JPH10248065A - 動きベクトル検出装置 - Google Patents

動きベクトル検出装置

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JPH10248065A
JPH10248065A JP4883397A JP4883397A JPH10248065A JP H10248065 A JPH10248065 A JP H10248065A JP 4883397 A JP4883397 A JP 4883397A JP 4883397 A JP4883397 A JP 4883397A JP H10248065 A JPH10248065 A JP H10248065A
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JP
Japan
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vector
motion vector
block
motion
function value
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JP4883397A
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English (en)
Inventor
Eisuke Nakasu
英輔 中須
Osamu Mizuno
修 水野
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Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Publication date
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  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 動き補償フレーム間符号化装置に適用され
る、実際の動きに即した本来の動きベクトルの検出が可
能な動きベクトル検出装置を提供する。 【解決手段】 近傍ブロックで既に求めた動きベクトル
を蓄積するベクトルメモリ(16)と、該蓄積された動
きベクトルからそれぞれベクトル誤差関数値を導出する
ベクトル誤差関数値算出部(18)と、処理対象ブロッ
ク(12)と探索ブロック(13)間の画素誤差関数値
を導出する画素誤差関数値算出部(14)と、両算出部
(14,18)の2つの出力から動きベクトルの評価検
出を行う動きベクトル評価検出部(15)とを具備す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、動き補償フレー
ム間画像符号化装置に係わり、動きベクトルの検出装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】動き補償は、高能率画像符号化による画
像信号の帯域圧縮の最も重要な要素技術のひとつであ
る。単純な例でいえば、動き補償フレーム間符号化装置
では、まず処理対象画像と前フレームの画像から求めた
動きベクトルを符号化し、次にこの動きベクトルに基づ
き前フレームの画像を用いて復号した処理対象画像の予
測画像と実際の画像との差分信号成分を量子化し、符号
化する。予測方式には、前フレームの画像を用いて処理
対象画像の予測を行う順方向予測のほか、処理対象画像
の時間的に後に表示される画像から予測を行う後方向予
測、処理対象画像の時間的に前後に表示される画像のい
ずれかまたは双方を用いて予測を行う両方向予測があ
る。このように、処理対象画像の画像予測に用いる画像
は、1画像でも2画像でもよい。2つの画像のいずれか
から時間的にそれらの間に位置する処理対象画像を予測
する場合は、最適な画像予測方向を適応的に選択する。
両方向予測では、処理対象画像の時間的に前後に表示さ
れる画像を用いることで予測効率を高めている。両方向
予測まで許すと、順方向予測方式、後方向予測方式、両
者の予測画像を内挿して予測(内挿予測)する方式、の
ように予測方向において選択の自由度が生じる。また、
インターレース画像の2つのフィールド画像を1つのフ
レーム画像として符号化処理を行う場合には、フレーム
画像として1つの動きベクトルを用いる予測(フレーム
予測)形態と、フィールド画像として2つの動きベクト
ルを用いる予測(フィールド予測)形態、のように予測
形態においても選択の自由度が生じる。これらの選択可
能なモードが複数存在する場合は、まず各モード内で符
号化効率の最も高くなる動きベクトルを探し、それから
全ての予測モードにおいて最も符号化効率の高くなる動
きベクトルを探し出してこれに基づき符号化を行った
り、予め定められた規則に従ってモード選択を行ったり
している。
【0003】モード内の動きベクトル検出では、入力画
像をブロックに分割し、このブロックごとに、いわゆる
ブロックマッチング法により動きベクトルを検出するこ
とが多い。ブロックマッチング法では、一般には、現フ
レーム画像の処理対象ブロックに対し、前フレーム画像
のブロックの中から符号化効率の高くなるブロックを探
し、前フレーム画像のブロックから現フレーム画像のブ
ロックへの移動方向と距離を示す動きベクトルを検出し
ている。ただし、現フレーム画像の処理対象ブロックと
のマッチングを行うブロックは必ずしも真の前フレーム
画像に含まれるブロックに限られるわけではなく、先に
述べた動きベクトルに基づき復号化した予測画像(ロー
カルデコード画像)に含まれるブロックであってもかま
わない。このような処理対象ブロックとのマッチングを
行うブロックを含むフレームは参照フレームと呼ばれ
る。処理対象ブロックの動きベクトルを符号化する際
に、処理対象ブロックの動きベクトルと直前に符号化し
た近傍ブロックの動きベクトルとの差分で符号化するこ
ともある。画像信号の高能率符号化における動きベクト
ルの検出方法のうちブロックマッチング法に関する従来
方法としては次のような手法がある。 (1)近傍ベクトル非参照法 (2)画像平坦部における近傍ベクトル置換法(特開平
07-231446 号「動きベクトル補正制御方式」等) (3)動き探索窓追随法(特開平03-76486号「動画像信
号の動きベクトル検出装置」) ここでは、これらの検出方法の概要を説明する。
【0004】(1)近傍ベクトル非参照法 両ブロック間の各画素値の二乗誤差あるいは絶対値誤差
等の画素誤差関数値の最小値となるブロックの位置を検
出する方法であり、処理対象ブロック近傍の動きベクト
ルの情報を使わない最も一般的な手法である。ブロック
中に含まれる画像にエッジ等の特徴部分があれば画素誤
差関数は明確な最小値をもち、動きベクトルが一意に決
まる。しかし、周期的なパターンをもつ画像や平坦部分
の画像においては、最小値に近い画素誤差関数値をもつ
複数のベクトルが存在し、本来の動きベクトルと大きく
異なるベクトルが求まる場合がある。この場合には、検
出された動きベクトルが処理対象ブロックの近傍ブロッ
クの動きベクトルと異なるとともに、符号化の際の予測
画像と真の画像との差分信号成分の特性(例えばエネル
ギ分布)がブロック間で異なり、復号画質において不自
然な劣化を引き起こす。
【0005】(2)画像平坦部における近傍ベクトル置
換法 近傍ベクトル非参照法で検出した動きベクトルが、近傍
ブロックの動きベクトルと極端に異なり、かつ処理対象
ブロックが平坦な画像成分からなる場合、近傍ブロック
の動きベクトルの平均値を処理対象ブロックの動きベク
トルとする手法である。画像の平坦部分で効果はある
が、画像の平坦部を判断するのに閾値を用いるので、閾
値前後の画像成分を有する場合には、ブロック間で動き
ベクトルがばらつき、復号画質の劣化となりやすい。
【0006】(3)動き探索窓追随法 ブロックマッチング法では、ある探索範囲(探索窓)を
定めてブロックのマッチングを行うことが多いが、この
検出方法は動き探索窓の中心が近傍の動きベクトルの示
す位置となるように、動き探索窓を設定する方法であ
る。探索窓の大きさはもともと固定であるため動きベク
トルのとりうる範囲が制限され、近傍の動きベクトルと
相関の高い動きベクトルが検出されやすい。しかし、動
きの不連続部分、すなわち、動き物体のエッジ部では動
きベクトル検出の確度が低下する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術ではエッジ
部分を有する画像は高い確度で動きベクトルを検出でき
るが、平坦な画像部分や周期的なパターンをもつ画像部
分では、検出した動きベクトルがブロック間でばらつい
たり、近傍の動きベクトルと相関の低い動きベクトルが
求まる。これら本来の動きベクトルと大きく異なる動き
ベクトルを用いて動き補償を伴う符号化を行うと、予測
画像と真の画像との差分信号成分がブロック間で異なる
ため、復号画像で視覚的に不自然な劣化が生じやすい。
また、動きベクトルを近傍ブロックの動きベクトルとの
差分の形で符号化する場合、動きベクトルの差分が大き
くなり符号化効率が低下する。従来技術の項で3つの手
法をあげ、その概要を説明し、長所と短所を述べた。こ
れらを次にまとめる。本発明はこれらの欠点を解決する
動きベクトル検出装置を提供することを目的とする。 (1)近傍ベクトル非参照法 多くのハードウェアに用いられている方法で、ハード化
が容易である。しかし、画像の平坦部では動きベクトル
検出の確度が低下する。 (2)画像平坦部近傍ベクトル置換法 画像平坦部検出の閾値前後の画像成分を有する場合に
は、ブロック間で動きベクトルが統一されない。 (3)動き探索窓追随法 パンニング等の一様な動きでは効果があるが、動きが急
激に変化する画像部分で、動きに追従できず動きベクト
ルの検出確度が低下する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の従来法の欠点を解
決する本発明動きベクトル検出装置は、入力画像を複数
のブロックに分割し、各ブロック毎にそれを代表する画
像の動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置にお
いて、動きベクトル検出をしようとする前記入力画像の
処理対象ブロックと動きベクトル検出の基準となる参照
画像に含まれる各探索ブロックとの間でブロックマッチ
ングを行い、各探索ブロックと前記処理対象ブロックと
の画素誤差関数値を算出して出力する画素誤差関数値算
出部と、既に出力された動きベクトルの内、前記処理対
象ブロックの予め定められた近傍範囲の各近傍動きベク
トルを蓄積するベクトルメモリと、前記各探索ブロック
と前記処理対象ブロックとの相対位置関係から求めた各
動きベクトルについて、該動きベクトルと前記各近傍動
きベクトルとのベクトル相関に基づくベクトル誤差関数
値を算出して出力するベクトル誤差関数値算出部と、前
記各探索ブロック毎に、前記画素誤差関数値算出部から
出力される画素誤差関数値と前記ベクトル誤差関数値算
出部から出力されるベクトル誤差関数値とを重み付き和
または重み付き積演算して動き検出評価関数値を算出す
るとともに、該動き検出評価関数値の最小値を与える探
索ブロック位置から求めた動きベクトルを出力する動き
ベクトル評価検出部と、を具備したことを特徴とするも
のである。
【0009】さらに、本発明の好適な実施態様は、前記
処理対象ブロックの予め定められた近傍範囲は、前記処
理対象ブロックが含まれる入力画像内の前記処理対象ブ
ロックの周囲2ブロックまでの隣接ブロック範囲と、該
範囲における予測モードと同一予測モードで直前に動き
検出が行われた画像内の前記処理対象ブロックに対応す
る位置のブロックおよびその周囲1ブロックまでの隣接
ブロック範囲とに含まれる近傍範囲であることを特徴と
するものである。
【0010】さらにまた、本発明の好適な実施態様は、
前記ベクトル誤差関数値は、前記探索ブロックと前記処
理対象ブロックとの相対位置関係から求めた動きベクト
ルと前記各近傍動きベクトルとの間で、方向及び距離の
差に基づき予め定められた相関表に基づきスカラー量と
して求めた各誤差関数値を重み付き和または重み付き積
演算して生成されることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照し、本願発明
の要旨を詳細に説明する。エッジ部分をもつ画像、周期
的なパターンをもつ画像および平坦な画像における画素
誤差関数値の一般的な特性を図6の曲線61,62およ
び63でそれぞれ示す。図の横軸は真の動きベクトルに
対応するブロック位置からの処理対象ブロックの移動量
(任意単位)、縦軸は各移動量に対する画素誤差関数値
(任意単位)である。エッジ画像では画素誤差関数値の
最小値周辺の勾配が大きく、画素誤差関数値が単調増加
することから動きベクトル検出の確度は高い(勾配の大
きな部分より真の動きベクトルを求め易い)。一方、周
期的なパターンでは画素誤差関数値に周期的な極小値が
存在し本来の動きベクトルと異なる動きベクトルが検出
される可能性がある。また平坦画像では最小値周辺の勾
配が小さくなり動きベクトル検出の確度はかなり低くな
る。
【0012】本発明は、実際の動きに合致した本来の動
きベクトルを検出すべく、従来技術の課題を解決する手
法を提供する。この手法は、平坦画像等で動きベクトル
検出の確度が低下するとき、従来の画素値に基づく誤差
関数で検出した動きベクトルより、近傍の動きベクトル
と相関の高い動きベクトルを、求める動きベクトルとし
て検出した方が画質劣化を抑えることができるという考
えに基づいている。すなわち、動きベクトル検出の評価
関数に近傍ベクトルとの相関を加味することにより、画
像平坦部など正確な動きベクトルが求まる可能性が低い
画像での検出確度を高める動きベクトル検出手法であ
る。この手法により、エッジ等の特徴部分のあるブロッ
クでの動きベクトル検出確度を保ちながら、平坦部でも
動きベクトル検出確度を向上させ、本来の動きと相関の
高い動きベクトルを検出する装置を実現できる。
【0013】
【実施例】図1に本発明の一実施例に係る構成ブロック
線図を示す。図1の一点鎖線で囲んだ部分11は、従来
のブロックマッチングによる動きベクトル検出における
画素誤差関数値導出部分に等しい。ブロックマッチング
法とは、参照フレームの動き探索窓内の探索ブロック1
3を順次読み込み、処理対象フレーム内の処理対象ブロ
ック12との画素誤差関数値(誤差二乗和、誤差絶対値
和等)を画素誤差関数値算出部14により求め、動きベ
クトル評価検出部15により前記画素誤差関数値が最小
となる探索ブロックを評価抽出し、当該評価抽出された
その探索ブロックから前記処理対象ブロックへの移動方
向と距離を有する動きベクトルを出力する方法である。
図1の一点鎖線で囲んだ部分11では、探索ブロック1
3を動き探索窓内でシフトさせる毎に、画素誤差関数値
算出部14でスカラー量として画素誤差関数値を計算す
る。従来のブロックマッチングによる動きベクトル検出
では、次段の動きベクトル評価検出部15にその時点ま
での画素誤差関数値の最小値とその最小値に相当する探
索ブロック位置またはそこから求めた動きベクトルが保
持され、動き探索窓内の全ブロックを探索した後に、動
きベクトル評価検出部15に保持された画素誤差関数値
を最小にするブロックを表す動きベクトルが出力される
ことになる。本発明動きベクトル検出装置では、図1に
示すように、既に求めた近傍ブロックの動きベクトルを
あらかじめ近傍ベクトル17を蓄積するためのベクトル
メモリ16に蓄積しておき、これら既に求めた近傍動き
ベクトルをも処理対象ブロックの動きベクトル評価検出
の因子として使用している。具体的には図1に示すよう
に、探索ブロック13を動き探索窓内でシフトさせる毎
に、ベクトル誤差関数値算出部18で画素誤差関数値を
算出する際に用いる探索ブロックの位置から求まる動き
ベクトル(探索ベクトル)と処理対象ブロック近傍ブロ
ック群の動きベクトル(近傍ベクトル)とのベクトル差
からベクトル誤差関数値を算出し、次段の動きベクトル
評価検出部15で画素誤差関数値とベクトル誤差関数値
を融合した動き検出評価関数値を導出するとともに、そ
の時点までの動き検出評価関数値の最小値とその最小値
に相当する探索ブロック位置またはそこから求めた動き
ベクトルを保持し、動き探索窓内の全ブロックを探索し
た後に、動きベクトル評価検出部に保持された動き検出
評価関数値を最小にするブロックを表す動きベクトルを
出力することにより最終的な動きベクトルを求めてい
る。ここで、ベクトル誤差関数値は画素成分には依存せ
ず、相関の低い動きベクトル間では大きな値をもつ。す
なわち、本発明の特徴はこのようにブロックマッチング
法に近傍ベクトル情報を組みこんだことにある。
【0014】ブロックマッチング法で順方向予測、後方
向予測、内挿予測、フィールド予測またはフレーム予測
などのうち複数の動き予測モードが選択可能な場合に
は、各予測モード内で動きベクトルを求めた後、それら
の中から符号化効率の高い動きベクトルを処理対象ブロ
ックの動きベクトルとして出力したり、予め定められた
規則に従ってモードの選択を行ったりしているが、本発
明をこのような場合に適用するには、ベクトルメモリ1
6には各予測モード内で各別に求めた近傍ブロックの動
きベクトルを蓄積し、ブロックマッチングによる動きベ
クトル検出と同一モードの蓄積動きベクトルを用いてベ
クトル誤差関数値および動き検出評価関数値を導出して
そのモード内で動き検出評価関数値を最小にするブロッ
クを表わす動きベクトルをそのモード内での代表動きベ
クトルとして求め、その後に各モード間の評価をする必
要がある。
【0015】図2は順方向予測をする場合の処理対象ブ
ロック近傍の近傍ブロック群の一例を示したものであ
る。この場合処理対象ブロック(図でB(X,Y,T)
で示す矢印の先端の四角のブロック)の動きベクトルを
検出する以前に、近傍ブロック群の各動きベクトルが図
1のベクトルメモリに蓄積されていなければならない。
図でB(X,Y,T)を処理対象フレーム21の処理対
象ブロックとした場合、B(x1,Y−1,T)(但し
x1=X−1,X,X+1)はB(X,Y,T)ブロッ
クの上の行の3つのブロックを表わす近傍ブロックであ
り、B(x2,Y,T)(但しx2=X−2,X−1)
はB(X,Y,T)ブロックと同じ行の左隣と、もう1
つ左隣のブロックを表わす近傍ブロックであり、B(x
3,y,T−1)(但し、x3=X−1,X,X+1、
y=Y−1,Y,Y+1)は処理済フレーム22のB
(X,Y,T)に対応する位置のブロックB(X,Y,
T−1)とその周囲8ケのブロックを表わす近傍ブロッ
クである。近傍ブロック群の構成は処理対象フレーム内
の処理対象ブロックを中心とした周囲2ブロックまでの
隣接範囲と、処理済フレーム内の処理対象ブロックに対
応する位置のブロックおよびその周囲1ブロックまでの
隣接範囲を越えない範囲であらかじめ定めておけば実用
上十分である。なお、図2ではXは画面水平位置座標
を、Yは画面垂直位置座標を、Tはさらに符号化順序で
の時間軸を表している。Tに関していえば後方向予測を
行う場合は図2の処理対象フレームと処理済フレームの
実時間軸上での位置関係が逆になる。
【0016】例えばMPEG(Moving Picture Experts
Group)方式のように、予測に用いる参照フレームを1枚
だけ使った予測と2枚使った予測をフレーム毎に変えて
符号化を行う場合には、ベクトル誤差関数値の導出に用
いる近傍ブロックを含む処理済フレームと処理対象フレ
ームとは同じ予測モードのデータを用いる。
【0017】近傍ベクトルに対するベクトル誤差関数値
の導出には、図3図示略構成ブロック線図の構成が用い
られる。個々の近傍ベクトルVa,Vb,・・・,Vn
(32,33,・・・,34)から探索ベクトル31に
対するそれぞれの誤差関数値a,b,・・・,n(3
5,36,・・・,37)を求め、全ての誤差関数値の
重みwa,wb,・・・,wn付きの和38あるいは重
み付き積によりベクトル誤差関数値39を導出する。各
誤差関数値a,b,・・・,nは2つのベクトル間で方
向および距離の差に基づき、予め定められた相関表に基
づきスカラー量として求める。ここで参照番号38は加
算器または乗算器である。重み付けは図2図示の小さな
正方形ブロック中に記した数字のように、処理対象ブロ
ックB(X,Y,T)との時空間距離の小さい正方形ブ
ロックに重みを大きくした重み付けを行う。
【0018】図4に一つの近傍ベクトル42に対する誤
差関数値の算出結果の一例を示す。動き探索窓平面41
に平行な軸は、探索ブロックの水平、垂直移動距離を示
し、動き探索窓平面41に垂直な軸は各探索ベクトルと
のベクトル誤差関数値を示す。図4のように探索ベクト
ルと近傍ベクトルとの相関が低い範囲では、多少の変動
はあるがベクトル誤差関数値は比較的大きな一定の値を
とる。そして両者の相関が高くなるにつれベクトル誤差
関数値は小さくなり、最も相関が高いとき、即ち探索ベ
クトルと近傍ベクトルが等しいときに誤差関数値は最小
値となる。実験から、誤差関数値は近傍ベクトル42の
示す位置に対して、水平±8画素、垂直±8ラインの範
囲で四角錐状の凹部43を形成し、それ以外の範囲では
ほぼ一定値となった。また、誤差関数値の最小値と最大
値の関係は1対1.5から1対2の範囲となった。ま
た、図で四角形のライン44は動き探索窓の境界を示す
ラインである。
【0019】各探索ブロック毎の画素誤差関数値51と
ベクトル誤差関数値52との融合法は、図5に示すよう
に両関数値の出力にそれぞれ重みwl,wm付けし、両
重み付けしたものの和53あるいは積をとって動き検出
評価関数値54とする。ここで参照番号53は加算器ま
たは乗算器である。なお、ここでいう重み付け係数は実
験的に求めればよい。このようにして求めた動き検出評
価関数値の定性的な特徴を表1に示す。表1より、動き
検出評価関数値を最小にする動きベクトルの特徴を定性
的に表現すれば次のようになる。画像エッジ部では画素
差分より求めた動きベクトルが支配的となるが、画像平
坦部では、画素差分より求めた動きベクトルの確度が低
下するために、ベクトル差分より求めた動きベクトルが
支配的になり、本来の動きに基づく動きベクトル検出の
確度を向上させることができる。なお、複数の予測モー
ドが選択可能な場合には、図5の動き検出評価関数値5
4が最小となる探索ブロックの位置より求めた動きベク
トルを処理対象ブロックのモード内の代表動きベクトル
として出力し、その後に各モード間で評価が行われる。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明において、動きベクトルの評価関
数にベクトル誤差関数を付加することにより、画像エッ
ジ部での高い検出確度を維持しながら、画像平坦部での
ベクトル検出確度を向上させることができる。本発明に
おいて、画像平坦部や、周期的なパターンのある画像に
対して、符号化画質と符号化効率ともに改善効果があ
る。その効果の度合いは、おおよそ画像平坦部等の占め
る面積に比例することが実験的に確かめられている。テ
レビジョン画像には局部的に相当速い動きがあり、その
ような画像の符号化効率を良くするには、動き探索範囲
を広くする必要があるが、近年のハードウェア技術の進
展にともない、広範囲の動き探索をおこなうことが可能
となった。動き探索範囲が広くなり、数多くの動きベク
トルの候補から符号化に最も適したベクトルを検出する
際に、本発明の効果は顕著に現れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明動きベクトル検出装置一実施例の構成ブ
ロック線図を示す図。
【図2】処理対象ブロック近傍ブロック群とそれらの重
み付けの一例を示す図。
【図3】複数の近傍ブロックに対するベクトル誤差関数
値の合成を説明するための略構成ブロック線図。
【図4】ベクトル誤差関数算出結果を説明するための
図。
【図5】画素誤差関数値とベクトル誤差関数値の融合を
説明するための略構成ブロック線図。
【図6】いくつかの特徴ある画像の画素誤差関数値の一
般的な特性を示す図。
【符号の説明】
11 従来のブロックマッチングが行われる部分 12 対象処理ブロック 13 探索ブロック 14 画素誤差関数値算出部 15 動きベクトル評価検出部 16 ベクトルメモリ 17 近傍ベクトル 18 ベクトル誤差関数値算出部 21 処理対象フレーム 22 処理済フレーム 31 探索ベクトル 32 近傍ベクトルVa 33 近傍ベクトルVb 34 近傍ベクトルVn 35 誤差関数値a 36 誤差関数値b 37 誤差関数値n 38 加算器または乗算器 39 ベクトル誤差関数値 41 動き探索窓平面 42 近傍ベクトル 43 最小値を含むベクトル誤差関数値 51 画素誤差関数値 52 ベクトル誤差関数値 53 加算器または乗算器 54 動き検出評価関数値

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力画像を複数のブロックに分割し、各
    ブロック毎にそれを代表する画像の動きベクトルを検出
    する動きベクトル検出装置において、 動きベクトル検出をしようとする前記入力画像の処理対
    象ブロックと動きベクトル検出の基準となる参照画像に
    含まれる各探索ブロックとの間でブロックマッチングを
    行い、各探索ブロックと前記処理対象ブロックとの画素
    誤差関数値を算出して出力する画素誤差関数値算出部
    と、 既に出力された動きベクトルの内、前記処理対象ブロッ
    クの予め定められた近傍範囲の各近傍動きベクトルを蓄
    積するベクトルメモリと、 前記各探索ブロックと前記処理対象ブロックとの相対位
    置関係から求めた各動きベクトルについて、該動きベク
    トルと前記各近傍動きベクトルとのベクトル相関に基づ
    くベクトル誤差関数値を算出して出力するベクトル誤差
    関数値算出部と、 前記各探索ブロック毎に、前記画素誤差関数値算出部か
    ら出力される画素誤差関数値と前記ベクトル誤差関数値
    算出部から出力されるベクトル誤差関数値とを重み付き
    和または重み付き積演算して動き検出評価関数値を算出
    するとともに、該動き検出評価関数値の最小値を与える
    探索ブロック位置から求めた動きベクトルを出力する動
    きベクトル評価検出部と、を具備したことを特徴とする
    動きベクトル検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の動きベクトル検出装置に
    おいて、前記処理対象ブロックの予め定められた近傍範
    囲は、 前記処理対象ブロックが含まれる入力画像内の前記処理
    対象ブロックの周囲2ブロックまでの隣接ブロック範囲
    と、該範囲における予測モードと同一予測モードで直前
    に動き検出が行われた画像内の前記処理対象ブロックに
    対応する位置のブロックおよびその周囲1ブロックまで
    の隣接ブロック範囲とに含まれる近傍範囲であることを
    特徴とする動きベクトル検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の動きベクトル検
    出装置において、前記ベクトル誤差関数値は、 前記探索ブロックと前記処理対象ブロックとの相対位置
    関係から求めた動きベクトルと前記各近傍動きベクトル
    との間で、方向及び距離の差に基づき予め定められた相
    関表に基づきスカラー量として求めた各誤差関数値を重
    み付き和または重み付き積演算して生成されることを特
    徴とする動きベクトル検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000295628A (ja) * 1999-03-16 2000-10-20 Mitsubishi Electric Inf Technol Center Europ Bv 画像デジタル化のシーケンスにおけるモーションを表わす方法、画像に関するデータを処理する方法、画像を処理する方法、エンコーダ、デコーダ、モーションを表わす装置および符複号器

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JP2000295628A (ja) * 1999-03-16 2000-10-20 Mitsubishi Electric Inf Technol Center Europ Bv 画像デジタル化のシーケンスにおけるモーションを表わす方法、画像に関するデータを処理する方法、画像を処理する方法、エンコーダ、デコーダ、モーションを表わす装置および符複号器

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