JPH10185833A - 壁面の探傷検査方法およびその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 探傷用カメラ装置を壁の内面に沿って上下に
移動させ乍ら横方向に進める壁面の探傷検査方法および
その装置を提供する。 【解決手段】 壁面に発生した傷・割れ・孔食等を検査
する方法であって、探傷用カメラ装置４が壁面の検査面
３に沿って一方端縁もしくは他方端縁に向って移動し乍
ら同壁面の幅方向線上個所を検査し、次いで同探傷用カ
メラ装置が一方端縁もしくは他方端縁位置に至った所で
これを端縁に沿う方向に同探傷用カメラ装置の探傷可能
範囲の横幅寸法分まで移動し、この移動後に同探傷用カ
メラ装置が他方端縁もしくは一方端縁に移動し乍ら上記
幅方向線上個所の隣りの幅方向線上個所を検査し、次い
で同探傷用カメラ装置が他方端縁もしくは一方端縁位置
に至った所でこれを端縁に沿う方向に上記と同じ寸法分
まで移動し、その後移動を順に繰り返すようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、溶接によって金属
板を継ぎ合せること等により得た垂直壁面部もしくは水
平壁面部の探傷や定期点検に用いるものであって、探傷
用カメラ装置を壁面に沿って蛇行方向に進め乍ら同壁面
における傷・割れ・孔食等を検査する蛇行方向進め方式
の探傷検査方法およびその装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】溶接によって鉄板等金属板を継ぎ合せる
ことにより得た壁面の保守点検（定期点検）等は、主に
ＰＴ検査（浸透探傷試験）による方法を用いて、傷・割
れ・孔食等の検査を行っている。このＰＴ方法は、微細
な表面傷等の検出に優れた能力を持っているが、ＰＴ検
査に使用する探傷剤が有機溶剤をベースとしており可燃
質で構成されているので、換気（健康衛生）と火災予防
に十分な管理が重要となり、また作業を行うための足場
の安全にも十分な注意が必要である等の諸問題があっ
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記諸問題
を有している有機溶剤をベースとした可燃質で構成され
ている探傷剤を用いなくともよい、探査作業時間の短縮
および画像振動ブレの解消を可能とする新規の壁面の探
傷検査方法およびその装置を提供することを目的とす
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る壁面の探傷検査方法は、壁面に発生した
傷・割れ・孔食等を検査する方法であって、探傷用カメ
ラ装置が壁面の検査面に沿って一方端縁もしくは他方端
縁に向って移動し乍ら同壁面の幅方向線上個所を検査
し、次いで同探傷用カメラ装置が一方端縁もしくは他方
端縁位置に至った所でこれを端縁に沿う方向に同探傷用
カメラ装置の探傷可能範囲の横幅寸法分まで移動し、こ
の移動後に同探傷用カメラ装置が他方端縁もしくは一方
端縁に移動し乍ら上記幅方向線上個所の隣りの幅方向線
上個所を検査し、次いで同探傷用カメラ装置が他方端縁
もしくは一方端縁位置に至った所でこれを端縁に沿う方
向に上記と同じ寸法分まで移動し、その後、上記の一方
端縁もしくは他方端縁に向う移動検査、一方端縁もしく
は他方端縁に沿う移動、他方端縁もしくは一方端縁に向
う移動検査および他方端縁もしくは一方端縁に沿う移動
を順に繰り返すようにしたものであり、また、その装置
は、壁面の検査面に並行して移動する並行移動用台車
と、並行移動用台車に設けた幅方向移動用レールと、幅
方向移動用レールに沿って移動するモータ駆動型の幅方
向移動用台車と、幅方向移動用台車に固定した探傷用カ
メラ装置と、探傷用カメラ装置の制御部および両台車の
制御部ならびにこれ等制御部をコントロールするコンピ
ュータ制御部とを備え、これ等制御部を以て探傷用カメ
ラ装置を壁面の検査面に沿って幅方向に移動させ乍ら並
行方向に進めるようにしたものである。

【０００５】

【実施例】図に示す実施例は、溶接１によって金属板２
を継ぎ合せることにより得た垂直壁面３に発生した傷・
割れ・孔食等を探傷用カメラ装置４により検査をするも
のであって、先ず探傷用カメラ装置４が垂直壁面３の内
面に沿って下方に移動し乍ら同垂直壁面３の縦線上個所
を検査し、次いで同探傷用カメラ装置４が下端位置に至
った所でこれを横方向に同探傷用カメラ装置４の探傷可
能範囲の横幅寸法分まで移動し、この横方向移動後に同
探傷用カメラ装置４が上方に移動し乍ら上記縦線上個所
の隣りの縦線上個所を検査し、次いで同探傷用カメラ装
置４が上端位置に至った所でこれを上記と同じ横方向に
同じ寸法分まで移動し、その後、上記の下降移動検査、
下側横移動、上昇移動検査および上側横移動を順に繰り
返し、垂直壁面の終端に来た所で検査を完了するように
したものであり、

【０００６】探傷用カメラ装置４は、箱６の中に５本の
ＣＣＤカメラ（図示せず）が横並び状態として、また照
明用ランプ（図示せず）が探傷部を斜めから照射する状
態として装入されたものであって、次に述べる駆動装置
７によって上記の下降移動、下側横移動、上昇移動およ
び上側横移動をなし、またＣＣＤカメラにより得た画像
信号を後述するコンピュータ制御部２２のビデオ入力ボ
ード２９に入力するようにしたものであり、

【０００７】駆動装置７は、垂直壁面３の立ち面上に装
置した台盤８と、台盤８の上面に垂直壁面３に並行する
向きとして設けた１対の並行移動レール９、１０と並行
移動レール９、１０上に載架した並行移動用台車１１
と、並行移動用台車１１の上にステー１２を介して垂直
に立設した幅方向（縦方向）移動用レール１３と、幅方
向移動用レール１３の外面に固定した幅方向移動用ラッ
ク１４と、幅方向移動用レール１３に沿って上下動する
幅方向移動用台車１５と、幅方向移動用台車１５に上記
幅方向移動用ラック１４に噛合する状態および同台車１
５に搭載した幅方向移動用ステッピングモータ（図示せ
ず）により駆動する状態として設けた幅方向移動用駆動
歯車１６と、上記一方の並行移動レール１０に設けた並
行移動用ラック１８と、並行移動用台車１１に並行移動
ラック１８に噛合する状態および同台車１１に搭載した
並行移動用ステッピングモータ（図示せず）により駆動
する状態として設けた並行移動用駆動歯車１９と、を備
えた機械的部分と、探傷用カメラ装置４および幅方向移
動用ステッピングモータをコントロールする制御パネル
２１およびコンピュータ制御部２２と、から構成されて
いるものであって、幅方向移動用台車１５に探傷用カメ
ラ装置４が搭載されているものであり、

【０００８】制御パネル２１は、幅方向移動用レール１
３の上・下端個所に取付けた上限・下限用リミットスイ
ッチ２４、２５と並行移動レール９に取付けた開始・終
了用リミットスイッチ（図示せず）とからの信号や後述
するコンピュータ制御部２２およびリモートコントロー
ルパネル２６からの信号等によって幅方向移動用および
並行移動用ステッピングモータをコントロールするよう
にしたものであり、

【０００９】また、コンピュータ制御部２２は、パソコ
ン本体２７と、探傷用カメラ装置４とパソコン本体２７
との連係プレーを可能にするＩ／Ｏ用ボード２８と、Ｃ
ＣＤカメラからの画像をパソコン本体２７に入力するビ
デオ入力ボード２９と、デジタル化された画像を一時的
に溜めておく画像バッファメモリボード３０と、ソフト
ウエアの負担を軽減する増設ＳＩＭＭ３１と、パソコン
本体２７のオペレーションソフトウエア３２と、探傷検
査装置に合せてパソコン本体２７に画像処理を行わせる
ための特注ソフトウエア３３と、パソコン本体２７から
探傷結果のデータを受けてカラーで印刷するプリンタ３
４と、から構成されているものであって、探傷検査装置
とのタイミングを取り乍ら５本のＣＣＤカメラを超高速
で切り替えるカメラスイッチャー３５を介してビデオ入
力ボード２９に画像信号を受け、これをパソコン本体２
７等により処理して同期・制御信号を制御パネル２１お
よびカメラスイッチャー３５に送受するようにしたもの
である。

【００１０】上記実施例は、次の手順で使用する。すな
わち、 機械部分の組立および制御パネル２７・コンピュー
タ制御部等の結線ならびにリミットスイッチ取付位置等
の調整を行う。 パソコンに開始位置、終了位置をティーチングす
る。 制御パネル、画像処理装置、パソコン等をスタート
させ、カメラによる壁の内面走査を行う。 検査中の検査結果をパソコンの画面上にリアルタイ
ムで確認する。 検査終了。（パソコン上でタンク内面のレイアウト
図に欠陥個所が表示される。） 欠陥個所を選択し、当該欠陥個所に関する詳細な探
傷データを確認し、必要に応じてカラー印刷する。尚、
探傷データはパソコン内に記録され、いつでも内容を任
意に確認できる。 装置等を片付ける。

【００１１】本発明に係る装置は次のように実施するこ
とがある。すなわち、 ａ．幅方向移動用台車１５にマーカー装置を搭載し、パ
ソコン画面に健全部とは異なる表面すなわち傷・割れ・
孔食等のある表面が映し出されたときにスプレー等でマ
ークを付けるようにする。 ｂ．このマーク付けをオンライン（完全オート）で傷・
割れ・孔の所（番地）へ戻って行うようにする。 ｃ．幅方向移動用レール１３は並行移動用台車１１の上
に立設した主柱と当該主柱の上下に横向きとして設けた
１対の伸縮アームとを介して取付け、これによって垂直
壁面に遠近できるようにする。 ｄ．水平向き壁面も検査可能とするために幅方向移動用
レール１３を横臥向きにもできるようにする。 ｅ．水平向き壁面のみが検査対象の場合には当該水平壁
面の左右両側に並行移動用台車を設けてこれ等両台車間
に幅方向移動用レールを横向きで渡し設けこれに探傷用
カメラ装置を左右に駆動可能に懸架する。

【００１２】

【発明の効果】本発明による場合には、健康衛生および
火災予防に好ましくない有機溶剤ベースの探傷剤をいら
なくすることが可能で上記諸問題の解決ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す全体の系統図である。

【図２】同じく機械部分を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 溶融 ２ 金属板 ３ 垂直壁面 ４ 探傷用カメラ ６ 箱 ７ 駆動装置 ８ 台盤 ９、１０ 並行移動レール １１ 並行移動用台車 １２ ステー １３ 幅方向移動用レール １４ 幅方向移動用ラック １５ 幅方向移動用台車 １６ 幅方向移動用駆動歯車 １８ 並行移動用ラック １９ 並行移動用歯車 ２１ 制御パネル ２２ コンピュータ制御部 ２４、２５ リミットスイッチ ２６ リモートコントロールパネル ２７ パソコン本体 ２８、Ｉ／Ｏ用ボード ２９ ビデオ入力ボード ３０ 画像バッファメモリボード ３１ 増設ＳＩＭＭ ３２ オペレーションソフトウエア ３３ 特注ソフトウエア ３４ プリンタ ３５ カメラスイッチャー ３６ リモートコントロールパネル ３７ 荷重受け用遊輪

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁面に発生した傷・割れ・孔食等を検査
   する方法であって、探傷用カメラ装置が壁面の検査面に
   沿って一方端縁もしくは他方端縁に向って移動し乍ら同
   壁面の幅方向線上個所を検査し、次いで同探傷用カメラ
   装置が一方端縁もしくは他方端縁位置に至った所でこれ
   を端縁に沿う方向に同探傷用カメラ装置の探傷可能範囲
   の横幅寸法分まで移動し、この移動後に同探傷用カメラ
   装置が他方端縁もしくは一方端縁に移動し乍ら上記幅方
   向線上個所の隣りの幅方向線上個所を検査し、次いで同
   探傷用カメラ装置が他方端縁もしくは一方端縁位置に至
   った所でこれを端縁に沿う方向に上記と同じ寸法分まで
   移動し、その後、上記の一方端縁もしくは他方端縁に向
   う移動検査、一方端縁もしくは他方端縁に沿う移動、他
   方端縁もしくは一方端縁に向う移動検査および他方端縁
   もしくは一方端縁に沿う移動を順に繰り返すことを特徴
   とする壁面の探傷検査方法。
2. 【請求項２】 壁面の検査面に並行して移動する並行移
   動用台車と、並行移動用台車に設けた幅方向移動用レー
   ルと、幅方向移動用レールに沿って移動するモータ駆動
   型の幅方向移動用台車と、幅方向移動用台車に固定した
   探傷用カメラ装置と、探傷用カメラ装置の制御部および
   両台車の制御部ならびにこれ等制御部をコントロールす
   るコンピュータ制御部とを備え、これ等制御部を以て探
   傷用カメラ装置を壁面の検査面に沿って幅方向に移動さ
   せ乍ら並行方向に進めるようにしたことを特徴とする壁
   面の探傷検査装置。