JPH10194858A - 炭素系セラミックス及びその製法 - Google Patents
炭素系セラミックス及びその製法Info
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- JPH10194858A JPH10194858A JP8350047A JP35004796A JPH10194858A JP H10194858 A JPH10194858 A JP H10194858A JP 8350047 A JP8350047 A JP 8350047A JP 35004796 A JP35004796 A JP 35004796A JP H10194858 A JPH10194858 A JP H10194858A
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- Japan
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- sheet
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- ceramics
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E50/00—Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
- Y02E50/10—Biofuels, e.g. bio-diesel
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- Ceramic Products (AREA)
- Coke Industry (AREA)
- Paper (AREA)
- Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 紙質材料と有機高分子化合物とよりなる複合
体を炭化させた新素材を提供する。 【解決手段】 草と木と竹との細胞組織を、機械的処
理,化学的処理によって分解し、抄紙工程を経て薄いシ
ート状の紙を作製し、その後、該紙を時間をかけて昇温
させ、その後、一定の時間,一定の温度に保ち、その
後、時間をかけて降温させ、炭化させてシート状炭素系
セラミックスを得る。A4サイズ(210mm×297
mm)のPPC用紙をフェノール樹脂PX−1600溶
液に浸した後、乾燥,熱硬化(135℃,60分)さ
せ、その後、真空熱処理炉中(3×10-1Torr)で
焼成した(1000℃,120分)ところ、元のA4サ
イズより面積で約6割の大きさになった(164mm×
232mm)シート状セラミックスを得ることができ
た。このシート状セラミックスは、薄くて軽量で場所を
取らない電磁波シールド材として電子機器内で使用でき
る。
体を炭化させた新素材を提供する。 【解決手段】 草と木と竹との細胞組織を、機械的処
理,化学的処理によって分解し、抄紙工程を経て薄いシ
ート状の紙を作製し、その後、該紙を時間をかけて昇温
させ、その後、一定の時間,一定の温度に保ち、その
後、時間をかけて降温させ、炭化させてシート状炭素系
セラミックスを得る。A4サイズ(210mm×297
mm)のPPC用紙をフェノール樹脂PX−1600溶
液に浸した後、乾燥,熱硬化(135℃,60分)さ
せ、その後、真空熱処理炉中(3×10-1Torr)で
焼成した(1000℃,120分)ところ、元のA4サ
イズより面積で約6割の大きさになった(164mm×
232mm)シート状セラミックスを得ることができ
た。このシート状セラミックスは、薄くて軽量で場所を
取らない電磁波シールド材として電子機器内で使用でき
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素系セラミック
ス及びその製法、より詳細には、新規炭素素材に関する
ものであり、紙質材料と有機高分子化合物とよりなる複
合体を炭化させた新素材及びその製法に関するものであ
る。
ス及びその製法、より詳細には、新規炭素素材に関する
ものであり、紙質材料と有機高分子化合物とよりなる複
合体を炭化させた新素材及びその製法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、オフィスオートメーションの普及
とともに、オフィス内で使用されるコピー用紙,プリン
ター用紙,コンピュータの出力用紙の使用量は激増して
いる。これらの使用済みのものは、一部は分別・集収・
再生紙というリサイクルシステムの中で再資源化されて
きているが、その多くは、廃棄・焼却という非資源化の
道をたどっている。
とともに、オフィス内で使用されるコピー用紙,プリン
ター用紙,コンピュータの出力用紙の使用量は激増して
いる。これらの使用済みのものは、一部は分別・集収・
再生紙というリサイクルシステムの中で再資源化されて
きているが、その多くは、廃棄・焼却という非資源化の
道をたどっている。
【0003】例えば、使用済みコピー用紙を脱墨(脱イ
ンク)し、新しいパルプと混合させて、再生紙として使
用する方法が一般化している。しかし、完全脱墨(脱イ
ンク)の技術が確立されているわけではなく、また、そ
の方法によって再生された紙は、100%バージンパル
プで作られる紙に較べて、やや黄色がかった色になると
いう欠点がある。また、このように再生紙として生まれ
かわった紙も、最後は、廃棄・焼却という非資源化の道
をたどざらるを得ないのが実状である。
ンク)し、新しいパルプと混合させて、再生紙として使
用する方法が一般化している。しかし、完全脱墨(脱イ
ンク)の技術が確立されているわけではなく、また、そ
の方法によって再生された紙は、100%バージンパル
プで作られる紙に較べて、やや黄色がかった色になると
いう欠点がある。また、このように再生紙として生まれ
かわった紙も、最後は、廃棄・焼却という非資源化の道
をたどざらるを得ないのが実状である。
【0004】一方、本出願人より、特開平7−2815
66号公報として出願されている発明は、カールソンプ
ロセス(電子写真法ともいう)によって画像形成された
使用済みのコピー用紙から、トナーを剥離し、新たなコ
ピー用紙として再生させている。この技術を利用する
と、1枚のコピー用紙は、複数回、再使用することが可
能であり、コピー用紙のリサイクル技術として注目され
ている。しかしながら、複数回、再使用することが可能
であっても、最後にはその紙も上記のような再生紙と同
様に、廃棄・焼却という非資源化の道をたどる。
66号公報として出願されている発明は、カールソンプ
ロセス(電子写真法ともいう)によって画像形成された
使用済みのコピー用紙から、トナーを剥離し、新たなコ
ピー用紙として再生させている。この技術を利用する
と、1枚のコピー用紙は、複数回、再使用することが可
能であり、コピー用紙のリサイクル技術として注目され
ている。しかしながら、複数回、再使用することが可能
であっても、最後にはその紙も上記のような再生紙と同
様に、廃棄・焼却という非資源化の道をたどる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】オフィスにおけるこの
ようなコピー用紙は、日本国内だけでも、年間50万ト
ン(A4サイズ紙換算で1千億枚をこえる)という莫大
な量が使用されており、それらが最終的に、廃棄という
道をたどらねばならない実状を考えると、使用済み紙資
源の廃棄以外の、より有効な利用方法を考える必要があ
る。
ようなコピー用紙は、日本国内だけでも、年間50万ト
ン(A4サイズ紙換算で1千億枚をこえる)という莫大
な量が使用されており、それらが最終的に、廃棄という
道をたどらねばならない実状を考えると、使用済み紙資
源の廃棄以外の、より有効な利用方法を考える必要があ
る。
【0006】一方、日本国内の新聞用紙も、年間320
万トンという莫大な量が使用されており、オフィスにお
けるコピー用紙と同様に、使用済み紙資源の廃棄以外
の、より有効な利用方法を考える必要がある。
万トンという莫大な量が使用されており、オフィスにお
けるコピー用紙と同様に、使用済み紙資源の廃棄以外
の、より有効な利用方法を考える必要がある。
【0007】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなさ
れたもので、第1に、地球上の植物質源を有効利用し、
新規材料として再生させること、第2に、材質に依存す
る異方性を持たない新規材料を提供すること、第3に、
このような新規材料に形状を与えること、第4に、この
ような形状を与えられた新規材料で、材質に依存する異
方性を持たないようにすること、第5に、地球上の化石
資源を有効利用し、新規材料として再生させること、第
6に、シート状の新規材料を提供すること、第7に、新
規材料による構造物を提供すること、第8に、このよう
なシート状の新規材料の原材料の物性を限定すること、
第9に、このような新規材料の原材料を限定すること、
第10に、紙資源の有効利用法を提供すること、第11
に、紙資源の有効利用法を提供すること、第12に、紙
資源の別の利用法を提供すること、第13に、古紙の有
効利用法を提供すること、を目的としてなされたもので
ある。
れたもので、第1に、地球上の植物質源を有効利用し、
新規材料として再生させること、第2に、材質に依存す
る異方性を持たない新規材料を提供すること、第3に、
このような新規材料に形状を与えること、第4に、この
ような形状を与えられた新規材料で、材質に依存する異
方性を持たないようにすること、第5に、地球上の化石
資源を有効利用し、新規材料として再生させること、第
6に、シート状の新規材料を提供すること、第7に、新
規材料による構造物を提供すること、第8に、このよう
なシート状の新規材料の原材料の物性を限定すること、
第9に、このような新規材料の原材料を限定すること、
第10に、紙資源の有効利用法を提供すること、第11
に、紙資源の有効利用法を提供すること、第12に、紙
資源の別の利用法を提供すること、第13に、古紙の有
効利用法を提供すること、を目的としてなされたもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、草と木と竹との細胞組織を、機械的処
理,化学的処理によって分解し、抄紙工程を経て薄いシ
ート状の紙を作製し、その後、該紙を時間をかけて昇温
させ、その後、一定の時間,一定の温度に保ち、その
後、時間をかけて降温させ、炭化させたことを特徴とし
たものであり、更には、第1に植物を分解して得られる
繊維の集合体と、該集合体に絡ませた有機高分子化合体
とよりなる複合体を炭素させた素材を提供すること、第
2に、植物組織を物理的もしくは化学的処理により分解
し、該組織の持つ異方性をなくした繊維の集合体と、該
集合体に絡ませた有機高分子化合物とよりなる複合体を
炭化させた素材を提供すること、第3に、植物を分解し
て得られる繊維の集合体と有機高分子化合物とよりなる
複合体の成形物を炭素させた構造物を提供すること、第
4に、植物組織を物理的もしくは化学的処理により分解
し、該組織の持つ異方性をなくした繊維の集合体と有機
高分子化合物とよりなる複合体の成形物を炭素させた構
造物を提供すること、第5に、化学的に合成されたシー
ト基材もしくは繊維集合体と、該シート基材もしくは繊
維集合体に塗布もしくは絡ませた有機高分子化合物とよ
りなる複合体を炭化させた素材を提供すること、第6
に、上記第1,2,3,4,5のいずれか1に記載の素
材もしくは構造物において、前記集合体が紙であるこ
と、第7に、上記第1,2,2,4,5,6のいずれか
1に記載の素材もしくは構造物において、前記集合体が
紙の構造物であること、第8に、上記第6,7のいずれ
か1に記載の素材もしくは構造物において、前記紙はそ
の密度が0.5g/cm3以上であるようにしたこと、第
9に、上記第1,2,3,4,5のいずれか1に記載の
素材もしくは構造物において、前記集合体がパルプであ
るようにしたこと、第10に、上記第1,2,3,4,
5のいずれか1に記載の素材もしくは構造物において、
前記集合体が古紙を分解して得られる繊維の集合体であ
るようにしたこと、第11に、上記第1,2,3,4,
5のいずれか1に記載の素材もしくは構造物において、
前記集合体が古紙を分解して得られる繊維の集合体と新
しい植物を分解して得られる繊維の集合体との混合集合
体であるようにしたこと、第12に、上記第1,2,
3,4,5,6のいずれか1に記載の素材もしくは構造
物において、前記集合体が紙の積層物であるようにした
こと、第13に、上記第5,6,7,8,12のいずれ
か1に記載の素材もしくは構造物において、前記紙が古
紙であるようにしたこと、を特徴とするものである。
決するために、草と木と竹との細胞組織を、機械的処
理,化学的処理によって分解し、抄紙工程を経て薄いシ
ート状の紙を作製し、その後、該紙を時間をかけて昇温
させ、その後、一定の時間,一定の温度に保ち、その
後、時間をかけて降温させ、炭化させたことを特徴とし
たものであり、更には、第1に植物を分解して得られる
繊維の集合体と、該集合体に絡ませた有機高分子化合体
とよりなる複合体を炭素させた素材を提供すること、第
2に、植物組織を物理的もしくは化学的処理により分解
し、該組織の持つ異方性をなくした繊維の集合体と、該
集合体に絡ませた有機高分子化合物とよりなる複合体を
炭化させた素材を提供すること、第3に、植物を分解し
て得られる繊維の集合体と有機高分子化合物とよりなる
複合体の成形物を炭素させた構造物を提供すること、第
4に、植物組織を物理的もしくは化学的処理により分解
し、該組織の持つ異方性をなくした繊維の集合体と有機
高分子化合物とよりなる複合体の成形物を炭素させた構
造物を提供すること、第5に、化学的に合成されたシー
ト基材もしくは繊維集合体と、該シート基材もしくは繊
維集合体に塗布もしくは絡ませた有機高分子化合物とよ
りなる複合体を炭化させた素材を提供すること、第6
に、上記第1,2,3,4,5のいずれか1に記載の素
材もしくは構造物において、前記集合体が紙であるこ
と、第7に、上記第1,2,2,4,5,6のいずれか
1に記載の素材もしくは構造物において、前記集合体が
紙の構造物であること、第8に、上記第6,7のいずれ
か1に記載の素材もしくは構造物において、前記紙はそ
の密度が0.5g/cm3以上であるようにしたこと、第
9に、上記第1,2,3,4,5のいずれか1に記載の
素材もしくは構造物において、前記集合体がパルプであ
るようにしたこと、第10に、上記第1,2,3,4,
5のいずれか1に記載の素材もしくは構造物において、
前記集合体が古紙を分解して得られる繊維の集合体であ
るようにしたこと、第11に、上記第1,2,3,4,
5のいずれか1に記載の素材もしくは構造物において、
前記集合体が古紙を分解して得られる繊維の集合体と新
しい植物を分解して得られる繊維の集合体との混合集合
体であるようにしたこと、第12に、上記第1,2,
3,4,5,6のいずれか1に記載の素材もしくは構造
物において、前記集合体が紙の積層物であるようにした
こと、第13に、上記第5,6,7,8,12のいずれ
か1に記載の素材もしくは構造物において、前記紙が古
紙であるようにしたこと、を特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】生物は細胞の集合体であるが、中
でも草,木,竹等に代表される植物には、細長い細胞
(繊維,繊維細胞という)が多く含まれ、人類は洋の東
西を問わず古くから、この繊維をときほぐしたり、再加
工したりして、この素材を利用してきた。古くは古代エ
ジプトのパピルス,中国の麻紙に始まり、和紙,洋紙等
の各種の紙として、あるいは、麻,綿に代表される糸,
繊維として利用されていることは周知の事実である。
でも草,木,竹等に代表される植物には、細長い細胞
(繊維,繊維細胞という)が多く含まれ、人類は洋の東
西を問わず古くから、この繊維をときほぐしたり、再加
工したりして、この素材を利用してきた。古くは古代エ
ジプトのパピルス,中国の麻紙に始まり、和紙,洋紙等
の各種の紙として、あるいは、麻,綿に代表される糸,
繊維として利用されていることは周知の事実である。
【0010】本発明は、このような植物の従来ながらの
利用方法にとどまらず、さらに有効な利用方法を提供す
ることを目的としてなされたものであり、植物を出発材
料とし、従来なかった全く新規な炭素系セラミックスを
提案するものである。
利用方法にとどまらず、さらに有効な利用方法を提供す
ることを目的としてなされたものであり、植物を出発材
料とし、従来なかった全く新規な炭素系セラミックスを
提案するものである。
【0011】本発明は、簡単にいえば、例えば、植物を
分解して得られる繊維の集合体の代表例である紙に、フ
ェノール樹脂等の有機高分子化合物を含浸させて、その
複合体を熱あるいは光等により硬化させ、その後、真空
中あるいは窒素等の不活性雰囲気中で、500〜300
0℃の加熱処理を行うことにより、新規な炭素系セラミ
ックスとして生まれかわらせるものである。
分解して得られる繊維の集合体の代表例である紙に、フ
ェノール樹脂等の有機高分子化合物を含浸させて、その
複合体を熱あるいは光等により硬化させ、その後、真空
中あるいは窒素等の不活性雰囲気中で、500〜300
0℃の加熱処理を行うことにより、新規な炭素系セラミ
ックスとして生まれかわらせるものである。
【0012】なお、後述するが、紙とは、一般的には植
物を分解して得られる繊維の集合体としての紙が代表例
としてあげられるが、本発明に使用する紙は、これに限
定されるものではなく、石油・石炭・天然ガス等の化石
燃料から化学的に作られるいわゆる合成紙もそれに含ま
れるものである。
物を分解して得られる繊維の集合体としての紙が代表例
としてあげられるが、本発明に使用する紙は、これに限
定されるものではなく、石油・石炭・天然ガス等の化石
燃料から化学的に作られるいわゆる合成紙もそれに含ま
れるものである。
【0013】植物を分解して得られる繊維の集合体とし
ては、前述のような紙が一般的であるが、この紙も、一
般に木材を機械的(物理的)手段,化学的手段あるいは
両方の手段を併用してパルプとし、その後、さらに、化
学的処理,機械的処理,抄紙等の工程を経て完成するい
わゆる洋紙の他に、楮(こうぞ),三椏(みつまた),
雁皮(がんぴ)に代表されるような非木材繊維を原料と
するいわゆる和紙がある。さらに、一度紙として完成,
利用された後、再びパルプに戻され(古紙パルプ)、再
生紙として再生される古紙,再生紙あるいはこの古紙パ
ルプに前記手段によって木材から作られるバージンパル
プを混合して加工される古紙,再生紙など様々なものが
あるが、それらは全て本発明でいうところの植物を分解
して得られる繊維の集合体であり、新規な炭素系セラミ
ックスを作るための出発材料として好適に用することが
できる。
ては、前述のような紙が一般的であるが、この紙も、一
般に木材を機械的(物理的)手段,化学的手段あるいは
両方の手段を併用してパルプとし、その後、さらに、化
学的処理,機械的処理,抄紙等の工程を経て完成するい
わゆる洋紙の他に、楮(こうぞ),三椏(みつまた),
雁皮(がんぴ)に代表されるような非木材繊維を原料と
するいわゆる和紙がある。さらに、一度紙として完成,
利用された後、再びパルプに戻され(古紙パルプ)、再
生紙として再生される古紙,再生紙あるいはこの古紙パ
ルプに前記手段によって木材から作られるバージンパル
プを混合して加工される古紙,再生紙など様々なものが
あるが、それらは全て本発明でいうところの植物を分解
して得られる繊維の集合体であり、新規な炭素系セラミ
ックスを作るための出発材料として好適に用することが
できる。
【0014】なお、以上の説明は、植物を分解して得ら
れる繊維の集合体としての紙の説明であるが、前述のよ
うな合成紙は、例えば、ポリスチレン,ポリプロピレン
などを押し出し成形して作ったり(フィルム合成紙)あ
るいはポリエチレン繊維などをフィブリル化して作った
合成パルプを用いて、通常の植物パルプを漉いて紙を作
るのと同様な方法で作ることができる(ファイバー法合
成紙)。
れる繊維の集合体としての紙の説明であるが、前述のよ
うな合成紙は、例えば、ポリスチレン,ポリプロピレン
などを押し出し成形して作ったり(フィルム合成紙)あ
るいはポリエチレン繊維などをフィブリル化して作った
合成パルプを用いて、通常の植物パルプを漉いて紙を作
るのと同様な方法で作ることができる(ファイバー法合
成紙)。
【0015】また、紙の品種として、新聞巻取紙,非塗
工印刷用紙(上級,中級,下級,薄葉の各印刷紙),微
塗工印刷用紙(微塗工上質紙,微塗工印刷紙),塗工印
刷用紙(アート紙,コート紙等),情報用紙(複写原
紙,感光用紙,フォーム紙,PPC用紙,感熱紙等),
包装用紙(クラフト紙,模造紙等),衛生用紙(ティッ
シュペーパー,ちり紙,トイレットペーパー,タオル用
紙等),雑種紙(建材用原紙,積層板原紙,コンデンサ
ーペーパー,ライスペーパー,グラシンペーパー等),
段ボール原紙(ライナー,中しん原紙等)等々色々ある
が、これらも本発明に好適に用いることができる。
工印刷用紙(上級,中級,下級,薄葉の各印刷紙),微
塗工印刷用紙(微塗工上質紙,微塗工印刷紙),塗工印
刷用紙(アート紙,コート紙等),情報用紙(複写原
紙,感光用紙,フォーム紙,PPC用紙,感熱紙等),
包装用紙(クラフト紙,模造紙等),衛生用紙(ティッ
シュペーパー,ちり紙,トイレットペーパー,タオル用
紙等),雑種紙(建材用原紙,積層板原紙,コンデンサ
ーペーパー,ライスペーパー,グラシンペーパー等),
段ボール原紙(ライナー,中しん原紙等)等々色々ある
が、これらも本発明に好適に用いることができる。
【0016】なお、この紙についてであるが、その密度
は最終的に形成される炭素系セラミックスの強度をある
程度保つため、あるいは、その処理途中で破損しないよ
うにするためには、後述するように、一定の値以上の紙
が望ましい。本発明では、その密度が0.5g/cm3以
上の紙を出発原料とすることにより、1枚のシート状の
炭素系セラミックスを形成するに当たり、その処理途中
で破損することなく、また、形成後もある程度の強度が
あり、破損しにくいシート状の炭素系セラミックスを得
ることができるようになった。
は最終的に形成される炭素系セラミックスの強度をある
程度保つため、あるいは、その処理途中で破損しないよ
うにするためには、後述するように、一定の値以上の紙
が望ましい。本発明では、その密度が0.5g/cm3以
上の紙を出発原料とすることにより、1枚のシート状の
炭素系セラミックスを形成するに当たり、その処理途中
で破損することなく、また、形成後もある程度の強度が
あり、破損しにくいシート状の炭素系セラミックスを得
ることができるようになった。
【0017】さらに、このような紙の他に、木材を化学
的手段,機械的(物理的)手段あるいは両方の手段を併
用して作られるバージンパルプや、前述のような和紙を
作る前段階の原料(楮(こうぞ),三椏(みつまた),
雁皮(がんぴ))に代表されるような非木材繊維を、化
学的手段,機械的(物理的)手段あるいは両方の手段を
併用して作られる原料,古紙パルプ,バージンパルプと
古紙パルプの混合物等も、本発明でいうところの植物を
分解して得られる繊維の集合体であり、新規な炭素系セ
ラミックスを作るための出発材料として好適に用いるこ
とができる。
的手段,機械的(物理的)手段あるいは両方の手段を併
用して作られるバージンパルプや、前述のような和紙を
作る前段階の原料(楮(こうぞ),三椏(みつまた),
雁皮(がんぴ))に代表されるような非木材繊維を、化
学的手段,機械的(物理的)手段あるいは両方の手段を
併用して作られる原料,古紙パルプ,バージンパルプと
古紙パルプの混合物等も、本発明でいうところの植物を
分解して得られる繊維の集合体であり、新規な炭素系セ
ラミックスを作るための出発材料として好適に用いるこ
とができる。
【0018】次に、このような繊維の集合体に絡ませる
(含浸させる)有機高分子化合物であるが、天然のもの
としては、天然高分子化合物およびその誘導体である天
然ゴム,セルロース,デンプン,タンパク質,ニトロセ
ルロース,アセチルセルロースなどがあり、合成高分子
化合物として合成樹脂,合成ゴムなどがある。このう
ち、合成樹脂としては、熱硬化性樹脂として、フェノー
ル系樹脂,尿素系樹脂,メラミン系樹脂,エポキシ系樹
脂,ウレタン系樹脂,ポリエステル系樹脂,シリコーン
系樹脂などが本発明に好適に利用できる。ただし、熱硬
化性樹脂としてここに記載したが、本発明では必ずしも
熱硬化である必要はなく、化学反応による硬化,紫外線
照射による硬化であってもよい。
(含浸させる)有機高分子化合物であるが、天然のもの
としては、天然高分子化合物およびその誘導体である天
然ゴム,セルロース,デンプン,タンパク質,ニトロセ
ルロース,アセチルセルロースなどがあり、合成高分子
化合物として合成樹脂,合成ゴムなどがある。このう
ち、合成樹脂としては、熱硬化性樹脂として、フェノー
ル系樹脂,尿素系樹脂,メラミン系樹脂,エポキシ系樹
脂,ウレタン系樹脂,ポリエステル系樹脂,シリコーン
系樹脂などが本発明に好適に利用できる。ただし、熱硬
化性樹脂としてここに記載したが、本発明では必ずしも
熱硬化である必要はなく、化学反応による硬化,紫外線
照射による硬化であってもよい。
【0019】また、フラン樹脂,フルフリールアルコー
ル樹脂等,フェノール樹脂と同じように、ガラス状炭素
を形成する熱硬化樹脂も好適に利用できる。また、本発
明の繊維の集合体,紙あるいはパルプはそれ単体でも炭
化,セラミックス化することは可能であるが、このよう
に樹脂と一緒にセラミックス化することにより、ガラス
状炭素が形成されるので、はるかに強度の大きいものが
得られる。
ル樹脂等,フェノール樹脂と同じように、ガラス状炭素
を形成する熱硬化樹脂も好適に利用できる。また、本発
明の繊維の集合体,紙あるいはパルプはそれ単体でも炭
化,セラミックス化することは可能であるが、このよう
に樹脂と一緒にセラミックス化することにより、ガラス
状炭素が形成されるので、はるかに強度の大きいものが
得られる。
【0020】次に、このような新規な炭素系セラミック
ス素材の持つ特微的な性質について説明する。ここで説
明する各性質は、後述するような各実施例に示したよう
な手段で形成したものをその用途に応じて、シート状,
ブロック状、さらには、ブロック状のものを特性測定が
できるように、機械的に加工して適当な試験片にして、
それぞれの性質を調べたものである。
ス素材の持つ特微的な性質について説明する。ここで説
明する各性質は、後述するような各実施例に示したよう
な手段で形成したものをその用途に応じて、シート状,
ブロック状、さらには、ブロック状のものを特性測定が
できるように、機械的に加工して適当な試験片にして、
それぞれの性質を調べたものである。
【0021】まず、はじめに、力学的特性であるが、密
度は、約1.0Mg/m3であり、金属等に較べて非常に
軽いという性質を持つ。また、ヤング率は約3.1GP
aであり、樹脂等に近い値を示す。破壊強度は約24M
Pa,破壊靭性値は約0.2MPa√mであり、セメン
ト等に近い性質を持つ。
度は、約1.0Mg/m3であり、金属等に較べて非常に
軽いという性質を持つ。また、ヤング率は約3.1GP
aであり、樹脂等に近い値を示す。破壊強度は約24M
Pa,破壊靭性値は約0.2MPa√mであり、セメン
ト等に近い性質を持つ。
【0022】次に、摩擦特性であるが、動摩擦係数は、
空気中で0.13〜0.25の範囲をとる。また、対ア
ルミナでは、基油含浸条件下で0.13〜0.22の範
囲をとり、他材料、例えば、S45Cの対アルミナ(同
条件下で0.5〜0.9)と比較するときわめて低い値
であり、低摩擦が要求される軸受け等への利用が期待で
きる。ちなみに、水中では、対アルミナの値は0.13
〜0.22である。
空気中で0.13〜0.25の範囲をとる。また、対ア
ルミナでは、基油含浸条件下で0.13〜0.22の範
囲をとり、他材料、例えば、S45Cの対アルミナ(同
条件下で0.5〜0.9)と比較するときわめて低い値
であり、低摩擦が要求される軸受け等への利用が期待で
きる。ちなみに、水中では、対アルミナの値は0.13
〜0.22である。
【0023】次に、摩擦特性であるが、以下の条件下で
使用すれば、ほとんど摩耗することなく、機械的周動部
材として好適に使用できる。 ・Pmax=61MPa以下(大気中) ・Pmax=122MPa以下(基油含浸) ・Pmax=46MPa以下(水中)
使用すれば、ほとんど摩耗することなく、機械的周動部
材として好適に使用できる。 ・Pmax=61MPa以下(大気中) ・Pmax=122MPa以下(基油含浸) ・Pmax=46MPa以下(水中)
【0024】次に、熱的特性であるが、比熱容量は0.
5〜2J/g・Kの値をとり、一般の金属よりかなり高
く、ゴム,磁器,紙,ガラス(石英),コンクリートに
近い性質を示す。赤外線放射率は約80%(4〜22μ
mの波長において)であり、これは、一般の金属より高
い値である。
5〜2J/g・Kの値をとり、一般の金属よりかなり高
く、ゴム,磁器,紙,ガラス(石英),コンクリートに
近い性質を示す。赤外線放射率は約80%(4〜22μ
mの波長において)であり、これは、一般の金属より高
い値である。
【0025】次に電気特性であるが、電気抵抗率は10
3〜10-2Ωcmであり、これは焼成条件(特に温度)に
よって変化し、使用用途に応じて焼成条件を適宜選ぶこ
とにより、所望の値とすることができる。また、実際に
使用する時の使用温度によっても0.5〜10Ωcmまで
変化することがわかっている。これは、本発明素材が、
温度センサーとして使用することができるということを
意味している。
3〜10-2Ωcmであり、これは焼成条件(特に温度)に
よって変化し、使用用途に応じて焼成条件を適宜選ぶこ
とにより、所望の値とすることができる。また、実際に
使用する時の使用温度によっても0.5〜10Ωcmまで
変化することがわかっている。これは、本発明素材が、
温度センサーとして使用することができるということを
意味している。
【0026】次に、磁気特性であるが、基本的には、反
磁性を示すが、本発明素材の出発材料である植物がその
成長過程において、土壌からFeを吸い上げ、その細胞
内部にFeが存在する度合によって磁性を示すことがわ
かっている。あるいは、繊維の集合体と該集合体の絡ま
せた有機高分子化合物とよりなる複合体にFeを添加
し、その後、焼成を行えば磁性を示す材料とすることが
できる。
磁性を示すが、本発明素材の出発材料である植物がその
成長過程において、土壌からFeを吸い上げ、その細胞
内部にFeが存在する度合によって磁性を示すことがわ
かっている。あるいは、繊維の集合体と該集合体の絡ま
せた有機高分子化合物とよりなる複合体にFeを添加
し、その後、焼成を行えば磁性を示す材料とすることが
できる。
【0027】次に、電磁波シールド特性であるが、これ
は、焼成温度が400〜600℃という低い温度のもの
はその効果はないが、600℃以上で焼成したものには
その効果がある。焼成温度によって多少の違いはあるも
のの、650〜1100℃で焼成したものは、100〜
500MHzの周波数領域で最大の遮蔽性を示すことが
わかっており、本発明素材は、電磁シールド材として非
常に有望である。
は、焼成温度が400〜600℃という低い温度のもの
はその効果はないが、600℃以上で焼成したものには
その効果がある。焼成温度によって多少の違いはあるも
のの、650〜1100℃で焼成したものは、100〜
500MHzの周波数領域で最大の遮蔽性を示すことが
わかっており、本発明素材は、電磁シールド材として非
常に有望である。
【0028】次に、誘電特性であるが、誘電率は導電性
ポリエチレンフォーム,導電性接着剤より高い値をとる
ことがわかっている。このように、本発明素材は、数々
の特徴的性質を示し、機械的材料素材として、温度セン
サーとして電子機器内の電磁波シールド材,その他各分
野で利用可能である。
ポリエチレンフォーム,導電性接着剤より高い値をとる
ことがわかっている。このように、本発明素材は、数々
の特徴的性質を示し、機械的材料素材として、温度セン
サーとして電子機器内の電磁波シールド材,その他各分
野で利用可能である。
【0029】次に、本発明素材および構造物のより具体
的な製作方法を実施例をあげて説明する。 (実施例1)A4サイズ(210mm×297mm)の
PPC用紙,6200((株)リコー製)をフェノール
樹脂PX−1600((株)ホーネンコーポレーション
製)溶液に浸した後、乾燥,熱硬化(135℃,60
分)させた。その後、真空熱処理炉中(3×10-1To
rr)で焼成した(1000℃,120分)ところ、元
のA4サイズより面積で約6割の大きさになった(16
4mm×232mm)シート状セラミックスを得ること
ができた。そして、このシート状セラミックスは、前述
のように、電磁波シールド特性が優れているので、薄く
て軽量で場所を取らない電磁波シールド材として電子機
器内で使用できることがわかった。熱処理炉の焼成プロ
グラムの詳細は、図1に示すとおりである。
的な製作方法を実施例をあげて説明する。 (実施例1)A4サイズ(210mm×297mm)の
PPC用紙,6200((株)リコー製)をフェノール
樹脂PX−1600((株)ホーネンコーポレーション
製)溶液に浸した後、乾燥,熱硬化(135℃,60
分)させた。その後、真空熱処理炉中(3×10-1To
rr)で焼成した(1000℃,120分)ところ、元
のA4サイズより面積で約6割の大きさになった(16
4mm×232mm)シート状セラミックスを得ること
ができた。そして、このシート状セラミックスは、前述
のように、電磁波シールド特性が優れているので、薄く
て軽量で場所を取らない電磁波シールド材として電子機
器内で使用できることがわかった。熱処理炉の焼成プロ
グラムの詳細は、図1に示すとおりである。
【0030】(実施例2)Tyvekの商品名で知られ
るポリエチレン合成紙(A4サイズ)の両面それぞれ
に、フェノール樹脂PX−1600((株)ホーネンコ
ーポレーション製)を約5μmの厚さにコートした後、
乾燥,熱硬化(135℃,60分)させた。その後、真
空熱処理炉中(3×10-1Torr)で焼成した(焼成
条件は、実施例1と同じ)ところ、元のA4サイズより
面積で約6割の大きさになった(165mm×234m
m)シート状セラミックスを得ることができた。そし
て、このシート状セラミックスは、実施例1と同様に、
電磁波シールド特性が優れており、薄くて軽量で場所を
とらない電磁波シールド材として電子機器内で使用でき
ることがわかった。
るポリエチレン合成紙(A4サイズ)の両面それぞれ
に、フェノール樹脂PX−1600((株)ホーネンコ
ーポレーション製)を約5μmの厚さにコートした後、
乾燥,熱硬化(135℃,60分)させた。その後、真
空熱処理炉中(3×10-1Torr)で焼成した(焼成
条件は、実施例1と同じ)ところ、元のA4サイズより
面積で約6割の大きさになった(165mm×234m
m)シート状セラミックスを得ることができた。そし
て、このシート状セラミックスは、実施例1と同様に、
電磁波シールド特性が優れており、薄くて軽量で場所を
とらない電磁波シールド材として電子機器内で使用でき
ることがわかった。
【0031】(実施例3)A4サイズ(210mm×2
97mm)のPPC用紙,紙源中厚口TypeS
((株)リコー製リサイクルペーパー)を500枚積層
したもの(厚さ約42mm)をフェノール樹脂PX−1
600((株)ホーネンコーポレーション製)溶液に浸
し、超音波振動を加えながら同樹脂を含浸させ、乾燥,
熱硬化(135℃,60分)させた。その後、真空熱処
理炉中(3×10-1Torr)で焼成した(焼成条件
は、実施例1と同じ)ところ、元の大きさより体積で約
5割の大きさになった(164mm×232mm×33
mm)ブロック状セラミックス構造物を得ることができ
た。このブロック状セラミックス構造物は、機械加工に
よって色々な形状にすることができ、一例として、外径
φ40mm,内径φ30mm,奥行き30mmのブッシ
ュを機械加工で作り、それほど荷重のかからない機械の
すべり軸受けとして使用したところ、なめらかな回転性
能が得られた。
97mm)のPPC用紙,紙源中厚口TypeS
((株)リコー製リサイクルペーパー)を500枚積層
したもの(厚さ約42mm)をフェノール樹脂PX−1
600((株)ホーネンコーポレーション製)溶液に浸
し、超音波振動を加えながら同樹脂を含浸させ、乾燥,
熱硬化(135℃,60分)させた。その後、真空熱処
理炉中(3×10-1Torr)で焼成した(焼成条件
は、実施例1と同じ)ところ、元の大きさより体積で約
5割の大きさになった(164mm×232mm×33
mm)ブロック状セラミックス構造物を得ることができ
た。このブロック状セラミックス構造物は、機械加工に
よって色々な形状にすることができ、一例として、外径
φ40mm,内径φ30mm,奥行き30mmのブッシ
ュを機械加工で作り、それほど荷重のかからない機械の
すべり軸受けとして使用したところ、なめらかな回転性
能が得られた。
【0032】(実施例4)B5サイズ(182mm×2
57mm)の週刊誌(264頁,厚さ12mm)を1
冊,フェノール樹脂PX−1600((株)ホーネンコ
ーポレーション製)溶液に浸し、超音波振動を加えなが
ら、同樹脂を含浸させ、乾燥,熱硬化(135℃,60
分)させた。その後、真空熱処理炉中(3×10-1To
rr)で焼成した(焼成条件は、実施例1と同じ)とこ
ろ、元の大きさより小さくなった大きさ142mm×2
00mm×10mmの板状セラミックス構造物を得るこ
とができた。これにより、従来、焼却廃棄されていた多
量の出版物を新しい特性を持つ新規な素材へと生まれか
わらせることが可能となった。
57mm)の週刊誌(264頁,厚さ12mm)を1
冊,フェノール樹脂PX−1600((株)ホーネンコ
ーポレーション製)溶液に浸し、超音波振動を加えなが
ら、同樹脂を含浸させ、乾燥,熱硬化(135℃,60
分)させた。その後、真空熱処理炉中(3×10-1To
rr)で焼成した(焼成条件は、実施例1と同じ)とこ
ろ、元の大きさより小さくなった大きさ142mm×2
00mm×10mmの板状セラミックス構造物を得るこ
とができた。これにより、従来、焼却廃棄されていた多
量の出版物を新しい特性を持つ新規な素材へと生まれか
わらせることが可能となった。
【0033】(実施例5)杉の廃材を30mm×30m
m×5mmの大きさのチップにし、水,水酸化ナトリウ
ム,硫化ナトリウムで加圧しながら煮沸し、リグニン等
の有機物質を溶解除去し、さらに、洗浄することによ
り、いわゆるパルプを得た。次に、このパルプをフェノ
ール樹脂PX−1600((株)ホーネンコーポレーシ
ョン製)溶液と混ぜ合わせた後、圧力を加えながらブロ
ック化した。その後、乾燥,熱硬化(150℃,120
分)させた後、100mm×100mm×100mmの
大きさの立方体ブロックを切り出した。その後、真空熱
処理炉中(3×10-1Torr)で焼成した(1500
℃,300分)ところ、元の大きさより体積で約6割の
大きさ(84mm×84mm×84mm)になったブロ
ック状セラミックス構造物を得ることができた。これに
より、従来、廃材とされていた材料に、化学的処理を加
えてパルプとし、さらに、本発明の処理を行うことによ
り、新しい特性を持つ新規な素材へと生まれ変わらせる
ことが可能となった。熱処理炉の焼成プログラムの詳細
は、図2に示すとおりである。
m×5mmの大きさのチップにし、水,水酸化ナトリウ
ム,硫化ナトリウムで加圧しながら煮沸し、リグニン等
の有機物質を溶解除去し、さらに、洗浄することによ
り、いわゆるパルプを得た。次に、このパルプをフェノ
ール樹脂PX−1600((株)ホーネンコーポレーシ
ョン製)溶液と混ぜ合わせた後、圧力を加えながらブロ
ック化した。その後、乾燥,熱硬化(150℃,120
分)させた後、100mm×100mm×100mmの
大きさの立方体ブロックを切り出した。その後、真空熱
処理炉中(3×10-1Torr)で焼成した(1500
℃,300分)ところ、元の大きさより体積で約6割の
大きさ(84mm×84mm×84mm)になったブロ
ック状セラミックス構造物を得ることができた。これに
より、従来、廃材とされていた材料に、化学的処理を加
えてパルプとし、さらに、本発明の処理を行うことによ
り、新しい特性を持つ新規な素材へと生まれ変わらせる
ことが可能となった。熱処理炉の焼成プログラムの詳細
は、図2に示すとおりである。
【0034】(実施例6)樹皮を除去した杉の廃材を、
水をかけながら、グラインダーですりつぶした。その
後、洗浄,濾過を繰り返すことにより、砥石粒子等の不
純物を除去して、いわゆるパルプを得た。次に、このパ
ルプをフェノール樹脂PX−1600((株)ホーネン
コーポレーション製)溶液と混ぜ合わせた後、圧力を加
えながらブロック化した。その後、乾燥,熱硬化(15
0℃,120分)させた後、100mm×100mm×
100mmの大きさの立方体ブロックを切り出した。そ
の後、真空熱処理炉中(3×10-1Torr)で焼成し
た(焼成条件は、実施例4と同じ)ところ、元の大きさ
より体積で約5割の大きさになった(80mm×80m
m×80mm)ブロック状セラミックス構造物を得るこ
とができた。これにより、従来、廃材とされていた材料
に、機械的処理を加えてパルプとし、さらに、本発明の
処理を行うことにより、新しい特性を持つ新規な素材へ
と生まれ変わらせることが可能となった。
水をかけながら、グラインダーですりつぶした。その
後、洗浄,濾過を繰り返すことにより、砥石粒子等の不
純物を除去して、いわゆるパルプを得た。次に、このパ
ルプをフェノール樹脂PX−1600((株)ホーネン
コーポレーション製)溶液と混ぜ合わせた後、圧力を加
えながらブロック化した。その後、乾燥,熱硬化(15
0℃,120分)させた後、100mm×100mm×
100mmの大きさの立方体ブロックを切り出した。そ
の後、真空熱処理炉中(3×10-1Torr)で焼成し
た(焼成条件は、実施例4と同じ)ところ、元の大きさ
より体積で約5割の大きさになった(80mm×80m
m×80mm)ブロック状セラミックス構造物を得るこ
とができた。これにより、従来、廃材とされていた材料
に、機械的処理を加えてパルプとし、さらに、本発明の
処理を行うことにより、新しい特性を持つ新規な素材へ
と生まれ変わらせることが可能となった。
【0035】(実施例7)楮(こうぞ)の枝を蒸気で蒸
し、その後皮を剥ぎ取り、その皮をソーダ灰18%,苛
性ソーダ1%水溶液で煮沸し、その後、皮を水洗いした
後、長い繊維がなくなるまで叩解した。次に、この楮
(こうぞ)の繊維の塊をフェノール樹脂PX−1600
((株)ホーネンコーポレーション製)溶液と混ぜ合わ
せた後、圧力を加えながらブロック化した。その後、乾
燥,熱硬化(150℃,120分)させた後、100m
m×100mm×100mmの大きさの立方体ブロック
を切り出した。その後、真空熱処理炉中(3×10-1T
orr)で焼成した(焼成条件は、実施例4と同じ)と
ころ、元の大きさより体積で約5割の大きさになった
(81mm×81mm×81mm)ブロック状セラミッ
クス構造物を得ることができた。これにより、従来、そ
の利用方法として和紙以外に考えられなかった植物材料
に機械的処理,化学的処理を加え、さらに、本発明の処
理を行うことにより、新しい特性を持つ新規な素材へと
生まれ変わらせることが可能となった。
し、その後皮を剥ぎ取り、その皮をソーダ灰18%,苛
性ソーダ1%水溶液で煮沸し、その後、皮を水洗いした
後、長い繊維がなくなるまで叩解した。次に、この楮
(こうぞ)の繊維の塊をフェノール樹脂PX−1600
((株)ホーネンコーポレーション製)溶液と混ぜ合わ
せた後、圧力を加えながらブロック化した。その後、乾
燥,熱硬化(150℃,120分)させた後、100m
m×100mm×100mmの大きさの立方体ブロック
を切り出した。その後、真空熱処理炉中(3×10-1T
orr)で焼成した(焼成条件は、実施例4と同じ)と
ころ、元の大きさより体積で約5割の大きさになった
(81mm×81mm×81mm)ブロック状セラミッ
クス構造物を得ることができた。これにより、従来、そ
の利用方法として和紙以外に考えられなかった植物材料
に機械的処理,化学的処理を加え、さらに、本発明の処
理を行うことにより、新しい特性を持つ新規な素材へと
生まれ変わらせることが可能となった。
【0036】(実施例8)実施例5で使用したパルプと
同じものと実施例6で使用したパルプと同じものを半分
ずつ混ぜ合わせ、その後、実施例5,6と同様のフェノ
ール樹脂混合,成形,熱処理を行い、元の大きさより体
積で5割強の大きさになった(82mm×82mm×8
2mm)ブロック状セラミックス構造物を得ることがで
きた。
同じものと実施例6で使用したパルプと同じものを半分
ずつ混ぜ合わせ、その後、実施例5,6と同様のフェノ
ール樹脂混合,成形,熱処理を行い、元の大きさより体
積で5割強の大きさになった(82mm×82mm×8
2mm)ブロック状セラミックス構造物を得ることがで
きた。
【0037】(実施例9)実施例5で使用したパルプと
同じものをフェノール樹脂PX−1600((株)ホー
ネンコーポレーション製)溶液と混ぜ合わせた後、プラ
スチック等の成形加工と同じように、型成形でコップ形
状(外径φ100mm,内径φ80mm,高さ120m
m)、および皿形状(直径φ150mm,肉厚4mm)
のものを製作した。その後、乾燥,熱硬化(150℃,
120分)させた後、真空熱処理炉中(3×10-1To
rr)で焼成した(1500℃,240分)ところ、元
の大きさよりいくぶん小さくなった、コップ形状(外径
φ85mm,内径φ65mm,高さ103mm)および
皿形状(直径φ125mm,肉厚3mm)のセラミック
ス構造物を得ることができた。熱処理炉の焼成プログラ
ムの詳細は、図3に示すとおりである。
同じものをフェノール樹脂PX−1600((株)ホー
ネンコーポレーション製)溶液と混ぜ合わせた後、プラ
スチック等の成形加工と同じように、型成形でコップ形
状(外径φ100mm,内径φ80mm,高さ120m
m)、および皿形状(直径φ150mm,肉厚4mm)
のものを製作した。その後、乾燥,熱硬化(150℃,
120分)させた後、真空熱処理炉中(3×10-1To
rr)で焼成した(1500℃,240分)ところ、元
の大きさよりいくぶん小さくなった、コップ形状(外径
φ85mm,内径φ65mm,高さ103mm)および
皿形状(直径φ125mm,肉厚3mm)のセラミック
ス構造物を得ることができた。熱処理炉の焼成プログラ
ムの詳細は、図3に示すとおりである。
【0038】(実施例10)実施例5で使用したパルプ
と同じものをフェノール樹脂PX−1600((株)ホ
ーネンコーポレーション製)溶液と混ぜ合わせた後、プ
ラスチック等の成形加工と同じように、型成形でコップ
形状(外径φ100mm,内径φ80mm,高さ120
mm)のものを製作した。その後、乾燥,熱硬化(15
0℃,120分)させた後、施盤加工で外側に幅4m
m,深さ2mmの溝を3本形成した。その後、真空熱処
理炉中(3×10-1Torr)で焼成した(焼成条件
は、実施例8と同じ)ところ、元の大きさよりいくぶん
小さくなった、コップ形状(外径φ85mm,内径φ6
5mm,高さ103mm)で、溝もいくぶん細くなった
(幅3mm,深さ1.6mm)ものの、忠実に元の形を
維持して形成されたセラミックス構造物を得ることがで
きた。
と同じものをフェノール樹脂PX−1600((株)ホ
ーネンコーポレーション製)溶液と混ぜ合わせた後、プ
ラスチック等の成形加工と同じように、型成形でコップ
形状(外径φ100mm,内径φ80mm,高さ120
mm)のものを製作した。その後、乾燥,熱硬化(15
0℃,120分)させた後、施盤加工で外側に幅4m
m,深さ2mmの溝を3本形成した。その後、真空熱処
理炉中(3×10-1Torr)で焼成した(焼成条件
は、実施例8と同じ)ところ、元の大きさよりいくぶん
小さくなった、コップ形状(外径φ85mm,内径φ6
5mm,高さ103mm)で、溝もいくぶん細くなった
(幅3mm,深さ1.6mm)ものの、忠実に元の形を
維持して形成されたセラミックス構造物を得ることがで
きた。
【0039】(実施例11)(株)リコー製PPC用紙
6200に複写された複写済みのPPC用紙(トナー画
像が付いたままのもの)を、水中で叩解してパルプに戻
したものに、実施例8と同様の処理を施し、同様のコッ
プ形状(外径φ100mm×,内径φ80mm,高さ1
20mm)のものを製作した。その後、乾燥,熱硬化
(150℃,120分)させた後、真空熱処理炉中(3
×10-1Torr)で焼成した(焼成条件は、実施例9
と同じ)ところ、元の大きさよりいくぶん小さくなっ
た、コップ形状(外径φ86mm,内径φ66mm,高
さ104mm)のセラミックス構造物を得ることができ
た。
6200に複写された複写済みのPPC用紙(トナー画
像が付いたままのもの)を、水中で叩解してパルプに戻
したものに、実施例8と同様の処理を施し、同様のコッ
プ形状(外径φ100mm×,内径φ80mm,高さ1
20mm)のものを製作した。その後、乾燥,熱硬化
(150℃,120分)させた後、真空熱処理炉中(3
×10-1Torr)で焼成した(焼成条件は、実施例9
と同じ)ところ、元の大きさよりいくぶん小さくなっ
た、コップ形状(外径φ86mm,内径φ66mm,高
さ104mm)のセラミックス構造物を得ることができ
た。
【0040】(実施例12)(株)リコー製PPC用紙
6200に画像複写された複写済みのPPC用紙(トナ
ー画像が付いたままのもの)を、水中で叩解してパルプ
に戻したものと実施例5で使用したパルプと同じものを
半分ずつ混ぜ合わせ、その後、実施例9と同様の処理を
施し、同様のコップ形状(外径φ100mm×,内径φ
80mm,高さ120mm)のものを製作した。その
後、乾燥,熱硬化(150℃,120分)させた後、真
空熱処理炉中(3×10-1Torr)で焼成した(焼成
条件は、実施例9と同じ)ところ、元の大きさよりいく
ぶん小さくなった、コップ形状(外径φ85mm×,内
径φ65mm,高さ103mm)のセラミックス構造物
を得ることができた。
6200に画像複写された複写済みのPPC用紙(トナ
ー画像が付いたままのもの)を、水中で叩解してパルプ
に戻したものと実施例5で使用したパルプと同じものを
半分ずつ混ぜ合わせ、その後、実施例9と同様の処理を
施し、同様のコップ形状(外径φ100mm×,内径φ
80mm,高さ120mm)のものを製作した。その
後、乾燥,熱硬化(150℃,120分)させた後、真
空熱処理炉中(3×10-1Torr)で焼成した(焼成
条件は、実施例9と同じ)ところ、元の大きさよりいく
ぶん小さくなった、コップ形状(外径φ85mm×,内
径φ65mm,高さ103mm)のセラミックス構造物
を得ることができた。
【0041】(実施例13)100mm×100mmの
大きさにした以下のリストに示すような密度の異なる各
種の紙を準備し、実施例1と同様のフェノール樹脂を含
浸,乾燥,熱硬化(135℃,60分)、ならびに、真
蒸熱処理を行った。その結果、それぞれ約80mm×8
0mmの大きさになったシート状セラミックスを得た
が、サンプルNo.7,8,9のものは、機械的強度が
弱く、真空熱処理炉から取り出す前にすでに炉中で破損
していたり、あるいは、取り出すためにわずかに手で触
れただけで破損してしまい、実用的な強度がなかった。
一方、それ以外のサンプルは、充分強度があり、破損す
ることはなかった。つまり、本発明のようなシート状セ
ラミックスで、少なくともそれを製作するにあたって、
ふつうに取り扱うことのできる必要最小限の実用的な強
度を得るには、使用する紙の密度を0.50g/cm3以
上にしなければならないことがわかった。なお、ここで
いっている密度とは、製紙業界で一般に適用している密
度のことであり、秤量(1m2あたりの重さ(グラム
数))を厚さで除して算出したものである(いわゆる物
理学でいうところの密度とは厳密には同じではない)。
大きさにした以下のリストに示すような密度の異なる各
種の紙を準備し、実施例1と同様のフェノール樹脂を含
浸,乾燥,熱硬化(135℃,60分)、ならびに、真
蒸熱処理を行った。その結果、それぞれ約80mm×8
0mmの大きさになったシート状セラミックスを得た
が、サンプルNo.7,8,9のものは、機械的強度が
弱く、真空熱処理炉から取り出す前にすでに炉中で破損
していたり、あるいは、取り出すためにわずかに手で触
れただけで破損してしまい、実用的な強度がなかった。
一方、それ以外のサンプルは、充分強度があり、破損す
ることはなかった。つまり、本発明のようなシート状セ
ラミックスで、少なくともそれを製作するにあたって、
ふつうに取り扱うことのできる必要最小限の実用的な強
度を得るには、使用する紙の密度を0.50g/cm3以
上にしなければならないことがわかった。なお、ここで
いっている密度とは、製紙業界で一般に適用している密
度のことであり、秤量(1m2あたりの重さ(グラム
数))を厚さで除して算出したものである(いわゆる物
理学でいうところの密度とは厳密には同じではない)。
【0042】 リスト: サンプルNo. 紙種 密度 1 グラシン紙 1.10g/cm3 2 インディア紙 0.80g/cm3 3 PPC用紙 0.78g/cm3 4 ライスペーパー 0.62g/cm3 5 新聞用紙 0.57g/cm3 6 含浸加工用原紙 その1 0.50g/cm3 7 含浸加工用原紙 その2 0.41g/cm3 8 手漉き和紙 その1 0.32g/cm3 9 手漉き和紙 その2 0.20g/cm3
【0043】(実施例14)フェノール樹脂として、フ
ェノール樹脂接着剤DP−460(住友スリーエム製)
を用い、この接着剤をエタノールで希釈した溶液に、実
施例1と同様のPPC用紙を浸した後、乾燥,熱硬化
(80℃,60分)させた。その後、実施例1と同様の
真空熱処理を行ったところ、実施例1と同様に元のA4
サイズより、面積で約6割の大きさになった(163m
m×231mm)シート状セラミックスを得ることがで
きた。
ェノール樹脂接着剤DP−460(住友スリーエム製)
を用い、この接着剤をエタノールで希釈した溶液に、実
施例1と同様のPPC用紙を浸した後、乾燥,熱硬化
(80℃,60分)させた。その後、実施例1と同様の
真空熱処理を行ったところ、実施例1と同様に元のA4
サイズより、面積で約6割の大きさになった(163m
m×231mm)シート状セラミックスを得ることがで
きた。
【0044】(実施例15)実施例14のフェノール樹
脂接着剤のかわりに、エポキシ系接着剤XB3052
(チバガイギー製)を用い、実施例14と同様の処理を
行ったところ、実施例14と同様に元のA4サイズよ
り、面積で約6割の大きさになった(160mm×22
8mm)シート状セラミックスを得ことができた。
脂接着剤のかわりに、エポキシ系接着剤XB3052
(チバガイギー製)を用い、実施例14と同様の処理を
行ったところ、実施例14と同様に元のA4サイズよ
り、面積で約6割の大きさになった(160mm×22
8mm)シート状セラミックスを得ことができた。
【0045】(実施例16)実施例1で使用したPPC
用紙6200((株)リコー製)を100mm×100
mmの大きさにし、折り紙の要領で鶴と紙飛行機を折っ
た。その後、実施例1と同様の処理を行ったところ、元
の鶴と紙飛行機よりひとまわり小さくなった鶴と紙飛行
機の形状を保ったままのセラミックスを得ることができ
た。
用紙6200((株)リコー製)を100mm×100
mmの大きさにし、折り紙の要領で鶴と紙飛行機を折っ
た。その後、実施例1と同様の処理を行ったところ、元
の鶴と紙飛行機よりひとまわり小さくなった鶴と紙飛行
機の形状を保ったままのセラミックスを得ることができ
た。
【0046】(実施例17)実施例1と同じ材料を用
い、焼成条件を真空中ではなく、窒素ガス雰囲気中で行
った(焼成温度,時間は実施例1と同じ)ところ、実施
例1とほとんど同じシート状セラミックスを得ことがで
きた。
い、焼成条件を真空中ではなく、窒素ガス雰囲気中で行
った(焼成温度,時間は実施例1と同じ)ところ、実施
例1とほとんど同じシート状セラミックスを得ことがで
きた。
【0047】
(1)植物を原料の出発材料とした新規な炭素系セラミ
ックス素材を提案した。この素材は、前述のように、機
械的,電磁気的,熱的特性を持ち、低摩擦係数を利用し
た軸受け等への応用,電磁シールド特性を利用した電子
機器内の電磁シールド材等への応用等様々な分野への利
用が期待できる。また、この素材は、植物を原料の出発
材料としているので、石油,石炭,各種鉱物等のように
有限の資源と違って計画的に植物育成を行うことによ
り、永久的に原料を供給できるという特徴を有してい
る。さらに、この素材は、有機高分子化合物を植物繊維
に絡ませて炭化させて、製作されるので、植物繊維単位
で炭化させて製作される素材より高強度の素材とするこ
とができた。
ックス素材を提案した。この素材は、前述のように、機
械的,電磁気的,熱的特性を持ち、低摩擦係数を利用し
た軸受け等への応用,電磁シールド特性を利用した電子
機器内の電磁シールド材等への応用等様々な分野への利
用が期待できる。また、この素材は、植物を原料の出発
材料としているので、石油,石炭,各種鉱物等のように
有限の資源と違って計画的に植物育成を行うことによ
り、永久的に原料を供給できるという特徴を有してい
る。さらに、この素材は、有機高分子化合物を植物繊維
に絡ませて炭化させて、製作されるので、植物繊維単位
で炭化させて製作される素材より高強度の素材とするこ
とができた。
【0048】(2)植物組織をいったんバラバラにし
て、植物が本来その成長過程で持っている細胞繊維組織
の方向性(異方性)をランダムにして、繊維の集合体が
等方的な性質を持つようにして、本発明の素材を形成し
たので、得られた素材は、その物理的,化学的物性に異
方性はなく、均質な素材を得ることができるようになっ
た。
て、植物が本来その成長過程で持っている細胞繊維組織
の方向性(異方性)をランダムにして、繊維の集合体が
等方的な性質を持つようにして、本発明の素材を形成し
たので、得られた素材は、その物理的,化学的物性に異
方性はなく、均質な素材を得ることができるようになっ
た。
【0049】(3)植物を分解して得られる繊維の集合
体と有機高分子とよりなる複合体の成形物を炭化させ
て、本発明の素材となるようにしたので、新規素材に形
状を付与した構造物を提案できた。このように炭化させ
る前に成形によって様々な形状にすることができ、それ
が炭化した後に、寸法はある一定の比率で小さくなる
が、形状は焼成前の形状を保つので、収縮を見込んで各
種の成形を行うことにより、容易に本発明の素材による
色々な形状物を得ることできる。
体と有機高分子とよりなる複合体の成形物を炭化させ
て、本発明の素材となるようにしたので、新規素材に形
状を付与した構造物を提案できた。このように炭化させ
る前に成形によって様々な形状にすることができ、それ
が炭化した後に、寸法はある一定の比率で小さくなる
が、形状は焼成前の形状を保つので、収縮を見込んで各
種の成形を行うことにより、容易に本発明の素材による
色々な形状物を得ることできる。
【0050】(4)植物組織をいったんバラバラにし
て、植物が本来その成長過程で持っている細胞繊維組織
の方向性(異方性)をランダムにして、繊維の集合体が
等方的な性質を持つようにして、本発明の素材を用いた
構造物としたので、得られた構造物は、その機械的強度
が繊維の方向等によって異なることなく、方向依存性の
ない均質な強度をもった構造物を得ることができるよう
になった。
て、植物が本来その成長過程で持っている細胞繊維組織
の方向性(異方性)をランダムにして、繊維の集合体が
等方的な性質を持つようにして、本発明の素材を用いた
構造物としたので、得られた構造物は、その機械的強度
が繊維の方向等によって異なることなく、方向依存性の
ない均質な強度をもった構造物を得ることができるよう
になった。
【0051】(5)地球上に有限の資源である石油・石
炭・天然ガス等の化石資源から化学的に合成された素材
を原料の出発材料とした新規な炭素系セラミックス素材
を提案した。この素材は、前述のように、機械的,電磁
気的,熱的特性を持ち、低摩擦係数を利用した軸受け等
への応用,電磁シールド特性を利用した電子機器内の電
磁シールド材等への応用等様々な分野への利用が期待で
きる。
炭・天然ガス等の化石資源から化学的に合成された素材
を原料の出発材料とした新規な炭素系セラミックス素材
を提案した。この素材は、前述のように、機械的,電磁
気的,熱的特性を持ち、低摩擦係数を利用した軸受け等
への応用,電磁シールド特性を利用した電子機器内の電
磁シールド材等への応用等様々な分野への利用が期待で
きる。
【0052】(6)本発明による新規素材あるいは構造
物を作るための出発材料を紙とすることにより、容易に
シート状の新規材料を得ることができる。
物を作るための出発材料を紙とすることにより、容易に
シート状の新規材料を得ることができる。
【0053】(7)本発明による構造物を作るための出
発材料を紙の構造物とすることにより、容易に複雑な形
状をした本発明の構造物を得ることができるようになっ
た。例えば、紙を折ったり、切ったりして容易に複雑な
形状の構造物ができるので、置物,アクセサリー等を簡
単につくることができるようになった。
発材料を紙の構造物とすることにより、容易に複雑な形
状をした本発明の構造物を得ることができるようになっ
た。例えば、紙を折ったり、切ったりして容易に複雑な
形状の構造物ができるので、置物,アクセサリー等を簡
単につくることができるようになった。
【0054】(8)本発明による新規素材あるいは構造
物を作るための出発材料の紙の密度を、ある値以上とす
ることにより、本発明素材によるシート状の構造物であ
っても、その製作途中で破損したりすることなく、ま
た、作製後の機械的強度も充分に維持され、各種の構造
物あるいは電磁シールド部材等に支障なく使用できる。
物を作るための出発材料の紙の密度を、ある値以上とす
ることにより、本発明素材によるシート状の構造物であ
っても、その製作途中で破損したりすることなく、ま
た、作製後の機械的強度も充分に維持され、各種の構造
物あるいは電磁シールド部材等に支障なく使用できる。
【0055】(9)本発明による新規素材あるいは構造
物を作るための出発材料をパルプとすることにより、焼
成前の成形によって様々な形状とすることができるの
で、容易に本発明素材に各種の形状を付与された構造物
を得ることができる。
物を作るための出発材料をパルプとすることにより、焼
成前の成形によって様々な形状とすることができるの
で、容易に本発明素材に各種の形状を付与された構造物
を得ることができる。
【0056】(10)本発明による新規素材あるいは構
造物を作るための出発材料を、古紙を分解して得られる
繊維の集合体とすることにより、従来、廃棄するしかな
かった古紙を新規素材として再生させることが可能とな
り、紙資源の有効利用法が実現した。
造物を作るための出発材料を、古紙を分解して得られる
繊維の集合体とすることにより、従来、廃棄するしかな
かった古紙を新規素材として再生させることが可能とな
り、紙資源の有効利用法が実現した。
【0057】(11)本発明による新規素材あるいは構
造物を作るための出発材料を、古紙を分解して得られる
繊維の集合体と新しい植物を分解して得られる繊維の集
合体とすることにより、従来、廃棄するしかなかった古
紙を新規素材として再生させることが可能となり、紙資
源の有効利用法が実現した。また、古紙を分解して得ら
れる繊維の集合体単体を出発材料として、本発明素材を
製作した場合は、紙製造のプロセスをすでに1回あるい
はそれ以上経ているので、そのもとの繊維が疲労してお
り、得られる本発明素材も、やや機械的強度が劣るが、
本発明では、新しい植物を分解して得られる繊維の集合
体を混合して本発明素材を得るようにしたので、強度面
の問題も解消している。
造物を作るための出発材料を、古紙を分解して得られる
繊維の集合体と新しい植物を分解して得られる繊維の集
合体とすることにより、従来、廃棄するしかなかった古
紙を新規素材として再生させることが可能となり、紙資
源の有効利用法が実現した。また、古紙を分解して得ら
れる繊維の集合体単体を出発材料として、本発明素材を
製作した場合は、紙製造のプロセスをすでに1回あるい
はそれ以上経ているので、そのもとの繊維が疲労してお
り、得られる本発明素材も、やや機械的強度が劣るが、
本発明では、新しい植物を分解して得られる繊維の集合
体を混合して本発明素材を得るようにしたので、強度面
の問題も解消している。
【0058】(12)本発明による新規素材あるいは構
造物を作るための出発材料を紙の積層物とすることによ
り、板状,ブロック状の本発明素材による構造物が得ら
れるようになった。また、不要になった古本等を本発明
素材として再生することが可能となり、紙資源の有効利
用法が実現した。
造物を作るための出発材料を紙の積層物とすることによ
り、板状,ブロック状の本発明素材による構造物が得ら
れるようになった。また、不要になった古本等を本発明
素材として再生することが可能となり、紙資源の有効利
用法が実現した。
【0059】(13)本発明による新規素材あるいは構
造物を作るための出発材料を古紙とすることにより、オ
フィスより排出される大量の使用済みコピー用紙,プリ
ンター用紙,コンピューターの出力用紙,不要書類ある
いは新聞用紙等を廃棄・焼却という非資源化の道をたど
ることなく、本発明素材として再生させることが可能と
なり、紙資源の有効利用法が実現した。
造物を作るための出発材料を古紙とすることにより、オ
フィスより排出される大量の使用済みコピー用紙,プリ
ンター用紙,コンピューターの出力用紙,不要書類ある
いは新聞用紙等を廃棄・焼却という非資源化の道をたど
ることなく、本発明素材として再生させることが可能と
なり、紙資源の有効利用法が実現した。
【図1】 実施例1における熱処理炉の焼成温度条件
(焼成時間と焼成温度)を示す図である。
(焼成時間と焼成温度)を示す図である。
【図2】 実施例5における熱処理炉の焼成温度条件
(焼成時間と焼成温度)を示す図である。
(焼成時間と焼成温度)を示す図である。
【図3】 実施例9における熱処理炉の焼成温度条件
(焼成時間と焼成温度)を示す図である。
(焼成時間と焼成温度)を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 9/00 D21H 1/48
Claims (2)
- 【請求項1】 草と木と竹との細胞組織を、機械的処
理,化学的処理によって分解し、抄紙工程を経て薄いシ
ート状の紙を作製し、その後、該紙を時間をかけて昇温
させ、その後、一定の時間,一定の温度に保ち、その
後、時間をかけて降温させ、炭化させたことを特徴とす
るシート状炭素系セラミックス。 - 【請求項2】 草と木と竹との細胞組織を、機械的処
理,化学的処理によって分解し、抄紙工程を経て薄いシ
ート状の紙を作製し、その後、該紙を時間をかけて昇温
させ、その後、一定の時間,一定の温度に保ち、その
後、時間をかけて降温させ、炭化させることを特徴とす
るシート状炭素系セラミックスの製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8350047A JPH10194858A (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | 炭素系セラミックス及びその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8350047A JPH10194858A (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | 炭素系セラミックス及びその製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10194858A true JPH10194858A (ja) | 1998-07-28 |
Family
ID=18407870
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8350047A Pending JPH10194858A (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | 炭素系セラミックス及びその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10194858A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005268579A (ja) * | 2004-03-19 | 2005-09-29 | Shin Nippon Tex Kk | 電磁波遮蔽材 |
CN105218071A (zh) * | 2015-09-17 | 2016-01-06 | 宜兴市雅博环保新材料有限公司 | 一种新型竹炭陶净水内胆及其制备方法 |
CN107217523A (zh) * | 2017-06-01 | 2017-09-29 | 齐鲁工业大学 | 一种用于超级电容器的新型杂化纤维炭纸的制备方法 |
-
1996
- 1996-12-27 JP JP8350047A patent/JPH10194858A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005268579A (ja) * | 2004-03-19 | 2005-09-29 | Shin Nippon Tex Kk | 電磁波遮蔽材 |
CN105218071A (zh) * | 2015-09-17 | 2016-01-06 | 宜兴市雅博环保新材料有限公司 | 一种新型竹炭陶净水内胆及其制备方法 |
CN107217523A (zh) * | 2017-06-01 | 2017-09-29 | 齐鲁工业大学 | 一种用于超级电容器的新型杂化纤维炭纸的制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041115 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050308 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050317 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050531 |