JPH10334060A - 演算処理装置、並列分散処理システムおよびデータ伝送方法 - Google Patents

演算処理装置、並列分散処理システムおよびデータ伝送方法

Info

Publication number
JPH10334060A
JPH10334060A JP9144251A JP14425197A JPH10334060A JP H10334060 A JPH10334060 A JP H10334060A JP 9144251 A JP9144251 A JP 9144251A JP 14425197 A JP14425197 A JP 14425197A JP H10334060 A JPH10334060 A JP H10334060A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
program
structure data
encoding
common
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9144251A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Saito
隆之 斉藤
Hirotoshi Maekawa
博俊 前川
Tetsuhisa Chiba
哲央 千葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Digital Vision Laboratories Corp
Original Assignee
Digital Vision Laboratories Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Digital Vision Laboratories Corp filed Critical Digital Vision Laboratories Corp
Priority to JP9144251A priority Critical patent/JPH10334060A/ja
Publication of JPH10334060A publication Critical patent/JPH10334060A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる構造の計算機、OS、言語処理系によ
って動作するプロセス相互間で複雑なリンク構造データ
を正確に伝送できる演算処理装置を提供する。 【解決手段】 コンピュータ3のプロセスの内部表現形
式のリンク構造データ35は、ユーザレベル機能31お
よびシステムレベル機能32において、演算処理装置お
よび言語処理系に依存しない共通表現データ34に変換
され、この共通表現データ34は、ネットワーク2を介
してコンピュータ4に伝送され、ユーザレベル機能21
およびシステムレベル機能22において、コンピュータ
4上で動作するプロセスの内部表現形式のリンク構造デ
ータ11に変換される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばネットワー
クワイドな汎用の並行処理、特にマルチメディア並行処
理を行う演算処理装置、並列分散処理システムおよびデ
ータ伝送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディア情報を利用および
流通させる情報提供利用サービスアプリケーションの開
発が活発に行われている。このようなアプリケーション
システムでは、機能モジュール間の対話性およびモジュ
ール間構成の柔軟性を高めるために、ネットワークワイ
ドなマルチメディア並行処理を効率的に行うアプリケー
ション実行環境が求められる。これに応えようとするの
が、並列分散処理システムである。
【0003】このような並列分散処理システムでは、ネ
ットワークを介して接続された複数の演算処理ノード
(コンピュータ)上に複数のプロセスが分散して存在
し、これらが相互にデータを送受信しながら処理を行
う。ところで、このような分散処理システムでは、プロ
セス相互間で、それらを動作させるOSやアプリケーシ
ョンプログラムの種類が異なり、データの内部表現形式
も異なる場合がある。従って、このような場合に、異な
るOSや言語処理系によって動作するプロセス相互間で
データの送受信を行うには、送信元において送信するデ
ータの表現形式を内部表現形式から共通表現形式に変換
し、この共通表現形式のデータをネットワークを介して
送信先に送信し、送信先において受信した共通表現形式
のデータを送信先の内部表現形式に変換する必要性があ
る。
【0004】なお、プロセスで扱われるデータには、整
数、浮動小数点および文字などの基本データ型と、これ
らを基本要素とする配列や構造体と、これらのアドレス
を指し示すポインタなどを用いて構成される参照構造
(リンク構造)データがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、参照構
造データは、その構造の多様性から、共通表現形式に変
換することが困難である。従って、従来では、例えば、
所定の簡単な参照構造のデータしか共通表現形式に変換
できなかった。
【0006】また、従来では、異なるOSや言語処理系
上に存在するプロセス相互間で、非共有型(Non Shared)
データをネットワークを介して通信する手法は知られて
いるが、共有型(Shared)データをネットワークを介して
通信する具体的な手法については知られていない。ここ
で、非共有型データは、個々の演算処理ノードあるいは
プロセスに属するデータである。一のプロセスに属する
非共有型データを他のプロセスで使用する場合、一のプ
ロセスから他のプロセスに、そのコピーがメッセージと
して送信される。従って、非共有型データに対しては、
複数のプロセスが同時にアクセス可能である。一方、共
有型データは、複数の演算処理ノードあるいはプロセス
間で共有されているデータである。一のプロセスから当
該データを書き換えるアクセスが生じると、このアクセ
ス処理が終了するまで、当該データに対する他のプロセ
スからのアクセスはペンディングされる。
【0007】本発明は、上述した従来技術に鑑みてなさ
れ、異なるOSや言語処理系によって動作するプロセス
相互間で複雑な参照構造データを正確に伝送できる演算
処理装置、並列分散処理システムおよびデータ伝送方法
を提供することを目的とする。
【0008】また、本発明は、異なるOSや言語処理系
によって動作するプロセス相互間で、共有変数を持つこ
とができる演算処理装置、並列分散処理システムとその
方法およびデータ伝送方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した従来技術の問題
点を解決し、上述した目的を達成するために、本発明の
演算処理装置は、第1のプログラムが動作する他の演算
処理装置と接続され、第2のプログラムが動作する演算
処理装置であって、アドレス参照を示すリンクデータに
よって規定される参照構造を持つ複数の構造体データで
構成され前記第2のプログラムの内部表現形式で表現さ
れたリンク構造データを記憶する記憶手段と、前記構造
体データのアドレスを記憶し、これに対応するラベルを
生成して記憶するアドレス記憶手段と、前記構造体デー
タの内部要素である構造体メンバーデータを、演算処理
装置および言語処理系に依存しない共通表現形式にエン
コードする基本要素データエンコード手段と、前記リン
ク構造データを構成する複数の構造体データを前記リン
クデータおよび前記アドレス記憶手段を用いてトレース
しながら、当該トレースした前記構造体データを前記基
本要素データエンコード手段を用いて順にエンコードし
て前記リンク構造データを前記共通表現形式にエンコー
ドするリンク構造データエンコード手段と、前記共通表
現形式にエンコードされた前記リンク構造データを前記
他の演算処理装置に出力する出力手段とを有する。
【0010】本発明の演算処理装置では、第2のプログ
ラムの内部表現形式で表現されたリンク構造データを、
例えばネットワークを介して他の演算処理装置に伝送す
る際に、このリンク構造データを構成する複数の構造体
データをリンクデータおよびアドレス記憶手段から得ら
れた前記アドレスに基づいてトレースしながら、当該ト
レースした前記構造体データを前記構造体データエンコ
ード手段を用いて順にエンコードして前記リンク構造デ
ータを前記共通表現形式にエンコードする。そして、出
力手段からエンコードされたリンク構造データを、ネッ
トワークを介して、前記他の演算処理装置に伝送する。
他の演算処理装置では、ネットワークを介して受信した
共通表現形式のリンク構造データを、第1のプログラム
の内部表現形式に変換して使用する。
【0011】また、本発明の演算処理装置は、好ましく
は、前記アドレス記憶手段は、前記リンク構造データエ
ンコード手段が前記リンク構造データをエンコードする
過程で、構造体データがエンコードされたか否かを示す
エンコード有無情報を記憶し、前記リンク構造データエ
ンコード手段は、前記エンコード有無情報に基づいて、
エンコードが行なわれていない構造体データのみをエン
コードする。
【0012】また、本発明の演算処理装置は、好ましく
は、前記構造体データには、それぞれ当該構造体データ
がエンコードされたか否かを示すエンコード有無データ
が付加されており、前記リンク構造データエンコード手
段は、前記構造体データをトレースしたとき、当該構造
体データに付加されたエンコード有無データを調べ、エ
ンコードが行なわれていない構造体データのみをエンコ
ードする。
【0013】また、本発明の演算処理装置は、好ましく
は、前記リンク構造データエンコード手段は、構造体デ
ータがすでにエンコードされているか否かを調べずに、
トレースした構造体データをエンコードし、多重参照さ
れている構造体データについてはエンコードを重複して
複数回行なう。
【0014】また、本発明の演算処理装置は、好ましく
は、前記リンク構造データエンコード手段は、所定の深
さまで前記トレースを行なうと、当該トレースを強制的
に終了する。
【0015】また、本発明の演算処理装置は、好ましく
は、前記アドレス記憶手段および構造体データエンコー
ド手段は、言語処理系に依存しないように、システムレ
ベルおよびアプリケーションレベルのうち少なくとも一
方において実現され、前記リンク構造データエンコード
手段は、ユーザレベルにおいて実現される。
【0016】また、本発明の並列分散処理システムは、
単数または複数の計算オブジェクトを備えたプログラム
を実行する複数の演算処理ノードが、ネットワークを介
して相互に接続され、一のプログラムが備える計算オブ
ジェクトまたはその機能を他のプログラムが呼び出して
実行する際に、前記他のプログラムは、当該計算オブジ
ェクトまたはその機能の名前あるいは識別子をキーとし
て参照情報から、当該計算オブジェクトまたはその機能
を前記ネットワーク上で直接的に特定する所在情報を得
て、当該所在情報を前記一のプログラムに送信して、前
記一のプログラムが備える計算オブジェクトまたはその
機能の呼び出し処理を行う並列分散処理システムであっ
て、第1の演算処理ノード上で動作する第1のプログラ
ムに応じた第1の内部表現形式を持つデータを、第2の
演算処理ノード上で動作する第2の内部表現形式を持つ
第2のプログラムで使用する際に、前記第1の演算処理
ノードに備えられた第1の変換手段で、前記第1の内部
表現形式のデータを、前記ネットワーク上で共通した共
通表現形式のデータに変換し、当該共通表現形式のデー
タを前記ネットワークを介して前記第1の演算処理ノー
ドから前記第2の演算処理ノードに送信し、前記第2の
演算処理ノードに備えられた第2の変換手段で、前記共
通表現形式のデータを前記第2の内部表現形式のデータ
に変換する。
【0017】また、本発明の並列分散処理システムは、
好ましくは、前記計算オブジェクトまたはその機能は、
関数、クラス、インスタンス、メソッドおよび大域共有
変数およびファイルのいずれかである。
【0018】また、本発明の並列分散処理システムは、
第1のプログラムが動作する第1の演算処理ノードと第
2のプログラムが動作する第2の演算処理ノードとが接
続された並列分散処理システムであって、前記第1のプ
ログラムに応じた第1の内部表現形式を持ち、前記第1
のプログラムと前記第2のプログラムとの双方で共有さ
れる共有変数を、第2の内部表現形式を持つ前記第2の
プログラムが読み出す際に、前記第1の演算処理ノード
に備えられた第1の変換手段で、前記共有変数を、前記
第1の内部表現形式から前記ネットワーク上で共通した
共通表現形式に変換し、当該共通表現形式の共有変数デ
ータを前記第1の演算処理ノードから前記第2の演算処
理ノードに送信し、前記第2の演算処理ノードに備えら
れた第2の変換手段で、受信した共有変数の値を前記共
通表現形式から前記第2の内部表現形式に変換する。
【0019】また、本発明のデータ伝送方法は、第1の
内部表現形式を持つ第1のプログラムが動作する他の演
算処理装置に、第2の内部表現形式を持つ第2のプログ
ラムが動作する演算処理装置から、リンクデータによっ
て示される参照構造を持つ複数の構造体データで構成さ
れたリンク構造データを伝送するデータ伝送方法であっ
て、前記構造体データのアドレスとラベルとの対応を記
憶し、前記構造体データの内部要素である構造体メンバ
ーデータを、演算処理装置および言語処理系に依存しな
い共通表現形式にエンコードし、前記リンク構造データ
を構成する複数の構造体データを、前記リンクデータお
よび前記記憶された対応に基づいてトレースしながら、
当該トレースした前記構造体データを順に演算処理装置
および言語処理系に依存しない共通表現形式にエンコー
ドして前記リンク構造データを前記共通表現形式にエン
コードし、前記共通表現形式にエンコードされた前記リ
ンク構造データを前記他の演算処理装置に出力する。
【0020】また、本発明のデータ伝送方法は、好まし
くは、前記リンク構造データをエンコードする過程で、
構造体データがエンコードされたか否かを示すエンコー
ド有無情報を記憶し、前記エンコード有無情報に基づい
て、エンコードが行なわれていない構造体データのみを
エンコードする。
【0021】また、本発明のデータ伝送方法は、好まし
くは、前記構造体データには、それぞれ当該構造体デー
タがエンコードされたか否かを示すエンコード有無デー
タが付加されており、前記構造体データをトレースした
とき、当該構造体データに付加されたエンコード有無デ
ータを調べ、エンコードが行なわれていない構造体デー
タのみをエンコードする。
【0022】また、本発明のデータ伝送方法は、好まし
くは、構造体データがエンコードされているか否かを調
べずに、トレースした構造体データをエンコードし、多
重参照されている構造体データについてはエンコードを
重複して複数回行なう。
【0023】また、本発明のデータ伝送方法は、好まし
くは、所定の深さまで前記トレースを行なうと、当該ト
レースを強制的に終了する。
【0024】また、本発明の並列分散処理方法は、単数
または複数の計算オブジェクトを備えたプログラムを実
行する複数の演算処理ノードが、ネットワークを介して
相互に接続され、一のプログラムが備える計算オブジェ
クトまたはその機能を他のプログラムが呼び出して実行
する際に、前記他のプログラムは、当該計算オブジェク
トまたはその機能の名前あるいは識別子をキーとして参
照情報から、当該計算オブジェクトまたはその機能を前
記ネットワーク上で直接的に特定する所在情報を得て、
当該所在情報を前記一のプログラムに送信して、前記一
のプログラムが備える計算オブジェクトまたはその機能
の呼び出し処理を行う並列分散処理方法において、第1
の演算処理ノード上で動作する第1のプログラムに応じ
た第1の内部表現形式を持つデータを、第2の演算処理
ノード上で動作する第2の内部表現形式を持つ第2のプ
ログラムで使用する際に、前記第1の演算処理ノードに
おいて、前記第1の内部表現形式のデータを、前記ネッ
トワーク上で共通した共通表現形式のデータに変換し、
当該共通表現形式のデータを前記ネットワークを介して
前記第1の演算処理ノードから前記第2の演算処理ノー
ドに送信し、前記第2の演算処理ノードにおいて、前記
共通表現形式のデータを前記第2の内部表現形式のデー
タに変換する。
【0025】また、本発明の並列分散処理方法は、好ま
しくは、前記計算オブジェクトまたはその機能は、関
数、クラス、インスタンス、メソッドおよび大域共有変
数およびファイルのいずれかである。
【0026】また、本発明のデータ伝送方法は、第1の
演算処理ノード上で動作する第1のプログラムと、第2
の演算処理ノード上で動作する第2のプログラムとの間
でデータ伝送を行なうデータ伝送方法であって、前記第
1のプログラムに応じた第1の内部表現形式を持ち、前
記第1のプログラムと前記第2のプログラムとの双方で
共有される共有変数を、第2の内部表現形式を持つ前記
第2のプログラムが読み出す際に、前記第1の演算処理
ノードにおいて、前記共有変数を、前記第1の内部表現
形式から前記ネットワーク上で共通した共通表現形式に
変換し、当該共通表現形式の共有変数データを前記第1
の演算処理ノードから前記第2の演算処理ノードに送信
し、前記第2の演算処理ノードにおいて、受信した共有
変数を前記共通表現形式から前記第2の内部表現形式に
変換する。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係わる
並列分散処理システムおよびその方法について説明す
る。第1実施形態 図1は、本実施形態の並列分散処理システム1のシステ
ム構成図である。図1に示すように、並列分散処理シス
テム1は、ネットワーク2を介して、コンピュータ(演
算処理ノード)3,4が接続されている。
【0028】コンピュータ3には、ユーザレベル機能3
1、システムレベル機能32およびメッセージ通信機能
33が、例えば、ソフトウェアによって備えられてい
る。コンピュータ3では、ユーザレベル機能31、シス
テムレベル機能32およびメッセージ通信機能33を使
って、アプリケーションプログラム36が動作する。ア
プリケーションプログラム36で扱われるデータ35
は、そのプログラム記述言語に依存した内部表現形式を
している。
【0029】図1に示すように、ユーザレベル機能31
には、オブジェクトエンコーダ機能43およびオブジェ
クトデコーダ機能42がある。オブジェクトエンコーダ
機能43は、例えば、配列や構造体などのオブジェクト
に含まれる基本要素データの並びについての知識を持
ち、システムレベル機能32のアドレス辞書46および
基本データ型エンコーダ機能47を参照しながら、デー
タ35の循環参照および多重参照などの参照構造を検出
し、この検出結果に基づいてデータ35のエンコード処
理を行なう。オブジェクトデコーダ機能42は、システ
ムレベル機能32のアドレス辞書46および基本データ
型デコーダ機能45を参照しながら、入力した共通表現
形式データのデコード処理を行なう。
【0030】システムレベル機能32には、基本データ
型デコーダ機能45、アドレス辞書46および基本デー
タ型エンコーダ機能47がある。基本データ型エンコー
ダ機能47は、例えば、整数、浮動小数および文字など
の基本データ型のデータについて、内部表現形式を共通
表現形式へ表現形式を変換する機能である。ここで、共
通表現形式とは、計算機の構造、OS、プログラム記述
言語に依存しないデータ表現形式をいう。基本データ型
デコーダ機能45は、例えば、整数、浮動小数および文
字などの基本データ型のデータについて、共通表現形式
を内部表現形式に変換する。アドレス辞書46は、デー
タ構造体などのポインタによって参照構造(リンク)を
構成するデータの構成要素(構造体もしくはオブジェク
ト)のラベルとその先頭アドレスとの対応テーブルを備
え、この対応テーブルによってラベルおよび先頭アドレ
スの双方から該当するエントリの効率的な検索を可能に
するものである。
【0031】図1に示すコンピュータ4は、基本的に上
述したコンピュータ3と同じ構成をしている。但し、コ
ンピュータ3とコンピュータ4とでは、例えば、OSお
よび言語処理系の種類の少なくとも一方が異なる。具体
的には、例えば、図1に示すアプリケーションプログラ
ム36とアプリケーションプログラム37との種類が異
なる。また、例えば、システムレベル機能32を提供す
るOSがUNIX(商標名)で、システムレベル機能2
2を提供するOSがMS−DOS(商標名)であっても
よい。
【0032】コンピュータ4は、コンピュータ3から入
力した共通表現形式データ34の記述から、そのデータ
構造を解析し、その解析結果に基づいて、コンピュータ
4の内部表現形式のデータに変換する。そして、メッセ
ージ通信機能23によって呼び出されたアプリケーショ
ンプログラム37が、当該得られた内部表現形式のデー
タを使用する。
【0033】以下、図2に示す参照構造のデータ50を
図1に示すコンピュータ3において、内部表現形式から
共通表現形式に変換する場合を説明する。図2に示すよ
うに、データ50は、構成要素51〜55をリンクによ
って連結した構造のデータである。構成要素51〜55
は、それぞれ基本データv1〜v5、リンクデータp1
1〜p51およびリンクデータp12〜p52で構成さ
れている。ここで、基本データv1〜v5は、例えば、
整数、浮動小数および文字などの基本データ型のデータ
である。また、リンクデータp11〜p51およびリン
クデータp12〜p52は、ポインタなどの参照構造
(リンク)データである。図2に示すデータ50は、コ
ンピュータ3においてC言語で作成されたアプリケーシ
ョンプログラム36に応じた内部表現形式データ35と
して、図3に示すような内部表現形式でメモリ10上に
記憶される。なお、図2では、例えば「v1」,「p1
1」および「p12」のように、シンボルで値を表現し
たが、図3では、実際の整数値とアドレスを用いて表現
している。また、C言語では、構造体データの要素(構
造体メンバ)は、メモリ10上で連続して配置される。
但し、構造体と構造体とは、メモリ10上で連続して配
置される必要はない。
【0034】この場合に、アドレス辞書46には、図4
に示すような表460が内蔵されており、ラベル46
a、先頭アドレス46bおよびエンコードの有無46c
の3個の列がある。ここでは、データ50の構成要素5
1〜55のラベルd:1,d:2,d:2,d:4,
d:5と、それらの先頭アドレスであるA1,A2,A
3,A4,A5との対応が示されている。エンコードの
有無46cは、対応する構成要素についてオブジェクト
エンコーダ機能43のエンコード処理が終了したか否か
を示している。
【0035】図1に示すオブジェクトエンコーダ機能4
3では、図4に示すアドレス辞書46の表460を参照
して、図2に示すデータ50の循環・多重などを含む参
照構造を検出し、各構成要素について基本データ型エン
コーダ機能47を呼び出して順にエンコードすること
で、データ50の全体をエンコードする。
【0036】具体的には、先ず、アドレス辞書46の表
460からデータ50の先頭ラベルd:1の先頭アドレ
スA1を得て、アドレスA1にアクセスを行い、基本デ
ータ型エンコーダ機能47を呼び出して基本データv1
をエンコードすると共に、リンクデータp11,p12
から参照構造を得て、その参照構造をエンコードする。
そして、アドレス辞書46におけるラベルd:1に対応
するエンコードの有無46cにエンコード終了を示すマ
ークを行う。
【0037】そして、オブジェクトエンコーダ機能43
は、構成要素52〜55に対して、順にエンコード処理
を行い、図4に示すエンコードの有無46cの全てにマ
ークが付されたことを確認するとデータ50についての
エンコード処理を完了する。このエンコード処理によっ
て下記(1)に示す共通表現形式データ34が生成され
る。
【数1】
【0038】この共通表現形式データ34では、「(
)」内が構成要素を示しており、この構成要素のラベ
ル名が当該「( )」の前の「=」とその前の「#」
との間に記述されている。また、「( )」内に存在
する「#」の後にはリンク先の構成要素のラベル名が記
述されている。
【0039】この共通表現形式データ34は、図1に示
すメッセージ通信機能33によって、ネットワーク2を
介して、コンピュータ4に伝送される。コンピュータ4
では、ユーザレベル機能21に備えられたオブジェクト
デコーダ機能101によって、システムレベル機能22
に備えられたアドレス辞書146および基本データ型デ
コーダ機能147を呼び出して、共通表現形式データ3
4を、LISP言語で作成されたアプリケーションプロ
グラム37に応じて内部表現形式データ102に変換
し、図5に示す内部表現形式でメモリに記憶する。な
お、図5に示すLISPデータの内部表現形式は、各デ
ータにデータ型、名前、ガーベージコレクション(G
C)などの属性情報が付加された内部構造を有してい
る。
【0040】以下、前述した並列分散処理システム1に
おける共通表現形式データ変換方法について、データの
種類に分けて説明する。 〔循環参照構造を持たないリスト構造データの場合〕図
6に示すように、データ60は、構成要素61〜63を
有する。構成要素61は基本データv11,v12およ
びリンクデータp1で構成され、構成要素62は基本デ
ータv21,v22およびリンクデータp2で構成さ
れ、構成要素63は基本データv31,v32およびリ
ンク終端を示すリンクデータで構成される。リンクデー
タp1は構成要素62の先頭アドレスを指し示し、リン
クデータp2は構成要素63の先頭アドレスを指し示し
ている。
【0041】図6に示すリスト構造のデータ60は、コ
ンピュータ3においてC言語で作成されたアプリケーシ
ョンプログラム36に応じた内部表現形式データ35と
して、図7に示すような内部表現形式でメモリ10上に
記憶される。
【0042】図7に示す内部表現形式データ35は、図
1に示すコンピュータ3のオブジェクトエンコーダ機能
43において、下記(2)に示す共通表現形式データに
変換される。
【数2】
【0043】上記(2)に示す共通表現形式データは、
図1に示すネットワーク2を介して、コンピュータ4に
伝送され、コンピュータ4のオブジェクトデコーダ機能
101によって、コンピュータ4上のLISP言語で作
成されたアプリケーションプログラム37に応じた内部
表現形式データ102に変換され、図8に示す内部表現
形式でメモリ11に記憶される。
【0044】〔循環参照構造を持つリスト構造データの
場合〕図9に示すように、データ70は、構成要素71
〜73を有する。構成要素71は基本データv11,v
12およびリンクデータp1で構成され、構成要素72
は基本データv21,v22およびリンクデータp2で
構成され、構成要素73は基本データv31,v32お
よびリンクデータp3で構成される。リンクデータp1
は構成要素72の先頭アドレスを指し示し、リンクデー
タp2は構成要素73の先頭アドレスを指し示し、リン
クデータp3は構成要素71の先頭アドレスを指し示し
ている。
【0045】図9に示すリスト構造のデータ70は、コ
ンピュータ3においてC言語で作成されたアプリケーシ
ョンプログラム36に応じた内部表現形式データ35と
して、図10に示すような内部表現形式でメモリ10上
に記憶される。
【0046】図10に示す内部表現形式データは、図1
に示すコンピュータ3のオブジェクトエンコーダ機能4
3において、下記(3)に示す共通表現形式データに変
換される。
【数3】
【0047】上記(3)に示す共通表現形式データは、
図1に示すネットワーク2を介して、コンピュータ4に
伝送され、コンピュータ4のオブジェクトデコーダ機能
によって、LISP言語で作成されたアプリケーション
プログラム37に応じて内部表現形式データ102に変
換され、図11に示す内部表現形式でメモリに記憶され
る。
【0048】〔多重参照構造を持つリスト構造データの
場合〕図12に示すように、データ80は、構成要素8
1〜86を有する。構成要素81,82,83,85,
86は、基本データv11,v21,v31,v51,
v61、基本データv12,v22,v32,v52,
v62,およびリンクデータp1,p2,p3,p5,
p6で構成される。また、構成要素84は、基本データ
v41,v42およびリンク終端を示すリンクデータで
構成される。リンクデータp1は構成要素82の先頭ア
ドレスを指し示し、リンクデータp2は構成要素83の
先頭アドレスを指し示し、リンクデータp3は構成要素
84の先頭アドレスを指し示し、リンクデータp5は構
成要素86の先頭アドレスを指し示し、リンクデータp
6は構成要素83の先頭アドレスを指し示している。こ
こで、構成要素83は、構成要素82,86の双方から
多重参照されている。
【0049】図12に示すリスト構造のデータ70は、
コンピュータ3においてC言語で作成されたアプリケー
ションプログラム36に応じた内部表現形式データ35
として、図13に示すような内部表現形式でメモリ10
上に記憶される。
【0050】図13に示す内部表現形式データ35は、
図1に示すコンピュータ3のオブジェクトエンコーダ機
能43において、下記(4)に示す共通表現形式データ
に変換される。
【数4】
【0051】上記(4)に示す共通表現形式データは、
図1に示すネットワーク2を介して、コンピュータ4に
伝送され、コンピュータ4のオブジェクトデコーダ機能
によって、LISP言語で作成されたアプリケーション
プログラム37に応じて内部表現形式データ102に変
換され、図14に示す内部表現形式でメモリに記憶され
る。
【0052】〔その他の場合〕図15に示すように、デ
ータ90は、構成要素91〜97を有する。構成要素9
1〜93は、それぞれ基本データv1,v2,v3、リ
ンクデータp11,p21,p31およびリンクデータ
p12,p22,p32で構成される。また、構成要素
94〜97は、それぞれ基本データv4〜v7およびリ
ンク終端を示すリンクデータで構成される。リンクデー
タp11は構成要素92の先頭アドレスを指し示し、リ
ンクデータp12は構成要素93の先頭アドレスを指し
示し、リンクデータp21は構成要素94の先頭アドレ
スを指し示し、リンクデータp22は構成要素95の先
頭アドレスを指し示し、リンクデータp31は構成要素
96の先頭アドレスを指し示し、リンクデータp32は
構成要素97の先頭アドレスを指し示している。
【0053】図15に示すリスト構造のデータ90は、
コンピュータ3においてC言語で作成されたアプリケー
ションプログラム36に応じた内部表現形式データ35
として、図16に示すような内部表現形式でメモリ10
上に記憶される。
【0054】図16に示す内部表現形式データ35は、
図1に示すコンピュータ3のオブジェクトエンコーダ機
能43において、下記(5)に示す共通表現形式データ
に変換される。
【数5】
【0055】上記(5)に示す共通表現形式データは、
図1に示すネットワーク2を介して、コンピュータ4に
伝送され、コンピュータ4のオブジェクトデコーダ機能
によって、LISP言語で作成されたアプリケーション
プログラム37に応じて内部表現形式データ102に変
換され、図17に示す内部表現形式でメモリに記憶され
る。
【0056】以上説明したように、並列分散処理システ
ム1によれば、送信元において複雑な参照構造データを
効率的に内部表現形式から共通表現形式のデータに変換
できると共に、送信先において共通表現形式のデータを
内部表現形式に正確に変換できる。そのため、異なるO
Sや異なる言語処理系の下で動作するプログラム相互間
で、基本データ型や構造体データ型のみならず、複数の
構造体データ型が参照関係で結びつけられた複雑な参照
構造データをネットワークを介して効率的に伝送でき
る。
【0057】本発明は上述した実施形態には限定されな
い。例えば、上述した実施形態では、内部表現形式デー
タに現れる構造体データ型の構造(要素データの型)を
共通表現形式データの先頭で定義するようにしたが、具
体的には、例えば、図9に示すデータ70の共通表現形
式データは、上記(3)に示すように、はじめにデータ
構造を定義するようになっているが、下記(6)に示す
ように、共通表現形式データの個々の要素データに、整
数型を示す「integer」や浮動小数点型を示す
「character」などのデータ型を表す属性ラベ
ルを付加するようにしてもよい。
【数6】
【0058】第2実施形態 上述した実施形態では、図4に示すように、アドレス辞
書46の表460において、共通表現へのエンコードの
完了の有無を示す列46cを設けた例について例示した
が、本実施形態の並列分散処理システムでは、アドレス
辞書46にはエンコードの有無46cの列を設けずに、
図18に示すように、データ100の各構成要素101
〜103のそれぞれに、データ本体とは別にタグデータ
101a〜103aを付加する。このタグデータ101
a〜103aには、図1に示すオブジェクトエンコーダ
機能43によるエンコード処理の過程で、そのタグデー
タが属するデータ本体のエンコード処理が終了したか否
かを示すマークが付される。
【0059】具体的には、オブジェクトエンコーダ機能
43は、図18に示すデータの構成要素101〜103
を順にトレースし、トレースした構成要素のタグデータ
101a〜103aにエンコード終了を示すマークが付
されているか否かを判断する。そして、このマークが付
されていなければ、その構成要素のデータ本体をエンコ
ードし、当該タグデータにマークを付加する。構成要素
103のエンコードが終了し、リンクデータから次に構
成要素101をトレースし、そのタグデータ101aを
見ると、既にマークが付されているので、構成要素10
1にはエンコード処理を行なわず、データ100全体の
エンコード処理は終了する。
【0060】本実施形態の並列分散処理システムによっ
ても、前述した第1実施形態の並列分散処理システム1
と同様の効果を得ることができる。
【0061】第3実施形態 上述した実施形態では、図4に示すアドレス辞書46の
表460の列の一つであるエンコード完了の有無46c
あるいは図18に示すタグデータ101a〜103aに
よって、エンコード完了の有無を検出しながら各構成要
素をエンコードした。従って、図19に示すように、多
重参照された構成要素114のエンコードは、1回のみ
行なわれた。本実施形態の並列分散処理システムでは、
図1に示すコンピュータ3において、データの参照構造
を辿って出会った構成要素を、その構成要素が既にエン
コードされているか否かを検出せずに、エンコードす
る。従って、図19に示すような多重参照構造を含むデ
ータ110では、構成要素114は、構成要素112か
らの参照を辿ったときと、構成要素113からの参照構
造を辿ったときとの双方においてエンコードが行なわれ
る。すなわち、構成要素114は、2回、エンコードさ
れる。
【0062】具体的には、図19に示すデータ110
は、コンピュータ3においてC言語で作成されたアプリ
ケーションプログラム36が記憶されたメモリ10上
で、図20に示すような内部表現形式で表現され、下記
(7)に示す共通表現形式データに変換される。
【数7】
【0063】一方、図1に示すコンピュータ4では、ネ
ットワーク2を介して、上記(7)に示す共通表現形式
データを入力すると、LISP言語で作成されたアプリ
ケーションプログラム37に応じて内部表現形式データ
102に変換し、図21に示す内部表現形式でメモリに
記憶する。
【0064】ここで、図21に示す内部表現形式データ
102は、図19に示す構成要素114に対応して、2
個の構成要素124,125が生成された図22に示す
データ構造を有している。すなわち、図19に示す多重
参照された構成要素114のコピーが作られている。
【0065】本実施形態の並列分散処理システムは、デ
ータの送信先に多重参照を伝達することができないが、
アドレス辞書によるエンコード処理完了の確認をしない
ため、内部表現形式から共通表現形式への変換処理を高
速に行なうことができる。このため、送信先であるコン
ピュータ4においてコンピュータ3からの伝送されたデ
ータを読み出しのみ行なう場合には効果的である。
【0066】但し、本実施形態の並列分散処理システム
では、参照構造に循環参照が存在すると、エンコード処
理が無限ループに陥る可能性がある。これを避けるため
に、エンコード処理の際に、所定の深さまで参照を辿る
と、エンコード処理を強制的に終了させるエンコード停
止機能を備えるようにする。
【0067】第4実施形態 本実施形態では、上述した図1に示す並列分散処理シス
テム1において、ネットワークに接続されたコンピュー
タ(ネットワークノード)相互間でメソッドの呼び出し
を行なう手法について説明する。図23に示すように、
ネットワークノード3は、呼出元オブジェクト201a
において、ネットワークノード4の呼出し先オブジェク
ト208のメソッド205aのリモート呼び出しを行っ
ている。このとき、リモートインスタンス参照201b
とリモートメソッド参照201cとが行なわれる。すな
わち、インスタンスとメソッドの双方を特定すること
で、呼び出し対象の実体が特定される。
【0068】なお、図23では、インスタンスの特定に
ついて示している。すなわち、呼出し元のオブジェクト
201aのインスタンス参照201bに記述されたキー
(識別子)によって、リモートインスタンス参照テーブ
ル202が参照され、リモートインスタンスID「#0
123」が得られる。また、リモートインスタンス参照
テーブル202のプロセス参照に記述されたポインタに
よってプロセス参照テーブル207が参照され、呼出先
のメソッドが属するプロセスID「#0055」および
当該プロセスが動作するネットワークノード4のネット
ワークアドレス「192.168.1.1」が得られ
る。また、引数201dに記述されたポインタによって
引数201c1が指し示される。このとき、引数201
c1は、ネットワークノード3の内部表現形式となって
いる。引数201c1は、図1に示すオブジェクトエン
コーダ機能43によって共通表現形式に変換され、引数
201c2が得られる。
【0069】そして、リモートインスタンスID「#0
123」、プロセスID「#0055」および引数20
1c2を含むメッセージが、ネットワークアドレス「1
92.168.1.1」を基に、ネットワークを介し
て、ネットワークノード4に送られる。ネットワークノ
ード4は、このメッセージを受けると、プロセスID
「#0055」によってローカルインスタンス参照テー
ブル203を特定し、リモートインスタンスID「#0
123」をキーとして、呼出し先オブジェクト208の
ローカルインスタンスIDを得る。このローカルインス
タンスIDによって、呼び出し先オブジェクト208が
特定される。
【0070】上述したのと同様の方法で、呼出し元のオ
ブジェクト201aが持つメソッド参照201cに記述
されたキーによって、リモートメソッド参照テーブルお
よびローカルメソッド参照テーブルが参照され、ローカ
ルメソッドIDが得られる。このローカルメソッドID
によって、呼出し先オブジェクト208のメソッドへの
ポインタ205aが特定される。このメソッドへのポイ
ンタ205aによってメソッド本体206が指し示され
る。一方、ネットワーク2を介してネットワークノード
4が受信した引数201c2は、コンピュータ4が備え
るオブジェクトデコード機能によって、データ構造が共
通表現形式からネットワークノード4の内部表現形式に
変換され、引数201c3となる。この引数201c3
は、メソッド本体206への引数としてポインタ205
bによって指し示される。そして、引数201c3が与
えられ、メソッド本体206が動作する。
【0071】以上説明したように、図23に示すような
並列分散処理システムでは、データの内部表現形式が異
なるコンピュータ3,4相互間で、複雑な参照構造をし
た引数の送受信を正確に行なうことができる。
【0072】第5実施形態 本実施形態では、ある計算オブジェクトの内部変数を、
ネットワークを介して接続された複数のネットワークノ
ード上で動作する複数のプロセス間の共有変数(大域変
数)として使用する。この場合に、共有変数となる変数
を内包する計算オブジェクト(プロセス)の機能とし
て、共有変数の値の読み取り、変更などの機能をプログ
ラムする。このとき、共有変数へのアクセスは、全て、
その変数を内包する計算オブジェクトへの機能呼び出し
によって行われるので、自然に、その共有変数へのアク
セスの排他制御が実現される。すなわち、共有変数は、
計算オブジェクトの中に抱え込まれており、当該共有変
数を読み出しおよび書換えて操作するには、当該計算オ
ブジェクトの機能を呼び出す必要がある。これによっ
て、計算オブジェクトが共有変数そのものとして振る舞
う。
【0073】このとき、共有変数をその計算オブジェク
トの変数スロットとし、その共有変数についての処理を
メソッド(関数)とする。本実施形態では、共有変数の
読み出しは、図23を用いて前述したネットワークノー
ド相互間での引数の伝送方法と同様に、例えば、コンピ
ュータ3の内部表現形式の共有変数を共通表現形式に変
換した後に、ネットワーク2を介してコンピュータ4に
伝送し、ネットワークノード4において、その内部表現
形式に変換することで実現される。
【0074】本実施形態の並列分散処理システムによれ
ば、データの内部表現形式の異なるプロセス相互間で、
共有変数を持つことができる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
異なる構造の計算機、異なるOS、異なる言語処理系に
よって動作するプロセス相互間で、複雑なリンク構造デ
ータを演算処理装置相互間で正確に伝送できる。また、
本発明によれば、異なる計算機、OS、言語処理系によ
って動作するプロセス相互間で、共有変数を持つことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施形態の並列分散処理システムの
システム構成図である。
【図2】図2は、ネットワークを介して伝送されるデー
タを説明するための図である。
【図3】図3は、図2に示すデータの伝送元における内
部表現形式を説明するための図である。
【図4】図4は、アドレス辞書を説明するための図であ
る。
【図5】図5は、図2に示すデータの伝送先における内
部表現形式を説明するための図である。
【図6】図6は、循環を持たないリスト構造のデータを
説明するための図である。
【図7】図7は、図6に示すデータの伝送元における内
部表現形式を説明するための図である。
【図8】図8は、図6に示すデータの伝送先における内
部表現形式を説明するための図である。
【図9】図9は、循環を持つリスト構造のデータを説明
するための図である。
【図10】図10は、図9に示すデータの伝送元におけ
る内部表現形式を説明するための図である。
【図11】図11は、図9に示すデータの伝送先におけ
る内部表現形式を説明するための図である。
【図12】図12は、多重参照を持つデータを説明する
ための図である。
【図13】図13は、図12に示すデータの伝送元にお
ける内部表現形式を説明するための図である。
【図14】図14は、図12に示すデータの伝送先にお
ける内部表現形式を説明するための図である。
【図15】図15は、その他のデータを説明するための
図である。
【図16】図16は、図15に示すデータの伝送元にお
ける内部表現形式を説明するための図である。
【図17】図17は、図15に示すデータの伝送先にお
ける内部表現形式を説明するための図である。
【図18】図18は、データの構成要素に設けられたタ
グを説明するための図である。
【図19】図19は、本発明の第3実施形態の並列分散
処理システムを説明するためのデータ例の図である。
【図20】図20は、図19に示すデータの伝送元にお
ける内部表現形式を説明するための図である。
【図21】図21は、図19に示すデータの伝送先にお
ける内部表現形式を説明するための図である。
【図22】図22は、図21のデータの構造を説明する
ための図である。
【図23】図23は、本発明の第4実施形態の並列分散
処理システムを説明するための図である。
【符号の説明】
1… 並列分散処理システム 2… ネットワーク 3,4… コンピュータ 35,11… メモリ上に内部表現で格納されたデータ 21,31… ユーザレベル機能 22,32… システムレベル機能 23,33… メッセージ通信機能 34… 共通表現形式データ 36,37… アプリケーションプログラム 43… オブジェクトエンコーダ 46… アドレス辞書 47… 基本データ型エンコーダ

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のプログラムが動作する他の演算処理
    装置と接続され、第2のプログラムが動作する演算処理
    装置において、 アドレス参照を示すリンクデータによって規定される参
    照構造を持つ複数の構造体データで構成され前記第2の
    プログラムの内部表現形式で表現されたリンク構造デー
    タを記憶する記憶手段と、 前記構造体データのアドレスを記憶し、これに対応する
    ラベルを生成して記憶するアドレス記憶手段と、 前記構造体データの内部要素である構造体メンバーデー
    タを、演算処理装置および言語処理系に依存しない共通
    表現形式にエンコードする基本要素データエンコード手
    段と、 前記リンク構造データを構成する複数の構造体データを
    前記リンクデータおよび前記アドレス記憶手段を用いて
    トレースしながら、当該トレースした前記構造体データ
    を前記基本要素データエンコード手段を用いて順にエン
    コードして前記リンク構造データを前記共通表現形式に
    エンコードするリンク構造データエンコード手段と、 前記共通表現形式にエンコードされた前記リンク構造デ
    ータを前記他の演算処理装置に出力する出力手段とを有
    する演算処理装置
  2. 【請求項2】前記アドレス記憶手段は、前記リンク構造
    データエンコード手段が前記リンク構造データをエンコ
    ードする過程で、構造体データがエンコードされたか否
    かを示すエンコード有無情報を記憶し、 前記リンク構造データエンコード手段は、前記エンコー
    ド有無情報に基づいて、エンコードが行なわれていない
    構造体データのみをエンコードする請求項1に記載の演
    算処理装置。
  3. 【請求項3】前記構造体データには、それぞれ当該構造
    体データがエンコードされたか否かを示すエンコード有
    無データが付加されており、 前記リンク構造データエンコード手段は、前記構造体デ
    ータをトレースしたとき、当該構造体データに付加され
    たエンコード有無データを調べ、エンコードが行なわれ
    ていない構造体データのみをエンコードする請求項1に
    記載の演算処理装置。
  4. 【請求項4】前記リンク構造データエンコード手段は、
    構造体データがすでにエンコードされているか否かを調
    べずに、トレースした構造体データをエンコードし、多
    重参照されている構造体データについてはエンコードを
    複数回行なう請求項1に記載の演算処理装置。
  5. 【請求項5】前記リンク構造データエンコード手段は、
    所定の深さまで前記トレースを行なうと、当該トレース
    を強制的に終了する請求項4に記載の演算処理装置。
  6. 【請求項6】前記アドレス記憶手段および基本要素デー
    タエンコード手段は、言語処理系に依存しないようにシ
    ステムレベルにおいて実現され、 前記リンク構造データエンコード手段は、ユーザレベル
    およびアプリケーションレベルの少なくとも一方におい
    て実現される請求項1〜5のいずれかに記載の演算処理
    装置。
  7. 【請求項7】単数または複数の計算オブジェクトを備え
    たプログラムを実行する複数の演算処理ノードが、ネッ
    トワークを介して相互に接続され、一のプログラムが備
    える計算オブジェクトまたはその機能を他のプログラム
    が呼び出して実行する際に、前記他のプログラムは、当
    該計算オブジェクトまたはその機能の名前あるいは識別
    子をキーとして参照情報から、当該計算オブジェクトま
    たはその機能を前記ネットワーク上で直接的に特定する
    所在情報を得て、当該所在情報を前記一のプログラムに
    送信して、前記一のプログラムが備える計算オブジェク
    トまたはその機能の呼び出し処理を行う並列分散処理シ
    ステムにおいて、 第1の演算処理ノード上で動作する第1のプログラムに
    応じた第1の内部表現形式を持つデータを、第2の演算
    処理ノード上で動作する第2の内部表現形式を持つ第2
    のプログラムで使用する際に、 前記第1の演算処理ノードに備えられた第1の変換手段
    で、前記第1の内部表現形式のデータを、前記ネットワ
    ーク上で共通した共通表現形式のデータに変換し、 当該共通表現形式のデータを前記ネットワークを介して
    前記第1の演算処理ノードから前記第2の演算処理ノー
    ドに送信し、 前記第2の演算処理ノードに備えられた第2の変換手段
    で、前記共通表現形式のデータを前記第2の内部表現形
    式のデータに変換する並列分散処理システム。
  8. 【請求項8】前記計算オブジェクトまたはその機能は、 関数、クラス、インスタンス、メソッドおよび大域共有
    変数およびファイルのいずれかである請求項7に記載の
    並列分散処理システム。
  9. 【請求項9】第1のプログラムが動作する第1の演算処
    理ノードと第2のプログラムが動作する第2の演算処理
    ノードとが接続された並列分散処理システムにおいて、 前記第1のプログラムに応じた第1の内部表現形式を持
    ち、前記第1のプログラムと前記第2のプログラムとの
    双方で共有される共有変数を、第2の内部表現形式を持
    つ前記第2のプログラムが読み出す際に、 前記第1の演算処理ノードに備えられた第1の変換手段
    で、前記共有変数を、前記第1の内部表現形式から前記
    ネットワーク上で共通した共通表現形式に変換し、 当該共通表現形式の共有変数データを前記第1の演算処
    理ノードから前記第2の演算処理ノードに送信し、 前記第2の演算処理ノードに備えられた第2の変換手段
    で、受信した共有変数を前記共通表現形式から前記第2
    の内部表現形式に変換する並列分散処理システム。
  10. 【請求項10】第1の内部表現形式を持つ第1のプログ
    ラムが動作する他の演算処理装置に、第2の内部表現形
    式を持つ第2のプログラムが動作する演算処理装置か
    ら、アドレス参照を示すリンクデータによって規定され
    る参照構造を持つ複数の構造体データで構成されたリン
    ク構造データを伝送するデータ伝送方法において、 前記構造体データのアドレスとラベルとの対応を記憶
    し、 前記構造体データの内部要素である構造体メンバーデー
    タを、演算処理装置および言語処理系に依存しない共通
    表現形式にエンコードし、 前記リンク構造データを構成する複数の構造体データ
    を、前記リンクデータおよび前記記憶された対応に基づ
    いてトレースしながら、当該トレースした前記構造体デ
    ータを順に演算処理装置および言語処理系に依存しない
    共通表現形式にエンコードして前記リンク構造データを
    前記共通表現形式にエンコードし、 前記共通表現形式にエンコードされた前記リンク構造デ
    ータを前記他の演算処理装置に出力するデータ伝送方
    法。
  11. 【請求項11】前記リンク構造データをエンコードする
    過程で、構造体データがエンコードされたか否かを示す
    エンコード有無情報を記憶し、 前記エンコード有無情報に基づいて、エンコードが行な
    われていない構造体データのみをエンコードする請求項
    10に記載のデータ伝送方法。
  12. 【請求項12】前記構造体データには、それぞれ当該構
    造体データがエンコードされたか否かを示すエンコード
    有無データが付加されており、 前記構造体データをトレースしたとき、当該構造体デー
    タに付加されたエンコード有無データを調べ、エンコー
    ドが行なわれていない構造体データのみをエンコードす
    る請求項10に記載のデータ伝送方法。
  13. 【請求項13】構造体データがエンコードされているか
    否かを調べずに、トレースした構造体データをエンコー
    ドし、多重参照されている構造体データについてはエン
    コードを複数回行なう請求項10に記載のデータ伝送方
    法。
  14. 【請求項14】所定の深さまで前記トレースを行なう
    と、当該トレースを強制的に終了する請求項13に記載
    のデータ伝送方法。
  15. 【請求項15】単数または複数の計算オブジェクトを備
    えたプログラムを実行する複数の演算処理ノードが、ネ
    ットワークを介して相互に接続され、一のプログラムが
    備える計算オブジェクトまたはその機能を他のプログラ
    ムが呼び出して実行する際に、前記他のプログラムは、
    当該計算オブジェクトまたはその機能の名前あるいは識
    別子をキーとして参照情報から、当該計算オブジェクト
    またはその機能を前記ネットワーク上で直接的に特定す
    る所在情報を得て、当該所在情報を前記一のプログラム
    に送信して、前記一のプログラムが備える計算オブジェ
    クトまたはその機能の呼び出し処理を行う並列分散処理
    方法において、 第1の演算処理ノード上で動作する第1のプログラムに
    応じた第1の内部表現形式を持つデータを、第2の演算
    処理ノード上で動作する第2の内部表現形式を持つ第2
    のプログラムで使用する際に、 前記第1の演算処理ノードにおいて、前記第1の内部表
    現形式のデータを、前記ネットワーク上で共通した共通
    表現形式のデータに変換し、 当該共通表現形式のデータを前記ネットワークを介して
    前記第1の演算処理ノードから前記第2の演算処理ノー
    ドに送信し、 前記第2の演算処理ノードにおいて、前記共通表現形式
    のデータを前記第2の内部表現形式のデータに変換する
    並列分散処理方法。
  16. 【請求項16】前記計算オブジェクトまたはその機能
    は、 関数、クラス、インスタンス、メソッドおよび大域共有
    変数およびファイルのいずれかである請求項15に記載
    の並列分散処理方法。
  17. 【請求項17】第1の演算処理ノード上で動作する第1
    のプログラムと、第2の演算処理ノード上で動作する第
    2のプログラムとの間でデータ伝送を行なうデータ伝送
    方法において、 前記第1のプログラムに応じた第1の内部表現形式を持
    ち、前記第1のプログラムと前記第2のプログラムとの
    双方で共有される共有変数を、第2の内部表現形式を持
    つ前記第2のプログラムが読み出す際に、 前記第1の演算処理ノードにおいて、前記共有変数を、
    前記第1の内部表現形式から前記ネットワーク上で共通
    した共通表現形式に変換し、 当該共通表現形式の共有変数データを前記第1の演算処
    理ノードから前記第2の演算処理ノードに送信し、 前記第2の演算処理ノードにおいて、受信した共有変数
    を前記共通表現形式から前記第2の内部表現形式に変換
    するデータ伝送方法。
JP9144251A 1997-06-02 1997-06-02 演算処理装置、並列分散処理システムおよびデータ伝送方法 Pending JPH10334060A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9144251A JPH10334060A (ja) 1997-06-02 1997-06-02 演算処理装置、並列分散処理システムおよびデータ伝送方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9144251A JPH10334060A (ja) 1997-06-02 1997-06-02 演算処理装置、並列分散処理システムおよびデータ伝送方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10334060A true JPH10334060A (ja) 1998-12-18

Family

ID=15357760

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9144251A Pending JPH10334060A (ja) 1997-06-02 1997-06-02 演算処理装置、並列分散処理システムおよびデータ伝送方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10334060A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007534056A (ja) * 2004-04-02 2007-11-22 サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド サイクリックレファレンシング管理方法及び装置並びにパージング方法及び装置
JP2008097123A (ja) * 2006-10-06 2008-04-24 Ricoh Co Ltd 情報処理装置、画像処理装置、データ変換方法及びデータ変換プログラム
JP2019212122A (ja) * 2018-06-06 2019-12-12 オムロン株式会社 制御システム、制御システムの制御方法、および制御システムのプログラム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007534056A (ja) * 2004-04-02 2007-11-22 サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド サイクリックレファレンシング管理方法及び装置並びにパージング方法及び装置
JP2008097123A (ja) * 2006-10-06 2008-04-24 Ricoh Co Ltd 情報処理装置、画像処理装置、データ変換方法及びデータ変換プログラム
JP2019212122A (ja) * 2018-06-06 2019-12-12 オムロン株式会社 制御システム、制御システムの制御方法、および制御システムのプログラム
WO2019235312A1 (ja) * 2018-06-06 2019-12-12 オムロン株式会社 制御システム、制御システムの制御方法、および制御システムのプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100389572C (zh) 一种远程调用通信组件的系统及方法
CN1307553C (zh) 语法分析扩展标记语言文件的装置和方法
CN101697139A (zh) 一种远程过程调用方法、装置和注册库
WO1998002808A1 (en) Method and apparatus for describing an interface definition language-defined interface, operation, and data type
US20020029297A1 (en) Method and apparatus for efficient representation of variable length identifiers in a distributed object system
CN114331416A (zh) 数据处理的方法、装置、电子设备及存储介质
CN110941655B (zh) 一种数据格式转换方法及装置
CN113419729B (zh) 基于组件化的前端页面搭建方法、装置、设备及存储介质
JPH10334060A (ja) 演算処理装置、並列分散処理システムおよびデータ伝送方法
CN101118504A (zh) 一种在应用模块与com组件之间传递参数的方法及装置
US7587505B2 (en) Data communication method, data communication system, and program
CN111158661A (zh) 系统接口对接方法、装置、介质及电子设备
CN112765252A (zh) 数据传输方法、客户端、终端、服务器及存储介质
CN110548285A (zh) 游戏通信控制方法及装置、介质及电子设备
Gray et al. Pluggability issues in the multi protocol
CN116882366B (zh) 标记型报文的结构转换方法、装置、电子产品和介质
KR102126896B1 (ko) 메모리 중심 컴퓨터를 위한 mpi 프로그램 변환 방법 및 장치
CN116886747A (zh) 基于前端的后端业务功能调用方法、装置、设备及介质
CN117827217A (zh) 一种c语言结构体与json相互转换的方法及装置
CA2367061A1 (en) Generating optimized computer data field conversion routines
CN117931908A (en) On-line monitoring system data exchange method, storage medium and device based on thread
CN116880933A (zh) 一种c++远程多态函数调用和数据传输方法及系统
CN114168652A (zh) 一种智能合约交互方法、装置、设备以及存储介质
CN116661894A (zh) 原生插件调用方法、装置、终端设备及存储介质
CN116185848A (zh) 开发系统的功能测试方法及装置