JPH10314955A - 抵抗溶接ガンのカムプレートの製造法 - Google Patents
抵抗溶接ガンのカムプレートの製造法Info
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- JPH10314955A JPH10314955A JP9128868A JP12886897A JPH10314955A JP H10314955 A JPH10314955 A JP H10314955A JP 9128868 A JP9128868 A JP 9128868A JP 12886897 A JP12886897 A JP 12886897A JP H10314955 A JPH10314955 A JP H10314955A
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- resistance welding
- welding gun
- cam
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 一対の電極ホルダ５，６を相対移動可能
に支える抵抗溶接ガン１のカムプレート３０の製造法に
おいて、機械構造用炭素鋼を素材として、この素材を球
状化処理し、ファインブランキング加工し、焼入れ及び
焼戻することでカムプレート３０を製造する抵抗溶接ガ
ン１のカムプレート３０の製造法である。 【効果】 ファインブランキング加工で所定の形状を同
時に加工することで、カムプレートの寸法精度が向上す
る。また、ファインブランキング加工で所定の形状を同
時に加工することで、加工時間を大幅に短縮することが
でき製造コストを低減することができる。
に支える抵抗溶接ガン１のカムプレート３０の製造法に
おいて、機械構造用炭素鋼を素材として、この素材を球
状化処理し、ファインブランキング加工し、焼入れ及び
焼戻することでカムプレート３０を製造する抵抗溶接ガ
ン１のカムプレート３０の製造法である。 【効果】 ファインブランキング加工で所定の形状を同
時に加工することで、カムプレートの寸法精度が向上す
る。また、ファインブランキング加工で所定の形状を同
時に加工することで、加工時間を大幅に短縮することが
でき製造コストを低減することができる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は抵抗溶接ガンのカム
プレート製造法の改良に関する。
プレート製造法の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】抵抗溶接ガンは、スポット溶接をするた
めに使用する専用工具である。スポット溶接は、抵抗溶
接ガンの一端に取付けた電極と他端に取付けた電極とで
接合すべき母材同士を挟み、これらの母材に局部的に加
熱するとともに加圧して接合する抵抗溶接の一種であ
る。従って、抵抗溶接ガンは、加熱及び加圧に耐え得る
強度が必要である。また、抵抗溶接ガンの先端に取付け
た一対の電極で母材同士を挟む機構を構成する部品にカ
ムプレートがあり、このカムプレートは、高い精度と剛
性を必要とする部品である。そこで、硬質の厚い板から
ワークを切出し、このワークの外周を加工して中間品と
し、この中間品に数値制御工作機（以下「ＮＣ工作機」
と略記する。）でカム溝加工及び孔開け加工を実施し、
次に、カム溝に高周波焼入れを施すことで、従来のカム
プレートを製造していた。
めに使用する専用工具である。スポット溶接は、抵抗溶
接ガンの一端に取付けた電極と他端に取付けた電極とで
接合すべき母材同士を挟み、これらの母材に局部的に加
熱するとともに加圧して接合する抵抗溶接の一種であ
る。従って、抵抗溶接ガンは、加熱及び加圧に耐え得る
強度が必要である。また、抵抗溶接ガンの先端に取付け
た一対の電極で母材同士を挟む機構を構成する部品にカ
ムプレートがあり、このカムプレートは、高い精度と剛
性を必要とする部品である。そこで、硬質の厚い板から
ワークを切出し、このワークの外周を加工して中間品と
し、この中間品に数値制御工作機（以下「ＮＣ工作機」
と略記する。）でカム溝加工及び孔開け加工を実施し、
次に、カム溝に高周波焼入れを施すことで、従来のカム
プレートを製造していた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、カム溝及び孔
をＮＣ工作機で加工したのでは、加工精度のばらつきが
発生し、品質の安定性を維持することが困難である。板
からワークを切出し、カム溝及び孔をＮＣ工作機で加工
したのでは、加工工程が多いため加工時間がかかり製品
のコストの高いものとなる。カム溝のみを高周波で焼入
れしたのでは、熱的歪みがカムプレートに発生し、寸法
精度を悪化する要因ともなる。
をＮＣ工作機で加工したのでは、加工精度のばらつきが
発生し、品質の安定性を維持することが困難である。板
からワークを切出し、カム溝及び孔をＮＣ工作機で加工
したのでは、加工工程が多いため加工時間がかかり製品
のコストの高いものとなる。カム溝のみを高周波で焼入
れしたのでは、熱的歪みがカムプレートに発生し、寸法
精度を悪化する要因ともなる。
【０００４】そこで、本発明の目的は、品質の安定性を
維持し加工コストを低減した抵抗溶接ガンのカムプレー
ト製造法を提供することを目的とする。
維持し加工コストを低減した抵抗溶接ガンのカムプレー
ト製造法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】発明者らは、加工精度の
ばらつきや品質の安定性を維持するために外形、カム溝
及び孔を同時にファインブランキング加工することでカ
ムプレートを製造することを試みたが、板が厚く、硬度
の高い機械構造用炭素鋼は加工が困難であった。そし
て、発明者らはさらに研究を重ね、板厚が厚く、硬度の
高い機械構造用炭素鋼を素材をして外形、カム溝及び孔
を同時にファインブランキング加工することに成功した
のである。
ばらつきや品質の安定性を維持するために外形、カム溝
及び孔を同時にファインブランキング加工することでカ
ムプレートを製造することを試みたが、板が厚く、硬度
の高い機械構造用炭素鋼は加工が困難であった。そし
て、発明者らはさらに研究を重ね、板厚が厚く、硬度の
高い機械構造用炭素鋼を素材をして外形、カム溝及び孔
を同時にファインブランキング加工することに成功した
のである。
【０００６】具体的には請求項１は、一対の電極ホルダ
を相対移動可能に支える抵抗溶接ガンのカムプレートの
製造法において、機械構造用炭素鋼を素材として、この
素材を球状化処理し、ファインブランキング加工し、焼
入れ及び焼戻することでカムプレートを製造する抵抗溶
接ガンのカムプレートの製造法である。機械構造用炭素
鋼を素材として、この素材を球状化処理し、ファインブ
ランキング加工し、焼入れ及び焼戻して抵抗溶接ガンの
カムプレートを製造する。
を相対移動可能に支える抵抗溶接ガンのカムプレートの
製造法において、機械構造用炭素鋼を素材として、この
素材を球状化処理し、ファインブランキング加工し、焼
入れ及び焼戻することでカムプレートを製造する抵抗溶
接ガンのカムプレートの製造法である。機械構造用炭素
鋼を素材として、この素材を球状化処理し、ファインブ
ランキング加工し、焼入れ及び焼戻して抵抗溶接ガンの
カムプレートを製造する。
【０００７】機械構造用炭素鋼を球状化処理すること
で、機械構造用炭素鋼の硬度を下げることができ、板厚
の厚い機械構造用炭素鋼の素材をもファインブランキン
グ加工可能にした。ファインブランキング加工で所定の
形状を同時に加工することで、カムプレートの寸法精度
が向上する。また、ファインブランキング加工で所定の
形状を同時に加工することで、加工時間を大幅に短縮す
ることができ製造コストを低減することができる。カム
プレート全体を焼入れ及び焼戻しすることで、部分的な
熱的歪みを発生させることがなく品質の安定性を維持す
ることができる。
で、機械構造用炭素鋼の硬度を下げることができ、板厚
の厚い機械構造用炭素鋼の素材をもファインブランキン
グ加工可能にした。ファインブランキング加工で所定の
形状を同時に加工することで、カムプレートの寸法精度
が向上する。また、ファインブランキング加工で所定の
形状を同時に加工することで、加工時間を大幅に短縮す
ることができ製造コストを低減することができる。カム
プレート全体を焼入れ及び焼戻しすることで、部分的な
熱的歪みを発生させることがなく品質の安定性を維持す
ることができる。
【０００８】請求項２は、ファインブランキング加工す
るときに、少なくとも１０％の二硫化モリブデンを含ま
せたプレス油を用いたことを特徴とする。ファインブラ
ンキング加工するときに、少なくとも１０％の二硫化モ
リブデンを含ませたプレス油を用いたので、二硫化モリ
ブデンの潤滑作用によって破断面の粗さを向上させるこ
とができる。
るときに、少なくとも１０％の二硫化モリブデンを含ま
せたプレス油を用いたことを特徴とする。ファインブラ
ンキング加工するときに、少なくとも１０％の二硫化モ
リブデンを含ませたプレス油を用いたので、二硫化モリ
ブデンの潤滑作用によって破断面の粗さを向上させるこ
とができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図１は本発明に係る抵抗溶接ガンのカムプ
レートの製造法にて製作したカムプレートを取付けた抵
抗溶接ガンの側面図である。抵抗溶接ガン１は、ベース
フレーム２と、このベースフレーム２に進退自在に取付
けた油圧シリンダ３と、この油圧シリンダ３に取付けた
カムプレート３０と、このカムプレート３０に嵌合して
移動する移動プレート４と、カムプレート３０に取付け
た一対の電極ホルダの一方としての支持側電極ホルダ５
と、移動プレート４に取付けた一対の電極ホルダの他方
としての回転側電極ホルダ６とからなる。
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図１は本発明に係る抵抗溶接ガンのカムプ
レートの製造法にて製作したカムプレートを取付けた抵
抗溶接ガンの側面図である。抵抗溶接ガン１は、ベース
フレーム２と、このベースフレーム２に進退自在に取付
けた油圧シリンダ３と、この油圧シリンダ３に取付けた
カムプレート３０と、このカムプレート３０に嵌合して
移動する移動プレート４と、カムプレート３０に取付け
た一対の電極ホルダの一方としての支持側電極ホルダ５
と、移動プレート４に取付けた一対の電極ホルダの他方
としての回転側電極ホルダ６とからなる。
【００１０】ベースフレーム２は、フレーム本体１１
と、このフレーム本体１１に取付けたガイドシャフト１
２と、このガイドシャフト１２に進退自在に取付けた油
圧シリンダ３を圧着するための圧縮ばね１３と、フレー
ム本体１１に回転側電極ホルダ６をつなぐバスバー１４
と、フレーム本体１１から支持側電極ホルダ５に冷却水
を循環させるための供給チューブ１５及び戻りチューブ
（不図示）と、フレーム本体１１から回転側電極ホルダ
６に冷却水を循環させるための供給チューブ１６及び戻
りチューブ（不図示）とからなる。
と、このフレーム本体１１に取付けたガイドシャフト１
２と、このガイドシャフト１２に進退自在に取付けた油
圧シリンダ３を圧着するための圧縮ばね１３と、フレー
ム本体１１に回転側電極ホルダ６をつなぐバスバー１４
と、フレーム本体１１から支持側電極ホルダ５に冷却水
を循環させるための供給チューブ１５及び戻りチューブ
（不図示）と、フレーム本体１１から回転側電極ホルダ
６に冷却水を循環させるための供給チューブ１６及び戻
りチューブ（不図示）とからなる。
【００１１】油圧シリンダ３は、シリンダ１８と、この
シリンダ１８に嵌合したピストン１９と、ピストン１９
に取付けたピストンロッド２１とからなる。シリンダ１
８はガイドシャフト１２に嵌合させたスライド孔１８ａ
を備え、ピストンロッド２１は先端に移動プレート４に
嵌合させるための嵌合孔２１ａを備える。
シリンダ１８に嵌合したピストン１９と、ピストン１９
に取付けたピストンロッド２１とからなる。シリンダ１
８はガイドシャフト１２に嵌合させたスライド孔１８ａ
を備え、ピストンロッド２１は先端に移動プレート４に
嵌合させるための嵌合孔２１ａを備える。
【００１２】移動プレート４は、カムプレート３０に嵌
合させた一対の前ボス４ａ及び後ボス４ｂと、回転側電
極ホルダ６の取付け孔４ｃ，４ｃとからなる。後ボス４
ｂは、カムプレート３０に嵌合するとともにピストンロ
ッド２１の嵌合孔２１ａに嵌合して、ピストンロッド２
１の動きを移動プレート４に伝える部分である。
合させた一対の前ボス４ａ及び後ボス４ｂと、回転側電
極ホルダ６の取付け孔４ｃ，４ｃとからなる。後ボス４
ｂは、カムプレート３０に嵌合するとともにピストンロ
ッド２１の嵌合孔２１ａに嵌合して、ピストンロッド２
１の動きを移動プレート４に伝える部分である。
【００１３】支持側電極ホルダ５は、ホルダ本体２３
と、このホルダ本体２３の先端側面に取付けた電極チッ
プ２４とからなる。ホルダ本体２３は、電極チップ２４
を取付けた保持部２３ａと、ホルダ本体２３の内部に設
けた冷却水の循環通路２３ｂと、供給チューブ１５の接
続部２３ｃと、カムプレート３０に取付けるためのナッ
ト部２３ｄ，２３ｄとからなる。
と、このホルダ本体２３の先端側面に取付けた電極チッ
プ２４とからなる。ホルダ本体２３は、電極チップ２４
を取付けた保持部２３ａと、ホルダ本体２３の内部に設
けた冷却水の循環通路２３ｂと、供給チューブ１５の接
続部２３ｃと、カムプレート３０に取付けるためのナッ
ト部２３ｄ，２３ｄとからなる。
【００１４】回転側電極ホルダ６は、ホルダ本体２５
と、このホルダ本体２５の先端側面に取付けた電極チッ
プ２６とからなる。ホルダ本体２５は、電極チップ２６
を取付けた保持部２５ａと、ホルダ本体２５の内部に設
けた冷却水の循環通路２５ｂと、供給チューブ１６の接
続部２５ｃと、カムプレート３０に取付けるためのナッ
ト部２５ｄ，２５ｄとからなる。
と、このホルダ本体２５の先端側面に取付けた電極チッ
プ２６とからなる。ホルダ本体２５は、電極チップ２６
を取付けた保持部２５ａと、ホルダ本体２５の内部に設
けた冷却水の循環通路２５ｂと、供給チューブ１６の接
続部２５ｃと、カムプレート３０に取付けるためのナッ
ト部２５ｄ，２５ｄとからなる。
【００１５】図２は本発明に係る抵抗溶接ガンのカムプ
レート製造法にて製作したカムプレートの斜視図であ
る。カムプレート３０は、外周部３１と、この外周部３
１の図面視右端に設けた取付け孔３２，３２と、外周部
３１の図面視上端に設けた取付け孔３３，３３と、外周
部３１の図面視左端中央に設けたカム溝３４とからな
る。取付け孔３２，３２は、油圧シリンダ３（図１参
照）にカムプレート３０を取付けるための孔であり、取
付け孔３３，３３は、支持側電極ホルダ５（図１参照）
を取付けるための孔である。カム溝３４は、移動プレー
ト４（図１参照）が摺動するための溝であり、高い剛性
が要求される部分である。
レート製造法にて製作したカムプレートの斜視図であ
る。カムプレート３０は、外周部３１と、この外周部３
１の図面視右端に設けた取付け孔３２，３２と、外周部
３１の図面視上端に設けた取付け孔３３，３３と、外周
部３１の図面視左端中央に設けたカム溝３４とからな
る。取付け孔３２，３２は、油圧シリンダ３（図１参
照）にカムプレート３０を取付けるための孔であり、取
付け孔３３，３３は、支持側電極ホルダ５（図１参照）
を取付けるための孔である。カム溝３４は、移動プレー
ト４（図１参照）が摺動するための溝であり、高い剛性
が要求される部分である。
【００１６】図３は本発明に係る抵抗溶接ガンのカムプ
レート製造法のファインブランキングに使用する精密抜
き打ち型の断面図であり、その一例を示す。精密抜き打
ち型４０は、上型４１と下型４２とからなる。上型４１
は、ダイホルダ４３と、このダイホルダ４３にスライド
可能に設けたポンチ４４と、このポンチ４４内部にスラ
イド可能に設けたノックアウト４５と、ダイホルダ４３
に取付けた突起付き板押え４６とからなる。なお、４６
ａは突起を示す。下型４２は、ダイホルダ５１と、この
ダイホルダ５１に取付けた突起付きダイス５２と、この
ダイス５２内にスライド可能に取り付けたするパッド５
３と、このパッド５３を駆動するエジェクタピン５４，
５４と、ダイホルダ５１と突起付きダイス５２の間に敷
いたライナ５５とからなる。なお、５２ａは突起、Ｗは
ワークを示す。ファインブランキングでは、上型４１を
下降させ突起付き板押え４６と突起付きダイス５２とで
十分にワークを拘束し、ポンチ４４とパッド５３とで挟
みつつポンチ４４とダイス５１とでワークＷを打抜くも
ので、切り面精度のよい製品が得られる。
レート製造法のファインブランキングに使用する精密抜
き打ち型の断面図であり、その一例を示す。精密抜き打
ち型４０は、上型４１と下型４２とからなる。上型４１
は、ダイホルダ４３と、このダイホルダ４３にスライド
可能に設けたポンチ４４と、このポンチ４４内部にスラ
イド可能に設けたノックアウト４５と、ダイホルダ４３
に取付けた突起付き板押え４６とからなる。なお、４６
ａは突起を示す。下型４２は、ダイホルダ５１と、この
ダイホルダ５１に取付けた突起付きダイス５２と、この
ダイス５２内にスライド可能に取り付けたするパッド５
３と、このパッド５３を駆動するエジェクタピン５４，
５４と、ダイホルダ５１と突起付きダイス５２の間に敷
いたライナ５５とからなる。なお、５２ａは突起、Ｗは
ワークを示す。ファインブランキングでは、上型４１を
下降させ突起付き板押え４６と突起付きダイス５２とで
十分にワークを拘束し、ポンチ４４とパッド５３とで挟
みつつポンチ４４とダイス５１とでワークＷを打抜くも
ので、切り面精度のよい製品が得られる。
【００１７】次に、抵抗溶接ガンのカムプレート製造法
を工程順に説明する。図４（ａ），（ｂ）は本発明に係
る抵抗溶接ガンのカムプレート製造法のフローチャート
図であり、（ａ）は比較例を示し、（ｂ）は本発明係る
の抵抗溶接ガンのカムプレート製造法を示す。なお、比
較例におけるＳＴ×××及び本発明におけるＳＴ××
は、それぞれのステップ番号を示す。まず、（ａ）に示
す比較例について説明する。ＳＴ１０１において、カム
プレート１３０の素材を用意する。ＳＴ１０２におい
て、カムプレート１３０の外周部１３１をガス切断す
る。ＳＴ１０３において、カムプレート１３０のカム溝
１３４をＮＣ工作機で加工する。ＳＴ１０４において、
カムプレート１３０の取付け孔１３２，１３２，１３
３，１３３をＮＣ工作機で加工する。ＳＴ１０５におい
て、カムプレート１３０のカム溝１３４を高周波焼入れ
する。
を工程順に説明する。図４（ａ），（ｂ）は本発明に係
る抵抗溶接ガンのカムプレート製造法のフローチャート
図であり、（ａ）は比較例を示し、（ｂ）は本発明係る
の抵抗溶接ガンのカムプレート製造法を示す。なお、比
較例におけるＳＴ×××及び本発明におけるＳＴ××
は、それぞれのステップ番号を示す。まず、（ａ）に示
す比較例について説明する。ＳＴ１０１において、カム
プレート１３０の素材を用意する。ＳＴ１０２におい
て、カムプレート１３０の外周部１３１をガス切断す
る。ＳＴ１０３において、カムプレート１３０のカム溝
１３４をＮＣ工作機で加工する。ＳＴ１０４において、
カムプレート１３０の取付け孔１３２，１３２，１３
３，１３３をＮＣ工作機で加工する。ＳＴ１０５におい
て、カムプレート１３０のカム溝１３４を高周波焼入れ
する。
【００１８】（ｂ）に示す本発明係るの抵抗溶接ガンの
カムプレート製造法について説明する。ＳＴ０１におい
て、カムプレート３０の素材を用意する。カムプレート
３０の素材は、機械構造用炭素鋼Ｓ３５Ｃ〜Ｓ５５の範
囲のものを用いる。一例として、機械構造用炭素鋼Ｓ４
５Ｃを用いると、処理前のＳ４５Ｃは、ロックウェル硬
さで３２〜３６である。ＳＴ０２において、カムプレー
ト３０の素材を球状化処理をする。カムプレート３０の
素材を５００゜Ｃで８時間予熱の後に７６０゜Ｃで１３
時間保持し、２４時間以上かけて徐冷した。球状化処理
は、鋼中の炭化物を球状化するために行う焼なまし操作
であり、ロックウェル硬さで２８〜３２となる。球状化
処理を行うことで鋼は、靱性が大となり加工性も増すの
で、冷間での打抜き性などを向上させることができる。
カムプレート製造法について説明する。ＳＴ０１におい
て、カムプレート３０の素材を用意する。カムプレート
３０の素材は、機械構造用炭素鋼Ｓ３５Ｃ〜Ｓ５５の範
囲のものを用いる。一例として、機械構造用炭素鋼Ｓ４
５Ｃを用いると、処理前のＳ４５Ｃは、ロックウェル硬
さで３２〜３６である。ＳＴ０２において、カムプレー
ト３０の素材を球状化処理をする。カムプレート３０の
素材を５００゜Ｃで８時間予熱の後に７６０゜Ｃで１３
時間保持し、２４時間以上かけて徐冷した。球状化処理
は、鋼中の炭化物を球状化するために行う焼なまし操作
であり、ロックウェル硬さで２８〜３２となる。球状化
処理を行うことで鋼は、靱性が大となり加工性も増すの
で、冷間での打抜き性などを向上させることができる。
【００１９】ＳＴ０３において、カムプレート３０をフ
ァインブランキング加工する。二硫化モリブデンを１０
％含ませたプレス油を塗布して、カムプレート３０の外
周部３１、取付け孔３２，３２，３３，３３及びカム溝
３４を同時に打抜く。二硫化モリブデンを１０％含ませ
たプレス油を塗布してファインブランキング加工したの
で、二硫化モリブデンの潤滑作用によって破断面の粗さ
を向上させることができる。外周部３１、取付け孔３
２，３２，３３，３３及びカム溝３４を同時に打抜くの
でカムプレートの寸法精度が向上し、また、加工時間を
大幅に短縮することができる。ＳＴ０４において、カム
プレート３０を焼入れ、焼戻しする。すなわち、８６０
゜Ｃで３０分保持し、８０゜Ｃの油中で急冷した後、１
８０゜Ｃで２時間保持した。焼入れ、焼戻し後のロック
ウェル硬さは、５２〜５８となった。カムプレート３０
全体を焼入れ及び焼戻しすることで、部分的な熱的歪み
を発生させることがなく品質の安定性を維持することが
できる。
ァインブランキング加工する。二硫化モリブデンを１０
％含ませたプレス油を塗布して、カムプレート３０の外
周部３１、取付け孔３２，３２，３３，３３及びカム溝
３４を同時に打抜く。二硫化モリブデンを１０％含ませ
たプレス油を塗布してファインブランキング加工したの
で、二硫化モリブデンの潤滑作用によって破断面の粗さ
を向上させることができる。外周部３１、取付け孔３
２，３２，３３，３３及びカム溝３４を同時に打抜くの
でカムプレートの寸法精度が向上し、また、加工時間を
大幅に短縮することができる。ＳＴ０４において、カム
プレート３０を焼入れ、焼戻しする。すなわち、８６０
゜Ｃで３０分保持し、８０゜Ｃの油中で急冷した後、１
８０゜Ｃで２時間保持した。焼入れ、焼戻し後のロック
ウェル硬さは、５２〜５８となった。カムプレート３０
全体を焼入れ及び焼戻しすることで、部分的な熱的歪み
を発生させることがなく品質の安定性を維持することが
できる。
【００２０】
【表１】
【００２１】表１は本発明に係るの抵抗溶接ガンのカム
プレート製造法に使用したプレス油の特性をであり、比
較例とともに示す。上記表１に示すとおり、比較例のプ
レス油は、密度１．１３１、引火点２１０゜Ｃ、粘度２
０２．６の緑色液体であり、その成分は、油性材（２０
％）、塩素化合物（６５％）、防錆添加物（１３．５
％）、防蝕剤（１．５％）である。一方、本発明に係る
の抵抗溶接ガンのカムプレート製造法に使用したプレス
油は、密度１．１８以上、引火点２００゜Ｃ以上、流動
性のある灰黒色のゆるいペースト状であり、その成分
は、油性材（１８％）、塩素化合物（５９％）、防錆添
加物（１２％）、防蝕剤（１％）、二硫化モリブデン
（１０％）である。本発明に係るの抵抗溶接ガンのカム
プレート製造法に使用したプレス油は、二硫化モリブデ
ンを１０％含ませたプレス油を用いたので、二硫化モリ
ブデンの潤滑作用によって破断面の粗さを向上させるこ
とができる。
プレート製造法に使用したプレス油の特性をであり、比
較例とともに示す。上記表１に示すとおり、比較例のプ
レス油は、密度１．１３１、引火点２１０゜Ｃ、粘度２
０２．６の緑色液体であり、その成分は、油性材（２０
％）、塩素化合物（６５％）、防錆添加物（１３．５
％）、防蝕剤（１．５％）である。一方、本発明に係る
の抵抗溶接ガンのカムプレート製造法に使用したプレス
油は、密度１．１８以上、引火点２００゜Ｃ以上、流動
性のある灰黒色のゆるいペースト状であり、その成分
は、油性材（１８％）、塩素化合物（５９％）、防錆添
加物（１２％）、防蝕剤（１％）、二硫化モリブデン
（１０％）である。本発明に係るの抵抗溶接ガンのカム
プレート製造法に使用したプレス油は、二硫化モリブデ
ンを１０％含ませたプレス油を用いたので、二硫化モリ
ブデンの潤滑作用によって破断面の粗さを向上させるこ
とができる。
【００２２】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項１は、一対の電極ホルダを相対移動可能に
支える抵抗溶接ガンのカムプレートの製造法において、
機械構造用炭素鋼を素材として、この素材を球状化処理
し、ファインブランキング加工し、焼入れ及び焼戻する
ことでカムプレートを製造する抵抗溶接ガンのカムプレ
ートの製造法である。
する。請求項１は、一対の電極ホルダを相対移動可能に
支える抵抗溶接ガンのカムプレートの製造法において、
機械構造用炭素鋼を素材として、この素材を球状化処理
し、ファインブランキング加工し、焼入れ及び焼戻する
ことでカムプレートを製造する抵抗溶接ガンのカムプレ
ートの製造法である。
【００２３】機械構造用炭素鋼を球状化処理すること
で、機械構造用炭素鋼の硬度を下げることができ、板厚
の厚い機械構造用炭素鋼の素材をもファインブランキン
グ加工可能にした。ファインブランキング加工で所定の
形状を同時に加工することで、カムプレートの寸法精度
が向上する。また、ファインブランキング加工で所定の
形状を同時に加工することで、加工時間を大幅に短縮す
ることができ製造コストを低減することができる。カム
プレート全体を焼入れ及び焼戻しすることで、部分的な
熱的歪みを発生させることがなく品質の安定性を維持す
ることができる。
で、機械構造用炭素鋼の硬度を下げることができ、板厚
の厚い機械構造用炭素鋼の素材をもファインブランキン
グ加工可能にした。ファインブランキング加工で所定の
形状を同時に加工することで、カムプレートの寸法精度
が向上する。また、ファインブランキング加工で所定の
形状を同時に加工することで、加工時間を大幅に短縮す
ることができ製造コストを低減することができる。カム
プレート全体を焼入れ及び焼戻しすることで、部分的な
熱的歪みを発生させることがなく品質の安定性を維持す
ることができる。
【００２４】請求項２は、ファインブランキング加工す
るときに、少なくとも１０％の二硫化モリブデンを含ま
せたプレス油を用いたことを特徴とする。ファインブラ
ンキング加工するときに、少なくとも１０％の二硫化モ
リブデンを含ませたプレス油を用いたので、二硫化モリ
ブデンの潤滑作用によって破断面の粗さを向上させるこ
とができる。
るときに、少なくとも１０％の二硫化モリブデンを含ま
せたプレス油を用いたことを特徴とする。ファインブラ
ンキング加工するときに、少なくとも１０％の二硫化モ
リブデンを含ませたプレス油を用いたので、二硫化モリ
ブデンの潤滑作用によって破断面の粗さを向上させるこ
とができる。
【図１】本発明に係る抵抗溶接ガンのカムプレートの製
造法にて製作したカムプレートを取付けた抵抗溶接ガン
の側面図
造法にて製作したカムプレートを取付けた抵抗溶接ガン
の側面図
【図２】本発明に係る抵抗溶接ガンのカムプレート製造
法にて製作したカムプレートの斜視図
法にて製作したカムプレートの斜視図
【図３】本発明に係る抵抗溶接ガンのカムプレート製造
法のファインブランキングに使用する精密抜き打ち型の
断面図
法のファインブランキングに使用する精密抜き打ち型の
断面図
【図４】本発明に係る抵抗溶接ガンのカムプレート製造
法のフローチャート図
法のフローチャート図
【符号の説明】 １…抵抗溶接ガン、５…電極ホルダ（支持側電極ホル
ダ）、６…電極ホルダ（回転側電極ホルダ、３０…カム
プレート。
ダ）、６…電極ホルダ（回転側電極ホルダ、３０…カム
プレート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ // Ｃ１０Ｎ 40:20 (72)発明者 山本 勝弘 埼玉県東松山市新郷88−26 株式会社山本 製作所内 (72)発明者 正木 昇 埼玉県東松山市新郷88−26 株式会社山本 製作所内
Claims (2)
- 【請求項１】 一対の電極ホルダを相対移動可能に支え
る抵抗溶接ガンのカムプレートの製造法において、この
カムプレートは、機械構造用炭素鋼を素材として、この
素材を球状化処理し、ファインブランキング加工し、焼
入れ及び焼戻することで製造したことを特徴とする抵抗
溶接ガンのカムプレートの製造法。 - 【請求項２】 ファインブランキング加工するときに、
少なくとも１０％の二硫化モリブデンを含ませたプレス
油を用いたことを特徴とする請求項１記載の抵抗溶接ガ
ンのカムプレートの製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9128868A JPH10314955A (ja) | 1997-05-19 | 1997-05-19 | 抵抗溶接ガンのカムプレートの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9128868A JPH10314955A (ja) | 1997-05-19 | 1997-05-19 | 抵抗溶接ガンのカムプレートの製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10314955A true JPH10314955A (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=14995355
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9128868A Pending JPH10314955A (ja) | 1997-05-19 | 1997-05-19 | 抵抗溶接ガンのカムプレートの製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10314955A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018114492A (ja) * | 2017-01-17 | 2018-07-26 | フェルム アクチェンゲゼルシャフト | 容器を密封するための密封機械の吐出装置用の吐出ヘッド |
-
1997
- 1997-05-19 JP JP9128868A patent/JPH10314955A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018114492A (ja) * | 2017-01-17 | 2018-07-26 | フェルム アクチェンゲゼルシャフト | 容器を密封するための密封機械の吐出装置用の吐出ヘッド |
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