JPH1061365A - 方位検知機構付きボーリングコア採取装置 - Google Patents

方位検知機構付きボーリングコア採取装置

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JPH1061365A
JPH1061365A JP8241193A JP24119396A JPH1061365A JP H1061365 A JPH1061365 A JP H1061365A JP 8241193 A JP8241193 A JP 8241193A JP 24119396 A JP24119396 A JP 24119396A JP H1061365 A JPH1061365 A JP H1061365A
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core
rotation
inner tube
gyro
rotating
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JP8241193A
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Seishi Fujii
勢之 藤井
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Oyo Corp
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Oyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乱さないボーリングコアを採取し、その原位
置での方位を検出できるようにする。 【解決手段】 切削ビット10を有し回転自在の外チュ
ーブ12と、コア16を収容する内チューブ18と、コ
ア押さえ20と、内チューブの供回り防止機構22を具
備し、乱さないコアを採取する装置である。鉛直軸の回
りで回転自在の回転体(磁気シールドケース34)、振
動ジャイロ36をその軸方向が水平面内となるように回
転体に設けた振動型ジャイロセンサ、回転体を回転駆動
するモータ40、回転位置を検出する回転エンコーダ4
2を具備する方位検知機構30をコア押さえ上に設置す
る。そして振動型ジャイロセンサを回転させつつ地球自
転角速度によるジャイロ信号を計測し、ジャイロ信号の
極大値もしくは極小値の得られる回転角度から地球の自
転軸方向を求め、採取したコアの方位を検知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地層の乱されない
コア(地盤試料)を採取し、その原位置での方位を検知
できる装置に関し、更に詳しく述べると、ボーリングコ
ア採取装置内に振動ジャイロを組み込んで地球の自転軸
方向を検出し、それに基づきコア採取時の方位を検知で
きるようにした方位検知機構付きボーリングコア採取装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地盤の性状を調査する場合に最も大切な
作業は地盤を観察することである。そのために、ボーリ
ング掘削後、多素子マイクロ電気検層(ディップメー
タ)、ボアホールテレビ、ボアホールテレビューアなど
を用いて、地層の方向、亀裂の方向、地滑り面や活断層
方向を観測することが行われている。しかし、これら
は、ボーリング掘削後に行う観測であるために、孔内水
の有無、孔内水の透明度、孔壁の維持状態などの孔内条
件によって観測不能の場合、あるいは正確な測定が行え
ない場合がある。
【0003】もし、乱されず且つ方位が分かっているコ
アが採取でき、それを直接観察できれば、それに優る地
質調査方法はない。それを実行するためには、乱されな
いコアを採取する技術と、採取したコアの原位置での方
位を検知する技術が要求される。
【0004】地層の乱されないコアを採取するために、
従来から様々なボーリングコア採取装置が開発され使用
されている。通常、1本のボーリングロッドにボーリン
グコア採取装置を接続し、ロッドを押し込みながら同時
に回転させてボーリングコア採取装置を地盤に挿入する
方式である。ボーリングコア採取装置は、例えば、ロッ
ドに固定されている外チューブと、該ロッドとはベアリ
ングを介して結合されて外チューブの中で自由に回転が
許される構造の内チューブとによって構成されている。
ボーリング作業によって外チューブが回転し、同時に内
チューブが押し込まれ、その際に該内チューブが回転し
ないことを期待しながらコアを採取することになる。作
業者の熟練によって、このようなボーリングコア採取装
置でも乱されないコアを採取することは可能である。
【0005】また最近、圧入力を伝達する外管ロッドと
回転力を伝達する内管ロッドとの二重管構造のボーリン
グロッドを用い、外管ロッドの下端に内チューブを接続
し、内管ロッドの下端に遊星歯車機構を介して外チュー
ブを接続して、回転する外チューブに対して内チューブ
が絶対に回転しないように保証される機構のボーリング
コア採取装置も開発されている(特開平8−13641
8号公報参照)。これによって、作業者は熟練を要する
ことなく、乱れの少ないコアを確実に採取することが可
能となる。
【0006】いずれにしてもこのようにして乱されない
コアを採取することは可能である。従って、採取したコ
アをそのまま真っ直ぐに地上まで引き上げてくれば、原
理的には原位置でのコア方位を検知できる。しかし、実
際にはロッドの捩じれなどの変形、あるいは引き上げる
際のロッドの回転変位などによって、原位置そのままで
の方位でコアを地上まで引き上げることは不可能であ
り、原位置でのコアの方位は検知できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで採取したコアの
原位置での方位を検知するために、例えばボーリングコ
ア採取装置の内部に方位計を組み込むことが考えられ
る。従来実用化されている方位計は磁気方位計(磁気コ
ンパス)であり、地磁気を検知することによって方位を
求めるものである。この種の磁気方位計は、小型堅牢で
あり且つ安価であるため、その点ではボーリングコア採
取装置に組み込むのに適している。しかし、ボーリング
コア採取装置は、機械的強度などの観点から、ほとんど
の構成部材が鉄製品である。このような鉄製品(磁性
体)が近くにあると、磁気方位計は、その影響を受け正
確な方位測定が行えない。従って、磁気方位計をボーリ
ングコア採取装置に組み込んで採取したコアの原位置で
の方位を求めることは、実際的に不可能である。
【0008】ところで大口径のトンネル掘削工事などで
は、地磁気の検出ではなく、角速度を検出するジャイロ
センサを用いて地球の自転軸方向を検出する技術が検討
されている。それには機械式回転ジャイロや光ファイバ
ージャイロを用いる。しかし機械式回転ジャイロは、回
転コマが高速で回転するために磨耗が激しく、頻繁なメ
ンテナンスを必要とする問題がある。また光ファイバー
ジャイロは、装置が高価であり、光ファイバーの曲率を
小さくすることができず、小型化できない。従って、い
ずれにしても、これらの技術で口径数十〜百数十mm程度
のボーリングコア採取装置に組み込む方位計を構成する
ことは到底不可能である。
【0009】本発明の目的は、乱さないコアを採取し、
その原位置での方位を検出できる装置を提供することで
ある。本発明の他の目的は、磁気的な影響を受け難く、
小形化に適し、小口径のボーリングコア採取装置にも組
み込むことのできる方位検知機構を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、下端に切削ビ
ットを有し回転自在の外チューブと、該外チューブの内
側に同軸的に位置してコアを収容する内チューブと、該
内チューブの内部で軸方向に摺動可能なコア押さえと、
内チューブと外チューブとの間で内チューブが外チュー
ブに対して供回りしないように保持する供回り防止機構
とを具備し、上端に連結したボーリングロッドの回転力
と圧入力を受けてコアを地盤にあるがままの状態で採取
するボーリングコア採取装置である。ここで本発明で
は、前記内チューブ内のコア押さえ上に、前記内チュー
ブの中心軸の回りで回転自在の回転体、振動ジャイロを
その軸方向が前記内チューブの中心軸に対して垂直な面
内に位置するように前記回転体に設置した振動型ジャイ
ロセンサ、前記回転体を回転駆動するモータ、前記回転
体の回転位置を検出する回転エンコーダを具備する方位
検知機構を設置する。そして前記振動型ジャイロセンサ
を回転させつつ地球自転角速度によるジャイロ信号を計
測し、該ジャイロ信号の極大値もしくは極小値の得られ
る回転角度から地球の自転軸方向を求め、採取したコア
の方位を検知する。
【0011】また本発明は、ボーリングコア採取装置の
内チューブ内に余裕をもって収まる寸法であってコア押
さえ上に立設される水密性円筒容器を有し、該水密性円
筒容器内に、鉛直軸の回りで回転自在に支承される回転
体、振動ジャイロとその駆動回路からなり振動ジャイロ
の軸方向が水平面内に位置するように前記回転体に設け
た振動型ジャイロセンサ、前記回転体を回転駆動するモ
ータ、前記回転体の回転位置を検出する回転エンコー
ダ、ジャイロ信号から方位角度を算出するデータ処理装
置、及びそれらの電源を組み込んだ構造をなすコア方位
検知機構である。振動型ジャイロセンサを回転させつつ
地球自転角速度によるジャイロ信号を計測し、該ジャイ
ロ信号の極大値もしくは極小値の得られる回転角度から
地球の自転軸方向を求め、採取した時点でのコアの方位
を検知する。例えば、回転体を磁気シールドケースと
し、その内部に振動型ジャイロセンサを収め、該磁気シ
ールドケースに回転軸を設けてそれぞれギヤを介してモ
ータ及び回転エンコーダに機械的に結合し、前記回転軸
にスリップリングを介在させて振動ジャイロ駆動回路と
データ処理装置との電気的な結合を行うように構成す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】振動型ジャイロセンサは、振動し
ている物体に回転角速度を加えると、その振動方向と直
角方向にコリオリの力が生じることを利用して、該コリ
オリの力から角速度を検出するセンサである。この振動
型ジャイロセンサは、小型で且つ安価であることから、
カーナビゲーションシステムの方向検出やカメラ一体型
VTRの手振れ検出などに利用されている。本発明で用
いる振動ジャイロは、従来公知の任意の構造でよく音片
型でもよいし音叉型でもよい。音片型は、例えば断面四
角形、三角形、あるいは円形をなす棒状の振動子の側面
に駆動用・検出用の圧電素子を貼設し、該振動子を変位
ゼロ点で支持線などにより支持する構造である。振動子
素材としては、セラミックスや恒弾性金属などが用いら
れる。なお、振動子として恒弾性金属を用いる場合に
は、磁界の影響を受ける恐れがあるために、周囲を磁気
シールドで囲う構成が望ましい。
【0013】この種の振動型ジャイロセンサは、その原
理上、移動体の角速度は検知できるが、方向は検知でき
ない。つまり振動型ジャイロセンサを設けただけでは、
地球の自転角速度は検出できても、地球の自転軸の方位
は求まらない。そこで本発明では、図3に示すように、
振動ジャイロG(ここでは、一例として断面四角形の棒
状の振動子1の側面に圧電素子2を貼設した構造を示
す)を、その軸zが水平面H内となるように設置し、そ
れを鉛直軸Vの回りに回転させつつジャイロ信号(出力
電圧)を測定する。図3では水平面Hは紙面に垂直な面
であり、同図のA及びBは振動ジャイロGの水平面内で
の向きが異なる状態を表している。特に同図のBで仮想
曲線で示す矢印Mは地球の自転方向を示している。
【0014】図4は地球と振動ジャイロとの位置関係を
示しており、Aに対してBは経度が90°異なる方向か
ら見た図である。ここでNは北極を示し、Eは赤道を示
す。最も簡単な例として赤道E上に振動ジャイロが置か
れているとすると、該振動ジャイロは、Aでは紙面表か
ら裏の方向へ、Bでは右向き(矢印M方向)へ回転す
る。そのとき、振動ジャイロの軸zの向きが南北方向に
一致すると(実線で示すG11位置)最も感度が高くな
り、東西方向に一致すると(破線で示すG12位置)最も
感度が低くなる。従って、矢印Rで示すように振動ジャ
イロを水平面内で回転させると、回転位置(地球の自転
軸に対する振動ジャイロの向き)によってジャイロ信号
がサイン曲線状に変化する。このことから、ジャイロ信
号の絶対値での最大値を示す回転位置が、地球自転軸の
方向を示すことになる。振動ジャイロが赤道上ではな
く、任意の緯度の地点(例えば、図4のa地点)でも、
赤道上より感度は低下するが、回転位置による感度の違
いは同様の傾向を示す。つまり振動ジャイロの軸zの向
きが南北を向くと(実線で示すG21位置)最も感度が高
くなり、東西を向くと(破線で示すG22位置)最も感度
が低くなる。従って、ジャイロ信号の絶対値での最大値
を示す回転位置によって地球自転軸の方向を検知できる
ことになる。
【0015】地球の赤道上での自転角速度W(°/sec
)は、 W=360°/24h=0.004166°/sec である。図4において、例えば緯度(角度θ=)35°
とすると、地表面の地点aでの自転角速度Wa は、 Wa =W× cos35°=0.0034°/sec となる。市販品の振動ジャイロの出力感度は、20mV
/°/sec 程度であるから、地球自転によるジャイロ出
力電圧は0.07mV程度となる。従って、得られるジ
ャイロ出力電圧を約百倍程度増幅すればデータ処理など
で取り扱える電圧となる。
【0016】しかし実際にはジャイロ出力電圧の増幅処
理によって、従来の通常の使用方法では問題にならなか
ったレベルの元々あった磁界の影響、温度ドリフト、外
部ノイズと回路ノイズなども大きくなる。そこで、振動
ジャイロがの素材が磁性体の場合には、磁気シールドを
設けて周囲の磁界を1/4000程度に減衰させる。ま
た増幅処理したジャイロ出力信号と回転エンコーダ出力
による回転角度の関係として測定したデータについて、
平均化処理やフィルタ処理などを行うことによってドリ
フトやノイズを除去する。振動ジャイロを水平面内で1
回転して得られた測定データは、振動ジャイロが北の方
位で最大の値を示し、南の方位で最小の値を示す1周期
のサイン曲線を描く。振動ジャイロの回転開始位置(基
準位置)を決めておけば、サイン曲線の山あるいは谷の
位置と回転角度との関係から地球の自転軸方向に対する
コアの向き、即ちコアの方位を求めることができる。こ
のようにサイン曲線の山あるいは谷の位置から地球の自
転軸方向を求めるために、温度ドリフトの影響を殆ど無
視してデータを取り扱えることになる。
【0017】
【実施例】図1は本発明に係る方位検知機構付きボーリ
ングコア採取装置の一実施例を示す説明図である。ボー
リングコア採取装置本体は、下端に切削ビット10を有
し回転自在の外チューブ12と、該外チューブ12の内
側に位置し下端にコアキャッチャ14を備えてコア16
を収容する内チューブ18と、該内チューブ18の内部
で軸方向に摺動可能なコア押さえ20と、内チューブ1
8と外チューブ12との間で内チューブ18が外チュー
ブ12に対して供回りしないように保持する供回り防止
機構22とを具備している。本発明では、前記コア押さ
え20の上に方位検出機構30を設ける。コア採取装置
本体の上端は、従来同様、ボーリングロッド24に連結
する。
【0018】供回り防止機構22は、従来公知のような
内チューブに対して外チューブが自由に回転できるよう
にベアリング等を組み込むことによって両者の関係を切
り離す機構でもよい。より望ましくは、ボーリングロッ
ドを、圧入力を伝達する外管ロッドと回転力を伝達する
内管ロッドとの二重管構成とし、内管ロッドの下端外周
に設けた太陽歯車と、外チューブの内周に設けたリング
歯車と、外管ロッドで回転自在に保持されて前記太陽歯
車及びリング歯車に噛合する遊星歯車からなる遊星歯車
機構を有し、外管ロッドに内チューブを連結した構成と
する。このようにすると、外管ロッドによって内チュー
ブの回転を確実に阻止でき、内管ロッド及び遊星歯車機
構によって外チューブのみを回転させることができる。
【0019】コア押さえ20は、例えばピストン部材と
その外周に嵌着したゴムリングなどからなり、ゴムリン
グが内チューブの内面に摺接し、その摩擦抵抗によって
コアの上面を押さえつけ、サンプリングの進行に伴いコ
アと共に内チューブ内を上昇する構成である。このコア
押さえ20は、孔底の地盤(コア)がサンプリング作業
中の応力解放で膨張しないようにし、同時にコア頭部の
ふらつきを止めて、削孔回転に伴うコアの乱れを最小に
する機能を果たす。
【0020】次に、方位検知機構30は、前記内チュー
ブ18の内部に余裕をもって収まる寸法であって前記コ
ア押さえ20の上に立てた状態で取り付けられる水密性
(即ち、完全防水構造の)円筒容器32を有する。鉛直
軸の回りで回転自在に支承される回転体である磁気シー
ルドケース34、振動ジャイロ36と振動ジャイロ駆動
回路38とからなり該振動ジャイロ36の軸方向が水平
面内に位置するように前記磁気シールドケース34内に
組み込まれた振動型ジャイロセンサ、前記磁気シールド
ケース34を回転駆動するモータ40、磁気シールドケ
ース34の回転位置を検出する回転エンコーダ42、ジ
ャイロ信号から方位角度を算出するデータ処理装置4
4、及びそれらの電源となる電池46を、前記水密性円
筒容器32内に組み込んだ構造をなす。振動ジャイロ3
6が磁気に影響されないような素材からなる場合には、
磁気シールドケースを用いずに、任意形状の回転体を用
い、それに振動ジャイロとその駆動回路を搭載してもよ
い。
【0021】円筒状の密閉構造である磁気シールドケー
ス34の上下面の中心から回転軸を突設し、それを水密
性円筒容器32の底部と中間の支持板50で軸支する。
上部回転軸にはスリップリング52を介して更に回転軸
を延設し、ギヤ54aを取り付ける。スリップリング5
2は、回転する振動ジャイロ駆動回路38と静止してい
るデータ処理装置44との間で電気的な結合を行う機能
を果たす。モータ40及び回転エンコーダ42は支持板
56の上に取り付けられ、それらの回転軸にはそれぞれ
ギヤ54b,54cが取り付けられて、ギヤ54aにギ
ヤ54b,54cが噛合して互いに機械的に結合する。
つまりモータ40の回転がギヤ54bとギヤ54aによ
って伝達されて磁気シールドケース34を回転し、ギヤ
50aの回転はギヤ50cによって伝達されて回転エン
コーダ42の回転子を回転する。ここではデータ処理装
置44と電池46は、水密性円筒容器32内の上部に収
容されている。前記のように水密性円筒容器32は、コ
ア押さえ20上に固定されていて、コア押さえ20と一
体となってサンプリングの進行と共に上方向に移動す
る。従ってコア押さえ20の水平面内での向きは水密性
円筒容器32の向きと常に一致している。
【0022】コアの採取は従来と同様に行えばよい。ボ
ーリングロッド24でコア採取装置本体を押し込みなが
ら外チューブ12を回転し、コアを採取する。供回り防
止機構22により内チューブ18は回転しないため、コ
ア16は上端をコア押さえ20で押さえられながら内チ
ューブ18に収まり、コアキャッチャ14で保持するこ
とで乱されない状態で採取できる。採取作業が終了し、
コア16が内チューブ18に収まった時点(ボーリング
コア採取装置を引き上げる前)で、方位検知機構30を
作動させて地球自転軸を求める。
【0023】そして振動ジャイロ駆動回路38によって
振動ジャイロ36を駆動させつつモータ40で磁気シー
ルドケース34を基準の位置からゆっくりと水平面内で
回転させる。これによって内部の振動ジャイロ36も水
面面内で回転する。回転位置は回転エンコーダ42で検
出できる。このようにして振動ジャイロ36からの出力
を検出し増幅してスリップリング52を介してデータ処
理装置44に送り、該データ処理装置44で必要なフィ
ルタリング処理などを施す。これによって回転角度に対
して出力電圧がサイン曲線状に変化するデータが得られ
る。ジャイロ信号の極大値もしくは極小値の得られる回
転角度から地球の自転軸方向を求める。方位検出機構の
筐体(水密性円筒容器32)がコア押さえ20に固定さ
れているので、該水密性円筒容器32の基準位置はコア
押さえ20の基準位置、ひいてはコア16の基準位置に
対応することになる。従って、採取した時点(原位置)
でのコアの方位を検知することができる。
【0024】データ処理の一例を図2に示す。地球自転
の角速度は非常に小さく、振動ジャイロの出力電圧を百
倍程度増幅するため、得られた信号はかなりのノイズ成
分を含み、あたかもノイズで埋もれたような状態であ
る。そのため、種々のノイズ低減処理を施す。本発明で
は、角速度そのものを計測するものではないので、振動
ジャイロの出力電圧値を正確に求める必要はなく、回転
角度に対する極大値あるいは極小値を求めれば十分なた
め、このようなノイズ低減処理を施しても何ら支障は生
じない。図2のAは平均化処理を施した結果である。平
均化処理は偶然入る極端に値の異なる計測値を排除する
ものであり、例えば隣り合う複数の計測点での値を平均
化する移動平均化法、あるいは振動ジャイロを複数水平
面内で回転させたときの信号を同一角度の位置でスタッ
キング(重ね合わせ)するスタッキング法などでよい。
次に図2のBでは傾き補正を行っている。振動ジャイロ
は温度ドリフトがあり、温度によってセンサ感度が変動
する。基線の傾きを補正することにより温度ドリフトな
どによる傾き成分を除去する。
【0025】その後、フーリエ変換による複数回のフィ
ルタ処理を施す。即ち、観測波形を周波数スペクトルに
変換し、必要な周波数近傍のウインドウで信号を取り出
し、逆変換して元の観測波形に近い状態に戻す。前記の
傾き補正後に、そのようなフィルタ操作を1回行ったの
が図2のCであり、更に同様のフィルタ操作を行ったの
が図2のDである。フーリエ変換によるフィルタ処理を
2〜3回行うことで綺麗なサイン曲線が得られ、山や谷
の位置を正確に求めることができ、それによって地球自
転軸方向が分かる。従って、回転開始位置(基準位置)
の方位が求まることになる。
【0026】
【発明の効果】本発明は上記のように、振動ジャイロを
水平面内で回転させ、その回転角度とジャイロ出力の関
係を求める方位検知機構を、内チューブ内のコア押さえ
の上部に組み込んだボーリングコア採取装置であるか
ら、ジャイロ出力曲線の山もしくは谷の位置から地球自
転軸方向を求め、回転開始位置(基準位置)から山もし
くは谷の位置までの角度を求めることで、採取した乱さ
ないコアの原位置での方位を決定することができる。こ
れによって、コアを直接観察できると共に、その原位置
での方位を精度よく知ることができるために、地層、亀
裂、滑り面や活断層の位置や状況、方向が分かり、正確
な地質調査が行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る方位検知機構付きボーリングコア
採取装置の一実施例を示す説明図。
【図2】本発明で得られた方位データの処理プロセスを
示す説明図。
【図3】本発明における振動ジャイロの設置方向と回転
方向を示す説明図。
【図4】本発明における地球と振動ジャイロとの位置関
係を示す説明図。
【符号の説明】
10 掘削ビット 12 外チューブ 16 コア 18 内チューブ 20 コア押さえ 22 供回り防止機構 30 方位検知機構 32 水密性円筒容器 34 磁気シールドケース 36 振動ジャイロ 38 振動ジャイロ駆動回路 40 モータ 42 回転エンコーダ 44 データ処理装置 46 電池

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下端に切削ビットを有し回転自在の外チ
    ューブと、該外チューブの内側に同軸的に位置してコア
    を収容する内チューブと、該内チューブの内部で軸方向
    に摺動可能なコア押さえと、内チューブと外チューブと
    の間で内チューブが外チューブに対して供回りしないよ
    うに保持する供回り防止機構とを具備し、上端に連結し
    たボーリングロッドの回転力と圧入力を受けてコアを地
    盤にあるがままの状態で採取するボーリングコア採取装
    置において、 前記内チューブ内のコア押さえ上に、前記内チューブの
    中心軸の回りで回転自在の回転体、振動ジャイロをその
    軸方向が前記内チューブの中心軸に対して垂直な面内に
    位置するように前記回転体に取り付けた振動型ジャイロ
    センサ、前記回転体を回転駆動するモータ、前記回転体
    の回転位置を検出する回転エンコーダを具備する方位検
    知機構を設置し、前記振動型ジャイロセンサを回転させ
    つつ地球自転角速度によるジャイロ信号を計測し、該ジ
    ャイロ信号の極大値もしくは極小値の得られる回転角度
    から地球の自転軸方向を求め、採取したコアの方位を検
    知することを特徴とする方位検知機構付きボーリングコ
    ア採取装置。
  2. 【請求項2】 ボーリングコア採取装置の内チューブ内
    に余裕をもって収まる寸法であってコア押さえ上に立設
    される水密性円筒容器を有し、該水密性円筒容器内に、
    鉛直軸の回りで回転自在に支承される回転体、振動ジャ
    イロとその駆動回路からなり振動ジャイロの軸方向が水
    平面内に位置するように前記回転体に設けた振動型ジャ
    イロセンサ、前記回転体を回転駆動するモータ、前記回
    転体の回転位置を検出する回転エンコーダ、ジャイロ信
    号から方位角度を算出するデータ処理装置、及びそれら
    の電源を組み込んだ構造をなし、振動型ジャイロセンサ
    を回転させつつ地球自転角速度によるジャイロ信号を計
    測し、該ジャイロ信号の極大値もしくは極小値の得られ
    る回転角度から地球の自転軸方向を求め、採取した時点
    でのコアの方位を検知するコア方位検知機構。
  3. 【請求項3】 回転体が磁気シールドケースであって、
    その内部に振動型ジャイロセンサを収め、該磁気シール
    ドケースに回転軸を設けてそれぞれギヤを介してモータ
    及び回転エンコーダに機械的に結合し、前記回転軸にス
    リップリングを介在させて振動ジャイロ駆動回路とデー
    タ処理装置との電気的な結合を行う請求項2記載のコア
    方位検知機構。
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