JPH10296074A - 磁性ポリマーゲル - Google Patents
磁性ポリマーゲルInfo
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- JPH10296074A JPH10296074A JP11868297A JP11868297A JPH10296074A JP H10296074 A JPH10296074 A JP H10296074A JP 11868297 A JP11868297 A JP 11868297A JP 11868297 A JP11868297 A JP 11868297A JP H10296074 A JPH10296074 A JP H10296074A
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 架橋構造を有する高分子物質と、この架
橋構造中に分散された磁性コロイド状粒子とを含有する
ことを特徴とする磁性ポリマーゲルを提供する。 【効果】 本発明の磁性ポリマーゲルは、ゲルの寸法、
体積に依存することなく周囲環境に迅速に感応すること
ができる。
橋構造中に分散された磁性コロイド状粒子とを含有する
ことを特徴とする磁性ポリマーゲルを提供する。 【効果】 本発明の磁性ポリマーゲルは、ゲルの寸法、
体積に依存することなく周囲環境に迅速に感応すること
ができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周囲環境に対する
感応性が高い新規の磁性ポリマーゲルに関する。
感応性が高い新規の磁性ポリマーゲルに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
周囲環境に対して感応するポリマーゲルは公知である。
それらポリマーゲルは、架橋高分子物質と、コロイド状
粒子との少なくとも2成分からなり、通常これに上記高
分子物質を膨潤させる溶剤を含み、フレキシビリティを
有する。このポリマーゲルのフレキシビリティ及び液体
(溶剤)保持能力は、物理的又は化学的結合により架橋
された高分子物質の架橋構造によるものである。そし
て、この架橋構造により、周囲パラメーター(例えば、
pH、イオン強度、温度、錯体形成化合物の存在、成分
組成等)の作用下において、ゲルの平衡体積が変化する
ことを可能にするものであり、上記パラメーターがわず
かに変化するだけで、ゲルの体積が可逆的に変化する。
周囲環境に対して感応するポリマーゲルは公知である。
それらポリマーゲルは、架橋高分子物質と、コロイド状
粒子との少なくとも2成分からなり、通常これに上記高
分子物質を膨潤させる溶剤を含み、フレキシビリティを
有する。このポリマーゲルのフレキシビリティ及び液体
(溶剤)保持能力は、物理的又は化学的結合により架橋
された高分子物質の架橋構造によるものである。そし
て、この架橋構造により、周囲パラメーター(例えば、
pH、イオン強度、温度、錯体形成化合物の存在、成分
組成等)の作用下において、ゲルの平衡体積が変化する
ことを可能にするものであり、上記パラメーターがわず
かに変化するだけで、ゲルの体積が可逆的に変化する。
【0003】しかしながら、これらの公知のゲルの周囲
環境に対する感応速度は本質的に拡散による物質移動に
依存するので、十分に早くない。実際、この公知のゲル
は、その厚さが厚くなり、寸法が大きくなるにつれ、上
記感応速度が低下するものである。従って、周囲環境に
対して素早く感応し得るゲルが望まれる。
環境に対する感応速度は本質的に拡散による物質移動に
依存するので、十分に早くない。実際、この公知のゲル
は、その厚さが厚くなり、寸法が大きくなるにつれ、上
記感応速度が低下するものである。従って、周囲環境に
対して素早く感応し得るゲルが望まれる。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みされたもので、
周囲環境に迅速に感応することができる磁性ポリマーゲ
ルを提供することを目的とする。
周囲環境に迅速に感応することができる磁性ポリマーゲ
ルを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、架橋構造を有する高分子物質と、この架橋
構造中に分散された磁性コロイド状粒子とを含有する磁
性ポリマーゲルが、周囲環境に迅速にしかもゲルの形状
に依存することなく感応し得ることを知見し、本発明を
なすに至ったものである。
発明者らは、架橋構造を有する高分子物質と、この架橋
構造中に分散された磁性コロイド状粒子とを含有する磁
性ポリマーゲルが、周囲環境に迅速にしかもゲルの形状
に依存することなく感応し得ることを知見し、本発明を
なすに至ったものである。
【0006】本発明者らによって最初に製造されたこの
磁性ポリマーゲルは、このように周囲環境に感応する全
く新しいタイプのゲルであり、非均質磁場の作用下にお
いて、膨潤、収縮、その他の変形、或いはこれらが合わ
さったかなりの変形を生じる。この場合、本発明の磁性
ポリマーゲルと周囲環境に感応し得る公知のゲルとは、
その反応時間(感応速度)が全く相違する。即ち、公知
のゲルの反応時間は、本質的に拡散による物質移動速度
によって規定されるのに対し、本発明の磁性ポリマーゲ
ルの反応時間(感応速度)は、磁性分極に依存し、拡散
よりも非常に早い反応時間を有する。換言すれば、公知
のゲルはその大きさが増大し、従って機械的強度が増大
するほど反応時間が長くなるのに対し、本発明の磁性ポ
リマーゲルの反応時間は磁性ポリマーゲルの寸法、体積
に依存しないものである。
磁性ポリマーゲルは、このように周囲環境に感応する全
く新しいタイプのゲルであり、非均質磁場の作用下にお
いて、膨潤、収縮、その他の変形、或いはこれらが合わ
さったかなりの変形を生じる。この場合、本発明の磁性
ポリマーゲルと周囲環境に感応し得る公知のゲルとは、
その反応時間(感応速度)が全く相違する。即ち、公知
のゲルの反応時間は、本質的に拡散による物質移動速度
によって規定されるのに対し、本発明の磁性ポリマーゲ
ルの反応時間(感応速度)は、磁性分極に依存し、拡散
よりも非常に早い反応時間を有する。換言すれば、公知
のゲルはその大きさが増大し、従って機械的強度が増大
するほど反応時間が長くなるのに対し、本発明の磁性ポ
リマーゲルの反応時間は磁性ポリマーゲルの寸法、体積
に依存しないものである。
【0007】本発明の磁性ポリマーゲルは、超常磁性又
はフェロ磁性特性を有し、これは高分子物質の化学的架
橋の程度によって広い範囲で変化するが、この超常磁性
又はフェロ磁性特性は、架橋構造中に分散され、拡散、
沈降、その他の物理的作用によって脱落、除去されるこ
とのない磁性コロイド状粒子から生じるものである。こ
の場合、ゲルの磁性特性は、その多くはコロイド状粒子
の飽和磁化に依存し、更にゲル中のコロイド状粒子量、
粒子サイズに依存している。動的に変化する磁場におい
て、この磁性ポリマーゲルの形状は連続的に変化し、磁
場下におけるゲルの動きを可能にし得るものである。
はフェロ磁性特性を有し、これは高分子物質の化学的架
橋の程度によって広い範囲で変化するが、この超常磁性
又はフェロ磁性特性は、架橋構造中に分散され、拡散、
沈降、その他の物理的作用によって脱落、除去されるこ
とのない磁性コロイド状粒子から生じるものである。こ
の場合、ゲルの磁性特性は、その多くはコロイド状粒子
の飽和磁化に依存し、更にゲル中のコロイド状粒子量、
粒子サイズに依存している。動的に変化する磁場におい
て、この磁性ポリマーゲルの形状は連続的に変化し、磁
場下におけるゲルの動きを可能にし得るものである。
【0008】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の磁性ポリマーゲルは、架橋構造を有する高分子物質
と、この架橋構造中に分散された磁性コロイド状粒子と
を含有し、通常、更に上記高分子物質を膨潤させる溶剤
を含む。
明の磁性ポリマーゲルは、架橋構造を有する高分子物質
と、この架橋構造中に分散された磁性コロイド状粒子と
を含有し、通常、更に上記高分子物質を膨潤させる溶剤
を含む。
【0009】ここで、上記高分子物質としては、物理的
及び/又は化学的に架橋され得る天然高分子物質、合成
高分子物質の1種又は2種以上が用いられる。具体的に
は、天然高分子としては、デンプン、寒天、ゼラチン、
カゼイン等が挙げられ、合成高分子としては、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)ア
クリル酸やその塩及びエステル、ポリアクリルアミド、
ポリビニルアセテート、ポリエチレンオキシド、ポリビ
ニルエーテル、ポリエチレンイミン等の水溶性ポリマー
や、イソブテンと無水マレイン酸との共重合体、メチル
ビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、ポリビ
ニルアルコールのアクリルアミド変性物、スチレンと無
水マレイン酸との共重合体、マレイン化油とポリエチレ
ングリコールとの共重合体等の共重合体あるいはそれら
の変性物などが挙げられる。また、かかる高分子物質を
架橋させる公知の架橋剤を使用することができ、放射
線、光、プラズマ等を用いて架橋することもできる。
及び/又は化学的に架橋され得る天然高分子物質、合成
高分子物質の1種又は2種以上が用いられる。具体的に
は、天然高分子としては、デンプン、寒天、ゼラチン、
カゼイン等が挙げられ、合成高分子としては、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)ア
クリル酸やその塩及びエステル、ポリアクリルアミド、
ポリビニルアセテート、ポリエチレンオキシド、ポリビ
ニルエーテル、ポリエチレンイミン等の水溶性ポリマー
や、イソブテンと無水マレイン酸との共重合体、メチル
ビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、ポリビ
ニルアルコールのアクリルアミド変性物、スチレンと無
水マレイン酸との共重合体、マレイン化油とポリエチレ
ングリコールとの共重合体等の共重合体あるいはそれら
の変性物などが挙げられる。また、かかる高分子物質を
架橋させる公知の架橋剤を使用することができ、放射
線、光、プラズマ等を用いて架橋することもできる。
【0010】磁性コロイド状粒子としては、5〜100
nmの大きさを有するものが好ましく、フェロ磁性、フ
ェリ磁性、常磁性、超常磁性(superparama
gnetic)を有する公知の磁性粒子を用いることが
できる。具体的には、Fe3O4、MnFe2O4、NiF
e2O4、CoFe2O4等の酸化物系軟磁性粒子やFe、
Co、Ni等の金属系磁性粒子などを例示することがで
きる。
nmの大きさを有するものが好ましく、フェロ磁性、フ
ェリ磁性、常磁性、超常磁性(superparama
gnetic)を有する公知の磁性粒子を用いることが
できる。具体的には、Fe3O4、MnFe2O4、NiF
e2O4、CoFe2O4等の酸化物系軟磁性粒子やFe、
Co、Ni等の金属系磁性粒子などを例示することがで
きる。
【0011】溶剤としては、水、水性溶剤、有機溶剤の
いずれでもよく、上記高分子物質に応じてこれを膨潤さ
せるものを使用することができる。
いずれでもよく、上記高分子物質に応じてこれを膨潤さ
せるものを使用することができる。
【0012】本発明の磁性ポリマーゲル中における架橋
高分子物質の含有量は1〜90重量%、特に5〜85重
量%とすることができ、また磁性コロイド状粒子の含有
量は1〜50重量%、特に2〜40重量%とすることが
できる。更に、溶剤量は0〜99重量%、好ましくは1
〜95重量%、より好ましくは2〜90重量%とするこ
とができる。
高分子物質の含有量は1〜90重量%、特に5〜85重
量%とすることができ、また磁性コロイド状粒子の含有
量は1〜50重量%、特に2〜40重量%とすることが
できる。更に、溶剤量は0〜99重量%、好ましくは1
〜95重量%、より好ましくは2〜90重量%とするこ
とができる。
【0013】なお、本発明の磁性ポリマーゲルは、この
ように溶剤量を多くすることができるが、この溶剤量
は、高分子物質の化学的架橋の程度によって広い範囲で
変わり得るものである。
ように溶剤量を多くすることができるが、この溶剤量
は、高分子物質の化学的架橋の程度によって広い範囲で
変わり得るものである。
【0014】本発明の磁性ポリマーゲルの製造は、高分
子物質の架橋構造を得ること、磁性コロイド状粒子の製
造、磁性ゾルの安定化、磁性コロイド状粒子の架橋構造
への配合、分散のステップを含むことができるが、勿論
これに限定されない。
子物質の架橋構造を得ること、磁性コロイド状粒子の製
造、磁性ゾルの安定化、磁性コロイド状粒子の架橋構造
への配合、分散のステップを含むことができるが、勿論
これに限定されない。
【0015】高分子物質の架橋は、公知の方法で行うこ
とができ、例えば架橋化可能な高分子物質をその公知の
架橋剤により架橋する架橋反応、あるいは高分子物質を
形成するモノマーの架橋重合などによって行うことがで
きる。
とができ、例えば架橋化可能な高分子物質をその公知の
架橋剤により架橋する架橋反応、あるいは高分子物質を
形成するモノマーの架橋重合などによって行うことがで
きる。
【0016】この場合、架橋の程度は、高分子物質を形
成するモノマー単位とこの高分子物質を架橋させる架橋
剤とを、該架橋剤と上記モノマー単位とのモル比が10
-4〜0.5、特に5×10-3〜0.3となるように用い
て架橋反応させることによって得られる程度の架橋度で
あることが好ましい。
成するモノマー単位とこの高分子物質を架橋させる架橋
剤とを、該架橋剤と上記モノマー単位とのモル比が10
-4〜0.5、特に5×10-3〜0.3となるように用い
て架橋反応させることによって得られる程度の架橋度で
あることが好ましい。
【0017】あるいは、架橋高分子物質の剪断弾性率が
10-2〜10.2kPaとなるような架橋度であること
が好ましい。
10-2〜10.2kPaとなるような架橋度であること
が好ましい。
【0018】磁性コロイド状粒子は、市販品を用いても
よく、これを製造する場合は公知の方法を採用し得る
が、これは架橋反応と並行して又は架橋反応後に製造し
てもよい。好適な方法は、最初に磁性コロイド状粒子の
ゾルを調製し、これを安定化した後、これに高分子物質
を配合し、架橋する方法である。この方法における重要
なステップは、磁性コロイド状粒子のゾルの安定化であ
り、この目的のために種々の方法を採用し得、例えばイ
オンの表面吸着、界面活性剤、中性ホモ又はコポリマー
や電荷を有するホモ又はコポリマーの使用によりコロイ
ドの安定性を増大させることができ、最終的にはゲル構
造によりコロイドは安定化する。
よく、これを製造する場合は公知の方法を採用し得る
が、これは架橋反応と並行して又は架橋反応後に製造し
てもよい。好適な方法は、最初に磁性コロイド状粒子の
ゾルを調製し、これを安定化した後、これに高分子物質
を配合し、架橋する方法である。この方法における重要
なステップは、磁性コロイド状粒子のゾルの安定化であ
り、この目的のために種々の方法を採用し得、例えばイ
オンの表面吸着、界面活性剤、中性ホモ又はコポリマー
や電荷を有するホモ又はコポリマーの使用によりコロイ
ドの安定性を増大させることができ、最終的にはゲル構
造によりコロイドは安定化する。
【0019】なお、磁性コロイド状粒子が水性又は有機
媒体(溶剤)中で調製され、この媒体中で安定化された
場合、磁性ポリマーゲルが水性又は有機媒体中で調製さ
れる。このゲル中の媒体は必要により他の媒体と交換し
得る。
媒体(溶剤)中で調製され、この媒体中で安定化された
場合、磁性ポリマーゲルが水性又は有機媒体中で調製さ
れる。このゲル中の媒体は必要により他の媒体と交換し
得る。
【0020】得られたゲルは、架橋骨格を形成する高分
子物質の種類や量、架橋程度により、その物理的及びコ
ロイド化学的性質が広い範囲で変わり、ゲルの磁気飽和
は、常磁性又はフェロ磁性のコロイド状粒子の種類、特
性を選定し、粒子の配合量、大きさを選定することによ
り、かなりの程度で変化する。
子物質の種類や量、架橋程度により、その物理的及びコ
ロイド化学的性質が広い範囲で変わり、ゲルの磁気飽和
は、常磁性又はフェロ磁性のコロイド状粒子の種類、特
性を選定し、粒子の配合量、大きさを選定することによ
り、かなりの程度で変化する。
【0021】本発明の磁性ポリマーゲルは、外部磁場が
静的又は動的環境下で変化した場合、それに応じて形状
又は寸法が変化し、音響的な影響を与えることなく規則
的な複合動作を与えるものであり、また腐食性成分を有
さないため、シーリング、バルブ、ピストン、動力伝達
系に対して有効に使用することができる。
静的又は動的環境下で変化した場合、それに応じて形状
又は寸法が変化し、音響的な影響を与えることなく規則
的な複合動作を与えるものであり、また腐食性成分を有
さないため、シーリング、バルブ、ピストン、動力伝達
系に対して有効に使用することができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
るが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
【0023】〔実施例1〕 磁性を有するポリビニルアルコールヒドロゲルの製造 100gのFeCl2・4H2Oを200cm3 の水に溶
解し、200gのFeCl3・6H2Oを300cm3 の
水に溶解し、360gのKOHを400cm3 の水に溶
解した。
解し、200gのFeCl3・6H2Oを300cm3 の
水に溶解し、360gのKOHを400cm3 の水に溶
解した。
【0024】FeCl2及びFeCl3水溶液を混合し、
次いでこれを濾過した。濾液200cm3 を撹拌下に水
200cm3 に連続的に滴下し、その後これにKOH水
溶液を添加した。連続的な撹拌中、残りのFeCl2及
びFeCl3水溶液を添加し、得られた懸濁液をデカン
テーションし、次いで蒸留水で数回洗浄した。その後、
2モルのHClO4溶液の添加により系のpHを2に調
整した。
次いでこれを濾過した。濾液200cm3 を撹拌下に水
200cm3 に連続的に滴下し、その後これにKOH水
溶液を添加した。連続的な撹拌中、残りのFeCl2及
びFeCl3水溶液を添加し、得られた懸濁液をデカン
テーションし、次いで蒸留水で数回洗浄した。その後、
2モルのHClO4溶液の添加により系のpHを2に調
整した。
【0025】次いで、沈降物の上澄液を除去し、蒸留水
での解凝固により超常磁性Fe3O4ゾルを得た。
での解凝固により超常磁性Fe3O4ゾルを得た。
【0026】磁性ゲルは以下の方法で調製した。Fe3
O4ゾル(17.3重量%)40cm3 をPVA溶液(8
重量%)100cm3 に添加し、これら2液を混合し
た。この系にグルタルアルデヒド(1モル)0.40c
m3 を添加した。溶液のpHを2に調整し、これを適当
な幾何学形状を有する容器(試験管又は毛細管)に注入
した。ゲル化が生じた後(約20時間)、ゲルを異なる
幾何学形状を有する容器から取り出した。得られたゲル
は、相当の磁性を有し、電磁場又は永久磁場の作用下に
間接的に感応する。
O4ゾル(17.3重量%)40cm3 をPVA溶液(8
重量%)100cm3 に添加し、これら2液を混合し
た。この系にグルタルアルデヒド(1モル)0.40c
m3 を添加した。溶液のpHを2に調整し、これを適当
な幾何学形状を有する容器(試験管又は毛細管)に注入
した。ゲル化が生じた後(約20時間)、ゲルを異なる
幾何学形状を有する容器から取り出した。得られたゲル
は、相当の磁性を有し、電磁場又は永久磁場の作用下に
間接的に感応する。
【0027】〔実施例2〕 磁性を有するポリビニルアルコールヒドロゲルの製造 Fe3O4ゾルを分離して調製せず、8重量%PVA溶液
中で調製した点が相違する以外は実施例1と同様に操作
した。ゲル化は実施例1と同様に行った。
中で調製した点が相違する以外は実施例1と同様に操作
した。ゲル化は実施例1と同様に行った。
【0028】〔実施例3〕 アセトン中で膨潤し得るポリビニルアセテートゲルの製
造 第1ステップで磁性PVAゲルを実施例1,2に従って
調製した。得られたゲルは、水性媒体を置換するため、
無水酢酸及びピリジンの混合物(50−50重量%)中
に置いた。媒体は数回変更し、系は90℃に8時間保持
した。この場合、ゲル媒体は、2時間ごとに無水酢酸及
びピリジンの混合物(50−50重量%)によって更新
した。8時間の化学反応の結果、PVAは、架橋構造及
び磁性粒子を損傷することなくポリビニルアセテートに
変換された。次いで、室温まで冷却し、系の媒体をアセ
トンに置き換えた。この方法は、全ゲル媒体がアセトン
によって置き換えられるまで繰り返した。なお、得られ
た磁性を有するゲルの媒体は、アセトン又はポリビニル
アセテートと混合し得る他のいかなる溶剤とも置換する
ことができる。
造 第1ステップで磁性PVAゲルを実施例1,2に従って
調製した。得られたゲルは、水性媒体を置換するため、
無水酢酸及びピリジンの混合物(50−50重量%)中
に置いた。媒体は数回変更し、系は90℃に8時間保持
した。この場合、ゲル媒体は、2時間ごとに無水酢酸及
びピリジンの混合物(50−50重量%)によって更新
した。8時間の化学反応の結果、PVAは、架橋構造及
び磁性粒子を損傷することなくポリビニルアセテートに
変換された。次いで、室温まで冷却し、系の媒体をアセ
トンに置き換えた。この方法は、全ゲル媒体がアセトン
によって置き換えられるまで繰り返した。なお、得られ
た磁性を有するゲルの媒体は、アセトン又はポリビニル
アセテートと混合し得る他のいかなる溶剤とも置換する
ことができる。
【0029】〔実施例4〕 磁性を有するポリメタクリル酸ゲルの製造 実施例1に従って得られた磁性ゾル又は他の超磁性(s
upermagnetic)ゾル50cm3 を使用し、
そのグリセロール溶液(20重量%)を調製した。
upermagnetic)ゾル50cm3 を使用し、
そのグリセロール溶液(20重量%)を調製した。
【0030】このグリセロール溶液をメタクリル酸の3
0重量%溶液50cm3 と混合した。この混合物にアゾ
ビスイソブチロニトリル開始剤0.15gを添加した。
この混合物を均質化し、その後、適当な幾何学形状の容
器に注入した。ゲル化後、液体は80℃の水浴中に置い
た。ゲル化は1〜2時間で完了し、得られたゲルは容器
から取り出した。この方法を採用することにより、グリ
セロール媒体中のポリアクリル酸ゾルを調製することが
でき、このゲルの媒体(グリセロール)はグリセロール
及びポリアクリル酸と混合し得るいかなる液体(溶剤)
によっても交換することができる。
0重量%溶液50cm3 と混合した。この混合物にアゾ
ビスイソブチロニトリル開始剤0.15gを添加した。
この混合物を均質化し、その後、適当な幾何学形状の容
器に注入した。ゲル化後、液体は80℃の水浴中に置い
た。ゲル化は1〜2時間で完了し、得られたゲルは容器
から取り出した。この方法を採用することにより、グリ
セロール媒体中のポリアクリル酸ゾルを調製することが
でき、このゲルの媒体(グリセロール)はグリセロール
及びポリアクリル酸と混合し得るいかなる液体(溶剤)
によっても交換することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明の磁性ポリマーゲルによれば、ゲ
ルの寸法、体積に依存することなく周囲環境に迅速に感
応することができ、シーリング部材、バルブ部材、ピス
トン部材及び動力伝達部材として有用である。
ルの寸法、体積に依存することなく周囲環境に迅速に感
応することができ、シーリング部材、バルブ部材、ピス
トン部材及び動力伝達部材として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ズリーニ ミクロス ハンガリー国 2030.エルド ナジー エ ル.ユー.30. (72)発明者 長田 義仁 北海道札幌市南区北の沢1丁目11−17−3 (72)発明者 豊澤 真一 埼玉県所沢市荒幡1407−15
Claims (6)
- 【請求項1】 架橋構造を有する高分子物質と、この架
橋構造中に分散された磁性コロイド状粒子とを含有する
ことを特徴とする磁性ポリマーゲル。 - 【請求項2】 上記高分子物質を膨潤させる溶剤が含有
された請求項1記載の磁性ポリマーゲル。 - 【請求項3】 磁性コロイド状粒子が5〜100nmの
大きさを持ち、フェロ磁性、フェリ磁性、常磁性又は超
常磁性を有するものである請求項1又は2記載の磁性ポ
リマーゲル。 - 【請求項4】 架橋構造を有する高分子物質が、この高
分子物質を形成するモノマー単位と、この高分子物質を
架橋させる架橋剤とを、該架橋剤と上記モノマー単位と
のモル比が10-4〜0.5となるように用いて架橋反応
させることによって得られたものである請求項1,2又
は3記載の磁性ポリマーゲル。 - 【請求項5】 架橋構造を有する高分子物質の剪断弾性
率が10-2〜10.2kPaである請求項1乃至4のい
ずれか1項記載の磁性ポリマーゲル。 - 【請求項6】 シーリング部材、バルブ部材、ピストン
部材又は動力伝達部材用である請求項1乃至5のいずれ
か1項記載の磁性ポリマーゲル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11868297A JPH10296074A (ja) | 1997-04-23 | 1997-04-23 | 磁性ポリマーゲル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11868297A JPH10296074A (ja) | 1997-04-23 | 1997-04-23 | 磁性ポリマーゲル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10296074A true JPH10296074A (ja) | 1998-11-10 |
Family
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1997
- 1997-04-23 JP JP11868297A patent/JPH10296074A/ja active Pending
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