JPH10271993A - 土壌汚染物質分解微生物、および土壌浄化方法 - Google Patents

土壌汚染物質分解微生物、および土壌浄化方法

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JPH10271993A
JPH10271993A JP9081537A JP8153797A JPH10271993A JP H10271993 A JPH10271993 A JP H10271993A JP 9081537 A JP9081537 A JP 9081537A JP 8153797 A JP8153797 A JP 8153797A JP H10271993 A JPH10271993 A JP H10271993A
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JP
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soil
microorganism
degrading
gene
phenol
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JP9081537A
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Nobuo Kato
暢夫 加藤
Eiji Yanase
英司 簗瀬
Yoshiyuki Sato
義幸 佐藤
Katsuhiro Aoyama
勝博 青山
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Tokyo Gas Co Ltd
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Tokyo Gas Co Ltd
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  • Saccharide Compounds (AREA)
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 土壌汚染物質分解遺伝子を担持し、かつ
他の微生物に転移することのできるベクターを有する土
壌汚染物質分解微生物、および該土壌汚染物質分解微生
物を土壌に添加することを特徴とする、土壌の浄化方
法。 【効果】 本発明の土壌汚染物質分解微生物を土壌に添
加すれば、該微生物の担持する土壌汚染物質分解遺伝子
が土壌に元来生息しているシュードモナス等の微生物に
導入されて、その微生物が土壌汚染物質分解能を獲得す
る。従って、フェノール類による土壌汚染を浄化するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌汚染物質分解
微生物および該微生物を用いた土壌浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、トリクロロエチレン,テトラクロ
ロエチレン等の揮発性有機塩素化合物、フェノール,ベ
ンゼン等の石油系炭化水素、カドミウム,鉛等の重金属
による土壌汚染が問題となっている。かかる汚染物質に
よる土壌・地下水等の環境汚染の浄化方法の一つとし
て、微生物が持つ有害化学物質分解能を活用することに
より汚染物質を分解し、無害化する技術であるバイオレ
メディエーションが知られている。バイオレメディエー
ションにおいては、通常汚染サイトに生息している微生
物群 (Consortia)を活性化(Biostimulation)させて有害
化学物質を分解する。しかしながら、汚染サイトに適当
な微生物が存在しない場合や難分解性の化学物質を分解
する特殊な微生物が必要な場合には、人工的に培養した
微生物を用いる (Bioaugmentation)。ここで用いられる
微生物としては、主として自然界から分離された天然微
生物であるが、組換え微生物も利用される。組換え微生
物は、通常は汚染物質分解遺伝子を導入することにより
作製する。しかし、このような組換え微生物を土壌に添
加しても汚染サイトに元来生息している微生物の方が強
く、なかなかその分解能を発揮できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、汚染された土壌に添加した場合に有効に土壌汚染物
質分解能を発揮しうる土壌汚染物質分解微生物、および
該微生物を用いた土壌浄化方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、土壌汚染物質分解
遺伝子を担持し、かつ他の微生物に転移することのでき
るベクターを有する微生物やファージを土壌に添加すれ
ば、該遺伝子が土壌に元来生息している微生物に導入さ
れて、その微生物が土壌汚染物質分解能を獲得して汚染
を浄化することができることを見い出し、本発明を完成
させるに至った。
【0005】すなわち、本発明は、土壌汚染物質分解遺
伝子を担持し、かつ他の微生物に転移することのできる
ベクターを有する土壌汚染物質分解微生物、および該土
壌汚染物質分解微生物を土壌に添加することを特徴とす
る、土壌の浄化方法である。以下、本発明を詳細に説明
する。
【0006】
【発明の実施の形態】
1. 土壌汚染物質分解遺伝子の単離 本発明にいう土壌汚染物質分解遺伝子は、ベンゼン、フ
ェノールの他、プロピル−フェノール、イソプロピル−
フェノール、エチル−フェノール、キシレノール、オル
ソ−クレゾール、メタ−クレゾール、パラ−クレゾール
等の置換フェノール、カテコール等のフェノール代謝中
間体に作用してこれらを分解する酵素をコードする遺伝
子であれば特に限定はされない。具体的には、リゾービ
アセア エスピー(Rhizobidaceae sp.) 501株(微工研
菌寄第11778 号) を由来とするフェノール分解酵素遺伝
子を用いることができ、以下の工程を経て取得できる。
【0007】(i) 上記の微生物からDNAを分離・精
製し、該DNAを制限酵素を用いて切断したものと、リ
ニヤーなベクターとを両DNAの接着末端部においてD
NAリガーゼによって結合閉環させて組換えベクターを
得、(ii) 該組換えベクターを複製可能な宿主微生物に
導入し、フェノールを分解して蓄積される代謝中間体
(カテコール、2−ヒドロキシムコン酸セミアルデヒ
ド)の呈色(茶色、黄色)を指標として、該組換えベク
ターを保持する微生物を単離し、そして、(iii)該微生
物培養菌体から該組換えベクターを分離・精製し、これ
より制限酵素にて目的とするDNA断片を切り出す。
【0008】以下に、上記取得方法を詳細に説明する。
まず、供与微生物である上述した細菌を例えば液体培地
で約1〜2日間通気撹拌培養し、得られる培養物を遠心
分離して集菌し、次いでこれを溶菌させることにより目
的とする遺伝子含有溶菌物を調製することができる。溶
菌方法としては、例えばリゾチームなどの細胞壁溶解酵
素により処理を施し、必要によりプロテアーゼなどの他
の酵素やラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤を併
用する。さらに細胞壁の物理的破壊方法である凍結融解
やフレンチプレス処理を上述の溶菌法と組合わせて行っ
てもよい。
【0009】このようにして得られた溶菌物からDNA
を分離・精製するには常法に従って、例えばフェノール
抽出による除蛋白処理、プロテアーゼ処理、リボヌクレ
アーゼ処理、アルコール沈殿遠心分離などの方法を適宜
組合わせることにより行うことができる。
【0010】分離・精製された微生物のDNAを適当な
制限酵素(例えばSau3AI) で処理し、部分分解を行った
後、ショ糖密度勾配超遠心法で分画して6〜20kbp の断
片を得る。
【0011】得られたDNA断片を組込むベクターとし
ては、宿主微生物で自律的に増殖しうるファージまたは
プラスミドから遺伝子組換え用として構築されたものが
適している。ファージとしては、例えばエシェリシア・
コリー (E.coli) を宿主微生物とする場合にはM13mp18
、λgt10、λgt11などが使用できる。プラスミドとし
ては、例えばE.coliを宿主微生物とする場合にはpBR32
2、pACYC184、pUC118、pBluescript などが使用でき
る。 本発明においては、目的とするDNA断片が大き
いため、コスミドベクターを使用することが好ましく、
具体的には、pLAFR3(B. Staskawicz et al., J. Bater
iol. 169, 5789-5794 (1987) [88058799]) 、pAT5 (東
洋紡績社製)、pWE15(ストラタジーン社製)などが使用
できる。このようなベクターを先に述べたフェノール分
解酵素遺伝子供与体である微生物DNAの制限酵素処理
断片に対して接着末端を生じさせるような制限酵素で切
断してベクター断片を得る。
【0012】微生物DNA断片とベクター断片とを結合
させる方法は、公知のDNAリガーゼを用いる方法であ
ればよく、例えば微生物DNA断片の接着末端とベクタ
ー断片の接着末端とをアニーリングした後、適当なDN
Aリガーゼの使用により微生物DNA断片とベクター断
片との組換えDNAを作成する。必要ならばアニーリン
グの後、宿主微生物に移して、生体内のDNAリガーゼ
を利用し、組換えDNAを作成することもできる。
【0013】組み換えDNAを導入する宿主微生物とし
ては、組換えDNAが安定かつ自律的に増殖可能であれ
ばよく、例えばE.coli XL1-Blue 、E.coli JM109、E.co
li HB101などが利用できる。
【0014】宿主微生物に組換えDNAを導入する方法
としては、例えば宿主微生物がE.coliの場合には、市販
のコンピテントセルを用いて組換えDNAの導入を行
い、さらにエレクトロポレーション法を用いてもよい。
【0015】目的とする組換えDNAが導入されている
宿主微生物の選択は、組換えDNAを保持するベクター
の薬剤耐性マーカーとフェノール分解酵素とを同時に発
現しうる微生物を検索する方法、あるいは選択培地に生
育したコロニーについて、一部配列決定したアミノ酸配
列をもとに合成したDNAプローブとハイブリダイゼー
ションを行い検索する方法などが挙げられる。本発明に
おいては、フェノール分解酵素の発現は、フェノールの
分解によって蓄積される代謝中間体であるカテコール、
2−ヒドロキシムコン酸セミアルデヒドの呈色(茶色、
黄色)を指標に確認する。
【0016】次に、上記の選択で陽性が確認されたコロ
ニーから組換えDNAを採取し、種々の制限酵素で消化
した断片をpBluescriptSK(+)プラスミドベクターにサブ
クローニングし、E.coli XL1-Blue 細胞に導入する。目
的とするDNA断片の制限酵素地図は、各サブクローン
株のフェノール分解活性と該株に挿入されている制限酵
素断片とを比較解析することにより作成することができ
る。目的とするDNA断片は、大きさが約6kbであっ
て、下記に示す制限酵素地図を有していた。
【0017】
【化3】
【0018】2. 転移ベクターの構築 供与微生物である上記の細菌から分離・精製された微生
物のDNA断片を制限酵素Sau3AIで処理したものを、広
宿主域ベクター、例えばpLAFR3 [B.Staskawiczet al.,
J. Bacteriol., 169, 5789-5794 (1987)]を制限酵素Eco
RI とHindIIIでそれぞれ消化し、脱リン酸処理を行った
後、いずれもBamHI で二重消化し、BamHI アームを調製
したものと混合し、DNAリガーゼで結合することによ
り、土壌汚染物質分解遺伝子を担持し、かつ他の微生物
に転移することのできる転移ベクターを得る。ここで使
用される広宿主域ベクターとしては、pSUP101 、pSUP30
1 、pSUP401 、pSUP201-1 、pSUP201-3 、pSUP202 、pS
UP203 、pSUP205 [R.Simon et al., Bio/technology, N
ov., 784-791 (1983)]、pLAFR1 [A.M.Friedman et al.,
Gene, 18, 289-296 (1982)]でもよい。
【0019】3. 土壌汚染物質分解微生物の調製 上記の転移ベクターを導入する微生物としては、IncPタ
イプの移動能(Mab+)と自己伝達能 (tra+) を有する遺伝
子RP1、RP4、RK2のいずれかを保持する大腸
菌、あるいは上記遺伝子のいずれかを染色体DNA上に
組み込んだ大腸菌であれば特に限定されないが、例え
ば、 E.coli S17-1 、E.coli SM10 、 E.coli S68-7 が
用いられる。かくして土壌汚染物質分解遺伝子を担持
し、かつ他の微生物に転移することのできるベクターを
有する土壌汚染物質分解微生物が提供される。得られた
土壌汚染物質分解微生物はそのまま汚染土壌に播種、混
合することにより土壌の浄化処理に使用できる。
【0020】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
【実施例】
〔実施例1〕(土壌汚染物質分解微生物の調製) リゾービアセア エスピー(Rhizobiaceae sp.) 501 株
(微工研菌寄第11778号) の染色体DNAを次の方法で
分離した。まず、同菌株をL−ブロス培地(バクトペプ
トン1%、バクト酵母エキス0.5%、人工海水、フェノール
200ppm, pH7)に接種し、50℃にて24時間振盪培養後、得
られた菌体を集菌し、滅菌水で洗浄した。
【0022】次にこの菌体の水分を濾紙により除去した
後、液体窒素中で破砕した。この菌体破砕物をTE溶液
(10mM Tris-HCl 、1mM EDTA、pH8.0)に懸濁した後、プ
ロテアーゼK溶液、溶菌溶液(0.5%SDS, 50mM EDTA)を等
量加えて穏やかに攪拌し、37℃で30分放置した。得られ
た溶菌液を3,000rpm, 20分間遠心分離後、上清を取得し
た。その上清を等量のフェノール・クロロホルム混合液
で2回処理し、夾雑するタンパク質を除去後、2.5 倍容
の冷エタノールを加えDNAを沈殿させた。この沈殿物
を0.1mg /ml のリボヌレクレアーゼを含むTE溶液に穏
やかに溶解して30℃で30分間反応させた。この溶液をフ
ェノール・クロロホルム混合液で再び処理し、2.5 倍容
の冷エタノールを添加し、生じた染色体DNAをパスツ
ールピペットで巻き取った。このDNAを乾燥後、TE
溶液に溶解し、染色体DNA溶液を調製した。
【0023】得られたDNAをSau3AIで部分分解後、分
解断片を5 〜20%のショ糖密度勾配超遠心法により約20k
bの染色体DNA断片を調製した。一方、コスミドベク
ターpLAFR3 [B. Staskawicz et al., J. Bateriol. 16
9,5789-5794 (1987)] は、大量培養し、塩化セシウム密
度勾配遠心法により単離を行い、EcoRI とHindIII でそ
れぞれ消化し、脱リン酸処理を行った後、いずれもBamH
I で二重消化し、BamHI アームを調製した。得られた2
種類のアームを前記DNA断片と混合し、T4DNAリ
ガーゼ(東洋紡績社製)で、16℃で一晩ライゲーション
を行った。得られたファージDNAをインビトロパッケ
ージングキット(ギガパックゴールド,東洋紡績社製)
を用いてパッケージングした後、E. coli S17-1 株に前
記ファージを感染させ、染色体DNAのジーンライブラ
リーを作製した。
【0024】上記の染色体DNAのジーンライブラリー
から、フェノールを分解して蓄積される代謝中間体(カ
テコール、2−ヒドロキシムコン酸セミアルデヒド)の
呈色(黄色)を指標に、フェノール分解酵素遺伝子を含
むクローンの選択を行った。約10,000個のコロニーの中
から、3個の陽性クローンを選択できた。
【0025】得られた3つの陽性クローンから組換えコ
スミドベクターを抽出して、pLPH1、pLPH2 、pLPH3 と
した。pLPH1 、pLPH2 、pLPH3 をそれぞれ制限酵素Hind
III で消化し、アガロースゲル電気泳動解析することに
より、コスミドベクターpLAFR3への501 株由来DNA断
片の挿入を確認した。上記解析による挿入断片の分子量
からpLPH1 、pLPH2 、pLPH3 には、それぞれ25kb、22k
b、25kbの501 株由来DNAが挿入されていることがわ
かった。pLPH2 の制限酵素地図を以下に示す。
【0026】
【化4】
【0027】次に、上記の形質転換株(pLPH1/E.coli、
pLPH2/E.coli、pLPH3/E.coli)のフェノール分解性の確
認を、Tc(12.5μg/ml) 、フェノール(最終濃度、10
0ppm) を添加した3ml LB液体培地にて37℃で振盪培養
を行い、24時間毎に培養液から500 μl づつサンプリン
グし、培養液中の残存フェノール濃度を4−アミノアン
チピリン法で測定することにより行った。いずれの形質
転換株においても48時間の培養でフェノールは40ppm ま
で分解されるとともに、フェノール分解代謝物の蓄積に
より培養液が黄色を呈した(図1)。
【0028】以上の結果から、pLPH1 、pLPH2 、pLPH3
にはフェノール分解酵素遺伝子がコードされていること
が明らかとなった。尚、形質転換株pLPH2/E.coliは工業
技術院生命工学工業技術研究所に平成9年3月27日付け
でFERM P-16161として寄託されている。 〔実施例2〕(フェノール分解酵素遺伝子の他の微生物
への転移) (1) 土壌汚染物質分解微生物とシュードモナスの接合 実施例1で得られた形質転換株pLPH1/E.coli、pLPH2/E.
coli、pLPH3/E.coliをドナーに、土壌常在菌であるシュ
ードモナスの一株であるPseudomonas. putidaKT2440を
レシピエントに用い、フェノール分解酵素遺伝子をシュ
ードモナスへ以下のようにして接合伝達法により導入し
た。
【0029】まず、ドナー菌をLB培地(Tc 12.5 μ
g/ml) にて37℃で一晩振盪培養し、その1/10量を新しい
LB培地(Tc 12.5 μg/ml) に植菌し、37℃で5時間
静置させたものと、レシピエント菌をLB培地にて30℃
で一晩振盪培養し、その1/10量を新しいLB培地に植菌
し、30℃で5時間振盪培養させたものを、滅菌した遠心
管にそれぞれ1 mlづつ加えた。4,000rpm, 室温で5分間
遠心分離し、無菌的に上清を除き、30℃で5時間静置さ
せたものを滅菌済の0.85% NaClで懸濁し、LB培地(T
c 12.5 μg/ml、Amp 50 μg/ml、フェノール100 pp
m 含有)にプレーティングした。これを30℃で一晩イン
キュベートし、約2,000 個のコロニーを得た。これらの
コロニーは全て黄色を呈していた。
【0030】(2) シュードモナスのフェノール分解性 ドナー菌よりフェノール分解酵素遺伝子を接合伝達され
たシュードモナス(pLPH1/P.putida、pLPH2/P.putida、
pLPH3/P.putida) のフェノール分解性を調べたところ、
フェノール分解活性が認められた(図2)。この結果よ
り、本遺伝子は大腸菌からシュードモナスに転移したこ
とがわかる。
【0031】〔実施例3〕(フェノール分解酵素遺伝子
のクローニング) 実施例1で行ったフェノール分解活性測定で高い分解性
を示し、比較的挿入DNA断片の短いpLPH2 をサブクロ
ーニングに用いた。サブクローニングのためのベクター
にはpBluescript SK+ 、宿主にはE. coli XL1-Blueを用
いた。インサートであるpLPH2 およびベクターであるpB
luescript SK+ のプラスミド単離を行い、インサートと
ベクターをHindIII により制限酵素消化し、ベクターの
脱リン酸処理を行った。これをT4DNAリガーゼで16
℃で一晩ライゲーションを行い、HindIII 制限酵素断片
が組み込まれたベクターを調製し、pBPHH1とした。この
ベクターをコンピテントセル化したE.coli XL1-Blue に
形質転換し、pBPHH1/E.coli とした。このpBPHH1/E.col
i をAmp(50μg/ml) 、フェノール(最終濃度:100p
pm) を添加した3ml のLB液体培地にて、37℃で振盪培
養を行い、12時間毎に500 μl ずつサンプリングし、4
−アミノアンチピリン法で残存フェノール濃度を測定し
たところ、高いフェノール分解活性が確認された(特願
平9−47807号)。尚、形質転換株pBPHH1/E.coli
は工業技術院生命工学工業技術研究所に平成9年2月27
日付けでFERM P-16100として寄託されている。
【0032】
【発明の効果】本発明の土壌汚染物質分解微生物を土壌
に添加すれば、該微生物の担持する土壌汚染物質分解遺
伝子が土壌に元来生息しているシュードモナス等の微生
物に導入されて、その微生物が土壌汚染物質分解能を獲
得する。従って、フェノール類による土壌汚染を浄化す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 pLPH1 、pLPH2 、pLPH3 を導入した大腸菌株
のフェノール分解活性を示す。
【図2】 pLPH1 、pLPH2 、pLPH3 が接合伝達されたシ
ュードモナス株のフェノール分解活性を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 1/21 B09B 3/00 ZABE //(C12N 15/09 C12R 1:01) (C12N 1/21 C12R 1:19) (72)発明者 青山 勝博 東京都目黒区中目黒4丁目13番21号 アー バンハイツ中目黒A棟806号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土壌汚染物質分解遺伝子を担持し、かつ
    他の微生物に転移することのできるベクターを有する土
    壌汚染物質分解微生物。
  2. 【請求項2】 土壌汚染物質分解遺伝子を担持し、かつ
    他の微生物に転移することのできるベクターが、下記に
    示す制限酵素地図を有することを特徴とする、請求項1
    記載の土壌汚染物質分解微生物。 【化1】
  3. 【請求項3】 土壌汚染物質分解遺伝子が、リゾービア
    セア エスピー(Rhizobiaceae sp.) 501 株(微工研菌
    寄第11778 号) を由来とし、大きさが約6kbであっ
    て、下記に示す制限酵素地図を有することを特徴とす
    る、フェノール分解酵素遺伝子を含有するDNA断片で
    ある請求項1記載の土壌汚染物質分解微生物。 【化2】
  4. 【請求項4】 土壌汚染物質分解微生物が、エシェリシ
    ア・コリー (E.coli) S17-1 である請求項1記載の土壌
    汚染物質分解微生物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の土壌汚染物質分解微生物
    を土壌に添加することを特徴とする、土壌の浄化方法。
JP9081537A 1997-03-31 1997-03-31 土壌汚染物質分解微生物、および土壌浄化方法 Pending JPH10271993A (ja)

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