JPH10505581A - ビトロネクチン結合タンパク質 - Google Patents

ビトロネクチン結合タンパク質

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JPH10505581A JP8504958A JP50495896A JPH10505581A JP H10505581 A JPH10505581 A JP H10505581A JP 8504958 A JP8504958 A JP 8504958A JP 50495896 A JP50495896 A JP 50495896A JP H10505581 A JPH10505581 A JP H10505581A
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ジャン−イングマル フロック,
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Abstract

(57)【要約】 本発明はストレプトコッカス・アウレウス由来の新しいビトロネクチン結合タンパク質に関する。このタンパク質は微生物の感染プロセスに関与している。また本発明は、該タンパク質の製造方法、および該タンパク質を製造しかつ該タンパク質のビトロネクチンへの結合部位を遮断するのに有用な、アミノ酸配列がAKKQRFRHRNRKGYRであるキンクエデカペプチドに関する。さらに本発明は該タンパク質に対する抗体、前記のタンパク質、ペプチドまたは抗体およびワクチンを含んでなる医薬組成物および診断キットもしくは分析キットに関する。最後に、本発明は、前記ビトロネクチン結合タンパク質をアフィニティーカラムに用いることによるビトロネクチンの精製方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 ビトロネクチン結合タンパク質 発明の技術分野 本発明は、ビトロネクチン結合タンパク質、その製造方法、上記タンパク質を 製造するのに有用なキンクエデカペプチド(quinquedecapeptide)、上記タンパ ク質に対する抗体、前記タンパク質を含有する医薬組成物および診断キットもし くは分析キット、医薬組成物の製造のための上記タンパク質の使用、前記タンパ ク質に対する抗体を含有する診断キットもしくは分析キット、ならびにビトロネ クチンの精製方法に関する。 関連技術の説明 ビトロネクチンは約300mg/lの濃度で存在する血漿タンパク質である。 血漿型のビトロネクチンの主要部分は、ヘパリンまたはスタフィロコッカス・ア ウレウス(Staphylococcus aureus)に結合しない。しかし、変性型または固定 化型のビトロネクチンはヘパリンとエス・アウレウスの結合を補助している。ま た、ビトロネクチンが固定マトリックスタンパク質(Stationary matrix protei n)として含有されている場合、エス・アウレウス(S.aureus)はビトロネクチ ンに結合することができる。エス・アウレウスがマトリックスのビトロネクチン に結合するのを遮断することによって感染プロセスを強く阻害することは非常に 有望である。 細胞外マトリックス(ECM)は、細胞付着を行う支持体(substrate)とし て働く巨大分子の複合混合物で構成 されている。潜在的に病原性のブドウ球菌株の多くは、フィブロネクチン[文献 1と2]、コラーゲン[文献3,4,5]、ラミニン[文献6]、フィブリノー ゲン[文献7]およびビトロネクチン(Vn)[文献8,9]のようなECMタ ンパク質、ならびにECM中および真核細胞の表面上に存在するヘパラン硫酸グ リコサミノグリカン類[文献10]に結合する性能を有している。細菌は、宿主 のECM中のタンパク質の異なる部位と相互に作用する特異的な結合分子類を有 している[文献11]。この付着が感染プロセスにとって極めて重要であるとい うことは早くから報告されている。したがって、これらの結合機能は、抗微生物 治療および予防処置の適切な標的である。 初期の研究で、スタフィロコッカス・アウレウス菌株V8の細胞は、受容体− リガンドタイプの相互作用で125I標識化Vnに結合することが実証されている [文献12,9]。分子質量(molecular mass)が60kDaのタンパク質が、 高アフィニティーブドウ球菌Vn結合タンパク質として現在同定されている。こ のタンパク質はキンクエデカペプチド(AKKQRFRHRNRKGYR)カラムで精製された 。このペプチドはビトロネクチンのヘパリン結合ドメイン(Ala347〜Ar g361)から誘導される。上記タンパク質の別の精製法は、FPLC Mono − Qカラムに基づいた方法であり、ブドウ球菌細胞の表面タンパク質を分離し、V n結合性能を保持する60kDaの細菌タンパク質が得られる。ビトロネクチン に結合する60kDaのタンパク質はすでに知られている[文献9]。しかしこ のタンパ ク質は精製も特性評価もなされていない。 感染症の過程で、細菌は、その表面結合付着素(surface-bound adhesin)を 、上皮細胞、内皮細胞、白血球またはECM上の利用できる特異的物質と連続し て結合させることによって身体部位に定着する。この認識プロセスは、細菌を所 定の部位に固定するのに必要であるということは一般に是認されている。これら の結合タンパク質は、宿主の要素を認識する性能に加えて、宿主−寄生虫の相互 作用の開始を決定する際に実質的な役割を演じている。これらのタンパク質は、 病原体の侵入を、それ自体でまたは二次分子のカスケードを組合せることによっ て開始させる。多数の細菌の表面結合タンパク質は、まだ開示されておらず、同 定もされておらず、分離もされておらず特性評価もなされていないことは疑う余 地がない。これらの研究は分子レベルで実施することが重要である。なぜならば 、宿主要素と微生物の相互作用の高レベルの知識が得られる可能性があるだけで なく、これらの機構の特性評価を詳細に行うと、一般的な細胞付着方法および特 に微生物の定着プロセスについて重要な情報が得られるからである。 したがって、病原細菌と細胞外マトリックスの成分、例えばビトロネクチンと の相互作用の機構を理解することが一般に必要である。本発明は、ビトロネクチ ンに結合する新しいタンパク質およびビトロネクチンのヘパリン結合ドメインか ら誘導される新しいキンクエデカペプチドの両者を提供するものである。このキ ンクエデカペプチドは、上記の新しいタンパク質の捕捉に関与しているビトロネ クチ ン領域を構成している。したがって本発明は上記相互作用の機構の一部を解明す るものである。 発明の要約 本発明の第一の態様は、見掛け分子量が60kDaでキンクエデカペプチドAK KQRFRHRNRKGYRに対してアフィニティーを有しかつN末端の配列がMNKTDLINAVAEV ADLVGKVであるビトロネクチン結合タンパク質、またはその変異体、サブフラグ メント、マルチプル(multiple)もしくは混合物で構成されている。該タンパク 質のビトロネクチン結合領域の部分を、ヌクレオチド配列: がコードしていることが見出された。上記の第一ヌクレオチドで始まる読取り枠 からみて、上記配列は次のアミノ酸配列: に相当している。上記ヌクレオチド配列中の文字Nは未同定のヌクレオチドであ り、上記アミノ酸配列中の未同定のアミノ酸Xに相当する。4種の可能なヌクレ オチドが4種の可能なアミノ酸:フェニルアラニン、セリン、チロシンまたはシ ステインを与える。クローンを得て、そのヌクレオチド配列を、K.Jacobssonお よびL.Frykberg著(1995年)“BioTechniques,Cloning of Ligand-Bindin g Domains of Bacterial Receptors by Phage Display”18巻、5号、878 〜885頁に記載の一般的な方法で測 定した。 本明細書および請求の範囲におけるサブフラグメントは、同じ結合特性を相互 にもっている各種ドメイン由来の部分を含有する所定のドメインまたはフラグメ ントの部分フラグメントを意味する。本明細書および請求の範囲における変異体 は、元のアミノ酸配列が、1個以上のアミノ酸の挿入、付加、置換、反転(inve rsion)または排除(exclusion)によって修飾もしくは変更されているが結合特 性が保持もしくは改善されているタンパク質またはペプチドを意味し機能誘導体 も含まれる。また本発明は、結合特性を保持している、結合ドメインのいくつも のアレイ(マルチプル)または結合ドメインの混合物を含有するタンパク質に関 する。また本発明は、相互に同じ結合特性を有するアミノ酸配列の各種ドメイン の混合物に関する。 本発明の第二の態様は、本発明の第一の態様によるビトロネクチン結合タンパ ク質の製造方法で構成されている。この態様は、ブドウ球菌の菌株、好ましくは スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)V8株を培養し、 この細菌の細胞表面タンパク質の抽出物を製造し、次いで前記抽出物を、ペプチ ドAKKQRFRHRNRKGYRを用いるアフィニティー精製ステップにかけるかまたは前記 抽出物をイオン交換精製ステップにかけることを含んでなる方法で実施すること ができる。後記の諸実施例に示すように、培養物100mlから細胞壁タンパク 質のタンパク質抽出物0.2gを得て、その抽出物から本発明のタンパク質2〜 3μgを得た。 エス・アウレウス以外の細菌、例えばスタフィロコッカス属の他の細菌も、上 記タンパク質の製造に使用できる。各種の培地、例えばブレーン−ハート・イン フュージョン(Brain-Heart Infusion)、ルリア・ブロス(Luria Broth)また はトッド−ヒューイット・ブロス(Todd-Hewitt Broth)(THB)が使用でき る。特に好ましい培地はTHBである。使用される培地は、好ましくは、濃厚( rich)な複合培地(complex medium)でなければならない。上記細菌は、33〜 42℃、好ましくは35〜39℃、そして最も好ましくは37℃の温度で増殖さ せることができる。pHは6.7〜7.8の範囲内が適切であり、好ましくは7 .0〜7.5であり、そして最も好ましくは、培養は生理的pH7.3で実施す る。LiClによる抽出に代わって酵素消化法も利用できる。また本発明のタン パク質は、本発明のタンパク質の遺伝子を付与されたイー・コリ(E.coli)の ような遺伝子加工をなされた宿主を培養することによっても製造することができ る。この場合、本発明のタンパク質は、細胞外タンパク質または細胞内タンパク 質として提供される。細胞表面から本発明のタンパク質を取出す方法の代わりと して、細胞を崩壊させ、次にその崩壊物を例えば遠心分離、濾過または抽出によ って透明にする方法がある。その崩壊は、例えばリゾチーム類、リソスタフィン 、アルカリ類、溶媒類または界面活性剤類を用いる化学的方法;浸透圧ショック 法、乾燥もしくは凍結−融解法のような物理的方法;高圧法、ビーズミリング法 または超音波処理法のような機械的方法によって実施すること ができる。好ましい崩壊法ではリソスタフィンが使用される。後記実施例2に記 載の方法は、以下のステップすなわち沈澱、各種の抽出、吸着、等電点電気泳動 および蒸発の1種以上で1種以上のステップを置換するかまたは前記ステップの 1種以上を付加することによって変えることができる。後記の実施例3と4に記 載のクロマトグラフィーに代わるものとしてはゲル濾過、逆相HPLC、疎水性 クロマトグラフィーなどが挙げられる。 本発明の第三の態様は、キンクエデカペプチドAKKQRFRHRNRKGYRまたはその変 異体;前記キンクエデカペプチドまたはその変異体の有功量ならびに医薬として 許容しうる賦形剤、希釈剤および担体を含んでなる医薬組成物で構成されている 。上記の賦形剤、希釈剤および担体としては、例えば眼もしくは鼻に用いるロー ション剤、パスタ剤、クリーム剤、軟膏、すすぎ液に、および局所用の他の組成 物にそのまま用いるのに適したすべての公知の薬剤がある。またこの本発明の組 成物は、直腸に投与したりまたは硬膏剤で投与することができる。添加剤および 投与形態の諸実施例は本発明を限定すると解すべきではなく単に例示するだけで ある。第三の態様の目的は、細菌が感染して固定(stationary)ビトロネクチン に付着するのを阻害することである。この態様は、このような目的に使用できる ペプチドを形成する。 本発明の第四の態様は、第一の態様によるビトロネクチン結合タンパク質に対 するモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体のような抗体で構成されてい る。 これらの抗体は、対象のタンパク質を投与することによって、動物を、例えば 実施例8に示すようにラットを免疫化することによって製造することができた。 動物を抗原で免疫化する方法は公知であり、この場合、本発明のタンパク質によ って、血液を集め、血清を単離し、次いで該タンパク質と反応する抗体を使用す る。 またモノクローナル抗体は次のようにして製造することができる。すなわち a)本発明のタンパク質でマウスを免疫化し次いでさらにそれ自体公知の方法で 、 b)リンパ球混合物をマウスから単離し、 c)B−リンパ球をB−骨髄腫マウス細胞と融合させてハイブリドーマを製造し 、 d)生成したハイブリドーマと雑種を形成していないB−骨髄腫細胞との混合物 を、生成したハイブリドーマ用の培地に移し、次いで生成したハイブリドーマを 、雑種を形成していないB−骨髄腫上で培養して選択し、 e)本発明のタンパク質に対して特異的な抗体を産生するハイブリドーマをサブ クローン化し、次いで任意に f)抗体を単離する;ことによって製造することができる ,6巻,511〜519頁,1976年;Hochkeppelら,Eur.J.Immunol.,1 18巻,437〜442頁,1981年;Secherら,Nature(London),285 巻,446〜450頁,1980年;MishellおよびShiigi編“Select ed Methods in Cellular Immunology“Freeman & Co.,サンフランシスコ,1 980年,373〜397頁のVernonらの報告;Havellら,J.Antimicrob.Ag .Chemotherap.,2巻,476〜484頁,1972年;Milstein,Scientifi c American,243巻,56〜64頁,1980年10月;ならびにGrothおよ びScheidegger,J.Immunological Methods,35巻,1〜21頁,1980年 にはモノクローナル抗体の製造について記載されている。 本発明の抗体は以下に述べるような診断キットまた分析キットに使用できる。 また本発明の抗体は、例えば静脈内、筋肉内または皮下の投与に用いる予防剤ま たは治療剤としても使用できる。本発明の抗体は、このように投与すると、処置 された生物体に受動免疫が得られる。 第三と第四の態様は、特にエス・アウレウスがヒトまたは動物の身体に生体内 で侵入するのを阻害する手段を提供することに関する態様であるが、微生物がビ トロネクチンに結合する他の微生物感染症は本発明に含まれる。多くの微生物は 生物体への侵入を開始するとビトロネクチンに結合する。これらの微生物は、本 発明の第三の態様のキンクエデカペプチドと相互に作用するので、かような微生 物と本発明の物質の相互作用は本発明に含まれる。かような微生物はすべて本発 明の第四態様の抗体と交差反応を行うことができる。したがってこれらの態様は 、ビトロネクチンと相互に作用するすべての病原体と関連がある。 本発明の第五の態様は、第一態様のビトロネクチン結合タンパク質の有効量お よび医薬として許容し得る賦形剤、 希釈剤または担体を含んでなる医薬組成物;ならびに第一態様のビトロネクチン 結合タンパク質の有効量および医薬として許容しうるアジュバントと賦形剤を含 んでなるワクチン組成物で構成されている。本発明の医薬組成物に用いる賦形剤 、希釈剤および担体には、例えば眼もしくは鼻に用いるローション剤、パスタ剤 、クリーム剤、軟膏、すすぎ液に、および局所用の他の組成物にそのまま用いる のに適したすべての公知の薬剤が含まれる。医薬組成物は直腸に投与したりまた は硬膏剤で投与することもできる。添加剤および投与形態のこれらの例は本発明 を限定するものではなく単に例示しているに過ぎないと解すべきである。適切な アジュバントは当該技術分野で通常使用されているアジュバントである。適切な 賦形剤の例はマンニトール、ラクトース、デンプン、セルロース、グルコースな どであり、少数しか挙げていない。提示する諸実施例は、本発明を限定するとみ なすべきではない。 第五態様の目的は細菌の付着を競合によって阻害することである。本発明の医 薬組成物は、局所に塗布するか、または静脈内、筋肉内、皮下などに投与して細 菌の侵入を阻害することができる。 本発明のワクチンは、ヒトの身体を含めた哺乳類または他の脊髄動物を免疫化 するのに用いることができる。 本発明の第六の態様は、第一態様のビトロネクチン結合タンパク質もしくは第 三態様のキンクエデカペプチドを含んでなる診断キットもしくは分析キット、ま たは抗体を含んでなる診断キットもしくは分析キットで構成されている 。このキットは例えば、第一態様のVnBPに対する抗体を検定するのに用いる ことができる。このようにして、生物体が対象の細菌に感染しているか、または 生物体が将来感染しないよう免疫によって充分に保護されていることを示すこと ができる。例えば、妊婦が彼女の子供をかような感染に対して保護するのに充分 な抗体を持っているかどうかを確認することができる。または各種の試料も、第 一態様のVnBPの存在について検定することができる。抗体類または本発明の キンクエデカペプチドはこの目的のために使用できる。キットには、第一態様の タンパク質を含有する血清または溶液が、標準物として使用するため入っている 。 本発明の第七の態様は、アフィニティーカラム内に固定化されたビトロネクチ ン結合タンパク質を用いることによってビトロネクチンを精製する方法で構成さ れている。ビトロネクチンは、例えば分子量が大であり凝集する傾向があるので 不安定でかつ精製が困難である。本発明のこの第七態様によって、ビトロネクチ ンは一層容易にかつ安価に製造することができる。 図面の簡単な説明 図1は本発明のキンクエデカペプチドを認識する細菌タンパク質の単離を示す 。60kDaのブドウ球菌タンパク質を、ペプチドアフィニティーカラムを用い て単離した。左のレーンは分子量マーカーを示す。 図2は、Mono−QカラムのFPLCを用いて行ったブドウ球菌細胞表面タンパ ク質の分離を示す。推定のビトロネ クチン結合タンパク質をVnBPとして示した。 図3は、上記推定のVnBPのSDS−PAGEおよびウェスタンブロット分 析の試験結果を示す。レーンaは分子量マーカーであり、レーンbは固定化Vn に結合する性能を有する画分の銀染色を示し、60kDaの分子質量を有する単 一のバンドを示している。ニトロセルロース膜にトランスブロットされた該タン パク質は、可溶性Vnに結合することができ、続いてウサギ抗Vnポリクローナ ル抗体(レーンc)またはVnに対するモノクローナル抗体(レーンd)を使っ て検出された。レーンeとfは、Vnをはぶいた場合のそれぞれの対照にあった 。 図4は、ブドウ球菌細胞表面タンパク質の抽出物からの推定VnBPの検出を 示す。レーンaは、SDS−PAGEで分離した後、ニトロセルロース膜上でク ーマシーブルーで染色したLiCl−抽出物の図を示す。レーンbは、分離され たタンパク質をVnでプローブし次いでウサギ抗Vnポリクローナル抗体を用い て検出したことを示す。レーンcは、Vnをはぶいた場合の上記ウサギ抗体の対 照実験の結果を示す。レーンdは、高濃度の正常ウサギの血清(1:200)を 用いて、菌株V8由来のブドウ球菌タンパク質A(SpA)を検出したことを示 す。 図5は、微量定量プレート上に固定化されたVn、フィブロネクチンまたはフ ィブリノーゲンに対する3H−標識化エス・アウレウスの結合に対する合成ペプ チドの効果を示す。ペプチド競合の試験結果を、PBS対照と比較した相対阻害 率として示す。15量体:キンクエデカペプチド ;13量体:トリデカペプチド。 図6は、微量定量プレート検出法を用いて行った推定VnBPの検出結果を示 す。微量定量プレート上に固定化されたVnが捕捉した細菌タンパク質は、Li Clによるタンパク質抽出物に対するラットの抗体を用いて検出され、次いでラ ットIgに対する二次抗体によってプローブされた。実施例 下記諸実施例は、事実上例示しているだけである。本発明による他の方法は当 該技術分野の当業者には分かるであろう。実施例1. 細菌株と培養条件 スタフィロコッカス・アウレウスの原型菌株V8すなわち公知のプロデアーゼ 産生菌株を、スエーデン、ストックホルムのKarolinska InstituteのStaffan Ar vidsson博士から入手した。その細菌を、2lフラスコ内で100ml接種物に てトッド−ヒューイットブロス(THB)(Difco,米国ミシガン州デトロイト )中で旋回振盪器(New Brunswick,米国)上にて激しく攪拌しながら37℃で 20時間増殖させた[文献12]。細菌の細胞を後期定常増殖期に、遠心分離( 5000×gにて4℃で30分間)で収穫し、次いで0.1Mリン酸緩衝食塩水 (PBS、pH7.0)で2回洗浄した。共通の化学薬剤はすべて分析級の の成分には、細菌の付着相互作用に対する副作用は全くなかった[文献15]。実施例2. 細菌細胞表面タンパク質抽出物の調製 細胞の溶解を最小にするため、ブドウ球菌細胞表面タンパク質のLiCl抽出 物を、別のところに記載されているようにして製造した[文献10]。概略を述 べると、細菌1gずつを1M LiCl 5ml中に再浮遊させ、次にその混合 物を、旋回振盪器(New Brunswick,米国)上で激しく攪拌しながら37℃で2 時間インキュベートした。遠心分離(5000×gにて4℃で15分間)にかけ て細菌を沈降させた後、上澄み液を、0.02Mトリス−HCl緩衝液(pH9 .0)に対して一夜透析して(膜チュービングMWCO:12−14000,Sp ectrum Medical Industries Inc.,米国カリフォルニア州ロスアンゼルス)、 LiClを除いた。透析を行った後、試料を遠心分離し(5000×g、4℃で 15分間)、次いで透明な上澄み液のタンパク質濃度を、Bio-Radタンパク質検 定法を用いて測定した。次にその抽出物を2mlずつ−20℃で貯蔵した。実施例3. ビトロネクチン結合タンパク質の精製 ヒトビトロネクチンのヘパリン結合共通配列を含有するキンクエデカペプチド (AKKQRFRHRNRKGYR)を結合させた(couple)HiTrap NHSカラム(Pharmacia社) で、VnBPを精製した。このようにして精製したVnBPを図1に示す。合成 ペプチド(Ala347−Arg361)を認識する細菌タンパク質を下記の手順で単 離した。 1mlのHiTrap(登録商標)N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)活性化 アフィニティーカラムを、Pharmaci a社(スエーデン、ウプサラ)から購人した。合成ペプチド5mgを用いて1m lのカラムに結合させ、続いてメーカーの指示にしたがって洗浄と不活性化を行 った。結合効率は一般に85%より高かった。約2mgのタンパク質を含有する 約20mlのLiCl抽出物(Bio-Radタンパク質検定法)を、上記ペプチド− カラムに、P−3ぜん動ポンプ(Pharmacia社)によって加え、続いて4℃にて PBSで平衡化した。そのカラムを1.0M NaClで洗浄してゆるく結合し た物質を除き次に0.1Mグリシン−HCl pH3.0で溶離した。溶出液を 集めて直ちにトリス(Tris)の結晶(Sigma社)の少数で中和し、次いでPhastSy stem(登録商標)(Pharmacia社)を用いて12.5%分離ゲルのSDS−PA GEに付した。次いで、得られたSDS−PAGEゲルを、Silver Plus Kit(B io-Rad社)を用いて染色し次いで65℃のインキュベーター中で乾燥した。SD S−PAGEと銀染色の手順は、メーカーの指示どおりに実施した。上記カラム から、精製タンパク質20〜30μgを得た。実施例4. ビトロネクチン結合タンパク質の精製法の別法 ブドウ球菌細胞表面タンパク質を、Mono−QカラムのFPLCを用いて分離し た。FPLC(登録商標)Systemによるイオン交換クロマトグラフィー(Pharma cia社、スエーデン、ウプサラ)をMono Q(登録商標)High Resolution5/5 カラム(Pharmacia社)で実施した。予備実験で最適化を行い、流量を0.5m l/minに、記録紙の 記録速度を0.2cm/minに、時間ベースの収集を1min/画分に、およ びOD280nmを、UV−Mモニタ(Pharmacia社)を用い最適感度範囲として0. 2にした。 ブドウ球菌表面タンパク質のLiCl抽出物の分画は次のようにして実施した 。FPLC Systemをまず、最適の20mMトリス−HCl pH9.0(緩衝 液A)で平衡化し、次に0.5M NaCl含有緩衝液A(緩衝液B)で次いで 再び緩衝液Aで平衡化した。パイロット実験で、約0.2mgのタンパク質を含 有する抽出液試料(2ml)を2mlの負荷ループ(loading loop)(Pharmaci a社)を使って負荷し、続いて、安定したベースラインが得られるまで緩衝液A を用いて洗浄した。そのクロマトグラフィーの手順は次のとおりであった。緩衝 液Aで5分間平衡化し、試料を4分間Mono-Qカラムに負荷し、再び緩衝液Aを 5分間用いてベースラインに戻し、0〜70%の緩衝液Bで30分間勾配溶離し 、70〜77.5%の緩衝液Bで10分間勾配溶離し、77.5〜100%の緩 衝液Bで13分間勾配溶離し、100%の緩衝液Bで5分間溶離し次いで100 %緩衝液Aで溶離した。スケールアップ実験では10mlのスーパー負荷ループ (Pharmacia社)を、試料負荷時間20分で使用したところ、タンパク質分離パ ターンは再現性があることが実証された。 エス・アウレウスのLiCl抽出液の分離グラフを図2に示す。上記クロマト グラフィーによって、ブドウ球菌細胞表面由来のいくつもの細菌タンパク質が最 適に分割された。時々、いくつかのピークが1〜2分間(0.5〜2m l)のマージン(margin)で早くもしくは遅れて移動した。我々のパイロット実 験と後のスケールアップ実験の両者で、そのクロマトグラムは、容易に再現でき ることが実証され、したがってすでに刊行されているブドウ球菌細胞表面タンパ ク質のSDS−PAGE図[文献10]に対し相補的であった。したがって、細 菌細胞表面タンパク質を放出させ分析する便利で安価でありかつ信頼性がある方 法が開発されたのであり、多数のこれらタンパク質が同定され特性評価がなされ ている。実施例5. SDS−PAGEとウェスタンブロット分析 ヒトVnをYatohgoら[文献16]に記載されているようにして精製した。そ の精製した製剤は、SDS−PAGE(65kDaと75kDaに対応する2個 のバンド)およびマウス抗ヒトVnモノクローナル抗体(Boehringer Mannheim GmbH社、ドイツ)によるウェスタンブロット分析で判定した結果均一であり、フ ィブロネクチンに対する抗体と交差反応を行わなかった。 図2にVnBPとして示した、固定化Vnに結合する有意な性能を有する実施 例4由来の諸画分を、プールし、PhastSystem(登録商標)(Pharmacia社)を用 いSDS−PAGE(PhastSystem Homogenous12.5%ゲル、Pharmacia社) に付し、次にそのゲルをSilver Stain Plus(Bio-Rad社)で染色した。LiCl −タンパク質抽出液を、4%濃縮用ゲルおよび7.5%の分離用ゲルが入ったMi ni−PROTEAN IIセル(Bio-Rad社)を用いて分離した。その分離されたタンパク 質を、ウェスタンブロット実験で、 SDS−PAGEに続いて30分間65℃でニトロセルロース膜(Schleicher & Schuell社)に移した。トランスブロットを行った後、ニトロセルロース膜を、 3%BSA含有PBSで、室温にて約3時間ブロックし、次にPBST中5μg /mlのVnとともに室温で1時間インキュベートした。その膜を次に、PBS 中5μg/mlの、ウサギ抗Vnポリクローナル抗体(Calbiochem社)またはV nに対するモノクローナル抗体(Boehringer Mannheim Biochemica社)とともに 、おだやかに攪拌しながら室温で1時間インキュベートした。アルカリホスファ ターゼを接合されたウサギまたはマウスのIgに対する二次抗休を1:1000 に希釈して上記膜に添加した。最終的にこれらの膜を、メーカーの推奨にしたが ってブロモクロロインドリルホスフェート/ニトロブルーテトラゾリウム(Bio- Rad社)で展開した。各ステップ間で、これらの膜を、5mlのPBSTで5分 間ずつ2回洗浄した。 図3に示すように、分子質量が60kDaの単一のタンパク質バンドが、この ウェスタンブロット実験において銀染色後に出現した(レーンb)。ニトロセル ロース膜にトランスブロットされたこのタンパク質は、PBS中5μg/mlの 濃度で可溶性Vnに結合する性能をもっており、次いで、ウサギ抗Vnポリクロ ーナル抗体またはVnに対するモノクローナル抗体(レーンcとe)を用いて検 出した。Vnをはぶいた上記抗Vnの両者による対照実験を行った(レーンdと f)。平行実験で、ニトロセルロース膜にトランスブロットされたLiCl抽出 物をクーマシーブ ルーで染色した(図4、レーンa)。分離したタンパク質をVn(PBS中5μ g/ml)とウサギ抗Vnでプローブしたところ分子質量が60kDaの単一バ ンドが出現し(図4、レーンb)たが、このことによって、プローブとして 12 5 I標識かVnを用いて我々が以前に行って刊行した観察結果が確認された。ウ サギ抗Vnポリクローナル抗体を用いる対照実験の結果をレーンCに示してある が、最も豊富なブドウ球菌表面タンパク質Aでさえ検出されていなかった。Finc k-Barbanconらが報告した配列分析の結果[文献13]が、エス・アウレウス菌 株V8すなわちその研究に使用されている菌株由来のタンパク質Aが、IgG結 合ドメイン(58個のアミノ酸)および膜結合領域中に位置する2個のオクタペ プチドの反復部分を欠いた新規な構造を有することを示した。高濃度の正常なウ サギ血清(1:200)を用いたところ、弱い(faint)バンドが、分子質量が 45kDaをわずかに超える、菌株V8由来のブドウ球菌タンパク質Aを示し( レーンd)。このことは既刊行のデータ[文献13]と一致した。上記細菌細胞 表面タンパク質抽出物中の他の成分が、正常なウサギの免疫グロブリンに結合す る性能をもっていなかったことは明らかである。実施例6. アミノ酸分析 アミノ酸分析を以下のようにして実施した。精製した60kDaのVn結合タ ンパク質約50μgを、2mg/mlのフェノールを含有する6M HClを用 いて110℃で24時間加水分解させた。そのアミノ酸組成を、ストッ クホルムのKarolinska InstituteのDepartment of Medical Biochemistry and B iophysicsにおけるProtein and Peptide Unitで測定した。約1.5nmolの精製 タンパク質を用い、メタノール性HClで脱ブロッキング(de-blocking)処理 を行った後にN末端配列を測定した[文献18]。概略を述べると、タンパク質 試料を1N HCl含有無水、メタノールに溶解し、生成した混合物を37℃で 5時間インキュベートし、続いて脱イオン水に対し一夜4℃で透析を行い次いで 凍結乾燥した。凍結乾燥を行った上記試料を30%のアセトニトリルに溶解し、 次いでスエーデン、ルンド所在のルンド大学のBiomolecular Resource Facility によって配列決定を行った。 そのアミノ酸分析結果(表I)は、60kDaのVn結合タンパク質が、全残 基の26.9%に相当する高含量のアスパラギン酸/アスパラギン(12.0% )とグルタミン酸/グルタミン(14.9%)を含有していることを示している 。我々はここで、アミノ酸の組成を比較することによって、本願の研究に記載し た60kDaのVnBPが、60kDa/72kDaの入り混じったブドウ球菌 のレクチン様タンパク質[文献14]とは明確に異なっていることを示す。表II はVnBPのN末端アミノ酸配列を示す。 実施例7. アミノ末端の配列決定 エス・アウレウスはヘパリンとヘパラン硫酸に結合する性能を有している[文 献10]。エス・アウレウス抽出液をヘパリンカラムを通過させることによって 、該抽出液からヘパリン結合タンパク質を精製した。得られた精製タンパク質を 、実施例6にしたがってN末端アミノ酸の分析を行った。表IIに示すように、ヘ パラン硫酸結合タンパク質とVnBPは同じタンパク質のようである。 実施例8. LiCl抽出物に対する抗体の調製 LiCl抽出物に対する抗体を、標準法によってウイスターラットに生成させ た。概略を述べると、4頭のラットを各々、ブドウ球菌タンパク質抽出物100 μgずつを3週間間隔で3回皮下に注射することによって免疫化した。これら抗 原は、第一回の注射ではフロイントの完全アジュバント(Sigma社)とともに投 与し、続く2回の注射では不完全アジュバント(Sigma社)とともに投与した。 LiCl抽出物に対する抗体力価を、上記細菌タンパク質抽出物でコートした微 量定量プレート上でELISA法で監視し、西洋ワサビペルオキシダーゼ(The Binding Sites社 、英国バーミンガム)を接合した抗ラットIgSを二次抗体として用いて検出し た。そのラットの血清を集め、0.5mlずつに分けて−20℃で貯蔵した。実施例9. キンクエデカペプチドの合成 15個のアミノ酸の長さペプチド(Ala347〜Arg361)を、自動ペプチド 合成器(モデル430A、Applied Biosystems Inc.)で、t−ブトキシカルボ ニルで保護された諸アミノ酸を用いて合成し、次にFPLCで精製した。その合 成ペプチドのアミノ酸配列は、Applied Biosystems社からのメーカー指示にした がって測定した。13個のアミノ酸の長さのペプチド(Asn371−Leu383ク)から提供していただいたものである。実施例10. エス・アウレウスと上記キンクエデカペプチドとの間の相互作用 キンクエデカペプチド(AKKQRFRHRNRKGYR)が、ビトロネクチンと結合するエ ス・アウレウスと相互に作用するときの特異性を、放射能標識化エス・アウレウ ス細胞を、固定化されたビトロネクチン、フィブロネクチンまたはフィブリノー ゲンに添加して行う実験で試験した。図5は、ビトロネクチンに対する結合性は キンクエデカペプチド(AKKQRFRHRNRKGYR)によって遮断されたが対照のペプチ ド(NQNSRRPSRATWL)によっては遮断されなかったことを示している。フィブロ ネクチンまたはフィブリノーゲンに対する結合性には影響がなかった。 細菌の一夜培養物0.5mlを、50μCiの(メチル −3H)チミジンを含有する5ml THBで希釈し次いで旋回振盪器上で激し く攪拌しながらさらに5時間増殖させた。得られた3H標識化細菌をPBSで充 分に洗い、次に再び懸濁させて1ml当り108個の細胞の最終密度(比活性: 約200CFU/cpm)にし、直ちに微量定量プレートの付着性検定に使用し た。微量定量プレート(96ウエル)(Costar社、米国マサチューセッツ州ケン ブリッジ)を、100μlPBS中のVnl製剤、フィブロネクチン(Sigma Ch emical Co.)またはフィブリノーゲン(Kabi社、スエーデン、ストックホルム) を0.2μg/ウエルずつで、一夜4℃にてコートし、次いで余分の結合部位は 刊行された方法[文献17]と同様に、0.05%Tween−20含有PBS中3 %BSAを37℃で2時間用いて遮断した。3H標識化細菌(約5×106CFU または2.5×104cpm)50μlを、対照としてPBSで一連の濃度にし た競合ペプチド50μlずつとともにプレートに添加した。これら混合物を37 ℃で1時間インキュベートし、次いで微量定量プレートと結合した細菌の最終量 を、3%SDS150μlとともに室温で1時間インキュベートし次いで別の3 %SDS 150μlで洗浄することによって放出させた。Ready-Safe(登録商 標)Liquid Scintillation Cocktail(Beckman社)5mlを用い、Liquid Scint illation System LS 1801(Beckman社)で放射能を測定した。上記の各ステップ 間で微量定量プレートをPBS−Tweenで3回ずつ洗浄することが不可欠であっ た。実施例11. ビトロネクチン結合タンパク質の検出 ビトロネクチン結合タンパク質(VnBP)を検出するため、微量定量プレー ト(96ウエル、Costar社、米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)を、100 μlPBS中のVn(0.20μg/ウエル)を用いて4℃で一夜コートし、非 特異的結合部位を、0.1%Tween−20を含有するPBS(PBST)中3% のBSAを37℃で2時間用いて遮断した。2ml試料(200μgタンパク質 を含有)のパイロット実験で、実施例4のようにして得た、FPLCからの1. 5mlずつの画分(3min/ml)を集め、4℃で一夜、多量の脱イオン水に 対して透析し、凍結乾燥し最後に200μlのPBS中に再び懸濁させ、直ちに 、Vn結合活性を試験するためVnでコートされた微量定量ウエルに加えた。こ れら混合物を37℃で1時間インキュベートした。結合した細菌細胞表面タンパ ク質を、LiCl抽出物に対するラットの抗体(1:1000)およびペルオキ シダーゼ(The Binding Sites社、英国バーミンガム)を接合したラットIgに 対する二次抗体(1:1000)を用いて検出した。これら各ステップ間で微量 定量プレートをPBSTで3回ずつ洗浄することが不可欠であった。これらのプ レートを、メーカーが推奨するように、0.1Mクエン酸−リン酸塩緩衝液pH 5.0および約0.01%過酸化水素中の1,2−フェニレンジアミン(DAKO社 、デンマーク、グローストラップ)で展開した。これらのプレートを、Bio-Rad ELISA読取り装置を用いて490nmにて読取った。二重反復試験を何度も繰返 し行 い全体を平均した。 この様な検定の代表的な結果を図6に示す。20mMトリス−HCl pH9 .0中0.15M NaClの溶離緩衝液Bの約30%、すなわち9mlの溶離 容積において、Vn結合活性がピークになった。18mlの溶離容積すなわち緩 衝液Bの70%の直前でかなり高いバックグランドが検出された。これは恐らく その画分のかなり支配的なタンパク質内容物が原因である。13.5mlの溶離 容積におけるピークおよび22.5〜27mlの溶離容積間の二つのピークに、 程度の小さい高バックグランドが生じた(6図)。2mlの実験(200μgの 細菌タンパク質を含有)から約2〜3μgのVnBPを回収することができたが 、これはブドウ球菌細胞表面タンパク質の約1〜1.5%が60kDa VnB Pであったことを示唆している。このような推定は10mlの実験でも正しかっ た。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年8月19日 【補正内容】 請求の範囲 1.見掛けの分子量が60kDaでビトロネクチンおよびキンクエデカペプチ ドAKKQRFRHRNRKGYR(配列番号:2)に親和性を有し、かつN末端配列MNKTDLINA VAEVADLVGKV(配列番号:1)を有するブドウ球菌から誘導しうるビトロネクチ ン結合タンパク質、ならびに本質的に同じ結合特性を有する、前記タンパク質の 変異体、サブフラグメント、マルチプルまたは混合物。 2.医療用途に用いる請求の範囲1記載のタンパク質。 3.ブドウ球菌菌株、好ましくはスタフィロコッカス・アウレウス菌株V8を 培養し、その細菌の細胞表面タンパク質の抽出物を調製し、次いで好ましくは前 記抽出物を、ペプチドAKKQRFRHRNRKGYR(配列番号:2)を用いるアフィニティ ー精製ステップに付すことによって前記タンパク質を精製することを含んでなる 、請求の範囲1記載のビトロネクチン結合タンパク質の製造方法。 4.医療用途に用いる、キンクエデカペプチドAKKQRFRHRNRKGYR(配列番号: 2)、および前記キンクエデカペプチドと本質的に同じ結合特性を有する該キン クエデカペプチドの変異体。 5.請求の範囲4に記載のペプチドの医薬として有効な量ならびに医薬として 許容しうる賦形剤、希釈剤および担体を含んでなる医薬組成物。 6.細菌の付着を阻害するのに用いる医薬組成物を製造するための請求の範囲 4記載のペプチドの使用。 7.ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のよ うな、請求の範囲1記載のビトロネクチン結合タンパク質に対する抗体。 8.請求の範囲7記載の抗体、または請求の範囲1に記載のビトロネクチン結 合タンパク質、そのタンパク質と本質的に同じ結合特性を有する、そのタンパク 質の変異体、サブフラグメント、マルチプルもしくは混合物の医薬として有効な 量、ならびに医薬として許容しうる賦形剤、希釈剤および/または担体を含んで なる医薬組成物。 9.請求の範囲1記載のビトロネクチン結合タンパク質の医薬として有効な量 および医薬として許容しうるアジュバントおよび/または賦形剤を含んでなるワ クチン組成物。 10.ブドウ球菌感染症に対する医薬組成物を製造するための、請求の範囲7記 載の抗体または請求の範囲1記載のビトロネクチン結合タンパク質の使用。 11.請求の範囲1記載のビトロネクチン結合タンパク質および/または請求の 範囲4記載のペプチドおよび/または請求の範囲7記載の抗体の有効量が入って いる診断キットまたは分析キット。 12.請求の範囲1記載のビトロネクチン結合タンパク質をアフィニティーカラ ムに用いることによるビトロネクチンの精製方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 1/22 C07K 7/08 7/08 16/12 16/12 C12P 21/02 A C12P 21/02 G01N 33/53 D G01N 33/53 C12P 21/08 // C12P 21/08 A61K 37/02 (C12P 21/02 C12R 1:445) (72)発明者 フロック, ジャン−イングマル スウェーデン, エス−161 28 ブロン マ,ソンガルヴェーゲン 2 (72)発明者 ヴァドストリョーム, トルケル スウェーデン, エス−224 67 ルンド, レクトルスヴェーゲン 7 (72)発明者 リアング, オリン スウェーデン, エス−127 47 スケル ホルメン, エクホルムスヴェーゲン 157 ボヴィン内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.見掛けの分子量が60kDaでビトロネクチンとキンクエデカペプチドAK KQRFRHRNRKGYR(配列番号:2)に対して親和性を有する、ブドウ球菌から誘導 できるビトロネクチン結合タンパク質、ならびに本質的に同じ結合特性を有する 、前記タンパク質の変異体、サブフラグメント、マルチプルまたは混合物。 2.N−末端配列MNKTDLINAVAEVADLVGKV(配列番号:1)を有する請求の範囲 1記載のビトロネクチン結合タンパク質。 3.ブドウ球菌菌株、好ましくはスタフィロコッカス・アウレウス菌株V8を 培養し、その細菌の細胞表面タンパク質の抽出物を調製し、次いで好ましくは前 記抽出物を、ペプチドAKKQRFRHRNRKGYR(配列番号:2)を用いるアフィニティ ー精製ステップに付すことによって前記タンパク質を精製することを含んでなる 、請求の範囲1記載のビトロネクチン結合タンパク質の製造方法。 4.キンクエデカペプチドAKKQRFRHRNRKGYR(配列番号:2)、および前記キ ンクエデカペプチドと本質的に同じ結合特性を有する該キンクエデカペプチドの 変異体。 5.請求の範囲4に記載のキンクエデカペプチドAKKQRFRHRNRKGYR(配列番号 :2)の医薬として有効な量ならびに医薬として許容しうる賦形剤、希釈剤およ び担体を含んでなる医薬組成物。 6.ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のような、請求の範囲1記 載のビトロネクチン結合タンパク質 に対する抗体。 7.請求の範囲6記載の抗体、または請求の範囲1に記載のビトロネクチン結 合タンパク質、そのタンパク質と本質的に同じ結合特性を有する、そのタンパク 質の変異体、サブフラグメント、マルチプルもしくは混合物の医薬として有効な 量、ならびに医薬として許容しうる賦形剤、希釈剤および/または担体を含んで なる医薬組成物。 8.請求の範囲1記載のビトロネクチン結合タンパク質の医薬として有効な量 および医薬として許容しうるアジュバントおよび/または賦形剤を含んでなるワ クチン組成物。 9.ブドウ球菌感染症に対する医薬組成物を製造するための、請求の範囲6記 載の抗体または請求の範囲1記載のビトロネクチン結合タンパク質の使用。 10.請求の範囲1記載のビトロネクチン結合タンパク質および/または請求の 範囲4記載のキンクエデカペプチドおよび/または請求の範囲6記載の抗体の有 効量が人っている診断キットまたは分析キット。 11.請求の範囲1記載のビトロネクチン結合タンパク質をアフィニティーカラ ムに用いることによるビトロネクチンの精製方法。
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