JPH1039896A - 歌唱音声合成装置及び方法 - Google Patents

歌唱音声合成装置及び方法

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JPH1039896A
JPH1039896A JP8212208A JP21220896A JPH1039896A JP H1039896 A JPH1039896 A JP H1039896A JP 8212208 A JP8212208 A JP 8212208A JP 21220896 A JP21220896 A JP 21220896A JP H1039896 A JPH1039896 A JP H1039896A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲のテンポを変更しても自然な歌唱を行うこ
とができる歌唱音声合成装置及び方法を提供する。 【解決手段】 例えば歌詞”hit”を4分音符に対応
させて発音する場合、音素”i”については発音時間を
絶対時間で制御せずに、発音開始時点から”hit”に
割り当てられたデュレーション時間の終了時点まで発音
させるように制御する。そして、音素”t”はその後に
発音させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人の声で歌を歌わ
せるための歌唱音声合成装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】音声を合成する手法は従来より種々の手
法が提案されており、例えば特開平3−200300号
公報に示されるようなフォルマント合成方式による音声
合成装置が知られている。
【0003】また、フォルマント特性が実際の楽器音や
人声音と同様に変化するようにパラメータデータを複数
ステップに亘って予め記憶し、該記憶したパラメータデ
ータを順次読み出してフォルマント合成を行うことによ
り、自然な楽音又は人声音の合成を行うようにした楽音
合成装置も従来より知られている(特開平4−2512
97号公報)。
【0004】上述した従来公知の手法を用いて歌唱音声
合成を行う場合、例えば英語の歌詞”hit”を1つの
4分音符に対応させて発音する場合には、”h”,”
i”,”t”のそれぞれに発音時間T(h),T
(i),T(t)を絶対時間で割り当て、T(h)+T
(i)+T(t)が、4分音符の発音時間となるように
パラメータデータを予め記憶しておく手法(以下「第1
の従来手法」という)、あるいはT(h)+T(i)+
T(t)を4分音符の発音時間より短い時間に設定して
おき、最後の”t”の発音時間が終了した時点で発音を
終了するか、その最後の”t”の音を4分音符の発音終
了時点までホールドする手法(以下「第2の従来手法」
という)が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の従来手法では、予め決まったテンポでの歌唱しか行
うことができないという問題がある。そこで、各音素の
発音時間を相対時間で規定しておくという手法も考えら
れるが、特に”h”や”t”などの無声音(子音)の発
音時間をテンポに応じて変更すると歌唱が不自然なもの
となってしまう。
【0006】一方、上記第2の従来手法では、”t”の
発音終了時点で発音を終了する場合、あるいは”t”の
音をホールドする場合のいずれ場合も歌唱が不自然で違
和感があるという問題がある。
【0007】本発明は上述した点に鑑みなされたもので
あり、曲のテンポを変更しても自然な歌唱を行うことが
できる歌唱音声合成装置及び方法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1に記載の発明は、複数の音素からなる歌詞デー
タ及び該歌詞データに対応する発音データを含む歌唱デ
ータに基づいて音声を順次合成する歌唱音声合成装置に
おいて、前記歌詞データ中の指定された有声音の音素
を、前記発音データが示す発音時間の終了時点まで発音
するように制御する発音制御手段を有することを特徴と
する。
【0009】また請求項2に記載の発明は、請求項1の
歌唱音声合成装置において、前記発音制御手段は、前記
歌詞データ中の前記指定された有声音の音素に続く音素
は、前記発音データが示す発音時間の終了後に発音する
ことを特徴とする。
【0010】請求項3に記載の発明は、複数の音素から
なる歌詞データ及び該歌詞データに対応する発音データ
を含む歌唱データに基づいて音声を順次合成する歌唱音
声合成方法において、前記歌詞データ中の指定された有
声音の音素を、前記発音データが示す発音時間の終了時
点まで発音するように制御することを特徴とする。
【0011】請求項1に記載の歌唱音声合成装置又は請
求項3に記載の歌唱音声合成方法によれば、歌詞データ
中の指定された有声音の音素を、前記発音データが示す
発音時間の終了時点まで発音するように制御される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。
【0013】図1は本発明の実施の一形態にかかる歌唱
電子装置の構成を示すブロック図であり、この装置は、
装置全体の制御を行うCPU1と、CPU1で実行され
るプログラムやプログラムの実行に必要なテーブル等及
び音色合成のためのふぁるマントデータが記憶されるR
OM2と、CPU1のワーキングエリアとして使用さ
れ、演算途中のデータ等を記憶するRAM3と、音声合
成のための歌唱データ及び伴奏データを記憶するデータ
メモリ4と、各種パラメータや装置の動作モード等を表
示する表示部5と、演奏者が演奏操作を行う、例えば鍵
盤のような演奏操作子6と、演奏モードの指定等を行う
ための設定操作子7と、フォルマントデータに基づいて
音声又は楽音の合成を行うフォルマント音源8と、フォ
ルマント音源8から出力されるデジタル信号をアナログ
信号に変換するDA変換器9と、DA変換器の出力信号
を増幅してスピーカから出力するサウンドシステム10
と、上記構成要素1〜8を相互に接続するバス11とを
備えている。
【0014】フォルマント音源8は、複数の音源チャン
ネル80を有し、音源チャンネル80は、4つの母音フ
ォルマント発生部VTG1〜VTG4と、4つの子音フ
ォルマント発生部UTG1〜UTG4とから構成されて
いる。このように、母音及び子音についてぞれぞれ4個
ずつのフォルマント発生部を設け、これらのフォルマン
ト発生部の出力を加算して音声を合成する手法は、例え
ば前記特開平3−200300号公報に示されるように
公知である。
【0015】図2は、ROM2、RAM3及びデータメ
モリ4に記憶されるデータの構成を示す図である。
【0016】ROM2は、CPU1が実行するプログラ
ム及びフォルマントデータPHDATAを記憶している
(同図(a))。フォルマントデータPHDATAは、
日本語及び英語の各音素(母音(有声音)及び子音)に
対応したデータPHDATA[a],PHDATA
[e],……PHDATA[z]から成り、各フォルマ
ントデータPHDATAは、フォルマント中心周波数、
フォルマントレベル、フォルマント帯域幅等のパラメー
タから成る。これらのパラメータは、時系列データとし
て構成されており、所定のタイミング毎に順次読み出す
ことにより、時変動フォルマントが再生される。
【0017】RAM3は、CPU1が演算に使用するワ
ーキングエリアと、演奏シーケンスデータがロードされ
るソングバッファとしての機能を有するエリアとを構成
する(同図(b))。
【0018】データメモリ4には、n個のソングデータ
SONG1、SONG2、…、SONGnが記憶されて
おり(同図(c))、各ソングデータSONGは、同図
(d)に示すように、曲名を示す曲名データSONGN
AME、曲のテンポを示すテンポデータTEMPO、拍
子、音色などを指定するデータMISCDATA、歌詞
データ、音高データ、ベロシティデータ、デュレーショ
ンデータ等からなる歌唱データLYRICSEQDAT
A、及び伴奏の演奏データを示す伴奏データACCOM
PDATAから構成される。
【0019】各歌唱データLYRICSEQDATA
は、m個の歌詞ノートデータLYRICNOTE及び歌
唱データの終了を示すエンドデータLYRICENDか
ら成り、各歌詞ノートデータLYRICNOTEは、歌
詞音素データLYPHDATA、キーオンデータKEY
ON、デュレーションデータDURATION、及びキ
ーオフデータKEYOFFから成る。歌詞音素データL
YPHDATAは、歌詞の各音素(例えば歌詞”hi
t”の例では、”h”,”i”,”t”)を示す音素記
号データLYPHONEとその音素の発音時間を指定す
る音素発音時間データPHONETIMEが発音順に並
べられて構成されている。キーオンデータKEYON
は、音高データ(例えばC3)及びベロシティデータV
(例えば64)からなり、これにより音高及び立ち上り
のエンベロープが決定される。デュレーションデータD
URATION(例えばDUR 96)は、発音時間
(相対時間)を示すデータであり、テンポデータTEM
PO及び割り込みクロック時間に応じて絶対時間に対応
したデータに変換される。キーオフデータKEYOFF
は、発音の終了を示すデータである。
【0020】図2(f)には、歌詞”hit”及び”y
uki”に対応する歌詞ノートデータLYRICNOT
Eの例を示している。ここで、音素発音時間データPH
ONETIMEは原則として、絶対時間で発音時間を指
定するものであるが(同図においてPHONETIME
1は「5」に設定されており、これは例えば基本時間単
位を8msecとすると、8msec×5=40mse
cに相当する)、「0」に指定された場合(”hit”
の”i”,”yuki”の”u”、以下「ゼロ指定」と
いう)は、後で詳述するようにこの母音をデュレーショ
ンの終了時点まで発音することを意味する。そして、そ
の後に続く音素(”hit”の”t”,”yuki”
の”ki”)は、デュレーションの終了後に発音するよ
うに制御される。
【0021】図3は、CPU1で実行されるメインプロ
グラムのフローチャートであり、このプログラムは本装
置の電源がオンされると実行が開始される。
【0022】先ずステップS1では、各種パラメータの
処理設定を行い、次いで演奏操作子6及び設定操作子7
における操作イベントの検出を行う(ステップS2)。
続くステップS3では、ソングデータSONGに基づく
演奏処理の実行中でないか否かを判別し、演奏を開始し
ていないときは、ソングデータSONGの選択イベント
が有るか否かを判別する(ステップS4)。選択イベン
トが無ければ直ちに、また選択イベントがあったときは
選択されたソングデータSONGをデータメモリ4から
RAM3のソングバッファに転送して、ステップS6に
進む。
【0023】ステップS6では、RAM3のソングバッ
ファにソングデータSONGがあるか否かを判別し、無
ければステップS2に戻り、あるときは歌唱演奏開始操
作イベントが有ったか否かを判別する(ステップS
7)。そして該操作イベントがなければ直ちにステップ
S2に戻り、あったときは歌唱演奏処理を開始し、各種
フラグ(歌詞ノートデータLYRICNOTEに基づい
た発音処理実行中であることを「1」で示すキーオンフ
ラグKEYONFLG、デュレーションデータDURA
TIONで指定された発音時間(以下「デュレーション
時間」という)中であることを「1」で示すノートオン
フラグNOTEONFLG、音素発音時間データPHO
NETIMEで指定された発音時間中であることを
「1」で示すフォルマントタイマフラグFTIMERF
LG、ゼロ指定がされたことを「1」で示すゼロ指定フ
ラグPHTIMEZEROFLG及びゼロ指定された場
合のデュレーション時間終了後の処理中であることを
「1」で示す残り処理フラグRESTFLG)及びポイ
ンタiを初期化して(ステップS8)、ステップS2に
戻る。
【0024】歌唱演奏処理が開始されると、ステップS
3からステップS9に進み、RAM3のソングバッファ
にロードされたソングデータSONGに基づく演奏処理
(SONG演奏処理、図4)を実行する。そして、歌唱
演奏処理のストップ操作イベントが有ったか否かを判別
し(ステップS10)、該操作イベントが無ければ直ち
に、また該操作イベントがあったときは歌唱演奏の中止
処理を実行して、ステップS2に戻る。
【0025】図4は、図3のステップS9におけるSO
NG演奏処理のフローチャートであり、この処理は歌唱
データLYRICSEQDATAに基づく演奏処理(L
YRICSEQDATA演奏処理、ステップS21)
と、伴奏データACCOMPDATAの基づく演奏処理
(ACCOMPDATA演奏処理、ステップS22)と
から成る。
【0026】図5、6及び7は、図4のステップS21
におけるLYRICSEQDATA演奏処理のフローチ
ャートである。
【0027】ステップS31では、キーオンフラグKE
YONFLGが「0」か否かを判別し、当初はKEYO
NFLG=0であるので、i番目の歌詞ノートデータL
YRICNOTEiを読み込み(ステップS32)、そ
の読み込んだデータがエンドデータLYRICENDで
ないか否かを判別する(ステップS33)。エンドデー
タLYRICENDであれば歌唱演奏終了処理を実行し
て(ステップS36)、本処理を終了する。エンドデー
タLYRICENDでなければ、デュレーションデータ
DURATIONを、テンポデータTEMPO及び割り
込みクロック時間(具体的には、図8に示すTIMER
割り込み処理の実行間隔)に応じた時間データに変換し
てノートタイマNOTETIMERに設定する。このタ
イマの値は、図8の処理が実行される毎に「1」ずつデ
クリメントされる。
【0028】続くステップS35では、ポインタkを
「1」に設定するとともに、キーオンフラグKEYON
FLG及びノートオンフラグNOTEONFLGをとも
に「1」に設定し、図6のステップS41に進む。ステ
ップS41では、残り処理フラグRESTFLGが
「0」か否かを判別する。当初はRESTFLG=0で
あるので、ステップS42に進み、ノートオンフラグN
OTEONFLGが「1」か否かを判別する。ノートオ
ンフラグNOTEONFLGは、デュレーション時間が
経過しノートタイマNOTETIMERの値が「0」に
なると、「1」から「0」に戻される(図8、ステップ
S73、S74)が、当初はNOTEONFLG=1で
あるので、ステップS43に進む。
【0029】ステップS43では、ゼロ指定フラグPH
TIMEZEROFLGが「0」か否かを判別し、当初
はPHTIMEZEROFLG=0であるので、ステッ
プS44に進んで、フォルマントタイマフラグFTIM
ERFLGが「0」であるか否かを判別する。当初はF
TIMERFLG=0であるので、図7のステップS5
1に進み、ポインタkが示す音素記号データLYPHO
NEを読み込む。次いで、読み込んだ音素記号データL
YPHONEが母音か否かを判別し(ステップS5
2)、母音でないときは子音であるか否かを判別する
(ステップS53)。
【0030】例えば音素記号データLYPHONEが”
h”であるときは、ステップS52、S53を経由して
ステップS54に進む。なお、ステップS52及びS5
3の答がともに否定(NO)のときは、1つの歌詞ノー
トデータLYRICNOTEの発音が完了したと判断し
て、図6のステップS48に進む。
【0031】ステップS54では、フォルマントタイマ
FTIMERを、ポインタkが示す音素発音時間データ
PHONETIMEに設定するとともにフォルマントタ
イマフラグFTIMERFLGを「1」に設定して、フ
ォルマントタイマFTIMERをスタートさせる(ステ
ップS54)。フォルマントタイマFTIMERは、ノ
ートタイマNOTETIMERと同様に、図8の処理で
デクリメントされ、その値が「0」になるとフォルマン
トタイマフラグFTIMERFLGが「0」に設定され
る(ステップS76からS78)。
【0032】続くステップS55では、音素記号データ
LYPHONEkを子音フォルマント発生部UTGへ転
送し、次いでキーオンデータKEYONで指定されたベ
ロシティで発音を開始し(ステップS56)、ポインタ
kを「1」だけインクリメントして(ステップS5
7)、本処理を終了する。
【0033】以後は図8の処理でフォルマントタイマF
TIMERの値が「0」となり、フォルマントタイマフ
ラグFTIMERFLGが「0」となるまで、ステップ
S44から直ちに本処理を終了する動作を繰り返す。
【0034】図8の処理は所定時間(例えば、8mse
c)毎に実行される。この処理では、先ずステップS7
1でキーオンフラグKEYONFLGが「1」か否かを
判別し、KEYONFLG=0であるときは直ちにステ
ップS75に進み、KEYONFLG=1であるときは
ノートタイマNOTETIMERの値を「1」だけデク
リメントし(ステップS72)、該タイマの値が「0」
か否かを判別する(ステップS73)。そして、NOT
ETIMER>0である間は直ちにステップS75に進
み、NOTETIMER=0となると、ノートオンフラ
グNOTEONFLGを「0」に設定して(ステップS
74)、ステップS75に進む。
【0035】ステップS75では、フォルマントタイマ
フラグFTIMERFLGが「1」か否かを判別し、F
TIMERFLG=0であるときは直ちにステップS7
9に進み、FTIMERFLG=1であるときはフォル
マントタイマFTIMERの値を「1」だけデクリメン
トして(ステップS76)、該タイマの値が「0」か否
かを判別する(ステップS77)。そして、FTIME
R>0である間は直ちにステップS79に進み、FTI
MER=0となると、フォルマントタイマフラグFTI
MERFLGを「0」に設定して(ステップS78)、
ステップS79に進む。
【0036】ステップS79では他の割り込み処理を実
行して本処理を終了する。
【0037】以上のようにして図8の処理により、デュ
レーション時間の管理及び各音素の発音時間の管理が行
われる。
【0038】図6に戻り、フォルマントタイマフラグF
TIMERFLGが「0」になると、ステップS44か
らステップS51に進んで、次の音素記号データLYP
HONEkを読み込む。
【0039】続くステップS52で音素記号データLY
PHONEkが母音である場合(例えば”hit”の”
i”である場合)には、音素発音時間データPHONE
TIMEkが「0」でないか否か、すなわちゼロ指定が
なされていないか否かを判別する(ステップS61)。
ゼロ指定されている場合(例えば図2(f)に示す音
素”i”の場合)には、ステップS63に進み、ゼロ指
定フラグPHTIMEZEROFLGが「0」か否かを
判別し、当初はPHTIMEZEROFLG=0である
ので、該フラグPHTIMEZEROFLGを「1」に
設定して、ステップS67に進む。ゼロ指定がなされた
母音は、デュレーション時間の終了時点まで発音を継続
するので、フォルマントタイマFTIMERの設定は行
わない。
【0040】一方、ゼロ指定がなされていないときは、
フォルマントタイマFTIMERを、ポインタkが示す
音素発音時間データPHONETIMEkに設定すると
ともにフォルマントタイマフラグFTIMERFLGを
「1」に設定して、フォルマントタイマFTIMERを
スタートさせ(ステップS62)、ステップS67に進
む。
【0041】ステップS67では、音素記号データLY
PHONEkを母音フォルマント発生部VTGへ転送
し、次いでキーオンデータKEYONで指定された音高
及びベロシティで発音を開始し(ステップS68)、ポ
インタkを「1」だけインクリメントして(ステップS
69)、本処理を終了する。
【0042】図2(f)に示す歌詞”hit”の例で
は、”i”がゼロ指定されているので、以後はステップ
S43から直ちに処理を終了する動作を繰り返す。そし
て、デュレーション時間が終了してノートタイマNOT
ETIMERの値が「0」となり、ノートオンフラグN
OTEONFLGが「0」となるとステップS42から
ステップS45に進み、ゼロ指定フラグPHTIMEZ
EROFLGが「1」か否かを判別する。この例ではP
HTIMEZERO=1であるので、発音中の母音(”
i”)を消音し、残り処理フラグRESTFLGを
「1」に設定して(ステップS46)、ステップS51
に進む。
【0043】ステップS51では、次に音素記号データ
LYPHONE(”t”)を読み込み、ステップS52
からS57を実行する。以後は、ステップS41からス
テップS44に直接進む処理を繰り返し、フォルマント
タイマFTIMERの値が「0」となり、フォルマント
タイマフラグFTIMERFLG=0となると、ステッ
プS51、S52、S53を経由してステップS48に
進み、キーオンフラグKEYONFLG、フォルマント
タイマフラグFTIMERFLG、ノートオンフラグN
OTEONFLG、ゼロ設定フラグPHTIMEZER
OFLG及び残り処理フラグRESTFLGを「0」に
設定するとともに、ポインタiを「1」だけインクリメ
ントして、本処理を終了する。
【0044】なお、歌詞ノートデータLYRICNOT
Eの中にゼロ指定された音素がない場合は、デュレーシ
ョン時間が終了すると、ステップS45からステップS
47に進み、発音中の母音又は子音の消音を行って、ス
テップS48に進む。
【0045】また、1つの歌詞ノートデータLYRIC
NOTEの中に2つ以上のゼロ指定がなされた場合は、
図7のステップS63の答が否定(NO)となり、ステ
ップS65に進んで、ポインタkの値を「1」だけイン
クリメントし、次いでフォルマントタイマフラグFTI
MERFLGを「0」に設定して(ステップS66)、
ステップS51に戻る。これにより、1つの歌詞ノート
データの中でゼロ指定された2つ目以降の母音は、発音
しないように制御される。
【0046】図9は、図2(f)に示すように音素発音
時間データPHONETIMEが設定された歌詞”hi
t”を音高C3の4分音符に対応して発音する処理を説
明するための図である。キーオンのタイミング(時刻t
1)から音素”h”の発音を開始し、音素発音時間デー
タPHONETIME1により指定された発音時間が経
過すると(時刻t2)、音素”i”の発音が開始され
る。このとき、音素”h”の発音レベルは所定の減衰特
性にしたがって減衰する。音素”i”はゼロ指定がされ
ているので、デュレーション時間の終了時点(時刻t
3)まで発音され、その後音素”t”が指定された発音
時間だけ発音される。
【0047】また歌詞が”yuki”の例(図2
(f)、下側)では、音素”u”がゼロ指定されている
ので、この母音がデュレーション時間の終了時点まで発
音され、音素”k”及び”i”はその後に発音される。
【0048】このように本実施形態では、歌詞ノートデ
ータLYRICNOTE中においてゼロ指定された母音
の音素は、デュレーション時間の終了時点まで発音する
ようにしたので、曲のテンポを変更しても自然な歌唱を
行うことができる。
【0049】また一音に長い歌詞を割り当てる場合に
は、ゼロ指定する母音を変える(例えば「こーんにち
は」を「こんにちーわ」というように変える)ことによ
り、歌唱の感じを変えることができ、歌唱表現力を向上
させることができる。
【0050】なお本発明は、上述した実施の形態に限ら
れるものではなく、種々の形態で実施することができ
る。例えば、上述した実施形態ではソングデータSON
Gは、データメモリ4に格納されているが、MIDIイ
ンターフェースを設けて外部の機器から供給するように
してもよい。
【0051】また、音声合成の方法はフォルマント合成
方式に限らず、他の方式を採用してもよい。また、CP
Uに音声合成処理まで実行させてもよい。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の歌
唱音声合成装置又は請求項3に記載の歌唱音声合成方法
によれば、歌詞データ中の指定された有声音の音素を、
前記発音データが示す発音時間の終了時点まで発音する
ように制御されるので、曲のテンポを変更しても自然な
歌唱を行うことができるとともに、歌唱表現力を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる歌唱電子装置の
構成を示すブロック図である。
【図2】図1の各メモリに記憶されるデータの構成を示
す図である。
【図3】図1のCPUで実行されるメインプログラムの
フローチャートである。
【図4】歌唱演奏処理のフローチャートである。
【図5】図4の歌唱データ(LYRICSEQDAT
A)演奏処理を詳細に示すフローチャートである。
【図6】図4の歌唱データ(LYRICSEQDAT
A)演奏処理を詳細に示すフローチャートである。
【図7】図4の歌唱データ(LYRICSEQDAT
A)演奏処理を詳細に示すフローチャートである。
【図8】タイマー割り込み処理のフローチャートであ
る。
【図9】歌唱データ演奏処理を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1 CPU 2 ROM 3 RAM 4 データメモリ 8 フォルマント音源 9 DA変換器 10 サウンドシステム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の音素からなる歌詞データ及び該歌
    詞データに対応する発音データを含む歌唱データに基づ
    いて音声を順次合成する歌唱音声合成装置において、 前記歌詞データ中の指定された有声音の音素を、前記発
    音データが示す発音時間の終了時点まで発音するように
    制御する発音制御手段を有することを特徴とする歌唱音
    声合成装置。
  2. 【請求項2】 前記発音制御手段は、前記歌詞データ中
    の前記指定された有声音の音素に続く音素は、前記発音
    データが示す発音時間の終了後に発音することを特徴と
    する請求項1記載の歌唱音声合成装置。
  3. 【請求項3】 複数の音素からなる歌詞データ及び該歌
    詞データに対応する発音データを含む歌唱データに基づ
    いて音声を順次合成する歌唱音声合成方法において、 前記歌詞データ中の指定された有声音の音素を、前記発
    音データが示す発音時間の終了時点まで発音するように
    制御することを特徴とする歌唱音声合成方法。
JP21220896A 1996-07-24 1996-07-24 歌唱音声合成装置及び方法 Expired - Fee Related JP3265995B2 (ja)

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