JPH10231253A - 糖尿病の予防剤 - Google Patents

糖尿病の予防剤

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JPH10231253A
JPH10231253A JP9036171A JP3617197A JPH10231253A JP H10231253 A JPH10231253 A JP H10231253A JP 9036171 A JP9036171 A JP 9036171A JP 3617197 A JP3617197 A JP 3617197A JP H10231253 A JPH10231253 A JP H10231253A
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JP
Japan
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igf
insulin
agent
diabetes mellitus
diabetes
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Application number
JP9036171A
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English (en)
Inventor
Koichi Kaino
幸一 戒能
Hiroo Hirai
洋生 平井
Takuo Ito
卓夫 伊藤
Yoshikazu Kida
嘉一 貴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 インシュリン様成長因子Iまたはその類
縁体を含有するインシュリン依存性糖尿病の予防剤を提
供する。 【効果】 インシュリン依存性糖尿病の発症を予防する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インシュリン様成長因
子I(IGF−I)またはその類縁体を含有するインシ
ュリン依存性糖尿病予防剤およびIGF−Iまたはその
類縁体を用いたインシュリン依存性糖尿病の予防方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病は慢性の高血糖と、糖代謝、脂質
代謝、蛋白代謝の障害で、それは絶対的あるいは相対的
なインシュリン分泌の低下とインシュリン作用の低下の
両方またはいずれか一方に伴って起こるものである。そ
して、糖尿病は一般的には、インシュリン依存性糖尿
病、インシュリン非依存性糖尿病、栄養不良関連糖尿病
および特殊な病態や症候群に伴うその他の型の糖尿病に
分類されている(Diabetesmellitus. Report of WHO stu
dy group. Tech. Rep. Ser. (1985) Vol. 727, 1-11
3)。このうち、インシュリン依存性糖尿病(IDDM)
の主たる成因は自己免疫疾患であり、糖尿病の前段階の
長い期間、免疫学的異常が持続されインシュリンの分泌
機能が失われてしまう(Eisenbarth, G. S., N. Engl.
J. Med.(1986)Vol. 314, 1360-1368)。IDDMを予防
するために、発症前にインシュリンを投与する試みは、
自己免疫疾患のIDDMの動物モデルであるNODマウ
スやBBラットにおいて試験されており、糖尿病の発症
率を減少させることやその発症の時期を遅らせることが
知られている(Gotfredsen, C. F. et al, Diabetologi
a(1985) Vol. 28, 933-935, Atkinson, M. A. et al, D
iabetes(1990) Vol. 39,933-937, Vlahos, W. D. et a
l, Metabolism Vol. 40, 825-829, Zhang, J. Z.et al,
Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A.(1991) Vol. 88, 10
252-10256)。さらに、新たにIDDMと診断された初
期の患者に対しては、インシュリンの投与により数年間
はベータ細胞の機能の改善することも報告されている(S
hah, S. C.et al, N. Engl. J. Med.(1989) Vol. 320,
550-554)。また、ヒトにおいても、IDDMの発症のリ
スクの高い患者にあっては、インシュリンの投与によっ
て糖尿病の発症を予防することが報告されている(Kell
er, R. J. et al, Lancet(1993) Vol. 341, 927-92
8)。また、自己免疫疾患であることから、シクロスポ
リンやFK506等の免疫抑制剤の投与も試みられてい
る。しかし、未だインシュリン依存性糖尿病の有効な予
防法は確立されていない。IDDMの発症のリスクが高
い患者を判別する方法として、膵島細胞自己抗体、イン
シュリン自己抗体、グルタミン脱炭酸酵素自己抗体、膵
島細胞膜自己抗体およびカルボキシペプチダーゼH自己
抗体を測定する方法が知られている。
【0003】IGF−Iは血糖降下作用が知られてお
り、欧州特許第331,630号公報では糖尿病の治療に伴う
過インシュリン血漿の治療剤として、国際特許公開WO91
/03253号公報ではインシュリン抵抗性糖尿病の治療薬と
して開示されている。しかしながら、IGF−Iまたは
その類縁体がIDDMの発症の予防に有効であることは
は全く知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、IG
F−Iまたはその類縁体を投与することにより、IDD
Mの発症を予防しようとする方法および使用される薬剤
に関するものであり、特に、IDDMの発症のリスクが
高い患者にIGF−Iまたはその類縁体を投与すること
により、IDDMの発症を予防することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、IGF−
I又はその類縁体がインシュリンに比較して低血糖によ
る副作用が少なく、糖尿病の予防剤として優れているこ
とを見出した。本発明は、インシュリン様成長因子Iま
たはその活性類似体をIDDMの発症のリスクが高い患
者に投与することによりIDDMの発症を予防すること
にある。また、本発明はインシュリン様成長因子Iまた
はその活性類似体を含有するIDDMの予防剤に関す
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるIGF−Iと
しては、天然に産生するものおよびそれを分離・精製し
たものや、遺伝子組み換え技術(例えば特開昭61-1396
号参照)、ペプチド合成法、細胞培養法などにより製造
された、例えば、ヒト、ウシなどの哺乳動物由来のIG
F−Iが含まれる。IGF−Iの類縁体としては、その
アミノ酸配列の一部が挿入、置換、欠失、付加を起こし
たIGF−I活性を有する変異タンパク質およびO−グ
ルコシル化IGF−I(WO90/02198公報参照)等の化学
修飾体が含まれる。IGF−Iの類縁体として好ましい
ものとしては、例えば、WO89/05822公報に記載されたN
末端から1〜5個のアミノ酸が欠失したものがあげられ
る。なお、好ましくない免疫応答を避けるためには、ヒ
ト由来のIGF−I又はその類縁体を用いるのが好まし
い。
【0007】投与法としては、経口または非経口(静
脈、筋肉、皮下、腹腔、直腸、鼻等を含む)等、通常の
方法の中から適切な方法を選択することができる。医薬
製剤中の有効成分の量は、所望の効果を生じるに足りる
量であれば良く、患者の年齢、投与経路等により異なる
が、通常成人、1日あたりIGF−Iとして約1〜10
0mg/kg、好ましくは約5〜20mg/kgであり、これを1
回または分割して投与することができる。投与時期とし
ては、糖尿病の発症前であればいつでもよいが、膵島炎
の発症の初期または発症前に投与するのが好ましい。特
に膵島炎の発症前が好ましい。
【0008】製剤の形態としては、錠剤、カプセル剤、
散剤、顆粒剤、細粒剤、トローチ剤、丸剤、坐剤等の固
形製剤、軟膏、クリーム等の半固形製剤、溶液剤、懸濁
剤、シロップ剤、エリキシル剤などの液体製剤、リポソ
ーム剤等の慣用の剤型からから、投与経路等により適切
な剤型を選択することができる。当該製剤は、任意に製
剤用担体、賦形剤、安定化剤、その他医薬として許容さ
れる添加剤などを使用して、慣用の手段によって製造さ
れる。注射剤とする場合は用時溶解型の固形製剤(凍結
乾燥製剤等)とすることもできる。これらの製剤の具体
的な例としては、特開平4-208228号公報記載の凍結乾燥
製剤、特開平5-58877号公報記載の点鼻製剤等があげら
れる。
【0009】
【実施例】
実施例1 動物 NODマウスはクレア日本から購入した10匹の繁殖用
のつがいから生まれたコロニーを愛媛大学医学部実験動
物センターで維持したものを用いた。同腹の雌性個体を
試験群と対照群の2つのグループに分けた。動物は食餌
を制限せず、照明は午前7時から午後7時までとした。
週1度、14週齢まで体重を測定し、尿中のグルコース
濃度およびケトン濃度をKeto-Diastix(マイルス−三
共)を用いて測定した。糖尿試験で陽性の時は血中濃度
をToechosuper II(日本ヘキストマリオンルセル)を用
い測定した。IDDMの診断は多尿と連続3日以上の持
続的な糖尿および11mmol/l以上の高血糖により判断し
た。
【0010】実施例2 実験方法 4週齢のNODマウスを用いてIGF−Iによる処置を
行った。この時、ほとんどのマウスには膵島炎の病変は
見られなかった。試験群の動物には、4から5週齢の間
は17.9nmol/day(137μg/day)のIGF−Iを、6から9
週齢の間は35.9nmol/day(274μg/day)のIGF−Iを投
与した。IGF−Iは生理食塩水に溶解し、100μlをマ
ウスの皮下に午後2時から4時の間に投与した。IGF
−Iは組み換えヒ トIGF−Iを用いた。血液の試料
はIGF−Iまたは生理食塩水の投与前後に9週齢の試
験群8個体と対照群13個体から採取し、血中グルコー
ス濃度をDiagluca(東洋紡)をもちいて測定した。試験
群10個体の血中インシュリン濃度はELISAインシュリ
ンキット(森永生物学研究所)を用いた。
【0011】実施例3 組織学的検定 10週齢時に、それぞれの群で組織学的検定を行った
(試験群 14個体、対照群 18個体)。各個体はペ
ントバルビタール麻酔下で屠殺し、膵臓を摘出した。膵
臓の各標本は、パラフィンで埋め込んだ30の切片をヘ
マトキシリンとエオジンで染色し、20から40の適当
な大きさの異なるランゲルハンス島を見つけることがで
きた。膵島炎の程度は単核細胞の浸透の程度(0段階:
単核細胞の浸透なし、1段階:島の周辺には浸透はある
ものの内部はない、2段階:周囲および内部に単核細胞
の浸透はあるものの、内部への浸透は島の面積の1/3
以下である、3段階:単核細胞の島の内部への浸透が島
の面積の1/3から1/2である、4段階:単核細胞の
浸透が1/2以上をしめる)によって半定量的に測定し
た。それぞれの膵臓についてすべてのランゲルハンス島
でのスコアを検定し平均した。
【0012】実施例4 統計的分析 累積糖尿病発症数のライフテーブルをKaplan-Meierの方
法で見積もった。試験群と対照群の差異は一般化したWi
lcoxonテストを用いて行った。血清グルコース濃度はon
ewayANOVAおよびTurkey-Kramar法を用いて分析した。血
清インシュリン濃度はtwo way ANOVAを用いて分析し
た。
【0013】実施例5 結果 試験群33個体の内5個体(15%)は10週齢までに
低血糖により死亡した。死亡率は対照群では0%であっ
た。低血糖以外に明確な副作用は観察されなかった。1
0週齢では体重に明確な差が見られたが(試験群22.4±
2.2(n=27)、対照群21.1±1.5(n=33)、P<0.05)が34週
齢では差はなかった。試験群(実線)と対照群(点線)
の糖尿病の発症率は図1に示した。試験群では糖尿病の
発症が顕著に抑制された(P<0.05)。試験群では30週
齢までは発症した個体はなかった。また、実施例3の方
法で測定した10週齢の膵島炎スコアにおいては、試験
群(1.07±0.45(n=14))は対照群(1.84±0.49(n=18))に
比べ、有意(P<0.01)に低かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ラットの週齢と糖尿病の発症率との
関係をあらわした図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インシュリン様成長因子Iまたはその類
    縁体を含有するインシュリン依存性糖尿病の予防剤。
  2. 【請求項2】 インシュリン様成長因子Iがヒト由来の
    ものである請求項1記載の予防剤。
JP9036171A 1997-02-20 1997-02-20 糖尿病の予防剤 Pending JPH10231253A (ja)

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