JPH10510623A - イオン移動度分光測定法によってアナライトを測定する方法 - Google Patents

イオン移動度分光測定法によってアナライトを測定する方法

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JPH10510623A JP8518313A JP51831396A JPH10510623A JP H10510623 A JPH10510623 A JP H10510623A JP 8518313 A JP8518313 A JP 8518313A JP 51831396 A JP51831396 A JP 51831396A JP H10510623 A JPH10510623 A JP H10510623A
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コティアホ,タピオ
パッカネン,ヘイッキ
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エンバイロニクス、オサケ、ユキチュア
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、イオン移動度分光測定法によってプロセスアナライトを測定する方法に関するものである。この方法によってガス含有量が測定され、このようにして得られたガス含有量を利用して化学的プロセスの進行を制御する。吸引型イオン移動度分光測定装置が計器として使用される。

Description

【発明の詳細な説明】 イオン移動度分光測定法によってアナライトを測定する方法 本発明の目的は、例えば、発酵反応において、イオン移動度分光測定法によっ てアナライトを測定する方法および計器に関するものである。本発明の目的は、 例えば特にビールおよび酵母の発酵に際して、アルコール発酵を制御するために アルコールを直接連続オンライン測定することにある。 イオン移動度分光測定法(IMS)という分析法では、アナライト分子が放射 性イオン源中においてイオン/分子反応によってイオン化される。このように生 じたイオンは、大気圧の弱電界の中で各イオンの相異なる移動度に従って相互に 分離される。従来、イオン移動度分光測定法は、化学戦の化学剤および一般薬剤 の検出およびクロマトグラフィー用など多くの用途に使用されてきた。 イオン移動度分光測定法は、その特異性が比較的低く、また大量使用が限定さ れているので、その実用性が制限されていた。このことは、特にアナライトのオ ンライン測定における飛行時間法(time-of-flight method)に関して言えるもの である。 エタノールの測定のためには、従来、例えば、ガスクロマトグラフィー、酵素 法、膜組入質量分光測定法、および電気化学的センサと固体センサが使用されて きた。しかし、これらの方法の多くは、クロマトグラフィー法では分析時間が長 いこと、酵素センサでは寿命が制限されていること、質量分光測定では、コスト が比較的高いことおよびセンサでは特異性が低いこと応答性が低いことなどの不 利益を有している。 バイオプロセスでは無菌条件が必要とされるので、プロセス中のサンプリング が妨げられまたは禁止される。これは、例えば、ペニシリンの反応物としてフェ ノキス酢酸が使用されるペニシリン製造プロセスの場合である。このプロセスに おいてフェノキス酢酸濃度が一定限度内にある事が必須である。ほとんど2週間 に及ぶ長期発酵期間中にフェノキス酢酸濃度を測定することは、収率のために最 っとも重要である。 本発明による解決方法は、前記の不利な点を著しく改良するものである。本発 明は請求項の記載により特徴付けられている。 本発明の目的は、アナライトの測定のために、特にプロセス制御のためのアナ ライトの直接連続オンライン測定を実施するための、簡単で、信頼性のある、そ して経済的な、方法と計器を開発することである。本発明の目的は、エタノール などのアルコールの測定するための方法および計器、特にイオン移動度分光測定 法によって、好ましくは、アルコールおよび酵母発酵などの発酵プロセスをモニ タリングするための吸引法に基づくイオン移動度分光測定法によって、エタノー ルのオンライン測定を実施するための方法および計器を開発することである。本 発明による方法および計器は、速やかでかつ経済的なプロセス制御を製造業界に 提供するものである。本発明による計器は数種のサンプルの分析を容易かつ迅速 に実施し、測定される数種のサンプルを個別に操作する必要がない。 本発明の実施態様は、吸引型イオン移動度分光測定装置によって複数のアナラ イトを測定するのに、きわめて新規で便利な方法を提供するものである。単一の 膜のみを必要とする場合には、ガス含有量が観察限度以下の識別困難な状態に陥 る事がない。これは従来、数枚の膜を使用する場合に、見られる問題点であった 。バイオプロセス中のアナライトのサンプリングは、汚染のリスクを増大するも のであり、従来は1つのサンプルを採取する際に、全分析プロセスを中断しなけ ればならなかった。1枚の膜の使用の場合には、このリスクが除かれる。従って 、連続オンライン測定法は、きわめて望ましいものであり、バイオプロセスにお いて要求されており、そして、今回、本発明による方法および計器によって具体 化 される。 本発明による方法および計器は、以下の添付された図1〜図9を参考として詳 しく説明されている。 第1図は、発酵プロセスアナライトの測定のために設置された、本発明による 計器の概略図である。 第2a図は、2片型膜導入装置の平面図である。 第2b図は、第2a図の板の断面図である。 第3図は、2.5%(v/v)エタノールおよびメタノールの測定に際して本 発明による計器を使用して得られた信号パタンを示すグラフである。 第4図は、本発明による計器によって得られた、エタノール水溶液の相異なる チャンネルの信号を示すグラフである。 第5図は、第4図のデータから抽出された、そして、本発明による計器によっ て提供されたエタノール校正曲線を示すグラフである。 第6図は、相異なる2日において測定されたエタノール校正曲線を示すグラフ である。 第7図は、相異なる7種のビールブランドについて得られた相異なる測定チャ ンネルの信号パタンを示すグラフである。 第8図は、酵母発酵中に相異なる変質チャンネルから得られた信号パタンを示 すグラフである。 また第9図は、膜導入質量分光測定法第8図の酵母発酵のエタノール濃度測定 値を示すグラフである。 M90−ガス検出器3は、吸引コンデンサー型イオン移動度分光測定装置であ って、この装置の中において分析される空気が測定セル中を通される。この装置 は、フィンランド特許第75055号の明細書においてさらに詳細に説明されて いる。 M90−ガス検出器センサーは、イオン化区域、偏向区域および測定(収集) 区域を含んでなる。M90は、サンプルのイオン化のため放射線源、例えば、1 60μCi242 AM放射性イオン源を使用する。M90−装置の重要な特徴は、 陽イオンと陰イオンについて、それぞれ別個の偏向区域および測定区域を含む事 にある。これは、ガス流が2つの別個のガス流、すなわち一方は陽イオン測定用 ガス流、他方は陰イオン測定用ガス流に分割される事を意味する。偏向区域と測 定区域において、ガス流に対して横方向の特定サイズの電場が電圧板によって形 成される。これらの2つの区域が、更にそれぞれ相異なる3区域に分割され、こ れにより陽イオンと陰イオンとを、例えば相異なる6区域において同時測定する 事が可能であり、これは測定結果の信頼度を高めることになる。陽イオンはそれ 自体の偏向区域および測定区域において測定され、陰イオンはそれ自体のそれぞ れの区域で測定される。分析されるガスが管の中に吸引され、加熱可能のフィル タによって濾過され、イオン化セルの中に導入され、これらの部品は並列または 直流に数個配備される。ガスには、例えばα線またはβ線源から伝達される放射 線を印加する。このガスが測定管の中に導入される。収集区域中の電界電極電圧 は、V1,V2,...Vnである。背板電圧は、VTである。収集区域において 、ガス中に装入された軽イオンが電界電極Vnの中に収集される。測定チャンバ において、さらに前進した残余の重イオンが測定チャンバの縁の電極に対してイ オン電流Inを発生し、これが記録される。各値Inのnは整数、例えば1〜6 であって、この各値Inから1つのダイヤグラムが形成され、このダイヤグラム の形が分析される物質を描写する。 装置の運転中、周囲空気と測定されるガスを含有する空気とが連続的にイオン 化区域、偏向区域および測定区域中をポンプ輸送される。サンプル空気のイオン 化後に、イオンの一部が偏向区域に収集され、またイオンの他の部分は、電気メ ーターを用いる観察によってイオン電流の測定するために測定電極にむかって偏 向されてる。その電流は、測定される物質によって生じ、これを校正サンプルと 比較する。連続操作であるが故に、周囲空気は平坦なバックグラウンド信号水準 を生じる。サンプル空気中のアナライトはイオン集団中で変化を生じ、従ってバ ックグラウンド信号水準と比較して陽変化または陰変化が検出され、この変化が サンプルの応答である。 M90装置は、単独で使用することができ、あるいはこの装置を制御するコン ピュータプログラムを使用してパソコン10に接続する事ができる。このプログ ラムは、測定のためにまたパラメータの変更のために使用する事ができる。この プログラムを使用して変更する事のできる最も重要なパラメータは、収集電極利 得と装置に通ずる流速である。さらに、プログラムは装置に新しい化合物を教え るために、すなわち、特定アナライトに対する特性信号パタンを測定し、またパ タンをライブラリに追加するために使用する事ができる。このいわゆる標準測定 プロトコール中に、各チャンネルにつき毎秒2信号値が、記録されコンピュータ 中に記憶される。 このM90−検出器と連続信号測定は、他の市販のイオン移動度分光測定装置 と比較して、例えば、電流が時間に対して変化する間に、イオン移動度が逆電界 中のイオン流に対して測定されるような飛行時間管を備えたイオン移動度分光測 定装置と比較して、特に本発明による方法において使用するのに適している。 バイオプロセスにおける測定装置と測定される成分との間に適切な界面を形設 することは、主としてこのプロセスの性質によって決定される。好気性プロセス においては、媒体は典型的には発酵チャンバの容積に対して1:1(v/v)の 割合で適切なガスをもって、例えば、合成空気または窒素をもって泡立てられる 。媒体から蒸発されたヘッドスペースガスの成分を測定することが、媒体そのも の中の成分含有量に関する情報を与える。ヘッドスペースガス中の成分量は、適 切な混合物によって影響する事ができる。媒体が泡立てられない嫌気性プロセス に おいては、界面は膜に基づかなければならず、この場合媒体から測定した成分は 、適した膜を通じて蒸発する。媒体の温度は典型的には、30〜40℃であって 、サンプルガスの高い相対湿度が引き起す、この第1選択肢において問題となる 。反応物/最終生成物の特定が測定装置の特性によって困難である場合でも、プ ロセスの状態を間接的に測定する事ができる。バクテリアまたは酵母の代謝は測 定可能な数種の他のガスまたは蒸気を生じる。一例として、フェノキス酢酸が再 びヘッドスペースガス中に蒸発する、しかしただちに管または測定チャンバ上を 汚染して、オンライン測定を困難にすると考えられる。 本発明の方法においては、サンプルは第1図に図示されるように直接に反応容 器から抽出され、サンプルポンプ5によって熱交換器7にポンプ輸送され、この 熱交換器7は例えば水浴6によって加熱される。そして、このサンプルはこの熱 交換器から好ましくは、ステンレス鋼から成る膜導入装置2に送られる。膜組入 装置は2枚の対向配置された板を含み、これらの板の対向区域の中に螺旋グルー ブ20が備えられ、これらのグルーブにそってサンプルが流れる事ができる。こ れらのグルーブの幅は、例えば約2mm、深さは約1mmとする(第2a図およ び第2b図参照されたい)。マイクロ微孔ポリプロピレン膜(米国、ノースカロ ライナ州、ヘキスト・セラニーズ、Celgar 2502)が、これらの板の 間に締付られ、一方の側面にOリングが取付けられている。Celgar 25 02膜は、厚さ50μmであって、0.075μmの有効細孔直径と45%の多 孔度とを有する。膜の一方の側面にサンプル溶液が循環され、他方の側面に空気 が循環されている。サンプル溶液と空気に露出される膜面積は、それぞれ3cm3 である。サンプル溶液中に含まれ分子形状を有する蒸発アナライトは、拡散作 用と層流/乱流相互作用によって膜を通過する(F.R.Lauritsen および D.Lloyd 、Fenselau(編集)、”Mass Spectrometry for the Characterization of Micr oorganisms”,ACS Symposium Series541,American Chemical Society, Washington DC 1994,p.91)。膜導入装置2と導入サンプル流との温度は、それ ぞれの測定装置に対して適切に調整される。膜導入装置は安定な温度をえるため 、絶縁材料によって被覆される。 図示のように、サンプル溶液を以後上記の膜組入装置の一方の側面に導入する と、測定すべきアナライトは膜を透過しかつ、空気ポンプ4によって、膜の反対 側を流れる空気流の中に入る。次に空気流は、ウォータトラップ9を通過させら れてイオン移動度分光測定装置に送られる。ウォータトラップは湿分がM90− 装置の中に入る事を防止する。 テスト法 発酵プロセスをモニタする際の本発明の方法および計器の動作を、酵母発酵に おけるエタノール濃度の測定についてテストした。その酵母発酵の結果を膜導入 質量分光測定法による結果と比較した。 これらのテストにおいて、前記のイオン移動度分光測定装置と膜導入装置およ びその他の計測部品を使用した。膜導入質量分光測定装置としてバルザーQMG 420分光測定装置を使用した。この装置の使用に関する特別な特徴は、 F.R .Lauritsen, L.T.Nielsen,L.T.Nielsen,H.Degn,D.Lloyd および S.Bohatkaの 著書、 Mass Spectrom.20(1991)253 に詳細に記載されている。サンプルセル温 度は、25℃であった。酵母発酵におけるエタノール濃度は、単一のイオンモニ ター(イオンm/z31モニター)、と外部標準校正とを使用して測定された。 サンプリング頻度は、毎時2サンプルである 計器パラメータの決定 蒸留水にエタノール(96%(v/v))またはメタノールを添加する事によっ て標準溶液を準備した。数種のビールブランドを貯蔵所から入手した。 パン酵母の発酵を、2リットル発酵装置の中で33℃で実施した。400rp mで撹拌し、発酵ブロスの有効体積は1.6リットルであった。初期グルコース 濃度(D(+)−一水和グルコース)と初期酵母濃度は、それぞれ62.5g/ 1および12.5g/lであった。発酵媒質は蒸留水であり、その中に1グラム /1.6リットルの市販ワイン/ビール発酵塩混合物(Vinicole A/ S、デンマーク)を添加した。 M90−ガス検出器の偏向電圧デフォールト値を変動させる事によってエタノ ールに対する偏向電圧を求めた。この偏向電圧をM90装置のセンサー部分に接 続された電位差計を使用して、−5乃至+5Vの範囲内で変動する事ができる。 校正中に、膜を備えたセンサを介して連続的にエタノール標準を導入した。校正 結果を第3図に示す。この図はエタノール2.5%溶液(v/v)に対する信号 パタンを示している。チャンネル1、2、3は陽イオンを示し、チャンネル4、 5、6は陰イオンを示す。第3図から明かなように、それぞれ陽イオンチャンネ ルと陰イオンチャンネルにおいて信号の明白の極大値が見られる。また第3図は メタノール2.5%溶液(v/v)の信号パターンを示す。エタノールパターン とメタノールパターンを比較すれば、M90 IMS−装置がこれらの2つの非 常に類似した化学物質を容易に分離できる事を立証することができる。メタノー ルの感度はエタノールの感度より著しく低いことに気付くであろう。 この計器の検出部分を通る正規空気流速は、2.4リットル/分であった。エ タノール信号に対する、膜面積、サンプル/膜温度およびサンプル流速、の影響 も研究した。 すべての測定を前記のマイクロ微孔性ポリプロピレン膜を用いて実施した。こ の膜は、水性サンプルから直接小細孔化合物を分析する時に、膜導入質量分光測 定によって得られた結果に基づいて選定された。F.R.Lauritsen,T.K.Choudhury ,L.E.Dejarme および R.G.Cooks,Anal.Chime.Acta,266(1992).1を参照され たい。 エタノール信号に対する膜面積の効果は、相異なる活性膜面積、すなわち 1.6cm2と3cm2とを有する2つの膜導入装置を使用して、5種の相異なる エタノール水溶液(0.2〜5%(v/v)の範囲内で)のエタノール信号を測 定する事によってテストされた。期待通りに、この測定結果は大きな活性膜面積 を使用する際にすぐれた感度の得られる事を証明した。小さい膜面積よりも大き な膜面積によって全信号水準の50%の増大が見られた。 下記のテストにおいては、感度がすぐれているので大面積の膜を使用した。 5種の相異なるエタノール溶液(0.2−5%(v/v/))を使用して相異 なる3温度(25℃、35℃および45℃)で測定する事によって、エタノール 信号水準に対するサンプル/膜温度の効果をテストした。より高い温度がよりす ぐれた感度を生じる事が確認された。サンプル/膜温度を25℃から45℃まで 増大すると、全信号水準の約50%の増大を生じた。しかし、より高い温度の使 用は、サンプル空気流の水分含有量の増大によって制約される。温度が25℃か ら45℃に増大した時、空気流の相対湿度は35%から67%に増大した。良好 な感度を得るため、すべてのテストにおいて40℃の温度が選択された。 4.5−48ml/分の範囲内の数種のサンプル流速を使用して、エタノール 信号に対するサンプル流速の影響をテストした。エタノール信号水準に対する顕 著な差異は観察されなかった。サンプル流速に対する代表的値は20ml/分で あって、これをすべての測定において使用した。またすべての測定において、膜 導入装置を通しての空気流速は1.4l/分であった。膜導入装置を通してポン プ輸送される空気、および水トラップを介してM90計器によって吸引される空 気は、実験室の非精製空気であった。 エタノール測定結果 第4図は、それぞれ0.2、0.5、1.0、2.0、5.0、7.5および 10%(v/v)のエタノール水溶液について、前記のように校正されたM90 −イオン移動度分光測定装置に対する各検出チャンネルの代表的応答を時間関数 として示すものである。第4図のデータは、膜導入装置を通る連続水流の中に上 昇エタノール濃度の液を順次に30秒注入する事によって得られたものである。 チャンネル4の信号はテスト期間中一定バックグラウンド水準にとどまったので 、第4図には図示されていない。各サンプル溶液に対する第4図が示す信号の非 常にすぐれた安定性は、膜導入質量分光測定装置の量的再現性を示すものである 。 第4図から明かかなように、エタノール応答は非常に迅速である。各種エタノ ール溶液の上昇時間(10−90%)と下降時間(90−10%)は、5−10 秒の範囲内にあった。典型的には上昇時間は、下降時間よりも数秒短い。第4図 のデータから、第5図に図示された校正曲線を抽出した。第5図から明かなよう に、チャンネル1と3における信号直線性は全濃度範囲において比較的良好であ るが、他のチャンネルについては、信号は非常に狭い濃度範囲においてのみ、エ タノール濃度の関数としての直線を成す。チャンネル1とチャンネル3について 、それぞれ校正係数0.989と0.999を計算した。外部標準校正が使用さ れる場合、定量分析のためにはチャンネル1と3の信号が好ましいと思われる。 しかし良好な定量のためには必ずしも信号の直線性が必要ではない。非線形校正 曲線も、これらの校正曲線の再現性が良好なら定量のために使用する事ができる からである。第6図には、相異なる2日間に測定されたチャンネル1、3、6の 校正曲線が示されている。これは、測定システムを完全に切って、第2測定のた めに新しい標準溶液を準備した場合にも、校正曲線が比較的良好に繰り返される 事を示す。典型的には、信号水準は日々ベースで±10%の範囲内で繰り返され ると思われる。 市販ビールにおけるエタノール分析 第7図は、相異なる7種のデンマークビールに対するM90−計器の各測定チ ャンネルの応答を示すものである。ラベル上に表示されたアルコール含有量は、 4.6%(v/v)であった。この場合にもチャンネル4の信号は、測定中に一 定バックグラウンド水準にとどまっていたので、表示されていない。第7図から 明かなように、すべてのビールサンプルが大体に同一大きさの応答を示す。これ はM90 IMS計器が、定量的エタノール測定に使用できる事をよく証明して いる。膜導入イオン移動度分光測定装置の定量能力のもう1つの証明は、特にエ タノールに対する最良応答を示すチャンネルにおける信号水準のすぐれた再現性 である。ビールサンプルの6回づつ繰り返された測定は、チャンネル2、5、6 については1%の変動係数値が得られ、チャンネル3とチャンネル1については 、それぞれ6%と10%の変動係数値が得られる事を示した。 ビールサンプルのエタノール濃度を2つの相異なる外部標準校正、すなわち一 方は蒸留水中に調整された標準エタノールを使用して得られた校正と、他方はラ イトビールに対してエタノールを添加する事によって調整された標準エタノール を使用して得られた校正(オリジナルエタノール濃度2.6%(v/v)、エタ ノールを5.0および7.5%(v/v)の溶液を得るまで添加した。)とに基 づいて、計算した。表1に示されている通りのエタノール濃度は、サンプルピー クの高さ上の35点の平均値を計算し、標準測定の結果として得られた校正曲線 からエタノール濃度を求めるために、この平均応答値を使用して、得られたもの である。チャンネル5は、飽和水準に非常に近いのでこれらの計算には使用され なかった。表1の結果は、第7図に見られる結果を確証する。この場合、サンプ ル4、6、7は他のサンプルよりも多くのエタノールを含有する。水中で調整さ れたエタノール標準は、チャンネル2、3、6信号から明かなように過度に高い アルコール含有量を与えた。ビールのラベルに表示されている含有量に比較的近 いアルコール含有量は、チャンネル1においてのみ得られた。ビール中に調整さ れた標準溶液は、すべてのチャンネルにおいて良好な定量結果を示した。 表2は、前記の方法を使用して他のビールのアルコール含有量の測定結果を示 すものである。このテストは、校正標準溶液としてアルコール含有量4.6(v /v)(ボトル上に表示されている含有量)を有するビールサンプルを使用して 実施された。標準溶液としてのビールの選択は、前記の結果に基づいて実施され 、これはビールのアルコール含有量を求める場合に、エタノール水溶液を使用し た校正曲線の特定が悪い結果を生じる事を示した。表2から明かなように、使用 された校正法は低アルコール含有量ビールについて、特にチャンネル1とチャン ネル3を考慮すれば比較的良好な結果を生じる。チャンネル1と3においては最 良の線形性が観察されたことから、このような結果はもってもなことである。高 アルコール含有量のビールについて得られた結果は、あまり良好でない。この事 実は、最良の定量結果がサンプル溶液にできるだけ類似した標準によって得られ る事をあらためて確認している。最後に、市販のビールについて表示されている アルコール含有量には、一般に大きな変動が見られる(4〜5%)事を注意しよ う。 酵母発酵におけるエタノール測定 酵母発酵におけるエタノール生産を膜導入イオン移動度分光測定法によってエ タノール濃度をオンラインモニターする事により研究した。測定結果は、第8図 に示す通りである。この場合、グルコースの第2添加を矢印で示す。第8図の結 果は、チャンネル2と6の信号が予想通りの結果、すなわち、酵母が成長してエ タノールを発生するに従って、信号の比較的一定の増大を示す事を表わしている 。しかし、チャンネル1、4、5は、予想外の結果を示す。チャンネル1の信号 は、最初急速に増大し、次にしばらく安定し、その後、予想された通りに減少し 始める。チャンネル4は、テスト期間中、予想外の均一な増大を示し、またチャ ンネル5は、予想外に急速に飽和される。しかし、酵母発酵のモニタリングのた めには、チャンネル2、3および6が、エタノール濃度成長の良好な結果を与え る事で十分である。またエタノール濃度成長が膜導入質量分光測定によて測定さ れ、その結果が第9図に図示されている。第9図の結果は、チャンネル2、3、 6によって示される比較的均一なエタノール濃度成長を確認する。第8図のテス トにおいて、グルコース(50g)が発酵開始後310分(第8図の矢印の位置 )において添加されたが、いずれの分光測定(第8図または第9図)においても エタノール濃度の変化は観察されなかった。 本発明による方法および計器は、本願特許請求の範囲に開示された保護範囲内 において、熟練者が任意に変更しうることができるものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 製造プロセスから導入されたガスをイオン化し、凝縮システムを通過さ せ、この凝縮構造の中にガス運動方向に対して実質的に垂直方向の電界が予め形 成され、アナライトを含有するガスイオンから形成されたガス含有量に対応する 電流が測定されるように成されたアナライトを含有するガスを発生しまたはアナ ライトを含有するガスを分離する事のできる製造プロセスにおいてガス含有量を 特定する方法。ただし、この方法においては、サンプルを反応容器から膜を有す る膜組入装置(2)の一方の側面に導入し、前記ガスをガスポンプ(4)によっ て前記組入装置(2)の他方の側面にポンプ輸送して、前記ガスが前記膜を透過 した測定すべき反応溶液アナライトをイオン移動度分光測定装置(1)、好まし くは吸引式イオン移動度分光測定装置、の中に搬送する。 2. ガス校正に基づくサンプル応答が生じるに従って、バックグラウンド流 の信号の変化を利用してガス含有量を計算する事を特徴とする、請求項1に記載 の方法。 3. 収集されたガスイオンの移動度分割を測定する事を特徴とする、請求項 1または2のいずれかに記載の方法。 4. サンプル溶液の温度が調整される事を特徴とする、請求項1乃至3のい ずれかに記載の方法。 5. 収集されたガスイオンの測定がオンラインで実施される事を特徴とする 、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。 6. 膜組入装置から導入された収集ガスイオンを含有する空気流が、水トラ ップ(9)を通してイオン移動度分光測定装置に送られる事を特徴とする、請求 項1乃至5のいずれかに記載の方法。 7. オン移動度分光測定装置への収集イオンガスの空気流速が1〜3リット ル/分、好ましくは2〜2.5リットル/分である事を特徴とする、請求項1乃 至6のいずれかに記載の方法。 8. プロセスから蒸発するガスが直接に移動度分光測定装置まで送られる事 を特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。 9. プロセスは、発酵反応、アルコール発酵、酵母またはバクテリア発酵で あり、および/またはアナライトが、エタノールまたはその他の蒸発性バイオプ ロセス生成物である事を特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の方法。 10. アナライトを含有ガスが少なくとも2つの本質的に類似の流れに分割 された分析装置の中に導入され、これらの流れからガス中に含有されるアナライ トの含有量を測定する事を特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の方法 。 11. 下記(a)、(b)、(c)及び(d)から構成されるイオン移動度 分光測定装置を用いて測定されるアナライトを、一方において水性サンプルと接 触し他方の側面において周囲物質と接触する膜を通して、アナライト分析装置ま で送り、前記分析装置を通して一定の流れが送られるように成されたバイオプロ セスの中でアナライトを測定する方法。 (a)反応溶液を反応容器から熱交換器(7)を通して、マイクロ微孔膜を含 んでなる二片型膜導入装置(2)の一方の側面に導入し、前記膜導入装置はステ ンレス鋼から成り、前記膜を挟持する2枚のディスク状ステンレス鋼板(11a ,11b)を含み、前記板が長方形螺旋グルーブを備えている。 (b)空気を空気ポンプ(4)によって前記膜導入装置の他方の側面までポン プ輸送し、この空気が前記膜を透過した反応溶液アナライトをイオン移動度分光 測定装置(1)まで輸送する。 (c)前記イオン移動度分光測定装置(1)により、サンプル信号としてのバ ックグラウンド流の信号の変化を利用してアナライト含有量を測定する。 (d)アナライトの校正結果に基づいてアナライト含有量を計算する。 12. 次の(a)、(b)、(c)及び(d)から構成されることを特徴と する、バイオプロセス中のアナライトのオンライン測定計器。 (a)反応溶液を反応容器から熱交換器(7)を通して膜導入装置に導入する ためのサンプルポンプ(5)と、 (b)ステンレス鋼容器中のディスク状ステンレス鋼板(11a,11b)を 含む2片型膜装置(2)であって、前記ステンレス鋼板は長方形螺旋グルーブを 有し、前記膜装置(2)の一方の側面に反応溶液が循環し、他方の側面に空気流 が循環するように構成された膜装置(2)。 (c)前記ステンレス鋼板の間に締付られたマイクロ微孔膜であって、前記膜 は測定されるアナライトを透過させて空気流の中に入らせるように選定されたマ イクロ微孔膜。 (d)前記膜(2)から絶えず空気流が導入され、バックグラウンド流のイオ ン化放射線をオンライン操作で測定し、バックグラウンド流中の変化がサンプル 信号を形成されるように成されているイオン移動度分光測定装置(1)。 13. 前記螺旋グルーブの幅は2mm、深さは1mmである事を特徴とする 、請求項12に記載の計器。 14. 前記マイクロ微孔膜がポリプロピレン膜であり、また前記膜の有効面 積が3cm2である事を特徴とする、請求項11または12のいずれかに記載の 計器。 15. 膜の厚さが50μm、その多孔度が45%である事を特徴とする、請 求項14に記載の計器。
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