JPH10271351A - 色情報交換方法およびデバイス特性調整方法 - Google Patents

色情報交換方法およびデバイス特性調整方法

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JPH10271351A
JPH10271351A JP9085633A JP8563397A JPH10271351A JP H10271351 A JPH10271351 A JP H10271351A JP 9085633 A JP9085633 A JP 9085633A JP 8563397 A JP8563397 A JP 8563397A JP H10271351 A JPH10271351 A JP H10271351A
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修 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一意的に色域マッピングの方法を決定で
き、かつ観察条件の違いを吸収する実用的な対応色予測
を可能にすること。 【解決手段】 発信デバイス、受信デバイスごとに色信
号データが形成する色空間を観察者が知覚する色のまと
まりで複数の色カテゴリに分割し、発信デバイスが発信
する色情報である発信色ベクトルが各色カテゴリから発
生する発生確率により発信色ベクトルが属する色カテゴ
リを決定し、発信色ベクトルが属する色カテゴリと同一
の色カテゴリ内から発生する受信デバイスの色信号デー
タ群の中から、受信デバイスの各色カテゴリの重心点と
の位置関係が発信色ベクトルが発信デバイスの各色カテ
ゴリの重心点と持つ位置関係に最も近くなるような色信
号データを受信色ベクトルとして選び出し色情報を交換
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ、スキャ
ナ、モニタ、プリンタなど、あらゆる入力画像機器ある
いは出力画像機器に使用できる色再現、色調整に関する
技術である。
【0002】
【従来の技術】近年、あらゆる画像機器のカラー化が進
み、オフィスユースでもホームユースでもカラー映像、
カラードキュメントを利用する機会が増えてきた。これ
に伴い、各デバイス単体の色再現技術も発展を示し、高
性能化が著しい。
【0003】ところがネットワーク技術の進歩と社会的
利用の増加から、オープンシステムが出現し、これまで
個々のデバイスで成長してきた色再現、色調整技術の融
合が次なる課題として浮上している。たとえば、NTSC信
号はこれまでブロードキャスト型の色情報伝達にのみ使
用されてきた。この場合、色情報を受信する側は規格に
よって色の管理が十分なされており、色管理は発信側の
放送局のみが実施すればよい。ところが、高帯域型のネ
ットワークインフラストラクチャの構築により、双方向
型の色情報伝達が利用されつつあり、各家庭、各オフィ
スが情報発信元となり、これまで専門知識を有する放送
局が行ってきた色管理を各家庭、各オフィスでもある程
度、実現しなければならない。具体的には発信したい情
報、たとえば写真などを発信者自身が色再現性を劣化さ
せることなくNTSC信号に変換しなければならないのであ
る。さらにNTSC信号への変換のみならず、オープンシス
テムでの色情報交換はあらゆる色信号の相互接続を必要
とする。
【0004】このようなカラーコミュニケーションのオ
ープン化に起因する色再現、色調整の問題のうち、「各
デバイス間の色再現範囲の違い」と「観察環境の違い」
は大きな課題として上げられる。
【0005】まず最初に「各デバイス間の色再現範囲の
違い」について説明する。一般にCRTディスプレイは
印刷物にくらべ色再現範囲が広く、鮮やかな色を表示す
ることができる。そこでCG(Computer Graphic)画像
をプリンタで印刷したい場合、デザイナの意図した色が
印刷物上で表現できないという問題が発生する。一方、
印刷物はCRTにくらべて暗部、つまり輝度の低い部分で
階調性に優れ、CRT上に印刷物の絵を表示した場合、シ
ャドー部のディテイルの表現性に問題が発生する。この
ような各デバイス間での色再現範囲の違いの問題は、あ
るデバイスが物理的に色を提示できないという限界から
根本的には解決できない。しかし、前述したオープンシ
ステムにおいては、何の制約もなく、各デバイス間で色
情報のやり取りが行なわれる。よって、色再現性の劣化
を最小限に抑える形で何らかの処置を施さなければなら
ない。 このため、受信側のデバイスの色再現範囲を越
える色を色再現範囲内にマッピングする「色域マッピン
グ」は近年盛んに技術開発が進められている。
【0006】その一つに「CG画像における色域圧縮
(II)」(カラーフォーラムJAPAN'96要旨集P21〜 P
24)に記載された方法がある。これは
【数1】 なる色差式を定義し、この色差が最少になるような色信
号対で色域マッピングを行う方法である。(数1)にお
いて(L*1, H*1, C*1)はモニタ上のCG画像が持つ色
の測色値で、色域マッピングとは、色差△Eが最小にな
るような(L*2, H*2, C*2)をプリンタの色再現域内で
決定することである。数組の(Kl, Kh, Kc)を設定
してマッピングの条件を変え、原画像と再現画像の比較
を行ったところ、Kc ≧ Kh ≧ Klと設定した場
合、主観的に好ましい色域マッピングが実現できたと報
告されている。Kc ≧ Kh ≧ Klなるマッピング
方法は参考文献の文章をそのまま引用すると、「明度は
なるべく一定にし、色相もある程度変化させながら彩度
方向に圧縮する」といった表現になる。
【0007】また「日経エレクトロニクス no.570、
1992.12.21」のP101には、図12に示すように明度、色
相を一定に保ち、彩度のみを調整し、色再現範囲の外縁
にマッピングする方法、図13に示すように色空間の重
心部を目指して全点を滑らかに圧縮して彩度低下を回避
してマッピング点を決定する方法などが示されている。
【0008】以上、紹介した従来の方法はすべて、マッ
ピング方向を決定する際、明度、色相、彩度の色の三属
性の保存の度合いに注目している。根本的には各デバイ
ス間で全く同一の色を持つ画像が再現できないため、ど
の属性の保存を優先させれば、あるいはどの属性の劣化
を優先させれば再現画像の見た目の印象がより良くなる
のかといった判断基準からマッピングの方法を決定して
いる。図12の場合は明度、色相の保存に重きをおき、
彩度の低下を犠牲にしている。よって上記、従来例では
すべて3つの色の属性の調整量を複数設定し、その全組
み合わせで再現画像を作成し、最も主観評価の高い再現
画像に用いた三属性の調整量をマッピング方法として採
用するといった手順が取られる。
【0009】次に「観察環境の違い」について説明す
る。国際照明委員会CIEが定める測色系は色再現系の設
計において有効に活用されている。2つの色の測色値が
一致すれば、その2つの色は同じであると判断できる。
しかし、現在までのところ、CIEが勧告した測色系はす
べて照明条件を固定したものであって、異なった照明下
に提示された2つの測色値はくらべることができない。
たとえば蛍光灯に照らされた原画像と白熱灯に照らされ
た再現画像の色の比較を測色値で評価することはできな
い。
【0010】ところが実生活の中で、全く同じ照明状
態、さらには観察画像の背景の状態や観察距離などから
なる「観察環境」が全く同一であるシーンを見つけだす
ことは極めて困難である。日中と夜更けに、同じディス
プレイで同じCG画像を観察した場合、ディスプレイの
表面で反射される光の量が異なるため、ディスプレイの
蛍光体単独の発光特性が一定であってもコントラスト、
色合い等が全く異なって見える。外光の影響も含めたモ
ニタの入出力特性が変化したのである。またネットワー
クを介した遠隔地間での色情報交換は、とりわけ異なる
観察環境間で色を制御する必要性が生じるケースであ
る。発信者側と受信者側で照明光源が異なるとき、両者
間で同じ色に知覚される色のペアを一般に「対応色」と
呼ぶ。そして発信者側の色が受信者側の照明光源で照ら
された場合、どのような色に見えるのかを予測すること
を「対応色予測」と呼ぶ。観察環境の変化による単一デ
バイスの入出力特性の変化も対応色予測の一形態であ
る。
【0011】この対応色予測は照明に対する視覚系の順
応状態の変化によって記述される(「色彩工学」(太田
登 著),東京電機大学出版局(1993年)P184 〜 P1
91)。von Kriesは照明光源の持つ三刺激値の比率に線
形に知覚色の三刺激値が変化するとして「順応方程式」
を提案した。また納谷は照度レベルと背景の反射率を順
応方程式のパラメータに加え、ヘルソンジャッド効果
(有彩色光で灰色スケールを照明すると、明るい灰色に
は照明光の色相を感じ、暗い灰色にはその補色の色相を
感じる)やステーブンス効果(無彩色の群を照度を変え
て照明すると、高照度では明るい灰色はより白色に、暗
い灰色はより黒色に見える)、そしてハント効果(有彩
色を照度を変えて照明すると、知覚される彩度(カラフ
ルネス)は照度に応じて上がって見える)などを予測で
きる非線形型の順応方程式により、対応色予測の精度を
向上させている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来方法による色域マッピング方法、そして対応色予測に
はいくつかの課題を残す。
【0013】まず色域マッピングは、色相、彩度、明度
の調整量と色再現性の間に一意的な関係が構築されてい
ないため、考えうるすべての調整量をテストしなければ
最良の色再現画像を特定することができない課題が存在
する。
【0014】また対応色予測は限られた観察条件下での
み使用可能であり、現実の利用状況に対して大きなギャ
ップを持ち、実用的なレベルに達していないという課題
を持つ。
【0015】本発明は上記従来技術の課題を解決するも
ので、一意的に色域マッピングの方法を決定でき、かつ
観察条件の違いを吸収する実用的な対応色予測を可能に
する色情報交換方法及びデバイス特性調整方法を提供す
ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】色域マッピングでは、各
デバイス間で根本的に同じ色を呈示できないため、それ
ぞれのデバイスにおける画像の全体的な印象ができるだ
け異ならないように色情報を交換することが目標とな
る。たとえば、色合いで表現すれば、CRT上で「赤い
花」は印刷物上でも「赤い花」であるべきで、「黄色い
花」や「オレンジ色の花」のように花の持つ色のカテゴ
リが異なることは好ましくない。さらに、CRT上で
「花の赤の方がりんごの赤より強い」とすると印刷物上
でも「花の赤の方がりんごの赤より強い」方が好まし
く、「花の赤の方がりんごの赤より弱い」場合は好まし
くない。
【0017】このように、色域マッピングにおいて画像
の全体的な印象ができるだけ異ならないようにするに
は、各デバイス間で、 (a)同一画素の色カテゴリが同じであること (b)画像全体にわたって色合いの反転、不連続が発生
しないこと が重要である。
【0018】そこで、本発明では、発信デバイス、受信
デバイスごとに色信号データが形成する色空間を観察者
が知覚する色のまとまりで複数の色カテゴリに分割し、
同一色カテゴリ間でのみ色情報を交換する。
【0019】つまり、発信デバイスで「赤」と知覚され
た画素の受信デバイスでのドライブ信号は、受信デバイ
ス上で「赤」と知覚される色信号データ群の中からのみ
選び出す。
【0020】また本発明は、同一色カテゴリ内から受信
色ベクトルを決定するには、発信色ベクトルが発信デバ
イス色空間内の全色カテゴリの重心点と持つ相対的な位
置関係によって決定する。
【0021】たとえば、「赤」と知覚された発信色ベク
トルとの位置が「赤」に似た「オレンジ」の色カテゴリ
の重心に近く、「赤」の補色である「緑」の色カテゴリ
の重心の方が遠い場合、受信色ベクトルには「緑」より
は「オレンジ」に近い色信号データを選ぶべきである。
そして、発信デバイスの色空間で発信色ベクトルと「オ
レンジ」の重心との距離が発信色ベクトルと「緑」の重
心との距離の1/2であった場合は、受信デバイス空間
で選ばれる受信色ベクトルが「オレンジ」の重心と持つ
距離は「緑」の重心との距離の1/2であるべきであ
る。
【0022】このように、発信色ベクトルが各色カテゴ
リの重心と持つ距離の相対的位置関係が受信デバイスの
色空間内でも成立するように各画素ごとの受信色ベクト
ルを選びだすことにより、「画像全体にわたって色合い
の反転、不連続」が発生しない色情報交換が実現でき
る。
【0023】また本発明では、色カテゴリを標準正規分
布によってモデリングする。観察者が知覚的に各色カテ
ゴリに分類した複数の色信号データ群で平均ベクトル、
分散共分散ベクトルを求め、各カテゴリごとに標準正規
分布を定義し、これを各色カテゴリからの色ベクトルの
発生確率とする。そしてある画素の色カテゴリは各色カ
テゴリが持つ発生確率のうち、最も確率の高い色カテゴ
リとする。
【0024】また本発明は、発信色ベクトルが各色カテ
ゴリの重心と持つ距離や受信色ベクトルが各色カテゴリ
の重心と持つ距離も平均値ベクトル、分散共分散ベクト
ルから求められるマハラノビス距離を用いる。
【0025】発信色信号が各色カテゴリの重心点と持つ
相対的位置関係は、全色カテゴリの重心点の平均として
与えられる全色カテゴリ重心点を求め、全色カテゴリ重
心点から発信色ベクトルまでのマハラノビス距離を前記
全色カテゴリ重心点から各色カテゴリ重心点までのマハ
ラノビス距離で割った正規化発信色距離で記述する。
【0026】受信色信号が各色カテゴリの重心点と持つ
相対的位置関係は、全色カテゴリの重心点の平均として
与えられる全色カテゴリ重心点を求め、全色カテゴリ重
心点から受信色ベクトルまでのマハラノビス距離を前記
全色カテゴリ重心点から各色カテゴリ重心点までのマハ
ラノビス距離で割った正規化受信色距離で記述する。
【0027】受信色ベクトルのマッピング点は、全色カ
テゴリに対する正規化受信色距離の大小関係が全色カテ
ゴリに対する正規化発信色距離と等しくなるように決定
する。
【0028】以上のように、本発明は観察者の応答から
色カテゴリを標準正規分布でモデリングすることによっ
て、任意の画素の色カテゴリが発信デバイス、受信デバ
イスにおいて決定でき、さらに発信色ベクトルと各色カ
テゴリの重心点が持つ相対的位置関係を受信デバイス側
でも維持することによって、従来の色域マッピング法で
は実現できない「一意性」を確保している。
【0029】なお色情報交換方法は対応色予測にも適用
できる。従来の対応色予測は照明などの観察環境が完全
にコントロールされた条件下でのみ実行が可能である
が、本発明は観察者による色カテゴリの分類を行なうこ
とによって、任意の観察環境下で対応色予測が実行でき
る。
【0030】また発信デバイスと受信デバイスがそれぞ
れ入出力特性の変化した単一デバイスの元状態と現状態
であると置き換えれば、以上の色情報交換方法はデバイ
ス特性調整方法にも適用できる。
【0031】以上、本発明によれば、一意的に色域マッ
ピングの方法を決定でき、 かつ観察条件の異なるデバ
イス間での画像の色再現性の向上、デバイスの物理的な
変動や劣化、あるいは観察条件の変化で入出力特性の変
化した単一デバイスの特性調整などを実現できる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、発信デバイス、受信デバイスごとに色信号データが
形成する色空間を観察者が知覚する色のまとまりで複数
の色カテゴリに分割し、同一色カテゴリ間で色情報を交
換することにより、画像の全体的な印象が異ならないよ
うに色情報を交換することができ、画像の色再現性を向
上できる。
【0033】本発明の請求項2に記載の発明は、発信デ
バイスが発信する色情報の発信色ベクトルが属する色カ
テゴリと同一の色カテゴリに分類された受信デバイスの
色信号データ群から受信色ベクトルを選び出すことによ
り、同一色カテゴリ間で色情報を交換することができ、
画像の全体的な印象が異ならないように色情報を交換す
ることができる。
【0034】本発明の請求項3に記載の発明は、発信色
ベクトルと発信デバイスの各色カテゴリの重心点との位
置関係が、受信色ベクトルと受信デバイスの各色カテゴ
リの重心点との位置関係においても保存されるように受
信色ベクトルを選び出すことにより、画像全体にわたっ
て色合いの反転、不連続が発生しないように色情報を交
換することができる。
【0035】本発明の請求項4に記載の発明は、発信色
ベクトルが発信デバイスの全色カテゴリの中で最も高い
発生確率を示す色カテゴリを、各色カテゴリに分類され
た色信号データ群が持つ平均ベクトルと分散共分散ベク
トルによって形成される標準正規分布で与えられる確率
密度関数によって求め、発生確率の最も高い色カテゴリ
を当該発信色ベクトルが属する色カテゴリに決定するこ
とにより、発信色ベクトルが属する色カテゴリをデバイ
スの種類や観察条件に依存しない汎用性のある形で決定
することができる。
【0036】本発明の請求項5に記載の発明は、発信色
ベクトルと発信デバイスの各色カテゴリの重心点との位
置関係として、全色カテゴリの重心点の平均として与え
られる全色カテゴリ重心点から発信色ベクトルまでのマ
ハラノビス距離を前記全色カテゴリ重心点から各色カテ
ゴリ重心点までのマハラノビス距離で割った正規化発信
色距離を用いることにより、画像全体にわたって連続性
を崩さず、階調の反転を発生させずに受信色ベクトルの
マッピング点を決定できる。
【0037】本発明の請求項6に記載の発明は、受信色
ベクトルと受信デバイスの各色カテゴリの重心点との位
置関係として、全色カテゴリの重心点の平均として与え
られる全色カテゴリ重心点から受信色ベクトルまでのマ
ハラノビス距離を前記全色カテゴリ重心点から各色カテ
ゴリ重心点までのマハラノビス距離で割った正規化受信
色距離を用いることにより、画像全体にわたって連続性
を崩さず、階調の反転を発生させずに受信色ベクトルの
マッピング点を決定できる。
【0038】本発明の請求項7に記載の発明は、観察環
境の変化によって入出力特性が変化するデバイスの現在
の特性を表す現状態と該デバイスの元の状態を表す元状
態のそれぞれについて色信号データが形成する色空間を
複数の色カテゴリに分割し、同一色カテゴリ間でデバイ
ス特性調整情報を交換することにより、単一デバイスに
おいて元状態と現状態との間で、画像の全体的な印象が
異ならないように色情報を交換することができ、デバイ
スの物理的な変動や劣化、あるいは観察条件の変化で入
出力特性の変化した単一デバイスの特性調整を一意的に
できる作用を有する。
【0039】本発明の請求項8に記載の発明は、元状態
が持つ色情報である元状態色ベクトルが属する色カテゴ
リと同一の色カテゴリに分類された現状態の色信号デー
タ群から現状態色ベクトルを選び出すことにより、同一
色カテゴリ間で色情報を交換することができ、画像の全
体的な印象が異ならないように色情報を交換することが
できる。
【0040】本発明の請求項9に記載の発明は、元状態
色ベクトルが元状態の各色カテゴリの重心点と持つ位置
関係が、現状態色ベクトルが現状態の各色カテゴリの重
心点と持つ位置関係においても保存されるように、現状
態色ベクトルを決定することにより、画像全体にわたっ
て色合いの反転、不連続が発生しないように色情報を交
換することができる。
【0041】本発明の請求項10に記載の発明は、元状
態色ベクトルが元状態の全色カテゴリの中で最も高い発
生確率を示す色カテゴリを、各色カテゴリに分類された
色信号データ群が持つ平均ベクトルと分散共分散ベクト
ルによって形成される標準正規分布で与えられる確率密
度関数によって求め、発生確率の最も高い色カテゴリを
当該元状態色ベクトルが属する色カテゴリに決定するこ
とにより、元状態色ベクトルが属する色カテゴリを観察
条件に依存しない汎用性のある形で決定することができ
る。
【0042】本発明の請求項11に記載の発明は、元状
態色ベクトルと元状態の各色カテゴリの重心点との位置
関係として、全色カテゴリの重心点の平均として与えら
れる全色カテゴリ重心点から元状態色ベクトルまでのマ
ハラノビス距離を前記全色カテゴリ重心点から各色カテ
ゴリ重心点までのマハラノビス距離で割った正規化元状
態色距離を用いることにより、画像全体にわたって連続
性を崩さず、階調の反転を発生させずに現状態色ベクト
ルのマッピング点を決定できる。
【0043】本発明の請求項12に記載の発明は、現状
態色ベクトルとの各色カテゴリの重心点との位置関係と
して、全色カテゴリの重心点の平均として与えられる全
色カテゴリ重心点から現状態色ベクトルまでのマハラノ
ビス距離を前記全色カテゴリ重心点から各色カテゴリ重
心点までのマハラノビス距離で割った正規化現状態色距
離を用いることにより、画像全体にわたって連続性を崩
さず、階調の反転を発生させずに現状態色ベクトルのマ
ッピング点を決定できる。
【0044】本発明の請求項13、16に記載の発明
は、色カテゴリが白、黒、赤、緑、黄、青、紫、もも、
だいだい、灰、茶であるか、あるいはwhite、 black、
red、 green、 yellow、 blue、 purple、 pin
k、 orange、 gray、 brownであるので、Berlin an
d Kayが見出した11個の基本色名(参考文献:"Basic
Color Terms. Their Universality and Evolutio
n"、 University ofCalifornia Press, Berkley,
1969)を利用することにより、重複なく高効率に色カテ
ゴリへの分類が実行できる作用を有する。
【0045】本発明の請求項14、17に記載の発明
は、色信号データが、入力デバイスへの入力色、あるい
は入力デバイスからの出力値、あるいは出力デバイスへ
の入力値、あるいは出力デバイスからの出力色である方
法で、測色値あるいはデバイス信号を用いて色信号デー
タを記述できる作用を有する。
【0046】本発明の請求項15、18に記載の発明
は、入力色あるいは出力色が均等色空間のCIELABあるい
はCIELUVである方法で、CIELABとCIELUVは人間の色差感
覚尺度と色空間内の空間尺度が線形関係にあるため、色
情報交換の精度を向上する作用を有する。
【0047】(実施の形態1)実施の形態1は、デバイ
ス間で色情報を交換するシステムにおいて、発信デバイ
ス、受信デバイスごとに色信号データが形成する色空間
を観察者が知覚する色のまとまりで複数の色カテゴリに
分割し、同一色カテゴリに分類された色信号データ群を
母集団とする確率密度関数を作成し、前記発信デバイス
が発信する色情報である発信色ベクトルが各色カテゴリ
から発生する発生確率により前記発信色ベクトルが属す
る色カテゴリを決定し、前記発信色ベクトルが属する色
カテゴリと同一の色カテゴリ内から発生する受信デバイ
スの色信号データ群の中から、受信デバイスの各色カテ
ゴリの重心点との位置関係が前記発信色ベクトルが発信
デバイスの各色カテゴリの重心点と持つ位置関係に最も
近くなるような色信号データを受信色ベクトルとして選
び出し色情報を交換する。以下、この色情報交換方法に
ついて詳述する。
【0048】図1は本発明の実施形態のひとつであるC
RTディスプレイの画像を液晶ディスプレイに表示する
際の手順を示す。
【0049】まず、CRTディスプレイと液晶ディスプ
レイの色表示範囲について説明する。図2(a)はCRT
ディスプレイの色表示範囲(201)と液晶ディスプレ
イの色表示範囲(202)の一例である。CRTディス
プレイのデータはNTSC規格(赤原色;(x, y) = (0.6
7, 0.33)、緑原色;(x, y) = (0.21, 0.71)、青原
色;(x, y) = (0.14, 0.08))に基づく。液晶ディ
スプレイのデータは、「日経エレクトロニクス no.57
0, 1992.12.21」のP94,図8に基づく。全般的にCR
Tディスプレイの方が色表示範囲が広く、CRTディス
プレイの画像を液晶ディスプレイに表示する場合は色域
マッピングが必要になる。また、両デバイスの白色点が
異なり、それぞれのデバイスの白色に順応した場合は、
測色値の互換性が保たれず、対応色予測が必要となる。
これらの課題を解決する本発明の具体的な方法を説明す
る。
【0050】図2(b)はKellyが示した色の領域に図2
(a)に示すデバイスの色表示範囲を重ねたものである。K
ellyが示した色の領域は全可視光域の色を23の色領域
に区分している。図2(b)より、たとえば両ディスプレ
イ上で「緑」に分類される部分を取り出すと図3(a)の
ようになる。301はCRTディスプレイの色表示範囲
を示し、302は液晶ディスプレイの色表示範囲を示
す。両ディスプレイの表示範囲を図3(b)のように分割
した場合(303は301と同一。304は302と同
一)、色域マッピングは両デバイスの黒丸同士、白丸同
士、黒四角同士、白四角同士を結びつけるように実行す
ると色合いの変化の連続性が保たれ、自然な対応関係が
成立する。本発明は、全色領域ごとに図3(b)のような
マッピングを行うことで、画像全体にわたって自然な色
域マッピングを実現している。以下、図3(b)のような
マッピング制御法について詳述する。
【0051】ここで、図4にMacAdamが調べた色弁別楕
円(参考文献;「色彩工学の基礎 」P137,池田光男
著)を示す。2°の二分視野(48cd/m2)を標準光源C
(24cd/m2)が取り囲むような刺激呈示で求めた色弁別
楕円で、楕円内の色はすべて同じ色に見えることを表わ
す(ただし、結果を見やすくするため、楕円の大きさは
実際のものの10倍で表示してある)。この結果から、
ある色のまとまり、たとえばKellyが用いた「緑」や
「黄味緑」、「青味緑」などの色のまとまりは、それぞ
れ楕円形状を持っていると予想できる。そしてKellyが
求めた色領域の境界線は図5に示すようにそれぞれの楕
円の交線であると解釈できる。図5において、501は
「緑」と知覚される色のまとまりを表わし、502は
「黄味緑」と知覚される色のまとまりを表わし、503
は「青味緑」と知覚される色のまとまりを表わし、50
4は「緑」と「黄味緑」の知覚の境界を表わし、505
は「緑」と「青味緑」の知覚の境界を表わし、506は
CRTディスプレイの色表示限界を表わす。
【0052】以上の考え方から本発明は、CRTディス
プレイ、液晶ディスプレイの色空間をともに知覚色によ
って複数の色カテゴリに分類し、同一の色カテゴリ間で
のみマッピング点を決定する。そこでまずCRTディス
プレイ、液晶ディスプレイの両色空間を、図2(b)に示
すkellyが示す色領域のように知覚色によって複数の色
カテゴリ領域に分割しなければならない。そしてその方
法はデバイスの種類や観察条件等に依存しない汎用性を
必要とする。つまりkellyが示す色領域はある限られた
視環境、対象物での結果であり、これを任意の条件で記
述できるようにしなければならない。
【0053】そこで、色空間内の代表色を被験者に呈示
して複数の色カテゴリへの分類を実行させ、同一色カテ
ゴリに分類された色信号データ群を母集団とする確率密
度関数を作成する。そして発信色(CRTディスプレ
イ)あるいは受信色(液晶ディスプレイ)が属する色カ
テゴリは、発信色あるいは受信色が各色カテゴリから発
生する確率のうち、最も高い確率を有する色カテゴリと
する。確率密度関数には(数2)のような多次元正規分
布を用いる。これが色のまとまりの楕円に相当し、発生
確率によって選り分けられた結果は図2(b)のKellyの図
に相当する。
【0054】
【数2】 ここで、|Σ|は分散共分散ベクトルΣの行列式を、Σ
-1は分散共分散ベクトルΣの逆行列をそれぞれ表わす。
2 はマハラノビス距離と呼ばれ、分布の広がりを加
味した重心からの距離を意味する。Pは次元数を表わ
す。図5までは2次元平面上で説明を行ってきたが、色
空間は(R, G, B)の3次元空間であるため、本実施形
態ではP=3とする。また、Xは発信色ベクトルで(数
3)で表し
【数3】 平均ベクトルμを(数4)とすると
【数4】 分散共分散ベクトルΣは(数5)で与えられる。
【数5】 ここで、nは色信号データ群の要素数を表わす。(数
2)が最大になるとき、マハラノビス距離D2は最小と
なるため、発信色あるいは受信色はマハラノビス距離D
2が最小となる色カテゴリに属する。
【0055】平均ベクトルμと分散共分散ベクトルΣを
求める被験者実験は図6のように行なう。CRTディス
プレイあるいは液晶ディスプレイ(601)上にテスト
刺激のカラーパッチ(602)を呈示し、被験者(60
3)はこれを見て、複数の基本色名を用いてカラーネー
ミングを行う(604は被験者の応答を計算機へ入力す
る応答操作を示す)。テスト刺激には色空間内の適当な
位置に分散して存在する代表色を用いる。この代表色の
設定における条件は 1. 設定した基本色名すべてが被験者からの応答に出
現すること。 2. 色空間内でできるだけ、偏りなく代表色を選ぶこ
と。 にある。
【0056】次に基本色名にはBerlin and Kayが見出
した以下の11個の基本色名を用いる(参考文献;「Ba
sic Color Terms. Their Universality and Evol
ution」, Univ. of California Press, Berkley,
1969)。
【0057】1. white(shiro) 2. black(kuro) 3. red(aka) 4. green(midori) 5. yellow(ki) 6. blue(ao) 7. purple(murasaki) 8. pink(momo) 9. orange(daidai) 10. gray(hai) 11. brown(cha) これら11個の基本色名は、100種近くの言語を調
べ、発達した言語ならばどの言語でも共通した11個の
カテゴリカルな基本色名があることから導き出された。
Crawfordは基本色名の定義を以下のようにまとめた(参
考文献;「Defining basic color terms」,Anthrop
ol Linguist, 24, 338-343, 1982年)。
【0058】1. すべての人の語彙に含まれること。 2. 人によらず、使うときによらず安定して用いられ
ること。 3. その意義が他の単語に含まれないこと。 4. 特定の対象物にしか用いられないことがないこ
と。 また内川は日本語の11個の基本カテゴリ色を導出した
(参考文献;「色のカテゴリカル知覚と記憶」、第7回
色彩工学コンファレンス、1990年)。
【0059】以上の背景から本実施形態では上記の11
個の基本色名を用いて、11個の色カテゴリを設定する
が、本発明は本実施形態に制限されるものでなく、色カ
テゴリの設定方法は任意である。
【0060】以上、CRTディスプレイの色、液晶ディ
スプレイの色を11個の色カテゴリが持つ確率密度関数
によって分類し、図1に示す手順で同一色カテゴリ間で
相対的位置関係を保ちながら色域マッピングを実行す
る。以下、図1を用いて色域マッピングについて詳細に
説明する。
【0061】CRTディスプレイの色である発信色ベク
トルCを(数6)で表し(図1の101)
【数6】 この発信色ベクトルCがどの色カテゴリに属するかは、
11個の色カテゴリが発信色ベクトルCと持つマハラノ
ビス距離D2のうち、最も小さなD2を与える色カテゴリ
に属すると判定する。代表色の知覚色を11個の基本色
名で応える被験者の応答により形成された色カテゴリj
の色信号データ群を(数7)で表す。
【数7】 また色カテゴリjの平均ベクトルαjを(数8)とす
る。
【数8】 よって、色カテゴリjの分散共分散ベクトルSjは(数
5)から(数9)となる。
【数9】 以上により、色カテゴリjのマハラノビス距離D2 j
(数10)で与えられる。
【数10】 (数10)から得られた11個のマハラノビス距離のう
ち、最小値を与える色カテゴリQを検出する(図1の1
02)。この色カテゴリQが発信色ベクトルが属する色
カテゴリとなるため、液晶ディスプレイにおいて色カテ
ゴリQに分類された色データ群Q’(図1の103)が
マッピング点の候補となり、これらを候補色ベクトル
Q’と呼び、(数11)のように表わす。
【数11】 ここで、mは液晶ディスプレイの色カテゴリQに分類さ
れた色データの総数を表す。候補色ベクトルQ’は液晶
ディスプレイの発光色全色が各色カテゴリから発生する
確率を計算することによって求める。つまり、液晶ディ
スプレイの発光色全色のうち、色カテゴリQのマハラノ
ビス距離が最小になる色データ群が候補色ベクトルQ’
となる。発信色ベクトルが属する色カテゴリに従って候
補色ベクトルQ’は選ばれるため、あらかじめ液晶ディ
スプレイの11個の色カテゴリごとに候補色ベクトル
Q’をデータベース化しておく必要がある。
【0062】以上、(数11)の候補色ベクトルQ’を
決定することによって、液晶ディスプレイ上に表示され
る色の知覚カテゴリはCRTと同一になることが保証さ
れる。
【0063】次に、図7、図8を用いて、候補色ベクト
ルQ’の中から受信色ベクトルC’を抽出するアルゴリ
ズムを説明する。表記の都合上、2次元で表わす。
【0064】発信色ベクトルを受信色ベクトルにマッピ
ングする際のルールは図3(b)に示したとおりで、同一
色カテゴリ領域でカテゴリカルに一致する色同士をマッ
ピングする。たとえば図3(b)のCRTディスプレイの
緑の領域(303)に属する黒丸は「緑と黄味緑の境界
の色であり、かつそのうち彩度が最も高い色」というカ
テゴリカルな記述ができる。このようなカテゴリカルな
意味合いを保ちつつマッピングを図るには、液晶ディス
プレイにおいて「緑と黄味緑の境界の色であり、かつそ
のうち彩度が最も高い色」を探すことになる。これはま
さしく液晶ディスプレイの緑の領域(304)に属する
黒丸である。同様に、両ディスプレイにおいて、黒四角
は「緑と青味緑の境界の色であり、かつそのうち彩度が
最も高い色」であり、白丸は「緑と黄味緑の境界の色で
あり、かつそのうち彩度が最も低い色」であり、白四角
は「緑と青味緑の境界の色であり、かつそのうち彩度が
最も低い色」であり、ともにカテゴリカルに一致した点
同士である。
【0065】このように考えた場合、黒丸、黒四角、白
丸、白四角の4つの色データを平均した点は両ディスプ
レイ間でカテゴリカルに一致していると解釈できる。さ
らに4つの色データを色カテゴリを構成する全色データ
群に広げた場合、データ数が十分であれば、これらの平
均した点は両ディスプレイ間でカテゴリカルに一致して
いると解釈できる。
【0066】そこで、図7に示すように同一色カテゴリ
間で平均ベクトル同士はマッピングを行なう。図7にお
いて、点G(701)はCRTディスプレイにおいて緑
に分類された色データ群の平均値として与えられる重心
を表し、点YG(702)はCRTディスプレイにおい
て黄味緑に分類された色データ群の平均値として与えら
れる重心を表し、点BG(703)はCRTディスプレ
イにおいて青味緑に分類された色データ群の平均値とし
て与えられる重心を表わす。一方、点G’(704)は
液晶ディスプレイにおいて緑に分類された色データ群の
平均値として与えられる重心を表し、点YG’(70
5)は液晶ディスプレイにおいて黄味緑に分類された色
データ群の平均値として与えられる重心を表し、点B
G’(706)は液晶ディスプレイにおいて青味緑に分
類された色データ群の平均値として与えられる重心を表
わす。以上のように11個の色カテゴリの重心は両ディ
スプレイ間でマッピングされる。
【0067】次に、図7の3つの色カテゴリの重心のさ
らに重心を考える。図8(a)は図7と同一であるが、C
RTディスプレイに点O(801)が、液晶ディスプレ
イに点O’(802)がそれぞれ追加されている。点Oは
CRTディスプレイの3つの色カテゴリの重心G、Y
G、BGが形成する三角形G−YG−BGの重心であ
る。同様に点O’は液晶ディスプレイの3つの色カテゴ
リの重心G’、YG’、BG’が形成する三角形G’−
YG’−BG’の重心である。図7で考察したように3
つの重心は両ディスプレイ間でそれぞれにマッピングさ
れる点同士であるから、点Oと点O’もマッピングの関係
にあると言える。
【0068】ここまでは図3(b)をベースに重心間のマ
ッピングについて説明してきたが、図8(b)のように発
信デバイスと受信デバイスの重心の位置がどこにあって
も、両デバイス間で同一の色カテゴリにある重心同士を
マッピングすればカテゴリカルな関係を保存できる。と
ころで図8(b)の点O(803)と点O’(804)はマ
ッピングされる点同士であるが、このとき線分LO、M
O、NO、L’O’、M’O’、N’O’の長さは、カテゴ
リカルな一致を成立させる意味合いで同一の関係にある
と言える。よってカテゴリカルな関係を保存した色域マ
ッピングを扱うには、図8(b)の点O、点O’と結んだ各
色カテゴリからの距離で正規化を行うと都合がいい。
【0069】今仮に発信色Cが点O(803)の位置に
発生したとする。このとき、発信色Cと11個の色カテ
ゴリの距離は(数12)で表される。
【数12】 ここで、D2 Cjは色カテゴリjの重心から発信色Cまでの
マハラノビス距離を表わす。また点Oから11個の色カ
テゴリの距離を(数13)とすると
【数13】 発信色Cは点O上にあるため(数14)(数15)とな
る。
【数14】
【数15】 そして、受信デバイスにおいて、受信色ベクトルC’と
11個の色カテゴリの重心が(数16)で表されるマハ
ラノビス距離を持ち、
【数16】 点O’が11個の色カテゴリの重心と(数17)で表さ
れるマハラノビス距離を持つ場合、
【数17】 (数15)と同様に(数18)
【数18】 が成立するためには、受信色ベクトルC’がベクトル
O’と同一である必要がある。よって、受信色C’は点
O’(804)上にあると決定される。ここで点Oや点
O’のような11個の色カテゴリの重心の重心を全色カ
テゴリ重心と呼び、そのベクトルを全色カテゴリ平均ベ
クトルと呼ぶ。また(数15)のように、色カテゴリの
重心から発信色までのマハラノビス距離((数15)で
はD2 cj)を同一の色カテゴリの重心から全色カテゴリ
重心までのマハラノビス距離((数15)ではD2oj)
で正規化した距離を正規化発信色距離と呼ぶ。受信デバ
イスでも同様である。
【0070】以上の考え方で図8(c)の一般的なケース
へ拡張する。まず図8(c)の左側、発信デバイス側で考
える。点P(805)は発信色の位置で、3つの色カテ
ゴリの重心L、M、Nからの距離はそれぞれ
【数19】
【数20】
【数21】 である。但し、Pは発信色ベクトル、αLは色カテゴリ
Lの平均ベクトル、αMは色カテゴリMの平均ベクト
ル、αNは色カテゴリNの平均ベクトル、S-1 Lは色カテ
ゴリLの分散共分散行列の逆行列、S-1 Mは色カテゴリ
Mの分散共分散行列の逆行列、S-1 Nは色カテゴリNの
分散共分散行列の逆行列をそれぞれ示す。3つの色カテ
ゴリの重心L、M、Nから全色カテゴリ重心Oまでの距
離はそれぞれ
【数22】
【数23】
【数24】 である。よって色カテゴリLからみた点Pの正規化発信
色距離KPL
【数25】 となり、色カテゴリMからみた点Pの正規化発信色距離
PM
【数26】 となり、色カテゴリNからみた点Pの正規化発信色距離
PN
【数27】 となる。
【0071】次に図8(c)の右側、受信デバイス側を考
える。点P’(806)は受信色の位置で、L’は発信
デバイスの色カテゴリLと同一の色カテゴリの重心であ
り、M’は発信デバイスの色カテゴリMと同一の色カテ
ゴリの重心であり、 N’は発信デバイスの色カテゴリ
Nと同一の色カテゴリの重心である。点P’のL’、
M’、N’からの距離はそれぞれ
【数28】
【数29】
【数30】 である。ただし、P’は受信色ベクトル、αL’は色カ
テゴリLの平均ベクトル、αM’は色カテゴリMの平均
ベクトル、αN’は色カテゴリNの平均ベクトル、SL
-1は色カテゴリLの分散共分散行列の逆行列、SM-1
は色カテゴリMの分散共分散行列の逆行列、SN’-1は
色カテゴリNの分散共分散行列の逆行列をそれぞれ示
す。3つの色カテゴリの重心L’、M’、N’から全色
カテゴリ重心O’までの距離はそれぞれ
【数31】
【数32】
【数33】 である。よって色カテゴリLの重心L’からみた点P’
の正規化発信色距離KPL’は
【数34】 となり、色カテゴリMからみた点Pの正規化発信色距離
PM’は
【数35】 となり、色カテゴリNからみた点Pの正規化発信色距離
PN’は
【数36】 となる。
【0072】さて図8(b)で定義したように、カテゴリ
カルなマッチングの成立は同一色カテゴリの持つ正規化
発信色距離と正規化受信色距離の一致を意味する。よっ
て図8(c)の場合、受信色ベクトルは、色カテゴリLに
ついては(数37)
【数37】 色カテゴリMについては(数38)
【数38】 色カテゴリNについては(数39)
【数39】 を満たさなければならない。
【0073】以上により、候補色ベクトルQ’の中から
受信色ベクトルC’を抽出する操作は
【数40】 を11個の色カテゴリすべてに対して、できるだけ小さ
な誤差で満たすことのできる色ベクトルを候補色ベクト
ルQ’の中から探し出すことに相当する。ここでKcjは
発信色ベクトルCを色カテゴリjから見た場合の正規化
発信距離を表わし、Kcj’は受信色ベクトルC’を色カ
テゴリjから見た場合の正規化受信距離を表わす。そこ
で誤差評価式には(数41)を用いる。
【数41】 ただし、色カテゴリjにおいて(数42)
【数42】 の条件のとき
【数43】 は(数44)と置き換える。
【数44】 候補色ベクトルQ’のうち、(数41)を最小にする色
ベクトルを受信色ベクトルC’とする。
【0074】以上、候補色ベクトルQ’から受信色ベク
トルC’を抽出するアルゴリズムを実行する部分を図1
の中で説明する。この動作は以下の4つの過程に分かれ
る。 過程1.CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ双方に
おいて全色カテゴリ平均ベクトルを算出する(図1の1
04、105)。 過程2.CRTディスプレイにおいて、色カテゴリQの
平均ベクトルと分散共分散ベクトル(図1の106)、
発信色ベクトル(図1の101)全色カテゴリ平均ベク
トル(図1の104)を用いて正規化発信色距離(図1
の107)を算出する。 過程3.液晶ディスプレイにおいて、色カテゴリQの平
均ベクトルと分散共分散ベクトル(図1の108)、候
補色ベクトルQ’(図1の103)、全色カテゴリ平均
ベクトル(図1の105)を用いて正規化受信色距離
(図1の109)を算出する。 過程4.11個の色カテゴリそれぞれに対して、CRT
ディスプレイと液晶ディスプレイの間で正規化発信色距
離と正規化受信色距離を比較し(図1の110)、最も
距離の誤差が小さくなる色ベクトルを候補色ベクトル
Q’から選びだし、これを液晶ディスプレイのドライブ
信号C’とする(図1の111)。
【0075】過程1において、CRTディスプレイの全
色カテゴリ平均ベクトルOは
【数45】 で与えられる。nは色カテゴリの数で、本実施形態では
n=11である。また液晶ディスプレイの全色カテゴリ
平均ベクトルO’は
【数46】 で与えられる。nは色カテゴリの数で、本実施形態では
n=11である。
【0076】過程2において、正規化発信色距離Kcjは
【数47】 で与えられる。ここでDcjは色カテゴリjから見た色カ
テゴリの重心から発信色Cまでのマハラノビス距離を表
わし、Dojは色カテゴリjから見た色カテゴリの重心か
ら全色カテゴリ重心までのマハラノビス距離を表わす。
【0077】過程3において、正規化受信色距離Kcj’
【数48】 で与えられる。ここでDcj’は色カテゴリjから見た色
カテゴリの重心から受信色C’までのマハラノビス距離
を表わし、Dco’は色カテゴリjから見た色カテゴリの
重心から全色カテゴリ重心までのマハラノビス距離を表
わす。
【0078】過程4において、正規化発信色距離と正規
化受信色距離の誤差評価には(数41)〜(数44)を
用いる。
【0079】以上より、CRTディスプレイ上の色(r,
g, b)は液晶モニタ上の色(r', g', b')にマッピング
され、この2つのペアは同じ色カテゴリを持ち、かつ色
カテゴリ内での相対的位置関係が同一であるため、自然
な色合いで色域マッピングが行なえる。さらに上記手法
は従来の手法にはない一意性を持ち、画像機器、ソフト
ウェアの色再現系の設計や各ユーザーサイトでの色管理
が有効に実施できる。
【0080】なお、CRTディスプレイと液晶ディスプ
レイをそれぞれ照明光源の異なる環境下で観察した2つ
の色票と考えると対応色予測へ利用でき、またCRTデ
ィスプレイと液晶ディスプレイを経時変化等で特性の異
なった単一デバイスの2つの特性と捉えると、デバイス
の特性調整に利用できることは容易に理解できる。
【0081】すなわち、状態の変化によって入出力特性
が変化した単一デバイスの現在の特性を元の特性に戻す
場合において、現状態と元状態ごとに色信号データが形
成する色空間を観察者が知覚する色のまとまりで複数の
色カテゴリに分割し、同一色カテゴリに分類された色信
号データ群を母集団とする確率密度関数を作成し、前記
元状態が持つ色情報である元状態色ベクトルが各色カテ
ゴリから発生する発生確率により前記元状態色ベクトル
が属する色カテゴリを決定し、 前記元状態色ベクトル
が属する色カテゴリと同一の色カテゴリ内から発生する
現状態の色信号データ群の中から、現状態の各色カテゴ
リの重心点との位置関係が前記元状態色ベクトルが元状
態の各色カテゴリの重心点と持つ位置関係に最も近くな
るような色信号データを現状態色ベクトルとして選び出
すようにする。
【0082】(実施の形態2)次にCRTディスプレイ
の色を4色プリンタに出力する手順を実施の形態2とし
て図9を用いて説明する。
【0083】CRTディスプレイの色(r, g, b)を4
色プリンタの色(c, m, y, k)に変換する場合、図1
0に示すように、両デバイスの色表示範囲の違いから色
域マッピングが必要になってくることがわかる。図10
はNTSC規格の色表示範囲とインクジェットプリンタの色
再現範囲の一例で、本発明者が実際に測定したデータで
ある。図10(a)はCRTディスプレイとインクジェッ
トプリンタの代表色の測色値をCIELAB空間のa*-b*平面
に投影した図であり、図10(b)はCRTディスプレイ
とインクジェットプリンタの代表色の測色値をCIELAB空
間のL*-a*平面に投影した図であり、図10(c)はCRT
ディスプレイとインクジェットプリンタの代表色の測色
値をCIELAB空間のL*-b*平面に投影した図である。
【0084】図10(a)〜(c)において、白四角はインク
ジェットプリンタの1次色(C, M,Y)、2次色(C+M,
M+Y, Y+C)、グレーの代表色である。また白三角はN
TSC規格に則ったCRTディスプレイの1次色(R, G,
B)、2次色(R+B, R+G,G+B)、グレーの代表色であ
る。さらに黒点はインクジェットプリンタの代表色72
9色であり、インクジェットプリンタの色表示範囲全体
から万遍なく選択したものである。図10の1001は
CRTディスプレイの色表示範囲の外形を表わし、10
02はインクジェットプリンタの色表示範囲の外形を表
わす。
【0085】本実施形態での色域マッピングは3次元空
間と4次元空間のマッピングである。次元数が異なるた
め、「実施の形態1」で用いた方法はそのまま適用でき
ない。そこで図11に示す方法でプリンタの次元数を3
次元に落としてマッピングを行なう。まずプリンタの代
表色はCMY3次元空間内から選びだす(図11の11
01)。選び出された色ベクトルEは各色カテゴリの色
信号データ群の要素となり、色カテゴリの確率密度関数
を記述するために用いられる。
【0086】一方、被験者に呈示する色刺激(図11の
1102)は色ベクトルEに墨発生と下色除去(図11
の1103)を施した
【数49】 なる色ベクトルEPでプリンタをドライブして作成する
(図11の1104)。(数49)において、min(c,
m, y)はc, m, yの最小値を検出する関数を表わす。
ρ、τc、τm、τy、φはそれぞれ任意定数である。
(数49)は墨発生と下色除去の一例にすぎず、本発明
には任意の墨発生方法や下色除去方法が適用できる。
【0087】以上の操作により、プリンタ空間に形成す
る確率密度関数は3次元で記述することができるため、
図9に示す色域マッピングの手順は図1と基本的には同
じである。ただし、受信色ベクトルC'が求まった後、
図9の901に示すように墨発生と下色除去を行なう。
そして、図9の901の墨発生と下色除去は図11の1
103と同一でなければならない。901の出力である
902がマッピング点となる。
【0088】以上より、本実施の形態から、CRTディ
スプレイの色空間と次元数が異なる4色プリンタでも色
域マッピングや対応色予測、さらにはデバイス特性調整
が行なえることが理解できる。
【0089】なお、「実施の形態1」と「実施の形態
2」の色情報交換方法、およびデバイス特性の調整方法
はRGBやCMYKなどのデバイスに依存した色信号を
用いて説明されたが、デバイス信号と測色値との関係を
モデル化することによって、同様の実施形態は測色値空
間でも実行できる。たとえばNTSC規格では
【数50】
【数51】 によってRGB信号とXYZ三刺激値の変換が可能であ
る。カメラなどの入力機器では、(数50)によって、
取り込んだRGB信号をXYZ三刺激値に変換でき、C
RTディスプレイなどの出力機器では、(数51)によ
って、ドライブしたRGB信号で表示される色のXYZ
三刺激値に変換できる。XYZ三刺激値に変換できれば
CIELABやCIELUVなどの他の測色値空間へ変換可能である
ため、任意に色空間が選べることは容易に理解できる。
(数50)、(数51)のようにデバイス信号と測色値
をつなぐ関数を求めるほか、すべての変換情報を直接テ
ーブル化したり、代表色データに対して変換情報を求
め、補間演算によって全変換情報を補償するなどの形
で、デバイス信号と測色値の関係を決めれば、測色値空
間で色情報交換、およびデバイス特性の調整は実行でき
る。
【0090】なお、本実施形態1や2のようなデバイス
信号によるマッピングを測色値によるマッピングと比較
すると、本実施形態1や2では測色作業が必要でないと
いう特徴を持つことがわかる。
【0091】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、色域マッ
ピングを従来手法にない一意性を持って決定でき、 か
つ観察条件の異なるデバイス間での画像の色再現性の向
上などを実現できる優れた色情報交換方法を実現できる
ものである。
【0092】また本発明によれば、デバイス特性の調整
方法を従来手法にない一意性を持って決定でき、かつ観
察条件の異なる画像の色再現性の向上などを実現できる
優れたデバイス特性調整方法を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるCRTディスプ
レイの色を液晶ディスプレイの色に変換する手順を示す
【図2】(a)CRTディスプレイと液晶ディスプレイの
色表示範囲の一例を示す図 (b) Kellyが示した色の領域にCRTディスプレイ及び
液晶ディスプレイの色表示範囲を重ねた図
【図3】(a)図2の(b)におけるCRTディスプレイと液
晶ディスプレイの「緑」の領域を切り出した図 (b)自然な色合い、連続性の保存、反転の未発生を実現
する色域マッピング方法の概念を説明する図
【図4】MacAdamが求めた色弁別楕円を示す図
【図5】楕円の交線とKellyの色領域の境界線の関係を
説明する図
【図6】各色カテゴリの色信号データを収集する被験者
実験の方法を説明する図
【図7】CRTディスプレイと液晶ディスプレイの間で
同一色カテゴリの重心をマッピングする方法を説明する
【図8】(a)3つの色カテゴリの重心から形成される三
角形の重心をマッピングする方法を説明する図 (b)3つの色カテゴリの重心から形成される三角形の重
心マッピングする一般的な方法を説明する図 (c)正規化発信色距離と正規化受信色距離を用いて任意
の発信色をマッピングする方法を説明する図
【図9】本発明の実施の形態2におけるCRTディスプ
レイの色を4色プリンタの色に変換する手順を示す図
【図10】CRTディスプレイと4色プリンタの色表示
範囲の一例を示す図
【図11】4色プリンタの4次元色空間を3次元色空間
として取り扱う方法を説明する図
【図12】明度と色相を一定に保ち、彩度を落としてマ
ッピング点を決定するマッピング方法を示す図
【図13】色空間の重心部を目指して全点を滑らかに圧
縮して彩度低下を回避しながらマッチング点を決定する
マッピング方法を示す図
【符号の説明】
101 発信色ベクトルC 102 発信色ベクトルCが属する色カテゴリ特定処理 103 候補色ベクトル 104 CRTディスプレイの全色カテゴリ平均ベクト
ル 105 液晶ディスプレイの全色カテゴリ平均ベクトル 106 平均ベクトルと共分散ベクトルの供給動作 107 正規化発信色距離算出部 108 液晶ディスプレイの平均ベクトルと共分散ベク
トル 109 正規化受信色距離算出部 110 誤差評価部 111 受信色ベクトルC’ 201、203 CRTディスプレイの色表示範囲(NT
SC規格) 202、204 液晶ディスプレイの色表示範囲 301、301 CRTディスプレイのKellyの緑領域
に相当する範囲 302、304 液晶ディスプレイのKellyの緑領域に
相当する範囲

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発信デバイス、受信デバイス毎に色信号
    データが形成する色空間を複数の色カテゴリに分割し、
    同一色カテゴリ間で色情報を交換することを特徴とする
    色情報交換方法。
  2. 【請求項2】 発信デバイスが発信する色情報の発信色
    ベクトルが属する色カテゴリと同一の色カテゴリに分類
    された受信デバイスの色信号データ群から受信色ベクト
    ルを選び出すことを特徴とする請求項1記載の色情報交
    換方法。
  3. 【請求項3】 発信色ベクトルと発信デバイスの各色カ
    テゴリの重心点との位置関係が、受信色ベクトルと受信
    デバイスの各色カテゴリの重心点との位置関係において
    も保存されるように、受信色ベクトルを選び出すことを
    特徴とする請求項2記載の色情報交換方法。
  4. 【請求項4】 発信色ベクトルが発信デバイスの全色カ
    テゴリの中で最も高い発生確率を示す色カテゴリを、各
    色カテゴリに分類された色信号データ群が持つ平均ベク
    トルと分散共分散ベクトルによって形成される標準正規
    分布で与えられる確率密度関数によって求め、発生確率
    の最も高い色カテゴリを当該発信色ベクトルが属する色
    カテゴリに決定することを特徴とする請求項1乃至請求
    項3のいずれかに記載の色情報交換方法。
  5. 【請求項5】 発信色ベクトルと発信デバイスの各色カ
    テゴリの重心点との位置関係として、全色カテゴリの重
    心点の平均として与えられる全色カテゴリ重心点から発
    信色ベクトルまでのマハラノビス距離を前記全色カテゴ
    リ重心点から各色カテゴリ重心点までのマハラノビス距
    離で割った正規化発信色距離を用いることを特徴とする
    請求項3記載の色情報交換方法。
  6. 【請求項6】 受信色ベクトルと受信デバイスの各色カ
    テゴリの重心点との位置関係として、全色カテゴリの重
    心点の平均として与えられる全色カテゴリ重心点から受
    信色ベクトルまでのマハラノビス距離を前記全色カテゴ
    リ重心点から各色カテゴリ重心点までのマハラノビス距
    離で割った正規化受信色距離を用いることを特徴とする
    請求項3又は請求項5記載の色情報交換方法。
  7. 【請求項7】 観察環境の変化によって入出力特性が変
    化するデバイスの現在の特性を表す現状態と該デバイス
    の元の状態を表す元状態のそれぞれについて色信号デー
    タが形成する色空間を複数の色カテゴリに分割し、同一
    色カテゴリ間でデバイス特性調整情報を交換することを
    特徴とするデバイス特性調整方法。
  8. 【請求項8】 元状態が持つ色情報である元状態色ベク
    トルが属する色カテゴリと同一の色カテゴリに分類され
    た現状態の色信号データ群から現状態色ベクトルを選び
    出すことを特徴とする請求項7記載のデバイス特性調整
    方法。
  9. 【請求項9】 元状態色ベクトルが元状態の各色カテゴ
    リの重心点と持つ位置関係が、現状態色ベクトルが現状
    態の各色カテゴリの重心点と持つ位置関係においても保
    存されるように、現状態色ベクトルを決定することを特
    徴とする請求項8記載のデバイス特性調整方法。
  10. 【請求項10】 元状態色ベクトルが元状態の全色カテ
    ゴリの中で最も高い発生確率を示す色カテゴリを、各色
    カテゴリに分類された色信号データ群が持つ平均ベクト
    ルと分散共分散ベクトルによって形成される標準正規分
    布で与えられる確率密度関数によって求め、発生確率の
    最も高い色カテゴリを当該元状態色ベクトルが属する色
    カテゴリに決定することを特徴とする請求項7乃至請求
    項9のいずれかに記載のデバイス特性調整方法。
  11. 【請求項11】 元状態色ベクトルと元状態の各色カテ
    ゴリの重心点との位置関係として、全色カテゴリの重心
    点の平均として与えられる全色カテゴリ重心点から元状
    態色ベクトルまでのマハラノビス距離を前記全色カテゴ
    リ重心点から各色カテゴリ重心点までのマハラノビス距
    離で割った正規化元状態色距離を用いることを特徴とす
    る請求項9記載のデバイス特性調整方法。
  12. 【請求項12】 現状態色ベクトルとの各色カテゴリの
    重心点との位置関係として、全色カテゴリの重心点の平
    均として与えられる全色カテゴリ重心点から現状態色ベ
    クトルまでのマハラノビス距離を前記全色カテゴリ重心
    点から各色カテゴリ重心点までのマハラノビス距離で割
    った正規化現状態色距離を用いることを特徴とする請求
    項9又は請求項11記載のデバイス特性調整方法。
  13. 【請求項13】 発信デバイス、受信デバイスの色信号
    データを被験者実験により(白、黒、赤、緑、黄、青、
    紫、もも、だいだい、灰、茶)又は(white、 black、
    red、 green、 yellow、 blue、 purple、 pin
    k、 orange、 gray、 brown)の基本色に分類した色
    カテゴリを使用することを特徴とする請求項1乃至請求
    項6のいずれかに記載の色情報交換方法。
  14. 【請求項14】 色信号データが、入力デバイスへの入
    力色、あるいは入力デバイスからの出力値、あるいは出
    力デバイスへの入力値、あるいは出力デバイスからの出
    力色である請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の色
    情報交換方法。
  15. 【請求項15】 入力色あるいは出力色が均等色空間の
    CIELABあるいはCLELUVである請求項14記載の色情報交
    換方法。
  16. 【請求項16】 単一デバイスの、元状態と現状態の色
    信号データを被験者実験により(白、黒、赤、緑、黄、
    青、紫、もも、だいだい、灰、茶)又は(white、 bla
    ck、 red、 green、 yellow、 blue、 purple、
    pink、 orange、 gray、 brown)の基本色に分類し
    た色カテゴリを使用することを特徴とする請求項7乃至
    請求項12のいずれかに記載のデバイス特性調整方法。
  17. 【請求項17】 色信号データが、入力デバイスへの入
    力色、あるいは入力デバイスからの出力値、あるいは出
    力デバイスへの入力値、あるいは出力デバイスからの出
    力色である請求項7乃至請求項12のいずれかに記載の
    デバイス特性調整方法。
  18. 【請求項18】 入力色あるいは出力色が均等色空間の
    CIELABあるいはCLELUVである請求項17記載のデバイス
    特性調整方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11275377A (ja) * 1998-03-25 1999-10-08 Fujitsu Ltd カラーデータ変換方法及びその装置
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