JPH10288612A - 水質の簡易検査キット - Google Patents

水質の簡易検査キット

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JPH10288612A
JPH10288612A JP11187497A JP11187497A JPH10288612A JP H10288612 A JPH10288612 A JP H10288612A JP 11187497 A JP11187497 A JP 11187497A JP 11187497 A JP11187497 A JP 11187497A JP H10288612 A JPH10288612 A JP H10288612A
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water quality
small
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JP11187497A
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Toshiaki Inai
俊明 井内
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Taga Manufacturing Co Ltd
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Taga Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量の検水で多数の検査項目を簡単且つ短時
間に検査できる水質検査キットを提供すること。 【解決手段】 多種類の試験紙を台紙に固定した水質検
査用紙と、色濃度表と、検水を秤量するための小型スプ
ーンもしくは小型スポイトと、これらを収納または貼付
するケースよりなる水質の検査キット、または指示薬を
白色の吸水性基材に含浸させその上面を非透光性シート
で密閉してなる水質検査用シートと、色濃度表と、検水
を秤量するための小型スプーンもしくは小型スポイト
と、これらを収納または貼付するケースよりなる水質の
検査キット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水質検査用キットお
よびそれを用いて水質を検査する方法に関する。更に詳
しくは、携帯に便利であり、家庭で簡単に水質を検査で
きるキットおよびそれを用いて水質を検査する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年の人口の増加にともなう水需要の増
大、工業の発達及び生活排水による汚染などから、水道
水の水質が悪化してきており、家庭で水質を検査する必
要が増大している。水質低下に伴って各家庭に浄水器が
普及しつつあるが、簡易浄水器は経時的に浄化能力が低
下し、低下の度合いを示す計測器がついていないため浄
化能力の劣化を判定できない。従って、浄水器を設置し
ていても、浄水後の水質を検査する必要がある。また、
水質検査は、水道水のみならず、環境の悪化により井戸
水、河川及び各種排水などにも必要になってきている。
従って家庭で使用できる簡単な水質の検査器具の提供が
望まれている。
【0003】水道水の検査項目には、pH、硬度、残留
塩素、鉄、銅、クロム、ニッケル、亜鉛、亜硝酸、溶存
酸素、濁度、電導率などがあり、検査項目が多いほど水
質の評価が正確になる。これらの項目を検査する方法と
しては、携帯型の計測器で定量的に測定する方法、検水
を指示薬で発色させて検水の色と色濃度と比較し半定量
する方法、及び試験紙を検水に浸漬して試験紙の色と色
濃度表と比較し半定量する方法の3種類がある。
【0004】しかしながら、計測器では、定量値が示さ
れるが、機器が高価でかつ検査項目が限定されるという
欠点があり、一般家庭用としては不適当である。比較的
簡便な方法は指示薬を用いる方法と試験紙を用いる方法
であるが、これらの方法でも家庭用の検査方法としては
実用的とはいい難い。
【0005】即ち、指示薬による発色法には溶液法と粉
末試薬法があり、検査感度が高く検査項目が多いなどの
優れた特徴があるが、多数の指示薬の容器を用意しなけ
ればならず携帯と取り扱いが不便である。最も簡便と思
われるのは試験紙を使用する方法であり、安価で検査項
目が多いなどの優れた特徴があるが、なお、次のような
問題がある。
【0006】市販の試験紙は、一般に幅数mm、長さ数
10mmで、各成分の試験紙が数10枚セットになって
小さな容器に納められ、容器内に数種類の濃度に対応す
る濃度表としての色見本が納められているが、多種類の
成分を検査する場合、多数の容器を用意しなければなら
ず携帯に不便であり、各容器から各試験紙をとりだすの
も繁雑である。また、試験紙に含まれる試薬が検水に溶
出しやすいため少量の検水に多種類の試験紙を浸すと検
査が不正確になる。従って検水を多量に採取するか、少
量の検水を多数回採取しなければならない。
【0007】試験紙法のこれらの欠点を改良するため実
開平1−110366号公報には異なる試薬試験片の複
数枚を1枚の台紙に貼付して取り扱いを簡単にした水質
試験紙が開示されている。しかし、この方法では検査項
目が10種類以上になると台紙が長くなり問題がおき
る。台紙が長くなると、細長い台紙を検水に浸漬して引
き上げるとき上部の試験紙から下部の試験紙に向かって
検水が流れ落ち、下部の試験紙の方が上部の試験紙より
試験紙の吸水量が多くなる場合がある。吸水量が各試験
紙で異なると色濃度の判定が不正確になる。また、台紙
を検水から引き上げるとき溶解しやすい試薬の場合、試
薬が流水に溶出したり、上部の試薬が下部へ溶出して試
薬の混合が起こり発色が不正確になる欠点がある。この
ため試験紙片間の間隔を広く取らねばならず、検査項目
が多い場合、台紙がかなり長く取り扱いが不便である。
【0008】また試験紙には、各試験紙に適したpH範
囲があるので、検水のpHがその範囲外にあれば試験紙
を浸す前に緩衝剤を入れてpHを調整することが必要で
ある。通常、粉状の一定量の緩衝剤を検水に添加し撹拌
して溶解させてpHを調整するが、検水を採取するたび
に一定量の緩衝剤を入れて撹拌する操作は比較的煩わし
く、特に検査項目が多くなると取り扱いが更に煩雑とな
る。また検水の採取量が多いと高価な緩衝剤の添加量が
多くなり、特に家庭で用いる方法としてはこの点でも不
都合である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、少量の検水で多数の検査項目を簡単且つ短時間に検
査できる水質検査キットおよびそれを用いた水質検査方
法を提供することである。本発明の第二の目的は、試験
紙を使用した安価で家庭用として好適な水質検査キット
およびそれを用いた水質検査方法を提供することであ
る。本発明の第三の目的は、微量の指示薬と少量の検水
で多数の検査項目を簡単に検査する携帯に便利な水質検
査用シート、それ用いた水質検査キット、およびそのキ
ットを用いた水質検査方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第一および第二の目
的は、第一の範疇の本発明によって達成される。即ち、
第一の範疇の発明は、小紙片の多種類の試験紙を疎水性
の台紙に固定した水質検査用紙と、色濃度表と、検水を
秤量するための小型スプーンまたは小型スポイトと、こ
れらを収納または貼付するケースよりなる水質の検査キ
ット、およびこのキットを用い、先ずpH試験紙に検水
を小型スプーンまたは小型スポイトで滴下してpHを検
定し、しかる後緩衝剤を含浸させた緩衝材により検水の
pHを調整するかまたはしないで、小型スプーンまたは
小型スポイトにより検水を各試験紙に滴下することを特
徴とする水質の検査方法である。
【0011】而して、上記第一および第三の目的は、第
二の範疇の本発明によって達成される。即ち、第二の範
疇の発明は、指示薬を白色の吸水性基材に含浸させた各
種の指示薬含浸基材を白色の疎水性の台紙に固定し、そ
の上面を非透光性シートで密閉してなる水質検査用シー
ト、該シートと、色濃度表と、検水を秤量するための小
型スプーンまたは小型スポイトと、これらを収納または
貼付するケースよりなる水質の検査キット、およびこの
水質検査用シートの上面のシートを剥がして小型スプー
ンまたは小型スポイトで含浸基材に検水を滴下すること
を特徴とする水質の検査法である。
【0012】以下本発明を詳細に説明する。先ず第一の
範疇の発明について説明する。第一の範疇の発明におい
ては、水質検査用紙は小紙片の多種類の試験紙を疎水性
の台紙に固定したものである。試験紙は1列または複数
列に揃えて固定すると比較しやすく判定が容易であり好
ましい。台紙の色は、試験紙が発色したときに色を目視
で正確に判定できるように白色が好ましい。
【0013】試験紙に含まれる試薬は、目的に応じて各
試験紙ごとに異なるが、試験紙が検水で濡れると試薬が
検水に溶解して、検水中の成分と反応して発色する。こ
のとき溶解液が隣接する試験紙と接触すると呈色反応が
変化するので、検査が不正確になる。このため各試験紙
は3〜4mm離して固定し、さらに台紙は疎水性の材質
を使い、溶解液が互いに接触しないようにするのが好ま
しい。台紙の材質としては撥水処理した紙やプラスチッ
クシート等が例示できる。
【0014】本発明においては、検水で試験紙を濡らし
て発色させるには試験紙を検水に浸漬するのではなく、
小型スプーンまたは小型スポイトで一定量の検水を採取
して試験紙に滴下することにより行う。従来の方法で
は、試験紙を検水に入れて引き上げるが通常である。し
かしこのような従来法では検水が試験紙の下部へ流れ、
試験紙の濡れが不均一になる。また、このとき試薬の溶
解速度が速い場合には上部の試薬が下部へ流れ試薬が混
合し発色が不正確になる。水道水の流水のような場合、
流水が早いと試薬の溶出の恐れがあり試験紙と検水の接
触時間を短くしなければならない。そこで本発明では、
このような従来法の欠点を解消するために台紙をほぼ水
平に保ち、各試験紙に検水を滴下し各試験紙の吸水量を
常に一定にし色濃度を正確にするのである。
【0015】而して、検水を小紙片の試験紙に滴下する
とき、滴下量が多すぎると試験紙から検水が流れ出、滴
下量が少なすぎると検水の試験紙の四隅への拡散が遅れ
色むらができる。小紙片の試験紙に検水を滴下するには
滴下量が常に一定量で、かつ均一に発色する適量でなけ
ればならない。適量は試験紙の大きさと厚さに依る。滴
下手段としてはスポイトまたはピペット等を使うことが
考えられるが、通常の市販のスポイトまたはピペットの
1滴は約30〜50mgである。しかし本発明者の検討
によれば5〜8mm角の試験紙に約30〜50mg滴下
すると試験紙の上に検水が盛り上がり試験紙から流れ出
たりして安定せず滴下量としては多すぎる。また通常の
市販のスポイトとピペットによる滴下の操作は慣れてい
ないと誤って1滴以上滴下することがあり滴下量が変動
して濃度判定が不正確になる。5〜8mm角の試験紙に
適した滴下量は約10〜20mgである。
【0016】そこで本発明では確実に一定量の1滴を滴
下させるため小型スプーンまたは小型スポイトを用い
る。これらの1滴の量は0.01〜0.03mlとなる
ようにする。液滴量をこの範囲にするには、例えば小型
スプーンの場合はその材質やスプーン先端の大きさを適
宜変化させて実験を繰り返し、液滴量が上記の範囲にな
るように定めればよい。例えば、材質としては水に対す
る接触角が100゜以上のものが好ましく、先端部の幅
は3〜5mmが好ましい。小型スプーンの先端部は必ず
しも窪んでいる必要はなく、平らであっても差し支えな
い。小型スポイトの場合はスポイト先端の部分の肉厚や
内径を適宜変化させて実験を繰り返し、上記の範囲に入
るようにすればよい。例えば、先端の孔径は0.05〜
0.2mmが好ましく、肉厚は0.1〜0.3mmが好
ましい。また、スポイトのツマミ部分はあまり柔らかい
と1滴のみ滴下するのが難しいので、ある程度硬い方が
好ましい。この様な手段によって各試験紙に常に少量の
1滴を確実に一定量滴下することができ、また試験紙の
種類が増えても、小型スプーンまたは小型スポイトを使
うため各試験紙の吸水量が一定で試薬の混合が起きず色
濃度の判定が正確になる。
【0017】試験紙を使って検査をする場合に問題にな
るのは、試験紙の呈色する反応がpHによって影響を受
けることである。イオン試験紙に許容されるpHの範囲
は、各試験紙によって異なるが、多くの試験紙がpHの
1〜7の範囲で使われるので、検水のpHがこの範囲に
あればpH調整が不必要であるが、範囲外にあれば緩衝
剤で調整する必要がある。緩衝剤としては、例えばフタ
ル酸水素カリウムを使う場合、これの0.05molを
水に溶かして1リットルとするとpHが4になる。検水
が1ccのときには0.01gのフタル酸水素カリウム
を添加すればよい。しかしながら、紛状の緩衝剤でpH
を調整することは繁雑な操作であり、特に家庭での操作
としては不向きである。そこで、本発明の好ましい態様
においては、決められた重量の緩衝剤をあらかじめ小紙
片に含浸させた緩衝紙を用いてpH調整を行う。本発明
では小型スプーンまたは小型スポイトを使うので検水が
少量ですみpH調整が容易である。検査時には緩衝紙を
ピンセットで挟んで検水に入れればよい。
【0018】各試験紙の濃度に対応した色見本の色濃度
表はケースに貼付してもよい。また、検査項目が多く多
数の色濃度表を用意する必要があるときは、例えばプラ
スチックシートに貼付しこれをロールに巻いてケースに
収め、使用時に引き出すようにしてもよい。
【0019】次に第二の範疇の本発明について説明す
る。本発明における指示薬含浸基材とは各指示薬をアル
コール、エーテルなどの溶媒に溶解し基材に含浸させた
ものであり、これをそのまま用いてもよく、また基材か
ら溶液中の溶媒のみを蒸発させて用いてもよい。基材は
指示薬が発色したときに色が見やすいように白色のもの
が好ましく、かつ指示薬と検水の保水性をよくするため
吸水性の良い材質を用いる。このような材質としては例
えば紙、親水性のプラスチック繊維、親水性プラスチッ
クフォームが例示できる。指示薬含浸基材は台紙に固定
するが、台紙は液体の指示薬及び滴下された検水が含浸
基材から流れ出ないように疎水性のプラスチックを使
い、発色したときに色が見やすいように白色のものを使
うのが好ましい。含浸した指示薬の蒸発と変質を防ぐた
めと、含浸された指示薬が隣接する指示薬含浸基材に接
しないように指示薬含浸基材は非透光性シートで密閉し
て水質検査用シートとする。非透光性シートを用いるの
は、指示薬は長期間、太陽と空気に接すると変質する恐
れがあるためである。非透光性シートとは例えばプラス
チックとアルミ箔のラミネートのようにほとんど光を透
過しないものはもちろんのこと、例えば褐色なプラスチ
ックシートのように特に紫外線をほとんど透過しないよ
うなものも含まれる。
【0020】検査時には水質検査用シートから指示薬含
浸材を密閉した非透光性シートを剥がして各含浸紙に検
水を滴下するが、これについては第一の範疇の発明とほ
ぼ同様である。台紙及び小型スプーンまたは小型スポイ
トはケースに納める。
【0021】色濃度表は第一の範疇の発明と同様にケー
スに貼っておくと便利である。しかし、検査項目が多く
なると色濃度の種類も多くなりケースに貼付しきれなく
なる。この場合も第一の範疇の発明と同様に色濃度表を
巻き戻しツマミ付きシートに貼り、ロールに巻いて窓付
きケースに納め、巻き上げツマミと巻き戻しツマミで移
動させるとよい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面で本発明を説明する。
図1〜4は第一の範疇の本発明に関する図である。5〜
8mm角の小紙片の多種類の試験紙11は台紙12に図
1(a)に示すように1列に、または図1(b)に示す
ように複数列平行に並べて固定する。複数列固定したも
のは携帯に便利であるが、色濃度表との比較が不便であ
るので必ずしも複数列にする必要はない。1列分を多数
作り試験紙入れを多数室に分割して納めると取り扱いと
色濃度表との比較が容易である。
【0023】試験紙を固定した台紙は図2のケース21
の試験紙入れ22に納める。ケースにはその他に緩衝紙
入れ23、スプーンとピンセット入れ24が設けられ
る。図2の25はスプーンとピンセット入れの蓋である
が、必要に応じて検水の容器として用いることもでき
る。特に検水のpH調整が必要なときに使用する。26
は検水を採取して試験紙に滴下するための小型スプーン
である。なお、小型スプーンのかわりに小型スポイトで
も良いことはもちろんである。
【0024】ケース21には、また各試験紙の濃度に対
応した色見本の色濃度表27が貼られる。ただし、検査
項目が図1(a)のように1列で数種類あれば、色濃度
表は図2に示すようにケースに1枚固定してよいが、図
1(b)のように検査項目が10種類以上になると数枚
の色濃度表が必要になるのでケースに貼付することはほ
とんど不可能である。その場合は、例えば図3に示すよ
うに巻き戻しツマミ付きプラスチックシート31に数枚
の色濃度表27を1列に固定してケースに納め、シート
の一方の端33は巻き上げツマミ42に固定する。ケー
スの上部には図4に示すように色濃度表が見れるように
濃度表と同じ大きさの窓41が設けられ、巻き上げつま
み42と巻き戻しつまみ32を適宜回転させることによ
り必要な色濃度表を選択して見ることができる。
【0025】水質の簡易検査器の使用目的は、水質の安
全性を確認することである。試験紙を用いる場合、成分
濃度を定量することは困難であるか、色濃度表を使って
濃度範囲で濃度を半定量することができる。前記のよう
に各水質成分の安全値は水質基準で規定されており、例
えば、pHは5.8以上8.6以下、鉄は0.3mg/
l以下という範囲で規定されている。安全性を確認する
には、pHの試験紙が5.8〜8.6の範囲で呈色する
色を示しておけばよい。勿論、5.8以下の色と8.6
以上の色を同時に示すのも良い。色濃度表の濃度の種類
は検査項目によって変わるが、例えば鉄の水質基準は
0.3mg/l以下であるが色濃度表で0.2、0.
5、1、2、5mg/lの5種類を示し目視で半定量す
る。色濃度表には各成分の水質基準で呈する色と基準以
外で示す色を表示しておけば水質の安全性を確認でき
る。
【0026】図5〜9は第二の範疇の本発明に関する図
である。図5は水質検査用シート50の断面図である。
51は5〜8mm角の指示薬含浸基材であり、図6に示
すように多種類の指示薬含浸基材が1列に平行に並べて
台紙61に接着剤52で固定されている。指示薬含浸基
材周辺の台紙には粘着剤53を塗布し非透光性シート5
4を被せて密閉されている。水質検査用シート50及び
小型スポイト71は図7のケース72の水質検査用シー
ト入れ74とスポイト入れ75に納められる。もちろ
ん、小型スポイトにかえて小型スプーンを用いてもよ
い。73は色濃度表で、図7においては検査項目が5種
類の場合で、色濃度の種類は25種であるので図7のよ
うにケースに色濃度表を貼っておくと便利である。しか
し、検査項目が例えば15項目になると色濃度の種類は
75種にもなり図7の方法では表示ができない。この場
合、第一の範疇の発明と同様に、図8に示すように数枚
の色濃度表を巻き戻しツマミ81付きのロールに巻いた
シートに貼り、これを図9に示すケースに納める。ケー
スには色濃度表用の窓91が設けられており、色濃度表
は巻き上げツマミ92と巻き戻しツマミ81で移動させ
る。
【0027】前記のように、簡易水質検査器の使用目的
は水質の安全性を確認することである。指示薬を用いる
場合、成分濃度を定量することは困難であるが、濃度範
囲で濃度を半定量することができる。各水質成分の安全
値は、水質基準で規定されている。例えば、pHは5.
8以上8.6以下、銅は1.0mg/l以下という範囲
で規定されている。安全性を確認するには、pHの指示
薬が5.8〜8.6の範囲で呈色する色を目視できれば
よい。従って、色濃度表にはpHについては5.8〜
8.6の範囲の色を示しておけばよい。勿論、同時に
5.8未満の色と8.6を越える色を示しておいてもよ
い。また、銅の水質基準は1.0mg/1以下である
が、指示薬に対応する濃度は例えば0.5、1、5、1
0、20mg/lの5種類の色を色濃度表に示し、目視
で半定量する。色濃度表には、各成分の水質基準で呈す
る色と、基準以外で示す数種類の色を表示しておけば、
水質の安全性を確認できる。
【0028】
【実施例】
実施例1 水質の簡易キットの検査項目として、pH、銅、ニッケ
ル、全塩素、亜硝酸を選び、試験紙は市販のものを用い
る。pHの試験紙として、pH測定有効範囲が5.0〜
8.0のメチルレッドとブロムチモールブルーの混合タ
イプを使う。水道水は、通常この範囲にあるので水質基
準に近い範囲のものを選ぶ。色は、この範囲で赤色から
緑色に変化し、色濃度表には、5.0、5.8、6.
6、7.4、8.0の5種類を選ぶ。銅の基準値は、
1.0mg/l以下であり、試験紙として、Cu++を測
定するものを選び、試験紙を使える検水のpHの範囲が
3〜5、測定範囲が0、10、20、50、100pp
mで、この範囲で黄褐色から黒褐色へ変化する。色濃度
表には、5種類の色見本を示す。ニッケル、全塩素、亜
硝酸の各々についても5種類の濃度を選び、色濃度表に
示す。
【0029】イオンを検査する4種類の試験紙で、試験
紙を使える検水のpHが共通する範囲はpH=4であ
る。そこで緩衝剤として、フタル酸水素ナトリウムを使
う。5mm角の紙片に1枚当たり0.01gの緩衝剤を
含浸させた緩衝紙を用意する。多数の緩衝紙は直径10
mm、長さ20mmの容器に納めケースに固定する。6
mm角の上記の5種類の試験紙を幅9mm、長さ60m
m、厚さ0.3mmの白色のプラスチック台紙に幅3m
mの間隔で平行に貼ったものを多数用意する。この台紙
を図2のケースに納める。
【0030】水道水の検査は次のように行う。台紙をケ
ースから取り出し水平に保持し、採取容器に検水を1c
c採取し、初めに先端部の幅が5mmの小型スプーンで
検水をpH試験紙に滴下しpHを検査する。pHが試験
紙の範囲外であれば、採取容器にピンセットで緩衝紙を
1枚入れピンセットに挟んだまま静かに数回動かす。さ
らに小型スプーンで検水を採取し、銅、ニッケル、全塩
素、亜硝酸の各イオン試験紙に検水を滴下する。各試験
紙の呈した色と色濃度表の色を比較し各イオンの濃度を
半定量する。
【0031】実施例2 pH、硬度、銅、ニッケル、コバルト、錫、全塩素、亜
硝酸、硝酸、亜硫酸の10種類の6mm角の試験紙を幅
20mm、長さ60mm、厚さ0.3mmの白色のプラ
スチック台紙に2列に固定する。各試験紙の5種類の濃
度に対応する各25種類の色濃度表2枚を巻き戻しツマ
ミ付きロールに巻いた白色のプラスチックシートに固定
して、図4のケースに納める。台紙をケースから取り出
し水平に保持し、検水を1cc採取容器で採取し、始め
にpH試験紙に先端の幅が5mmの小型スプーンで検水
を滴下してpHを検査する。pHの検査後、ピンセット
で緩衝紙1枚を取り出し採取容器入れる。小型スプーン
で検水を採取し、各試験紙に検水を滴下する。各試験紙
の呈した色とツマミを回して各色濃度表の色とを比較し
各イオンの濃度を半定量する。
【0032】実施例3 5枚の6mm角の吸水性の白色の紙片である基材を幅1
0mm、長さ65mm、厚さ0.3mmの白色のプラス
チック板に4mmの間隔で平行に接着剤で固定し、p
H、全硬度、塩素、鉄、亜硝酸の指示薬をそれぞれの紙
片にしみ込ませる。含浸した紙片の周辺部に粘着剤を塗
布し、この上に同じ寸法のラミネートの非透光性のシー
トを被せ密閉し水質検査シートとする。この水質検査シ
ートを図7のケースの水質検査シート入れに、また小型
スポイトをケースのスポイト入れに納める。スポイト入
れの蓋は検水の採取容器としても使う。ケースにはp
H、全硬度、塩素、鉄、亜硝酸の各々の5種類の濃度に
対応した色濃度表を貼る。検査時、上面のプラスチック
シートを剥がし、検水を採取容器で採取し小型スポイト
で各含浸基材に1滴づつ滴下する。各含浸基材の呈する
色と色濃度表を比較し各濃度を半定量する。
【0033】実施例4 16枚の6mm角の吸水性の白色の紙片である基材を各
4枚づつ幅10mm、長さ65mm、厚さ0.3mmの
白色のプラスチック板に4mm間隔で1列に平行に接着
剤で固定し、pH、全硬度、塩素、鉄、銅、亜鉛、クロ
ム、ニッケル、マンガン、亜硝酸、硝酸、りん酸、硫
酸、フッ素、シアン、CODの指示薬をそれぞれの紙片
に含浸させる。各含浸基材の周辺に粘着剤を塗布し、こ
の上に同じ寸法のラミネートの非透光性のシートを被せ
密閉し水質検査シートとする。各水質検査シートを図9
のケースの含浸紙入れに、小型スポイトをケースのスポ
イト入れに納める。各検査項目に対し、各々5種類の濃
度を選択し、1列毎に対応する色濃度表4枚を作成す
る。これを巻き戻しツマミ付きロールに巻いた幅50m
m、長さ350mmの白色シートに平行に貼り図9のケ
ースに納める。検査時、上面のシートを剥がし検水を小
型スポイトで各含浸基材に滴下する。巻き戻しツマミと
巻き上げツマミを回して各含浸基材と色濃度表を比較し
各濃度を半定量する。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、水質の多種類の検査項
目を少量の検水で正確かつ簡単に検査できる小型で携帯
に適した水質の簡易検査法である。さらに第一の範疇の
発明は試験紙法を用いるが、各試験紙の検水の吸水量が
常に一定で試薬の混合が起きず少量の検水で多数の検査
項目を1回のpH調整で簡単に検査できる。また、試験
紙の種類が増えても、小型スプーンまたは小型スポイト
を使うため各試験紙の吸水量が一定で試薬の混合が起き
ず色濃度の判定が正確になる。さらに第二の範疇の発明
は、高価指示薬の使用量が極めて少ない量で検査がで
き、長期の保存にも変質の恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験紙を固定した台紙を表した図である。
【図2】第一の範疇の発明の検査キットの外観図であ
る。
【図3】ツマミ付きロールに巻かれたプラスチックシー
トに固定された色濃度表を表した図である。
【図4】ロールに巻かれたプラスチックシートに固定さ
れた色濃度表が納められた検査キットの外観図である。
【図5】水質検査用シートの断面図である。
【図6】水質検査用シートの斜視図である。
【図7】第二の範疇の発明の検査キットの外観図であ
る。
【図8】複数の色濃度表が固定されたロールに巻かれた
プラスチックシートを表した図である。
【図9】複数の色濃度表が固定されたロールに巻かれた
プラスチックシートを用いた第二の範疇の発明の検査キ
ットの外観図である。
【符号の説明】
11 試験紙 12,61 台紙 21,72 ケース 25 スプーンまたはスポイトとピンセット入
れの蓋 26 小型スプーン 27,73 色濃度表 31 プラスチックシート 32,81 巻き戻しツマミ 41,91 窓 42,92 巻き上げツマミ 50 水質検査用シート 51 指示薬含浸基材 54 非透光性シート 71 小型スポイト

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小紙片の多種類の試験紙を疎水性の台紙
    に固定した水質検査用紙と、色濃度表と、検水を秤量す
    るための小型スプーンまたは小型スポイトと、これらを
    収納または貼付するケースよりなる水質の検査キット。
  2. 【請求項2】 さらに緩衝剤を含浸させた吸水性緩衝材
    よりなる請求項1のキット。
  3. 【請求項3】 色濃度表はシートに固定され、該シート
    はツマミ付きロールに巻かれてケースに収納されてなる
    請求項1のキット。
  4. 【請求項4】 小型スプーンまたは小型スポイトは1滴
    の液滴量が0.01〜0.03mlとなるようにしたも
    のである請求項1のキット。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項のキットを
    用い、先ずpH試験紙に検水を小型スプーンまたは小型
    スポイトで滴下してpHを検定し、しかる後緩衝剤を含
    浸させた緩衝材により検水のpHを調整するかまたはし
    ないで、小型スプーンまたは小型スポイトにより検水を
    各試験紙に滴下することを特徴とする水質の検査方法。
  6. 【請求項6】 指示薬を白色の吸水性基材に含浸させた
    各種の指示薬含浸基材を白色の疎水性の台紙に固定し、
    その上面を非透光性シートで密閉してなる水質検査用シ
    ート。
  7. 【請求項7】 請求項6の水質検査用シートと、色濃度
    表と、検水を秤量するための小型スプーンまたは小型ス
    ポイトと、これらを収納または貼付するケースよりなる
    水質の検査キット。
  8. 【請求項8】 請求項6の水質検査用シートの上面のシ
    ートを剥がして小型スプーンまたは小型スポイトで含浸
    基材に検水を滴下することを特徴とする水質の検査方
    法。
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