JPH10308727A - 無線受信装置及び無線通信システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 放送通信の場合、受信局毎に受信状況や伝搬
状況が異なるため、送信局で最適な伝送速度を決定して
切り替えるのは困難であり、受信局によっては多くのデ
ータを欠落してしまうという問題点があり、受信側にお
ける出力データの品質を向上させることができる無線受
信装置及び無線通信システムを提供する。 【解決手段】 受信部１１が、異なる伝送速度で送信さ
れたデータを伝送速度の速いものから順に受信して、制
御部１３が、受信データの品質が一定レベル以上であれ
ば当該データを出力し、受信データの品質が一定レベル
に達しない場合には、当該データ（先着データ）を記憶
しておき、伝送速度の遅いデータ（後着データ）を受信
すると、先着データと後着データとを比較して、品質の
良いデータを出力する無線受信装置であり、同一データ
を異なる伝送速度で複数送信する無線送信装置と前記無
線受信装置とから成る無線通信システムである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、無線回線を使用し
てデータ通信を行う無線受信装置及び無線通信システム
に係り、特に受信側において品質の良い受信データを得
ることができる無線受信装置及び無線通信システムに関
する。

【０００２】

【従来の技術】無線回線においてデータを放送する場
合、受信側で取得するデータの品質を保つことが重要で
ある。そのため、従来、空間上で発生するデータ誤りを
少なくするために、データ伝送速度（伝送速度）を低速
にしたり、伝送中に発生した誤りを受信側において修復
するために、送信データに誤り訂正符号を付与する等の
方法があった。

【０００３】しかし、データ伝送速度の高速化に伴っ
て、無線空間上でのデータの誤りが増加し、データ品質
が低下している。そこで、送信装置に信号の伝送速度を
切り替える機能を備え、回線品質が劣化した場合には、
伝送速度を低速に切り替えたり、データの再送信を行う
ようにしている。

【０００４】また、放送形式の通信では、固定局や移動
局等、受信局によってデータを受信する形態が異なり、
更に、季節、時間帯、場所等により電波の伝搬状態が刻
々と変化するため、受信局毎に受信するデータの品質が
異なり、また受信側からのデータの再送要求の手段はな
い。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の無線受信装置及び無線通信システムでは、放送通信
の場合、受信局毎に受信状況や伝搬状況が異なるため、
送信局において最適なデータ伝送速度を決定して切り替
えるのは困難であり、受信局によっては多くのデータを
欠落してしまうことがあるという問題点があった。

【０００６】本発明は上記実情に鑑みて為されたもの
で、出力データの品質を向上させることができる無線受
信装置及び無線通信システムを提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解
決するための請求項１記載の発明は、無線受信装置にお
いて、異なる伝送速度で送信された同一のデータを複数
受信し、前記複数受信したデータの中から最も品質の高
いデータを選択することを特徴としており、個々の受信
装置の受信状態や伝搬状況に応じて、最も適切な伝送速
度で伝送されたデータを選択して出力し、出力する受信
データの品質を向上させることができる。

【０００８】上記従来例の問題点を解決するための請求
項２記載の発明は、無線受信装置において、異なる伝送
速度で送信された同一のデータを伝送速度の速い順に受
信し、前記伝送速度の速い順に受信したデータについて
品質が一定レベル以上であれば、当該データを出力する
ことを特徴としており、出力する受信データの品質を向
上させ、受信時間を短縮することができる。

【０００９】上記従来例の問題点を解決するための請求
項３記載の発明は、請求項２記載の無線受信装置におい
て、伝送速度の速い順に受信したデータについて品質が
一定レベル以上でなければ、前記受信した全ての同一デ
ータの中から最も品質の高いデータを選択することを特
徴としており、受信した同一データの中で、個々の受信
装置の受信状態や伝搬状況に最適な伝送速度で送信され
た品質の高い受信データを選択して出力することができ
る。

【００１０】上記従来例の問題点を解決するための請求
項４記載の発明は、無線通信システムにおいて、異なる
伝送速度で同一のデータを複数送信する無線送信装置
と、請求項１又は請求項２又は請求項３記載の無線受信
装置とを有することを特徴としており、受信側におい
て、異なる伝送速度で送信されたデータの中から品質の
高いデータを選択して出力することができ、無線受信装
置における出力データの品質を向上させることができ
る。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る無
線受信装置及び無線通信システムは、無線送信装置から
複数の異なる伝送速度で送信した同一データを、無線受
信装置において伝送速度の速い順に受信して、受信デー
タの品質をチェックし、品質が一定レベル以上であれば
受信データを出力し、また、一定レベル以下であれば出
力せずに記憶しておき、後で受信したデータと比較して
品質の良いデータを出力するようにしており、受信局に
おける出力データの品質を向上させ、また、受信時間の
短縮を図ることができるものである。

【００１２】本発明の実施の形態に係る無線受信装置
（本装置）及び無線通信システム（本システム）の構成
について図１を用いて説明する。図１は、本発明の実施
の形態に係る無線受信装置（本装置）及び本システムに
おける無線送信装置の構成ブロック図である。図１に示
すように、本発明の実施の形態に係る無線通信システム
における無線送信装置２は、データを入力するデータ入
力部２４と、ＢＨＣ誤り訂正符号の付与及びインタリー
ブ等のデータ加工を行う制御部２３と、複数の変調部２
２ａ〜２２ｎと、複数の送信部２１ａ〜２１ｎとから構
成されている。

【００１３】特に、制御部２３は、同一のデータを複数
の変調部２２に同時に出力するものであり、変調部２２
は、制御部２３からのデータをそれぞれ異なる信号速度
で変調し、対応する送信部２１に送出するものである。
そして、送信部２１は、変調部２２において変調された
信号をそれぞれ異なる周波数で送信するものである。

【００１４】ここでは、送信部２１ａは、変調部２２ａ
において信号速度１で変調された信号を周波数ｆ1 で送
信し、送信部２１ｂは、変調部２２ｂにおいて信号速度
２で変調された信号を周波数ｆ2 で送信するというよう
に、ｎ個の送信機２１からｎ種類の伝送速度で信号を送
信するようにしている。

【００１５】また、本発明の実施の形態に係る無線受信
装置１は、複数の受信部１１ａ〜１１ｎと、複数の復調
部１２ａ〜１２ｎと、データの品質判定及び選択の処理
を行う制御部１３と、データを出力するデータ出力部１
４とから構成されている。更に、制御部１３には、受信
データを記憶するデータ記憶エリア１３ａと、データ品
質判定及び選択処理を行う判定選択手段１３ｂとが設け
られている。

【００１６】受信部１１ａ〜１１ｎは、無線送信装置１
から送信される複数の周波数の信号を受信するものであ
り、無線受信装置１の各送信部２１ａ〜２１ｎに対応し
て設けられている。つまり、受信部１１ａは、周波数ｆ
1 、信号速度１の信号を受信し、受信部１１ｂは、周波
数ｆ2 、信号速度２の信号を受信する、というようにな
っている。また、復調部１２は、対応する受信部１１か
らの信号を復調して制御部１３に出力するものである。

【００１７】制御部１３は、誤り訂正処理を行って電文
を組み立てるものであり、本装置の特徴として、受信デ
ータのＳ／Ｎ比や誤り率に基づいてデータの品質を判定
し、出力データを選択する処理を行うものである。その
ため、制御部１３は、品質判定の基準となる品質レベル
を記憶している。制御部１３における処理については後
で詳細に説明する。

【００１８】ここで、制御部１３のデータ記憶エリア１
３ａについて図２を用いて説明する。図２は、制御部１
３のデータ記憶エリア１３ａの模式説明図である。図２
に示すように、データ記憶エリア１３ａは、受信したデ
ータの送信番号と、データの内容と、品質と、出力した
か否かを示す出力フラグとを記憶するようになってい
る。制御部１３は、復調部１２からデータを受け取る
と、データ記憶エリア１３ａに送信番号、内容、判定し
た品質を記憶し、当該データを出力した場合には出力フ
ラグを「１」に設定する。また、出力しないデータの出
力フラグは「０」となっている。

【００１９】ここで、同一送信番号のデータは、当該デ
ータが出力されるまで、つまり、出力フラグが「１」に
なるまで着信順に記憶されるようになっており、先着の
データが出力されている場合には、後着のデータは記憶
されない。

【００２０】次に、本装置の動作について図１を用いて
説明する。まず、無線送信装置２のデータ入力部２４か
ら入力されたデータは、制御部２３において、ＢＣＨ誤
り訂正符号の付加やインターリーブ処理を施され、ま
た、データ毎に固有のデータ番号（送信番号）が付与さ
れ、複数の変調部２２ａ〜２２ｎに送出される。

【００２１】各変調部において、データはそれぞれ異な
る信号速度で変調されて、それぞれ対応する送信部２１
に送出され、各送信部２１からそれぞれ異なる周波数で
送信される。つまり、無線送信装置２では、同一データ
（同一送信番号のデータ）を複数の異なる信号速度で送
信するようにしている。

【００２２】そして、それぞれ異なる周波数で送信され
たデータは、伝送速度の速い順に無線受信装置１に到達
し、無線受信装置１の受信部１１ａ〜１１ｎにおいて受
信され、復調部１２において復調され、制御部１３に送
出される。制御部１３において、受信データは、デイン
ターリーブ処理及びＢＣＨによる誤り訂正処理を施さ
れ、１電文に組み立てられる。

【００２３】そして、制御部１３の判定選択手段が、受
信したデータの品質（Ｓ／Ｎ比、誤り率等）を判定し、
品質が予め設定されている一定レベル以上であれば、当
該データをデータ出力部１４に出力する。

【００２４】また、データの品質が一定レベル以上でな
い場合には、当該データを一旦記憶しておき、後着のデ
ータを待つ。後着データを待つのは、無線送信装置２か
ら送信された同一データの信号を全て受信するか（ここ
ではｎ種類）、又は予め設定された一定時間が経過する
までとする。そして、後着データの品質が一定レベル以
上であれば後着データを出力する。

【００２５】また、後着データの品質も一定レベルに達
しない場合には、先着データと後着データとを比較し
て、品質の良い方を出力するようになっている。

【００２６】これにより、本装置では、早く着信する伝
送速度の速いデータの品質が一定レベル以上であれば当
該データを出力し、一定レベルに達しない場合には伝送
速度の遅い後着のデータと比較して品質の良い方を出力
することができ、複数の伝送速度で送信されてきたデー
タの中から、品質の良いデータを受信側で選んで出力す
ることができ、受信出力の品質を向上させることができ
るものである。

【００２７】次に、制御部１３における処理について図
３を用いて具体的に説明する。図３は、制御部１３にお
ける処理を示すフローチャート図である。図３に示すよ
うに、データが着信して復調部１２からデータが入力さ
れると（１００）、制御部１３は、データ記憶エリア１
３ａの送信番号をチェックして、同一データが着信済み
かどうかを判断し（１０２）、着信済みでない、つまり
初めて着信したデータである場合には、送信番号とデー
タの内容とをデータ記憶エリア１３ａに記憶する（１０
４）。

【００２８】そして、制御部１３は、データの品質を判
定して一定レベル以上であるかどうかを判断し（１０
６）、予め設定されている一定レベル以上である場合に
は、当該データをデータ出力部１４に出力して（１４
０）、データ記憶エリア１３ａの当該データに対応する
出力フラグを「１」に設定する（１４２）。

【００２９】また、処理１０６において、データの品質
が一定レベルに達しない場合には、制御部１３は、待ち
時間のカウントを開始し（１０８）、処理１００に移行
する。

【００３０】また、処理１０２で、同一データが既に着
信済みである場合には、制御部１３は、データ記憶エリ
ア１３ａの出力フラグをチェックして、先着データが出
力済みかどうかを判断し（１２０）、先着データが出力
済みであれば、そのまま処理を終わる。つまり、先着デ
ータが出力済みの場合には、後着データは記憶されな
い。

【００３１】また、処理１２０で、先着データがまだ出
力されていない場合には、制御部１３は、当該後着デー
タの品質を判定して、データの品質が一定レベル以上で
あるかどうかを判断し（１２４）、一定レベル以上であ
れば処理１４０に移行して当該後着データを出力する。

【００３２】また、処理１２４で、データの品質が一定
レベルに達しない場合には、制御部１３は、同一送信番
号について送信されるデータを全て受信したかどうか、
又は待ち時間がタイムアウトしたかどうかを判断し（１
２６）、まだ全部のデータを受信していなくて、待ち時
間がタイムアウトしていない場合には、処理１００に移
行する。

【００３３】また、処理１２６で、同一送信番号のデー
タを全て受信したか、又は待ち時間がタイムアウトした
場合には、制御部１３は、データ記憶エリア１３ａに記
憶されている同一送信番号の受信データの品質を比較し
て（１２８）、最も品質の良いデータを出力し（１３
０）、処理１４２に移行して当該データの出力フラグを
「１」に設定する。このようにして、本発明の実施の形
態に係る無線受信装置の制御部１３における動作が行わ
れるものである。

【００３４】本発明の実施の形態に係る無線受信装置及
び無線通信システムによれば、無線送信装置が複数の伝
送速度で同一データを送信し、無線受信装置の受信部１
１が、複数の伝送速度で送信されたデータを伝送速度の
速いものから受信して、制御部１３が、受信データの品
質が一定レベル以上であれば当該データを出力し、受信
データの品質が一定レベルに達しない場合には、当該デ
ータ（先着データ）を記憶しておき、伝送速度の遅いデ
ータ（後着データ）を受信すると、先着データと後着デ
ータとを比較して、品質の良い方のデータを出力するよ
うにしているので、受信側において、個々の無線受信装
置の状態や、空間状態に最適な伝送速度で送信（放送）
されているデータを選択して出力することができ、品質
の良いデータを取得して、データの欠落を低減すること
ができる効果がある。

【００３５】また、送信側において、受信状態や伝搬状
況の異なる様々な受信装置に合わせて伝送速度を決定す
るのは困難であるが、本発明の実施の形態に係る無線通
信システムによれば、送信側で最適な伝送速度を選択し
て送信する必要がないという効果がある。

【００３６】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、異なる伝
送速度で送信された同一データの中から、最も品質の高
いデータを選択する無線受信装置としているので、個々
の受信装置の受信状態や伝搬状況に応じて、最も適切な
伝送速度で伝送されたデータを選択して出力することが
でき、出力する受信データの品質を向上させることがで
きる効果がある。

【００３７】請求項２記載の発明によれば、異なる伝送
速度で送信された同一データを、伝送速度の速い順に受
信して、受信データの品質が一定レベル以上の場合に当
該データを出力する無線受信装置としているので、出力
する受信データの品質を向上させ、受信時間を短縮する
ことができる効果がある。

【００３８】請求項３記載の発明によれば、伝送速度の
速い順に受信したデータの品質が一定レベル以上でなけ
れば、受信した全ての同一データの中から最も品質の高
いデータを選択する請求項２記載の無線受信装置として
いるので、個々の受信装置の受信状態や伝搬状況に最適
な伝送速度で送信された品質の高い受信データを選択し
て出力することができる効果がある。

【００３９】請求項４記載の発明によれば、異なる伝送
速度で同一のデータを複数送信する無線送信装置と、請
求項１又は請求項２又は請求項３記載の無線受信装置と
を有する無線通信システムとしているので、受信側にお
いて、異なる伝送速度で送信されたデータの中から品質
の高いデータを選択して出力することができ、無線受信
装置における出力データの品質を向上させることができ
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係る無線受信装置（本装
置）及び無線通信システム（本システム）における無線
送信装置の構成ブロック図である。

【図２】制御部１３のデータ記憶エリア１３ａの模式説
明図である。

【図３】制御部１３における処理を示すフローチャート
図である。

【符号の説明】

１…無線受信装置、 ２…無線送信装置、 １１…受信
部、 １２…復調部、１３…制御部、 １３ａ…データ
記憶エリア、 １４…データ出力部、 ２１…送信部、
２２…変調部、 ２３…制御部、 ２４…データ入力
部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｈ０４Ｌ 1/22 Ｈ０４Ｌ 1/22

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 異なる伝送速度で送信された同一のデー
   タを複数受信し、前記複数受信したデータの中から最も
   品質の高いデータを選択することを特徴とする無線受信
   装置。
2. 【請求項２】 異なる伝送速度で送信された同一のデー
   タを伝送速度の速い順に受信し、前記伝送速度の速い順
   に受信したデータについて品質が一定レベル以上であれ
   ば、当該データを出力することを特徴とする無線受信装
   置。
3. 【請求項３】 伝送速度の速い順に受信したデータにつ
   いて品質が一定レベル以上でなければ、前記受信した全
   ての同一データの中から最も品質の高いデータを選択す
   ることを特徴とする請求項２記載の無線受信装置。
4. 【請求項４】 異なる伝送速度で同一のデータを複数送
   信する無線送信装置と、請求項１又は請求項２又は請求
   項３記載の無線受信装置とを有することを特徴とする無
   線通信システム。