JPH1038830A - 鉄系めっき液の3価鉄イオン濃度の検出方法、3価鉄イオンの還元剤および鉄系めっき液の3価鉄イオンの還元方法 - Google Patents
鉄系めっき液の3価鉄イオン濃度の検出方法、3価鉄イオンの還元剤および鉄系めっき液の3価鉄イオンの還元方法Info
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- JPH1038830A JPH1038830A JP21508696A JP21508696A JPH1038830A JP H1038830 A JPH1038830 A JP H1038830A JP 21508696 A JP21508696 A JP 21508696A JP 21508696 A JP21508696 A JP 21508696A JP H1038830 A JPH1038830 A JP H1038830A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 容易にかつ精度よく鉄系めっき液中の3価鉄
イオン濃度を検出し、さらにその結果に基づいてめっき
液の維持・管理を行うための、取扱が簡単な3価鉄イオ
ン濃度の還元剤および還元方法を提供することを目的と
する。 【解決手段】 鉄系めっき液中に一対の電極を浸漬し、
該一対の電極間に一定の交流電圧を印加した時に流れる
電流値を測定する。この電流値は3価鉄イオン濃度に比
例するので、予め濃度と電流値の関係を調べておくこと
で3価鉄イオン濃度を容易に検出できる。3価鉄イオン
濃度が所定値を越えた場合には、鉄微粉末にバインダー
を添加して作製した顆粒状鉄を還元剤として投入し、3
価鉄イオンを還元する。顆粒状鉄は取扱が容易であり、
めっき液に投入されると直ちに溶解するので作業性よく
迅速に還元処理を行うことができる。
イオン濃度を検出し、さらにその結果に基づいてめっき
液の維持・管理を行うための、取扱が簡単な3価鉄イオ
ン濃度の還元剤および還元方法を提供することを目的と
する。 【解決手段】 鉄系めっき液中に一対の電極を浸漬し、
該一対の電極間に一定の交流電圧を印加した時に流れる
電流値を測定する。この電流値は3価鉄イオン濃度に比
例するので、予め濃度と電流値の関係を調べておくこと
で3価鉄イオン濃度を容易に検出できる。3価鉄イオン
濃度が所定値を越えた場合には、鉄微粉末にバインダー
を添加して作製した顆粒状鉄を還元剤として投入し、3
価鉄イオンを還元する。顆粒状鉄は取扱が容易であり、
めっき液に投入されると直ちに溶解するので作業性よく
迅速に還元処理を行うことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄系めっき液を維
持、管理するための方法に関し、詳しくは、鉄系めっき
液中の3価鉄イオン濃度を検出する方法と、その検出結
果に基づいて鉄系めっき液を再生するために使用される
3価鉄イオンの還元剤およびそれを用いた3価鉄イオン
の還元方法に関する。
持、管理するための方法に関し、詳しくは、鉄系めっき
液中の3価鉄イオン濃度を検出する方法と、その検出結
果に基づいて鉄系めっき液を再生するために使用される
3価鉄イオンの還元剤およびそれを用いた3価鉄イオン
の還元方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄めっき膜は、高強度、高電気伝導性、
高熱伝導性のめっき膜として知られるが、錆びやすいこ
とから、機械部品の肉盛り補修や印刷板の製造あるいは
高純度鉄原料の製造等にその利用が限られていた。とこ
ろが、近年、鉄めっき膜をアルミニウムの表面保護膜と
して用いることが提案され、注目されている。被めっき
材であるアルミニウムは、軽量で耐食性に優れているこ
とから種々の分野での利用が期待されているが、もとも
と柔らかい金属材料であるため、例えば自動車用のエン
ジンをアルミニウムで作製した場合には、摺動部である
シリンダーの内壁を他の材料で補強する必要がある。鉄
めっき膜はこの摺動部の補強材として有効で、アルミニ
ウムよりなる摺動部を保護してその強度を大きく向上さ
せることができる。
高熱伝導性のめっき膜として知られるが、錆びやすいこ
とから、機械部品の肉盛り補修や印刷板の製造あるいは
高純度鉄原料の製造等にその利用が限られていた。とこ
ろが、近年、鉄めっき膜をアルミニウムの表面保護膜と
して用いることが提案され、注目されている。被めっき
材であるアルミニウムは、軽量で耐食性に優れているこ
とから種々の分野での利用が期待されているが、もとも
と柔らかい金属材料であるため、例えば自動車用のエン
ジンをアルミニウムで作製した場合には、摺動部である
シリンダーの内壁を他の材料で補強する必要がある。鉄
めっき膜はこの摺動部の補強材として有効で、アルミニ
ウムよりなる摺動部を保護してその強度を大きく向上さ
せることができる。
【0003】鉄めっき膜による摺動部の耐磨耗性、耐焼
付き性の改善としては、例えば特開昭59−13093
号公報に記載の例があり、鉄イオンとほう酸を含むめっ
き浴から得られる鉄めっき膜が、硬質で、潤滑油保持性
に優れることが開示されている。この時、潤滑油保持性
はめっき膜に多数の亀裂が入ることによって発現する。
また、特開平2−15188号公報には、めっき浴に少
量の尿素を含有させることで耐磨耗性に優れためっき膜
が得られることが、特公昭56−18678号公報、特
開平5−25688号公報には、めっき浴に尿素を含有
させ、低電流密度で電析させることにより鉄めっき膜の
強度を改善することが記載されている。その他、「金属
表面技術」(13、No. 11(1962))、特開昭5
0−109138号公報等にも同様のめっき方法の開示
がある。
付き性の改善としては、例えば特開昭59−13093
号公報に記載の例があり、鉄イオンとほう酸を含むめっ
き浴から得られる鉄めっき膜が、硬質で、潤滑油保持性
に優れることが開示されている。この時、潤滑油保持性
はめっき膜に多数の亀裂が入ることによって発現する。
また、特開平2−15188号公報には、めっき浴に少
量の尿素を含有させることで耐磨耗性に優れためっき膜
が得られることが、特公昭56−18678号公報、特
開平5−25688号公報には、めっき浴に尿素を含有
させ、低電流密度で電析させることにより鉄めっき膜の
強度を改善することが記載されている。その他、「金属
表面技術」(13、No. 11(1962))、特開昭5
0−109138号公報等にも同様のめっき方法の開示
がある。
【0004】さらに、これら従来の方法で得られた鉄め
っき膜は、耐腐食性、特に耐酸性に難があることから、
本発明者等は、先に、窒素を所定量含有させることによ
り耐腐食性を改善した鉄めっき膜およびめっき方法を提
案した(特願平7−350363号)。この方法を用い
て、アルミニウム製シリンダーの内壁に鉄めっき膜を形
成する場合には、通常、陰極とするシリンダー内空間に
不溶性の陽極を配置し、噴射装置を用いてシリンダー内
をめっき液が高速で流れ抜けるようにする。
っき膜は、耐腐食性、特に耐酸性に難があることから、
本発明者等は、先に、窒素を所定量含有させることによ
り耐腐食性を改善した鉄めっき膜およびめっき方法を提
案した(特願平7−350363号)。この方法を用い
て、アルミニウム製シリンダーの内壁に鉄めっき膜を形
成する場合には、通常、陰極とするシリンダー内空間に
不溶性の陽極を配置し、噴射装置を用いてシリンダー内
をめっき液が高速で流れ抜けるようにする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに不溶性の陽極を用いる場合、めっき液中の主成分で
ある2価の鉄イオンが陽極表面で酸化して3価の鉄イオ
ンとなりやすい。この3価の鉄イオンはめっき液を劣化
させる沈殿を生ずるので、一定濃度を越えないように監
視する必要があり、3価の鉄イオンが高濃度となった場
合には、これを取り除く必要がある。
うに不溶性の陽極を用いる場合、めっき液中の主成分で
ある2価の鉄イオンが陽極表面で酸化して3価の鉄イオ
ンとなりやすい。この3価の鉄イオンはめっき液を劣化
させる沈殿を生ずるので、一定濃度を越えないように監
視する必要があり、3価の鉄イオンが高濃度となった場
合には、これを取り除く必要がある。
【0006】3価鉄イオンの濃度を検出する方法として
は、「鉄と鋼」(第75年第11号,2075(198
9))に開示されているように、電位測定法による濃度
検出方法が知られている。しかしながら、電位測定法
は、添加した鉄粉による電位の乱れや塩橋の劣化等の影
響を受けやすく、誤差が生ずる場合があった。また、化
学的方法を用いる場合には、液をサンプリングし、化学
反応を行わせて濃度を求めるため、常時モニターするこ
とが不可能であり、物理的方法を用いる場合には、装置
が大がかりとなり経費が嵩む、現場での測定が困難であ
るという不具合があった。
は、「鉄と鋼」(第75年第11号,2075(198
9))に開示されているように、電位測定法による濃度
検出方法が知られている。しかしながら、電位測定法
は、添加した鉄粉による電位の乱れや塩橋の劣化等の影
響を受けやすく、誤差が生ずる場合があった。また、化
学的方法を用いる場合には、液をサンプリングし、化学
反応を行わせて濃度を求めるため、常時モニターするこ
とが不可能であり、物理的方法を用いる場合には、装置
が大がかりとなり経費が嵩む、現場での測定が困難であ
るという不具合があった。
【0007】一方、従来より、めっき液に鉄粉を添加し
て下記(1)式の反応を起こさせ、 Fe+2Fe3+→3Fe2+・・・(1) 3価鉄イオンを還元、除去する方法が知られている。こ
の方法では、3価鉄イオンを還元すると同時に、めっき
液の主成分である2価の鉄イオンを得ることができる。
そして、例えば、特公平7−26237号公報には、鉄
の溶解および還元反応を促進させるために、325メッ
シュより大きな鉄粒子を乱流にて添加する方法が、特公
平4−28799号公報には鉄粉の添加量として2〜1
0当量が適当であることが開示されている。しかしなが
ら、鉄粉は細かい程溶解が速く効果が大きいため、前者
の方法では、迅速な処理が必ずしもできなかった。ま
た、いずれの場合も微粉である鉄粉そのものの取り扱い
が困難であり、このため、特開昭58−189400号
公報には、鉄粉を付着させた磁石を利用して鉄を補給す
る方法が開示されている。この方法は、磁石を動かすこ
とで付着した鉄粉を溶解させようとするものであるが、
必要な量を速やかに液中に分散させることが難しく、特
に鉄粉が細かくなる程その困難性が増すという問題があ
った。
て下記(1)式の反応を起こさせ、 Fe+2Fe3+→3Fe2+・・・(1) 3価鉄イオンを還元、除去する方法が知られている。こ
の方法では、3価鉄イオンを還元すると同時に、めっき
液の主成分である2価の鉄イオンを得ることができる。
そして、例えば、特公平7−26237号公報には、鉄
の溶解および還元反応を促進させるために、325メッ
シュより大きな鉄粒子を乱流にて添加する方法が、特公
平4−28799号公報には鉄粉の添加量として2〜1
0当量が適当であることが開示されている。しかしなが
ら、鉄粉は細かい程溶解が速く効果が大きいため、前者
の方法では、迅速な処理が必ずしもできなかった。ま
た、いずれの場合も微粉である鉄粉そのものの取り扱い
が困難であり、このため、特開昭58−189400号
公報には、鉄粉を付着させた磁石を利用して鉄を補給す
る方法が開示されている。この方法は、磁石を動かすこ
とで付着した鉄粉を溶解させようとするものであるが、
必要な量を速やかに液中に分散させることが難しく、特
に鉄粉が細かくなる程その困難性が増すという問題があ
った。
【0008】そこで、本発明では、容易にかつ精度よく
鉄系めっき液中の3価鉄イオン濃度を検出し、さらにそ
の結果に基づいてめっき液の維持・管理を行うための、
取扱が簡単な3価鉄イオン濃度の還元剤および還元方法
を提供することを目的とする。
鉄系めっき液中の3価鉄イオン濃度を検出し、さらにそ
の結果に基づいてめっき液の維持・管理を行うための、
取扱が簡単な3価鉄イオン濃度の還元剤および還元方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明請求項1の発明
は、鉄系めっき液中に一対の電極を浸漬し、該一対の電
極間に一定の交流電圧を印加した時に流れる電流値から
3価鉄イオンの濃度を検出することを特徴とする鉄系め
っき液の3価鉄イオン濃度の検出方法である。
は、鉄系めっき液中に一対の電極を浸漬し、該一対の電
極間に一定の交流電圧を印加した時に流れる電流値から
3価鉄イオンの濃度を検出することを特徴とする鉄系め
っき液の3価鉄イオン濃度の検出方法である。
【0010】この検出原理を簡単に説明する。2価の鉄
イオンおよび3価の鉄イオンを含むめっき液中に一対の
電極を浸漬し、両電極間に適当な定電圧を印加すると、
陽極上では下記(2)式の反応が起こり、一方、負極上
では下記(3)式の反応が生じ、電流が流れる。 Fe2+→Fe3++e・・・(2) Fe3++e→Fe2+・・・(3) この時流れる電流は、浴温が一定の場合は2価および3
価の鉄イオンの濃度の関数である。ただし、鉄めっき液
の場合は、めっき剤である2価鉄イオン濃度が高く設定
されており、一方、3価鉄イオン濃度は低いため、電極
反応は上記(3)式に律速され、3価鉄イオン濃度にほ
ぼ比例した電流が観測されることになる。よって、この
電流値を測定することで、3価鉄イオンの濃度を容易
に、しかも精度よく検出することが可能であり、実用性
が高い。また、印加する定電圧を交流電圧としたので、
前記(2)、(3)式の反応が一つの電極に固定され
ず、濃度分極等の不具合が生じない。
イオンおよび3価の鉄イオンを含むめっき液中に一対の
電極を浸漬し、両電極間に適当な定電圧を印加すると、
陽極上では下記(2)式の反応が起こり、一方、負極上
では下記(3)式の反応が生じ、電流が流れる。 Fe2+→Fe3++e・・・(2) Fe3++e→Fe2+・・・(3) この時流れる電流は、浴温が一定の場合は2価および3
価の鉄イオンの濃度の関数である。ただし、鉄めっき液
の場合は、めっき剤である2価鉄イオン濃度が高く設定
されており、一方、3価鉄イオン濃度は低いため、電極
反応は上記(3)式に律速され、3価鉄イオン濃度にほ
ぼ比例した電流が観測されることになる。よって、この
電流値を測定することで、3価鉄イオンの濃度を容易
に、しかも精度よく検出することが可能であり、実用性
が高い。また、印加する定電圧を交流電圧としたので、
前記(2)、(3)式の反応が一つの電極に固定され
ず、濃度分極等の不具合が生じない。
【0011】請求項2の発明は、原料粉末である鉄微粉
末にバインダーを添加して作製される顆粒状の鉄よりな
る3価鉄イオンの還元剤である。顆粒状の鉄は、従来の
鉄粉に比べて取扱が容易であり、しかもめっき液に投入
した後は直ちに溶解して還元反応を促進する効果を有す
る。
末にバインダーを添加して作製される顆粒状の鉄よりな
る3価鉄イオンの還元剤である。顆粒状の鉄は、従来の
鉄粉に比べて取扱が容易であり、しかもめっき液に投入
した後は直ちに溶解して還元反応を促進する効果を有す
る。
【0012】請求項3の発明は、請求項2の還元剤にお
ける原料粉末として325メッシュ以下の鉄微粉末を用
いるものである(請求項3)。原料粉末の粒子径を所定
値以下とすることで還元速度をより速くすることができ
る。
ける原料粉末として325メッシュ以下の鉄微粉末を用
いるものである(請求項3)。原料粉末の粒子径を所定
値以下とすることで還元速度をより速くすることができ
る。
【0013】請求項4の発明は、請求項2または3の還
元剤におけるバインダーとして尿素を用いるものであ
る。尿素は、鉄系めっき液を構成する物質であり、しか
も鉄と接触して錆を生じたりすることがないためバイン
ダーとして好適である。
元剤におけるバインダーとして尿素を用いるものであ
る。尿素は、鉄系めっき液を構成する物質であり、しか
も鉄と接触して錆を生じたりすることがないためバイン
ダーとして好適である。
【0014】請求項5の発明は、上記請求項2ないし4
記載の還元剤を鉄系めっき液中に添加して3価鉄イオン
を還元することを特徴とする鉄系めっき液の3価鉄イオ
ンの還元方法である。上記3価鉄イオンの還元剤は、め
っき液に添加されると直ちに溶解、分散し、めっき液中
の3価鉄イオンと前記(1)式のように反応してこれを
還元する。
記載の還元剤を鉄系めっき液中に添加して3価鉄イオン
を還元することを特徴とする鉄系めっき液の3価鉄イオ
ンの還元方法である。上記3価鉄イオンの還元剤は、め
っき液に添加されると直ちに溶解、分散し、めっき液中
の3価鉄イオンと前記(1)式のように反応してこれを
還元する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の3価鉄イオン濃度の検出方法において、一対の
電極用材料としては、鉄系めっき液に対し不溶性の材料
であればよく特に限定されないが、一般の電気化学測定
でよく知られた白金系材料が特に好ましい。ここで、2
つの電極の表面積は同一であることが好ましく、その値
は通常0.5〜5cm2 程度とすることが望ましい。ま
た、電極間隔は、通常1〜2cm程度とするのが好まし
い。
本発明の3価鉄イオン濃度の検出方法において、一対の
電極用材料としては、鉄系めっき液に対し不溶性の材料
であればよく特に限定されないが、一般の電気化学測定
でよく知られた白金系材料が特に好ましい。ここで、2
つの電極の表面積は同一であることが好ましく、その値
は通常0.5〜5cm2 程度とすることが望ましい。ま
た、電極間隔は、通常1〜2cm程度とするのが好まし
い。
【0016】本発明に基づいて3価鉄イオン濃度を検出
する場合には、この一対の電極を鉄系めっき液中に浸漬
し、両電極間に一定の交流電圧を印加する。この時、流
れる電流値は3価鉄イオン濃度に比例したものとなるの
で、予めその関係を調べておくことで3価鉄イオン濃度
を検出することができる。この時、例えば図1(a),
(b)に示す測定用セルを用いると濃度検出が簡便にで
きる。図1(a),(b)中、測定用セルは両端閉鎖の
円筒体よりなるガラスケース3を有し、その両端面に円
板状の白金電極1、2を接合固定して一対の電極となし
ている。ガラスケース3の中間部には側面の対向位置に
2つのめっき液流通孔4が形成されており、このめっき
液流通孔4を介してガラスケース3内外をめっき液が流
通できるようにしてある。また、白金電極1、2にはそ
れぞれリード線5が接続してあり、該リード線5はガラ
スケース3側面に設けた円管の内部を経て外部へ延び、
図略の電源に接続される。
する場合には、この一対の電極を鉄系めっき液中に浸漬
し、両電極間に一定の交流電圧を印加する。この時、流
れる電流値は3価鉄イオン濃度に比例したものとなるの
で、予めその関係を調べておくことで3価鉄イオン濃度
を検出することができる。この時、例えば図1(a),
(b)に示す測定用セルを用いると濃度検出が簡便にで
きる。図1(a),(b)中、測定用セルは両端閉鎖の
円筒体よりなるガラスケース3を有し、その両端面に円
板状の白金電極1、2を接合固定して一対の電極となし
ている。ガラスケース3の中間部には側面の対向位置に
2つのめっき液流通孔4が形成されており、このめっき
液流通孔4を介してガラスケース3内外をめっき液が流
通できるようにしてある。また、白金電極1、2にはそ
れぞれリード線5が接続してあり、該リード線5はガラ
スケース3側面に設けた円管の内部を経て外部へ延び、
図略の電源に接続される。
【0017】一対の電極間に印加する交流電圧の大きさ
は、電極間隔、めっき浴温等によって変わり、一概には
決まらないが、通常0.05〜0.5Vの範囲内で適宜
選択するのがよい。この電圧が過大であると前記(2)
および(3)式以外の反応、例えば(4)あるいは
(5)式の反応が起こり、一方、過小であると前記
(2)および(3)式の反応が十分な速度で進行せず、
3価鉄イオン濃度に比例した電流値を検出することが困
難になるおそれがある。 2H2 O→O2 +4H+ +4e・・・(4) 2H+ +2e→H2 ・・・(5) また、印加する交流電圧の波形は正弦波、連続三角波等
であればよく、周波数は0.01〜10Hzの範囲が好
適である。
は、電極間隔、めっき浴温等によって変わり、一概には
決まらないが、通常0.05〜0.5Vの範囲内で適宜
選択するのがよい。この電圧が過大であると前記(2)
および(3)式以外の反応、例えば(4)あるいは
(5)式の反応が起こり、一方、過小であると前記
(2)および(3)式の反応が十分な速度で進行せず、
3価鉄イオン濃度に比例した電流値を検出することが困
難になるおそれがある。 2H2 O→O2 +4H+ +4e・・・(4) 2H+ +2e→H2 ・・・(5) また、印加する交流電圧の波形は正弦波、連続三角波等
であればよく、周波数は0.01〜10Hzの範囲が好
適である。
【0018】このようにして測定される3価鉄イオン濃
度が所定値を越える場合には、本発明の還元剤を用いて
これを還元除去することができる。本発明の還元剤は、
鉄微粉末を原料粉末とし、これをバインダーを用いて顆
粒化することで作製される顆粒状の鉄よりなる。ここ
で、顆粒にする鉄原料粉末は、単位重量当たりの表面積
が大きい程、すなわち粉末の一次粒子径が小さい程、め
っき液中での溶解速度が速くなり、好ましい。なかでも
325メッシュ以下、すなわち粒子径が最大でも44μ
mであり、数μm程度の微粉を多く含む鉄粉末を用いる
と、還元速度が速く、特に好ましい。
度が所定値を越える場合には、本発明の還元剤を用いて
これを還元除去することができる。本発明の還元剤は、
鉄微粉末を原料粉末とし、これをバインダーを用いて顆
粒化することで作製される顆粒状の鉄よりなる。ここ
で、顆粒にする鉄原料粉末は、単位重量当たりの表面積
が大きい程、すなわち粉末の一次粒子径が小さい程、め
っき液中での溶解速度が速くなり、好ましい。なかでも
325メッシュ以下、すなわち粒子径が最大でも44μ
mであり、数μm程度の微粉を多く含む鉄粉末を用いる
と、還元速度が速く、特に好ましい。
【0019】バインダーは、顆粒化した鉄がめっき液に
投入された後、直ちに溶解し、かつそれがめっき液に有
害とならないことが必要であり、好ましくはめっき液を
構成する化学物質を用いるのがよい。一般に鉄系めっき
液では、無機および有機系の様々な化学物質が使用され
るが、バインダーとしては、鉄微粉末と接触状態にあっ
ても錆を生じさせないことが重要であり、非イオン性の
有機物質が好ましい。なかでも尿素は鉄めっき液の添加
剤として用いられ、上記条件を全て満足するためバイン
ダーとして特に好適である。
投入された後、直ちに溶解し、かつそれがめっき液に有
害とならないことが必要であり、好ましくはめっき液を
構成する化学物質を用いるのがよい。一般に鉄系めっき
液では、無機および有機系の様々な化学物質が使用され
るが、バインダーとしては、鉄微粉末と接触状態にあっ
ても錆を生じさせないことが重要であり、非イオン性の
有機物質が好ましい。なかでも尿素は鉄めっき液の添加
剤として用いられ、上記条件を全て満足するためバイン
ダーとして特に好適である。
【0020】鉄原料粉末をバインダーを用いて顆粒化す
る方法としては、どのような方法を採用してもよいが、
水、アルコール等に、バインダー物質を溶解させた液を
鉄原料粉末に加えてペースト状にし、その後、乾燥させ
る方法が最も簡便である。顆粒の大きさはめっき液への
投入時に気流等により微粉末が飛散したり、あるいはめ
っき液中にすぐに沈降せずに液面を漂ったりすることが
ない程度に粗大化されていればよく、通常、外径が0.
5〜10mm程度に顆粒化するのが好ましい。
る方法としては、どのような方法を採用してもよいが、
水、アルコール等に、バインダー物質を溶解させた液を
鉄原料粉末に加えてペースト状にし、その後、乾燥させ
る方法が最も簡便である。顆粒の大きさはめっき液への
投入時に気流等により微粉末が飛散したり、あるいはめ
っき液中にすぐに沈降せずに液面を漂ったりすることが
ない程度に粗大化されていればよく、通常、外径が0.
5〜10mm程度に顆粒化するのが好ましい。
【0021】本発明に基づいて鉄系めっき液の維持、管
理を行う場合には、めっき液中にアルミニウム等よりな
る被めっき物と不溶性の陽極とを対向配設し、通常の方
法でめっき処理を行うとともに、前記測定セルをめっき
液に浸漬して所定の交流電圧を印加し、一対の電極間に
流れる電流値をモニターする。検出される3価鉄イオン
濃度が所定値以上となったら、それに応じた量の顆粒状
鉄を還元剤として投入し、3価鉄イオンを還元、除去す
ると同時に、めっき剤である2価鉄イオンを生成、補給
する。かくして、簡単な装置で連続的に3価鉄イオン濃
度を検出し、めっき液の劣化が検出された場合には、本
発明の還元剤によりこれを速やかに還元して、3価鉄イ
オンの濃度を常に一定量以下に維持することができる。
理を行う場合には、めっき液中にアルミニウム等よりな
る被めっき物と不溶性の陽極とを対向配設し、通常の方
法でめっき処理を行うとともに、前記測定セルをめっき
液に浸漬して所定の交流電圧を印加し、一対の電極間に
流れる電流値をモニターする。検出される3価鉄イオン
濃度が所定値以上となったら、それに応じた量の顆粒状
鉄を還元剤として投入し、3価鉄イオンを還元、除去す
ると同時に、めっき剤である2価鉄イオンを生成、補給
する。かくして、簡単な装置で連続的に3価鉄イオン濃
度を検出し、めっき液の劣化が検出された場合には、本
発明の還元剤によりこれを速やかに還元して、3価鉄イ
オンの濃度を常に一定量以下に維持することができる。
【0022】
(実施例1)3価鉄イオン濃度測定用セルとして、前記
した図1の構造のものを使用した。測定用セルは、一対
の電極1、2として、表面積1cm2 の白金円板を用
い、極間距離は1.5cmとした。めっき液は硫酸第一
鉄400g/l、硫酸アンモニウム50g/l、尿素8
0g/l、pH2.0となるように調製した。これに過
酸化水素水を適量添加して、2価鉄イオンの一部を3価
鉄イオンに酸化させ、3価鉄イオン濃度が約10g/l
の模擬劣化めっき液を調製した。次にこのめっき液を6
0℃に加温し、所定量の鉄微粉末を添加して3価鉄イオ
ンの還元を行わせ、3価鉄イオン濃度が0.2〜8g/
lの試料液5種を調製した。なお、この時の3価鉄イオ
ンの濃度は滴定分析法により求めた。
した図1の構造のものを使用した。測定用セルは、一対
の電極1、2として、表面積1cm2 の白金円板を用
い、極間距離は1.5cmとした。めっき液は硫酸第一
鉄400g/l、硫酸アンモニウム50g/l、尿素8
0g/l、pH2.0となるように調製した。これに過
酸化水素水を適量添加して、2価鉄イオンの一部を3価
鉄イオンに酸化させ、3価鉄イオン濃度が約10g/l
の模擬劣化めっき液を調製した。次にこのめっき液を6
0℃に加温し、所定量の鉄微粉末を添加して3価鉄イオ
ンの還元を行わせ、3価鉄イオン濃度が0.2〜8g/
lの試料液5種を調製した。なお、この時の3価鉄イオ
ンの濃度は滴定分析法により求めた。
【0023】前記各試料液は、鉄粉末を添加してから1
0分間放置し、その後図1の測定セルを浸漬して、一対
の電極間に周波数1Hz、電圧50〜400mVの連続
三角波を印加した。この時の応答電流の絶対値と滴定分
析法で求めた3価鉄イオン濃度との関係を図2に示す。
図2より、3価鉄イオン濃度と本測定の電流値にはよい
相関が認められ、特に印加電圧が400mVの場合には
ほぼ直線関係となることがわかる。よって、本関係を事
前に求めて検量線とすることにより、電流計測からめっ
き液中の3価鉄イオン濃度を容易に検出することができ
る。
0分間放置し、その後図1の測定セルを浸漬して、一対
の電極間に周波数1Hz、電圧50〜400mVの連続
三角波を印加した。この時の応答電流の絶対値と滴定分
析法で求めた3価鉄イオン濃度との関係を図2に示す。
図2より、3価鉄イオン濃度と本測定の電流値にはよい
相関が認められ、特に印加電圧が400mVの場合には
ほぼ直線関係となることがわかる。よって、本関係を事
前に求めて検量線とすることにより、電流計測からめっ
き液中の3価鉄イオン濃度を容易に検出することができ
る。
【0024】(比較例1)一方、比較例として、図1の
測定用セルにおける白金電極の一方を試料電極として用
い、さらに硫酸水銀電極を参照電極として実施例1で調
製した模擬劣化めっき液(3価鉄イオン濃度:約10g
/l)に浸漬し、試料電極の酸化還元電位をエレクトロ
メータで測定した。この時、−90mVの電位が計測さ
れた。次に、実施例1で調製した3価鉄イオン濃度が
0.2g/lの試料液で同様の計測を行ったところ、電
位が卑方向に変化している傾向は読み取れたが、電位が
安定せず、正確な検出は困難であった。この理由として
はめっき液中を浮遊する溶け残りの鉄微粉末の影響が考
えられる。
測定用セルにおける白金電極の一方を試料電極として用
い、さらに硫酸水銀電極を参照電極として実施例1で調
製した模擬劣化めっき液(3価鉄イオン濃度:約10g
/l)に浸漬し、試料電極の酸化還元電位をエレクトロ
メータで測定した。この時、−90mVの電位が計測さ
れた。次に、実施例1で調製した3価鉄イオン濃度が
0.2g/lの試料液で同様の計測を行ったところ、電
位が卑方向に変化している傾向は読み取れたが、電位が
安定せず、正確な検出は困難であった。この理由として
はめっき液中を浮遊する溶け残りの鉄微粉末の影響が考
えられる。
【0025】上記実施例1と比較例1の結果を比較して
明らかなように、従来の電位測定法に比し、本発明の方
法によれば、3価鉄イオン濃度を容易にしかも精度よく
検出できることがわかる。
明らかなように、従来の電位測定法に比し、本発明の方
法によれば、3価鉄イオン濃度を容易にしかも精度よく
検出できることがわかる。
【0026】(実施例2)本発明の顆粒状鉄を作製する
ための原料粉末として、粒度24〜60メッシュ、60
〜280メッシュ、および325メッシュ以下の電解鉄
粉末を各1kg用意した。次に、バインダー液として尿
素100g/lの水溶液を作製し、前記の各鉄粉に少量
ずつ振りかけて攪拌し、やや固めのペースト状とした。
その後、約50℃の乾燥機に入れ、水分を蒸発させた。
ための原料粉末として、粒度24〜60メッシュ、60
〜280メッシュ、および325メッシュ以下の電解鉄
粉末を各1kg用意した。次に、バインダー液として尿
素100g/lの水溶液を作製し、前記の各鉄粉に少量
ずつ振りかけて攪拌し、やや固めのペースト状とした。
その後、約50℃の乾燥機に入れ、水分を蒸発させた。
【0027】乾燥後の塊状物を適度に破砕し、大きさが
数mm程度の顆粒状鉄3種を得た。次に実施例1と同様
の方法で、3価鉄イオン濃度が約5g/lの模擬劣化め
っき液を作製し、前記顆粒状鉄を5g/lとなるように
投入した。この時、いずれの顆粒状鉄も、原料鉄粉末を
直接投入した時のように粉末が飛散することもなく、ま
た液面を漂うこともなくすぐに沈降し、作業が極めてス
ムーズであった。その後めっき液を経時的にサンプリン
グし、鉄粉をフィルターで濾過した後、3価鉄イオン濃
度を滴定分析により測定した。測定結果を図3に示す。
図3より3価鉄イオンの2価鉄イオンへの還元は顆粒状
鉄の粒度が小さい程速く進行し、特に325メッシュ以
下の原料粉末からなる顆粒を使用した場合には、10分
以内に3価鉄イオン濃度が0.2g/lまで低下してお
り、実際のめっき作業において還元を速やかに行うため
に特に効果が高いことが確認された。
数mm程度の顆粒状鉄3種を得た。次に実施例1と同様
の方法で、3価鉄イオン濃度が約5g/lの模擬劣化め
っき液を作製し、前記顆粒状鉄を5g/lとなるように
投入した。この時、いずれの顆粒状鉄も、原料鉄粉末を
直接投入した時のように粉末が飛散することもなく、ま
た液面を漂うこともなくすぐに沈降し、作業が極めてス
ムーズであった。その後めっき液を経時的にサンプリン
グし、鉄粉をフィルターで濾過した後、3価鉄イオン濃
度を滴定分析により測定した。測定結果を図3に示す。
図3より3価鉄イオンの2価鉄イオンへの還元は顆粒状
鉄の粒度が小さい程速く進行し、特に325メッシュ以
下の原料粉末からなる顆粒を使用した場合には、10分
以内に3価鉄イオン濃度が0.2g/lまで低下してお
り、実際のめっき作業において還元を速やかに行うため
に特に効果が高いことが確認された。
【0028】(実施例3)図1の3価鉄イオン濃度測定
用セルを用いて浴管理を行った例を次に示す。めっき液
は上記実施例1と同様、硫酸第一鉄400g/l、硫酸
アンモニウム50g/l、尿素80g/lとした。電解
条件はpH2.0、60℃とし、陽極として不溶性の白
金電極を使用した。めっき槽は被めっき物とこれに対向
する白金陽極とからなるめっき本槽と図1の濃度測定用
セルが浸漬され、かつ鉄粉投入装置およびめっき浴攪拌
装置を設置した還元補給槽とからなり、両槽は未溶解鉄
粉のめっき本槽への混入を防ぐためフィルターを介して
循環ポンプにより接続されている。この時、3価鉄イオ
ン濃度測定用セルへの印加電圧は400mV、連続三角
波の周波数は0.017Hz(1サイクル/分)に設定
した。
用セルを用いて浴管理を行った例を次に示す。めっき液
は上記実施例1と同様、硫酸第一鉄400g/l、硫酸
アンモニウム50g/l、尿素80g/lとした。電解
条件はpH2.0、60℃とし、陽極として不溶性の白
金電極を使用した。めっき槽は被めっき物とこれに対向
する白金陽極とからなるめっき本槽と図1の濃度測定用
セルが浸漬され、かつ鉄粉投入装置およびめっき浴攪拌
装置を設置した還元補給槽とからなり、両槽は未溶解鉄
粉のめっき本槽への混入を防ぐためフィルターを介して
循環ポンプにより接続されている。この時、3価鉄イオ
ン濃度測定用セルへの印加電圧は400mV、連続三角
波の周波数は0.017Hz(1サイクル/分)に設定
した。
【0029】このめっき槽を用いて所定量のめっき処理
を行ったところ、3価鉄イオン濃度測定用セルの出力が
3.5mA/cm2 に達し、浴中の3価鉄イオン濃度が
2.0g/l以上に上昇したことが読み取れた。そこ
で、鉄粉投入装置より還元補給槽に、上記実施例2にお
いて325メッシュ以下の電解鉄粉末より作製した本発
明の顆粒状鉄を所定量投入した。この間の3価鉄イオン
濃度測定用セルの出力電流チャートを図4に示す。図
中、矢印が顆粒状鉄投入時点であり、ここから約7分で
電流値がほぼ0となり、3価鉄イオンが完全に還元され
たことを示している。
を行ったところ、3価鉄イオン濃度測定用セルの出力が
3.5mA/cm2 に達し、浴中の3価鉄イオン濃度が
2.0g/l以上に上昇したことが読み取れた。そこ
で、鉄粉投入装置より還元補給槽に、上記実施例2にお
いて325メッシュ以下の電解鉄粉末より作製した本発
明の顆粒状鉄を所定量投入した。この間の3価鉄イオン
濃度測定用セルの出力電流チャートを図4に示す。図
中、矢印が顆粒状鉄投入時点であり、ここから約7分で
電流値がほぼ0となり、3価鉄イオンが完全に還元され
たことを示している。
【0030】以上のように、本発明の3価鉄イオン濃度
検出方法を採用することにより、刻々と変化する3価鉄
イオン濃度をリアルタイムで検出することができる。よ
って、3価鉄イオン濃度に応じて、顆粒状鉄よりなる本
発明の還元剤を投入し、3価鉄イオンを還元すること
で、めっき連続作業下においても浴中の3価鉄イオン濃
度を常に一定量以下に抑えることが可能となる。
検出方法を採用することにより、刻々と変化する3価鉄
イオン濃度をリアルタイムで検出することができる。よ
って、3価鉄イオン濃度に応じて、顆粒状鉄よりなる本
発明の還元剤を投入し、3価鉄イオンを還元すること
で、めっき連続作業下においても浴中の3価鉄イオン濃
度を常に一定量以下に抑えることが可能となる。
【0031】また、本発明は2電極系という簡単な構成
で3価鉄イオン濃度の検出が可能であり、電極間を流れ
る電流(数mA/cm2 )を測定するだけで済む上、信
頼性も高い。一方、酸化還元電位を測定する従来方法で
は、計測自体は簡単であるものの、上述した試料電極側
での問題の他、参照電極の電位を常時一定に保つための
メインテナンスが煩わしい等の欠点がある。
で3価鉄イオン濃度の検出が可能であり、電極間を流れ
る電流(数mA/cm2 )を測定するだけで済む上、信
頼性も高い。一方、酸化還元電位を測定する従来方法で
は、計測自体は簡単であるものの、上述した試料電極側
での問題の他、参照電極の電位を常時一定に保つための
メインテナンスが煩わしい等の欠点がある。
【0032】なお、図4は応答電流をそのまま出力した
結果であるが、実際には1サイクル中の正負の電流の最
大値を平均化したデータを一定時間毎にマイコンに取り
込み、3価鉄イオン濃度換算の計算処理を行ってパネル
メータやレコーダに出力する方法を採用することができ
る。
結果であるが、実際には1サイクル中の正負の電流の最
大値を平均化したデータを一定時間毎にマイコンに取り
込み、3価鉄イオン濃度換算の計算処理を行ってパネル
メータやレコーダに出力する方法を採用することができ
る。
【図1】図1(a)は3価鉄イオン濃度測定用セルの全
体斜視図、図1(b)は図1(a)のA−A´線断面図
である。
体斜視図、図1(b)は図1(a)のA−A´線断面図
である。
【図2】図2は白金電極対での酸化還元電流値と3価鉄
イオン濃度の関係を示す図である。
イオン濃度の関係を示す図である。
【図3】図3は顆粒状鉄添加後の3価鉄イオン濃度の変
化を示す図である。
化を示す図である。
【図4】図4は3価鉄イオン濃度測定用セルの出力電流
の変化を示す図である。
の変化を示す図である。
1,2 白金電極(一対の電極) 3 ガラスケース 4 めっき液流通孔 5 リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 憲一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 児玉 敏 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 仁藤 丈裕 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 鉄系めっき液中に一対の電極を浸漬し、
該一対の電極間に一定の交流電圧を印加した時に流れる
電流値から3価鉄イオンの濃度を検出することを特徴と
する鉄系めっき液の3価鉄イオン濃度の検出方法。 - 【請求項2】 原料粉末である鉄微粉末にバインダーを
添加して作製される顆粒状の鉄からなることを特徴とす
る3価鉄イオンの還元剤。 - 【請求項3】 原料粉末として325メッシュ以下の鉄
微粉末を用いた請求項2記載の3価鉄イオンの還元剤。 - 【請求項4】 バインダーとして尿素を用いた請求項2
または3記載の3価鉄イオンの還元剤。 - 【請求項5】 請求項2ないし4記載の3価鉄イオンの
還元剤を鉄系めっき液中に添加して3価鉄イオンを還元
することを特徴とする鉄系めっき液の3価鉄イオンの還
元方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21508696A JPH1038830A (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | 鉄系めっき液の3価鉄イオン濃度の検出方法、3価鉄イオンの還元剤および鉄系めっき液の3価鉄イオンの還元方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21508696A JPH1038830A (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | 鉄系めっき液の3価鉄イオン濃度の検出方法、3価鉄イオンの還元剤および鉄系めっき液の3価鉄イオンの還元方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1038830A true JPH1038830A (ja) | 1998-02-13 |
Family
ID=16666527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21508696A Pending JPH1038830A (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | 鉄系めっき液の3価鉄イオン濃度の検出方法、3価鉄イオンの還元剤および鉄系めっき液の3価鉄イオンの還元方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1038830A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
MD4229C1 (ro) * | 2012-02-16 | 2013-12-31 | Государственный Университет Молд0 | Dispozitiv şi procedeu de control analitic al conţinutului ionilor de fier(III) în electrolitul de fierare şi instalaţie de regenerare electrochimică a electrolitului de fierare cu reglare automată |
WO2023176096A1 (ja) * | 2022-03-18 | 2023-09-21 | Jfeスチール株式会社 | 鉄系電気めっき液の循環方法、鉄系電気めっき液の製造方法、及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
-
1996
- 1996-07-25 JP JP21508696A patent/JPH1038830A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
MD4229C1 (ro) * | 2012-02-16 | 2013-12-31 | Государственный Университет Молд0 | Dispozitiv şi procedeu de control analitic al conţinutului ionilor de fier(III) în electrolitul de fierare şi instalaţie de regenerare electrochimică a electrolitului de fierare cu reglare automată |
WO2023176096A1 (ja) * | 2022-03-18 | 2023-09-21 | Jfeスチール株式会社 | 鉄系電気めっき液の循環方法、鉄系電気めっき液の製造方法、及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
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