JPH1048075A - 流動層装置層内管の変動荷重測定方法及び装置 - Google Patents

流動層装置層内管の変動荷重測定方法及び装置

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JPH1048075A
JPH1048075A JP20200396A JP20200396A JPH1048075A JP H1048075 A JPH1048075 A JP H1048075A JP 20200396 A JP20200396 A JP 20200396A JP 20200396 A JP20200396 A JP 20200396A JP H1048075 A JPH1048075 A JP H1048075A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動層装置層内伝熱管の変形量評価式に必要
な、変動荷重の時間的及び空間的な分布やランダム性を
高精度に測定すること。 【解決手段】 層内に管群を有する流動層装置の中のあ
る選ばれた層内管201〜208または該管を模擬した
ダミー管にひずみゲージ15を貼り付け、層内管201
〜208またはダミー管を管軸方向に少なくとも二つ以
上に分割し、分割した各管のひずみを測定することによ
り、流動媒体の衝突によって管に発生する変動荷重を測
定する。測定対象管201〜208を、管軸方向に複数
に分割することにより、分割したある一つの管に流動媒
体が衝突して荷重が生じても、この荷重が他の分割した
管に伝播することがない。これにより、管軸方向におけ
る変動荷重の分布の他、変動荷重管間の相関性や位相等
のランダム性が測定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換性能の向上
や反応促進等のあらゆる目的で使用される流動層装置に
係わり、特に層内の伝熱管、反応管等に衝突する流動媒
体の変動荷重の分布やランダム性を定量的に測定可能に
する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】流動層装置は、熱交換性能の向上や反応
促進等のあらゆる目的で一般に広く使用されている。そ
の一例として火力発電プラントの分野では、CO2排出
量と燃料消費量の低減のために流動層ボイラが注目され
ている。この種のボイラは、燃料である石炭を粒状固体
である流動媒体と混合して燃焼させるため、熱伝達の効
率がよいという特徴がある。
【0003】図11に流動層ボイラの模式図を示す。火
炉6内には伝熱管1が設置されており、流動媒体5が充
填されている。流動媒体5は、送風機(図示せず)、ウ
ィンドボックス4、空気分散板3を介して吹き上げられ
た熱風で流動化されており、流動媒体5を含む気泡2が
伝熱管1に衝突したときに伝熱管1に変動荷重が作用す
る。この変動荷重は時間的及び空間的にランダムである
が、この変動荷重が伝熱管1に繰り返し作用することに
より、流動層ボイラの心臓部である伝熱管1及びその支
持構造には繰り返し応力が発生する。したがって、伝熱
管1及びその支持構造の疲労に対する安全性を評価し、
この評価に基づいて信頼性の高い構造とするためには、
変動荷重のランダム性を考慮し、伝熱管1の変形量を高
精度に推定することが重要な課題である。
【0004】図12に、流動媒体によるランダムな変動
荷重(Qi、Qj等)が伝熱管1に作用した状態を示す。
伝熱管1の変形量(ui、uj等)を厳密に評価するに
は、変動荷重(Qi、Qj等)の管軸方向の分布、変動荷
重間の相関や位相等のランダム性を表すデータを高精度
に測定する必要がある。具体的に必要なデータとして
は、変動荷重の二乗値を周波数帯域成分ごとに示したパ
ワースペクトル、変動荷重間の相関性を周波数帯域成分
ごとに示したコヒーレンススペクトル、変動荷重間の位
相を周波数帯域成分ごとに示した位相スペクトル等の周
波数スペクトルがあり、これらのスペクトルを伝熱管の
変形量評価に取り込む必要がある。この評価法について
以下に具体的に説明する。
【0005】伝熱管の変形量を計算するには、図13に
示すような計算モデル(集中質点モデル)が必要とな
る。図13では質点の個数を8個(m1〜m8)にしてい
るが、この数は、後述する本発明による動荷重測定装置
(図1)における、ひずみ測定対象管201〜208の
数に対応している。
【0006】本モデルでは、質点に対応して剛性k1
8、減衰定数c1〜c8を設定し、各質点に外力として
の動荷重Q1(t)〜Q8(t)が作用すると考える。こ
のモデルでは質量マトリクスを[M]、剛性マトリクス
[K]、減衰マトリクスを[C]とし、各質点に働く動
荷重ベクトルを次の数式(1)で表す。
【数1】 ここに、添字Tはベクトルあるいはマトリクスの転置を
意味する。
【0007】[M],[C],[K]及び{Q(t)}
を用いれば、動荷重が作用した場合の伝熱管の振動方程
式は次の数式(2)
【数2】 となる。{U(t)}は図13中の各質点の鉛直方向の
変位ベクトルであり、ベクトル成分u1(t)〜u
8(t)を用いて、次の数式(3)で表される。
【数3】 数式(2)中の を表す。
【0008】確率論的振動解析手法に基づけば、伝熱管
の変形量評価式は以下の数式(4)に導出される。
【数4】
【0009】ここに、uirmsは図13に示す伝熱管モ
デルの質点iの変位のroot meansquare値(以下、実効
値と称す)である。SQev(ω)はe番目の質点(以
下、質点eと言う)に働く変動荷重Qe(t)のパワー
スペクトル、SQvv(ω)はv番目の質点(以下、質
点vと言う)に働く変動荷重Qv(t)のパワースペク
トル、WQev(ω)は質点eに働くQe(t)と質点v
に働くQv(t)のコヒーレンススペクトル、θQ
ev(ω)はQe(t)とQv(t)の位相スペクトルであ
る。nは質点の数(=8)、mは固有モード数であり、
φijは[M]で正規化したj次固有モードベクトルの節
点iの成分である。
【0010】Hj(ω)はj次固有モードの周波数応答
関数であり、図13に示す管モデルと同じ管軸方向長さ
を持つ管のj次のモードの減衰比βi、固有円振動数
ωj、変動荷重の周波数ω及び虚数γを用いて次の数式
(5)に従って計算できる。
【数5】
【0011】数式(5)により計算したHj(ω)を数
式(4)に入力し、さらに変動荷重のパワースペクトル
Qee(ω)及びSQvv(ω)、コヒーレンススペク
トルWQev(ω)、位相スペクトルθQev(ω)を式
(4)に入力すればuirmsが計算できる。
【0012】以上より、図13に示す伝熱管の管軸方向
に分布して作用する変動荷重のパワースペクトルSQ
ev(ω)、コヒーレンススペクトルWQev(ω)、位
相スペクトルθQev(ω)等の変動荷重のランダム性
を表す物理量が測定できれば、数式(4)により厳密な
伝熱管変形量の評価が可能であることがわかる。
【0013】ところが、従来の変動荷重測定方法では、
上記のような、管軸方向の動荷重のパワースペクトル、
コヒーレンススペクトル及び位相スペクトルを測定でき
なかった。従来の測定方法を図14及び図15に示す。
これら二つの図はElectricPower Research Instituteの
プロジェクトの研究成果報告書(プロジェクト番号:7
18−2、報告期日:1980年9月、報告書タイト
ル:A Study ofForces on Immersed Tubes in Fluidize
d Beds、著者:T.C.Kennedy, OregonState Universit
y)から抜粋したものである。
【0014】図14と図15について詳しく説明する。
図14は、ダミー管11(固定端部のみ図示)全体に作
用する変動荷重を測定する装置を示している。この装置
は、中空のダミー管11の内部に円板13を固定し、こ
の円板13を支持管14及び支持板17を介して支持フ
レーム12にリベット18で接合したものであり、支持
管14にはひずみゲージ15が貼付けられている。この
ような構造にすることにより、ダミー管11に流動媒体
が衝突してダミー管が振動した場合、この振動が支持管
14に伝播して、ひずみゲージ15により、この振動が
測定できる。測定したひずみは容易に荷重に換算でき、
ダミー管11の管軸方向全域に作用する変動荷重が測定
できる仕組みになっている。
【0015】図15は第2の従来例であり、ダミー管2
1全体に作用する変動荷重を測定する装置を示してい
る。この装置は、ダミー管21をUボルト23で支持板
24に固定し、この支持板24を支持具25を介して支
持フレーム22に接合したものであり、支持板24には
ひずみゲージ15が貼付られている。このような構造に
することにより、図14と同様に、ダミー管21の管軸
方向全域に作用する変動荷重が測定される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
に図14または図15に示した測定装置では、ダミー管
11、21の管軸方向全域に作用する変動荷重はマクロ
的に測定できるが、変動荷重の管軸方向の分布の他、相
関性や位相等のランダム性は測定不可能であり、ひいて
は数式(4)による高精度な伝熱管変形量評価ができな
かった。
【0017】また、このような理由により、従来におい
ては、図12に示すような変動荷重(Qi,Qj等)につ
いて、図16に示すようなQi,Qj間の相関や位相θij
等のランダム性を全く考慮せず、変動荷重(Qi,Q
j等)の値を単純加算して伝熱管に負荷するという方法
を採っていた。この方法では明らかに伝熱管の変形量を
過大評価することになり、伝熱管断面及び管群支持構造
の設計は非常に不合理に行ならざるを得ないことが問題
であった。
【0018】本発明の課題は上記従来技術における欠点
を解消し、下記の技術的課題を解決することである。 (1)流動層装置層内管の変形量評価式に必要な、変動
荷重の時間的及び空間的な分布やランダム性を高精度に
測定できる方法並びに装置を提供する。 (2)前記(1)により測定した変動荷重のランダム性
を用いて、高精度に流動層装置層内管の変形量を評価す
ることを可能にする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題は、次の構成に
よって解決される。すなわち、層内に管群を有する流動
層装置の中のある選ばれた層内管または該管を模擬した
ダミー管にひずみゲージを貼り付け、流動媒体の衝突に
よって管に発生する変動荷重を測定する方法において、
層内管またはダミー管を管軸方向に少なくとも二つ以上
に分割し、分割した各管のひずみを測定することによ
り、流動媒体による変動荷重の時間的または空間的な分
布やランダム性を測定する流動層装置層内管の変動荷重
測定方法である。
【0020】本発明は上述したように流動媒体による変
動荷重の測定を対象とする管を、管軸方向に複数に分割
することにより、分割したある一つの管に流動媒体が衝
突して荷重が生じても、この荷重が他の分割した管に伝
播することがない。これにより、管軸方向における変動
荷重の分布の他、変動荷重管間の相関性や位相等のラン
ダム性が測定できる。
【0021】ここで、管軸方向に少なくとも二つ以上に
分割した各管の間での力の伝達が絶縁されるように、分
割した管の周囲に配置される支持管によって、分割した
各管を個々に支持することにより、より正確に管軸方向
における変動荷重を測定できる。
【0022】本発明には次の構成も含まれる。すなわ
ち、層内に管群を有する流動層装置の中のある選ばれた
層内管または該管を模擬したダミー管にひずみゲージを
貼り付け、流動媒体の衝突によって管に発生する変動荷
重を測定する装置において、層内管またはダミー管を管
軸方向に少なくとも二つ以上に分割し、分割した各管に
少なくとも一枚以上のひずみゲージを貼り付けて流動媒
体による変動荷重を測定する流動層装置層内管の変動荷
重測定装置である。
【0023】上記流動層装置層内管の変動荷重測定装置
は、管軸方向に少なくとも二つ以上に分割した管の間で
の力の伝達が絶縁されるように、分割した管の周囲に配
置される支持管によって、分割した管を個々に支持する
構成を採用しても良い。また、上記変動荷重測定装置は
流動層装置のケーシングに菱形の穴を開け、該穴に挿入
できて、取り外しが可能な構成とすることもできる。
【0024】菱形の支持板に両端を支持された変動荷重
測定装置を前記ケーシングに菱形の穴に装着して、変動
荷重測定装置を流動層装置の管群に挿入すると、変動荷
重測定装置は管群の管の配置ピッチを乱すことがなく、
流動層装置における流動層の流動状態を阻害することが
ない。
【0025】本発明の測定方法及び装置が適用される流
動層装置の層内に配置される管は伝熱管、反応管等な
ど、ガスまたは水などの加熱用、各種反応用の配管とし
て用いられる熱回収用管、あるいは流動層内の冷却用な
どに用いられる層内温度制御用の配管などである。前記
熱回収用流動層装置とは、流動層ボイラ、蒸気ボイラの
蒸気を非腐食性ガスで過熱するスーパーヒータ、一般的
なプロセスガスの加熱管、反応性ガスの反応管などであ
る。また、前記層内温度制御用流動層装置とは、ごみ焼
却炉など層内温度を調節する伝熱管などである。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
する。図1に本発明の一実施例の概略側面図を示す。本
実施例では、管軸方向に分割した測定対象管201〜2
08にひずみゲージ15をそれぞれ貼り付けて、管20
1〜208が鉛直方向にたわんだ場合のひずみ201Z
〜208Zを測定するものであり、これによって、管軸
方向の変動荷重の分布の他、相関性、位相等のランダム
性が評価可能である。
【0027】図1に示す装置は、ひずみゲージ15、測
定対象管201〜208等の部品が焼損しない運転状態
(例えば、コールド運転状態)においては、事業用、産
業用等の目的で実際に使用される流動層装置及び試験に
使用される装置のどちらにも支障なく使える。以下、両
者を「流動層装置」と総称して、本実施例を説明する。
【0028】図1中のA−A線断面、B−B線断面及び
C−C線断面を、各々図2、図3及び図4に示す。これ
らの三つの図2〜図4の内、まず最初に図3を説明し、
続いて図2、図4の順に説明する。
【0029】図3は、図1におけるひずみゲージ15の
貼り付けられた測定対象管201〜208のうち、管2
03の断面を示したものである。測定対象管203は、
該管203の両端部をT型の支持板210を介して分割
しない管212、213、214に支持されている。
【0030】図2は、図1及び図3に示した支持管21
2、213、214の端部の断面を示したものである。
図2から支持管212、213、214の端部は支持板
215に接合されていることがわかる。また、図1に示
すように管212、213、214のもう一方の端部
は、支持板216に支持されている。なお、支持板21
5、216には、管ピッチを変えない目的で管211も
接合されている。
【0031】図4は、図1におけるひずみのゲージ15
の貼り付けられた測定対象管201〜208のうち、管
203の右端部から管204の左端部までの距離の中央
点での断面を示したものである。図4に示すように、図
1のC−C線断面には、4つの支持管211〜214し
か存在せず、測定対象管203と管204が連続してい
ないことが分かる。
【0032】図1に示す測定対象管201〜208は、
塩化ビニール樹脂等の変形しやすい低剛性な材料を用い
て作製し、支持管211、212、213、214及び
支持板210、215、216は、鉄等の変形しにくい
高剛性な材料を用いて作製すればよい。
【0033】ひずみゲージ15からひずみ測定計器(図
示せず)の間はリード線(図示せず)で連結する必要が
あるが、このような配線は支持管211、212、21
3、214を這わせて図2中の支持板215に設けられ
た配線取り出し口217から取り出せるようになってい
る。
【0034】本実施例は上記のような構造であることか
ら、測定対象管201〜208の間での力の伝達が絶縁
され、個々の測定対象管201〜208に作用する変動
荷重の管軸方向の分布の他、相関性や位相等を定量的に
評価できる。以下、図1に示した装置のことを「管軸方
向動荷重分布測定装置」と称す。
【0035】次に、前記管軸方向動荷重分布測定装置を
流動層装置に設置する方法を説明する。図5に管軸方向
から見た流動層装置を示す。管群9はケーシング106
に固定され、装置の運転時には、管群9が流動媒体に埋
没する状態になる。このような装置の任意の位置に、管
軸方向動荷重分布測定装置を設置することができる。設
置の方法は以下に述べる通りである。
【0036】図2(図1のA−A線断面図)に示すよう
に、管軸方向動荷重分布測定装置の支持板215は菱形
になっている。支持板215を菱形にする理由は菱形の
支持板215を有する管軸方向動荷重分布測定装置を図
5の流動層装置の管群9に挿入すると、管群9の管の配
置ピッチを乱すことがなく、ひいては図5の流動層装置
における流動状態を阻害することがないためである。
【0037】支持板215の具体的な設置方法として
は、図1中の菱形の支持板215に対応するように図5
の装置のケージング106に穴215a〜215iを開
け、その位置に管軸方向動荷重分布測定装置を挿入でき
る。このような構造にすることによって、装置における
任意の場所(穴215a〜215i等)の流動媒体変動
荷重を測定することができる。
【0038】なお、本発明では、管軸方向動荷重分布測
定装置を挿入する穴215a〜215iの個数の位置に
ついて特に限定はない。また、本発明では前述した測定
対象管201〜208に貼り付けるひずみゲージ15の
枚数や位置の他、支持板215、216や支持管21
1、212、213、214等の部品の材質についても
特に限定されるものではない。
【0039】図1に示す管軸方向動荷重分布測定装置を
用いて、上記したひずみ201Z〜208Zの時刻歴波
形、周波数スペクトル等を測定した例を以下に示す。本
測定例では、図1に示す測定装置を図5に示す流動層装
置中の穴215hに設置した。装置の運転条件として、
空気分散板3から吹き上げた空気により、ケーシング1
06内部に充填された流動媒体を管群9の上端まで上昇
させた流動状態で、ひずみ測定を実施した。ひずみの時
刻歴波形の測定時間は約15分、測定対象としたひずみ
の周波数帯域は0〜16Hz、スペクトルの平均回数は
32とした。
【0040】なお、以下では、分かり易くするため、図
1に示す管軸方向動荷重分布測定装置を図6のように模
式的に描いたものを説明に用いる。図7に、管軸方向動
荷重分布測定装置(図6)で測定したひずみ201Z〜
208Zのうち、ひずみ201Z〜204Zの時刻歴波
形を示す。これらの時刻歴波形に着目すると、ひずみ2
01Z〜204Zの波形の高さがほぼ等しいこと、ひず
み201Z〜204Zの波形の凹凸形状が時間軸に対し
てほぼ一致していることから、ひずみ201Z〜204
Zはほぼ同振幅、同位相で振動していることが窺える。
【0041】図8に、図7に示したひずみ201Z〜2
04Zのパワースペクトルを示す。図8より、ひずみ2
01Z〜204Zのパワースペクトルは約3Hzを中心
として2〜4Hzの周波数帯域のひずみ成分が卓越して
いる。装置における流動状態を観察した結果、流動媒体
を含んだ気泡が伝熱管に衝突する頻度は1秒あたり約3
回であったことから、本測定例で観測されたひずみは、
図11に示す流動媒体5を含んだ気泡2の衝突によるも
のであるといえる。
【0042】図9に本実施例での測定例によるコヒーレ
ンススペクトルを示す。前述したように、図8に示すひ
ずみのパワースペクトルでは2〜4Hzの周波数帯域成
分が卓越しているが、図9によるとコヒーレンススペク
トルでも2〜4Hzの周波数帯域成分が大きい。管20
1を基準点として管軸方向距離とコヒーレンスの関係を
検討した結果、管201から距離が近い管202では管
201に対する相関性が高いが、管201からの距離が
長くなるにしたがって管203、204の順で相関性は
徐々に低くなっている。
【0043】図10に、ひずみ201Z〜204Zの位
相スペクトルを示す。ひずみのパワースペクトルは約3
Hzを中心として2〜4Hzの周波数帯域成分が卓越し
ており、かつこの帯域においてコヒーレンススペクトル
の値が大きいので、本実施例では位相スペクトルの周波
数が3Hzの点の位相値に着目した。これによると基準
点である管201からの距離にかかわらず、ひずみ20
1Zに対する管201〜204のひずみ202Z、20
3Z及び204Zはほぼ同位相であり、管201〜20
4には同じ方向のひずみが発生していることが分かっ
た。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、以下の事項が実現され
る。 (1)流動層装置において、流動媒体の衝突によって管
群に生じる変動荷重の時間的空間的な分布やランダム性
の測定が可能となる。 (2)前記(1)によって測定されたランダム性を考慮
することにより、高精度かつ合理的な伝熱管の変形量評
価が可能となる。
【0045】(3)前記(2)で述べた高精度かつ合理
的な伝熱管の変形量評価に基づき、流動層装置の層内伝
熱管群及び管群支持構造の信頼性評価が可能となる。 (4)前記(3)による信頼性評価の結果に基づいて流
動層装置の運転状態を制御することにより、装置自体に
損傷を与えることがなく、安定した流動層装置の運用が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による変動荷重測定装置の一実施例を
示した図である。
【図2】 図1の変動荷重測定装置のA−A線断面図で
ある。
【図3】 図1の変動荷重測定装置のB−B線断面図で
ある。
【図4】 図1の変動荷重測定装置のC−C線断面図で
ある。
【図5】 図1の変動荷重測定装置を流動層中に配置し
た流動層断面図である。
【図6】 図1に示す変動荷重測定装置の模式図であ
る。
【図7】 本発明特有の効果の一例として、ひずみの時
刻歴波形とパワースペクトルを示したものである。
【図8】 本発明特有の効果の一例として、ひずみの時
刻歴波形とパワースペクトルを示したものである。
【図9】 本発明特有の効果の一例として、ひずみのコ
ヒーレンススペクトル及び位相スペクトルを示したもの
である。
【図10】 本発明特有の効果の一例として、ひずみの
コヒーレンススペクトル及び位相スペクトルを示したも
のである。
【図11】 本発明の変動荷重測定装置が適用される流
動層ボイラの模式図である。
【図12】 伝熱管の管軸方向に作用する変動荷重と伝
熱管の変形量の関係を示した図である。
【図13】 管の集中質点モデルを示したものである。
【図14】 従来の変動荷重測定装置を示したものであ
る。
【図15】 従来の変動荷重測定装置を示したものであ
る。
【図16】 伝熱管の変形量評価手法の概要を示したも
のである。
【符号の説明】
3 空気分散板 9 管群 15 ひずみゲージ 106 ケーシ
ング 201〜208 測定対象管 201Z〜20
8Z ひずみ 212〜214 非分割支持管 210、21
5、216 支持板 211 支持管 217 配線取
り出し口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 層内に管群を有する流動層装置の中のあ
    る選ばれた層内管または該管を模擬したダミー管にひず
    みゲージを貼り付け、流動媒体の衝突によって管に発生
    する変動荷重を測定する方法において、 層内管またはダミー管を管軸方向に少なくとも二つ以上
    に分割し、分割した各管のひずみを測定することによ
    り、流動媒体による変動荷重の時間的または空間的な分
    布やランダム性を測定することを特徴とする流動層装置
    層内管の変動荷重測定方法。
  2. 【請求項2】 管軸方向に少なくとも二つ以上に分割し
    た各管の間での力の伝達が絶縁されるように、分割した
    各管を個々に支持することを特徴とする請求項1記載の
    流動層装置層内管の変動荷重測定方法。
  3. 【請求項3】 層内に管群を有する流動層装置の中のあ
    る選ばれた層内管または該管を模擬したダミー管にひず
    みゲージを貼り付け、流動媒体の衝突によって管に発生
    する変動荷重を測定する装置において、 層内管またはダミー管を管軸方向に少なくとも二つ以上
    に分割し、分割した各管に少なくとも一枚以上のひずみ
    ゲージを貼り付けて流動媒体による変動荷重を測定する
    ことを特徴とする流動層装置層内管の変動荷重測定装
    置。
  4. 【請求項4】 管軸方向に少なくとも二つ以上に分割し
    た管の間での力の伝達が絶縁されるように、分割した管
    の周囲に配置される支持管によって、分割した管を個々
    に支持することを特徴とする請求項3記載の流動層装置
    層内管の変動荷重測定装置。
  5. 【請求項5】 菱形の支持板に両端を支持された流動層
    装置層内管の変動荷重測定装置を流動層装置のケーシン
    グに設けた菱形の穴に着脱自在に装着することを特徴と
    する請求項3または4記載の流動層装置層内管の変動荷
    重測定装置。
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