JPH1049791A - 時系列信号処理方法および装置 - Google Patents

時系列信号処理方法および装置

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JPH1049791A
JPH1049791A JP8205824A JP20582496A JPH1049791A JP H1049791 A JPH1049791 A JP H1049791A JP 8205824 A JP8205824 A JP 8205824A JP 20582496 A JP20582496 A JP 20582496A JP H1049791 A JPH1049791 A JP H1049791A
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JP
Japan
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time
signal processing
processing method
series signal
prediction
Prior art date
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Application number
JP8205824A
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English (en)
Inventor
Hidetomo Sakaino
英朋 境野
Yoshihiro Ochiai
慶広 落合
Satoshi Suzuki
智 鈴木
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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  • Arrangements For Transmission Of Measured Signals (AREA)
  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)
  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非定常時系列データの解析と予測を同時に、
高い精度で実現する。 【解決手段】 入力された時系列データに対してウェー
ブレット変換による時間周波数解析を施して周波数成分
を2のべき乗毎の複数の周波数帯に分解し、分解された
各周波数帯毎に自己回帰モデルを当てはめてそれぞれの
自己回帰モデルを獲得する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、観測された時系列
信号を解析・予測することを必要とする工学・医学・画
像工学・統計学等の広い分野において、高い解析・予測
精度を必要とする場合の時系列信号処理方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】脳波・筋電・声帯・眼球運動等の生体信
号の時系列信号の多くは非定常性を呈しており、このよ
うな時系列信号を適切に解析することは一般には難しい
問題となっている。これは非定常性の信号は平均値と分
散値が時々刻々変化するが、多くの解析モデルは定常性
を仮定したものとなっているために、直接的に当てはま
らないことによる。さらに、信号に含まれるノイズの影
響もある。
【0003】したがって、解析方法として、特定時間区
間毎にデータを分割し、分割された区間毎に、よく用い
られている自己回帰(Auto Regressive:AR)モデルを適用
することが多い。すなわち、分割された時間帯では、信
号は定常性があると仮定して解析を行っているのであ
る。
【0004】分割区間を決定する固定時間長は、低周波
数成分を多く含んでいる場合は大きくとり、高周波数成
分を多く含んでいる場合は小さくとらないと高分解能が
得られない。また、適切な時間長をもつ区間にデータを
分割しなくてはならないが、一般には難しい。最適な時
間長を選択する規範として、例えば、赤池弘次,中川東
一郎による”ダイナミックシステムの統計的解析と制
御”:サイエンス社に示される赤池情報基準(AIC)
を適用しながら適切な時間長を推定する方法が考えられ
ているが、全体の演算量は多くなってしまう。また、A
ICは解析を主眼とした方法であるため、時系列データ
の予測問題までは、このままでは適用できない。
【0005】経済変動予測に代表されるように、非定常
性がある時系列信号の予測が必要されることも多い。非
定常性のある信号では、前処理的に、その対数値をとっ
た後、数回の微分を施したデータに、ARモデルを当て
はめている。このとき、データに弱い周期性が見られる
ときには、ARモデルではなくて、ARIMA(Auto-Re
gressive Integrated Moving Average) モデルへの当て
はめが通常行われている。
【0006】また、変動の予測とともに変動の性質を解
析することが行われている。これは、過去のデータの統
計的な分析を行うことで、株価の異常変動の要因との相
関を見い出すことが目的となっている。分析を行う際の
時間分解能は高いほど好ましいが、特定時間長毎に分析
されている。周波数解析を行うときは、短時間FFT法
や、特定区間毎での最大エントロピー法等が適用されて
いる。しかしながら、いずれの方法も、時間分解能を向
上させるには限界がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】非定常性を有する時系
列信号の解析を行うと同時に、予測することを統一的に
行われることが応用上好ましい。このとき、データの時
間分割の適切な大きさを少ない演算回数で推定できるこ
とが好ましい。周波数解析を行うときは、短時間FFT
法や、特定区間毎での最大エントロピー法等が適用され
ているものの、より細かい時間変動を解析することが必
要とされている。
【0008】さらに、自己回帰モデルにデータを当ては
めるとき、原データと自己回帰モデルの間で、最小自乗
法が適用される。この方法では、連立一次方程式を解く
問題に帰着するので、当てはめ精度にかかわらず解を求
めることができる。
【0009】しかしながら、当てはめ精度を向上させる
ためには、当てはめる前に予めデータに前処理を施して
おくことが考えられるが、データに施される前処理とし
てはデータの平滑化が見られる程度である。当てはめ精
度を向上させる手段としては、データの周波数成分の帯
域を狭めることが考えられる。
【0010】しかしながら、周波数変換を行うことによ
り狭帯域化は可能となるものの、時間情報が失われるた
め、ローパスフィルターもしくはハイパスフィルターを
適用して全帯域に一様な処理を施すには、遮断周波数が
それぞれ異なるフィルターを複数用意しておく必要があ
る。この場合、フィルターの特性が予め適用するデータ
に対応するように毎回設計を行う必要があり、応用上、
汎用性は低いと言える。したがって、時間情報を保った
まま、データの狭帯域化ができる方法が必要とされてい
る。
【0011】本発明は上述した従来技術が有する各問題
点の解決を図り、非定常時系列データの解析と予測を同
時に、高い精度で実現することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の時系列信号処理
方法は、入力された時系列データに対してウェーブレッ
ト変換による時間周波数解析を施して周波数成分を2の
べき乗毎の複数の周波数帯に分解し、分解された各周波
数帯毎に自己回帰モデルを当てはめてそれぞれの自己回
帰モデルを獲得することを特徴とする。
【0013】この場合、獲得された各周波数帯毎の自己
回帰モデルに基づいて予測を行うこととしてもよい。
【0014】また、分解された各周波数帯それぞれに獲
得された自己回帰モデルの値を同一時間方向に加え合わ
せて原信号に近い再構成信号を求め、前記再構成信号に
基づいて予測を行うこととしてもよい。
【0015】上記のいずれの場合においても、予測が、
外挿法によることとしてもよい。
【0016】また、予測が、自己回帰モデルの次数と係
数を、最小自乗分散法によるカルマンフィルターに入力
したときの出力を用いることにより行われることとして
もよい。
【0017】また、ウェーブレット変換に用いる基底と
して、スプライン基底、Daubechies基底, Symlet基底,
Coiflet基底, Harr基底のいずれかを適用することとし
てもよい。
【0018】また、自己回帰モデルは、AR,ARM
A,ARIMAのいずれかを用いることとしてもよい。
【0019】本発明の時系列信号処理装置は、時系列デ
ータを一時蓄積して出力するデータ蓄積手段と、前記デ
ータ蓄積手段出力にウェーブレット変換による時間周波
数解析を施すウェーブレット変換手段と、前記ウェーブ
レット変換手段出力を、周波数成分を2のべき乗毎の複
数の周波数帯に分解する多重解像度表現手段と、前記ウ
ェーブレット変換手段により分解された各周波数帯毎
に、自己回帰モデルを当てはめる自己回帰モデル推定手
段と、前記自己回帰モデル推定手段による各周波数帯毎
の自己回帰モデルの値を同一時間方向に加え合わせる再
構成表現手段とを備えることを特徴とする。
【0020】「作用」本発明では、原信号に単一の自己
回帰モデルを当てはめるのではなく、ウェーブレット変
換により複数の帯域に時間周波数分解してから自己回帰
モデルを当てはめるので、当てはめの精度が向上する。
この当てはめの精度は、さらにカルマンフィルターを併
用することでさらに向上することができる。
【0021】また、分解した時系列信号(自己回帰モデ
ルにより生成)を統合することで、原信号に近い信号を
獲得できると同時に、自己回帰モデルもしくはカルマン
フィルターの予測機能により、予測することもできる。
【0022】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0023】図1は本発明による一実施例の構成を示す
図であり、データ蓄積入力部100、ウェーブレット変
換部200、多重解像度表現部300、カルマンフィル
ターによるフィルタリングを行う自己回帰モデル推定部
400、再構成表現部500、データ出力部600によ
り構成されている。
【0024】データ蓄積入力部100は、不図示の入力
手段より入力される時系列データをデータを蓄積し、該
蓄積した時系列データを所定のタイミングでウェーブレ
ット変換部200へ出力する。
【0025】ウェーブレット変換部200では、時系列
データに時間周波数解析を施してその周波数成分を多重
解像度表現部300へ出力する。
【0026】多重解像度表現部300では、時系列デー
タの周波数成分を2のべき乗毎に分解し、分解した各周
波数帯(狭帯域化)毎に自己回帰モデル推定部400へ
出力する。
【0027】自己回帰モデル推定部400では各周波数
帯に自己回帰モデルの当てはめを行い、これにより自己
回帰モデルを獲得する。自己回帰モデルが各周波数帯毎
に獲得されることで、周波数解析が可能となる。このと
きは、どの時間帯における周波数解析であるかが明らか
となっている。さらに、予測についても、自己回帰モデ
ルに基づいて、外挿法により容易に計算できる。
【0028】統計的に予測精度をさらに向上させる場合
には、自己回帰モデルの次数と係数を、最小自乗分散法
によるカルマンフィルターにそのまま入力して、その出
力を使用することで可能となる。分解された各周波数帯
の自己回帰モデルは再構成表現部500へ出力される。
【0029】再構成表現部500では、分解された各周
波数帯の自己回帰モデルの値を同一時間方向に加え合わ
せることで、原信号に近い信号を再構成する。同時に、
自己回帰モデルもしくは、カルマンフィルターの出力を
用いることで、原信号からの予測を再構成する。
【0030】以下に、本実施例における各部の動作につ
いて説明する。
【0031】ウェーブレット変換(Wavelet Transform:
以下、WTと称する) は、従来のFFTによる周波数解析
と類似しているが、大きく異なっている点は、時間分解
能を上げるために窓関数を作用させる短時間FFT(Sho
rt-time FFT, 別名Gabor 関数:以下、SFFTと称する)の
ように、複数の窓関数を用意する必要がなく、時間方向
に予めデータを区切っておく必要もないことにある。W
Tでは、原信号とマザー関数と呼ばれる小さい波形との
畳み込み演算を行い、その出力を時間軸上にプロットし
ていくので、SFFTよりもはるかに、原信号の局所的
な特徴が得られることになる。したがって、時間分解能
は高いといえる。
【0032】WTでは、SFFTのように複数の窓関数
を用意する必要はないが、畳み込み演算を施す際にマザ
ー関数を相似倍に変化させながら原信号に作用させる必
要がある。これは、SFFTで原信号の低周波数成分を
検出したいときには大きな窓を、高周波数成分を検出し
たいときには小さな窓を用意していたことと等価な考え
方である。
【0033】通常、WTでは、マザー関数をその伸縮
と、時間軸上での平行移動の2つのパラメーターで表現
している。さらに、伸縮と平行移動の関係は、不確定性
関係により無駄が最も少ない2進数表現することが導か
れている。すなわち、分解可能な最小の周波数幅と時間
幅は、そのお互いの積が、常に0.5以上であることと
され、逆にこれ以上小さな幅の組み合わせは存在しない
のである。これは、SFFTでは窓関数の大きさについ
ては、任意の大きさであったために、重複した演算を多
くせざるを得なかったことに比べると、WTは効率的で
あり、かつ、時間分解能がはるかに向上することを示し
ている。
【0034】上記のように、WTでは、周波数方向には
2のべき乗の帯域毎に原信号が解析され、時間方向にも
2のべき乗の間隔で原信号が解析されて多重解像度表現
がなされる。同一のマザー関数から信号が分解表現され
るので、異なる帯域間での、時間方向の相関関係は一意
に保たれることが特徴である。
【0035】図2は、ウェーブレット変換部200にお
けるウェーブレット変換動作および多重解像度表現部3
00における入力信号の分解動作を説明するための図で
ある。図2(a)〜(d)のそれぞれは原信号が時間方
向に、低周波数成分から高周波数成分が次第に増加して
いくパターンの多重解像度解析結果を示す図であり、原
信号の2のべき乗の指数jを0(原信号)〜−3とした
ときの図である。
【0036】WTを適用する際、まず、図2(e)に示
されるようなスケーリング関数を決定する必要がある。
図2(e)には、3次のスプライン基底によるものが例
示されている。スケーリング関数にはスプライン基底の
他に、Daubechies基底, Symlet基底, Coiflet基底, Har
r基底等があり、いずれも適用可能である。
【0037】原信号は、このスケーリング関数を基底と
して、級数展開的に近似される。このときの級数(係
数)はFFTにより容易に算出することができる。
【0038】次に、図2(f)に示されるようなマザー
関数が上記のスケーリング関数により一意に算出され
る。
【0039】原信号(j=0)として、時間方向に、低
周波数成分から高周波数成分が次第に増加していくパタ
ーンの多重解像度解析を表現した例を示す(図2
(a))。図2(b)に示すj=−1とした例では、原
信号よりも1つ時間解像度を落した場合が示されてお
り、ここでは、原信号の時間に対応した、高周波数成分
が抽出されている。以下、図2(c),(d)に示され
るj=−2,−3とした各例では、時間解像度が2のべ
き乗毎に低くなるので、それだけ、原信号の低周波数成
分が抽出されてくる。このことから、WTの各スケール
に応じて、原信号の局所的な情報が見い出されるのであ
る。原信号の再構成について以下に説明する。
【0040】原信号を、まず、スケーリング関数φ
(x)により、近似する。
【0041】
【数1】 原データ列の周期性を仮定しているので、φ(n−N)
=φ(n)。
【0042】また、φ(1,1) (x)=φ(x−1)とし
ている。
【0043】
【数2】 と求まる。
【0044】次に、マザー関数ψ(x)を用いて、ウェ
ーブレット変換は、
【0045】
【数3】 と表わされて、逆ウェ−ブレット変換は、
【0046】
【数4】 (5)式は便宜上、
【0047】
【数5】 と表わすと、時間方向に、分解した信号を加算すれば、
原信号が再構成されることを示す。
【0048】次に、自己回帰モデル推定部400に関す
る動作について説明する。
【0049】自己回帰モデルは、時系列信号の解析およ
び予測に広く適用されている。これは、長い原信号時系
列パターンは少ない次数の線形方程式に近似させること
が可能であることに基づいている。すなわち、原信号の
連続する少数の点列に、適切な重みづけを与えること
で、次の点の値が過去の重みづけをされた点列から補間
表現できる、というモデルである。この重みづけと、次
数の決定については、最小2乗法当てはめと、AICで
基本的には推定することができる。自己回帰モデルを通
じて、原信号の全体の特徴は、次数と重みづけパラメー
ターに代表される。
【0050】実際、自己回帰モデルは原信号の周波数帯
域が狭いほどより有効に機能する。ここで、有効に機能
するとは、原信号への当はめの程度、すなわち、近似度
が高いことを言う。
【0051】図3は、自己回帰モデル推定部400に関
する動作を説明するための図である。図3(a)は原信
号の帯域成分が変化していくパターンの原信号を示す
図、図3(b)は図3(a)に示した原信号を1つの自
己回帰モデルで近似した結果を示す図、図3(c)は図
3(a)に示した原信号を所定の時刻間毎に区切り、そ
れぞれを自己回帰モデルで近似した結果を示す図であ
る。
【0052】図3(a)に示す原信号の帯域成分が変化
していくようなパターンの場合には、図3(c)に示す
ように1つの自己回帰モデルでの近似では必ずしもうま
くいかない。
【0053】予測を求めた1つの自己回帰モデルを行う
と、区間A,Bで得られる予測値は、原信号から推定さ
れるパターンとは大きく異なったパターンが得られてし
まうことになる。また、応用上は、なるべく少ない次数
での表現が好ましいわけであるが、帯域成分の変化が大
きな場合には、それだけ、次数を上げる必要がある。
【0054】自己回帰モデルの当てはめを向上させる方
法としては、時間方向に、適切にデータを区切って(時
刻t1 ,t2 ,・・・t5 )、各時刻間となる区間毎に
自己回帰モデルを当てはめる方法が考えられる。しかし
ながら、この方法だと、適切な時間間隔の決定は容易な
問題ではなく、ちょうどSFFTの窓関数の大きさ選択
・決定問題と同様の問題となる。さらに、各区間毎で周
波数解析を行うことも可能であるが、時系列データの予
測まで同時に行う場合には、各区間での自己回帰モデル
の連続性に問題が生じてしまう。
【0055】図4(a)〜(h)のそれぞれは、本実施
例における、原信号のWT分解、自己回帰モデル当ては
め、再構成(統合)、信号の予測までを説明する説明す
るための図である。
【0056】図4(a)に示される原信号がウェーブレ
ット変換部200および多重解像度表現部200におけ
るWTにより時間周波数解析されて図4(b)〜(d)
に示される各周波数帯域(j=−1,−2,−3)の信
号が得られる。これらの各信号に対して、自己回帰モデ
ル推定部400において、独立に図4(e)〜(g)に
示される自己回帰モデルが当てはめられる。これらの時
間方向に関する情報には位相差がないので、再構成表現
部500において同一時間成分毎に、自己回帰モデルの
値を加算して分解された信号を統合する。再構成表現部
500では上記のようにして原信号が再構成され、さら
に自己加算モデルの機能にしたがって、予測が可能とな
り、図4(h)に示す信号を生成することができる。
【0057】再構成表現部500における予測方法とし
て、自己回帰モデル、ここではARMAモデルを用いた
予測方法について説明する。
【0058】
【数6】 ところで(6)式より f0 (x)−G-1(x)+G-2(x)・・・・G-j(x)・・・・・・(6) であり、WTにより、J層までそれぞれ時間関数で表わ
されている。各G-j(x)に自己回帰モデルを当てはめ
る。すなわち、
【0059】
【数7】 したがって、(9)式における右辺は(10)式と置換
することができて、
【0060】
【数8】 となる。
【0061】(11)式が自己回帰モデルによる再構成
表現となる。
【0062】さらに予測値は同様にして、
【0063】
【数9】 なお、以上説明した予測方法において、自己回帰モデル
としてARMAモデルを用いる例について説明したが、
自己回帰モデルとしてARIMAモデルを用いてもよ
い。また、自己回帰モデルの次数と係数とを最小自乗分
散法によるカルマンフィルターに入力してその出力によ
り予測を行うこととしてもよい。
【0064】上述した本実施例による信号処理において
は、従来方法のような窓関数の問題もなく、WTを行っ
ても時間情報(位置情報)が確保されているので、時間
領域で定義されている自己回帰モデルをそのまま適用で
き、同時にWTで分解された成分は下式に示すように、
単純に加算すれば、元の信号に近い信号が容易に再構成
される。このようにして、必要に応じて、WTで分解さ
れた信号を解析することも可能であり、同時に、予測ま
でも可能であるのが本発明の特徴である。また、原信号
は非定常性を有していてもよく、あらゆる信号時系列へ
の適用が従来方法よりも高精度に可能である。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
非定常性を有する時系列信号の解析と予測を統一的に、
より高い精度に実現できるようになった。このとき、信
号に対する事前の知識もほとんど必要ではなく、さまざ
まな応用上重要であり、かつ要求も高い、容易に解析と
予測を適切にできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の構成を示す図である。
【図2】図1に示したウェーブレット変換部200にお
けるウェーブレット変換動作および多重解像度表現部3
00における入力信号の分解動作を説明するための図で
あり、(a)〜(d)のそれぞれは原信号が時間方向
に、低周波数成分から高周波数成分が次第に増加してい
くパターンの多重解像度解析結果を示す図であり、原信
号の2のべき乗の指数jを0(原信号)〜−3としたと
きの図、(e),(f)はウェーブレット変換に用いら
れるマザー関数を示す図である。
【図3】図1に示した自己回帰モデル推定部400に関
する動作を説明するための図であり、(a)は原信号の
帯域成分が変化していくパターンの原信号を示す図、
(b)は(a)に示した原信号を1つの自己回帰モデル
で近似した結果を示す図、(c)は(a)に示した原信
号を所定の時刻間毎に区切り、それぞれを自己回帰モデ
ルで近似した結果を示す図である。
【図4】(a)〜(h)のそれぞれは、図1に示した実
施例における、原信号のWT分解、自己回帰モデル当て
はめ、再構成(統合)、信号の予測までを説明する説明
するための図である。
【符号の説明】
100 データ蓄積入力部 200 ウェーブレット変換部 300 多重解像度表現部 400 自己回帰モデル推定部 500 再構成表現部 600 データ出力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G10L 9/16 301 G10L 9/16 301A

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された時系列データに対してウェー
    ブレット変換による時間周波数解析を施して周波数成分
    を2のべき乗毎の複数の周波数帯に分解し、 分解された各周波数帯毎に自己回帰モデルを当てはめて
    それぞれの自己回帰モデルを獲得することを特徴とする
    時系列信号処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の時系列信号処理方法にお
    いて、 獲得された各周波数帯毎の自己回帰モデルに基づいて予
    測を行うことを特徴とする時系列信号処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の時系列信号処理方法にお
    いて、 分解された各周波数帯それぞれに獲得された自己回帰モ
    デルの値を同一時間方向に加え合わせて原信号に近い再
    構成信号を求め、 前記再構成信号に基づいて予測を行うことを特徴とする
    時系列信号処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の時系列信号処理方法にお
    いて、 予測が、外挿法によることを特徴とする時系列信号処理
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の時系列信号処理方法にお
    いて、 予測が、自己回帰モデルの次数と係数を、最小自乗分散
    法によるカルマンフィルターに入力したときの出力を用
    いて行われることを特徴とする時系列信号処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の時系列信号処理方法において、 ウェーブレット変換に用いる基底として、スプライン基
    底、Daubechies基底,Symlet基底, Coiflet基底, Harr基
    底のいずれかを適用することを特徴とする時系列信号処
    理方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載
    の時系列信号処理方法において、 自己回帰モデルは、AR,ARMA,ARIMAのいず
    れかを用いることを特徴とする時系列信号処理方法。
  8. 【請求項8】時系列データを一時蓄積して出力するデー
    タ蓄積手段と、 前記データ蓄積手段出力にウェーブレット変換による時
    間周波数解析を施すウェーブレット変換手段と、 前記ウェーブレット変換手段出力を、周波数成分を2の
    べき乗毎の複数の周波数帯に分解する多重解像度表現手
    段と、 前記ウェーブレット変換手段により分解された各周波数
    帯毎に、自己回帰モデルを当てはめる自己回帰モデル推
    定手段と、 前記自己回帰モデル推定手段による各周波数帯毎の自己
    回帰モデルの値を同一時間方向に加え合わせる再構成表
    現手段とを備えることを特徴とする時系列信号処理装
    置。
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