JPH104963A - 生化学反応における物質供給法 - Google Patents

生化学反応における物質供給法

Info

Publication number
JPH104963A
JPH104963A JP16182496A JP16182496A JPH104963A JP H104963 A JPH104963 A JP H104963A JP 16182496 A JP16182496 A JP 16182496A JP 16182496 A JP16182496 A JP 16182496A JP H104963 A JPH104963 A JP H104963A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
gel
dna
pcr
hydrophilic polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16182496A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoko Murakami
智子 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koki Holdings Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Koki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Koki Co Ltd filed Critical Hitachi Koki Co Ltd
Priority to JP16182496A priority Critical patent/JPH104963A/ja
Publication of JPH104963A publication Critical patent/JPH104963A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、生化学反応を進行させるために必要な
試薬等の物質は、液体または固体の状態で供給される。
しかし、その種類が多く量が微量な場合、手操作での分
注は過酷である。しかも、これら試薬等において互いに
相互作用が生じる可能性のある場合、物質を予め混合し
て液体・固体の状態で供給することは望ましいことでは
なかった。 【解決手段】 本発明では、アガロース等の親水性高分
子を網目状に凝集させ、その網目構造の間に生化学反応
の進行に必要な試薬等の物質を含む液体を保持した状態
で提供する生化学反応に必要な物質の供給法に関するも
のであり、この方法により、生化学反応を進行させるた
めに必要な物質同士を予め混合しても、液体及び固体状
態で混合した場合と比較して親水性高分子の網目構造を
介しているので、物質同士の相互作用が小さくかつ飛散
する危険性が少ない状態で供給することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生化学反応におけ
る必要物質供給法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生化学反応を進行させる際に試料に加え
られる試薬等は液体または固体の状態で供給される。D
NAの化学反応を利用し、遺伝子の任意の塩基配列領域
を選択的に増幅する技術にPCR(Polymerase Chain R
eaction)法がある。PCR法はDNA試料とポリメラ
ーゼその他の試薬との混合物を繰り返し加熱・冷却して
DNA試料を複製する反応である。その詳細は以下に示
す通りである。
【0003】まず、DNAは塩基・ペントース・燐酸か
ら成るヌクレオチドが長い鎖状の分子をつくっている。
燐酸の結合している位置は、ペントースの5’位と3’
位が交互になっておりポリヌクレオチド鎖の一端が5’
末端なら他端は3’末端となる。即ち、DNA分子は
5’から3’という方向性を有している。DNA分子は
一般に相補的な塩基配列をもつポリヌクレオチド鎖が塩
基間の水素結合によって互いによじれ合い二重らせん構
造をとっている。二重らせん構造をとっている二本のポ
リヌクレオチド鎖において一方の鎖の一端が5’末端な
らそれと対応する鎖において5’末端に対応する一端は
3’末端である。このDNAの任意の塩基配列領域を選
択的に増幅させるためのPCR反応は以下のように進行
する。(Medical Technology vol.24 No3 1996) 1)鋳型DNAを94℃で熱変性させ、一本鎖にする。
(熱変性) 2)続いて増幅させるDNA領域両端の3’側にそれぞ
れ相補的な塩基配列をもつ約20mer(ヌクレオチドを
約20コ連結させた一本鎖のDNA)のプライマーを55
℃前後で結合させる。(アニーリング) 3)鋳型DNAを3’側から5’側によみながらプライ
マーを開始点として、DNAポリメラーゼにより5’側
から3’側に向けて相補鎖を72℃前後で合成させる。
(DNA鎖伸長) 以上の行程を1サイクルとし、これをn回繰り返すこと
で理論的にはDNAは2nに増幅される。この方法を利
用すると、試料中にただ一つの標的部位でも選択的に増
幅することができる。そのため元の試料も毛髪一本や一
滴の血液程度の微量な試料からDNAの特定領域を簡便
に増幅できる。このような特徴を持つPCR法は感染症
や遺伝病の診断等の臨床検査や法医学の分野での個人認
識等に広く用いられている。具体的な実験器具として
は、マイクロチューブまたはマイクロタイタープレート
を容器とし、マイクロピペットを注入用具としヒートブ
ロックの温度上昇・下降を加熱冷却手段としていた。な
お、容器へのDNA試料とポリメラーゼその他の試薬の
注入は、マイクロピペットを用いて手操作で行われてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の技術で
は、PCR法に関して試料が微量であるのでそれに必要
なPCR反応試薬もμlオーダーの微量なものである。
また、それが注入される容器はマイクロチューブまたは
マイクロタイタープレートであり注入用具はマイクロピ
ペットが一般的であり、手操作では大変な労力を要して
いる。特に多数の試料を処理するには過酷であり、時に
は調整ミスをおこす場合がある。またPCR反応試薬の
主なものは、DNAポリメラーゼを初めとし、DNA合
成の前駆体であるヌクレオチド、プライマー、PCR緩
衝液である。通常、それらは溶液の状態で別々の容器に
入れられ供給され、マイナス20℃程度で保存される。使
用するプライマーが同一の場合、これら反応試薬を所定
の割合で混合し一つの容器に溶液状態で保存し、使用す
る際に順次試料の入った容器に反応試薬必要量を供給す
るか、予め試料を注入する容器に反応試薬が注入されも
のが供給された方が実験者としては試薬注入の手間が軽
減される。しかしこれらの方法では以下に示す不都合が
生じる。
【0005】まず、反応試薬の溶液状態での保存が望ま
しくない理由の一つには、DNAポリメラーゼ及びヌク
レオチドを溶液状態で長期間保存するとそれらと水分子
の相互作用によりそれらの水素結合または疎水結合に変
化が生じる可能性が高くなりそれら自身の分解や変性を
もたらす。よって、DNAポリメラーゼやヌクレオチド
を、溶液状態で保存することは望ましくない。一般にヌ
クレオチドは溶液を凍結させた状態で保存されており、
DNAポリメラーゼは凍結・融解を繰り返すと変性失活
してしまうので濃縮された状態でグリセロール溶液とし
てマイナス20度程度に保存する。しかし、PCR反応へ
のグリセロールの影響が無視できないのでPCR反応へ
持ち込む場合はこの溶液を5倍程度希釈する。よって、
DNAポリメラーゼとヌクレオチドを一つの容器に入れ
て長期保存するのは好ましくない点もある。このような
不都合に加え、反応試薬を試料の注入する容器に予め注
入した状態で供給した場合は、容器の移動の際に容器内
の試薬溶液が飛散してしまう可能性が生じ、試料注入前
に遠心等により試薬溶液を容器底に集めなければならな
い手間が生じる。
【0006】本発明の目的は、生化学反応を進行させる
ために必要な物質同士を事前に混合しても液体状態で混
合した場合に較べ、相互作用が小さく且つ飛散しない状
態で供給することが可能な方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために生化学反応を進行させるために必要な物質
を特定の親水性高分子を含むゲルとすることにより達成
される。ゲルとは、アガロースなどの親水性高分子であ
る溶質が網目状に凝集して、生化学反応に必要な試薬等
の物質を含む液体である溶媒をその間に保持し透明ある
いは半固体状になった状態である。特定の親水性高分子
は、その生化学反応をの進行を阻害しない物質であるも
のに限られる。その生化学反応がPCR反応である場合
は、試料にDNAを用い反応を進行させるための物質の
1つが耐熱性DNAポリメラーゼと称する蛋白質である
ので核酸や蛋白質と相互作用しない物質であることが好
ましい。よって、生化学反応がPCR反応の場合、特定
の親水性高分子はDNAや蛋白質の分離・分析に用いら
れるゲル電気泳動の支持体を構成するアガロースまたは
アクリルアミドとN,‐N′メチレンビスアクリルアミ
ドの混合物がより好ましい。更にとり扱いの容易さを考
慮するとアガロースが最も好ましい。アガロースの融点
が60℃前後であるなら特別な加熱用具を必要とせず、湯
浴をすることにより容易に融解させることが可能であ
る。また、生化学反応を進行させるために必要な物質を
特定の親水性高分子を含むゲルは、容器に充填された状
態で供給することが可能である。また、生化学反応プロ
セス自動化装置において分注要素を用いて自動的にDN
A試料の存在する容器に供給されることも可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下の実施例は、本発明をPCR
法に用いるPCR反応試薬に適用したものである。
【0009】[実施例1] a)200μl容チューブに以下に示す試薬溶液等を注入
し低融点アガロースを融解させた後、適当な温度に放置
しそれらをゲル化する第1過程と、 10×PCR 緩衝液 ※1 5 μl dNTP ※2 4 μl プライマー1 ※3 0.5μl プライマー2 ※4 0.5μl 耐熱性DNAポリメラーゼ ※5 1 μl 蒸留水 38.5μl 低融点アガロース 0.001g ※110×PCR 緩衝液:100mM Tris‐HC l(pH8.3, 25℃) 500mM KCl 15mM MgCl2 ※2 dNTP:dGTP、dATP、dTTP、dCTP、各25mM ※3プライマー1:20pmol/μl 塩基配列(5’―GATGAGTTCGTGTCCGTACAACT―3’) ※4プライマー2:20pmol/μl 塩基配列(5’―GGTTATCGAAATCAGCCACAGCGCC―3’) プライマー1とプライマー2を用いると、本実施例で用
いるDNA試料の特定塩基配列部分の500塩基対の大き
さの領域を増幅できる。
【0010】※5耐熱性DNAポリメラーゼ:1.25U/μ
l Thermus aquaticus DNA Polymerase遺伝子をクローニ
ングし改変したものをトランスフォームした大腸菌より
分離したもので94kDaの耐熱性ポリメラーゼである。ま
た、天然の耐熱性 DNAポリメラーゼと同じ機能を有す
る。
【0011】b)第1過程を経た200μl容チューブに
増幅させる目的の特定塩基配列を有するDNA試料(1
μg/mlのラムダDNA)0.5μlをゲルに接触させるように
注入する第2過程と、 c)第2過程を経た200μl容チューブを前記塩基配列
を増幅させる目的で、94℃で5分保持しチューブ内のゲ
ルを融解させ前記DNA試料と同一の溶液状態とし、そ
の後、94℃で30秒、次いで55℃で30秒、ついで72℃で30
秒の温度サイクルを30回行う第3過程と、 d)第3過程を経た200μl容チューブを適当な温度に
保持し、チューブ内の溶液をゲル化する第4過程と、 e)増幅された特定塩基配列のDNA断片の濃度及び純
度を定性的に確認するため、アガロースゲルで構成され
た支持体の試料注入口に第4過程を経た200μl容チュ
ーブ内のゲルを充填しゲル電気泳動を行う第5過程から
構成される。
【0012】[実施例2] a)200μl容チューブに耐熱性 DNAポリメラーゼを除
いた以下に示す試薬溶液等を注入し低融点アガロースを
融解させた後、適当な温度に放置しそれらをゲル化する
第1過程と、 10×PCR 緩衝液 ※1 5 μl dNTP ※2 4 μl プライマー1 ※3 0.5μl プライマー2 ※4 0.5μl 蒸留水 38.5μl 低融点アガロース 0.001g (※1〜4は実施例1に準じる) b)第1過程を経た200μl容チューブに以下の試薬を
ゲルに接触させるように注入する第2過程と、 耐熱性 DNAポリメラーゼ ※5 1μl (※5は実施例1に準じる) c)第2過程を経た200μl容チューブに増幅させる目
的の特定塩基配列を有するDNA試料(1μg/ml のラ
ムダDNA)を第2過程で加えた試薬に接触させずかつゲ
ルに接触させるように注入する第3過程と、 d)第3過程を経た200μl容チューブを前記塩基配列
を増幅させる目的で、94℃で5分保持しチューブ内のゲ
ルを融解させ前記DNA試料と同一の溶液状態とし、そ
の後、94℃で30秒、次いで55℃で30秒、ついで72℃で30
秒の温度サイクルを30回行う第4過程と、 e)第4過程を経た200μl容チューブを適当な温度に
保持し、チューブ内の溶液をゲル化する第5過程と、 f)増幅された特定塩基配列のDNA断片の濃度及び純
度を定性的に確認するため、アガロースゲルで構成され
た支持体の試料注入口に第5過程を経た200μl容チュ
ーブ内のゲルを充填しゲル電気泳動を行う第5過程から
構成される。
【0013】[実施例3] a)200μl容チューブに以下に示す試薬溶液等を注入
し低融点アガロースを融解させた後、適当な温度に放置
しそれらをゲル化する第1過程と、 10×PCR 緩衝液 ※1 5μl dNTP ※2 4μl 蒸留水 38.5μl 低融点アガロース 0.001g (※1〜2は実施例1に準じる) b)第1過程を経た200μl容チューブに以下の試薬を
互いに接触させずかつゲルに接触させるように注入する
第2過程と、 プライマー1 ※3 0.5μl プライマー2 ※4 0.5μl 耐熱性DNAポリメラーゼ ※5 1 μl (※3〜5は実施例1に準じる) c)第2過程を経た200μl容チューブに増幅させる目
的の特定塩基配列を有するDNA試料(1μg/ml のラ
ムダDNA)0.5μlを第2過程で加えた試薬に接触させず
かつゲルに接触させるように注入する第3過程と、 d)第3過程を経た200μl容チューブを前記塩基配列
を増幅させる目的で、94℃で5分保持しチューブ内のゲ
ルを融解させ前記DNA試料と同一の溶液状態とし、そ
の後、94℃で30秒、次いで55℃で30秒、ついで72℃で30
秒の温度サイクルを30回行う第4過程と、 e)第4過程を経た200μl容チューブを適当な温度に
保持し、チューブ内の溶液をゲル化する第5過程と、 f)増幅された特定塩基配列のDNA断片の濃度及び純
度を定性的に確認するため、アガロースゲルで構成され
た支持体の試料注入口に第5過程を経た200μl容チュ
ーブ内のゲルを充填しゲル電気泳動を行う第5過程から
構成される。
【0014】[比較例]PCR法においてPCR反応試
薬を液体の状態で従来と同様に使用した例である。
【0015】a)200μl容チューブに増幅させる目的
の特定塩基配列を有するDNA試料(1μg/ml のラム
ダDNA)0.5μlと以下に示す試薬溶液等を注入し混合す
る第1過程と、 10×PCR 緩衝液 ※1 5 μl dNTP ※2 4 μl プライマー1 ※3 0.5μl プライマー2 ※4 0.5μl 耐熱性DNAポリメラーゼ ※5 1 μl 蒸留水 38.5μl 低融点アガロース 0.001g (※1〜5は実施例1に準じる) b)第1過程を経た200μl容チューブを、94℃で5分
保持し、その後、94℃で30秒、次いで55℃で30秒、つい
で72℃で30秒の温度サイクルを30回行う第2過程と、 c)増幅された特定塩基配列のDNA断片の濃度及び純
度を定性的に確認するため、アガロースゲルで構成され
た支持体の試料注入口に第2過程を経た200μl容チュ
ーブ内の溶液を注入しゲル電気泳動を行う第3過程から
構成される。
【0016】次に電気泳動の支持体であるアガロースゲ
ルにおいて、その試料注入口から試料が移動する最大値
を泳動方向に位置するゲル端であるとし、その距離をdt
とする。また試料注入口からDNA断片が検出できた位置
までの距離をdとする。この場合、分子量マーカーにお
けるそれぞれの塩基対の長さに対応するd/dt値を表1に
示す。
【0017】
【表1】
【0018】また実施例1〜3及び比較例より得られた
DNA断片のd/dt値を表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】表1に示したd/dt値より実施例1、2、3
及び比較例の操作で得られたこれら単一のDNA断片の塩
基対の長さは658塩基対と489塩基対の間に存在し、これ
は、PCR反応が通常通り行われていれば実施例1、
2、3及び比較例で用いたDNA試料の場合、プライマ
ー1とプライマー2を用いると、特定塩基配列部分の50
0塩基対の大きさの領域を増幅できるという事実に合致
する。ここで、実施例1ではPCR反応に必要とされる
すべての試薬を混合しゲル化し供給した。実施例2で
は、耐熱性DNAポリメラーゼ以外のPCR反応に必要と
される試薬を混合しゲル化し供給した。実施例3では、
耐熱性DNAポリメラーゼ・プライマー以外のPCR反応
に必要とされる試薬を混合しゲル化し供給した。実施例
1、2、3の様にPCR反応試薬をアガロースを用いゲ
ル化した状態で供給する際に、それに耐熱性DNAポリメ
ラーゼ及びプライマーを含めた場合も含めない場合も従
来と同様にPCR反応が進行することが確認できた。
【0021】また、PCR反応後、増幅したDNA断片を
電気泳動により分析を行う場合、従来は支持体の試料注
入口に試料を液体の状態で注入し電気泳動を行っていた
が実施例1、2、3に示したように試料がゲルに含まれ
ている場合でも従来と同等に電気泳動を達成することが
できた。
【0022】
【発明の効果】本発明による生化学反応における物質供
給法により、反応を進行させるためにゲルを溶液状態に
転移させることにより、生化学反応の進行に必要な物質
を反応開始前に混合しても、相互作用が小さくかつ飛散
しない状態で供給できる。また本発明による生化学反応
を進行させるために必要な物質を特定の親水性高分子を
含むゲルとして容器に充填された状態で供給すると、実
験者は容器に一定量の試料を注入し同一時間にゲルの融
解を開始することにより、どの試料においても同一状態
で反応を進行させることができる。更に生化学反応プロ
セス自動化装置において分注要素を用いて自動的に試料
の存在する容器に供給されることも可能である。特に、
その生化学反応がPCR反応であり、PCR反応の進行
に必要な物質を含む溶液をアガロースを用いてゲル化し
た場合は、比較的融点が低いアガロースでも60℃前後に
達しなければ溶液状態に転移しないので、従来と同様に
液体状態でPCR反応の進行に必要な物質を供給した場
合と比較して、増幅される特定領域を有するDNAが熱
変性に達する前にプライマー同士が結合するアニーリン
グやプライマーが二つ以上結合するオリゴマー化などの
非特異反応を抑制する効果も期待できる。更にアガロー
スがゲル化する温度は20℃前後であり、一方のPCR反
応の加熱・冷却の過程での温度は100℃から50℃の間で
行われているので、一度融解したアガロースがPCR反
応の進行途中でゲル化する可能性はなくPCR反応は阻
害されない。また、PCR反応後、増幅したDNAはア
ガロースとの共存下にあり、雰囲気温度をアガロースが
ゲル化するまで下降させると、増幅されたDNAを含む
アガロースゲルが生成し、ここで増幅されたDNAの分
析にゲル電気泳動法を用いる場合、増幅されたDNAを
含むアガロースゲルを電気泳動を行う支持体の試料注入
口に充填し、電気泳動を行うことによりDNAの分析が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になる一実施例においてPCR反応試
薬に用いた場合のPCR反応に至までのプロセスを示す
図である。
【図2】 本発明になるPCR反応試薬に用いた場合の
PCR反応に至までのプロセスを示す図である。
【図3】 本発明になるPCR反応試薬に用いた場合の
PCR反応に至までのプロセスを示す図である。
【符号の説明】
1はチューブである。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物質に何種類かの反応物質を加えて進行
    させる生化学反応において、前記反応物質の少なくても
    1種類以上が特定の親水性高分子とを含むゲルとして供
    給され、且つ該ゲルを溶液状態に転移させることにより
    反応が進行することを特徴とする生化学反応における物
    質供給法。
  2. 【請求項2】 前記生化学反応が核酸の化学反応である
    ことを特徴とする請求項1記載の生化学反応における物
    質供給法。
  3. 【請求項3】 前記生化学反応がPCR反応であること
    を特徴とする請求項1記載の生化学反応における物質供
    給法。
  4. 【請求項4】 前記ゲルを溶液状態に転移させる手段が
    熱による融解であることを特徴とする請求項1記載の生
    化学反応における物質供給法。
  5. 【請求項5】 前記ゲルを溶液状態に転移させる手段が
    酵素による触媒反応であることを特徴とする請求項1記
    載の生化学反応における物質供給法。
  6. 【請求項6】 前記ゲルを溶液状態に転移させる手段が
    化学物質による化学反応であることを特徴とする請求項
    1記載の生化学反応における物質供給法。
  7. 【請求項7】 前記親水性高分子は、電気泳動における
    支持体の媒質として使用することが可能であることを特
    徴とする請求項1記載の生化学反応における物質供給
    法。
  8. 【請求項8】 前記親水性高分子は、クロマトグラフィ
    ーの充填剤として使用することが可能であることを特徴
    とする請求項1記載の生化学反応における物質供給法。
  9. 【請求項9】 前記親水性高分子は、多糖類であること
    を特徴とする請求項1記載の生化学反応における物質供
    給法。
  10. 【請求項10】 前記親水性高分子は、蛋白質であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の生化学反応における物質
    供給法。
  11. 【請求項11】 前記親水性高分子は、アガロースであ
    ることを特徴とする請求項1記載の生化学反応における
    物質供給法。
JP16182496A 1996-06-21 1996-06-21 生化学反応における物質供給法 Pending JPH104963A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16182496A JPH104963A (ja) 1996-06-21 1996-06-21 生化学反応における物質供給法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16182496A JPH104963A (ja) 1996-06-21 1996-06-21 生化学反応における物質供給法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH104963A true JPH104963A (ja) 1998-01-13

Family

ID=15742616

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16182496A Pending JPH104963A (ja) 1996-06-21 1996-06-21 生化学反応における物質供給法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH104963A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000014218A1 (fr) * 1998-09-08 2000-03-16 Takara Shuzo Co., Ltd. Procede de synthese de l'adn

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000014218A1 (fr) * 1998-09-08 2000-03-16 Takara Shuzo Co., Ltd. Procede de synthese de l'adn
US6673578B1 (en) 1998-09-08 2004-01-06 Takara Shuzo Co., Ltd. Method for synthesizing DNA

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1594981B1 (en) Double ended sequencing
EP2428588B1 (en) Recombinase Polymerase Amplification
Weier et al. A programmable system to perform the polymerase chain reaction
US20080241841A1 (en) Method and apparatus for sample preparation
WO2017201315A1 (en) Quantitative real time pcr amplification using an electrowetting-based device
US20090308736A1 (en) Apparatus and method for specific release of captured extension products
AU2008206221A1 (en) Stable reagents and kits useful in loop-mediated isothermal amplification (LAMP)
US5599921A (en) Oligonucleotide families useful for producing primers
US6753169B2 (en) Pressure-controlled nucleic acid hybridization
EP3805408B1 (en) Method of detecting target nucleic acid using rolling circle amplification and composition for detecting target nucleic acid
JPH104963A (ja) 生化学反応における物質供給法
Broll Polymerase chain reaction
JP2928992B2 (ja) Dna及び/又はrnaを特異的に増幅し検出する方法
US20190024140A1 (en) Methods and compositions for isolating asymmetric nucleic acid complexes
US20210079458A1 (en) Amplification method of a single stranded dna
JP7191115B2 (ja) エンドヌクレアーゼ媒介移動平衡(EM-SEq)による核酸の増幅のための方法
WO1990001562A1 (en) Solid-phase sequencing method for single- and double-stranded nucleic acids
WO2014090729A1 (en) Interstitial amplification
AU2007200929A1 (en) Recombinase Polymerase Amplification
JP2005218301A (ja) 核酸の塩基配列決定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040615