JPH10229641A - 電力系統の解析モデル及び系統安定度解析方法 - Google Patents

電力系統の解析モデル及び系統安定度解析方法

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JPH10229641A
JPH10229641A JP9030215A JP3021597A JPH10229641A JP H10229641 A JPH10229641 A JP H10229641A JP 9030215 A JP9030215 A JP 9030215A JP 3021597 A JP3021597 A JP 3021597A JP H10229641 A JPH10229641 A JP H10229641A
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JP
Japan
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model
analysis
tcsc
analysis model
line
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Application number
JP9030215A
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English (en)
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Yasubumi Akagi
泰文 赤木
Takaaki Kai
隆章 甲斐
Nobutaka Takeuchi
伸貴 竹内
Tatsunori Sato
達則 佐藤
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/10Flexible AC transmission systems [FACTS]

Abstract

(57)【要約】 【課題】 1機無限大母線系統の安定化のために線路に
TCSCを設け、このTCSCをΔP形PSS制御する
ための解析モデルはない。解析モデルを伝達関数で表現
するものはない。解析シミュレーションでは演算時間が
長くなる。 【解決手段】 発電機の過渡モデルと、TCSCの点弧
角とインピーダンスとの関係式により制御遅れを考慮し
たTCSCモデル14と、送電線モデルと、発電機の自
動電圧制御装置12及びガバナー11の伝達関数になる
演算要素と、系統安定化装置13の伝達関数になる演算
要素とをブロックとして各演算要素間を結合することに
より系統安定度解析モデルとし、このモデルで系統解析
する。さらに、このモデルの各演算要素及び1機無限大
母線の線路抵抗と線路リアクタンスを微小領域の変化で
線形近似した伝達関数を求め、各伝達関数を結合した線
形近似解析モデルとし、このモデルで系統解析する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統線路にサ
イリスタ制御直列コンデンサ(TCSC)を設け、この
サイリスタの点弧角をΔP形系統安定化装置で制御する
1機無限大母線系統の安定度を解析するための解析モデ
ル及び系統安定度解析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電力系統の安定度向上方式として、大容
量発電機に系統安定化装置(PSS:PowerSys
temStabilizer)を設ける方式や長距離線
路にサイリスタ制御直列コンデンサ(TCSC:Thy
ristorControlledSeriesCap
acitor)を設ける方式がある。
【0003】PSSは、フィルタと位相補償回路からな
り、電力の変動分を入力とし、その位相の進み・遅れを
調整して発電機の自動電圧制御装置(AVR)への補助
信号を加え、AVRの速応度が極めて大きい場合の負制
動現象を防止する。
【0004】TCSCは、長距離送電線路の許容送電電
力量の増加及び低周波共振現象を防止するため、線路に
直列挿入したコンデンサに並列接続のサイリスタの制御
によりフレキシブルに線路リアクタンスを変える。
【0005】このTCSCのサイリスタの制御方式とし
ては、直列コンデンサを数段に分割構成し、各コンデン
サに並列のサイリスタのオン・オフ制御で線路リアクタ
ンスをステップ的に変化させるスイッチング方式と、サ
イリスタの点弧角制御により線路リアクタンスを連続的
に変化させるモジュレーション制御方式がある。
【0006】このTCSCとして、線路電流と電圧から
有効電力Pの変化分ΔPを求め、これを制御量として系
統安定化装置(PSS)により位相補償演算してサイリ
スタの点弧角制御を行うΔP形PSS制御TCSC方式
がある。
【0007】例えば、文献1「藤田、他:サイリスタ制
御直列コンデンサの模擬送電線実験(II)、平成7年
電気学会、電力技術研究会、PE−96−128(1995)」
があり、系統動揺に対して優れた安定度効果を持つと報
告されている。
【0008】次に、電力系統における1機無限大母線系
統は、1機の発電機に無限大とみなせる長距離の母線が
接続されたものであり、この系統安定化のための最適設
計を目的とした発電機励磁系PSSを含む1機無限大母
線解析モデルが提案されており、またこの解析モデルを
使ってEPTM(汎用電磁過渡解析プログラム)による
シミュレーション結果も報告されている。
【0009】例えば、文献2「小林、他:簡単な系統安
定化装置の設計手法と実機試験結果、電気学会論文誌
B、33、31(昭和56年)」がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
(第1の課題)発電機励磁系PSSを含む1機無限大母
線解析モデルは、数多く発表されているが、1機無限大
母線系統の安定化のために線路にTCSCを設け、この
TCSCをΔP形PSS制御するための解析モデルはな
い。
【0011】また、根軌跡法などにより系統全体の安定
度判別には、解析モデルを伝達関数で表現する必要があ
るが、TCSCをΔP形PSS制御するための解析モデ
ルを伝達関数で表現したものはない。
【0012】本発明の目的は、ΔP形PSS制御TCS
Cを設けた1機無限大母線系統の安定度解析を可能と
し、しかも伝達関数で表現した解析モデルを提供するこ
とにある。
【0013】(第2の課題)系統の解析シミュレーショ
ンは、主としてEPTMなどによる瞬時値計算になる。
しかも、EPTMは、その計算原理から時間刻みをあま
り大きく取ることができない。
【0014】一方、サイリスタを用いたTCSCのよう
になパワーエレクトロニクス機器は商用電源周波数1サ
イクル毎に点弧角制御する必要がある。しかも、TCS
Cのインピーダンス特性が図12に示すように非線形で
あるため、精度の高い制御及び系統安定度解析には点弧
角制御を小刻みに行った解析を必要とする。
【0015】以上のことから、必然的に数十秒の解析シ
ミュレーションでは演算時間が長くなる。例えば、TC
SCを設けた1機無限大母線系のシミュレーションで
は、解析対象時間5秒に対し、演算時間は約1時間と長
くなる。
【0016】本発明の目的は、EPTMに比べて解析時
間を大幅に短縮できる系統安定度解析方法を提供するこ
とにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、発電機の過渡
モデルと、TCSCの点弧角とインピーダンスとの関係
式により制御遅れを考慮したTCSCモデルと、送電線
モデル等により、1機無限大母線系統に適用したΔP形
PSS制御TCSCの系統安定度解析モデルを構成し、
さらにこの解析モデルの各演算要素の微小領域の変化を
線形近似して伝達関数で表現できる線形近似解析モデル
を構成し、これら解析モデルを使って系統安定度を精度
良く解析できるようにしたもので、以下の解析モデル及
び系統安定度解析方法を特徴とする。
【0018】(第1の発明)電力系統線路にサイリスタ
制御直列コンデンサを設け、このサイリスタの点弧角を
ΔP形系統安定化装置で制御する1機無限大母線系統の
解析モデルであって、
【0019】
【数4】
【0020】に従った演算要素と自動電圧制御装置及び
ガバナーの伝達関数になる演算要素を持つ1機無限大母
線に接続の発電機過渡モデルと、
【0021】
【数5】
【0022】に従った演算要素を持つサイリスタ制御直
列コンデンサのモデルと、
【0023】
【数6】
【0024】に従った演算要素を持つ送電線モデルと、
フィルタと位相補償の伝達関数になる演算要素を持つ系
統安定化装置モデルとを備え、前記各演算要素間を結合
した構成を特徴とする解析モデル。
【0025】(第2の発明)前記解析モデルの各演算要
素及び1機無限大母線の線路抵抗と線路リアクタンスを
微小領域の変化で線形近似した伝達関数を求め、各伝達
関数を結合した構成を特徴とする解析モデル。
【0026】(第3の発明)電力系統線路にサイリスタ
制御直列コンデンサを設け、このサイリスタの点弧角を
ΔP形系統安定化装置で制御する1機無限大母線系統の
安定度を前記解析モデルにより解析することを特徴とす
る系統安定度解析方法。
【0027】
【発明の実施の形態】 (第1の実施形態) (1)解析対象の系統構成。
【0028】図2は、TCSCを設けた1機無限大母線
系統例を示す。発電機1と1機無限大母線は変圧器2を
介して3つの平行2回線送電線31,32.33と接続さ
れ、その全亘長は400Kmである。TCSC4は、送
電線の中間点、例えば発電機1側から200Km地点に
設置される。
【0029】なお、TCSCの定数は、米国WAPAの
Kayenta電気所でフィールドテストされている定
数を採用している。また、発電機1の定数とその制御の
ためのAVRとガバナーの制御回路定数は、下記の表1
と図3の(a)及び(b)に示す。
【0030】
【表1】
【0031】TCSC4は、図4に示すΔP形PSS制
御回路によりサイリスタの点弧角制御を行う。ΔP形P
SSは、TCSC4の設置点の端子電圧Vと線路電流I
から電力検出器5で負の通過電力−ΔPを検出し、PS
S制御回路6により通過電力−ΔPの位相を発電機固有
の動揺周期に対して90度遅らせた信号を得、この信号
によりTCSC4のサイリスタ点弧角βを制御する。
【0032】これにより、発電機1の角周波数変化分Δ
ωと同相の制動トルクを発生させ、発電機1の動揺を抑
制する。
【0033】なお、図4に示すPSS制御回路6の位相
補償回路61の定数は、後述の解析モデルの動揺周期に
対して負の通過電力−ΔPの位相が90度遅れるように
決定している。また、TCSCの共振領域での運転を避
けるため、PSS制御回路6の出力段にリミッタ62
設け、このリミッタ62は上限で180度、下限はTC
SC4の共振点弧角が143度であることから150度
としている。
【0034】以上までの構成になるΔP形PSS制御方
式によるTCSCを設けた1機無限大母線系統を解析す
るための解析モデルを以下に詳細に説明する。
【0035】(2)解析モデルの説明 (2−A)発電機の過渡モデル 発電機の運動方程式とパーク(Park)の基本式に対
してダンパ巻線と電機子回路の過渡現象を無視した発電
機の過渡モデルは、次式で表現される。
【0036】
【数7】
【0037】(2−B)TCSCのモデル 本実施形態では、TCSCのリアクタンスモデルを図5
に示すものとする。同図中の伝達関数XTCSC(β)は、
サイリスタ点弧角β(t)(コンデンサの電圧基準)に
対するTCSCのリアクタンス特性(図6に示す特性)
であり、以下の式に示すChristlの関係式とす
る。但し、容量性を正とする。
【0038】
【数8】
【0039】この関係式は、例えば、文献「N.Chr
istl、etc:”Advanced Series
Compensation with Thyris
tor Controlled Impedanc
e”、CIGRE Summer1992;14/37/38−0
5」に開示される。
【0040】また、TCSCのサイリスタ点弧角制御に
よる応答遅れ時間の伝達関数は、一次遅れ要素で近似す
る。この応答遅れ時間は、EMTPによる点弧角のイン
ディシャル応答シミュレーションから60msとする。
【0041】(2−C)送電線のモデル 発電機端子電圧をE、無限大母線電圧をEBとし、TC
SCのインピーダンスを−jXTCSC(t)とすると、送
電線モデルは次の関係式になる。但し、TCSCのリア
クタンスの時間的変化による起電力は無視している。
【0042】
【数9】
【0043】(2−D)解析モデル 以上までの(1)〜(6)式の発電機の過渡モデル、
(7)式のリアクタンス特性と一次遅れ要素を持つTC
SCモデル、及び(8)、(9)式の送電線モデルを基
に、各モデルを構成する各演算要素と、1機無限大母線
に接続される発電機のAVR及びガバナーの伝達関数に
なる演算要素と、PSSの伝達関数になる演算要素か
ら、図2の1機無限大母線系統に対する系統安定度解析
モデルを図1に示す各演算要素を結合したブロック構成
とする。
【0044】図1において、ガバナー11とAVR12
はそれぞれ図3に示す伝達関数を持つものとし、ΔP形
PSS13及びTCSC14はそれぞれ図4及び図5に
示す伝達関数を持つものとする。また、RLとXLは1機
無限大母線の線路抵抗と線路リアクタンスを示し、各ブ
ロックは発電機モデルの電圧や電流、角周波数及びリア
クタンスの互いの関係を求めるための演算要素である。
【0045】また、ΔP形PSSの入力は、発電機有効
電力Peから発電機とTCSC間の送電線電力損失R
LOSS2を差し引いた値である。
【0046】以上のことから、本実施形態による系統安
定度解析モデルは、1機無限大母線系統の安定化のため
に線路にTCSCを設け、このTCSCをΔP形PSS
制御するための系統安定度解析モデルを実現できる。
【0047】さらに、解析モデルは、大きい擾乱に対す
る系統安定度解析が可能となる。また、潮流条件や外乱
又は制御系ゲインを変更する場合にも、解析モデルの係
数の変更のみで済む。
【0048】さらにまた、瞬時値計算になるEMTPに
よる解析に比べて解析演算時間の短縮ができる。具体的
には、解析モデルによる系統解析は、下記の文献による
MATLABを使用し、解析対象時間5秒に対し、演算
時間は数十秒程度となり、、EMTPによる解析に比べ
て解析時間が大幅に短縮された。
【0049】文献「”MATLAB Referenc
e Guide”,The MathWorks,In
c.,1992」 (3)系統安定度解析モデルとEMTPによるシミュレ
ーションの比較 図1に示す解析モデルによる系統安定度解析は、EMT
Pによる解析結果と同様の高い精度が得られることを試
験で確認した。
【0050】図7は、以下の表2に示す運転条件におい
て、図1の解析モデル及びEMTPによる解析結果を亘
長50Kmの平行2回線の1回線遮断時の発電機内部相
差角δ、TCSCの負の通過電力−P、及びTCSCの
リアクタンスXの変化で示す。
【0051】
【表2】
【0052】この図からも明らかなように、EMTPと
図1の解析モデルによる結果はよく一致していることが
確認された。
【0053】また、この送電線遮断に対して、相差角δ
が最大約10度変動する。この場合、TCSCのリアク
タンスは、最大6Ω変化する。TCSCリアクタンスが
最大時のサイリスタ点弧角は154度であり、点弧角設
定値170度から16度も変化する。このように、点弧
角が大きく変化し、TCSCリアクタンスが大きく変動
した場合にも図1の解析モデルとEMTPによる解析結
果がよく一致し、大きい擾乱に対しても高い精度の解析
結果を得ることができた。
【0054】(第2の実施形態)前記の第1の実施形態
では、ΔP形PSS制御によりTCSCを制御する1機
無限大母線の系統安定度解析モデルである。本実施形態
では、この解析モデルを線形近似した伝達関数で表現で
きる解析モデルを求め、さらにこの線形近似解析モデル
を使って系統安定度を解析しようとするものであり、こ
れらを以下に詳細に説明する。
【0055】(1)線形近似解析モデル 図8は、図1の解析モデルを線形近似化した解析モデル
である。この線形近似解析モデルは、図1の各演算要素
における各入出力の微小領域の変化を線形近似したもの
で、それぞれの符号にはΔを付加して示す。
【0056】例えば、図6に示す非線形特性のTCSC
リアクタンスの線形近似には、図9に示すように点弧角
設定値170度では点弧角170度と165度の範囲で
線形化し、その係数をKTCSC=0.115Ω/degと
した。
【0057】また、各符号α,β,F1,F2,J1
2,K1,K2,H1,H2は、図1の各演算要素を線形
近似するための値と係数であり、図1の発電機及び発電
機端子・TCSC間の電力損失I2L’の各ブロックと
の対応は次の関係式による。
【0058】
【数10】
【0059】
【数11】
【0060】なお、図1の解析モデルで考慮したインピ
ーダンスの応答遅れは無視している。さらに、図中のΔ
LとΔXLは、1機無限大母線の線路抵抗と線路リアク
タンス(TCSCのリアクタンスを除く)の変化分を示
す。
【0061】また、図中のAVR、ガバナー、PSSの
各伝達関数は、図3及び図4から次式で表現される。
【0062】
【数12】
【0063】本実施形態における線形近似解析モデルと
EMTPによる解析とを比較するため、図2の1機無限
大母線の1回線遮断時のシミュレーション結果を図10
に示す。
【0064】この図から明らかなように、EMTPで解
析した動揺角と有効電力の変化分Δδ、ΔPがほぼ一致
し、この線形近似モデルによる解析の有効性を確認でき
た。
【0065】(2)線形近似解析モデルの妥当性 1機無限大母線系統の線形近似解析モデルからAVR,
ガバナー及びΔP形PSS制御TCSCを含む同期化ト
ルク係数と制動トルク係数を導出する。これを使って固
有値解析法や周波数応答法との比較やシミュレーション
結果の比較から線形近似解析モデルの妥当性を説明す
る。
【0066】(2−A)同期化トルク係数と制動トルク
係数の導出 図8の線形近似解析モデルにおいて、同期化トルク係数
Sと制動トルク係数KDは、同図中の斜線部分を除く系
をΔδと同相の同期化トルク成分とΔωと同相すなわち
Δδより90度位相進みの制動トルク成分に分けること
によって得られる。
【0067】いま、図8のΔRLとΔXL及びΔEref
してΔPmを0とすれば、次式が成立する。
【0068】
【数13】
【0069】上記の(13)〜(15)式より、次の関
係式が成立する。
【0070】
【数14】
【0071】また、(16)式を(17)式に代入して
整理し、さらに上記の(19)式を代入すると、次の関
係が成立する。
【0072】
【数15】
【0073】ここで、
【0074】
【数16】
【0075】の関係から、(18)、(19)、(2
0)式より、次の関係式が求められる。
【0076】
【数17】
【0077】以上のことより、図8の線形近似解析モデ
ルは、図11の等価回路で表現できる。さらに、ガバナ
ーも考慮すると、ΔPm=−GGOV(S)Δωより、ΔPm
次式、
【0078】
【数18】
【0079】となり、同期化トルク係数KSと制動トル
ク係数KDは、次式で表現できる。
【0080】
【数19】
【0081】(2−B)同期化トルク係数と制動トルク
係数の比較 図8の線形近似解析モデルから導出される前記(2
1)、(22)式の同期化トルク係数と制動トルク係数
と、周波数応答法及び固有値解析法による係数とを比較
する。
【0082】周波数応答法では、AVR、ガバナー、P
SSを含む固有振動角周波数ω及び減衰係数ζは次式で
与えられる。
【0083】
【数20】
【0084】前記の(21)〜(24)式の連立方程式
を解くことにより、固有振動角周波数ω、同期化トルク
係数KS、制動トルク係数KD、減衰係数ζが求められ
る。
【0085】また、固有値解析法では原動機出力Pm
対する相差角δの伝達関数を導出し、それにより得られ
た代表根、
【0086】
【数21】
【0087】から固有振動角周波数ω、同期化トルク係
数KS、制動トルク係数KD、減衰係数ζを求めた。
【0088】線形近似解析モデルにおける固有振動角周
波数ω及び減衰係数ζについては次のように求めた。図
1の系統安定度解析モデルによる10Km1回線遮断の
シミュレーションで得られた発電機内部相差角δの応答
から、下記の(25)式を用いてダンピング時定数TD
を求める。
【0089】
【数22】
【0090】また、TDは2次系の自由振動が
【0091】
【数23】
【0092】で与えられることから、1/δωnであ
り、(23)式から減衰係数は、
【0093】
【数24】
【0094】によって得られる。以上をまとめた結果を
下記表に示す。
【0095】
【表3】
【0096】ここでは、発電機出力P=3600MW、
Q=1744MVar及びP=1800MW、Q=87
2MVarのときの結果を示す。なお、点弧角設定値は
170度、PSSゲインは10である。下記表にこれら
の運転条件及びそのときの図8の線形近似モデルの定数
を示す。
【0097】
【表4】
【0098】
【表5】
【0099】上記の計算結果表から、線形近似解析モデ
ルは、P=3600MWでは周波数応答法又は固有値解
析法とは若干の誤差が生じているが、減衰係数は良く合
っている。一方、P=1800MWではP=3600M
Wより線形近似解析モデルの結果に対し近い値となる。
【0100】以上のことから、周波数応答法及び固有値
解析法に対する本実施形態の線形近似解析モデルの妥当
性が確認された。
【0101】以上までのことから、本実施形態による線
形近似解析モデルは、TCSCをΔP形PSS制御する
系統構成を定常初期値に対して微小近似化した解析モデ
ルになり、EMTPによる解析結果と同様の高い精度の
解析ができる。
【0102】また、伝達関数表現による解析モデルのた
め、根軌跡法などによる系統全体の安定度判別に利用で
きる。
【0103】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、発電機
の過渡モデルと、TCSCの点弧角とインピーダンスと
の関係式により制御遅れを考慮したTCSCモデルと、
送電線モデル等を基に、1機無限大母線系統に適用した
ΔP形PSS制御TCSCの系統安定度解析モデルと
し、さらにこの解析モデルの各演算要素の微小領域の変
化を線形近似して伝達関数で表現できる線形近似解析モ
デルとし、これら解析モデルを使って系統安定度を解析
するようにしたため、以下の効果がある。
【0104】(1)1機無限大母線系統の安定化のため
に線路にTCSCを設け、このTCSCをΔP形PSS
制御するための系統安定度解析モデルを実現できる。
【0105】(2)系統安定度解析モデルは、大きい擾
乱に対する系統安定度解析が精度良くできる。
【0106】(3)潮流条件や外乱又は制御系ゲインを
変更する場合にも、解析モデルの係数の変更のみで済
む。
【0107】(4)瞬時値計算になるEMTPによる解
析に比べて解析演算時間を大幅に短縮できる。
【0108】(5)EMTPによる解析結果と同様の高
い精度の解析ができる。
【0109】(6)線形近似解析モデルは、伝達関数表
現されるため、根軌跡法などによる系統全体の安定度判
別に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す系統安定度解析モデ
ル。
【図2】1機無限大母線系統図。
【図3】発電機制御回路図。
【図4】PSS制御回路図。
【図5】TCSCのリアクタンスモデル。
【図6】TCSCリアクタンス特性図。
【図7】50Km1回線遮断解析結果。
【図8】本発明の他の実施形態を示す線形近似解析モデ
ル。
【図9】TCSCリアクタンス特性図。
【図10】線形近似解析モデルによる解析結果。
【図11】2次系集約等価回路図。
【図12】TCSCインピーダンス特性例。
【符号の説明】
1…発電機 2…変圧器 31、32、33…線路 4、14…TCSC 5…電力検出器 6、13…PSS 11…ガバナー 12…AVR
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 達則 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統線路にサイリスタ制御直列コン
    デンサを設け、このサイリスタの点弧角をΔP形系統安
    定化装置で制御する1機無限大母線系統の解析モデルで
    あって、 【数1】 に従った演算要素と自動電圧制御装置及びガバナーの伝
    達関数になる演算要素を持つ1機無限大母線に接続の発
    電機過渡モデルと、 【数2】 に従った演算要素を持つサイリスタ制御直列コンデンサ
    のモデルと、 【数3】 に従った演算要素を持つ送電線モデルと、 フィルタと位相補償の伝達関数になる演算要素を持つ系
    統安定化装置モデルとを備え、 前記各演算要素間を結合した構成を特徴とする電力系統
    の解析モデル。
  2. 【請求項2】 前記解析モデルの各演算要素及び1機無
    限大母線の線路抵抗と線路リアクタンスを微小領域の変
    化で線形近似した伝達関数を求め、各伝達関数を結合し
    た構成を特徴とする請求項1に記載の電力系統の解析モ
    デル。
  3. 【請求項3】 電力系統線路にサイリスタ制御直列コン
    デンサを設け、このサイリスタの点弧角をΔP形系統安
    定化装置で制御する1機無限大母線系統の安定度を前記
    解析モデルにより解析することを特徴とする請求項1又
    は2に記載の系統安定度解析方法。
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