JPH10248916A - 生体インプラント材 - Google Patents
生体インプラント材Info
- Publication number
- JPH10248916A JPH10248916A JP9082009A JP8200997A JPH10248916A JP H10248916 A JPH10248916 A JP H10248916A JP 9082009 A JP9082009 A JP 9082009A JP 8200997 A JP8200997 A JP 8200997A JP H10248916 A JPH10248916 A JP H10248916A
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- JP
- Japan
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- alumina
- crystal
- sample
- crystals
- bone
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 自然骨と直接結合することが可能であり、し
かも生体内に長期間埋入した場合でも機械的特性が低下
せず安定な生体インプラント材を提供する。 【解決手段】 基材表面の少なくとも一部にアルミナ被
膜が形成されてなり、アルミナ被膜はδ−Al2 O3 結
晶、γ−Al2 O3 結晶又は非結晶性アルミナを構成成
分として含むことを特徴とする。このようなインプラン
ト材を製造するには、例えば基材表面の少なくとも一部
に、δ−Al2 O3 結晶、γ−Al2 O3結晶又は非結
晶性アルミナを構成成分として含むアルミナ粉末を溶射
すればよい。
かも生体内に長期間埋入した場合でも機械的特性が低下
せず安定な生体インプラント材を提供する。 【解決手段】 基材表面の少なくとも一部にアルミナ被
膜が形成されてなり、アルミナ被膜はδ−Al2 O3 結
晶、γ−Al2 O3 結晶又は非結晶性アルミナを構成成
分として含むことを特徴とする。このようなインプラン
ト材を製造するには、例えば基材表面の少なくとも一部
に、δ−Al2 O3 結晶、γ−Al2 O3結晶又は非結
晶性アルミナを構成成分として含むアルミナ粉末を溶射
すればよい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、整形外科分野、脳神経
外科分野、口腔外科分野等の領域において使用される人
工骨、人工関節、人工歯根、人工軟骨等の生体インプラ
ント材に関するものである。
外科分野、口腔外科分野等の領域において使用される人
工骨、人工関節、人工歯根、人工軟骨等の生体インプラ
ント材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】整形外科分野、脳神経外科分野、口腔外
科分野等の領域において、種々の生体インプラント材が
使用されている。
科分野等の領域において、種々の生体インプラント材が
使用されている。
【0003】例えば整形外科分野において、脊椎の圧迫
骨折や破裂骨折等により椎体が損傷したとき、修復箇所
に強度が必要とされる場合は、アルミナセラミック製の
人工椎体等が使用される。また同分野における骨セメン
トを使用しないセメントレス人工股関節や、口腔外科分
野における人工歯根には、金属製のインプラント材が使
用されるが、骨との早期の接着を期待してその表面にア
パタイトを被覆することがある。
骨折や破裂骨折等により椎体が損傷したとき、修復箇所
に強度が必要とされる場合は、アルミナセラミック製の
人工椎体等が使用される。また同分野における骨セメン
トを使用しないセメントレス人工股関節や、口腔外科分
野における人工歯根には、金属製のインプラント材が使
用されるが、骨との早期の接着を期待してその表面にア
パタイトを被覆することがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アルミナセラミックか
らなる人工椎体は自然骨と直接結合し難いため、上下の
正常な椎体間に金属製金具で人工椎体を挟み込み、強制
的に固定している。ところが体内において長期間にわた
って使用すると、人工椎体がずれて脊髄を圧迫し、身体
に痺れや痛みを生じる場合がある。
らなる人工椎体は自然骨と直接結合し難いため、上下の
正常な椎体間に金属製金具で人工椎体を挟み込み、強制
的に固定している。ところが体内において長期間にわた
って使用すると、人工椎体がずれて脊髄を圧迫し、身体
に痺れや痛みを生じる場合がある。
【0005】一方、金属製の基材にアパタイトを被覆し
たインプラント材は、アパタイトと骨が化学的に結合す
るため、埋入初期には良好な固定性を得ることができ
る。しかしながら長期間にわたって使用すると、アパタ
イトがバイオデグラデーションにより吸収されて消失
し、自然骨とインプラント材の間にルーズニングの問題
が発生することがある。
たインプラント材は、アパタイトと骨が化学的に結合す
るため、埋入初期には良好な固定性を得ることができ
る。しかしながら長期間にわたって使用すると、アパタ
イトがバイオデグラデーションにより吸収されて消失
し、自然骨とインプラント材の間にルーズニングの問題
が発生することがある。
【0006】本発明の目的は、自然骨と直接結合するこ
とが可能であり、しかも生体内に長期間埋入した場合で
も機械的特性が低下せず安定な生体インプラント材を提
供することである。
とが可能であり、しかも生体内に長期間埋入した場合で
も機械的特性が低下せず安定な生体インプラント材を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は種々の研究
を行った結果、ある特殊なアルミナが生体活性を有する
こと、及びこのアルミナからなる被膜を基材表面に形成
することによって上記目的が達成できることを見い出
し、本発明として提案するものである。
を行った結果、ある特殊なアルミナが生体活性を有する
こと、及びこのアルミナからなる被膜を基材表面に形成
することによって上記目的が達成できることを見い出
し、本発明として提案するものである。
【0008】即ち、本発明の生体インプラント材は、基
材表面の少なくとも一部にアルミナ被膜が形成されてな
り、アルミナ被膜はδ−Al2 O3 結晶、γ−Al2 O
3 結晶又は非結晶性アルミナを構成成分として含むこと
を特徴とする。
材表面の少なくとも一部にアルミナ被膜が形成されてな
り、アルミナ被膜はδ−Al2 O3 結晶、γ−Al2 O
3 結晶又は非結晶性アルミナを構成成分として含むこと
を特徴とする。
【0009】
【作用】本発明の生体インプラント材において、δ−A
l2 O3 結晶、γ−Al2 O3結晶又は非結晶性アルミ
ナを構成成分として含むアルミナ被膜は、体内でイオン
を放出して粉末の劣化が起こったり、吸収されて消失す
ることがないために、長期間にわたって安定しており、
また強度が低下し難い。しかもこのアルミナ被膜が新生
骨を誘導するため、周囲骨と結合することができる。
l2 O3 結晶、γ−Al2 O3結晶又は非結晶性アルミ
ナを構成成分として含むアルミナ被膜は、体内でイオン
を放出して粉末の劣化が起こったり、吸収されて消失す
ることがないために、長期間にわたって安定しており、
また強度が低下し難い。しかもこのアルミナ被膜が新生
骨を誘導するため、周囲骨と結合することができる。
【0010】被膜を構成するアルミナは、少なくともδ
−Al2 O3 結晶、γ−Al2 O3結晶又は非結晶性ア
ルミナが存在する活性なアルミナであり、生体活性の点
から、δ−Al2 O3 結晶、γ−Al2 O3 結晶及び非
結晶性アルミナの占める割合が30重量%以上であるこ
とが望ましい。なお被膜の厚みは、10〜100μm程
度が表面劣化が起こらないため適当である。また被膜は
基材表面の一部を覆っているだけでもよいが、全体を覆
っている方が好ましい。
−Al2 O3 結晶、γ−Al2 O3結晶又は非結晶性ア
ルミナが存在する活性なアルミナであり、生体活性の点
から、δ−Al2 O3 結晶、γ−Al2 O3 結晶及び非
結晶性アルミナの占める割合が30重量%以上であるこ
とが望ましい。なお被膜の厚みは、10〜100μm程
度が表面劣化が起こらないため適当である。また被膜は
基材表面の一部を覆っているだけでもよいが、全体を覆
っている方が好ましい。
【0011】基材には、チタン、ステンレス等の金属
や、アルミナ、ジルコニア等のセラミックや、各種のポ
リマー等が使用できる。なお基材には、その用途に適し
た材料を適宜選択すればよいが、被膜との接着性の点か
ら膨張率が近似しているアルミナが好ましい。また被膜
との接着性を向上させるように、基材表面には凹凸が形
成されていることが望ましい。
や、アルミナ、ジルコニア等のセラミックや、各種のポ
リマー等が使用できる。なお基材には、その用途に適し
た材料を適宜選択すればよいが、被膜との接着性の点か
ら膨張率が近似しているアルミナが好ましい。また被膜
との接着性を向上させるように、基材表面には凹凸が形
成されていることが望ましい。
【0012】次に、本発明のインプラント材を製造する
方法を述べる。
方法を述べる。
【0013】まずアルミナ粉末を用意する。アルミナ粉
末としては、通常広く使用されているアルミナ粉末(α
−Al2 O3 結晶)でもよいが、少なくともδ−Al2
O3結晶、γ−Al2 O3 結晶又は非結晶性アルミナが
存在する活性なアルミナ粉末を使用すると比較的低温で
被膜を形成することができるために好ましい。
末としては、通常広く使用されているアルミナ粉末(α
−Al2 O3 結晶)でもよいが、少なくともδ−Al2
O3結晶、γ−Al2 O3 結晶又は非結晶性アルミナが
存在する活性なアルミナ粉末を使用すると比較的低温で
被膜を形成することができるために好ましい。
【0014】このようなアルミナ粉末は次のようにして
作製することができる。まず結晶構造がα−Al2 O3
である通常のアルミナ粉末を用意する。このアルミナ粉
末は平均粒径D50が10μm以下のものが好ましい。次
いで、このアルミナ粉末を1500℃以上、好ましくは
2000℃以上に急加熱して溶融、ガラス化した後、急
冷することにより、少なくともδ−Al2 O3 結晶、γ
−Al2 O3 結晶又は非結晶性アルミナを含むアルミナ
粉末を得ることができる。
作製することができる。まず結晶構造がα−Al2 O3
である通常のアルミナ粉末を用意する。このアルミナ粉
末は平均粒径D50が10μm以下のものが好ましい。次
いで、このアルミナ粉末を1500℃以上、好ましくは
2000℃以上に急加熱して溶融、ガラス化した後、急
冷することにより、少なくともδ−Al2 O3 結晶、γ
−Al2 O3 結晶又は非結晶性アルミナを含むアルミナ
粉末を得ることができる。
【0015】また所望の形状に成形された金属、セラミ
ック、ポリマー等からなる基材を用意する。なお被膜と
の接着性を向上させるために、サンドブラストしたり、
アンダーカット等の機械加工を施すことにより、基材表
面に予め凹凸を形成しておくことが望ましい。
ック、ポリマー等からなる基材を用意する。なお被膜と
の接着性を向上させるために、サンドブラストしたり、
アンダーカット等の機械加工を施すことにより、基材表
面に予め凹凸を形成しておくことが望ましい。
【0016】次いで基材表面にアルミナ被膜を形成す
る。被膜を形成するには、溶射法を用い、一旦高温にさ
れた粉末を基材に吹き付ければよい。なおα−Al2 O
3 結晶からなるアルミナ粉末の場合は、2000〜10
000℃の高温にする必要があるため、プラズマ溶射法
を用いる。δ−Al2 O3 結晶、γ−Al2 O3 結晶又
は非結晶性アルミナを含むアルミナ粉末を用いる場合
は、比較的低温で溶射が可能であるため、通常の溶射法
でもよい。
る。被膜を形成するには、溶射法を用い、一旦高温にさ
れた粉末を基材に吹き付ければよい。なおα−Al2 O
3 結晶からなるアルミナ粉末の場合は、2000〜10
000℃の高温にする必要があるため、プラズマ溶射法
を用いる。δ−Al2 O3 結晶、γ−Al2 O3 結晶又
は非結晶性アルミナを含むアルミナ粉末を用いる場合
は、比較的低温で溶射が可能であるため、通常の溶射法
でもよい。
【0017】このようにして、基材表面に、δ−Al2
O3 結晶、γ−Al2 O3 結晶及び非結晶性アルミナを
構成成分として含むアルミナ被膜が形成された生体イン
プラント材を得ることができる。
O3 結晶、γ−Al2 O3 結晶及び非結晶性アルミナを
構成成分として含むアルミナ被膜が形成された生体イン
プラント材を得ることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0019】表1は本発明の実施例(試料No.1、
2)及び比較例(試料No.3、4)を示すものであ
る。
2)及び比較例(試料No.3、4)を示すものであ
る。
【0020】
【表1】
【0021】実施例である試料No.1は次のようにし
て作製した。
て作製した。
【0022】まず2×10×15mmの大きさのチタン
製の基材を用意した。なお基材表面には、予めサンドブ
ラストにより凹凸を形成しておいた。
製の基材を用意した。なお基材表面には、予めサンドブ
ラストにより凹凸を形成しておいた。
【0023】またδ−Al2 O3 結晶、γ−Al2 O3
結晶及び非結晶性アルミナを構成成分として含むアルミ
ナ粉末を用意した。アルミナ粉末は、結晶構造がα−A
l2O3 である通常のアルミナ粉末(平均粒径10μ
m)を2000℃以上の火炎中に供給して溶融しながら
吹き飛ばした後、水中で急冷することによって作製し
た。なお得られたアルミナ粉末は、表面張力により球状
になっていた。またX線回折の結果、粉末中にはさらに
α−Al2 O3 結晶が含まれていたが、その含有量は5
〜10重量%程度であった。
結晶及び非結晶性アルミナを構成成分として含むアルミ
ナ粉末を用意した。アルミナ粉末は、結晶構造がα−A
l2O3 である通常のアルミナ粉末(平均粒径10μ
m)を2000℃以上の火炎中に供給して溶融しながら
吹き飛ばした後、水中で急冷することによって作製し
た。なお得られたアルミナ粉末は、表面張力により球状
になっていた。またX線回折の結果、粉末中にはさらに
α−Al2 O3 結晶が含まれていたが、その含有量は5
〜10重量%程度であった。
【0024】次に、基材にアルミナ粉末を溶射すること
によって、基材表面の全面に膜厚約50μmのアルミナ
被膜を形成した。なおX線回折によって確認したとこ
ろ、被膜を構成するアルミナ粉末の結晶構造は溶射前と
殆ど変わらなかった。
によって、基材表面の全面に膜厚約50μmのアルミナ
被膜を形成した。なおX線回折によって確認したとこ
ろ、被膜を構成するアルミナ粉末の結晶構造は溶射前と
殆ど変わらなかった。
【0025】このようにして、基材表面に、δ−Al2
O3 結晶、γ−Al2 O3 結晶、及び非結晶性アルミナ
を含むアルミナ被膜が形成された試料を得た。
O3 結晶、γ−Al2 O3 結晶、及び非結晶性アルミナ
を含むアルミナ被膜が形成された試料を得た。
【0026】試料No.2は、α−Al2 O3 結晶から
なる通常のアルミナを基材とし、他は試料No.1と同
様にして試料を得た。
なる通常のアルミナを基材とし、他は試料No.1と同
様にして試料を得た。
【0027】試料No.3は、試料No.1と同様にし
て用意した基材の表面全体に、アパタイト粉末をプラズ
マ溶射し、アパタイト被膜を形成した。なお被膜の膜厚
は約50μmであった。
て用意した基材の表面全体に、アパタイト粉末をプラズ
マ溶射し、アパタイト被膜を形成した。なお被膜の膜厚
は約50μmであった。
【0028】試料No.4は、被膜を形成せず、他は試
料No.1と同様にして作製した。
料No.1と同様にして作製した。
【0029】以上のようにして作製した各試料につい
て、周囲組織の炎症反応、周囲骨との結合(生体内埋入
後12週、24週)、及び引き剥がし強度(生体内埋入
後12週、24週)について評価した。
て、周囲組織の炎症反応、周囲骨との結合(生体内埋入
後12週、24週)、及び引き剥がし強度(生体内埋入
後12週、24週)について評価した。
【0030】その結果、表から明らかなように、アパタ
イト被膜が形成された試料No.3の比較例では、周囲
組織に炎症反応を起こさず、また埋入後12週目には周
囲骨との結合が認められ、引き剥がし強度も3.5kg
f/mm2 と高かった。しかしながら24週後には、バ
イオデグラデーションによりアパタイトの一部が消失
し、周囲骨と基材との間に隙間(クリアゾーン)が観察
された。またこのときの引き剥がし強度は2.0kgf
/mm2 であり、周囲骨との結合力が低下していた。ま
た被膜が形成されていない試料No.4は、周囲組織の
炎症反応は起こらなかったものの、材料周辺に薄いクリ
アゾーンが認められ、周囲骨と殆ど結合していなかっ
た。また引き剥がし強度も0.2kgf/mm2 と非常
に低かった。
イト被膜が形成された試料No.3の比較例では、周囲
組織に炎症反応を起こさず、また埋入後12週目には周
囲骨との結合が認められ、引き剥がし強度も3.5kg
f/mm2 と高かった。しかしながら24週後には、バ
イオデグラデーションによりアパタイトの一部が消失
し、周囲骨と基材との間に隙間(クリアゾーン)が観察
された。またこのときの引き剥がし強度は2.0kgf
/mm2 であり、周囲骨との結合力が低下していた。ま
た被膜が形成されていない試料No.4は、周囲組織の
炎症反応は起こらなかったものの、材料周辺に薄いクリ
アゾーンが認められ、周囲骨と殆ど結合していなかっ
た。また引き剥がし強度も0.2kgf/mm2 と非常
に低かった。
【0031】一方、実施例であるNo.1及び2の試料
は、周囲組織に炎症反応を起こさず、また12週後には
周囲骨との結合が認められた。またクリアゾーンは12
週後及び24週後の何れの時点においても認められず、
しかも引き剥がし強度は、12週後が3.5kgf/m
m2 及び3.0kgf/mm2 、24週後が何れも4.
5kgf/mm2 であり、埋入期間の長期化に伴って結
合強度が増大していた。これは本発明のインプラント材
が、生体活性を有し、しかもバイオデグラデーションが
起こらず、生体内で安定であることを示している。
は、周囲組織に炎症反応を起こさず、また12週後には
周囲骨との結合が認められた。またクリアゾーンは12
週後及び24週後の何れの時点においても認められず、
しかも引き剥がし強度は、12週後が3.5kgf/m
m2 及び3.0kgf/mm2 、24週後が何れも4.
5kgf/mm2 であり、埋入期間の長期化に伴って結
合強度が増大していた。これは本発明のインプラント材
が、生体活性を有し、しかもバイオデグラデーションが
起こらず、生体内で安定であることを示している。
【0032】なお周囲組織の炎症反応については、試料
をラットの皮下に埋入した後、試料周囲の軟部組織を取
り出し、電子顕微鏡及び電子線マイクロアナライザーに
て組織の壊死の有無を調査し、判定したものである。周
囲骨との結合については、日本白色家兎の脛骨に穴を開
けて試料を埋入し、12週後及び24週後に埋入部位を
取り出し、試料と自然骨が直接結合しているかどうか、
及びクリアゾーンが存在するかどうかを評価した。これ
は埋入した試料片の表面を電子顕微鏡で観察し、EPM
Aの線分析にて確認した。また引き剥がし強度は、上記
のようにして試料を埋入した後、12週目及び24週目
に周囲の骨組織とともに取り出し、試料から骨組織を引
き剥がすのに要する強度を測定した。
をラットの皮下に埋入した後、試料周囲の軟部組織を取
り出し、電子顕微鏡及び電子線マイクロアナライザーに
て組織の壊死の有無を調査し、判定したものである。周
囲骨との結合については、日本白色家兎の脛骨に穴を開
けて試料を埋入し、12週後及び24週後に埋入部位を
取り出し、試料と自然骨が直接結合しているかどうか、
及びクリアゾーンが存在するかどうかを評価した。これ
は埋入した試料片の表面を電子顕微鏡で観察し、EPM
Aの線分析にて確認した。また引き剥がし強度は、上記
のようにして試料を埋入した後、12週目及び24週目
に周囲の骨組織とともに取り出し、試料から骨組織を引
き剥がすのに要する強度を測定した。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の生体イン
プラント材は、生体為害性がないために生体組織に対し
て炎症反応を誘起しないのは勿論のこと、生体活性を示
し、自然骨と直接結合することができる。また長期間に
わたって安定しているため、機械的強度の低下や、ルー
ズニングの問題が生じ難い。
プラント材は、生体為害性がないために生体組織に対し
て炎症反応を誘起しないのは勿論のこと、生体活性を示
し、自然骨と直接結合することができる。また長期間に
わたって安定しているため、機械的強度の低下や、ルー
ズニングの問題が生じ難い。
【0034】それゆえ整形外科分野、脳神経外科分野、
口腔外科分野等の領域における人工骨、人工関節、人工
歯根、人工軟骨等として好適である。
口腔外科分野等の領域における人工骨、人工関節、人工
歯根、人工軟骨等として好適である。
【0035】また本発明の方法を用いれば、基材として
適当な材料を選択することにより、使用箇所に応じた最
適なインプラント材を作製することができる。
適当な材料を選択することにより、使用箇所に応じた最
適なインプラント材を作製することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 基材表面の少なくとも一部にアルミナ被
膜が形成されてなり、アルミナ被膜はδ−Al2 O3 結
晶、γ−Al2 O3 結晶又は非結晶性アルミナを構成成
分として含むことを特徴とする生体インプラント材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9082009A JPH10248916A (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | 生体インプラント材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9082009A JPH10248916A (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | 生体インプラント材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10248916A true JPH10248916A (ja) | 1998-09-22 |
Family
ID=13762533
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9082009A Pending JPH10248916A (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | 生体インプラント材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10248916A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005131399A (ja) * | 2003-10-27 | 2005-05-26 | Straumann Holding Ag | セラミックコーティングを持つインプラント、およびインプラントのセラミックコーティング方法。 |
-
1997
- 1997-03-14 JP JP9082009A patent/JPH10248916A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005131399A (ja) * | 2003-10-27 | 2005-05-26 | Straumann Holding Ag | セラミックコーティングを持つインプラント、およびインプラントのセラミックコーティング方法。 |
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