。ホストコンピュータ20は、エンコーダ162が生
成した圧縮映像データのデータ量に基づいて目標データ
量T j を生成し、エンコーダ18は、圧縮映像データの
データ量が、目標データ量T j が示す値に近づくように
圧縮符号化処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非圧縮映像データ
を圧縮符号化する映像データ圧縮装置およびその方法に
関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】非圧
縮のディジタル映像データをMPEG(moving picture
experts group)等の方法により圧縮符号化して光磁気デ
ィスク(MOディスク;magneto-opticaldisc)等の記
録媒体に記録する際には、圧縮符号化後の圧縮映像デー
タのデータ量(ビット量)を、伸長復号後の映像の品質
を可能な限り高くしつつ、記録媒体の記録容量以下にす
る必要がある。この必要を満たすために、まず、非圧縮
映像データを予備的に圧縮符号化して圧縮符号化後のデ
ータ量を見積もり(1パス目)、次に、見積もったデー
タ量に基づいて圧縮率を調節し、圧縮符号化後のデータ
量が記録媒体の記録容量以下になるように圧縮符号化す
る(2パス目)方法が採られる(以下、このような圧縮
符号化方法を「2パスエンコード」とも記す)。
【0003】しかしながら、2パスエンコードにより圧
縮符号化を行うと、同じ非圧縮映像データに対して同様
な圧縮符号化処理を2回施す必要があり、時間がかかっ
てしまう。また、1回の圧縮符号化処理で最終的な圧縮
映像データを生成することができないために、撮影した
映像データをそのまま実時間的(リアルタイム)に圧縮
符号化し、記録することができない。
【0004】本発明は上述した従来技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、2パスエンコードによらずに所
定のデータ量以下に圧縮符号化した圧縮映像データを伸
長復号した場合に、高品質な映像を得ることができる映
像データ圧縮装置およびその方法を提供することを目的
とする。
【0005】また、本発明は、2パスエンコードによら
ずに、圧縮符号化後の圧縮映像データのデータ量を見積
もり、見積もった圧縮映像データのデータ量に基づいて
圧縮率を調節して非圧縮映像データを圧縮符号化するこ
とができる映像データ圧縮装置およびその方法を提供す
ることを目的とする。また、本発明は、2パスエンコー
ドによらずに、高精度に圧縮符号化後の圧縮映像データ
のデータ量を見積もりながら、非圧縮映像データを圧縮
符号化することができる映像データ圧縮装置およびその
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る映像データ圧縮装置は、入力される映
像データを、量子化処理を行う所定の圧縮方法により、
外部から設定される第1の量子化値を用いてピクチャー
ごとに圧縮し、第1の圧縮映像データを生成する第1の
圧縮手段と、前記映像データが所定の数のピクチャー入
力される時間だけ、前記映像データを遅延する遅延手段
と、前記映像データが所定の数のピクチャー入力される
間に生成した前記第1の圧縮映像データのデータ量に基
づいて、前記映像データを圧縮した後の圧縮映像データ
のデータ量の目標値をピクチャーごとに示す目標値デー
タを生成する目標値データ生成手段と、遅延した前記映
像データを、前記第1の圧縮手段の前記所定の圧縮方法
に対応し、量子化処理を行う所定の圧縮方法により、生
成した前記目標値データが示すデータ量になるようにピ
クチャーごとに圧縮し、第2の圧縮映像データを生成す
る第2の圧縮手段と、前記第2の圧縮手段の圧縮処理の
内容に応じて、前記第1の量子化値を生成し、前記第1
の圧縮手段に設定する第1の量子化値設定手段とを有す
る。
【0007】好適には、前記第1の圧縮手段の前記所定
の圧縮方法は、所定の処理を前記映像データに対して行
い、前記第1の量子化値を用いて量子化し、複数の種類
のピクチャーを所定の順番で含むように圧縮する第1の
圧縮方法であり、前記第2の圧縮手段の前記所定の圧縮
方法は、前記第1の圧縮方法と同じ所定の処理を前記映
像データに対して行い、前記第2の量子化値を用いて量
子化し、前記第1の圧縮方法と同じ複数の種類のピクチ
ャーを、前記第1の圧縮方法と同じ順番で含むように圧
縮する第2の圧縮方法である。
【0008】好適には、前記第1の圧縮手段は、外部か
らピクチャーごとに設定される前記第1の量子化値を用
いて、前記映像データを量子化する第1の量子化手段を
有し、前記第2の圧縮手段は、外部から設定される第2
の量子化値を用いて、遅延した前記映像データを量子化
する第2の量子化手段と、量子化した前記映像データの
データ量に基づいて、ピクチャーごとに、前記第2の圧
縮映像データのデータ量が、前記目標値データが示すデ
ータ量になるように前記第2の量子化値の値を調節して
前記第2の量子化値を順次、生成し、前記第2の量子化
手段に設定する第2の量子化値設定手段とを有する。
【0009】好適には、前記第1の量子化値設定手段
は、生成した前記第2の量子化値に基づいて、前記第1
の量子化値をピクチャーごとに生成する。
【0010】好適には、前記第1の量子化値設定手段
は、生成した前記第2の量子化値のピクチャーごとの平
均値に基づいて、前記第2の量子化値を生成する。
【0011】好適には、前記第1の量子化値設定手段
は、第2の圧縮映像データのピクチャーの種類ごとに分
けて前記第1の量子化値を生成し、前記第1の量子化値
のピクチャーの種類と、前記第1の圧縮手段が生成する
第1の圧縮映像データのピクチャーの種類とを合わせ
て、前記第1の量子化値を前記第1の量子化手段に設定
する。
【0012】本発明に係る映像データ圧縮装置におい
て、第1の圧縮手段は、外部に接続された編集装置ある
いはビデオテープレコーダ(VTR)装置等の映像処理
装置から入力される非圧縮映像データを、第1の圧縮方
法により、ピクチャーごとに圧縮符号化する(以下、
「圧縮符号化」を、単に「圧縮」とも記す)。第1の圧
縮手段としては、例えば、離散的コサイン変換(DC
T)処理し、第2の圧縮手段からフィードバック制御さ
れる第1の量子化値で量子化し、さらに可変長符号化し
て、圧縮後の映像データが、複数の種類のピクチャー
〔I(intra coded) フレーム、B(bidirectioally pred
ictive coded) ピクチャーおよびP(predictivecoded)
ピクチャー)〕の組み合わせを所定の順番(ピクチャー
タイプシーケンス)で含むように圧縮符号化するMPE
G(moving picture experts group)方式が用いられる。
なお、後述するように、第1の圧縮手段が生成した第1
の圧縮映像データのデータ量は、第2の圧縮手段が生成
する圧縮映像データ(第2の圧縮映像データ)のデータ
量を予測するために用いられる。
【0013】第1の圧縮手段が、第2の圧縮映像データ
のデータ量の予測のために必要な枚数のピクチャーの圧
縮映像データ(第1の圧縮映像データ)を生成すること
ができるように、遅延手段は、外部から入力される非圧
縮映像データを、所定数のピクチャーの分だけ遅延さ
せ、第2の圧縮手段に供給する。遅延手段が、非圧縮映
像データを上記所定数のピクチャーの分だけ遅延してい
る間に、目標量データ生成手段は、生成された第1の圧
縮映像データのデータ量に基づいて、第2の圧縮映像デ
ータのデータ量を予測し、第2の圧縮映像データの目標
値をピクチャーごとに示す目標値データを生成する。な
お、既に生成された第1の圧縮映像データのデータ量に
基づいて、未生成の第1の圧縮映像データのデータ量を
算出し、既に生成された第1の圧縮映像データのデータ
量と、算出した未生成の圧縮映像データのデータ量とに
基づいて、第2の圧縮映像データのデータ量の目標値を
生成するように目標量データ生成手段を構成することも
可能である。
【0014】第2の圧縮手段は、外部から入力される非
圧縮映像データを、第2の圧縮方法によりピクチャーご
とに圧縮する。第2の圧縮方法としては、例えば、第1
の圧縮方法と同様に、外部から入力される映像データ
を、DCT処理し、第2の圧縮映像データのピクチャー
それぞれのデータ量が、目標データ量が示すデータ量に
ほぼ等しくなるように、順次、値が調節される第1の量
子化値で量子化し、さらに可変長符号化して、圧縮後の
映像データ(第2の圧縮映像データ)のピクチャータイ
プシーケンスが、第1の圧縮方法と同じになるように圧
縮符号化するMPEG方式が用いられる。
【0015】第1の量子化値設定手段は、例えば、第2
の圧縮手段が、量子化処理段階で用いる第2の量子化値
の平均値を算出して第1の量子化値を生成し、第1の圧
縮手段にフィードバックする。このように、第1の量子
化値のフィードバックを行うことにより、第1の圧縮手
段が量子化処理に用いる第1の量子化値、および、目標
量データ生成手段が生成する第2の圧縮映像データのデ
ータ量の目標値が最適化され、この結果、第2の圧縮手
段が用いる第2の量子化値も最適化され、第2の圧縮映
像データの品質が向上する。
【0016】また、本発明に係る映像データ圧縮方法
は、入力される映像データを、量子化処理を行う所定の
圧縮方法により、外部から設定される第1の量子化値を
用いてピクチャーごとに圧縮し、第1の圧縮映像データ
を生成し、前記映像データが所定の数のピクチャー入力
される時間だけ、前記映像データを遅延し、前記映像デ
ータが所定の数のピクチャー入力される間に生成した前
記第1の圧縮映像データのデータ量に基づいて、前記映
像データを圧縮した後の圧縮映像データのデータ量の目
標値をピクチャーごとに示す目標値データを生成し、遅
延した前記映像データを、前記所定の圧縮方法に対応
し、量子化処理を行う所定の圧縮方法により、生成した
前記目標値データが示すデータ量になるようにピクチャ
ーごとに圧縮し、第2の圧縮映像データを生成し、前記
第2の圧縮映像データを生成する際の処理内容に応じ
て、前記第1の量子化値を生成する。
【0017】
【発明の実施の形態】第1実施形態 以下、本発明の第1の実施形態を説明する。MPEG方
式といった映像データの圧縮符号化方式により、高い周
波数成分が多い絵柄、あるいは、動きが多い絵柄といっ
た難度(difficulty)が高い映像データを圧縮符号化する
と、一般的に圧縮に伴う歪みが生じやすくなる。このた
め、難度が高い映像データは低い圧縮率で圧縮符号化す
る必要があり、難度が高いデータを圧縮符号化して得ら
れる圧縮映像データに対しては、難度が低い絵柄の映像
データの圧縮映像データに比べて、多くの目標データ量
を配分する必要がある。
【0018】このように、映像データの難度に対して適
応的に目標データ量を配分するためには、従来技術とし
て示した2パスエンコード方式が有効である。しかしな
がら、2パスエンコード方式は、実時間的な圧縮符号化
に不向きである。第1の実施形態として示す簡易2パス
エンコード方式は、かかる2パスエンコード方式の問題
点を解決するためになされたものであり、非圧縮映像デ
ータを予備的に圧縮符号化して得られる圧縮映像データ
の難度データから非圧縮映像データの難度を算出し、予
備的な圧縮符号化により算出した難度に基づいて、FI
FOメモリ等により所定の時間だけ遅延した非圧縮映像
データの圧縮率を適応的に制御することができる。
【0019】図1は、本発明に係る映像データ圧縮装置
1の構成を示す図である。図1に示すように、映像デー
タ圧縮装置1は、圧縮符号化部10およびホストコンピ
ュータ20から構成され、圧縮符号化部10は、エンコ
ーダ制御部12、動き検出器(motion estimator)14、
簡易2パス処理部16、第2のエンコーダ(encoder) 1
8から構成され、簡易2パス処理部16は、FIFOメ
モリ160および第1のエンコーダ162から構成され
る。なお、簡易2パス処理部16は、圧縮映像データの
データ量を予測するために用いられることから予測系と
も呼ばれ、エンコーダ18は、最終的な圧縮映像データ
を生成することから、本線系とも呼ばれる。映像データ
圧縮装置1は、これらの構成部分により、編集装置およ
びビデオテープレコーダ装置等の外部機器(図示せず)
から入力される非圧縮映像データVINに対して、上述
した簡易2パスエンコードを実現する。
【0020】映像データ圧縮装置1において、ホストコ
ンピュータ20は、映像データ圧縮装置1の各構成部分
の動作を制御する。また、ホストコンピュータ20は、
簡易2パス処理部16のエンコーダ162が非圧縮映像
データVINを予備的に圧縮符号化して生成した圧縮映
像データのデータ量、DCT処理後の映像データの直流
成分(DC成分)の値および直流成分(AC成分)の電
力値を制御信号C16を介して受け、受けたこれらの値
に基づいて圧縮映像データの絵柄の難度を算出する。さ
らに、ホストコンピュータ20は、算出した難度に基づ
いて、エンコーダ18が生成する圧縮映像データの目標
データ量Tj を制御信号C18を介してピクチャーごと
に割り当て、エンコーダ18の量子化回路166(図
3)に設定し、エンコーダ18の圧縮率をピクチャー単
位に適応的に制御する。
【0021】さらに具体例として、エンコーダ162が
生成する圧縮映像データのデータ量を、そのまま難度デ
ータとして用いる場合を例に、ホストコンピュータ20
の目標データ量Tj の算出動作を説明する。例えば、簡
易2パス処理部16のFIFOメモリ160が、非圧縮
映像データVINに対して、映像データ15ピクチャー
分の時間遅延を与え、エンコーダ18が6Mbpsの圧
縮映像データを生成する場合には、FIFOメモリ16
0にバッファリングされている15ピクチャー分の映像
データを、エンコーダ18が圧縮符号化した後の圧縮映
像データには、3Mビットのデータ量が割り当てられる
ことになる。
【0022】また、例えば、エンコーダ162が、固定
の量子化値(図3を参照して後述する)を用いて、下の
表1に示す通りのデータ量の圧縮映像データを生成した
場合、表1に示した15ピクチャー分の圧縮映像データ
のデータ量の総和は、1744380ビットとなる。こ
のような場合、ホストコンピュータ20は、エンコーダ
18に設定される目標データ量Tj を、各ピクチャーの
データ量(表1)それぞれに、3000000/174
4380を乗算して、下の表2に示す各ピクチャーの目
標データ量T j を算出する。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】エンコーダ制御部12は、非圧縮映像デー
タVINのピクチャーの有無をホストコンピュータ20
に通知し、さらに、非圧縮映像データVINのピクチャ
ーごとに圧縮符号化のための前処理を行う。つまり、エ
ンコーダ制御部12は、入力された非圧縮映像データを
符号化順に並べ替え、ピクチャー・フィールド変換を行
い、非圧縮映像データVINが映画の映像データである
場合に3:2プルダウン処理(映画の24フレーム/秒
の映像データを、30フレーム/秒の映像データに変換
し、冗長性を圧縮符号化前に取り除く処理)等を行い、
映像データS12として簡易2パス処理部16のFIF
Oメモリ160およびエンコーダ162に対して出力す
る。動き検出器14は、非圧縮映像データの動きベクト
ルの検出を行し、エンコーダ制御部12およびエンコー
ダ162,18に対して出力する。
【0026】簡易2パス処理部16において、FIFO
メモリ160は、エンコーダ制御部12から入力された
映像データS12を、例えば、非圧縮映像データVIN
が、L(Lは整数)ピクチャー入力される時間だけ遅延
し、遅延映像データS16としてエンコーダ18に対し
て出力する。
【0027】図2は、図1に示した簡易2パス処理部1
6のエンコーダ162の構成を示す図である。エンコー
ダ162は、例えば、図2に示すように、加算回路16
4、DCT回路166、量子化回路(Q)168、可変
長符号化回路(VLC)170、逆量子化回路(IQ)
172、逆DCT(IDCT)回路174、加算回路1
76および動き補償回路178から構成される一般的な
映像データ用圧縮符号化器であって、入力される映像デ
ータS12をMPEG方式等により圧縮符号化して、所
定のピクチャータイプシーケンスの圧縮映像データを生
成し、生成した圧縮映像データのピクチャーごとのデー
タ量等をホストコンピュータ20に対して出力する。
【0028】加算回路164は、加算回路176の出力
データを映像データS12から減算し、DCT回路16
6に対して出力する。DCT回路166は、加算回路1
64から入力される映像データを、例えば、16画素×
16画素のマクロブロック単位に離散コサイン変換(D
CT)処理し、時間領域のデータから周波数領域のデー
タに変換して量子化回路168に対して出力する。ま
た、DCT回路166は、DCT後の映像データのDC
成分の値およびAC成分の電力値をホストコンピュータ
20に対して出力する。
【0029】量子化回路168は、DCT回路166か
ら入力された周波数領域のデータを、固定の量子化値Q
で量子化し、量子化データとして可変長符号化回路17
0および逆量子化回路172に対して出力する。可変長
符号化回路170は、量子化回路168から入力された
量子化データを可変長符号化し、可変長符号化の結果と
して得られた圧縮映像データのデータ量を、制御信号C
16を介してホストコンピュータ20に対して出力す
る。逆量子化回路172は、可変長符号化回路168か
ら入力された量子化データを逆量子化し、逆量子化デー
タとして逆DCT回路174に対して出力する。
【0030】逆DCT回路174は、逆量子化回路17
2から入力される逆量子化データに対して逆DCT処理
を行い、加算回路176に対して出力する。加算回路1
76は、動き補償回路178の出力データおよび逆DC
T回路174の出力データを加算し、加算回路164お
よび動き補償回路178に対して出力する。動き補償回
路178は、加算回路176の出力データに対して、動
き検出器14から入力される動きベクトルに基づいて動
き補償処理を行い、加算回路176に対して出力する。
【0031】図3は、図1に示したエンコーダ18の構
成を示す図である。図3に示すように、エンコーダ18
は、図2に示したエンコーダ162に、量子化制御回路
180を加えた構成になっている。エンコーダ18は、
これらの構成部分により、ホストコンピュータ20から
設定される目標データ量Tj に基づいて、FIFOメモ
リ160によりLピクチャー分遅延された遅延映像デー
タS16に対して動き補償処理、DCT処理、量子化処
理および可変長符号化処理を施して、MPEG方式等の
エンコーダ162と同じピクチャータイプシーケンスの
圧縮映像データVOUTを生成し、外部機器(図示せ
ず)に出力する。
【0032】エンコーダ18において、量子化制御回路
180は、可変長符号化回路170が出力する圧縮映像
データVOUTのデータ量を順次、監視し、遅延映像デ
ータS16の第j番目のピクチャーから最終的に生成さ
れる圧縮映像データのデータ量が、ホストコンピュータ
20から設定された目標データ量Tj に近づくように、
順次、量子化回路168に設定する量子化値Rj を調節
する。また、可変長量子化回路170は、圧縮映像デー
タVOUTを外部に出力する他に、遅延映像データS1
6を圧縮符号化して得られた圧縮映像データVOUTの
実際のデータ量Sj を制御信号C18を介してホストコ
ンピュータ20に対して出力する。
【0033】以下、第1の実施形態における映像データ
圧縮装置1の簡易2パスエンコード動作を説明する。図
4(A)〜(C)は、第1の実施形態における映像デー
タ圧縮装置1の簡易2パスエンコードの動作を示す図で
ある。エンコーダ制御部12は、映像データ圧縮装置1
に入力された非圧縮映像データVINに対して、エンコ
ーダ制御部12により符号化順にピクチャーを並べ替え
る等の前処理を行い、図4(A)に示すように映像デー
タS12としてFIFOメモリ160およびエンコーダ
162に対して出力する。なお、エンコーダ制御部12
によるピクチャーの順番並べ替えにより、図4等に示す
ピクチャーの符号化の順番と伸長復号後の表示の順番と
は異なる。
【0034】FIFOメモリ160は、入力された映像
データS12の各ピクチャーをLピクチャー分だけ遅延
し、エンコーダ18に対して出力する。エンコーダ16
2は、入力された映像データS12のピクチャーを予備
的に順次、圧縮符号化し、第j(jは整数)番目のピク
チャーを圧縮符号化して得られた圧縮符号化データのデ
ータ量、DCT処理後の映像データのDC成分の値、お
よび、AC成分の電力値をホストコンピュータ20に対
して出力する。
【0035】例えば、エンコーダ18に入力される遅延
映像データS16は、FIFOメモリ160によりLピ
クチャーだけ遅延されているので、図4(B)に示すよ
うに、エンコーダ18が、遅延映像データS16の第j
(jは整数)番目のピクチャー(図4(B)のピクチャ
ーa)を圧縮符号化している際には、エンコーダ162
は、映像データS12の第j番目のピクチャーからLピ
クチャー分先の第(j+L)番目のピクチャー(図4
(B)のピクチャーb)を圧縮符号化していることにな
る。
【0036】従って、エンコーダ18が遅延映像データ
S16の第j番目のピクチャーの圧縮符号化を開始する
際には、エンコーダ162は映像データS12の第j番
目〜第(j+L−1)番目のピクチャー(図4(B)の
範囲c)の圧縮符号化を完了しており、これらのピクチ
ャーの圧縮符号化後の実難度データDj ,Dj+1 ,D
j+2 ,…,Dj+L-1 は、ホストコンピュータ20により
既に算出されている。
【0037】ホストコンピュータ20は、下に示す式1
により、エンコーダ18が遅延映像データS16の第j
番目のピクチャーを圧縮符号化して得られる圧縮映像デ
ータに割り当てる目標データ量Tj を算出し、算出した
目標データ量Tj を量子化制御回路180に設定する。
【0038】
【数1】
【0039】但し、式1において、Dj は映像データS
12の第j番目のピクチャーの実難度データであり、
R’j は、映像データS12,S16の第j番目〜第
(j+L−1)番目のピクチャーに割り当てることがで
きる目標データ量の平均であり、R’j の初期値(R’
1 )は、圧縮映像データの各ピクチャーに平均して割り
当て可能な目標データ量であり、下に示す式2で表さ
れ、エンコーダ18が圧縮映像データを1ピクチャー分
生成する度に、式3に示すように更新される。
【0040】
【数2】
【0041】
【数3】
【0042】なお、式3中の数値ビットレート(Bit rat
e)は、通信回線の伝送容量や、記録媒体の記録容量に基
づいて決められる1秒当たりのデータ量(ビット量)を
示し、ピクチャーレート(Picture rate)は、映像データ
に含まれる1秒当たりのピクチャーの数(30枚/秒
(NTSC),25枚/秒(PAL))を示し、数値F
j+L は、ピクチャータイプに応じて定められるピクチャ
ー当たりの平均データ量を示す。エンコーダ18のDC
T回路166は、入力される遅延映像データS16の第
j番目のピクチャーをDCT処理し、量子化回路168
に対して出力する。量子化回路168は、DCT回路1
66から入力された第j番目のピクチャーの周波数領域
のデータを、量子化制御回路180が目標データ量Tj
に基づいて調節する量子化値Rj により量子化し、量子
化データとして可変長符号化回路170に対して出力す
る。可変長符号化回路170は、量子化回路168から
入力された第j番目のピクチャーの量子化データを可変
長符号化して、ほぼ、目標データ量Tj に近いデータ量
の圧縮映像データVOUTを生成して出力する。
【0043】同様に、図4(B)に示すように、エンコ
ーダ18が、遅延映像データS16の第(j+1)番目
のピクチャー(図4(C)のピクチャーa’)を圧縮符
号化している際には、エンコーダ162は、映像データ
S12の第(j+1)番目〜第(j+L)番目のピクチ
ャー(図4(C)の範囲c’)の圧縮符号化を完了し、
これらのピクチャーの実難度データDj+1 ,Dj+2 ,D
j+3 ,・・・,Dj+Lは、ホストコンピュータ20によ
り既に算出されている。
【0044】ホストコンピュータ20は、式1により、
エンコーダ18が遅延映像データS16の第(j+1)
番目のピクチャーを圧縮符号化して得られる圧縮映像デ
ータに割り当てる目標データ量Tj+1 を算出し、エンコ
ーダ18の量子化制御回路180に設定する。
【0045】エンコーダ18は、ホストコンピュータ2
0から量子化制御回路180に設定された目量データ量
j に基づいて第(j+1)番目のピクチャーを圧縮符
号化し、目標データ量Tj+1 に近いデータ量の圧縮映像
データVOUTを生成して出力する。さらに以下、同様
に、映像データ圧縮装置1は、遅延映像データS16の
第k番目のピクチャーを、量子化値Qk (k=j+2,
j+3,…)をピクチャーごとに変更して順次、圧縮符
号化し、圧縮映像データVOUTとして出力する。
【0046】以上説明したように、第1の実施形態に示
した映像データ圧縮装置1によれば、短時間で非圧縮映
像データVINの絵柄の難度を算出し、算出した難度に
応じた圧縮率で適応的に非圧縮映像データVINを圧縮
符号化することができる。つまり、第1の実施形態に示
した映像データ圧縮装置1によれば、2パスエンコード
方式と異なり、ほぼ実時間的に、非圧縮映像データVI
Nの絵柄の難度に基づいて適応的に非圧縮映像データV
INを圧縮符号化をすることができ、実況放送といった
実時間性を要求される用途に応用可能である。なお、第
1の実施形態に示した他、本発明に係るデータ多重化装
置1は、エンコーダ162が圧縮符号化した圧縮映像デ
ータのデータ量を、そのまま難度データとして用い、ホ
ストコンピュータ20の処理の簡略化を図る等、種々の
構成を採ることができる。
【0047】第2実施形態 第1の実施形態に示した簡易2パスエンコード方式によ
れば、実時間かつ、絵柄の難度に応じた適応的な非圧縮
映像データに対する圧縮符号化処理が可能である。しか
しながら、第1の実施形態に示した簡易2パスエンコー
ド方式を用いた場合、実時間性が厳しく要求される場合
には、FIFOメモリ160の遅延時間を大きくするこ
とができず、真に適切な目標データ量Tj の算出が難し
く、圧縮映像データVOUTを伸長復号して得られる映
像の品質が低下してしまう可能性がある。
【0048】第2の実施形態においては、第1の実施形
態に示した映像データ圧縮装置1(図1)を用い、ホス
トコンピュータ20の処理内容を変更して、FIFOメ
モリ160の遅延時間を長くしなくても適切な目標デー
タ量Tj の値を得ることができるように、非圧縮映像デ
ータをLピクチャー分、予備的に圧縮符号化して得られ
た圧縮映像データの第j番目のピクチャー〜第(j+L
−1)番目のピクチャーの実難度データDj 〜Dj+L-1
から、圧縮映像データの第(j+L)番目のピクチャー
〜第(j+L+B)番目のピクチャー(Bは整数)の難
度データ(予測難度データ)Dj+L 〜Dj+L+B を算出
し、実際に得られた難度データDj 〜Dj+ L-1 (実難度
データ)および予測によって得られた難度データD’
j+L 〜D’j+ L+B に基づいて、第1の実施形態に示した
簡易2パスエンコード方式よりも適切な目標データ量T
j の値を得ることができる圧縮符号化方式(予測簡易2
パスエンコード方式)を説明する。
【0049】まず、第2の実施形態で説明する予測簡易
2パスエンコード方式を概念的に説明する。予測簡易2
パスエンコード方式は、徐々に絵柄が難しくなってゆ
く、つまり、徐々に圧縮符号化時のDCT処理後の高い
周波数成分が多くなり、動きが速くなってゆく非圧縮映
像データの絵柄は、さらに難しくなってゆき、逆に、徐
々に絵柄が難しくなくなって(簡単になって)ゆく非圧
縮映像データの絵柄は、さらに簡単になってゆくであろ
うと予測可能であることを前提する。
【0050】つまり、予測簡易2パスエンコード方式
は、ホストコンピュータ20が、この前提に基づいて、
さらに絵柄が難しくなってゆくと予測される場合には、
さらに絵柄が難しいピクチャーに備えて、その時点で圧
縮符号化しているピクチャーに割り当てる目標データ量
を節約し、逆に、さらに絵柄が簡単になってゆくと予測
される場合には、その時点で圧縮符号化しているピクチ
ャーに割り当てる目標データ量を増やすようにエンコー
ダ18に対する圧縮率の制御を行う。
【0051】さらに、予測簡易2パスエンコード方式の
概念的な説明を続ける。映像データは、一般的に、時間
方向および空間方向について相関性が高く、映像データ
の圧縮符号化は、これらの相関性に着目し、冗長性を除
くことにより行われる。時間方向について相関性が高い
ということは、現時点の非圧縮映像データのピクチャー
の難度とそれ以降の非圧縮映像データのピクチャーの難
度とが近いということを意味する。また、難度の増減の
傾向も、現時点までの難度の増減の傾向がそれ以降も続
くことが多い。
【0052】具体例を挙げると、カメラが静止状態から
ゆっくりとカメラを水平方向に回し初め、最後に一定の
回転速度で回転しながら、静止している物体を撮影する
場合の非圧縮映像データの絵柄を考える。最初はカメラ
が停止状態であるため、静止映像が撮影され、絵柄の難
度は低くなる。次に、カメラを回し始めて1〜2秒後に
一定の回転速度になると仮定すると、カメラを回し始め
て1〜2秒間は絵柄の難度は高くなる傾向を示す。この
状態を、映像データ圧縮装置1側から見ると、数GOP
分の圧縮映像データを生成する間、入力される非圧縮映
像データの絵柄の難度が高くなる傾向が続くことにな
る。
【0053】従って、この具体例に示したような場合に
は、非圧縮映像データの絵柄の難度が増大傾向を示した
場合に、それ以降の絵柄の難度が増大傾向を示すと予測
するのは妥当である。以下に説明する予測簡易2パスエ
ンコード方式は、このような難度および難度の増減傾向
の時間的相関性を積極的に利用して、圧縮映像データの
各ピクチャーに対して、第1の実施形態に示した簡易2
パスエンコード方式においてよりも適切な目標データ量
の割り当てを行おうとするものである。
【0054】以下、第2の実施形態における映像データ
圧縮装置1の予測簡易2パスエンコードの動作を説明す
る。図5(A)〜(C)は、第2の実施形態における映
像データ圧縮装置1の予測簡易2パスエンコードの動作
を示す図である。エンコーダ制御部12は、第1の実施
形態においてと同様に、映像データ圧縮装置1に入力さ
れた非圧縮映像データVINに対して、エンコーダ制御
部12により符号化順にピクチャーを並べ替える等の前
処理を行い、図5(A)に示すように映像データS12
としてFIFOメモリ160およびエンコーダ162に
対して出力する。
【0055】FIFOメモリ160は、第1の実施形態
においてと同様に、入力された映像データS12の各ピ
クチャーをLピクチャー分だけ遅延し、エンコーダ18
に対して出力する。エンコーダ162は、第1の実施形
態においてと同様に、入力された映像データS12のピ
クチャーを予備的に順次、圧縮符号化し、第j(jは整
数)番目のピクチャーを圧縮符号化して得られた圧縮符
号化データのデータ量、DCT処理後の映像データのD
C成分の値およびAC成分の電力値をホストコンピュー
タ20に対して出力する。ホストコンピュータ20は、
エンコーダ162から入力されたこれらの値に基づい
て、実難度データDj を順次、算出する。
【0056】例えば、エンコーダ18に入力される遅延
映像データS16は、FIFOメモリ160によりLピ
クチャーだけ遅延されているので、図5(B)に示すよ
うに、エンコーダ18が、遅延映像データS16の第j
番目のピクチャー(図5(B)のピクチャーa)を圧縮
符号化している際には、エンコーダ162は、第1の実
施形態においてと同様に、映像データS12の第j番目
のピクチャーからLピクチャー分先の第(j+L)番目
のピクチャー(図5(B)のピクチャーb)を圧縮符号
化していることになる。
【0057】従って、エンコーダ18が遅延映像データ
S16の第j番目のピクチャーの圧縮符号化を開始する
際には、エンコーダ162は映像データS12の第(j
−A)番目〜第(j+L−1)番目のピクチャー(図5
(B)の範囲c、但し、図5はA=0の場合を示す)の
圧縮符号化を完了し、これらのピクチャーの圧縮符号化
後のデータ量、および、DCT処理後の映像データのD
C成分の値およびAC成分の電力値をホストコンピュー
タ20に対して出力している。ホストコンピュータ20
は、エンコーダ162から入力されたこれらの値に基づ
いて、難度データ(実難度データ、図5(B)の範囲
d)Dj-A ,Dj-A+1 ,…,Dj ,Dj+1,Dj+2
…,Dj+L-1 の算出を既に終了している。なお、Aは整
数であり、正負を問わない。
【0058】ホストコンピュータ20は、実難度データ
j-A ,Dj-a+1 ,…,Dj ,Dj+ 1 ,Dj+2 ,…,D
j+L-1 に基づいて、映像データS12の第(j+L)番
目〜第(j+L+B)番目のピクチャーの圧縮符号化後
の難度データ(予測難度データ、図5(B)の範囲e)
D’j+L ,D’j+L+1 ,D’j+L+2 ,…,D’j+L+B
予測し、下に示す式4により、遅延映像データS16の
第j番目のピクチャーの圧縮符号化後の目標データ量T
j を算出する。従って、遅延映像データS16の第j番
目のピクチャーの圧縮符号化後の目標データ量Tj を算
出するために、実難度データと予測難度データとを含め
て、図5(B)の範囲cの(A+L+B+1)ピクチャ
ー分の難度データを用いることになる。なお、実難度デ
ータに基づいて予測難度データを算出する方法は、第5
の実施形態以降に詳述する。
【0059】
【数4】
【0060】なお、式4の各記号は、式1の各記号に同
じである。エンコーダ18は、第1の実施形態と同様
に、ホストコンピュータ20により量子化制御回路18
0に設定された目標データ量Tj に基づいて、目標デー
タ量Tj に近いデータ量の圧縮映像データVOUTを生
成して出力する。さらに、ホストコンピュータ20は、
図5(B)に示した動作と同様に、遅延映像データS1
6の第(j+1)番目のピクチャー(図5(C)のピク
チャーa’)に対しても、映像データS12の第(j+
L+1)番目のピクチャー(図5(C)のピクチャー
b’)以前の図5(C)の範囲d’の実難度データD
j-A+1,Dj-A+2 ,…,Dj ,Dj+1 ,Dj+2 ,…,D
j+L 、および、図5(C)の範囲e’に示す予測難度デ
ータ、D’j+L+1 ,D’j+L+2 ,D’j+L+3 ,…,D’
j+L+B+1 、つまり、図5(C)の範囲c’に示す実難度
データと予測難度データとに基づいて、遅延映像データ
S16の第(j+1)番目のピクチャーの圧縮符号化後
の目標データ量Tj+1 を算出する。エンコーダ18は、
ホストコンピュータ20が算出した目量データ量Tj+1
に基づいて、遅延映像データS16の第(j+1)番目
のピクチャーを圧縮符号化し、目標データ量Tj+1 に近
いデータ量の圧縮符号化データVOUTを生成する。な
お、以上の映像データ圧縮装置1の予測簡易2パスエン
コード動作は、遅延映像データS16の第(j+1)番
目のピクチャーに対しても同様である。
【0061】以下、図6を参照して、第2の実施形態に
おける映像データ圧縮装置1の動作を整理して説明す
る。図6は、第2の実施形態における映像データ圧縮装
置1(図1)の動作を示すフローチャートである。図6
に示すように、ステップ102(S102)において、
ホストコンピュータ20は、式1等に用いられる数値
j,R’1 を、j=−(L−1),R’1 =(Bit rate
×(L+B))/Picture rate として初期化する。
【0062】ステップ104(S104)において、ホ
ストコンピュータ20は、数値jが0より大きいか否か
を判断する。数値jが0より大きい場合にはS106の
処理に進み、小さい場合にはS110の処理に進む。ス
テップ106(S106)において、エンコーダ162
は、映像データS12の第(j+L)番目のピクチャー
を圧縮符号化し、実難度データDj+L を生成する。ステ
ップ108(S108)において、ホストコンピュータ
20は数値jをインクリメントする(j=j+1)。ス
テップ110(S110)において、ホストコンピュー
タ20は、遅延映像データS16に第j番目のピクチャ
ーが存在するか否かを判断する。第j番目のピクチャー
が存在する場合にはS112の処理に進み、存在しない
場合には圧縮符号化処理を終了する。
【0063】ステップ112(S112)において、ホ
ストコンピュータ20は、数値jが数値Aよりも大きい
か否かを判断する。数値jが数値Aよりも大きい場合に
はS114の処理に進み、小さい場合にはS116の処
理に進む。ステップ114(S114)において、ホス
トコンピュータ20は、実難度データDj-A 〜Dj+L-1
に基づいて、予測難度データD’j+L 〜D’j+L+B を算
出する。ステップ116(S116)において、ホスト
コンピュータ20は実難度データD1 〜Dj+L-1 から、
予測難度データD’j+L 〜D’j+L+B を算出する。
【0064】ステップ118(S118)において、ホ
ストコンピュータ20は、式4を用いて目標データ量T
j を算出し、エンコーダ18の量子化制御回路180に
設定する。さらに、エンコーダ18は、量子化制御回路
180に設定された目標データ量Tj に基づいて遅延映
像データS16の第j番目のピクチャーを圧縮符号化
し、第j番目のピクチャーから実際に得られた圧縮映像
データのデータ量Sj をホストコンピュータ20に対し
て出力する。ステップ120(S120)において、ホ
ストコンピュータ20は、エンコーダ18からのデータ
量Sj を記憶し、さらに、映像データS12の第(j+
L)番目のピクチャーの実難度データDj+L を出力す
る。
【0065】ステップ122(S122)において、エ
ンコーダ18は、遅延映像データS16の第j番目を圧
縮符号化して得られた圧縮映像データVOUTを外部に
出力する。ステップ124(S124)において、ホス
トコンピュータ20は、ピクチャータイプに応じて、式
3中に用いられる数値Fj+L を算出する。ステップ12
6(S126)において、ホストコンピュータ20は、
式3に示した演算(R’j+1 =R’j −Sj +Fj+L
を行う。
【0066】以上説明したように、第2の実施形態に示
した映像データ圧縮装置1による予測簡易2パスエンコ
ードによれば、短時間で非圧縮映像データVINの絵柄
の難度を算出し、算出した難度に基づいて予測した難度
をさらに用いて適応的に非圧縮映像データVINを圧縮
符号化することができ、簡易2パスエンコード方式に比
べて、より適切な目標データ量を圧縮映像データの各ピ
クチャーに割り当てることが可能である。従って、予測
簡易2パスエンコード方式による圧縮映像データを伸長
復号した場合、簡易2パスエンコード方式による圧縮映
像データを伸長復号した場合に比べて、より高品質な映
像を得ることができる。
【0067】第3実施形態 以下、本発明の第3の実施形態を説明する。エンコーダ
162およびエンコーダ18(図1)は、MPEG方式
等により、非圧縮映像データを、複数のIピクチャー(i
ntra coded picture) 、Bピクチャー(bi-directionaly
coded picture) およびPピクチャー(predictive code
d picture)またはこれらの組み合わせから構成されるG
OP(group of pictures) 単位に圧縮符号化する。この
ため、第1の実施形態に示した簡易2パスエンコード方
式も、GOPの枠内に区切って行うのが便利である。第
3の実施形態においては、映像データ圧縮装置1(図
1)を用い、GOPの枠内で行う簡易2パスエンコード
方式を説明する。
【0068】図7(A)〜(C)は、第3の実施形態に
おいて、本発明に係る映像データ圧縮装置1がGOPの
枠内で行う簡易2パスエンコード方式を示す図である。
なお、図7においては、最初のGOPの最初のピクチャ
ーを1番目のピクチャーとして示している。
【0069】図7(A)に示すように、エンコーダ制御
部12は、第1の実施形態と同様に、入力される非圧縮
映像データVINに含まれるピクチャーの順番を並び替
え、FIFOメモリ160およびエンコーダ162に対
して出力する。FIFOメモリ160は、入力された映
像データS12の各ピクチャーをNピクチャー分(L=
N、Nは整数)つまり、1GOP分だけ遅延し、エンコ
ーダ18に対して出力する。エンコーダ162は、入力
された映像データS12のピクチャーを予備的に順次、
圧縮符号化し、第j(jは整数)番目のピクチャーを圧
縮符号化して得られた圧縮符号化データのデータ量、D
CT後の映像データのDC成分の値およびAC成分の電
力値を順次、ホストコンピュータ20に対して出力す
る。
【0070】例えば、エンコーダ18に入力される遅延
映像データS16は、FIFOメモリ160によりNピ
クチャーだけ遅延されているので、図7(B)に示すよ
うに、エンコーダ18が、遅延映像データS16の第j
番目のピクチャー(図7(B)のピクチャーa)を圧縮
符号化している際には、エンコーダ162は、映像デー
タS12の第j番目のピクチャーからNピクチャー分先
の第(j+N)番目のピクチャー(図7(B)のピクチ
ャーb)を圧縮符号化していることになる。
【0071】しかし、第3の実施形態においては、映像
データ圧縮装置1はGOPの枠内で簡易2パスエンコー
ドを行うので、ホストコンピュータ20は、エンコーダ
18が遅延映像データS16の第j番目のピクチャーの
圧縮符号化を開始する際に、エンコーダ162が圧縮符
号化を完了している映像データS12の第j番目のピク
チャー〜第(j+N−1)番目のピクチャーの内、第j
番目〜第N番目のピクチャー(図7(B)の範囲c)の
圧縮符号化後の実難度データ(図7(B)の範囲d)D
j ,Dj+1 ,…,DN を用いて目標データ量Tj を、下
に示す式5により算出し、エンコーダ18の量子化制御
回路180に設定する。
【0072】
【数5】
【0073】ただし、式5中のR”j は、GOPに割り
当てられた目標データ量から、遅延映像データS16の
同一GOP内の第1番目のピクチャー〜第(j−1)番
目のピクチャーに対する圧縮符号化で既に実際に使用さ
れたデータ量を減算した値、つまり、同一GOPの残り
のピクチャーの圧縮映像データに割り当てられるべき目
標データ量である。従って、R”j は、下に示す式6に
より求められる。
【0074】
【数6】
【0075】従って、GOPの最初のピクチャーを圧縮
符号化する場合のR”1 (j=1)は、下に示す式7に
より、求められる。
【0076】
【数7】
【0077】ただし、式7において、Gは1つのGOP
に割り当てられる固定データ量(G=(Bit rate ×N)/P
icture rate )であり、RN (j=N)の初期値は0で
ある。
【0078】エンコーダ18は、第1の実施形態と同様
に、量子化制御回路180にホストコンピュータ20か
ら設定された目標データ量Tj に基づいて、データ量が
目量データ量Tj に近い圧縮映像データVOUTを生成
して出力する。さらに、ホストコンピュータ20は、図
7(B)に示した動作と同様に、遅延映像データS16
の第(j+1)番目のピクチャー(図7(C)のピクチ
ャーa’)に対しても、映像データS12の第N番目の
ピクチャー以前の図7(C)の範囲d’の実難度データ
j+1 ,Dj+2 ,…,DN 、つまり、図7(C)の範囲
c’に示す難度データに基づいて、遅延映像データS1
6の第(j+1)番目のピクチャーの圧縮符号化後の目
標データ量Tj+1 を算出する。エンコーダ18は、ホス
トコンピュータ20が算出した目標データ量Tj+1 に基
づいて、遅延映像データS16の第(j+1)番目のピ
クチャーを圧縮符号化し、目標データ量T j+1 の圧縮符
号化データVOUTを生成する。なお、以上の映像デー
タ圧縮装置1の簡易2パスエンコード動作は、遅延映像
データS16の第(j+1)番目のピクチャーに対して
も同様である。
【0079】以上説明したように、第3の実施形態に示
した映像データ圧縮装置1による簡易2パスエンコード
によれば、GOPの枠内で簡易2パスエンコードを行う
ことができるので、処理内容が簡単で、処理時間が短く
てすむ。従って、実時間性を要求される実況中継の非圧
縮映像データを圧縮符号化するために適しており、しか
も、映像データ圧縮装置1の構成を簡単かつ安価に構成
することができる。
【0080】第4実施形態 以下、本発明の第4の実施形態を説明する。第4の実施
形態においては、映像データ圧縮装置1(図1)による
GOPの枠内に区切って行う予測簡易2パスエンコー
ド、つまり、同じエンコーダ18が遅延映像データS1
6の第j番目のピクチャーの圧縮符号化を行う際に、同
一のGOPの各ピクチャーの実難易データ、および、次
のGOPについて予測した予測難易データを用いて目標
データ量Tj を算出し、エンコーダ18の量子化制御回
路180に設定して圧縮符号化を行う方法を説明する。
【0081】図8(A)〜(C)は、第4の実施形態に
おいて、本発明に係る映像データ圧縮装置1がGOPの
枠内で行う予測簡易2パスエンコード方式を示す図であ
る。なお、図8においては、GOPの最初のピクチャー
を1番目のピクチャーとして示している。
【0082】図8(A)に示すように、エンコーダ制御
部12は、第1の実施形態と同様に、入力される非圧縮
映像データVINに含まれるピクチャーの順番を並び替
え、FIFOメモリ160およびエンコーダ162に対
して出力する。FIFOメモリ160は、入力された映
像データS12の各ピクチャーをNピクチャー分つま
り、1GOP分だけ遅延し、エンコーダ18に対して出
力する。エンコーダ162は、入力された映像データS
12のピクチャーを予備的に順次、圧縮符号化し、第j
(jは整数)番目のピクチャーを圧縮符号化して得られ
た圧縮符号化データのデータ量、DCT後の映像データ
のDC成分の値およびAC成分の電力値を順次、ホスト
コンピュータ20に対して出力する。ホストコンピュー
タ20は、これらの値から実難度データDj を算出す
る。
【0083】例えば、エンコーダ18に入力される遅延
映像データS16は、FIFOメモリ160によりNピ
クチャーだけ遅延されているので、図8(B)に示すよ
うに、エンコーダ18が、遅延映像データS16の第j
番目のピクチャー(図8(B)のピクチャーa)を圧縮
符号化している際には、エンコーダ162は、映像デー
タS12の第j番目のピクチャーからNピクチャー分先
の第(j+N)番目のピクチャー(図8(B)のピクチ
ャーb)を圧縮符号化していることになる。
【0084】しかし、第4の実施形態においては、映像
データ圧縮装置1はGOPの枠内で簡易2パスエンコー
ドを行うので、ホストコンピュータ20は、エンコーダ
18が遅延映像データS16の第j番目のピクチャーの
圧縮符号化を開始する際に、エンコーダ162が圧縮符
号化を完了している映像データS12の第j番目のピク
チャー〜第(j+N−1)番目のピクチャーの内、第j
番目〜第(j+N−1)番目のピクチャー(図8(B)
の範囲c)の圧縮符号化後の難度データ(図8(B)の
範囲d)を実難度データDj ,Dj+1 ,…,Dj+N-1
して用い、さらに、同じGOPの第(j+1)番目のピ
クチャー〜次のGOPの最後のピクチャー(第2N番目
のピクチャー)までの予測難度データD’j+N ,D’
j+N+1 ,…,D’2Nを算出し、実難度データおよび予測
難度データに基づいて目標データ量Tj を、下に示す式
8により算出し、エンコーダ18の量子化制御回路18
0に設定する。
【0085】
【数8】
【0086】ただし、式8中において、j=1,2,
…,Nであり、R" j は、2個のGOPに割り当てられ
た目標データ量から、2個のGOP内の遅延映像データ
S16の第1番目のピクチャー〜第(j−1)番目のピ
クチャーに対する圧縮符号化で既に実際に使用されたデ
ータ量を減算した値、つまり、2個のGOPの残りのピ
クチャーの圧縮映像データに割り当てられるべき目標デ
ータ量である。従って、R”j は、下に示す式9により
求められる。
【0087】
【数9】
【0088】従って、図8の最初のGOPの最初のピク
チャーを圧縮符号化する場合のR” 1 (j=1)は、下
に示す式10により、求められる。
【0089】
【数10】
【0090】ただし、式10のR”N の初期値はGであ
る。
【0091】エンコーダ18は、第2の実施形態と同様
に、量子化制御回路180にホストコンピュータ20か
ら設定された目標データ量Tj に基づいて、データ量が
目標データ量Tj に近い圧縮映像データVOUTを生成
して出力する。さらに、ホストコンピュータ20は、図
8(B)に示した動作と同様に、遅延映像データS16
の第(j+1)番目のピクチャー(図8(C)のピクチ
ャーa’)に対しても、映像データS12の第(j+
N)番目のピクチャー以前の図8(C)の範囲d’の実
難度データDj+2 ,Dj+3 ,…,DN+1 つまり、図8
(C)の範囲c’に示す実難度データ、および、映像デ
ータS12の第(j+N+1)番目のピクチャー〜第2
N番目のピクチャーの予測難度データに基づいて、遅延
映像データS16の第(j+1)番目のピクチャーの圧
縮符号化後の目標データ量Tj+1 を算出する。
【0092】エンコーダ18は、ホストコンピュータ2
0が算出した目量データ量Tj+1 に基づいて、遅延映像
データS16の第(j+1)番目のピクチャーを圧縮符
号化し、目標データ量Tj+1 の圧縮符号化データVOU
Tを生成する。なお、以上の映像データ圧縮装置1の簡
易2パスエンコード動作は、遅延映像データS16の第
(j+1)番目のピクチャーに対しても同様である。
【0093】以下、図9を参照して、第4の実施形態に
おける映像データ圧縮装置1の動作を説明する。図9
は、第4の実施形態における映像データ圧縮装置1の動
作を示すフローチャートである。
【0094】図9に示すように、ステップ202(S2
02)において、ホストコンピュータ20は、数値GO
count ,RN を0クリアする(GOPcount ,RN
0)。ステップ204(S204)において、ホストコ
ンピュータ20は、数値GOPcount が0であるか否か
を判断する。数値GOPcount が0である場合には、ホ
ストコンピュータ20はS206の処理に進み、0でな
い場合にはS210の処理に進む。
【0095】ステップ206(S206)において、映
像データS12の第(j+N)番目のピクチャーを圧縮
符号化し、結果として得られた圧縮映像データのデータ
量、DCT処理後の映像データのDC成分の値およびA
C成分の電力値をホストコンピュータ20に対して出力
する。ステップ208(S208)において、ホストコ
ンピュータ20は、数値jがNであって、j=1である
場合に、数値GOPcount をインクリメントし、数値
R”1 をG+R”N (R”1 =G+R”N ;式7)と
し、これ以外の場合には数値jをインクリメントし、数
値R”j をR”j-1 −Sj (R”j =R”j-1 −S j
式6)とする。
【0096】ステップ210(S210)において、ホ
ストコンピュータ20は、遅延映像データS16に第j
番目のピクチャーが存在するか否かを判断する。第j番
目のピクチャーが存在する場合にはS212の処理に進
み、存在しない場合には圧縮符号化処理を終了する。ス
テップ212(S212)において、ホストコンピュー
タ20は、実難度データDj 〜Dj+N-1 から予測難度デ
ータD’j+N 〜D’2Nを算出する。ステップ214(S
124)において、ホストコンピュータ20は、実難度
データDj 〜Dj+N-1 および予測難度データD’j+N
D’2Nを用いて目標データ量Tj を算出し、エンコーダ
18の量子化制御回路180に設定する。エンコーダ1
8は、設定された目標データ量Tj を用いて遅延映像デ
ータS16の第j番目のピクチャーを圧縮符号化する。
【0097】ステップ216(S216)において、エ
ンコーダ18は、遅延映像データS16の第j番目のピ
クチャーを圧縮符号化して得られた圧縮映像データのデ
ータ量Sj をホストコンピュータ20に対して出力し、
ホストコンピュータ20はデータ量Sj を記憶する。エ
ンコーダ162は、映像データS12の第(j+N)番
目のピクチャーを圧縮符号化し、結果として得られた映
像データのデータ量、DCT処理後の映像データのDC
成分の値およびAC成分の電力値をホストコンピュータ
20に対して出力する。ホストコンピュータ20は、こ
れらの値に基づいて、実難度データDj+N を算出する。
ステップ218(S218)において、エンコーダ18
は、遅延映像データS16の第j番目の圧縮映像データ
VOUTを外部に出力する。
【0098】以上説明したように、第4の実施形態に示
した映像データ圧縮装置1によるGOPの枠内での予測
簡易2パスエンコードは、第3の実施形態に示したGO
Pの枠内での簡易2パスエンコードに比べ、より適切な
目標データ量Tj を算出することができるので、圧縮符
号化の結果として得られる圧縮映像データVOUTを伸
長復号した映像の品質を高めることができる。しかも、
第2の実施形態に示したGOPの枠に納まらない予測簡
易2パスエンコードに比べて処理内容が簡単で、処理時
間が短くてすみ、実時間性を要求される実況中継の非圧
縮映像データを圧縮符号化するために適しており、しか
も、映像データ圧縮装置1の構成を簡単かつ安価に構成
することができる。
【0099】第5実施形態 以下、本発明の第5の実施形態として、実難度データに
基づいて予測難度データを、単純な直線予測により算出
する方法を説明する。なお、同一GOPに複数の種類の
ピクチャータイプが混在していると、難度データの予測
が複雑化する。従って、説明の便宜上、第5の実施形態
においては、GOPに含まれるピクチャーが全てIピク
チャーであり、実難度データと予測難度データがそれぞ
れ15(L+A,B=15)である場合を例に説明す
る。
【0100】図10は、第5の実施形態において、直線
予測により実難度データから予測難度データを算出する
方法を例示する図である。なお、図10には、上述のよ
うに、実難度データと、実難度データから算出される予
測難度データがそれぞれ15(L+A,B=15)であ
る場合を示してある。
【0101】エンコーダ制御部12は、第1の実施形態
と同様に、入力される非圧縮映像データVINに含まれ
るピクチャーの順番を並び替え、FIFOメモリ160
およびエンコーダ162に対して出力する。FIFOメ
モリ160は、入力された映像データS12の各ピクチ
ャーを15ピクチャー分(L+A=15)つまり、1G
OP分だけ遅延し、エンコーダ18に対して出力する。
エンコーダ162は、まず、図10中に○印を付して示
すように、入力された映像データS12のピクチャーを
予備的に順次、圧縮符号化し、第1番目のピクチャー〜
第15番目のピクチャーを圧縮符号化して得られた圧縮
符号化データのデータ量、DCT処理後の映像データの
DC成分の値およびAC成分の電力値をホストコンピュ
ータ20に対して順次、出力する。ホストコンピュータ
20は、これらの値に基づいて、実難度データD1 〜D
15を順次、算出する。
【0102】ホストコンピュータ20は、算出した実難
度データD1 〜D15の平均値D”を、下に示す式11に
より算出する。
【0103】
【数11】
【0104】つぎに、ホストコンピュータ20は、下に
示す式12により、15個の実難度データD1 〜D15
中心のデータ、つまり、実難度データD8 が平均値D”
で、傾きがaの、下に示す式13により仮の予測難度デ
ータD1 ’〜D’15を算出し、式13により誤差関数E
(a)を求める。
【0105】
【数12】
【0106】
【数13】
【0107】さらに、ホストコンピュータ20は、式1
3に示した誤差関数E(a)を最小にする傾きaを求め
る。ホストコンピュータ20は、このように求めた傾き
aを式12に代入し、図10中に×印で示す予測難度デ
ータD’16〜D’30を算出する。以上のようにホストコ
ンピュータ20は、予測難度データD’16〜D’30を算
出し、第2の実施形態および第3の実施形態に示したよ
うに、算出した予測難度データD16’〜D30’を用いて
目標データ量T1 を算出する。
【0108】さらに、ホストコンピュータ20は、エン
コーダ18が第1のピクチャーから生成する圧縮映像デ
ータのデータ量を目標データ量T1 とするための量子化
値Q 1 を算出し、エンコーダ18の量子化回路166に
設定する。エンコーダ18は、ホストコンピュータ20
から設定された量子化値Q1 を用いて遅延映像データS
16の第1のピクチャーを圧縮符号化し、圧縮映像デー
タVOUTとして出力する。以上のように、ホストコン
ピュータ20は、各ピクチャーに対する目標データ量を
算出し、各ピクチャーを順次、圧縮符号化する。
【0109】なお、式13には、ホストコンピュータ2
0が、式12に示した直線と実難度データD1 〜D15
の2乗誤差に基づいて誤差関数E(a)を算出する場合
を示したが、ホストコンピュータ20の計算量を少なく
するためには、式13の代わりに、下に示す式14によ
り、式12に示した直線と実難度データD1 〜D15との
絶対値に基づいて誤差関数E(a)を算出してもよい。
【0110】
【数14】
【0111】なお、本実施形態の直線予測は、実難度デ
ータ数および予測難度データ数が15以外の場合にも適
用できるのはいうまでもない。
【0112】第6実施形態 以下、本発明の第6の実施形態として、実難度データに
基づいて予測難度データを、実難度データに重み付けを
して算出する方法(重み付け直線予測)を説明する。な
お、同一GOPに複数の種類のピクチャータイプが混在
していると、難度データの予測が複雑化する。従って、
説明の便宜上、第6の実施形態においても、第5の実施
形態と同様に、GOPに含まれるピクチャーが全てIピ
クチャーであり、実難度データと予測難度データがそれ
ぞれ15(L+A,B=15)である場合を例に説明す
る。
【0113】映像データのピクチャー間の時間的な相関
性は、時間間隔が長くなるほど薄れてゆくと考えられ
る。従って、圧縮符号化中のピクチャーの目標データ量
を算出するためには、時間的に近いピクチャーの難度ほ
ど、圧縮符号化中のピクチャーの難度と大きな相関性が
あると考えられる。しかしながら、第5の実施形態に示
した単純な直線予測により予測難度データを算出した場
合、このような、時間経過に伴う難度の相関性は考慮さ
れない。第6の実施形態で説明する重み付け直線予測に
よる予測難度データの算出は、圧縮符号化中のピクチャ
ーと近いピクチャーの難度ほど誤差関数に大きな影響を
与えるようにして、予測難度データの制度を向上させる
ことも目的にしている。
【0114】図11は、第6の実施形態において、重み
付け直線予測により実難度データから予測難度データを
算出する方法を例示する図である。なお、図11には、
上述のように、実難度データと、実難度データから算出
される予測難度データがそれぞれ15(L+A,B=1
5)である場合を示してある。
【0115】エンコーダ制御部12は、第1の実施形態
と同様に、入力される非圧縮映像データVINに含まれ
るピクチャーの順番を並び替え、FIFOメモリ160
およびエンコーダ162に対して出力する。FIFOメ
モリ160は、入力された映像データS12の各ピクチ
ャーを15ピクチャー分(L+A=15)つまり、1G
OP分だけ遅延し、エンコーダ18に対して出力する。
エンコーダ162は、まず、図11中に○印を付して示
すように、入力された映像データS12のピクチャーを
予備的に順次、圧縮符号化し、圧縮映像データのデータ
量、DCT処理後の映像データのDC成分の値およびA
C成分の電力値をホストコンピュータ20に対して出力
する。ホストコンピュータ20は、これらの値に基づい
て、第1番目のピクチャー〜第15番目のピクチャーの
圧縮符号化データの実難度データD1 〜D15を順次、算
出する。
【0116】ホストコンピュータ20は、算出した実難
度データD1 〜D15の平均値D”を、下に示す式15に
より、係数kの重み付け平均値k”を算出し、また、式
16により、実難度データD1 〜D15それぞれに重み付
け係数ω(1>ω>0)の巾乗を乗算して重み付けし、
実難度データD1 〜D15の重み付け平均値D”を算出す
る。
【0117】
【数15】
【0118】
【数16】
【0119】つぎに、ホストコンピュータ20は、算出
した係数kの重み付け平均値k”および実難度データD
1 〜D15の重み付け平均値D”を用い、下に示す式17
で表される直線を定める。
【0120】
【数17】
【0121】さらに、式17から仮の予測難度データD
1 ’〜D’15を算出し、式18により誤差関数E(a)
を求める。
【0122】
【数18】
【0123】さらに、ホストコンピュータ20は、式1
3に示した誤差関数E(a)を最小にする傾きaを求め
る。ホストコンピュータ20は、このように求めた傾き
aを式12に代入し、図11中に×印で示す予測難度デ
ータD’16〜D’30を算出する。以上のようにホストコ
ンピュータ20は、予測難度データD’16〜D’30を算
出し、第2の実施形態および第3の実施形態に示したよ
うに、算出した予測難度データD’16〜D’30を用いて
目標データ量T1 を算出する。
【0124】さらに、ホストコンピュータ20は、エン
コーダ18が第1のピクチャーから生成する圧縮映像デ
ータのデータ量を目標データ量T1 とするための量子化
値Q 1 を算出し、エンコーダ18の量子化回路166に
設定する。エンコーダ18は、ホストコンピュータ20
から設定された量子化値Q1 を用いて遅延映像データS
16の第1のピクチャーを圧縮符号化し、圧縮映像デー
タVOUTとして出力する。以上のように、ホストコン
ピュータ20は、各ピクチャーに対する目標データ量を
算出し、各ピクチャーを順次、圧縮符号化する。
【0125】なお、式18には、ホストコンピュータ2
0が、式16に示した直線と実難度データD1 〜D15
の2乗誤差に基づいて誤差関数E(a)を算出する場合
を示したが、ホストコンピュータ20の計算量を少なく
するためには、式18の代わりに、下に示す式19によ
り、式16に示した直線と実難度データD1 〜D15との
絶対値に基づいて誤差関数E(a)を算出してもよい。
【0126】
【数19】
【0127】なお、本実施形態の直線予測は、実難度デ
ータ数および予測難度数が15以外の場合にも適用でき
るのはいうまでもない。
【0128】第7実施形態 以下、本発明の第7の実施形態として、実難度データに
基づいて予測難度データを、隣接する実難度データ間の
差分の変化を考慮して算出する方法(差分予測)を説明
する。なお、同一GOPに複数の種類のピクチャータイ
プが混在していると、難度データの予測が複雑化する。
従って、説明の便宜上、第7の実施形態においても、こ
れまで説明した第5の実施形態および第6の実施形態と
同様に、GOPに含まれるピクチャーが全てIピクチャ
ーであり、実難度データと予測難度データがそれぞれ1
5(L+A,B=15)である場合を例に説明する。
【0129】図12は、第7の実施形態において、差分
予測により実難度データから予測難度データを算出する
方法を例示する図である。なお、図12には、上述のよ
うに、実難度データと、実難度データから算出される予
測難度データがそれぞれ15(L+A,B=15)であ
る場合を示してある。
【0130】例えば、図12中に、○印で示すように、
徐々に実難度データの値の増加が鈍っている絵柄の映像
データにおいては、その後(第16番目のピクチャー以
降)も、映像データの難度の増加が鈍くなり、さらに、
難度が減少してゆくことが予想される。このような場
合、隣接する実難度データ間の値の差分を予測難度デー
タに反映させることにより、予測難度データの精度をさ
らに向上させることができると考えられる。第7の実施
形態に示す差分予測は、かかる観点から、予測難度デー
タの精度を向上させようとするものである。なお、隣接
する実難度データ間の値の差分を予測難度データに反映
させる方法は、何種類も考えられ、いくらでも複雑化で
きるが、第7の実施形態においては、最も単純な、差分
の値を直線近似する場合について説明する。
【0131】エンコーダ制御部12は、第1の実施形態
と同様に、入力される非圧縮映像データVINに含まれ
るピクチャーの順番を並び替え、FIFOメモリ160
およびエンコーダ162に対して出力する。FIFOメ
モリ160は、入力された映像データS12の各ピクチ
ャーを15ピクチャー分(L+A=15)つまり、1G
OP分だけ遅延し、エンコーダ18に対して出力する。
エンコーダ162は、まず、図12中に○印を付して示
すように、入力された映像データS12のピクチャーを
予備的に順次、圧縮符号化し、第1番目のピクチャー〜
第15番目のピクチャーを圧縮符号化して得られた圧縮
符号化データのデータ量、DCT処理後の映像データの
DC成分の値およびAC成分の電力値をホストコンピュ
ータ20に対して出力する。ホストコンピュータ20
は、これらの値から実難度データD1 〜D15を順次、算
出する。
【0132】ホストコンピュータ20は、エンコーダ1
62から入力された圧縮映像データのデータ量、DCT
処理後の映像データのDC成分の値およびAC成分の電
力値から実難度データD1 〜D15を算出し、さらに、隣
接する実難度データ間の差分値Δk (Δk =Dk −D
k-1 ;k=0,2,…,14)を算出する。さらに、ホ
ストコンピュータ20は、第5の実施形態に示した式1
0〜式13または第6の実施形態に示した式14〜式1
8を用いて直線近似を行い、予測差分値Δ16〜Δ30を算
出する。
【0133】さらに、ホストコンピュータ20は、算出
した予測差分値Δ16〜Δ30について、第5の実施形態に
示した式11または第6の実施形態に示した式16を適
用し、予測難度データD’16を算出し、下に示す式20
を用いて、予測難度データD’17〜D’30を算出する。
【0134】
【数20】
【0135】ホストコンピュータ20は、実難度データ
1 〜D15、および、以上説明したように算出した予測
難度データD’16〜D’30を用いて目標データ量T1
算出する。なお、第7の実施形態においては、ホストコ
ンピュータ20が隣接するピクチャー間の差分値Δk
直線(1次関数)で近似する。従って、ホストコンピュ
ータ20が算出する予測難度データD’16〜D’30は、
図12に×印を付して示すように1次関数を積分した放
物線(2次関数)上の値に近似される。
【0136】さらに、ホストコンピュータ20は、エン
コーダ18が第1のピクチャーから生成する圧縮映像デ
ータのデータ量を目標データ量T1 とするための量子化
値Q 1 を算出し、エンコーダ18の量子化回路166に
設定する。エンコーダ18は、ホストコンピュータ20
から設定された量子化値Q1 を用いて遅延映像データS
16の第1のピクチャーを圧縮符号化し、圧縮映像デー
タVOUTとして出力する。以上のように、ホストコン
ピュータ20は、各ピクチャーに対する目標データ量を
算出し、各ピクチャーを順次、圧縮符号化する。なお、
本実施形態の直線予測は、実難度データ数および予測難
度数が15以外の場合にも適用できるのはいうまでもな
い。
【0137】第8実施形態 以下、本発明の第8の実施形態として、GOPが複数の
種類のピクチャーから構成されている場合に予測難度デ
ータを算出する方法を説明する。なお、第8の実施形態
においは、1GOPがI,B,B,P,B,B,P,
B,B,P,B,B,P,B,Bの順に15のピクチャ
ーから構成され、実難度データと予測難度データがそれ
ぞれ15(L+A,B=15)である場合を例示する。
【0138】第5の実施形態〜第7の実施形態において
は、便宜上、GOPがIピクチャーのみから構成されて
いる場合を例に本発明の説明を行った。しかしながら、
実際には、GOPはIピクチャー、Pピクチャーおよび
Bピクチャーから構成され、ピクチャータイプに対応し
た方法で予測難度データを算出する必要がある。第8の
実施形態における予測難度データの算出方法は、かかる
実情を考慮したものである。
【0139】ピクチャータイプ別の予測 まず、第1にピクチャータイプ別に予測難度データを算
出し、予測簡易2パスエンコードを行う方法が考えられ
る。つまり、エンコーダ162(図1)がGOPの各ピ
クチャーを圧縮符号化して得たデータ量、DCT処理後
の映像データのDC成分の値およびAC成分の値をホス
トコンピュータ20に対して出力し、ホストコンピュー
タ20がこれらの値から算出した実難度データを、ホス
トコンピュータ20が第4の実施形態〜第7の実施形態
に示した単純な直線予測、重み付け直線予測または差分
予測によりピクチャータイプ別に独立して処理し、Iピ
クチャー、PピクチャーおよびBピクチャーそれぞれの
予測難度データを算出し、目標データ量Tj を算出す
る。エンコーダ18は、第2の実施形態および第4の実
施形態〜第7の実施形態に示したように、ピクチャータ
イプ別にホストコンピュータ20が算出した目標データ
量Tj に基づいて遅延映像データS16を圧縮符号化
し、圧縮映像データVOUTとして出力する。
【0140】正規化予測 次に、GOPに含まれる各ピクチャーの実難度データの
値に応じて実難度データを正規化し、正規化した実難度
データから予測難度データを算出し、予測簡易2パスエ
ンコードを行う方法が考えられる。
【0141】正規化予測を行う場合、まず、ホストコン
ピュータ20は、エンコーダ162がGOPの各ピクチ
ャーから生成したIピクチャー、BピクチャーおよびP
ピクチャーそれぞれのデータ量、DCT処理後のDC成
分の値およびAC成分の電力値から実難度データを算出
し、さらに、Iピクチャー、BピクチャーおよびPピク
チャーそれぞれの実難度データの値の比率(I:P:
B)を算出する。
【0142】次に、ホストコンピュータ20は、算出し
た実難度データの値の比率でIピクチャー、Bピクチャ
ーおよびPピクチャーの実難度データを正規化し、正規
化した実難度データを用いて仮の予測難度データを算出
する。さらに、ホストコンピュータ20は、仮の予測難
度データにIピクチャー、BピクチャーおよびPピクチ
ャーそれぞれの比率を乗算して予測難度データを算出す
る。
【0143】以下、図13を参照して正規化予測方法を
さらに具体的に説明する。図13は、第8の実施形態に
おいて、GOPが複数のタイプのピクチャーから構成さ
れる場合に、実難度データから予測難度データを算出す
る方法を示す図である。なお、図13には、上述のよう
に、実難度データと、実難度データから算出される予測
難度データがそれぞれ15(L+A,B=15)である
場合を示してある。
【0144】エンコーダ162は、映像データS12の
GOPにI,B,B,P,B,B,P,B,B,P,
B,B,P,B,Bの順に含まれるピクチャーのデータ
量、DCT処理後のDC成分の値およびAC成分の電力
値をホストコンピュータ20に対して出力する。ホスト
コンピュータ20は、これらの値から、それぞれ図13
中に○印で示す実難度データD1 〜D15を算出する。さ
らに、ホストコンピュータ20は、生成した実難度デー
タD1 〜D15を正規化する。つまり、例えば、実難度デ
ータD1 〜D15の内、Iピクチャーの難度データD1
値、Pピクチャーの難度データD4 ,D7 ,D10,D13
それぞれの値、および、Bピクチャーの難度データ
2 ,D3 ,D5 ,D6 ,D8 ,D9 ,D 11,D12,D
14,D15それぞれの値の比率、つまり、1つのIピクチ
ャーのデータ量、1つのPピクチャーのデータ量および
1つのBピクチャーのデータ量の比率が、例えばほぼ
4:2:1である場合に、ホストコンピュータ20は、
Iピクチャーの実難度データD1 を4で除算し、Pピク
チャーの実難度データD4 ,D 7 ,D10,D13それぞれ
の値を2で除算し、さらに、Bピクチャーの実難度デー
タD2 ,D3 ,D5 ,D6 ,D8 ,D9 ,D11,D12
14,D15それぞれの値を1で除算して正規化を行い、
図13中に●印で示す正規化した実難度データを生成す
る。
【0145】次に、ホストコンピュータ20は、例え
ば、第5の実施形態に示した単純な直線予測により、図
13中に×印で示す仮の予測難度データを生成する。さ
らに、図13中に×印で示す仮難度データの内、Iピク
チャーの仮難度データには4を乗算し、Pピクチャーの
仮難度データには2を乗算し、Bピクチャーの仮難度デ
ータには1を乗算して、図13中に□印で示す予測難度
データD’16〜D’30を生成する。
【0146】第5の実施形態においてと同様に、ホスト
コンピュータ20は、実難度データD1 〜D15および予
測難度データD’16〜D’30を用いて目標データ量Tj
を生成する。エンコーダ18は、ホストコンピュータ2
0が生成した目標データ量Tj に基づいて、遅延映像デ
ータS16を圧縮符号化し、圧縮映像データVOUTと
して出力する。
【0147】第9実施形態 以下、本発明の第9の実施形態を説明する。第1の実施
形態〜第8の実施形態に示した映像データ圧縮装置1に
よれば、短時間で非圧縮映像データVINの絵柄の難度
を算出し、算出した難度に応じた圧縮率で適応的に非圧
縮映像データVINを圧縮符号化することができる。し
かしながら、第1の実施形態において説明したように、
エンコーダ162の量子化回路168(図1,図2)に
設定される量子化値Qの値は、非圧縮映像データVIN
の絵柄の複雑さ、あるいは動き等にかかわりなく一定で
ある。
【0148】例えば、第1の実施形態において、表1お
よび表2を参照して説明したように、エンコーダ162
が生成する圧縮映像データ15ピクチャー分のデータ量
(難度データ)が1744380ビットであり、15ピ
クチャーの圧縮映像データに割り当てるデータ量が30
00000であるということは、エンコーダ18の量子
化回路168で実際に用いられている量子化値と、エン
コーダ162に設定されている固定値の量子化値Qとの
間に、大きな差があるということを示している。つま
り、エンコーダ162が生成する圧縮映像データのデー
タ量が、エンコーダ18が生成する圧縮映像データに割
り当てられるデータ量になるべく近づくようにエンコー
ダ18の量子化回路168に設定する量子化値Qの値を
制御することにより、より精度よく非圧縮映像データV
INの難度を検出することができる。具体的には、表1
および表2に示した例においては、エンコーダ162が
生成する圧縮映像データ15ピクチャー分のデータ量
(難度データ)が3000000ビットに近ければ近い
ほど、ホストコンピュータ20は、誤差が少ない目標量
データTj を算出することができる。
【0149】第9の実施形態に示す映像データ圧縮装置
2は、以上説明した第1〜第8の実施形態に示した映像
データ圧縮装置1の問題点を解決するためになされたも
のであり、映像データの時間方向の相関性に着目し、予
測系に設定する量子化値Qの値に対して、本線系の量子
化回路に設定する量子化値に応じて調節するフィードバ
ック制御を行い、入力映像データVINの難度および目
標データ量Tj を精度高く算出し、より高品質な圧縮映
像データVOUTを生成可能なように構成されている。
【0150】図14は、第9の実施形態における本発明
に係る映像データ圧縮装置2の構成を示す図である。な
お、図14において、映像データ圧縮装置2の構成部分
の内、第1〜第8の実施形態において説明した映像デー
タ圧縮装置1の構成部分(図1〜図3)と同じものに
は、同一の符号を付してある。図14に示すように、映
像データ圧縮装置2は、予測系22、エンコーダ18、
ホストコンピュータ20および量子化値生成部(Q生
成)24から構成され、予測系22は、エンコーダ制御
部12、モーションエスティメータ14、簡易2パス処
理部16、FIFOメモリ186およびバッファ回路1
82,184から構成される。
【0151】つまり、映像データ圧縮装置2は、映像デ
ータ圧縮装置1に、量子化値生成部24、FIFOメモ
リ186およびバッファ回路182,184を付加した
構成を採る。なお、図14において、エンコーダ制御部
12は、画像並び替え部120と走査変換マクロブロッ
ク化部122とに分割されているが、その動作は第1〜
第8の実施形態におけるエンコーダ制御部12と同一で
ある。
【0152】映像データ圧縮装置2において、バッファ
回路182は、エンコーダ162が生成した圧縮映像デ
ータのデータ量、DC値およびAC電力をバッファリン
グして、ホストコンピュータ20に対して出力する。映
像データ圧縮装置2において、バッファ回路184は、
エンコーダ18が生成した圧縮映像データをバッファリ
ングし、圧縮映像データVOUTとして外部に出力す
る。FIFOメモリ186は、モーションエスティメー
タ14が生成した動きベクトルをバッファリングして、
エンコーダ18の動き補償回路178に対して出力す
る。
【0153】以下、簡易2パス処理部16のエンコーダ
162が生成する圧縮映像データのデータ量を、そのま
ま難度データとして用いる場合を例に、映像データ圧縮
装置2の量子化値生成部24の動作を説明する。量子化
値生成部24は、エンコーダ18の量子化制御回路18
0が生成し、量子化回路168に設定する量子化値Rj
に基づいて、エンコーダ162が生成する圧縮映像デー
タのデータ量が、エンコーダ18が生成する圧縮映像デ
ータに元々、割り当てられているデータ量に近づくよう
な量子化値Rj ’をピクチャーごとに生成し、エンコー
ダ162の量子化回路168に設定する。
【0154】なお、第9の実施形態においては、量子化
値生成部24は、例えば、エンコーダ18が第n番目の
ピクチャーを圧縮符号化する間に、量子化制御回路18
0が量子化回路168に設定した量子化値Rj の平均値
を、エンコーダ162が第(n+L+1)番目〔LはF
IFOメモリ160の遅延時間(ピクチャー数)〕のピ
クチャーを圧縮符号化する際に用いる量子化値Rj ’と
して算出する。
【0155】以下、第9の実施形態における映像データ
圧縮装置2の動作を説明する。非圧縮映像データVIN
のピクチャーが、第1番目から第L+1番目まで入力さ
れる間、エンコーダ18が量子化回路168に設定する
量子化値Rj が1ピクチャー分そろわないため、量子化
値生成部24は、量子化値Rj ’の初期値をエンコーダ
162の量子化回路168に設定する。エンコーダ16
2の量子化回路168は、設定された量子化値Rj ’の
初期値を用いて圧縮符号化を行う。
【0156】ホストコンピュータ20は、第1〜第8の
実施形態に示したように、エンコーダ162の圧縮映像
データのデータ量に基づいて目標データ量Tj を生成
し、エンコーダ18の量子化回路168に設定する。エ
ンコーダ18は、ホストコンピュータ20により設定さ
れた目標データ量T j が示すデータ量にほぼ等しいデー
タ量の圧縮映像データVOUTを生成し、外部に出力す
る。
【0157】非圧縮映像データVINの第(L+1)番
目のピクチャーが入力されると、エンコーダ18は、非
圧縮映像データVINに対する圧縮符号化を開始し、エ
ンコーダ18の量子化制御回路180は、量子化値R
L+1 の生成、および、量子化回路168に対する設定を
開始する。
【0158】量子化値生成部24は、非圧縮映像データ
VINの第(L+1)番目のピクチャーに対する圧縮符
号化処理の際に、エンコーダ18の量子化制御回路18
0が出力する量子化値RL+1 を順次、取り込み、平均値
を算出して、エンコーダ162に対する量子化値
L+1 ’を生成する。エンコーダ18が非圧縮映像デー
タVINの第(L+1)番目のピクチャーに対する圧縮
符号化処理をしている間の量子化値RL+1 に基づいて算
出された量子化値RL+1 ’は、エンコーダ162が非圧
縮映像データVINの第(2L+1)番目のピクチャー
に対する圧縮符号化処理を行う際に、エンコーダ162
の量子化回路168に設定され、量子化回路168は、
設定された量子化値RL+1 ’を用いて、非圧縮映像デー
タVINの第(2L+1)番目のピクチャーに対する量
子化処理を行う。
【0159】以下、同様に、量子化値生成部24は、量
子化値Rj ’の生成およびエンコーダ162の量子化回
路168に対する設定を行う。つまり、量子化値生成部
24は、エンコーダ18が非圧縮映像データVINのn
番目(n≧L+1)のピクチャーに対して圧縮符号化処
理をする間に、エンコーダ18の量子化制御回路180
が出力する量子化値Rn を順次、取り込み、これらの量
子化値Rn の平均値を算出して、エンコーダ162に対
する量子化値R n ’を生成する。
【0160】さらに、量子化値生成部24は、量子化値
n ’を、エンコーダ162が非圧縮映像データVIN
の第(n+L+1)番目のピクチャーに対する圧縮符号
化処理に用いる量子化値Rn+L+1 ’として、エンコーダ
162の量子化回路168に設定する。エンコーダ16
2の量子化回路168は、量子化値生成部24から設定
された量子化値Rn+L+1 ’に基づいて量子化処理を行
い、圧縮映像データを生成する。エンコーダ162は、
量子化した映像データを可変長符号化し、バッファ回路
182を介してホストコンピュータ20に対して出力す
る。ホストコンピュータ20は、エンコーダ162が生
成した圧縮映像データのデータ量に基づいて、目標デー
タ量Tj を生成し、エンコーダ18に設定する。エンコ
ーダ18は、ホストコンピュータ20から設定された目
標データ量Tjに基づいて、非圧縮映像データVINの
第(n+1)番目のピクチャーに対する圧縮符号化処理
を行う。
【0161】以下、図15を参照して、第9の実施形態
における量子化値生成部24の動作をさらに説明する。
図15は、第9の実施形態における量子化値生成部24
(図14)の量子化値Rj ’の算出動作を示すフローチ
ャートである。図15に示すように、ステップ300
(S300)において、エンコーダ18が非圧縮映像デ
ータVINの第n番目のピクチャーに対する圧縮符号化
を開始すると、まず、量子化値生成部24は、数値i,
sumの値を0にする(ゼロクリア)する。ステップ3
02(S302)において、量子化値生成部24は、エ
ンコーダ18の量子化制御回路180が、量子化回路1
68に設定する量子化値Rj の総数(N+1)を示す数
値Nと、数値iとを比較し、両者が等しい場合にはS3
08の処理に進み、数値iが数値Nより小さい場合に
は、S304の処理に進む。
【0162】ステップ304(S304)において、量
子化値生成部24は、エンコーダ18の量子化制御回路
180が出力する量子化値(Q)Rj を、数値sumに
加算する。ステップ306(S306)において、量子
化値生成部24は、数値iに1を加算(数値iをインク
リメント)する。ステップ308(S308)におい
て、量子化値生成部24は、数値sumを数値Nで除算
し、平均値(Qave)を算出し、量子化値Rn ’とし
てエンコーダ162の量子化回路168に設定する。
【0163】なお、上述したように、非圧縮映像データ
VINの第n番目のピクチャーから生成され、非圧縮映
像データVINの第(n+L+1)番目のピクチャーの
圧縮符号化のためにエンコーダ162の量子化回路16
8に設定される量子化値Rn’は、エンコーダ162が
実際に圧縮符号化するピクチャーに比べて、ピクチャー
L枚分の差があるピクチャーから生成されるが、映像デ
ータは時間方向に対して高い相関性を有するので、量子
化値Rj ’を適応制御しない場合に比べて、エンコーダ
18が生成する圧縮映像データVOUTの品質が向上す
る。
【0164】また、量子化値生成部24が、非圧縮映像
データVINの複数のピクチャーを圧縮符号化する際の
量子化値Rj の平均値を算出することにより、つまり例
えば、量子化値生成部24が、非圧縮映像データの第n
−L番目〜第n番目のピクチャーを圧縮符号化する際の
量子化値Rj の平均値を、量子化値Rj ’として算出す
ることにより、エンコーダ18が生成する圧縮映像デー
タVOUTの品質がさらに向上する。また、量子化値生
成部24が、非圧縮映像データVINの複数のピクチャ
ーを圧縮符号化する際の量子化値Rj の平均値を算出す
ることにより、さらに最適な量子化値Rj ’を算出する
ことができ、エンコーダ18が生成する圧縮映像データ
VOUTの品質がさらに向上する。
【0165】また、第9の実施形態に示した量子化値R
j ’の適応制御と、第1〜第8の実施形態に示した映像
データ圧縮装置1の各動作とを、矛盾を生じない限りに
おいて、組み合わせて用いることが可能である。また、
第9の実施形態においては、量子化値Rj の平均値を量
子化値Rj ’として用いる場合について説明したが、例
えば、新しい量子化値Rj ほど量子化値Rj ’に対して
大きな影響を与えるように重み付けするように量子化値
生成部24の動作を変形してもよい。また、動きベクト
ル等、他のデータを考慮して、量子化値Rj から量子化
値Rj ’を算出するように量子化値生成部24の動作を
変形してもよい。
【0166】第10実施形態 以下、本発明の第10の実施形態を説明する。第9の実
施形態においては、量子化値生成部24(図14)が、
圧縮映像データのピクチャータイプを考慮せずに、エン
コーダ18の量子化制御回路180が生成する量子化値
j から、エンコーダ162の量子化回路168に対す
る量子化値Rj ’を生成する場合の映像データ圧縮装置
2の動作を説明した。しかしながら、圧縮映像データの
データ量は、ピクチャータイプごとに大きく異なるの
で、量子化値Rj ’は、Iピクチャー、Bピクチャーお
よびPピクチャーごとに生成するのが適当である。第1
0の実施形態には、ピクチャータイプシーケンスを周期
として、量子化値Rj ’をIピクチャー、Bピクチャー
およびPピクチャー対応に生成する映像データ圧縮装置
2(図14)の動作を説明する。
【0167】以下、簡易2パス処理部16のエンコーダ
162が生成する圧縮映像データのデータ量を、そのま
ま難度データとして用いる場合を例に、第10の実施形
態における映像データ圧縮装置2の量子化値生成部24
の動作を説明する。量子化値生成部24は、エンコーダ
18が圧縮符号化後にそれぞれIピクチャー、Bピクチ
ャーおよびPピクチャーになる非圧縮映像データVIN
を圧縮符号化する際に、量子化制御回路180が生成す
る量子化値RjI,RjB,RjPそれぞれに基づいて、エン
コーダ162が生成する圧縮映像データのデータ量が、
エンコーダ18が生成する圧縮映像データに元々、割り
当てられているデータ量に近づくような量子化値
jI’,RjB’,RjP’を、各ピクチャータイプのピク
チャーごとに生成し、エンコーダ162の量子化回路1
68に設定する。
【0168】なお、第10の実施形態においては、量子
化値生成部24は、第9の実施形態においてと同様に、
例えば、エンコーダ18が圧縮符号化した後にIピクチ
ャー、BピクチャーおよびPピクチャーとなる非圧縮映
像データのピクチャーを圧縮符号化する際に、量子化制
御回路180が量子化回路168に設定した量子化値R
jI,RjB,RjPの平均値を、それぞれ、エンコーダ16
2が圧縮符号化した後にIピクチャー、Bピクチャーお
よびPピクチャーとなる非圧縮映像データのピクチャー
を圧縮符号化する際に用いる量子化値RjI’,RjB’,
jP’として算出する。また、量子化値RjI’,
jB’,RjP’の算出は、例えば、エンコーダ18およ
びエンコーダ162が生成する圧縮映像データのピクチ
ャータイプシーケンスを周期として行われる。
【0169】以下、第10の実施形態における映像デー
タ圧縮装置2の動作を説明する。映像データ圧縮装置2
に、第(L+1)番目の非圧縮映像データVINのピク
チャーが入力されて以降、エンコーダ18は、順次、非
圧縮映像データVINに対する圧縮符号化を開始し、エ
ンコーダ18の量子化制御回路180は、量子化値R
j I ,RjI,RjPの生成、および、量子化回路168に
対する設定を開始する。
【0170】量子化値生成部24は、エンコーダ18の
量子化制御回路180が出力する量子化値Rj を順次、
取り込み、ピクチャータイプシーケンスを周期とし、ピ
クチャータイプごとに平均値を算出して、エンコーダ1
62に対する量子化値RjI’,RjB’,RjP’を生成す
る。エンコーダ162の量子化回路168は、量子化値
生成部24が量子化値RjI’,RjB’,RjP’をそれぞ
れ生成した直後に入力され、圧縮符号化後にIピクチャ
ー、BピクチャーおよびPピクチャーになる非圧縮映像
データVINのピクチャーを、量子化値RjI’,
jB’,RjP’を用いて量子化し、可変長符号化回路1
70およびバッファ回路182を介してホストコンピュ
ータ20に対して出力する。
【0171】ホストコンピュータ20は、エンコーダ1
62が生成した圧縮映像データのデータ量に基づいて、
次のピクチャータイプシーケンスに含まれる非圧縮映像
データVINを圧縮符号化する際の目標データ量Tj
生成し、エンコーダ18に設定する。エンコーダ18
は、ホストコンピュータ20から設定された目標データ
量Tjに基づいて、非圧縮映像データVINの各ピクチ
ャーに対する圧縮符号化処理を行う。
【0172】以下、図16を参照して、第10の実施形
態における量子化値生成部24の処理をさらに説明す
る。図16は、第10の実施形態における量子化値生成
部24(図14)の量子化値Rj ’の算出動作を示すフ
ローチャートである。図16に示すように、ステップ4
00(S400)において、量子化値生成部24は、数
値i,N_i,N_p,N_b,sum_i,sum_
p,sum_bの値を0にする(ゼロクリア)する。な
お、数値N_i,N_p,N_bはそれぞれ、エンコー
ダ18が、Iピクチャー、PピクチャーおよびBピクチ
ャーを生成する際の量子化値RjI,RjP,RjBの数を示
し、数値sum_i,sum_p,sum_bはそれぞ
れ、エンコーダ18が、Iピクチャー、Pピクチャーお
よびBピクチャーを生成する際の量子化値RjI,RjP
jBの総和値を示す。
【0173】ステップ402(S402)において、量
子化値生成部24は、エンコーダ18の量子化制御回路
180が、1組のピクチャータイプシーケンスに含まれ
るIピクチャー、PピクチャーおよびBピクチャーを圧
縮符号化する際に量子化回路168に設定する量子化値
j の総数(N+1=N_i+N_p+N_b)を示す
数値Nと、数値iとを比較し、両者が等しい場合にはS
420の処理に進み、数値iが数値Nより小さい場合に
は、S404の処理に進む。
【0174】ステップ404(S404)において、量
子化値生成部24は、エンコーダ18が、いずれのピク
チャーとなる非圧縮映像データVINのピクチャーを圧
縮符号化しているかを判断する。エンコーダ18がそれ
ぞれ、Bピクチャー、PピクチャーおよびIピクチャー
となる圧縮映像データVINを圧縮符号化している場合
には、量子化値生成部24はそれぞれ、S406,S4
10,S414の処理に進む。
【0175】ステップ406(S406)において、量
子化値生成部24は、数値sum_bに量子化値(Q)
jBを加算する。ステップ408(S408)におい
て、量子化値生成部24は、数値N_bに1を加算(イ
ンクリメント)する。
【0176】ステップ410(S410)において、量
子化値生成部24は、数値sum_pに量子化値(Q)
jPを加算する。ステップ412(S412)におい
て、量子化値生成部24は、数値N_pをインクリメン
トする。
【0177】ステップ414(S414)において、量
子化値生成部24は、数値sum_iに量子化値(Q)
jIを加算する。ステップ416(S416)におい
て、量子化値生成部24は、数値N_iをインクリメン
トする。ステップ418(S418)において、量子化
値生成部24は、数値iをインクリメントする。
【0178】ステップ420(S420)において、量
子化値生成部24は、平均値Qave_i(=sum_
i/N_i),Qave_p(=sum_p/N_
p),Qave_b(=sum_b/N_b)を算出
し、エンコーダ162が、それぞれ圧縮符号化後にIピ
クチャー、PピクチャーおよびBピクチャーとなる非圧
縮映像データのピクチャーを圧縮符号化する際に、量子
化回路168に設定する。
【0179】なお、量子化値RjI’,RjP’,RjB’の
算出は、必ずしもピクチャータイプシーケンスを周期と
して行う必要はなく、任意の周期で行うことができる。
また、第10の実施形態に示した映像データ圧縮装置2
の動作に対しても、第9の実施形態に示した変形が可能
である。また、第10の実施形態に示した映像データ圧
縮装置2の動作によれば、第9の実施形態に示した映像
データ圧縮装置2の動作に比べて、各ピクチャータイプ
に対応した、より適切な量子化値の制御が可能であり、
この結果、エンコーダ18が生成する圧縮映像データV
OUTの品質が向上する。
【0180】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る映像
データ圧縮装置およびその方法によれば、2パスエンコ
ードによらずに所定のデータ量以下に圧縮符号化した圧
縮映像データを伸長復号した場合に、高品質な映像を得
ることができる。また、本発明に係る映像データ圧縮装
置およびその方法によれば、2パスエンコードによらず
に、圧縮符号化後の圧縮映像データのデータ量を見積も
り、見積もった圧縮映像データのデータ量に基づいて圧
縮率を調節して非圧縮映像データを圧縮符号化すること
ができる。また、本発明に係る映像データ圧縮装置およ
びその方法によれば、2パスエンコードによらずに、高
精度に圧縮符号化後の圧縮映像データのデータ量を見積
もりながら、非圧縮映像データを圧縮符号化することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る映像データ圧縮装置の構成を示す
図である。
【図2】図1に示した簡易2パス処理部のエンコーダの
構成を示す図である。
【図3】図1に示したエンコーダの構成を示す図であ
る。
【図4】(A)〜(C)は、第1の実施形態における映
像データ圧縮装置の簡易2パスエンコードの動作を示す
図である。
【図5】(A)〜(C)は、第2の実施形態における映
像データ圧縮装置の予測簡易2パスエンコードの動作を
示す図である。
【図6】第2の実施形態における映像データ圧縮装置
(図1)の動作を示すフローチャートである。
【図7】(A)〜(C)は、第3の実施形態において、
本発明に係る映像データ圧縮装置1がGOPの枠内で行
う簡易2パスエンコード方式を示す図である。
【図8】(A)〜(C)は、第4の実施形態において、
本発明に係る映像データ圧縮装置がGOPの枠内で行う
予測簡易2パスエンコード方式を示す図である。
【図9】第4の実施形態における映像データ圧縮装置の
動作を示すフローチャートである。
【図10】第5の実施形態において、直線予測により実
難度データから予測難度データを算出する方法を例示す
る図である。
【図11】第6の実施形態において、重み付け直線予測
により実難度データから予測難度データを算出する方法
を例示する図である。
【図12】第7の実施形態において、差分予測により実
難度データから予測難度データを算出する方法を例示す
る図である。
【図13】第8の実施形態において、GOPが複数のタ
イプのピクチャーから構成される場合に、実難度データ
から予測難度データを算出する方法を示す図である。
【図14】第9の実施形態における本発明に係る映像デ
ータ圧縮装置の構成を示す図である。
【図15】第9の実施形態における量子化値生成部(図
14)の量子化値Rj ’の算出動作を示すフローチャー
トである。
【図16】第10の実施形態における量子化値生成部
(図14)の量子化値Rj ’の算出動作を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1…映像データ圧縮装置、10…圧縮符号化部、12…
エンコーダ制御部、120…画像並び替え部、122…
走査変換マクロブロック化部、14…動き検出器、16
…簡易2パス処理部、160…FIFOメモリ、162
…簡易2パス処理部、164…加算回路、166…DC
T回路、168…量子化回路、170…可変長符号化回
路、178…動き補償回路、180…量子化制御回路、
182,184…バッファ回路、184…FIFOメモ
リ、160…FIFOメモリ、162…エンコーダ(予
測系)、18…エンコーダ(本線系)、20…ホストコ
ンピュータ、22…予測系。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力される映像データを、量子化処理を行
    う所定の圧縮方法により、外部から設定される第1の量
    子化値を用いてピクチャーごとに圧縮し、第1の圧縮映
    像データを生成する第1の圧縮手段と、 前記映像データが所定の数のピクチャー入力される時間
    だけ、前記映像データを遅延する遅延手段と、 前記映像データが所定の数のピクチャー入力される間に
    生成した前記第1の圧縮映像データのデータ量に基づい
    て、前記映像データを圧縮した後の圧縮映像データのデ
    ータ量の目標値をピクチャーごとに示す目標値データを
    生成する目標値データ生成手段と、 遅延した前記映像データを、前記第1の圧縮手段の前記
    所定の圧縮方法に対応し、量子化処理を行う所定の圧縮
    方法により、生成した前記目標値データが示すデータ量
    になるようにピクチャーごとに圧縮し、第2の圧縮映像
    データを生成する第2の圧縮手段と、 前記第2の圧縮手段の圧縮処理の内容に応じて、前記第
    1の量子化値を生成し、前記第1の圧縮手段に設定する
    第1の量子化値設定手段とを有する映像データ圧縮装
    置。
  2. 【請求項2】前記第1の圧縮手段の前記所定の圧縮方法
    は、所定の処理を前記映像データに対して行い、前記第
    1の量子化値を用いて量子化し、複数の種類のピクチャ
    ーを所定の順番で含むように圧縮する第1の圧縮方法で
    あり、 前記第2の圧縮手段の前記所定の圧縮方法は、前記第1
    の圧縮方法と同じ所定の処理を前記映像データに対して
    行い、前記第2の量子化値を用いて量子化し、前記第1
    の圧縮方法と同じ複数の種類のピクチャーを、前記第1
    の圧縮方法と同じ順番で含むように圧縮する第2の圧縮
    方法である請求項1に記載の映像データ圧縮装置。
  3. 【請求項3】前記第1の圧縮手段は、 外部からピクチャーごとに設定される前記第1の量子化
    値を用いて、前記映像データを量子化する第1の量子化
    手段を有し、 前記第2の圧縮手段は、 外部から設定される第2の量子化値を用いて、遅延した
    前記映像データを量子化する第2の量子化手段と、 量子化した前記映像データのデータ量に基づいて、ピク
    チャーごとに、前記第2の圧縮映像データのデータ量
    が、前記目標値データが示すデータ量になるように前記
    第2の量子化値の値を調節して前記第2の量子化値を順
    次、生成し、前記第2の量子化手段に設定する第2の量
    子化値設定手段とを有する請求項2に記載の映像データ
    圧縮装置。
  4. 【請求項4】前記第1の量子化値設定手段は、生成した
    前記第2の量子化値に基づいて、前記第1の量子化値を
    ピクチャーごとに生成する請求項3に記載の映像データ
    圧縮装置。
  5. 【請求項5】前記第1の量子化値設定手段は、生成した
    前記第2の量子化値のピクチャーごとの平均値に基づい
    て、前記第2の量子化値を生成する請求項3に記載の映
    像データ圧縮装置。
  6. 【請求項6】前記第1の量子化値設定手段は、第2の圧
    縮映像データのピクチャーの種類ごとに分けて前記第1
    の量子化値を生成し、前記第1の量子化値のピクチャー
    の種類と、前記第1の圧縮手段が生成する第1の圧縮映
    像データのピクチャーの種類とを合わせて、前記第1の
    量子化値を前記第1の量子化手段に設定する請求項3に
    記載の映像データ圧縮装置。
  7. 【請求項7】入力される映像データを、量子化処理を行
    う所定の圧縮方法により、外部から設定される第1の量
    子化値を用いてピクチャーごとに圧縮し、第1の圧縮映
    像データを生成し、 前記映像データが所定の数のピクチャー入力される時間
    だけ、前記映像データを遅延し、 前記映像データが所定の数のピクチャー入力される間に
    生成した前記第1の圧縮映像データのデータ量に基づい
    て、前記映像データを圧縮した後の圧縮映像データのデ
    ータ量の目標値をピクチャーごとに示す目標値データを
    生成し、 遅延した前記映像データを、前記所定の圧縮方法に対応
    し、量子化処理を行う所定の圧縮方法により、生成した
    前記目標値データが示すデータ量になるようにピクチャ
    ーごとに圧縮し、第2の圧縮映像データを生成し、 前記第2の圧縮映像データを生成する際の処理内容に応
    じて、前記第1の量子化値を生成する映像データ圧縮方
    法。
  8. 【請求項8】前記第1の圧縮映像データを生成する前記
    所定の圧縮方法は、所定の処理を前記映像データに対し
    て行い、前記第1の量子化値を用いて量子化し、複数の
    種類のピクチャーを所定の順番で含むように圧縮する第
    1の圧縮方法であり、 前記第2の圧縮映像データを生成する前記所定の圧縮方
    法は、前記第1の圧縮方法と同じ所定の処理を前記映像
    データに対して行い、前記第2の量子化値を用いて量子
    化し、前記第1の圧縮方法と同じ複数の種類のピクチャ
    ーを、前記第1の圧縮方法と同じ順番で含むように圧縮
    する方法である請求項7に記載の映像データ圧縮方法。
  9. 【請求項9】前記第1の圧縮方法は、ピクチャーごとに
    設定される前記第1の量子化値を用いて前記映像データ
    を量子化し、 前記第2の圧縮方法は、 順次、設定される第2の量子化値を用いて、遅延した前
    記映像データを量子化し、 量子化した前記映像データのデータ量に基づいて、ピク
    チャーごとに、前記第2の圧縮映像データのデータ量
    が、前記目標値データが示すデータ量になるように前記
    第2の量子化値の値を調節して前記第2の量子化値を生
    成し、順次、設定する請求項8に記載の映像データ圧縮
    方法。
  10. 【請求項10】生成した前記第2の量子化値に基づい
    て、前記第1の量子化値をピクチャーごとに生成する請
    求項9に記載の映像データ圧縮方法。
  11. 【請求項11】生成した前記第2の量子化値のピクチャ
    ーごとの平均値に基づいて、前記第2の量子化値を生成
    する請求項9に記載の映像データ圧縮方法。
  12. 【請求項12】第2の圧縮映像データのピクチャーの種
    類ごとに分けて前記第1の量子化値を生成し、前記第1
    の量子化値のピクチャーの種類と、生成する第1の圧縮
    映像データのピクチャーの種類とを合わせて、前記第1
    の量子化値を設定する請求項9に記載の映像データ圧縮
    方法。
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