JPH10209718A - マイクロストリップ伝送線路基板構造および回路モジュールならびに超高速光通信システム - Google Patents
マイクロストリップ伝送線路基板構造および回路モジュールならびに超高速光通信システムInfo
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- JPH10209718A JPH10209718A JP9006297A JP629797A JPH10209718A JP H10209718 A JPH10209718 A JP H10209718A JP 9006297 A JP9006297 A JP 9006297A JP 629797 A JP629797 A JP 629797A JP H10209718 A JPH10209718 A JP H10209718A
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Abstract
放射される電磁波の放射と、接地導体に生じるグランド
ノイズによる影響を軽減する。 【解決手段】 マイクロストリップ伝送線路基板10の
裏面に設けた接地導体30にスリット32を設けて接地
導体30の面積を小さくして電磁波放射を減少させると
ともに、マイクロストリップ伝送線路を構成する複数の
高速ディジタル回路41,42および43に対応して前
記接地導体を分割して複数の接地導体30−1,30−
2とし、両接地導体間をインダクタンス素子(もしくは
ローパスフィルタ)50で接続して、より高速なディジ
タル回路43のスイッチング動作により発生するグラン
ドノイズが他の高速ディジタル回路41,42へ伝搬す
ることを低減させる。
Description
プ伝送線路基板を構成する接地導体から放出される電磁
波を低減する、および/または、接地導体に生じるグラ
ンドノイズの影響を低減するマイクロストリップ伝送線
路基板に関する。特に、本発明は、前記マイクロストリ
ップ伝送路基板の構造に関する。
ル信号分離回路を用いた超高速光通信システムの概略構
成を図15を用いて説明する。超高速光通信システム
は、送信側と受信側を光ファイバ5で接続して構成され
る。送信側は、16並列の622Mb/sデ−タ信号1
をディジタル信号多重回路2(MUX)において10G
b/sデ−タ信号3に多重化し、この10Gb/sデ−
タ信号3を電気−光変換部(E/O)4において電気信
号から光信号に変換し、光ファイバ5へ送信するように
なっている。一方、受信側は、受信光信号を光−電気変
換部(O/E)6で光信号から電気信号に変換した10
Gb/sデ−タ信号7とし、該データ信号7をディジタ
ル信号分離回路(DMUX)8において16並列の62
2Mb/sデ−タ信号9に分離するようになっている。
このような光通信システムで使用されるディジタル信号
多重回路(MUX)2および/またはディジタル信号分
離回路(DMUX)8をマイクロストリップ伝送線路基
板に搭載して回路モジュールを構成している。
タル信号多重回路(MUX)2の具体的な回路構成を図
16を用いて説明する。ディジタル信号多重回路(MU
X)2は、8並列の622Mb/sデ−タ111,11
2を2並列の2.5Gb/sデ−タ113,114に多
重する2個の8:2多重回路IC(MUX1、MUX
2)と、4並列の2.5Gb/sデ−タ113,114
を10Gb/sデ−タに多重する4:1多重回路IC
(MUX3)と、ディジタル信号多重回路(MUX)2
の16並列のデータ入力と8:2多重回路IC(MUX
1、MUX2)の入力との間、および、該多重回路IC
の(MUX1、MUX2)の出力と4:1多重回路IC
(MUX3)の入力との間、ならびに該多重回路IC
(MUX3)の出力とディジタル信号多重回路(MU
X)2の出力との間を接続するマイクロストリップ導体
から構成される。
は、2個の8:2多重回路IC(MUX1、MUX2)
でそれぞれ8並列の622Mb/sデ−タ111,11
2を2並列の2.5Gb/sデ−タ113,114に多
重し、4:1多重回路IC(MUX3)では4並列の
2.5Gb/sデ−タ113,114を10Gb/sデ
−タ115に多重することによって、16並列622M
b/sデ−タを10Gb/sデ−タに多重する構成とな
っている。また、4:1多重回路IC(MUX3)は1
0GHzクロック121を2.5GHzクロック12
2,123に分周して8:2多重回路IC(MUX1、
MUX2)へ出力し、8:2多重回路IC(MUX1、
MUX2)ではこの2.5GHzクロックを分周して6
22MHzクロック124,125を出力する構成とな
っている。
えばトランスミッション・ライン・デザインハンドブッ
ク「Transmission Line Design Handbook」Brian C.Wad
ell著1991年 Artech House 発行、第93ページ〜第1
11ページに記載されてるように、接地導体上に設けら
れた誘電体上にストリップ導体が形成された構成となっ
ている。
は、マイクロストリップ伝送線路基板に関するもので、
側壁間隔が1/2波長以下の導体壁で囲まれた溝中にそ
の底面から順に接地導体と誘電体基板とストリップ導体
を設けてマイクロストリップ伝送線路を構成し、ストリ
ップ導体から放射される電磁波を遮断し、放射による損
失を低減することが示されている。
作を確保するためには、ノイズの影響が少ない信号伝送
線路が必要となる。しかし、上述のようなマイクロスト
リップ伝送線路を構成する接地導体には、抵抗成分やイ
ンダクタンス成分を持つ寄生素子がわずかに存在してお
り、ディジタル回路の高速動作により生じる広帯域の電
源電流がこの接地導体に流れ、接地導体に定在波が生じ
る。このため、接地導体から電磁波が放射され、電子機
器の誤動作の原因となるという問題があった。
で構成される系において、ディジタル回路の高速動作に
より生じる広帯域の電源電流が、寄生素子が存在する接
地導体に流れることでグランドノイズが発生する。この
ため、他のディジタル回路の正常動作に影響を及ぼすこ
とや、クロック信号のジッタ量増大の原因となるという
問題があった。
送線路基板の接地導体には抵抗成分、インダクタンス成
分を持つ寄生素子がわずかに存在する。この寄生素子
に、4:1多重回路IC(MUX3)のスイッチング動
作により生じる広帯域の電源電流が流れることにより、
接地導体に存在する寄生素子の影響が大きくなりグラン
ドノイズが発生する。
およびグランドノイズの発生について説明する。図17
は、接地導体全体をアースにしたマイクロストリップ伝
送線路基板にディジタル信号多重回路(MUX)2を搭
載した回路モジュールの斜視透視図であり、図18は、
図17に示した接地導体に存在する寄生素子の影響を説
明するための回路モデル図である。図17に示すよう
に、回路モジュールは、誘電体基板40の下面に接地導
体30を設け、上面にマイクロストリップ伝送線路20
〜29と、ディジタル信号多重回路(MUX1〜MUX
3)41,42,43を搭載して構成される。マイクロ
ストリップ伝送線路基板10に設けた全体をアースとし
た接地導体30には寄生素子がわずかに存在する。この
寄生素子の存在を回路モデルで表したものが図18であ
り、破線内が接地導体30を示し、インピーダンスZr
の寄生素子35が接地導体30に存在している。
IC(MUX3)43のスイッチング動作により生じる
広帯域の電源電流iEEが流れると、グランドノイズV
Gが寄生素子35に発生し、この結果、8:2多重回路
IC(MUX1、MUX2)41,42の正常動作に影
響を及ぼす可能性や、また622MHzクロック信号の
ジッタ量増大の問題が生じる。
地導体の面積が大きくなるほど大きくなる。さらに、グ
ランドノイズは、接地導体のインピーダンスに比例して
大きくなり、インピーダンスと周波数に比例して大きく
なる。
おける上記従来の問題点を解消することを目的とする。
詳細には、第1の目的は、接地導体から放射される電磁
波の放射(放射ノイズ)量を低減できるようなマイクロ
ストリップ伝送線路基板を提供することにある。第2の
目的は、高速デジタル回路のスイッチング動作により発
生した高速なグランドノイズの伝搬量を低減するマイク
ロストリップ伝送線路基板を提供することにある。
成するため、マイクロストリップ伝送線路基板を構成す
るストリップ導体の形状と大きさで決定されるマイクロ
ストリップ伝送線路の配線長と幅、また誘電体の形状と
大きさを変えずに接地導体の面積を小さくすることで、
接地導体から放射される電磁波の放射量の低減を実現す
る。また、本発明第2の目的を達成するため、複数の伝
送線路で構成されるマイクロストリップ伝送線路基板に
おいて、少なくとも2つ以上に接地導体を分割し、これ
ら分割した接地導体間にインダクタンス素子またはフィ
ルタ素子を挿入することで、高速デジタル回路のスイッ
チング動作により、ある接地導体に発生したグランドノ
イズが他の接地導体へ伝搬する量を低減する。
プ伝送線路基板10にディジタル信号多重回路(MU
X)2を搭載したものを回路モジュールと称し、図1に
その平面図を示す。この回路モジュールは、マイクロス
トリップ伝送線路基板10上に、8:2多重回路IC
(MUX1)41および8:2多重回路IC(MUX
2)42と、4:1多重回路IC(MUX3)43を載
置し、各多重回路IC間をマイクロストリップ伝送線路
20〜29を介して多段に接続して構成される。回路モ
ジュールは、それぞれ8本のマイクロストリップ伝送線
路20,21から、それぞれ8本ずつの622Mb/s
データを8:2多重回路IC(MUX1、MUX2)4
1,42にそれぞれ入力し、該8:2多重回路IC(M
UX1、MUX2)から出力された2.5Gb/sデ−
タをそれぞれ2本のマイクロストリップ伝送線路22,
23を介して4:1多重回路IC(MUX3)43にそ
れぞれ入力した後、4:1多重回路IC(MUX3)か
ら出力される10Gb/sデ−タをマイクロストリップ
伝送線路24を介して取り出す構成となっている。
トリップ伝送線路25を介して10GHzクロックを
4:1多重回路IC(MUX3)43に入力し、さらに
4:1多重回路ICで分周された2.5GHzクロック
をマイクロストリップ伝送線路26,27を介して8:
2多重回路IC(MUX1、MUX2)41,42へそ
れぞれ入力した後、8:2多重回路IC(MUX1、M
UX2)より出力される622MHzクロックをマイク
ロストリップ伝送線路28,29を介して取り出す構成
としている。
クロストリップ伝送線路基板10上にディジタル信号多
重回路(MUX)2を搭載した回路モジュ−ルの例を説
明する。図1は、マイクロストリップ伝送線路基板10
上にディジタル信号多重回路(MUX)2を搭載した回
路モジュ−ルの上面図であり、図2は、マイクロストリ
ップ伝送線路基板10の側面からみた構成を説明する図
1のA−A’線での拡大縦断面図である。図3は、スリ
ット32を持つ接地導体30を説明するマイクロストリ
ップ伝送線路基板の裏面図であり、図4は図1に示すB
部の上面透視図である。以下、図1〜図4を用いて、請
求項1に対応した実施例として、本発明のマイクロスト
リップ伝送線路基板の構成およびこの実施例の効果につ
いて説明する。
の説明)図2に示すように、マイクロストリップ伝送線
路基板10は、誘電体40の下面に接して接地導体30
が設けられ、誘電体40の上面に接してマイクロストリ
ップ伝送線路を構成するマイクロストリップ導体22,
23,26,27が設けられている。マイクロストリッ
プ導体は、厚さ18μmの銅箔で作られ、導体幅0.3
6mmに形成されている。誘電体40は、厚さ0.38
1mmのアルミナコンポジット誘電体で構成され、比誘
電率は9.0のものが用いられている。接地導体30
は、間室ストリップ導体と同様に厚さ18μmの銅箔で
構成されている。
面は、図3に示すように、接地導体30に複数のスリッ
ト32を作成して複数の導体部31を設けた構成となっ
ている。複数の導体部31の両端部は接続導体33,3
4によってそれぞれ相互に接続されている。
視図を示す。マイクロストリップ伝送線路の特性インピ
ーダンスと8:2多重回路IC(MUX1、MUX2)
41,42の入出力インピーダンスの不整合を小さくす
るため、点線で示した接地導体30に作成したスリット
32とマイクロストリップ伝送路20,21,28,2
9がなるべく直交するように構成する。
て以下に説明する。従来技術の説明で述べたように、マ
イクロストリップ伝送線路基板10の接地導体30には
抵抗成分やインダクタンス成分等の寄生素子がわずかに
存在している。今、この接地導体30全体がアースにな
っているとする。8:2多重回路IC(MUX1、MU
X2)41,42および4:1多重回路IC(MUX
3)43のスイッチング動作により生じる広帯域の電源
電流がこの接地導体に流れた場合、接地導体全体に高速
の定在波が生じ、理論的には下記(1)式に示す電力P
(W)の電磁波が接地導体30から放射される。
磁インピーダンス(Ω)、Sは接地導体の面積である。
(MUX1、MUX2)41,42、および、4:1多
重回路IC(MUX3)43のスイッチング動作により
生じる広帯域の電源電流がスリット32を持つ接地導体
30に流れた場合、このスリット32を持つ接地導体3
0の面積は、従来のマイクロストリップ伝送線路基板で
使用されている接地導体と比較して小さいので、接地導
体30から放射される電磁波は接地導体の面積に比例し
て減少する。したがって、回路モジュールを構成したと
き、従来技術では、電磁波の電界強度がVCCI[情報
処理装置など電磁波障害自主規制(協議会)]等で規定
されている規格を越えるような電磁波が放射される場合
であっても、本発明にかかるマイクロストリップ伝送線
路基板を用いた場合は、電磁波の放射量を低減すること
ができる。
設けたマイクロストリップ伝送線路基板の実施例につい
て述べた。本実施例は、請求項2に対応したものとし
て、図1に示した回路モジュールの裏面に設けた接地導
体30を櫛形形状とした、マイクロストリップ伝送線路
基板10について述べる。図5に、本実施例のマイクロ
ストリップ伝送線路基板10の裏面の構造を示す。図6
に、図1のB部における本実施例の接地導体30を用い
た場合の上面透視図を示す。以下、図2、図5、図6を
用いてマイクロストリップ伝送線路基板の構成および実
施例の効果について説明する。
成)本実施例のマイクロストリップ伝送線路基板10の
構成は、接地導体30の形状のみが異なり、他は、実施
例1の図1および図2に示した構成と同じである。すな
わち、本実施例のマイクロストリップ伝送線路基板10
の裏面の構造は、図5に示すように、接地導体30に複
数のスリット32を作成して複数の導体部31を設けた
構成となっている。複数の導体部31の一方の端部は接
続導体33で相互に接続されており、接地導体30が櫛
形形状に形成されている。また、実施例1で述べたよう
にマイクロストリップ伝送線路と8:2多重回路IC
(MUX1、MUX2)41,42の入出力インピーダ
ンスの不整合を小さくするため、図6に示すように櫛の
導体部31の長手方向とマイクロストリップ伝送路2
0,21,28,29がなるべく直交するように構成す
る。
にマイクロストリップ伝送線路基板10の接地導体30
には抵抗成分やインダクタンス成分などの寄生素子がわ
ずかに存在しており、8:2多重回路IC(MUX1、
MUX2)41,42、および4:1多重回路IC(M
UX3)43のスイッチング動作により生じる広帯域の
電源電流が従来のマイクロストリップ伝送線路基板10
の接地導体30に流れた場合、接地導体全体に高速の定
在波が生じる。この定在波によって電磁波が接地導体3
0より放射され、この電磁波の放射量Pは、前述した実
施例1の(1)式で示したように接地導体の面積に比例
する。
にしたマイクロストリップ伝送線路では、櫛形形状の接
地導体30の導体部31および接続導体33の面積は、
従来のマイクロストリップ伝送線路基板で使用されてい
る接地導体の面積と比較して小さいので、接地導体30
から放射される電磁波の放射量Pは減少する。したがっ
て、もし従来技術を用いて、電磁波の電界強度がVCC
I[情報処理装置など電磁波障害自主規制(協議会)]
等で規定されている規格を越えるような電磁波が放射さ
れた場合、本実施例のマイクロストリップ伝送線路基板
は、電磁波の放射量を低減することができる。
クロストリップ伝送線路基板の接地導体には抵抗成分、
インダクタンス成分を持つ寄生素子がわずかに存在す
る。この寄生素子に、4:1多重回路IC(MUX3)
43のスイッチング動作により生じる広帯域の電源電流
が流れることにより、接地導体30に存在する寄生素子
の影響が大きくなりグランドノイズが発生する。図17
および図18を用いて説明したように、全体をアースに
した接地導体30には、インピーダンスZrの寄生素子
35が存在している。
IC(MUX3)43のスイッチング動作により生じる
広帯域の電源電流iEEが流れると、グランドノイズV
Gが寄生素子35に発生し、この結果、8:2多重回路
IC(MUX1、MUX2)41,42の正常動作に影
響を及ぼす可能性や、また622MHzクロック信号の
ジッタ量増大の問題が生じる。
ドノイズの影響を低減するようにしたマイクロストリッ
プ伝送線路基板10に関する。図7は本実施例のマイク
ロストリップ伝送線路基板10にディジタル信号多重回
路(MUX)2を搭載した回路モジュールの裏面図であ
り基板10の表面に配置された回路素子および配線を破
線で示している。図8は、図7に示した本実施例のマイ
クロストリップ伝送線路基板10の実施効果を説明する
ための回路モデル図である。
クロストリップ伝送線路基板10の構成およびその効果
について説明する。 (マイクロストリップ伝送線路基板の構成)図7および
図8に示すように、本実施例のマイクロストリップ伝送
線路基板は、図17に示した従来のマイクロストリップ
伝送線路基板と比較して接地導体30の構成が異なり、
図7に示すように接地導体30を、4:1多重回路IC
(MUX3)43側の裏面に設けた接地導体30−1
と、周波数の異なるクロックの8:2多重回路IC(M
UX1、MUX2)41,42側の裏面に設けた接地導
体30−2に分割しており、この間にチップインダクタ
50を挿入した点に特徴を有している。
に、接地導体30にはインピーダンスZrの寄生素子3
5がわずかに存在する、従来の接地導体30を一つに形
成した技術では、図18に示したようにアース39に
4:1多重回路IC(MUX3)43のスイッチング動
作により生じる広帯域の電源電流iEEが流れると、グ
ランドノイズVGが寄生素子35にて発生し、この結
果、8:2多重回路IC(MUX1、MUX2)41,
42の正常動作に影響を及ぼす可能性や、また622M
Hzクロック信号のジッタ量増大の問題が生じる。これ
と比較して、本実施例のマイクロストリップ伝送線路基
板10では、図7および図8に示すように接地導体30
を接地導体30−1と接地導体30−2に分割してお
り、これらの間にチップインダクタンス50を取り付け
たので、周波数f(Hz)におけるチップインダクタ5
0のインピ−ダンスZ(Ω)は下記(2)式のように表
され、周波数に比例して大きくなる。
あり、本実施例においては100μHの大きさとする。
のスイッチング動作により生じる広帯域の電源電流iE
E1により周波数10GHzのグランドノイズが接地導
体30−2生じたとする。チップインダクタ50のイン
ピーダンスZは周波数10GHzでは上記(2)式から
6.3MΩとなり、図8に示すように広帯域の電源電流
iEE1はチップインダクタ50によって阻止され、
8:2多重回路IC(MUX1、MUX2)41,42
側のアース39−2へはほとんど流れず、4:1多重回
路IC(MUX3)43側のアース39−1へ流れる。
したがって、4:1多重回路IC(MUX3)43のス
イッチング動作により生じる広帯域の電源電流iEE1
によるグランドノイズは接地導体30−2でほとんど生
じないので、8:2多重回路IC(MUX1、MUX
2)41,42の正常動作に影響を及ぼす可能性や、6
22MHzクロック信号のジッタ量増大を低減すること
ができる。
3に示したチップインダクタ50の代わりにマイクロス
トリップ素子で構成されるローパスフィルタ素子を挿入
することで、実施例3と同様、4:1多重回路IC(M
UX3)43のスイッチング動作により生じるグランド
ノイズが及ぼす影響を低減するようにした例である。図
9は、本実施例のマイクロストリップ伝送線路基板10
にディジタル信号多重回路(MUX)2を搭載した回路
モジュールの裏面を示し、基板の表面の回路素子および
伝送線路は破線で示している。また、図10は図9に示
すローパスフィルタ素子の詳細寸法図を示す。さらに、
図11は図10に示したローパスフィルタ素子の伝達特
性の結果である。以下、図9、図10、図11を用いて
本実施例のマイクロストリップ伝送線路基板の構成及び
効果について順次説明する。
成)図9に示すように、本実施例のマイクロストリップ
伝送線路基板にディジタル信号多重回路(MUX)2を
搭載した回路モジュールは、図17に示した、従来のマ
イクロストリップ伝送線路基板と比較して、接地導体3
0を、4:1多重回路IC(MUX3)43側の裏面に
設けた接地導体30−1と、周波数の異なるクロックの
8:2多重回路IC(MUX1,MUX2)41,42
側の裏面に設けた接地導体30−2に分割しており、こ
の間にマイクロストリップ素子で構成されるローパスフ
ィルタ素子60を挿入した点に特徴を有している。図9
に示す導体36は、ローパスフィルタ素子を構成する接
地導体であり、マイクロストリップ伝送線路基板10の
上面に取り付け、スルーホール37を用いて裏面の接地
導体30−1と接続している。
の詳細な寸法を図10を用いて説明する。ローパスフィ
ルタ素子60は、キャパシタに相当する導体61,6
2,63とインダクタに相当する導体64,65からな
り、キャパシタに相当する導体61,62,63をイン
ダクタに相当する導体64,65で接続して交互に配置
した構成される。それぞれの構成要素は図10に示す寸
法とされる。
ーパスフィルタ素子60の伝達特性を図11を用いて説
明する。図11に示したグラフは、横軸に周波数f(G
Hz)を、縦軸に伝達特性(dB)を示している。この
グラフから明らかなように、ローパスフィルタ素子60
は、周波数fが7MHzを越えると伝達特性は減衰が大
きくなり、10GHz以上の周波数では伝達特性は−2
0dB以下となる。この結果、本実施例では、4:1多
重回路IC(MUX3)43のスイッチング動作により
生じる広帯域の電源電流iEE1は、ロ−パスフィルタ
素子60で減衰し、8:2多重回路IC(MUX1、M
UX2)41,42側の裏面に設けた接地導体30−2
へはほぼ流れない。したがって、接地導体30−2では
広帯域の電源電流iEE1により生じるグランドノイズ
は生じないので、8:2多重回路IC(MUX1、MU
X2)41,42の正常動作に影響を及ぼす可能性や、
622MHzクロック信号のジッタ量増大を低減するこ
とができる。
べた電磁波の放射効率の低減の効果と、実施例3および
実施例4で述べたグランドノイズの低減の効果をそれぞ
れ組み合わせたマイクロストリップ伝送線路基板の例を
説明するもので、図12に本実施例のマイクロストリッ
プ伝送線路基板の裏面透射図を示す。
ップ伝送線路基板10の構成は、実施例1で説明した構
成と基本的に同じであるが、図12に示すように2つに
分割した接地導体30−1,30−2にそれぞれスリッ
ト32を作成し、接地導体30−1,30−2間にチッ
プインダクタ50を挿入した点のみ異なる。
り、接地導体30−1,30−2にそれぞれスリット3
2を作成することで、接地導体30−1,30−2の面
積を減少させ接地導体から生じる電磁波の放射量を低減
することが可能であり、また、実施例3で説明したとお
り、接地導体30−1と接地導体30−2の間にチップ
インダクタ50を挿入することでグランドノイズの影響
を低減することが可能である。
施例として接地導体から放出される電磁波の放射量を低
減するため、接地導体にスリットを作成し、接地導体3
0−1,30−2に生じるグランドノイズを低減するた
めチップインダクタ50を挿入した例について述べた
が、この他、請求項6に対応した実施例として、分割し
た接地導体30−1,30−2を図5に示す櫛形形状に
して、これら接地導体の間にチップインダクタ50を挿
入してもよい。さらに請求項7に対応する実施例として
図3に示すスリットを持った接地導体を分割して図9に
示すロ−パスフィルタ60を挿入してもよく、また請求
項8に対応する実施例として接地導体を櫛形形状にして
分割し、ローパスフィルタ60を挿入してもよい。
ストリップ導体20〜29の直下に接地導体30が位置
していることが必要であり、それ以外の位置にある接地
導体は特性インピーダンスにとってあまり意味を持たな
い。したがって、本実施例では、マイクロストリップ導
体20〜29の下以外の接地導体を削除した。この例を
図13を用いて説明する。このマイクロストリップ伝送
線路基板10は、マイクロストリップ導体20〜29の
配置の最外側から一定の距離を隔てた外側にある接地導
体30を取り除いて誘電体40を露出させた。さらに、
マイクロストリップ導体群の内側の導体から一定距離を
隔てた内側にある接地導体30を取り除いて誘電体40
を露出させた。このような構成とすることによって、接
地導体30の面積を大幅に減ずることができ、電磁波の
放射を減少させることができる。
体の面積を減少させる方法と、実施例3に示されたグラ
ンドノイズによる影響の低減方法を組み合わせた例であ
る。この例を図14を用いて説明する。このマイクロス
トリップ伝送線路基板10の接地導体30は、実施例6
と同様に、マイクロストリップ導体20〜29の配置の
最外側から一定の距離を隔てた外側にある接地導体30
を取り除いて誘電体40を露出させるとともにマイクロ
ストリップ導体群の内側の導体から一定距離を隔てた内
側にある接地導体30を取り除いて誘電体40を露出さ
せて構成している。さらにこの実施例では、接地導体3
0を表面に搭載された高速ディジタル回路41,42お
よび43の系に対応して接地導体30−1と接地導体3
0−2に2分割されている。両接地導体間は、チップイ
ンダクタ50によって接続されている。このような構成
とすることによって、接地導体30の面積を大幅に減ず
ることができ、電磁波の放射を減少させることができる
とともに、より高速なディジタル回路ICの動作によっ
て生じるグランドノイズの影響を他の高速ディジタル回
路ICの動作に影響を与えることがないようにすること
ができる。
る電磁波の放射量を低減するため、接地導体の面積を減
少させ、接地導体30−1,30−2に生じるグランド
ノイズを低減するためチップインダクタ50を挿入した
例について述べたが、この他、これら接地導体の間にチ
ップインダクタ50に代えて図9に示すロ−パスフィル
タ60を挿入してもよい。
期の目的を達成することができた。すなわち、マイクロ
ストリップ伝送線路基板の接地導体にスリットを形成す
ることによって、接地導体の面積を減少させることがで
き、接地導体から放射される電磁波の放射効率を低減す
ることができる。また、接地導体を速度の異なる回路系
に対応して分割し、該分割された接地導体間をインダク
タ素子またはフィルタ素子を挿入することでグランドノ
イズの影響を低減することができる。
ィジタル信号多重回路を搭載した回路モジュールの平面
図。
面図。
イクロストリップ伝送線路基板の裏面図。
れるマイクロストリップ伝送線路基板B部の上面透視
図。
イクロストリップ伝送線路基板の裏面図。
たマイクロストリップ伝送線路基板B部の上面透視図。
基板にディジタル信号多重回路を搭載した回路モジュー
ルの裏面透視図。
効果を説明するための回路モデル。
基板にディジタル信号多重回路を搭載した回路モジュー
ルの裏面透視図。
寸法図。
の伝達特性図。
路基板の裏面図。
路基板の裏面図。
路基板の裏面図。
ィジタル信号多重回路を搭載したの回路モジュールの斜
視透視図。
を説明するための従来のマイクロストリップ基板の回路
モデル。
Claims (10)
- 【請求項1】 マイクロストリップ伝送線路基板構造に
おいて、接地導体にスリットを設けたことを特徴とする
マイクロストリップ伝送線路基板構造。 - 【請求項2】 接地導体を櫛形形状にしたことを特徴と
する請求項1記載のマイクロストリップ伝送線路基板構
造。 - 【請求項3】 複数のマイクロストリップ伝送線路系が
搭載されたマイクロストリップ伝送線路基板構造おい
て、接地導体を少なくとも2つ以上に分割するととも
に、個々の接地導体間にインダクタンス素子を挿入した
ことを特徴とするマイクロストリップ伝送線路基板構
造。 - 【請求項4】 複数のマイクロストリップ伝送線路系が
搭載されたマイクロストリップ伝送線路基板構造におい
て、接地導体を少なくとも2つ以上に分割するととも
に、個々の接地導体間にフィルタ素子を挿入したことを
特徴とするマイクロストリップ伝送線路基板構造。 - 【請求項5】 複数のマイクロストリップ伝送線路系が
搭載されたマイクロストリップ伝送線路基板構造におい
て、接地導体を少なくとも2つ以上に分割するととも
に、個々の接地導体間にインダクタンス素子を挿入し、
前記接地導体にスリットを設けたことを特徴とするマイ
クロストリップ伝送線路基板構造。 - 【請求項6】 複数のマイクロストリップ伝送線路系が
搭載されたマイクロストリップ伝送線路基板構造におい
て、接地導体を少なくとも2つ以上に分割するととも
に、個々の接地導体間にインダクタンス素子を挿入し、
前記接地導体を櫛形形状にしたことを特徴とするマイク
ロストリップ伝送線路基板構造。 - 【請求項7】 複数のマイクロストリップ伝送線路系が
搭載されたマイクロストリップ伝送線路基板構造におい
て、接地導体を少なくとも2つ以上に分割するととも
に、個々の接地導体間にフィルタ素子を挿入し、前記接
地導体にスリットを設けたことを特徴とするマイクロス
トリップ伝送線路基板構造。 - 【請求項8】 複数のマイクロストリップ伝送線路系が
搭載されたマイクロストリップ伝送線路基板構造におい
て、接地導体を少なくとも2つ以上に分割するととも
に、個々の接地導体間にフィルタ素子を挿入し、前記接
地導体を櫛形形状にしたことを特徴とするマイクロスト
リップ伝送線路基板構造。 - 【請求項9】 請求項1ないし請求項8に記載のマイク
ロストリップ伝送線路基板構造上に複数個のディジタル
信号多重/分離回路素子を搭載し、各素子間をマイクロ
ストリップ導体で接続したことを特徴とする超高速ディ
ジタル信号伝送回路モジュール。 - 【請求項10】送信側と受信側を光ファイバで接続して
構成される超高速光通信システムにおいて、送信側に設
けるディジタル信号多重回路および/または受信側に設
けるディジタル信号分離回路を請求項9に記載の回路モ
ジュールで構成したことを特徴とする超高速光通信シス
テム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9006297A JPH10209718A (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | マイクロストリップ伝送線路基板構造および回路モジュールならびに超高速光通信システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9006297A JPH10209718A (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | マイクロストリップ伝送線路基板構造および回路モジュールならびに超高速光通信システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10209718A true JPH10209718A (ja) | 1998-08-07 |
Family
ID=11634448
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9006297A Pending JPH10209718A (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | マイクロストリップ伝送線路基板構造および回路モジュールならびに超高速光通信システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10209718A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013021099A (ja) * | 2011-07-11 | 2013-01-31 | Furukawa Electric Co Ltd:The | レーザ装置 |
-
1997
- 1997-01-17 JP JP9006297A patent/JPH10209718A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013021099A (ja) * | 2011-07-11 | 2013-01-31 | Furukawa Electric Co Ltd:The | レーザ装置 |
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