JPH1031120A - 波長分散補償器 - Google Patents

波長分散補償器

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JPH1031120A
JPH1031120A JP8185157A JP18515796A JPH1031120A JP H1031120 A JPH1031120 A JP H1031120A JP 8185157 A JP8185157 A JP 8185157A JP 18515796 A JP18515796 A JP 18515796A JP H1031120 A JPH1031120 A JP H1031120A
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JP
Japan
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chromatic dispersion
optical fiber
winding
coil
compensating optical
Prior art date
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Application number
JP8185157A
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English (en)
Inventor
Yasushi Koyano
裕史 小谷野
Masashi Onishi
正志 大西
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication of JPH1031120A publication Critical patent/JPH1031120A/ja
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長尺の広帯域用の波長分散補償光ファイバ
(DCF)を低損失または低PMDを収納した波長分散
補償器を提供する。 【解決手段】 光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符
号の波長分散および光ファイバ伝送路の光ファイバとは
逆符号の波長分散傾斜を有する波長分散補償光ファイバ
(6)をコイル胴(4)に巻き付けて光ファイバ伝送路
の波長分散を補償する波長分散補償器において、波長分
散補償光ファイバをコイル胴に巻き取り中および巻き取
り後の少なくとも一方において巻き歪み除去処理を施し
て伝送損失値を低減させ、または波長分散補償光ファイ
バを巻き取る際に波長分散補償光ファイバの直径より大
きい巻きピッチで巻くようにしてPMDを低減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長分散補償器に
関し、特に光ファイバ伝送路の波長1.55μm帯の波
長分散を低減する波長分散補償器に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類元素であるエルビウム(Er)を
添加した光ファイバを利用して1.55μm帯で動作す
る光増幅器により、1.55μm帯での長距離大容量伝
送が可能である。しかし、零分散波長を1.3μm帯に
もつシングルモードファイバ(1.3SMF)を用いて
1.55μm帯での伝送を行う場合、零分散波長が一致
しないので、大きな波長分散が生じて光信号が歪み信号
品質が劣化する。そのため、1.3SMFを用いて1.
55μm帯で伝送を行う際には、この波長分散を抑える
技術が必要である。その一つとして1.3SMFとは逆
符号の大きな波長分散をもつ分散補償光ファイバ(DC
F)を用いて1.55μm帯における波長分散を相殺し
てしまう方法がある。
【0003】このDCFには大きく分けて二つの種類が
ある。一つは、特定の波長での波長分散が1.3SMF
と逆であるためその波長での波長分散を補償できるもの
であり、光ファイバのクラッド部分の屈折率が一様なマ
ッチドクラッド型(図15(a))の構造が知られてい
る。他の一つは、波長分散だけでなく波長分散の波長依
存性(波長分散傾斜)までもが1.3SMFと逆である
ため広い帯域において波長分散を補償できるものであ
り、コア部分とクラッド部分の間にディプレスト部分を
有する二重クラッド型(図15(b))と、クラッド部
分の中に屈折率の高い部分を設けたセグメントコア型
(図15(c))の構造が知られている。このような広
帯域用のDCFを用いれば、複数の信号を波長を僅かづ
つズラした光で伝送することができるので、ファイバ1
本当たりの伝送容量を増加できる波長多重伝送が容易に
行える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、広帯域用DC
Fに適した光ファイバの屈折率プロファイルとして知ら
れている二重クラッド型およびセグメント型の構造の光
ファイバは、一般に曲げ損失特性が悪いので、小さなコ
イルに収納すると伝送波長帯である1.55μm帯おい
て大きな曲げ損失を生じる。また、狭帯域用DCFにも
いえるが、偏波分散(PMD)が大きくなる。そのため
に小型コイルに効率よく長尺の広帯域用DCFを低損失
または低PMDで収納する技術が望まれている。
【0005】従って、本発明の目的は、長尺の広帯域用
DCFを低損失または低PMDで収納した波長分散補償
器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、下記の点に
着目して本発明をするに至った。
【0007】長尺の広帯域用DCFを小型コイルに巻く
と伝送波長帯である1.55μm帯において大きな損失
増加を示す。その波長依存性を調べると、長波長側ほど
伝送損失が大きくなるいわゆるマクロベンド損失である
ことを見いだした。マクロベンド損失は光ファイバを小
さな曲率で曲げたときに発生するもので、コイルに巻い
たときにはコイルの胴径に応じた曲率で曲げられるため
にマクロベンド損失が発生する可能性がある。しかし、
コイルに巻いた後にコイル胴を抜き取ると、増加した伝
送損失はほとんど消失した。このことからコイル巻きに
よって発生する損失の主要因は、多層に巻いたために隣
合うファイバから光ファイバ側面に対して垂直な方向に
受ける側圧であることが明らかになった。したがって、
マクロベンド損失は、側圧により光ファイバが屈曲する
ことによって生じているものと考えられる。
【0008】そこで、光ファイバをコイル胴に巻き付け
る際に生じる側圧によって局所的に小さく屈曲した光フ
ァイバの曲率半径を大きくしてやること、または側圧自
身を低減させることによって低損失のコイルを生産でき
るという結論に至った。
【0009】また、直交する偏光モード間の遅延時間差
であるPMDは光ファイバの複屈折により発生して伝送
信号の信号品質を劣化させる。この複屈折は、光ファイ
バを曲げることにより発生することが知られている。波
長分散補償器のコイルにDCFを巻く際にもPMDが増
加することが知られているが、発明者らは、DCFをコ
イル胴に巻く際の巻きピッチを制御することでPMDを
低減できることも見いだした。
【0010】したがって、本発明は次のような構成とし
た。
【0011】本発明に係わる波長分散補償器は、光ファ
イバ伝送路の波長1.55μm帯における波長分散を低
減する波長分散補償器において、光ファイバ伝送路の光
ファイバとは逆符号の波長分散および光ファイバ伝送路
の光ファイバとは逆符号の波長分散傾斜を有する波長分
散補償光ファイバと、この波長分散補償光ファイバを巻
き取るコイル胴とを備え、波長分散補償光ファイバをコ
イル胴に巻き取り中および巻き取り後の少なくとも一方
において巻き歪み除去処理を施した。
【0012】このように光ファイバ伝送路の光ファイバ
とは逆の波長分散および光ファイバ伝送路の光ファイバ
とは逆の波長分散傾斜を有する波長分散補償光ファイバ
を用いて、これをコイル胴に巻き取り中および巻き取り
後の少なくとも一方において巻き歪み除去処理を施した
ので、コイル胴に巻かれる際に発生する側圧を低減でき
る。
【0013】本発明に係わる波長分散補償器は、光ファ
イバ伝送路の波長1.55μm帯における波長分散を低
減する波長分散補償器において、光ファイバ伝送路の光
ファイバとは逆符号の波長分散および光ファイバ伝送路
の光ファイバとは逆符号の波長分散傾斜を有する波長分
散補償光ファイバと、この波長分散補償光ファイバを巻
き取るコイル胴とを備え、波長分散補償光ファイバの直
径の2倍以上の巻きピッチで波長分散補償光ファイバを
コイル胴に巻き取ることとした。
【0014】このように波長分散補償光ファイバを用い
て、この波長分散補償光ファイバをコイル胴に複数回巻
き取る際に波長分散補償光ファイバの直径の2倍以上の
巻き取りピッチで巻き取りを行うとPMDを低減でき
る。光ファイバにおいては長手方向の複屈折率変化の状
況により偏波モード間でエネルギのやりとりを行うモー
ド結合が生じるが、この結合が頻繁に生じると両偏波モ
ード間の遅延差は増大しにくくなり、PMDは小さくな
る。すなわち、巻きピッチを大きくすると光ファイバ同
士の交差点数が増えるが、このことがモード結合の頻度
を増加させて、結果としてPMDが減少するものと考え
られる。
【0015】本発明に係わる波長分散補償器は、光ファ
イバ伝送路の波長1.55μm帯における波長分散を低
減する波長分散補償器において、光ファイバ伝送路の光
ファイバとは逆符号の波長分散および光ファイバ伝送路
の光ファイバとは逆符号の波長分散傾斜を有する波長分
散補償光ファイバと、この波長分散補償光ファイバを巻
き取るコイル胴とを備え、波長分散補償光ファイバをコ
イル胴に巻き取り中および巻き取り後の少なくとも一方
において巻き歪み除去処理を施すと共に波長分散補償光
ファイバの直径の2倍以上の巻きピッチで波長分散補償
光ファイバをコイル胴に巻き取ることとした。
【0016】このように光ファイバ伝送路の光ファイバ
とは逆の波長分散および光ファイバ伝送路の光ファイバ
とは逆の波長分散傾斜を有する波長分散補償光ファイバ
を用いて、この波長分散補償光ファイバをコイル胴に巻
き取り中および巻き取り後の少なくとも一方において巻
き歪み除去処理を施したので、コイル胴に巻かれる際に
発生する側圧を低減できる。また、この波長分散補償光
ファイバをコイル胴に複数回巻き取る際に波長分散補償
光ファイバの直径の2倍以上の巻き取りピッチで巻き取
りを行うと、直交する偏波モード間でモード間結合が生
じて、PMDを低減できる。
【0017】本発明に係わる波長分散補償器は、波長分
散補償光ファイバの側面にヤング率が0.03kg重/
mm2以上0.15kg重/mm2以下である被覆材の1
次被覆層と1次被覆層の側面にヤング率が50kg重/
mm2以上100kg重/mm2以下である被覆材の2次
被覆層とからなる被覆層を有するようにしてもよい。
【0018】このように所定のヤング率の被覆層を2つ
有する波長分散補償光ファイバをコイル胴に巻き取り中
および巻き取り後の少なくとも一方で巻き歪み除去処理
を行うと側圧が緩和できる。また、所定のヤング率の被
覆層を2層有する波長分散補償光ファイバをコイル胴に
複数回巻き取る際に波長分散補償光ファイバの直径より
大きい巻き取りピッチで巻き取りを行うと、PMDを低
減できると共に伝送損失を低減できる。
【0019】本発明に係わる波長分散補償器は、波長分
散補償光ファイバの側面にヤング率が1kg重/mm2
以上120kg重/mm2以下の被覆材からなる被覆層
を有するようにしてもよい。
【0020】このようにすると所定のヤング率の被覆層
を有する波長分散補償光ファイバをコイル胴に巻き取り
中および巻き取り後の少なくとも一方で巻き歪み除去処
理を行うと側圧が緩和できる。また、所定のヤング率の
被覆層を有する波長分散補償光ファイバをコイル胴に複
数回巻き取る際に波長分散補償光ファイバの直径のより
大きい巻き取りピッチで巻き取りを行うと、PMDを低
減できると共に伝送損失を低減できる。
【0021】本発明に係わる波長分散補償器は、波長分
散補償光ファイバの被覆層が、20μm以上70μm以
下の厚みを有するようにしてもよい。
【0022】このように所定のヤング率および所定の厚
さの被覆層を有する波長分散補償光ファイバをコイル胴
に巻き取り中および巻き取り後の少なくとも一方におい
て巻き歪み除去処理を行うと、側圧が緩和できる。ま
た、所定のヤング率および所定の厚さの被覆層を有する
波長分散補償光ファイバをコイル胴に複数回巻き取る際
に波長分散補償光ファイバの直径より大きい巻き取りピ
ッチで巻き取りを行うと、PMDを低減できると共に伝
送損失を低減できる。
【0023】本発明に係わる波長分散補償器は、巻き歪
み除去処理が、波長分散補償光ファイバをコイル胴に巻
き取った後に、波長分散補償光ファイバをコイル胴に巻
き取り中の温度よりも低い温度に保持し、また高い温度
に保持することの少なくともいずれかを行う処理である
ようにしてもよい。
【0024】このように巻き取り中の波長分散補償光フ
ァイバの温度よりも低い温度に所定の時間保持すると被
覆層が一旦収縮するので、波長分散補償光ファイバの曲
率半径を大きくできる。また、巻き取り中の波長分散補
償光ファイバの温度よりも高い温度に所定の時間保持す
ると被覆層の応力を緩和できるので、波長分散補償光フ
ァイバの曲率半径を大きくできる。
【0025】本発明に係わる波長分散補償器は、巻き歪
み除去処理が、波長分散補償光ファイバおよびコイル胴
の少なくとも一方を60℃以上の所定の温度にして波長
分散補償光ファイバをコイル胴に巻き取る処理であるよ
うにしてもよい。
【0026】このように波長分散補償光ファイバおよび
コイル胴の少なくとも一方を所定の温度にしてコイル胴
に巻き取って、巻き取り後に温度を低くすると、コイル
の温度が下がった後の側圧を低減できる。
【0027】本発明に係わる波長分散補償器は、波長分
散補償光ファイバを巻くコイルのコイル胴およびコイル
鍔が、金属で作成されているようにしてもよい。
【0028】このようにコイル胴およびコイル鍔に金属
を用いると、波長分散補償光ファイバの被覆材の耐熱限
界近傍まで熱緩和のための熱処理温度を上昇できる。
【0029】本発明に係わる波長分散補償器は、巻き歪
み除去処理が、波長分散補償光ファイバを25g重以上
で50g重以下の巻き取り張力でコイル胴に巻き取る処
理であるようにしてもよい。
【0030】このように波長分散補償光ファイバをコイ
ル胴に巻き取り中の張力を所定の範囲にするとコイル胴
に巻き取る際の側圧を低くできる。
【0031】本発明に係わる波長分散補償器は、巻き歪
み除去処理が、波長分散補償光ファイバをコイル胴に巻
き取り後にコイルに振動を加える処理であるようにして
もよい。
【0032】このように波長分散補償光ファイバをコイ
ル胴に巻き取り後に振動をコイルに加えると光ファイバ
の局所的な曲がりが緩和されて曲率半径を大きくでき
る。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、広帯域用DCF(以下、単
にDCFと記す)を用いた場合に添付図面を参照して本
発明を詳細に説明する。
【0034】図1は、本発明の実施の形態で使用する波
長分散補償光ファイバの断面図であり、特に被覆層が2
層の場合を示した。波長分散補償光ファイバは、光ファ
イバ(1)を中心に同心円柱殻状の2層の被覆層(2、
3)を光ファイバの側面に有する。図2は、本発明で実
施の形態で使用する波長分散補償光ファイバの巻き取り
用のコイルの斜視図であり、波長分散補償光ファイバを
多層に巻き付けるコイル胴(4)とその両側にあるコイ
ル鍔(5)からなる。コイル胴は、円筒形のものを用い
たが、円筒形に限られるものではない。
【0035】図3は、本発明で実施の形態で使用する波
長分散補償光ファイバの諸元を一覧に示した諸元一覧図
である。図3において、屈折率分布形状は、図15
(a)、(b)、(c)に対応し、また△、△depr
essed、△cladding、a、bおよびcは、
図15中のそれぞれの記号に対応する。ガラス径d、一
次被覆厚e、二次被覆厚f、ファイバ外径gは、図1の
それぞれの符号に対応する。なお、被覆材は樹脂を用
い、コイルはアルミ製を用いたが金属であれば、アルミ
以外でも使用できる。
【0036】また、以下の説明に際して、数値を分かり
やすくするために力およびヤング率の単位として重力単
位系を用いる。
【0037】(第1の実施の形態)図4は本発明の第1
の実施の形態を示した光ファイバの伝送損失の特性図で
ある。ファイバA(図3参照)のDCF9kmを、胴径
が120mm、巻き幅45mmのアルミ製コイルに巻き
ピッチ0.28mmで約90層巻いたときの伝送損失値
を縦軸に、巻き取り張力を横軸に示した。破線14は、
胴径280mmのプラスチックボビンに巻いた状態での
波長1.55μmの伝送損失値(0.53dB/km)
である。図4にも示したように張力70g重で巻くと伝
送損失値は、3.01dB/kmであり、張力50g重
で巻くと伝送損失値は、1.98dB/kmとなった。
【0038】また、図5は本発明の第1の実施の形態を
示した光ファイバの別の伝送損失の特性図である。ファ
イバA(図3参照)のDCF13kmを、胴径が60m
m、巻き幅45mmのアルミ製コイルに巻きピッチ0.
28mmで約190層巻いたときの伝送損失値を縦軸
に、巻き取り張力を横軸に示した。破線15は、胴径2
80mmのプラスチックボビンに巻いた状態で波長1.
55μmでの伝送損失値(0.53dB/km)であ
る。図5に示したように張力50g重で巻くと伝送損失
値は、2.54dB/kmであり、張力25g重で巻く
と伝送損失値は、1.05dB/kmとなった。しか
し、張力20g重で巻くとファイバの巻きが緩くなり、
伝送損失値は2.95dB/kmとなった。
【0039】また、図6は本発明の第1の実施の形態を
示した光ファイバの別の特性図である。ファイバC(図
3参照)のDCF8kmを、胴径が100mm、巻き幅
18mmのアルミ製コイルに巻きピッチ0.40mmで
約210層巻いたときの伝送損失値を縦軸に、巻き取り
張力を横軸に示した。破線16は、コイル巻き取り前の
状態で波長1.55μmでの伝送損失値(0.45dB
/km)である。図6に示したように張力50g重で巻
くと伝送損失値は、0.50dB/kmであり、張力4
0g重で巻くと伝送損失値は、0.48dB/kmとな
り、張力30g重で巻くと伝送損失値は、0.46dB
/kmとなった。しかし、張力20g重で巻くとファイ
バの巻きが緩くなり、伝送損失値は増加してしてしまっ
た。
【0040】このように光ファイバをコイル胴に巻き取
る際の張力を小さくすると、伝送損失値の巻き取りによ
る増加を低減できる。以上複数例示して説明したよう
に、コイル巻き取りの際に張力は50g重から25g重
の範囲が好ましい。このような張力の範囲で巻き取りを
行うと、巻き取りの際の側圧を抑えることができるの
で、伝送損失値の増加を低減できる。さらに好ましく
は、40g重から30g重の範囲が好ましい。このよう
な張力の範囲で巻き取りを行うと、さらに伝送損失値の
増加を低減できる。
【0041】(第2の実施の形態)図7は本発明の第2
の実施の形態を示した特性図である。ファイバD(図3
参照)のDCF14kmを、胴径が80mm、巻き幅4
5mmのアルミ製コイルに巻き張力35g重で約190
層巻いたときのPMDを縦軸に、巻きピッチを横軸に示
した。光ファイバの直径は、0.198mmである。図
9に黒丸印で示したように巻きピッチ0.2mmでのP
MDは、1.68psであり、巻きピッチ0.4mmで
のPMDは、1.12psとなった。さらに巻きピッチ
0.6mmでのPMDは、0.94ps、巻きピッチ
1.0mmでのPMDは、0.90psとなった。
【0042】このように巻きピッチを巻きつけるDCF
の直径に比べて大きくするとPMDを低減できる。これ
を巻きピッチとDCFの直径の比を指標とすると、この
比を特に2以上の値にすると、PMDをかなり低減でき
るので好ましい。さらにこの比を3以上にすると、巻き
ピッチ依存性を非常に小さくできるので好ましい。
【0043】このようにDCFを小型コイルに巻き取る
際に巻き取りピッチを制御すると、直交する偏波モード
間でモード間結合が生じるので、PMDを低減できる。
【0044】一方、このコイルの伝送損失値は、巻きピ
ッチ0.6mmでは0.46dB/kmであった。この
コイルを変温速度0.5℃/分で80℃まで上昇させ1
時間保持して室温に戻して伝送損失値を再び測定する
と、0.44dB/kmとなり、コイルを巻く前の伝送
損失値と同じになった。このときのPMDは、0.79
psとなった(図7の黒三角印)。
【0045】このようにDCFを小型コイルに巻き取る
際に巻き取りピッチを制御し、さらに巻き取った後に熱
処理を行うと、応力の緩和が起こり伝送損失値の増加を
低減できる。そして、さらにPMDの増加も低減でき
る。
【0046】(第3の実施の形態)ファイバF(図3参
照)のDCF6kmを、胴径が100mm、巻き幅35
mmのアルミ製コイルに巻きピッチ0.8mmで巻き張
力40g重で約120層巻いたものに、振動を30分間
加えて伝送損失値の変化を調べた。コイルに加える振動
は振動試験器を用い、時間に対する振動によるコイルの
変位は正弦波を描くようにした。振動周波数は50H
z、最大加速度は10m/sec2であり、振動の方向
はコイルの鍔面に対して略平行な方向(図2のZ方向)
である。コイルに巻く前の波長1.55μmでの伝送損
失値は、0.44dB/kmであったが、コイルに巻き
取り後の伝送損失値は0.45dB/kmと増加し、上
記の振動を加えた後の伝送損失値は0.44dB/km
となり巻き取り前の値に戻った。
【0047】このように振動を与えることにより、DC
Fの曲率半径を大きくするようにしたりまたは側圧を緩
和させたりすると伝送損失値の増加を低減できる。な
お、振動は合計として30分以上あれば、連続して加え
る必要はなく、例えばある時間の振動を間欠的に加えて
もよい。
【0048】また、コイルの振動の方向はコイルの鍔面
に対して平行な方向(図2のZ方向)ばかりでなく、コ
イルの鍔面に対して略垂直な方向に加えてもよいし、さ
らにコイルの鍔面に対し垂直な方向に所定の角度をもっ
て行ってよい。なお、コイルに振動を加える際には、巻
崩れ防止策を付すことが好ましい。
【0049】(第4の実施の形態)ファイバA(図3参
照)のDCF9kmを、胴径が120mm、巻き幅45
mmのアルミ製コイルに巻きピッチ0.28mmで巻き
張力50g重で約90層巻くと、伝送損失値は1.98
dB/kmとなった。胴径280mmのプラスチックボ
ビンに巻いた状態で波長1.55μmでの伝送損失値
は、0.53dB/kmである。このコイルに図8
(a)に示すヒートサイクルを加えた。このときの伝送
損失量の変化分を図8(b)に示す。ヒートサイクルの
条件は、変化範囲が−40℃〜80℃、変温速度が1℃
/分、−40℃および80℃で各1時間の滞留を経て、
これを2サイクル行い、20℃で開始時に1時間、終了
時に2時間の滞留を行った。このヒートサイクルの結
果、図8(b)から判るようにコイル巻き取りによる波
長1.55μmでの伝送損失値の変化分は約−1.4d
B/kmとなり、コイル巻による増加分は消失した。こ
のようなヒートサイクルは、初期温度に対して±60℃
の温度変化を与えたことにもなる。そして、図8(b)
から判るように、このヒートサイクルを2回行うと伝送
損失値がほぼ安定した。
【0050】また、ファイバA(図3参照)のDCF1
3kmを、胴径が60mm、巻き幅45mmのアルミ製
コイルに巻きピッチ0.28mm、巻き張力25g重で
約190層巻いたときの伝送損失値は、1.05dB/
kmとなった。胴径280mmのプラスチックボビンに
巻いた状態で波長1.55μmでの伝送損失値は、0.
53dB/kmである。このコイルに図9に示すヒート
サイクルを加えた。ヒートサイクルの条件は、図8
(a)に示したものと昇降の順序を逆にする以外は同じ
である。このヒートサイクルの結果、巻き取った後の波
長1.55μmでの伝送損失値は0.53dB/kmと
なり、コイル巻による増加分は消失した。
【0051】このようにヒートサイクルをコイルに巻き
取り後のDCFに行うと、巻き取り時よりも低温にした
時は被覆が収縮し、また巻き取り時より温度が高くした
時は熱により応力の緩和が生じて、巻き取り後のDCF
の曲率半径を大きくできるので、伝送損失値の増加を小
さくできる。また、ヒートサイクルを複数回繰り返すと
伝送損失値が熱による変化量に対して安定する。
【0052】また、ファイバC(図3参照)のDCF8
kmを、胴径が100mm、巻き幅18mmのアルミ製
コイルに巻きピッチ0.40mm、巻き張力40g重お
よび50g重で約210層巻いたときの伝送損失値は、
それぞれ0.48dB/kmおよび0.50dB/km
となった。張力40g重で巻いたコイルを室温から変温
速度0.5℃/分で変化させて、0℃で1時間冷却して
室温に戻し、伝送損失値を測定すると0.45dB/k
mとなり、また、張力50g重で巻いたコイルを−20
℃で1時間冷却した後に室温に戻して伝送損失値を測定
すると0.45dB/kmとなった。どちらの場合もコ
イル巻きによる増加分は消失した。このようなヒートサ
イクルは、初期温度に対して約−40℃の温度変化を与
えたようにもなっている。
【0053】このようにヒートサイクルは低温側のみ行
ってよい。巻き取り時よりも低温になると被覆が収縮す
るので、巻き取り後のDCFの曲率半径を大きくでき
る。その結果、伝送損失値を小さくできる。
【0054】また、ファイバE(図3参照)のDCF1
0kmを、胴径が100mm、巻き幅35mmのアルミ
製コイルに巻きピッチ0.5mmで巻き張力30g重で
約170層巻いたものに、ヒートサイクルを加えて伝送
損失値の変化を調べた。コイルに巻き取る前の波長1.
55μmでの伝送損失値は0.98dB/kmであり、
コイルに巻き取り後の伝送損失値は1.01dB/km
となった。このコイルに、変温速度1℃/分で室温から
60℃まで上昇させ3時間保持し再び室温に戻すヒート
サイクルをかけた後に伝送損失値を測定すると0.98
dB/kmとなった。このようなヒートサイクルは、初
期温度に対して約+40℃の温度変化を与えたことにも
なる。
【0055】このようにヒートサイクルは高温側のみ行
ってよい。巻き取り時より温度が高くなると熱により応
力の緩和が生じるので、巻き取り後のDCFの曲率半径
を大きくできる。その結果、伝送損失値を小さくでき
る。なお、温度が高い方が伝送損失値の回復効果が大き
いが、使用するDCFの被覆材のガラス転移点より低い
温度でなければならない。
【0056】また、ファイバG(図3参照)のDCF
8.5kmを、胴径が70mm、巻き幅6mmのアルミ
製コイルに巻きピッチ0.3mmで巻き張力35g重で
約500層巻いたものに、熱処理を加えて伝送損失値の
変化を調べた。コイルに巻き取る前の波長1.55μm
での伝送損失値は0.51dB/kmであり、コイルに
巻き取り後の伝送損失値は0.55dB/kmとなっ
た。このコイルにヒートサイクルをかけた後に室温に戻
して伝送損失値を測定すると0.51dB/kmに戻っ
た。ヒートサイクルの条件は、変温速度1℃/分で、0
℃と70℃で1時間滞留させるのを1サイクルとし、こ
のサイクルを6回行い、+20℃で開始時と終了時に各
1時間の滞留を行った。このようなヒートサイクルは、
初期温度に対して約−20℃および+50℃の温度変化
を与えたようにもなっている。
【0057】一方、ファイバA(図3参照)のDCF9
kmを、胴径が120mm、巻き幅45mmのアルミ製
コイルに巻きピッチ0.28mm、巻き張力50g重で
約90層巻いたときの図8(a)に示す熱処理を行った
後の伝送損失値を縦軸に、波長を横軸にして図10
(a)示す。また、曲げ特性に優れる狭帯域用DCFで
あるファイバBを同じ条件で巻き取った場合の同様の特
性を図10(b)に示す。この2つを比べると、狭帯域
用DCFでは、巻き取りによる伝送損失値の増加はない
が、広帯域用DCFでは、巻き取りによる伝送損失値の
増加が顕著である。すなわち、本発明は、光ファイバ伝
送路の光ファイバとは逆符号の波長分散および光ファイ
バ伝送路の光ファイバとは逆符号の波長分散傾斜を有す
る広帯域用DCFで特に有効に作用する。
【0058】このように複数例示して説明したように、
コイルを所定の巻き取り張力のもとで巻き取り、その後
に巻き取りの際の温度よりも高い温度または低い温度に
所定の時間置くヒートサイクルにより伝送損失値をさら
に低減できる。実質的には、巻き取り前の伝送損失値ま
で値を低減できる。
【0059】ここに示したヒートサイクルは例示であ
り、巻き取り後にDCFの曲率半径を大きくできれば、
ヒートサイクルは以上の例示に限られない。したがっ
て、DCFをコイル胴に巻き取った後に次のような熱処
理を施してもよい。例えば、巻き取ったの後に60℃以
上で3時間以上加熱、巻き取ったの後に80℃以上で1
時間以上加熱、巻き取ったの後に0℃以下で1時間以上
冷却、巻き取ったの後に−20℃以下で1時間以上冷却
等の熱処理であってもよく、これらの組み合わせまたは
複数回の繰り返しであってもよい。また、温度の変化速
度は、0.5℃/分以上であってもよい。さらに、ヒー
トサイクルは初期温度またはコイルの巻き取り温度に対
して所定の温度差を所定の時間保持するものでよい。
【0060】(第5の実施の形態)ファイバG(図3参
照)のDCF8.5kmを、胴径が70mm、巻き幅6
mmのアルミ製コイルに巻きピッチ0.3mm、巻き張
力35g重で約500層を加熱しながら巻いた場合に伝
送損失値を調べた。巻き取りの際のDCFおよびコイル
の加熱は、図11に示す配置に行った。図11によれ
ば、コイル胴(3)の両側にあるコイル鍔(5)の間の
巻き取り前のDCFに向けてコイル鍔(5)と平行な方
向からドライヤーで熱風(7)を当てる。
【0061】この配置でコイル表面の温度が80℃でD
CFの巻き取りを行い、巻き取り終了後にドライヤーで
の加熱を止めてコイルの温度が室温に下がった後に、伝
送損失値を測定すると0.51dB/kmであった。コ
イル巻き取り前の伝送損失値が0.51dB/kmであ
ったので、巻き取りによる伝送損失値の増加はない。ま
た、同様にコイル表面の温度が60℃でDCFの巻き取
りを行った時の伝送損失値は、0.52dB/kmであ
った。つまり、実質的に巻き取り前の伝送損失値まで値
を低減できる。なお、本実施の形態のように巻き取り時
に加熱しないで巻き取りを行った場合の伝送損失値は、
0.55dB/kmであった。
【0062】このように巻き取りの際に巻き取るDCF
を加熱すると、この熱が巻き取られたDCFの曲率半径
を大きくするように作用するので、伝送損失値の増加を
低減できる。つまり、室温に冷却される過程で被覆樹脂
の応力の緩和が起こるのである。加熱の所定の温度は、
上述の説明により60℃以上でかつ被覆樹脂のガラス転
移点未満の温度範囲が好ましい。さらに好ましくは、8
0℃以上でかつ被覆樹脂のガラス転移点未満の温度範囲
にできれば、伝送損失値を十分小さくできる。
【0063】以上本実施の形態で説明したように、所定
の張力で巻き取り歪みを低減し、かつ加熱しながら巻き
取りを行うと、伝送損失値の増加をさらに低減できるこ
とがわかる。
【0064】また、本実施の形態では、DCFとコイル
胴の両方を所定の温度にしたが、DCFおよびコイル胴
の少なくとも一方を所定の温度に保持するようにしても
よい。このようにしても巻き取り終了後に温度が下がる
と応力が緩和されるので、伝送損失値の増加を低減でき
る。
【0065】さらに、DCFを所定の温度にする場合
は、巻き取るDCFのすべてを所定の温度にすることな
く、DCFをコイル胴に巻き取る部分を少なくとも所定
の温度にしてもよい。このようにしても巻き取り終了後
に温度が下がると応力が緩和されるので、伝送損失値の
増加を低減できる。
【0066】(第6の実施の形態)ファイバH(図3参
照)のDCF8.5kmを、胴径が70mm、巻き幅6
mmのアルミ製コイルに巻きピッチ0.3mm、巻き張
力35g重で約500層を室温で巻いた場合に伝送損失
値を調べた。ファイバHは、図3からも判るようにファ
イバGとは、ヤング率の値を除いて同じである。このフ
ァイバHをコイル巻き取り後に伝送損失値を測定する
と、0.51dB/kmであり、巻き取りによる伝送損
失値の増加はない。つまり、実質的に巻き取り前の伝送
損失値まで値を低減できる。
【0067】このようにヤング率が小さい被覆層を光フ
ァイバの側面に設けると、被覆層が緩衝層として作用す
るので、伝送損失値の増加を低減できる。そして、緩衝
層としての作用は、ヤング率が小さいほど有効に作用す
る。したがって、ファイバGで使用した被覆材のヤング
率120kg重/mm2より小さいヤング率の被覆材で
被覆すれば、緩衝作用により伝送損失値の低減が期待で
きる。すなわち、ヤング率が1kg重/mm2以上12
0kg重/mm2未満の被覆材の被覆層を波長分散補償
光ファイバの側面に有していると、この波長分散補償光
ファイバをコイル胴に複数回巻いた光ファイバコイルの
伝送損失値は、ファイバGに比べて小さくできる。
【0068】なお、以上記載したヤング率の測定値は2
0℃での値であり、被覆材のヤング率の測定は、図12
に示す方法で行った。図12に基づいてヤング率の測定
方法を説明する。まず、光ファイバを適当な長さで短く
切断する(図12(a))。この光ファイバの短片をア
セトンに漬けて、光ファイバのガラス部分を抜き取り、
残りの被覆層部分を乾燥させる(図12(b))。標点
間隔を25mmとして、引っ張り速度を1mm/分で被
覆層部分を引っ張り(図12(c))、標点間隔の距離
が2.5%伸びた時の加重からヤング率を計算する。ヤ
ング率算出の計算式は、(ヤング率)=(2.5%伸び
た時のkg重単位での引っ張り加重)÷(引っ張り方向
に対して垂直な樹脂面のmm2単位での断面積)÷0.
025である。
【0069】以上第1の実施の形態から第6の実施の形
態によって巻き歪み除去処理を例示して説明した。これ
らの処理は、光ファイバをコイルに巻き付ける際に生じ
る側圧によって屈曲した光ファイバの曲率半径を大きく
してやること、または側圧自身を低減させる作用があ
る。さらに、具体的には上述した例示を含めて、巻かれ
た光ファイバの曲率半径を増大させる方法としては、例
えば、光ファイバの温度を上昇させて被覆樹脂の熱応力
緩和を生じさせる方法、光ファイバの温度を低下させて
被覆樹脂を一旦収縮させる方法、コイルに巻き取った後
にコイルに振動を加える方法等が有効である。また、側
圧を低減させる方法としては、例えば、コイルに巻き取
るときの張力を低くする方法、光ファイバの巻き層数を
少なくする方法、光ファイバの被覆樹脂のヤング率を小
さくする方法等が有効である。そして、これらの複数の
任意の組み合わせでも同様の作用を得ることができる。
【0070】具体例を以て説明をしなかったが、第1の
実施の形態から第6の実施の形態までの説明および図3
の諸元より、波長分散補償光ファイバは、この側面にヤ
ング率が0.03kg重/mm2以上0.15kg重/
mm2以下である被覆材の1次被覆層とこの1次被覆層
の側面にヤング率が50kg重/mm2以上100kg
重/mm2以下である被覆材の2次被覆層とからなる被
覆層を有するようにしても、本発明の作用を発揮する。
また、同様に波長分散補償光ファイバは、この側面にヤ
ング率が1kg重/mm2以上120kg重/mm2以下
の被覆材からなる被覆層を有するようにしても、本発明
の作用を発揮する。また、同様にこの被覆層は、20μ
m以上70μm以下の厚みを有するようにしても、本発
明の作用を発揮する。さらに、DCFの長さは6km以
上で、コイル胴の直径は120mm以下で、コイルの巻
幅は45mm以下で、コイルの巻層数は500層以下で
それぞれ本発明の作用は有効である。
【0071】次に、本発明の波長分散補償器の使用方法
を図13および図14に基づいて説明する。図13は、
本発明の光分散補償器を使用した光伝送システムの構成
図である。この光伝送システムでは、送信器(8)の出
力に接続された光増幅器(9)の出力が光ファイバ伝送
路(10)の一端に接続されている。そして、光ファイ
バ伝送路(10)の他端は光増幅器(9)に接続され、
この光増幅器(9)の出力は波長分散補償器(11)に
接続され、この後に受信器(12)に至っている。この
ように本発明の波長分散補償器(11)を光伝送システ
ムで使用すると、光ファイバ伝送路(10)で生じた光
信号の歪みを低伝送損失または低PMDで補償できる。
【0072】また、図14(a)は、本発明の光分散補
償器を使用した別の光伝送システムの構成図である。こ
の光伝送システムでは、光ファイバ伝送路(10)の一
端には、送信器(8)の出力に接続された波長分散補償
器付き光増幅器(13)が接続されている。そして、光
ファイバ伝送路(10)の中間には必要に応じて1個以
上の波長分散補償器付き光増幅器(13)が配置され、
光ファイバ伝送路の他端には受信器(12)が接続され
ている。波長分散補償器付き光増幅器(13)の構成
は、例えば、図14(b)に示すように、入力および出
力に光増幅器(9)を有しその間に波長分散補償器(1
1)を配置して光信号の歪みを抑えつつ光信号の増幅を
する構成となっている。また、図14(c)に示すよう
に、入力に光増幅器(9)を有しその出力に波長分散補
償器(11)を接続するような構成でもよい。このよう
に本発明の波長分散補償器を使用すると、光ファイバ伝
送路(10)で生じた光信号の歪みを低伝送損失または
低PMDで補償できる。
【0073】なお、特開昭63−225562には、被
覆を有する光ファイバをコイル胴に多層巻き付けてジャ
イロ等のセンサに用いる光ファイバコイルを、巻き取り
後に加熱処理する光ファイバコイルの製造方法が開示さ
れているが、光ファイバ伝送路における波長分散補償器
の分野に関する記載はなく、広帯域用波長分散補償光フ
ァイバに関する記載もない。
【0074】また、特開平4−195104には、セン
シングループとして用いられる部分をコイル状に巻回し
たセンサ用の光ファイバコイルとその光ファイバコイル
を巻き取り後に加熱処理を行う光ファイバコイルの製造
方法が開示されている。しかし、光ファイバ伝送路にお
ける波長分散補償器の分野に関する記載はなく、広帯域
用波長分散補償光ファイバに関する記載もない。
【0075】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、小型コイル
に広帯域用DCFを巻き付けて波長分散補償器を作成す
るに際し、巻き取り中および巻き取り後に巻き歪み除去
処理を施すことにより低伝送損失の波長分散補償器を製
作することできる。
【0076】また、広帯域用DCFを小型コイルに巻き
取る際に巻きピッチを制御を行いまたは所定にピッチで
巻き取り後に熱処理を行うとPMDの小さな波長分散補
償器を作成できる。
【0077】したがって、小型コイルに効率よく長尺の
広帯域用DCFを低損失および低PMDで収納すること
ができるので、小型の波長分散補償器を作成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明で使用する被覆層が2層からな
る波長分散補償光ファイバの断面図である。
【図2】図2は、本発明の使用する波長分散補償光ファ
イバの巻き取り用のコイルの斜視図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態で使用する波長分
散補償光ファイバの諸元を一覧に示した諸元一覧図であ
る。
【図4】図4は、伝送損失値の張力依存性を示した特性
図である。
【図5】図5は、伝送損失値の張力依存性を示した特性
図である。
【図6】図6は、伝送損失値の張力依存性を示した特性
図である。
【図7】図7は、PMDの巻きピッチ依存性を示した特
性図である。
【図8】図8(a)は、巻き取り後のコイルにかけるヒ
ートサイクルの温度変化図である。図8(b)は、図8
(a)のヒートサイクルをかけたときの伝送損失値の時
間変化を示した特性図である。
【図9】図9は、巻き取り後のコイルにかける別のヒー
トサイクルの温度変化図である。
【図10】図10(a)は、広帯域DCFをコイルに巻
き取りヒートサイクルを加えた後に測定した伝送損失値
の波長依存性を示した特性図である。図10(b)は、
狭帯域DCFをコイルに巻き取りヒートサイクルを加え
た後に測定した伝送損失値の波長依存性を示した特性図
である。
【図11】図11は、DCFをコイルに巻き付ける様子
を示した模式図である。
【図12】図12は、ヤング率の測定方法を説明する手
順図である。
【図13】図13は、本発明の波長分散補償器を使用し
た光伝送システムの構成図である。
【図14】図14(a)は、本発明の波長分散補償器を
使用した別の光伝送システムの構成図である。図14
(b)は、波長分散補償器を有する光増幅器の構成図で
ある。図14(c)は、波長分散補償器を有する別の光
増幅器の構成図である。
【図15】図15(a)〜(c)は、波長分散補償光フ
ァイバの断面方向の屈折率分布を示した模式図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ、2…一次被覆層、3…二次被覆層、4
…DCF巻き取りコイル胴、5…DCF巻き取りコイル
鍔、6…DCF、7…熱風、8…送信器、9…光増幅
器、10…光ファイバ伝送路、11…波長分散補償器、
12…受信器、13…波長分散補償器付き光増幅器

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ伝送路の波長1.55μm帯
    における波長分散を低減する波長分散補償器において、 前記光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号の波長分
    散および前記光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号
    の波長分散傾斜を有する波長分散補償光ファイバと、こ
    の波長分散補償光ファイバを巻き取るコイル胴とを備
    え、 前記波長分散補償光ファイバを前記コイル胴に巻き取り
    中および巻き取り後の少なくとも一方において巻き歪み
    除去処理を施したことを特徴とする波長分散補償器。
  2. 【請求項2】 光ファイバ伝送路の波長1.55μm帯
    における波長分散を低減する波長分散補償器において、 前記光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号の波長分
    散および前記光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号
    の波長分散傾斜を有する波長分散補償光ファイバと、こ
    の波長分散補償光ファイバを巻き取るコイル胴とを備
    え、 前記波長分散補償光ファイバの直径の2倍以上の巻きピ
    ッチで前記波長分散補償光ファイバを前記コイル胴に巻
    き取ることを特徴とする波長分散補償器。
  3. 【請求項3】 光ファイバ伝送路の波長1.55μm帯
    における波長分散を低減する波長分散補償器において、 前記光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号の波長分
    散および前記光ファイバ伝送路の光ファイバとは逆符号
    の波長分散傾斜を有する波長分散補償光ファイバと、こ
    の波長分散補償光ファイバを巻き取るコイル胴とを備
    え、 前記波長分散補償光ファイバを前記コイル胴に巻き取り
    中および巻き取り後の少なくとも一方において巻き歪み
    除去処理を施すと共に前記波長分散補償光ファイバの直
    径の2倍以上の巻きピッチで前記波長分散補償光ファイ
    バを前記コイル胴に巻き取ることを特徴とする波長分散
    補償器。
  4. 【請求項4】 前記波長分散補償光ファイバの側面にヤ
    ング率が0.03kg重/mm2以上0.15kg重/
    mm2以下である被覆材の1次被覆層と前記1次被覆層
    の側面にヤング率が50kg重/mm2以上100kg
    重/mm2以下である被覆材の2次被覆層とからなる被
    覆層を有することを特徴とする請求項1、請求項2また
    は請求項3に記載の波長分散補償器。
  5. 【請求項5】 前記波長分散補償光ファイバの側面にヤ
    ング率が1kg重/mm2以上120kg重/mm2以下
    の被覆材からなる被覆層を有することを特徴とする請求
    項1、請求項2または請求項3に記載の波長分散補償
    器。
  6. 【請求項6】 前記被覆層は、20μm以上70μm以
    下の厚みを有することを特徴とする請求項4または請求
    項5に記載の波長分散補償器。
  7. 【請求項7】 前記巻き歪み除去処理は、 前記波長分散補償光ファイバを前記コイル胴に巻き取っ
    た後に、前記波長分散補償光ファイバを前記コイル胴に
    巻き取り中の温度よりも低い温度に保持し、また高い温
    度に保持することの少なくともいずれかを行う処理であ
    ることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の波
    長分散補償器。
  8. 【請求項8】 前記巻き歪み除去処理は、 前記波長分散補償光ファイバおよび前記コイル胴の少な
    くとも一方を60℃以上の所定の温度にして前記波長分
    散補償光ファイバを前記コイル胴に巻き取る処理である
    ことを特徴とする請求項1または請求項3に記載の波長
    分散補償器。
  9. 【請求項9】 前記波長分散補償光ファイバを巻き取る
    コイルの前記コイル胴およびコイル鍔は、金属で作成さ
    れていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項
    7または請求項8に記載の波長分散補償器。
  10. 【請求項10】 前記巻き歪み除去処理は、 前記波長分散補償光ファイバを25g重以上で50g重
    以下の巻き取り張力で前記コイル胴に巻き取る処理であ
    ることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の波
    長分散補償器。
  11. 【請求項11】 前記巻き歪み除去処理は、 前記波長分散補償光ファイバを前記コイル胴に巻き取り
    後に前記コイルに振動を加える処理であることを特徴と
    する請求項1または請求項3に記載の波長分散補償器。
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