JPH10261822A - 圧電アクチュエータの駆動方法および圧電アクチュエータ装置 - Google Patents

圧電アクチュエータの駆動方法および圧電アクチュエータ装置

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JPH10261822A
JPH10261822A JP9066809A JP6680997A JPH10261822A JP H10261822 A JPH10261822 A JP H10261822A JP 9066809 A JP9066809 A JP 9066809A JP 6680997 A JP6680997 A JP 6680997A JP H10261822 A JPH10261822 A JP H10261822A
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JP
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electric field
piezoelectric actuator
displacement
driving
piezoelectric
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Application number
JP9066809A
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Mitsuru Asai
満 浅井
Nobuo Kamiya
信雄 神谷
Hiroaki Makino
浩明 牧野
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動電界に対して非線形な応答変位が得られる
圧電アクチュエータの駆動方法を提供し、また、駆動電
界に対してワークを非線形に動かすことのできる圧電ア
クチュエータ装置を提供する。 【解決手段】本発明の圧電アクチュエータの駆動方法
は、圧電セラミックスを材料とする圧電アクチュエータ
の駆動方法であって、圧電セラミックスの抗電界の±1
0%の範囲内の電界E0を該圧電アクチュエータに印加
した後、電界E0と逆方向の電界を圧電アクチュエータ
に印加して圧電アクチュエータを駆動させる。また、本
発明の圧電アクチュエータ装置は圧電アクチュエータと
電界印加装置とを備え、この電界印加装置は、電界E0
を圧電アクチュエータに印加する±10%抗電界電界印
加手段と、±10%抗電界電界印加手段を作動させた
後、圧電アクチュエータに逆方向に駆動電界を印加する
駆動電界印加手段とをもつ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界を印加して生
じる圧電セラミックスの変形を利用することにより、電
気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する圧電アク
チュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】アクチュエータの一つに、PZTセラミ
ックス等の圧電セラミックスを材料としてなる圧電アク
チュエータがある。中でも、PZTセラミックスは、電
界誘起変位が大きいなど優れた圧電特性をもつ。それゆ
え、こうしたPZTセラミックスからなる圧電アクチュ
エータは、変位特性に非常に優れ、工業的にも広く利用
が期待されている。
【0003】一方、このような圧電アクチュエータの変
位量を大きくするには、印加電界の最低電界を負電界に
し、分域反転を利用することが有効であることが知られ
ている(特開平2−201977号公報)。ここで開示
されている圧電アクチュエータの駆動電界に対する変位
挙動を図1に示す。図1の(a)に示すように三角波形
状の時間的に大きさが振動する電界を印加したとき、変
位は図1の(b)に示すようにほぼ三角波形状の時間的
に大きさが振動する形でこの波形に同調して現れる。こ
のとき、電界の振幅の大きさを変化させると、振幅の増
減量に従って応答変位量が増減する。このため両者は線
形的な関係にあると言える。
【0004】ところで近年、電子制御の動力機械などに
おいては、非線形制御で知られる制御方法によってその
部品もしくは構造体等を入力信号(作動電界など)に対
して非線形に動作させることが試みられている。このよ
うな制御方法に対応するため、圧電アクチュエータの変
位に伴って仕事がなされる部品もしくは構造体等(以
下、これらを総称的にワークと呼ぶ)においても、駆動
電界に対して非線形に動作させたい場合が生じてくる。
こうした要望に対し、駆動電界に対して非線形な応答変
位が得られる圧電アクチュエータの駆動方法が求められ
てくる。
【0005】しかし、前記公報では、非線形な応答変位
が得られる圧電アクチュエータの駆動方法については記
載されていない。また、圧電アクチュエータとこの圧電
アクチュエータに駆動電界を印加できる電界印加装置と
を備えた圧電アクチュエータ装置において、電界印加装
置の駆動電界に対してワークを非線形に動作させること
のできる圧電アクチュエータ装置も未だ開発されていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、駆動電界に対して非線形な応
答変位が得られる圧電アクチュエータの駆動方法を提供
し、また、駆動電界に対してワークを非線形に動作させ
ることのできる圧電アクチュエータ装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、圧縮応力
下で圧電セラミックスに印加電界の大きさを変えながら
電界誘起変位を測定し、変位に及ぼす電界の影響につい
て変位量、変位曲線、分極量から調べた。その結果、抗
電界を印加した後、この抗電界と逆方向の所定の電界と
の間で印加電界の大きさを変えると、極めて大きな最大
変位量が得られるだけでなく、抗電界を印加した直後に
おいては抗電界と逆方向に電界を印加しても、一定の電
界域では変位が生じないという現象を発見した(文献;
社団法人日本セラミックス協会、1996、第9回秋期
シンポジウム講演予稿集、67頁)。
【0008】本発明はこのような現象の発見に基づいて
なされたものであり、この現象を圧電アクチュエータの
駆動方法および圧電アクチュエータ装置に応用すること
によって本発明に至ったものである。即ち、本発明の圧
電アクチュエータの駆動方法は、圧電セラミックスを材
料とする圧電アクチュエータの駆動方法であって、該圧
電セラミックスの抗電界の±10%の範囲内の電界(以
下、±10%抗電界と称する)を該圧電アクチュエータ
に印加した後、該抗電界と逆方向の駆動電界を該圧電ア
クチュエータに印加して圧電アクチュエータを駆動させ
ることを特徴とする。
【0009】また、本発明の圧電アクチュエータ装置
は、圧電セラミックスを材料とする圧電アクチュエータ
と、該圧電アクチュエータに電界を印加する電界印加装
置と、からなる圧電アクチュエータ装置において、該電
界印加装置は、該圧電セラミックスの±10%抗電界を
該圧電アクチュエータに印加する±10%抗電界印加手
段と、該±10%抗電界印加手段を作動させた後におい
て該圧電アクチュエータに逆方向の駆動電界を印加する
駆動電界印加手段と、をもつことを特徴とする。
【0010】なお、ここでいう抗電界とは、蝶の羽のよ
うなループを描く電界誘起変位−電界曲線(例えば図4
に示されるような曲線。なお、この曲線は後述する実施
例1のPZTセラミックスのものである。)において、
変位がゼロの印加電界である。また±10%抗電界と
は、例えば抗電界が−500V/mmの場合には、−5
50〜−450V/mmの範囲内にある電界のことを指
す。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の圧電アクチュエータの駆
動方法では、先述の如く、圧電セラミックスからなる圧
電アクチュエータに±10%抗電界を印加した後、抗電
界と逆方向の駆動電界を印加する。圧電セラミックスの
種類については特に限定されるものではないが、PZT
セラミックスであることが望ましい。先述のようにPZ
Tセラミックスは優れた圧電特性をもつため、優れた変
位特性をもつ圧電アクチュエータが得られる。
【0012】また、PZTセラミックスにおいても、組
成、焼結方法等によって抗電界などの性質が異なってく
る。このことは、ひいては±10%抗電界の大きさに関
わってくるため、印加可能な電界の大きさなど圧電アク
チュエータの使用条件を考慮した上でPZTセラミック
スを選択することが好ましい。±10%抗電界について
は、使用する圧電セラミックスの抗電界によってその大
きさは自明となってくるが、その方向性は特に限定され
るものではなく任意に選択することができる。
【0013】駆動電界については、±10%抗電界側か
ら見て、まず圧電セラミックスの変位がゼロで変化しな
い電界の範囲があり、続いて変位が生じる電界の範囲が
ある。前者の電界の範囲内では、駆動電界の大きさを増
しても抗電界の変位ゼロの状態が保たれる。ただし、こ
の状態が保たれる電界の範囲も、使用される圧電セラミ
ックスの種類によって異なる。一方、後者の電界の範囲
内では、駆動電界の大きさを増すに従って圧電セラミッ
クスの変位がほぼ線形的に増加する。こうした変位挙動
の違いは、印加する駆動電界の大きさによって非線形的
な変位挙動が得られることを意味する。
【0014】本発明では、このように±10%抗電界を
印加した後、抗電界と逆方向に駆動電界を印加するとい
った一連の電界印加を行う。こうした一連の電界印加
は、印加時間および印加の時間間隔などで制限を受ける
ことなく繰り返し行うことができる。ここで、後述する
ように、駆動電界から再び±10%抗電界に電界を移す
とき、その電界移動の間に変位量が元に戻る。従って、
このような一連の電界印加を繰り返すことにより、圧電
アクチュエータの変位量の増減を繰り返すことができ
る。なお、このとき、電界の低減量に従って変位量の低
減量が変化する。従って、この間においても、電界の大
きさの変化に従って圧電セラミックスの変位が線形的に
変化する。
【0015】ところで、駆動電界の大きさは任意の速度
で変動させてよいし、任意の時間間隔で規則正しく印加
してもよい。これにより、圧電アクチュエータの変位量
の増減速度を調節できるとともに、変位の増減間隔を調
整できる。特に、先述の後者の電界の範囲内で駆動電界
の大きさを一定速度で変化させることにより、圧電アク
チュエータを一定速度で駆動させることができる。この
場合、駆動電界を変化させる速度については特に限定さ
れるものではなく、圧電アクチュエータの所望の駆動速
度に応じて選択することができる。
【0016】例えば、三角波形状に時間的に大きさが振
動する駆動電界を印加する場合、図2に示すような圧電
アクチュエータの変位挙動が得られる。この場合では、
図2の(a)に示されるように、±10%抗電界
(E0)を印加した後に、駆動電界を一定の時間間隔で
かつ一定時間印加する。このとき、図2の(b)に示さ
れるように、圧電アクチュエータの変位が変化する。
【0017】この場合、E0〜E1の駆動電界の間で変位
がゼロである。そして、駆動電界がE1’を超えたとこ
ろで変位が増加し、駆動電界が最大(E2)になったと
ころで変位が最大となる。ここで、すぐさま駆動電界の
低減に伴って変位も低減する。そして、この変位の低減
がE2〜E0の間で続けられる。続いて、駆動電界がE0
に戻ったところで変位もゼロに戻る。ここで、すぐさま
駆動電界の増加に伴って変位も増加する。
【0018】E0〜E2の駆動電界の間では駆動電界と変
位との関係は非線形的である。また、E1〜E2の間での
変位の変化の勾配は、E0〜E2でのものに比べると大き
い。こうした圧電アクチュエータの変位挙動を駆動電界
と変位との関係図で表すと、図3に示すようなヒステリ
シスループが描かれる。先ず、圧電アクチュエータに電
界が印加されていない状態(O点)で正の電界を印加し
てその大きさを増加させていくと、変位量が曲線Aに沿
って増加する。変位量がB点に達したときに印加電界の
大きさの増加を止めてその大きさを低減していくと、変
位量が曲線Cに沿って低減する。そして、印加電界の大
きさがゼロになっても残留歪により変位はゼロとならず
にDの点に達する。続いて、負の電界を印加してその大
きさを±10%抗電界に達するまで増加させていくと、
変位量がCと連続した曲線Eに沿って低減し、変位量が
ゼロとなる(F点)。
【0019】こうして±10%抗電界が印加された後、
印加電界の印加方向を逆転させ、駆動電界を印加する。
F点から負の駆動電界の大きさを低減していくと、変位
ゼロが保たれたまま再びO点に戻る。駆動電界を正とし
て、さらにその大きさを増加させてもG点に達するまで
変位ゼロが保たれる。駆動電界の大きさがG点を超える
と、変位量が曲線Hに沿って急激に増加し、再びB点に
達する。これ以降は、B点とF点との間で駆動電界の大
きさを振動させることにより、B〜D〜F〜G〜Bで結
ばれるヒステリシスループが描かれる。
【0020】なお、以上の例では負の抗電界を例に挙げ
て説明したが、抗電界が正の場合であってもよく、その
場合、図3で示されるヒステリシスループとは電界方向
が反対であるが同様なヒステリシスループが得られる。
次に、本発明の圧電アクチュエータ装置の形態について
説明する。本発明の圧電アクチュエータ装置は、先述の
如く、圧電アクチュエータと電界印加装置とからなる。
そして、この電界印加装置は、±10%抗電界を該圧電
アクチュエータに印加する±10%抗電界印加手段と駆
動電界印加手段とをもつ。
【0021】圧電アクチュエータについては、本発明の
圧電アクチュエータの駆動方法と同様、圧電セラミック
スの種類において特に限定されるものではないが、PZ
Tセラミックスを用いることが望ましい。また、圧電ア
クチュエータの形状、大きさ等については特に限定され
るものではなく、使用される環境やワークに応じて任意
に選択することができる。
【0022】電界印加装置において、±10%抗電界印
加手段および駆動電界印加手段はそれぞれ公知の電界印
加手段を用いることができる。また、抗電界印加手段お
よび駆動電界印加手段が一体となった電界印加装置を用
いて両手段を実行してもよい。こうした電界印加装置と
しては、±10%抗電界を印加した後、三角波形状の振
動駆動電界を印加することのできる装置を用いることが
できる。
【0023】
【作用および効果】本発明の圧電アクチュエータの駆動
方法により、駆動電界に対して非線形な応答変位が得ら
れる。また、時間的に規則正しく駆動電界を変化させる
ことにより、時間的にリズミカルな非線形な応答変位が
得られる。例えば、±10%抗電界を印加した後、三角
波形状の振動駆動電界を印加することにより、一定の時
間間隔でかつ一定時間で変位をゼロとすることができ
る。また、この変位がゼロとなる前後の時間において
は、一定のリズムをもって変位の変化が強弱する。
【0024】また、本発明の圧電アクチュエータ装置に
より、駆動電界に対してワークを非線形に動作させるこ
とができる。また、時間的に規則正しく駆動電界を変化
させることにより、時間的にリズミカルにワークを非線
形に動作させることができる。例えば、±10%抗電界
を印加した後、三角波形状の振動駆動電界を印加できる
電界印加装置により、一定の時間間隔で一定時間ワーク
を停止させながら動作させることができる。また、この
変位がゼロとなる前後の時間においては、一定のリズム
をもってワークの動きの変化が強弱する。
【0025】以上のような作用は、例えば、図6に示す
ようなパイプ内を伝って流れる液体、気体などの流量を
調節する弁や、図7に示すような回転表示板などにとっ
て有益である。図6に示される圧電アクチュエータ装置
10は、弁12に回転力を与えてこれを開閉させるもの
である。この圧電アクチュエータ装置10は、電界が印
加されると、その圧電アクチュエータ部分(図示せず)
を変位させ、この圧電アクチュエータ部分に連結された
連結棒14をAの矢印方向に直線的に往復運動させる。
往復運動する連結棒14は、ギヤ15を介して回転軸1
6に回転力を与える。回転軸16は、ギヤ18を介して
その回転力を弁12に与える。こうして弁12は回転力
を受けBの矢印方向に回転し、開閉を行う。ここで、弁
12を連続的に交互に開閉させるだけでなく、一定の時
間間隔で一定時間開いたまま保持して一定量の液体、気
体を流せたい場合もある。また、開閉の速度をそれぞれ
変化させたい場合もありうる。
【0026】また、図7に示される圧電アクチュエータ
装置20は、回転表示板22に回転力を与えて交互に向
きを変えて回転させるものである。この圧電アクチュエ
ータ装置20は、電界が印加されると、その圧電アクチ
ュエータ部分(図示せず)を変位させ、この圧電アクチ
ュエータ部分に連結された連結棒24をCの矢印方向に
直線的に往復運動させる。往復運動する連結棒24は、
ギヤ26を介して回転表示板20の回転軸28に回転力
を与える。回転軸28に固定された回転表示板20は、
回転軸28とともにDの矢印方向へ回転する。ここで
も、回転表示板22をすぐさま回転方向を変えさせるの
ではなく、回転方向を変えるときに一旦停止させ、ある
方向から表示がよく見えるようにしたい場合もある。ま
た、回転方向によっては回転速度を変えたい場合もあ
る。
【0027】このように、用途によってはワークを一定
間隔で一定時間停止させながら動かしたい場合やワーク
の動作速度を一定なリズムでもって変化させたい場合が
ある。本発明では、時間的に規則正しく駆動電界を変化
させることにより、こうした要求に対応することができ
る。一方、前記公報の圧電アクチュエータの駆動方法に
おいては、例えば三角波形状の振動電界を印加しても、
アクチュエータは線形的に応答変位をするため、ワーク
を一定の時間間隔で一定時間停止させながら動かすこと
ができない。また、ワークの動作速度を一定なリズムで
もって変化させることもできない。それゆえ、ワークを
上記のようにリズミカルに動かすためには、アクチュエ
ータに印加する駆動電界を一定間隔で一定時間停止させ
たり、あるいは電界変動の大きさを一定なリズムでもっ
て変化させる電界制御装置などを、電界印加装置に備え
る必要が出てくる。
【0028】このことは一見、たいした問題でないよう
に考えられそうだが、例えば、最近開発されつつあるマ
イクロマシーンのような小型機械に圧電アクチュエータ
装置を組み込んだりする場合には重要な問題となってく
る。この様な用途では、小型機械のさらなる小型化、軽
量化および精密化のため、アクチュエータはもとよりア
クチュエータを駆動させる電界印加装置においても小型
化、軽量化および精密化が求められる。
【0029】本発明の圧電アクチュエータ装置では、三
角波状の振動駆動電界のみを印加できる電界印加装置を
用いても、一定の時間間隔で一定時間ワークを停止させ
ることができ、またワークの動作速度を一定なリズムで
もって変化させることもできる。それゆえ、アクチュエ
ータに印加する電界を一定間隔で一定時間停止させた
り、あるいは電界変化を一定なリズムでもって変化させ
るたりするような電界制御装置を備える必要がない。従
って、単調な三角波状の振動駆動電界のみを印加できる
簡便な電界印加装置を用いることができ、小型機械のさ
らなる小型化、軽量化および精密化が可能となる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (実施例1)本実施例では、圧電セラミックスとしてP
ZTセラミックスを用いて圧電アクチュエータ装置を構
成するとともに、圧電アクチュエータの駆動方法を実施
した。た。このとき使用したPZTセラミックスは、市
販されている原料粉末(PE510:富士チタン社)を
出発原料とし、円板状ペレット(φ12mm、厚さ0.
5mm)に成形されたものである。このPZTセラミッ
クスの抗電界は±500V/mmである。またその他の
特性は、キュリー温度が170℃であり、d33が680
pm/Vであり、ε33が5000であり、Qmが60で
ある。
【0031】この円板状ペレットの両面に銀ペーストを
スクリーン印刷して銀の電極を付設し、100℃のシリ
コンオイル中にて3kV/mmで10分間の分極処理を
した。この分極処理したペレットを100枚積層して圧
電アクチュエータを形成した。このようにして形成した
圧電アクチュエータに三角波形状の振動駆動電界を印加
できる電界印加装置を接続した。
【0032】こうして構成された圧電アクチュエータ装
置を用い、圧電アクチュエータに−550〜−450V
/mmの範囲内の±10%抗電界を印加した後、0.1
Hzの三角波形状の振動駆動電界を印加して圧電アクチ
ュエータの変位量を測定した。このときの駆動電界は、
−500V/mmの負の抗電界と−2000V/mmの
正電界との間で振動させた。また、変位量は、ペレット
の厚み方向に20MPaの圧縮応力が負荷された状態で
レーザー変位計を用いて測定した。 (比較例1)実施例1と同様にして構成された圧電アク
チュエータ装置を用い、圧電アクチュエータに±10%
抗電界を印加せずに0.1Hzの三角波形状の振動電界
を印加して圧電アクチュエータの変位量を測定した。こ
のとき印加した振動電界は、−200V/mmの負の電
界と1000V/mmの正の電界との間で振動させた。
変位量の測定は、実施例1と同様にして行った。 (評価)実施例1および比較例1で得られた測定結果を
図5に示す。実施例1では、ヒステリシスループAで表
される変位挙動が得られた。また、比較例1では、ヒス
テリシスループBで表される変位挙動が得られた。
【0033】ヒステリシスループAでは、−500V/
mmの±10%抗電界を印加した後、−500〜200
V/mmの電界の範囲内で駆動電界を増加させても変位
は変化せずゼロのままであることがわかる。また、20
0〜2000V/mmの範囲の駆動電界では変位の増加
が大きく、電界の低減時よりも大きな変化の度合いでも
って変位が増加して最大変位量に達することもわかる。
【0034】一方、ヒステリシスループBでは、−20
0V/mmの電界を印加した後に駆動電界を増加させる
と、−200〜1000V/mmの全範囲で駆動電界の
増加に応じて変位量が大きくなっていることがわかる。
従って、比較例1では、駆動電界を増加させて変位ゼロ
が保たれる電界域がないことがわかる。また、ヒステリ
シスループAの2000V/mmでの最大変位量はヒス
テリシスループBに比べると極めて大きいこともわか
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、従来の圧電アクチュエータの駆動方
法で圧電アクチュエータを駆動させたときの駆動電界お
よび変位の時間的変化をそれぞれ概略的に示すグラフで
ある。
【図2】この図は、本発明の圧電アクチュエータの駆動
方法で圧電アクチュエータを駆動させたときの駆動電界
および変位の時間的変化をそれぞれ概略的に示すグラフ
である。
【図3】この図は、本発明の圧電アクチュエータの駆動
方法における駆動電界と変位との関係を概略的に示すグ
ラフである。
【図4】この図は、PZTセラミックスにおける電界と
変位との関係を示すグラフである。
【図5】この図は、実施例1および比較例1のそれぞれ
の圧電アクチュエータの電界と変位との関係を示すグラ
フである。
【図6】この図は、本発明の圧電アクチュエータ装置に
より、ワークの一種である弁を動作させる様子を模式的
に示す模式図である。
【図7】この図は、本発明の圧電アクチュエータ装置に
より、ワークの一種である回転表示板を動作させる様子
を模式的に示す模式図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電セラミックスを材料とする圧電アクチ
    ュエータの駆動方法であって、該圧電セラミックスの抗
    電界の±10%の範囲内の電界を該圧電アクチュエータ
    に印加した後、該抗電界と逆方向の電界を該圧電アクチ
    ュエータに印加して圧電アクチュエータを駆動させるこ
    とを特徴とする圧電アクチュエータの駆動方法。
  2. 【請求項2】前記圧電セラミックスはPZTセラミック
    スである請求項1に記載の圧電アクチュエータの駆動方
    法。
  3. 【請求項3】圧電セラミックスを材料とする圧電アクチ
    ュエータと、該圧電アクチュエータに電界を印加する電
    界印加装置と、からなる圧電アクチュエータ装置におい
    て、 該電界印加装置は、該圧電セラミックスの抗電界の±1
    0%の範囲内の電界を該圧電アクチュエータに印加する
    ±10%抗電界印加手段と、該±10%抗電界印加手段
    を作動させた後において該圧電アクチュエータに逆方向
    の駆動電界を印加する駆動電界印加手段と、をもつこと
    を特徴とする圧電アクチュエータ装置。
  4. 【請求項4】前記圧電セラミックスはPZTセラミック
    スである請求項3に記載の圧電アクチュエータ装置。
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