JPH1018672A

JPH1018672A - 単板の蝶番並びに単板の蝶番裁断製造用プレート

Info

Publication number: JPH1018672A
Application number: JP21041196A
Authority: JP
Inventors: Takahide Sogi; 隆秀曽木
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1996-07-05
Filing date: 1996-07-05
Publication date: 1998-01-20

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明は、色々な不都合の原因になる軸部を
もたない、単板の蝶番の実現を課題とする。【解決手段】蝶番大のポリプロピレンの薄板に折目を
設けて単板の蝶番とし、適度な厚みと広さのあるポリプ
ロピレンのプレートの全面に小孔を設けて単板の蝶番裁
断製造用プレートとする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、扉や蓋などの開閉
部に使用する蝶番に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】蝶番は、軸部を中心に動く二片の金属板
で成る汎用の開閉部品である。開閉部品としては、他に
も、アーム型のものとか、開閉時の圧力をバネで調整す
る機構を備えたものなどもあるが、蝶番は、丈夫で、安
く、取り付けやすい、手頃な開閉部品として、汎く使用
されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の蝶番は軸部があ
るために、軋み音が出たり、軸筒が目障りになる場合が
あったり、滑動が不良になったり、それなりに製作コス
トがかかったりした。本発明は、軸部のない蝶番という
ことを課題とするものであり、この課題から導かれる単
板の蝶番、並びに、単板の蝶番を必要大に複数裁断製造
できる単板の蝶番裁断製造用プレートを提供することを
目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】蝶番の軸部をなくすため
に、一枚の板、即ち、単板に折目を形成する。この単板
は、相当の係止物を支持し得る堅牢さを必要とするし、
その折目は、単板を截然と二片に分かつものでなければ
ならず、同時に、耐疲労性にすぐれ、破断に耐える丈夫
さをもち、板体の堅牢さを保持するものでなければなら
ない。また、単板の蝶番なら、従来の金属製の蝶番より
安価になる必要がある。そこで、機械的性質のバランス
が良好で、比較的に安価な、ポリプロピレンを単板の蝶
番の材料とし、適度な厚みと広さのある、ポリプロピレ
ンのプレートを単板の蝶番裁断製造用プレートとする。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明は、ポリプロピレンの薄板
を、その材料とする。ポリプロピレンは、生産技術・コ
スト共に一般的な汎用プラスチックであり、引っ張り強
さ、曲げ強さ、圧縮強さ、衝撃強さ、など、機械的性質
のバランスがよく、着色性、成型性、耐薬品性もよく、
比重もプラスチック中最小という好材であるが、なかで
も、繰り返しの折り曲げによく耐える特性が特徴的であ
る。実例として、ファイルブックの表紙に、色感、光
沢、触感がよく、堅牢ということで、ポリプロピレンの
極薄板がよく使用されているが、折目部分は薄く形成さ
れ、ポリプロピレンが繰り返しの折り曲げによく耐える
ことを示している。ポリプロピレンと外観上の区別がつ
きにくい紙製のファイルブックもあるが、こちらは、逆
に、折目に沿う部分が肉厚にしてある。本発明の単板の
蝶番としては、先の表紙のように、薄い部分や、肉厚の
部分をつくることなく、丈夫で、截然とした折目をつく
らなければならない。しかし、単に折り曲げるだけでは
截然とした折目にならない。そこで、蝶番サイズのポリ
プロピレンの薄板に、列状に小孔を設ける。この小孔の
列に従って折り返すことで、一枚の板、即ち、単板を二
片に分かつ截然とした折目がつき、単板の蝶番としての
機能が生じる。さらに、要所に止釘用の小孔を設けるこ
とで、単板の蝶番の体裁が整う。列状に小孔を設けるの
は、折線が非連続になることで、折癖が容易につくから
であり、このことにより、小孔を繋ぐ截前とした折目が
形成されることになる。小孔に代えて、破線状に切り込
みを設けることでも、折癖が容易につくという同じ効果
があり、また、破線状に切痕をつけることでも同様であ
る。ポリプロピレンの薄板体の厚みを削らない方法で形
成する折目は、繰り返しの折り曲げに対して丈夫である
し、全体の堅牢さを保つことにもなる。この単板の蝶番
の厚みは、折り曲げやすさと堅牢さが折り合う所の厚み
ということになるが、これが丁度、汎用蝶番として程の
よい厚み付近のこととなる。この単板の蝶番の折目には
多少とも弾力性が残るので、これが扉の開閉の際に作用
して、扉開時に節度感、そして、扉閉時に補助感が、手
応えとして生じる。

【０００６】単板の蝶番は、金属製蝶番の代わりをつと
める場面も多いが、その単純明快な構成と特徴的な材料
特性を生かすべき用途が存在する。例えば、本出願人に
よる『装飾区画の縁取り材』の出願（特願平７−２４３
５４５号参照）は、展示コーナー、グリーンゾーン、坪
庭、花壇など、建物内外にある装飾主体の区画を縁取
り、これを引き立てるものであるが、蝶着部の存在がこ
の発明の大きな要素となっている。そこでの使用を想定
した場合、この単板の蝶番は、経済的なこと、軽いこ
と、土に埋めても支障のないこと、不必要に開閉しない
ことなどのメリットがある。つまり、この単板の蝶番
は、独自のメリットをもつものである。

【０００７】ポリプロピレンの薄板は、鋏などで容易に
裁断できる。そこで、適度な厚さと広さをもつポリプロ
ピレンの薄板の全面に小孔を設けて単板の蝶番裁断製造
用プレートとするが、小孔は、蝶番としての堅牢さを損
なうことのない口径・間隔とし、縦横の直線上に、規則
的に並ぶように設ける。プレートの全面に設けられた小
孔により、プレートのどこでも折目になり得るので、単
板の蝶番の大きさはプレートの範囲で自由となり、裁断
も容易になり、また、裁断した材のどこでも止め釘用の
下孔になり得ることにもなる。裁断した材の中央付近
を、規則的にあいた小孔の列に従って折り返すことで、
折癖のついた截然とした折目が形成され、必要大の単板
の蝶番となる。適度な広さをもつこの単板の蝶番裁断製
造用プレートからは、必要大の単板の蝶番が複数裁断製
造できるし、工夫をこらした形に裁断することも容易で
ある。

【０００８】ポリプロピレンは成型の着色性もいいの
で、カラフルな単板の蝶番裁断製造用プレート、ひいて
は、カラフルな単板の蝶番ができることになる。カラフ
ルでデザイン性のある単板の蝶番なら、取り付けやすい
ということ以外にも、意匠的な効果を目的として、積極
的に表側に使用することができる。

【０００９】

【発明の効果】本発明の単板の蝶番は、シンプルな構成
なので、安価になり、故障もない。本発明の単板の蝶番
は、フラットで、軽く、光沢があり、触感が柔らかい。
本発明の単板の蝶番は、折部分にできる隙が狭く、開閉
に伴う軋みもない。本発明の単板の蝶番は、折目の復元
弾性が、扉開時の適度な手応えとなる。本発明の単板の
蝶番は、折目の復元弾性が、扉閉時の自然な補助力とな
る。本発明の単板の蝶番は、水まわりにも、汚れにも強
く、錆びることもない。本発明の単板の蝶番は、カラフ
ルに、そして色々なデザインに製造できる。本発明の単
板の蝶番は、表側に使用して、意匠性を訴える使い方が
できる。本発明の単板の蝶番は、その特性を生かして、
新用途を拓くことができる。本発明の単板の蝶番裁断製
造用プレートは、必要に応じ、色々な形や大きさの単板
の蝶番を、自分で手軽に、複数裁断製造することを可能
にする。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ポリプロピレンの薄板に折目を設けて成
る単板の蝶番。
【請求項２】請求項１の単板の蝶番を必要大に複数裁
断製造できる単板の蝶番裁断製造用プレート。